説明

フェイスマスクの製造方法

【課題】液が含浸されており、顔に貼り付けてスキンケアを簡便に行うことのできるフェイスマスクを、効率よく製造することのできるフェイスマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のフェイスマスクの製造方法は、液が含浸されたフェイスマスクの製造方法であり、搬送されてきた帯状シート1をその流れ方向に沿って2つ折りする工程、2つ折りされた前記帯状シート1Aを、ダイカットロール21とアンビルロール25との間で切断して2つ折りされたフェイスマスク3A,3Bを形成し、該フェイスマスク3A,3Bから、流れ方向に連続する連続トリム11及び流れ方向に非連続の間欠トリム12,13を分離する工程、フェイスマスク3A,3Bを個装袋に入れる工程、及び、個装袋に液を注入して、フェイスマスク3A,3Bに液を含浸させる工程を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスマスクの製造方法に関し、詳しくは、液が含浸されたフェイスマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔に貼り付けて肌の手入れを行うスキンケア用品として、顔の全体又は一部に適合する形状に形成されたフェイスマスクが知られている。
例えば、特許文献1には、シート状の基材を顔形状に打ち抜いてなり、化粧水を含浸させて使用するフェイスマスクシートが記載されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、二酸化炭素透過性フィルムと不織布とを積層したシートにおける該不織布の少なくとも一部に、二酸化炭素と水分を含む液体又はゲルが保持されてなるものが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−287751号公報
【特許文献2】特開2006−028158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、フェイスマスク、特に液が含浸されており、顔に貼り付けて簡便にスキンケアを行うことのできるフェイスマスクを、十分に効率的に製造できる製造方法は、未だ提供されていないのが現状である。
【0005】
本発明の目的は、液が含浸されており、顔に貼り付けてスキンケアを簡便に行うことのできるフェイスマスクを、効率よく製造することのできる、フェイスマスクの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液が含浸されたフェイスマスクの製造方法であって、搬送されてきた帯状シートをその流れ方向に沿って2つ折りする工程、2つ折りされた前記帯状シートを、ダイカットロールとアンビルロールとの間で切断して2つ折りされたフェイスマスクを形成し、該フェイスマスクから、流れ方向に連続する連続トリム及び流れ方向に非連続の間欠トリムを分離する工程、前記フェイスマスクを個装袋に入れる工程、及び、前記個装袋に液を注入して、前記フェイスマスクに液を含浸させる工程を具備するフェイスマスクの製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフェイスマスクの製造方法によれば、液が含浸されており、顔に貼り付けてスキンケアを簡便に行うことのできるフェイスマスクを、効率よく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明をその好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明のフェイスマスクの製造方法の一実施態様は、(1)折り工程、(2)切断工程、(3)トリム分離工程、(4)袋収容工程、(5)液含浸工程及び(6)封止工程を経て、図6に示すように、個装袋6に収容され、液が含浸された状態のフェイスマスク5A,5Bを得る。
【0009】
(1)折り工程
折り工程においては、搬送されてきた帯状シート1を、図2に示すように、その流れ方向(X方向)に沿って2つ折りする。より具体的には、ロール状の原反(図示せず)から順次繰り出され公知の搬送機構(図示せず)により連続搬送されてきた帯状シート1を、搬送させつつ、該シート1の幅を略2等分する直線L1に沿って折り曲げて、2つ折りに折り畳む。帯状シート1を2つ折りする方法としては、シートを2つ折り可能な各種公知の方法を特に制限なく用いることができる。
【0010】
(2)切断工程
切断工程においては、2つ折りされた帯状シート1Aを、図1及び図3に示すように、ダイカットロール21とアンビルロール25とを備えた切断装置(ロータリーダイカッター)2に導入し、両ロール21,25間で切断して、2つ折りされたフェイスマスク3A,3Bを切り出す。
図3に示すように、ダイカットロール21は、その外周面に切断刃22,22a,23,23aを有しており、アンビルロール25は、平滑な外周面を有し、ダイカットロール21の外周面に対向配置されている。
【0011】
前記切断刃22は、2つ折りされたフェイスマスク3Aを切り出すものであり、前記切断刃23は、2つ折りされたフェイスマスク3Bを切り出すものである(図4参照)。
2つ折りされたフェイスマスク3Aは、図5に示すフェイスマスク5Aを折り線L1に沿って2つ折りした形状を有し、2つ折りされたフェイスマスク3Bは、図5に示すフェイスマスク5Bを折り線L1に沿って2つ折りした形状を有している。
前記切断刃22及び前記切断刃23は、図3に示すように、2つ折りされたフェイスマスク3A,3Bの輪郭の曲線部分に対応する概略形状を有しており、換言すれば、図5に示すフェイスマスク5A,5Bそれぞれの略半分の部分の輪郭に対応する概略形状を有している。
前記切断刃22及び前記切断刃23は、更に、帯状シート1Aの2つ折りの折り曲げ部33と交差する部分を有している。
【0012】
前記切断刃22aは、フェイスマスク3A及び5Aに目用の開口部51を形成するために設けられており、2つ折りされた帯状シート1Aから楕円状の間欠トリム12を切り出す。切断刃22aは、平面視楕円状の環状をなしている。
前記切断刃23aは、フェイスマスク3A及び5Bに口用の開口部52を形成するために設けられており、2つ折りされた帯状シート1Aから、口用の開口部52に対応する形状の間欠トリム13を切り出す。前記切断刃23aは、口用の開口部52の略半分の部分の周縁部に対応する概略形状を有している。前記切断刃23aも、帯状シート1Aの2つ折りの折り曲げ部33と交差する部分を有している。
【0013】
ダイカットロール21は、公知の駆動機構(図示せず)により、図1中A方向に回転し、アンビルロール25は、ダイカットロール21に連動して図1中B方向に回転する。
これら両ロール21,25間に導入された、2つ折りされた帯状シート1Aは、ダイカットロール21の切断刃22,22a,23,23aとアンビルロール25との間で挟圧され、その挟圧された部分が切断される。図示例では、ダイカットロール21の周方向に、切断刃22と切断刃23とが交互にそれぞれ複数形成されており、ダイカットロール21が一回転する間に、2種類のフェイスマスク3A,3Bが、それぞれ2つ折りされた状態で2枚切り出される。
尚、この段階のフェイスマスク3A,3Bは、液が含浸されていない。
【0014】
本実施態様においては、ダイカットロール21及びアンビルロール25により、2つ折りされたフェイスマスク3A,3Bを切断により形成する際に、更に、2つ折り状態の帯状シート1Aを所定形状に切断して、フェイスマスク3A,3Bの周縁から該フェイスマスクの内方に向かって延びるスリット36,37,38を形成している(図4参照)。ダイカットロール21には、図示しないが、これらのスリットを入れるためのスリット形成用切断刃が形成されている。
これらのスリット36,37,38の形成により、フェイスマスク3A,3Bは、顔面の立体形状により適合した立体形状に変形可能なものとなる。図4に示すスリット36,37,38は、それぞれ、フェイスマスク3A,3Bの周縁に略垂直をなしている。
【0015】
(3)トリム分離工程
トリム分離工程においては、2つ折りされた帯状シート1Aにおける、フェイスマスク3A,3B以外の部分を、該フェイスマスク3A,3Bから分離する。
本実施形態においては、2つ折りされた帯状シート1Aの長手方向における、前記折り曲げ部33とされている縁部とは反対側の縁部近傍34が、図3に示すように、流れ方向に連続しており、該縁部近傍34に、更にフェイスマスク3A,3B間に位置する部分35が連続している。前記連続トリム11は、前記縁部近傍34及び前記部分35からなり、該連続トリム11が、図1に示すように、フェイスマスク3A,3Bから分離される。 また、2つ折りされた帯状シート1Aにおける、前記切断刃22aによって切断された部分の内側、及び前記切断刃23aによって切断された部分の内側は、それぞれ、帯状シート1Aの流れ方向に連続していない非連続の間欠トリム12,13として、図1に示すように、フェイスマスク3A,3Bから分離される。
【0016】
連続トリム11及び間欠トリム12,13の、フェイスマスク3A,3Bからの分離についてより詳細に説明する。
本実施形態で用いたアンビルロール25の周面には、図3に示すように、少なくとも、帯状シート1Aと重なる部分に、多数の吸引孔26が形成されている。吸引孔26は、ロール25内の通気路(図示せず)に連通しており、該通気路に、ロール25外の通気路が連通している。ロール25外の通気路には、ファン等の吸気装置が接続されている。
ロール25内の通気路とロール25外の通気路とは、該ロール25が一回転する間に、連通状態と非連通状態の両状態をとるように構成されている。
そして、ロール25内の通気路とロール25外の通気路とが連通状態とされているときには、吸引孔26からの吸引が行われ、ロール25内の通気路とロール25外の通気路とが非連通状態とされているときには、吸引孔26からの吸引が行われないようになされている。ロール25には、この吸引と吸引の停止を切り替えるタイミングが異なる複数の吸引孔が設けられている。
【0017】
フェイスマスク3A,3Bが載置される部分の吸引孔26は、帯状シート1Aを切断してフェイスマスク3A,3Bを切り出す切断部Dから、フェイスマスク3A,3Bをアンビルロール25の下方に配された搬送ロール4に受け渡す受け渡し部Eの直前まで吸引を行っており、該受け渡し部Eから再び切断部Dに戻るまでの間は、吸引を停止している。
搬送ロール4の外周面にも、吸引孔41が設けられており、アンビルロール25の周面に吸着保持された状態で受け渡し部Eまで搬送されたフェイスマスク3A,3Bは、該受け渡し部Eにおいて、搬送ロール4へと受け渡され、搬送ロール4の周面に吸着保持された状態で、ベルトコンベア7への受け渡しを行う受け渡し部Fにまで搬送される。そして、バキュームコンベア7へと受け渡され、袋収容工程等を行う次工程へと搬送される。
【0018】
連続トリム11が載置される部分の吸引孔26も、帯状シート1Aを切断してフェイスマスク3A,3Bを切り出す切断部Dから、フェイスマスク3A,3Bをアンビルロール25の下方に配された搬送ロール4に受け渡す受け渡し部Eの直前まで吸引を行っており、該受け渡し部Eから再び切断部Dに戻るまでの間は、吸引を停止している。
これにより、連続トリム11は、アンビルロール25の周面に安定的に保持された状態で、前記受け渡し部Eまで搬送される。該受け渡し部Eまで搬送された後の連続トリム11は、公知の巻き取り機構(図示せず)又は該巻き取り機構に至るまでの搬送を行う公知の搬送機構(図示せず)による引っ張り力により、アンビルロール25の周面から離脱し、最終的には、巻き取り機構(図示せず)により、図1に示すように、ロール状に巻き取られる。
【0019】
間欠トリム12,13が載置される部分の吸引孔26は、帯状シート1Aを切断してフェイスマスク3A,3Bを切り出す切断部Dから、前記受け渡し部Eを経て、吸引排出装置8のトリム吸入口81に対向する部位Gに至るまで吸引を行っており、該部位Gを過ぎてから再び切断部Dに戻るまでの間は、吸引を停止している。
これにより、間欠トリム12,13は、アンビルロール25の周面に安定的に保持された状態で、前記切断部Dから前記トリム吸入口81に対向する部位Gまで安定的に搬送される。前記部位Gにおいては、アンビルロール25側からの吸引の停止、あるいはトリム吸入口81側からのより強い力での吸引等により、間欠トリム12,13が、トリム吸入口81から搬送ダクト82内に取り込まれ、搬送ダクト82内を流れる空気流に随伴して、図示しないトリム収容部へと搬送される。トリム吸入口81の吸引力及び搬送ダクト82内の空気流は、例えば公知の吸気ファン等により生じさせることができる。
【0020】
例えば、本実施態様のように、アンビルロール25における、間欠トリム12、13を吸引している範囲を、フェイスマスク3A,3Bを吸引している範囲よりも長くすることで、間欠トリム12,13を、フェイスマスク3A,3Bから確実に分離することができ、間欠トリム12、13が、フェイスマスク3A,3Bに対する後の加工や処理に悪影響を与えることを防止することができる。
【0021】
ロール状に巻き取られた連続トリム11及び/又はトリム収容部に収容された連続トリム12,13は、帯状シート1若しくは他のシートの生産、又はシート以外のものの生産等、種々の用途にリサイクルすることができる。
【0022】
(4)袋収容工程
袋収容工程においては、連続トリム11及び間欠トリム12,13を分離した後のフェイスマスク3A,3Bを、個装袋6に収容する。
図6に示す個装袋6は、同形同大の2枚のシート61,62の周縁部63同士をヒートシール、超音波シール、接着剤等の公知の接合方法により接合してなるもので、フェイスマスク3A,3Bを収容する際には、周縁部63の一部、例えば、図6の上縁部63aを未接合状態としておき、その未接合部分から、フェイスマスク3A,3Bを収容する。
フェイスマスク3A,3Bは、図6に示すように、2つ折りされた状態のまま、個装袋6に収容することが、コンパクトな個装体が得られることから好ましい。シート61,62としては、液不透過性のシート材を特に制限無く用いることができ、例えば樹脂フィルムや、樹脂フィルムとアルミ箔等の他のシート材との積層体等を用いることができる。
【0023】
(5)液含浸工程
液含浸工程においては、上述した個装袋6に、上述した未接合部分から、液を注入して、フェイスマスク3A,3Bに液を含浸させる。フェイスマスク3A,3Bに含浸させる液としては、肌の手入れに使用可能なものを特に制限なく使用することができ、例えば、美白成分や皮膚保湿成分、血行促進成分、肌引き締め成分、リフトアップ成分、ターンオーバー促進成分などの、スキンケア効果を有する成分を含む水性化粧水等を用いることができる。
液の注入量は、例えば、液含浸前のフェイスマスク3A,3Bの質量に対して5〜10倍程度とすることができ、8〜9倍程度とすることが、液が含浸され、2つ折りされた状態のフェイスマスク5A,5Bが開き易くなる観点から好ましい。
【0024】
(6)封止工程
封止工程においては、液の注入後に、上述した未接合部分をヒートシール、超音波シール、接着剤等の公知の接合方法により接合し、個装袋6を液密に封止する。
これにより、図6に示すように、個装袋6に収容され、液が含浸された状態のフェイスマスク5A,5Bが得られる。
図6に示す、液が含浸されたフェイスマスク5A,5Bを使用する際には、個装袋6の一部を引き裂いて開封し、取り出したフェイスマスク5A,5Bを、図5に示すように、平面状に展開させた上で、顔に貼り付けて使用する。取り出したフェイスマスク5A,5Bには、液が含浸されているので、液を含浸させる手間を要することなく、簡便にスキンケアを行うことができる。
【0025】
本実施態様のフェイスマスクの製造方法によれば、このようにして、液が含浸されており、顔に貼り付けてスキンケアを簡便に行うことのできるフェイスマスク5A,5Bを、効率よく製造することができる。
例えば、従来、2つ折りされたフェイスマスクを製造する場合には、帯状シートから個々のフェイスマスクを切り出した後、それぞれのフェイスマスクを2つ折りする必要があったが、上述した実施態様においては、個々に分離した状態のフェイスマスクを折り畳む必要がなく、帯状シート1の状態で2つ折りすれば良いので、簡易な機構により折り工程を行うことができ、製造コストや保守の負担を低減することができる。また、折りの精度も向上し、均質なフェイスマスクのより安定的な製造が可能となる。
【0026】
また、帯状シート1として通気性が高い材料を用いる場合に、アンビルロール25や搬送ロール4等の周面にフェイスマスク3A,3Bを吸着して搬送する際に、フェイスマスク3A,3Bが2つ折りされていることによって、2つ折りしない場合に比して、吸引による保持力が増大し、搬送の安定性が向上する。
特に、帯状シート1として坪量が低い不織布、例えば、坪量が20〜100g/m2の不織布、更には坪量が20〜60g/m2の不織布を用いる場合に、このような効果が一層顕著である。
【0027】
また、2つ折りした帯状シート1を切断してフェイスマスク3A,3Bを切り出した場合、乾燥状態において、それを展開させることはスムーズにできない場合があるが、本実施態様のように、液が含浸された状態で袋に収容しておけば、袋から取り出したときに、2つ折り状態から容易に展開させることができる。
【0028】
また、フェイスマスク5A,5Bに、予め適切な量の液を含浸させておくことができるので、消費者自らに液を含浸させる場合とは異なり、液量が多すぎたり少なすぎたりすることによる不都合を防止することもできる。
【0029】
本発明において帯状のシートとして用いるシート材としては、液を含浸させ得る限り、各種公知のシート材を特に制限なく用いることができる。例えば、不織布、織布、紙、シート状のスポンジ及びこれらのうちの1種又は2種以上が複数枚積層された積層体等を用いることができる。
不織布としては、各種公知の不織布を用いることができ、例えば、エアースルー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。エアースルー不織布は、カード法又はエアレイ法により形成した繊維ウエブをエアースルー法による熱風処理等により不織布化して得られるものである。
【0030】
帯状のシートとして用いるシートは、フェイスマスクに対する液の含浸性及び含浸後の液の保持性を向上させる観点から、親水性繊維を含むことが好ましい。
親水性繊維としては、セルロース系繊維や、合成繊維に親水化処理を施した繊維が挙げられる。液の保持性が高いことや肌触り等の観点から、特にセルロース系繊維を含む不織布を用いることが好ましい。セルロース系繊維としては、コットン繊維、パルプ繊維等のセルロース系天然繊維、レーヨン、リヨセル等の再生繊維等が挙げられる。
親水性繊維は、帯状のシートの構成繊維の質量に対して70%以上含まれていることが好ましく、より好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。親水性繊維あるいはセルロース系繊維以外の繊維としては、各種公知の、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維等が挙げられる。
【0031】
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、適宜に変更可能である。
例えば、上述した実施態様における帯状シート1は、ロール状の原反から繰り出されて供給されたものであったが、帯状シート1は、フェイスマスクの製造ラインと連続するラインで製造されたものであっても良い。
【0032】
また、上述した実施態様においては、図5に示すように、目用の開口部51,51が一対形成され、該開口部51を目の位置に合わせて顔の上部に貼り付けて使用するフェイスマスク5Aと、口用の開口部52が形成され、該開口部52を口の位置に合わせて顔の下部に貼り付けて使用するフェイスマスク5Bとを製造したが、液が含浸されたフェイスマスクとして、その何れか一方のみを製造しても良いし、フェイスマスク5Aとフェイスマスク5Bとを連続させたような、顔の上部と下部を同時に覆うことのできる一枚のフェイスマスクを製造しても良い。
【0033】
また、上述した実施態様においては、フェイスマスク3A,3Bから分離した連続トリム11を、ロール状に巻き取っていたが、これに代えて、アンビルロール25上から引き離した連続トリム11を、巻き取ったり折り畳むことなく容器等に収容しても良いし、ロール状に巻き取ることなく折り畳んでも良い。また、アンビルロール25上から引き離した連続トリム11を、巻き取ったり折り畳むことなく、適宜の大きさに切断しながら容器等に収容しても良い。
また、フェイスマスク3A,3Bを、搬送ロール4を介して、ベルトコンベア7に受け渡すのに代えて、フェイスマスク3A,3Bを、アンビルロール25から直接、ベルトコンベア7に受け渡しても良い。また、フェイスマスク3A,3Bを袋収容工程に搬送する搬送手段としては、搬送ロール4及び/又はベルトコンベア7に代えて、各種公知の他の搬送手段を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施態様における、帯状シートの折り工程からフェイスマスクを個装袋に入れる工程の前まで工程の概略を示す説明図である。
【図2】帯状シートを2つ折りする様子を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施態様に用いた図1に示す装置を、図1中の矢印P方向から視た図である。
【図4】連続トリム及び間欠トリムを分離した後のフェイスマスクを、図1中の矢印Q方向から視た図である。
【図5】本発明の一実施態様により得られる、液が含浸されたフェイスマスクを展開状態として示した平面図である。
【図6】本発明の一実施態様により得られる、個装袋に収容され、液が含浸された状態のフェイスマスクを、該包装袋を一部破断して示す平面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 帯状シート
1A 2つ折りされた帯状シート
11 連続トリム
12,13 間欠トリム
2 切断装置
21 ダイカットロール
22,22a,23,23a 切断刃
25 アンビルロール
3A,3B フェイスマスク(液含浸前)
4 搬送ロール
5A,5B 液が含浸されたフェイスマスク
6 個装袋
7 ベルトコンベア(搬送手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液が含浸されたフェイスマスクの製造方法であって、
搬送されてきた帯状シートをその流れ方向に沿って2つ折りする工程、
2つ折りされた前記帯状シートを、ダイカットロールとアンビルロールとの間で切断して2つ折りされたフェイスマスクを形成し、該フェイスマスクから、流れ方向に連続する連続トリム及び流れ方向に非連続の間欠トリムを分離する工程、
前記フェイスマスクを個装袋に入れる工程、及び、
前記個装袋に液を注入して、前記フェイスマスクに液を含浸させる工程
を具備するフェイスマスクの製造方法。
【請求項2】
前記帯状シートは、親水性繊維を含む請求項1記載のフェイスマスクの製造方法。
【請求項3】
前記2つ折りされたフェイスマスクを切断により形成する際に、該フェイスマスクの周縁から該フェイスマスクの内方に向かって延びるスリットを併せて形成する、請求項1又は2記載のフェイスマスクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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