フェライトプレート
【課題】微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システムおよびRFIDにおける磁気シーとして好適な高透磁率のフェライトプレートを提供する。
【解決手段】本発明に係るフェライトプレートは、スピネル型フェライトにコバルト酸化物を、そのコバルト成分がCo3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になるように添加してなることを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るフェライトプレートは、スピネル型フェライトにコバルト酸化物を、そのコバルト成分がCo3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になるように添加してなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDや非接触充電システムにおける磁気損失低減用の磁気シートとして用いて好適なフェライトプレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれるICタグ機能を有する携帯情報端末機においては、電磁誘導方式によるコイルアンテナを用いる無線通信が普及している。ところで、図14に示すように、これら携帯情報端末機のコイルアンテナにおけるコイル1の近傍には、金属筐体や金属部品など様々な導電体2が配置されている。
【0003】
そして、上記導電体2には、コイル1から発生する磁束が加わることにより渦電流が発生し、それらは全て磁気損失の要因になるため、コイル1の発生磁界が大きく減衰し、RFID通信距離が短くなる場合や共振周波数がシフトすることにより、無線周波数を送受信することが困難になる場合がある。
【0004】
そこで従来、図15に示すように、コイルアンテナのコイル1と導電体2の間に、金属干渉抑制として磁性シート3を配置する構造が多く採用されており、当該磁性シート3としては、一般に樹脂に金属磁性材料を混ぜた金属磁性シートが用いられている。上記構成によれば、磁性シート3によって、上記渦電流の発生を抑えてコイル1の発生磁界が減衰することを抑制することができるという利点がある。
【0005】
一方、今後期待される非接触充電システムとして、上記電磁誘導方式とは異なる磁気共鳴方式を用いたものがある。この磁気共鳴方式は、2つのコイルを共振器として利用し、給電側のコイルに電流が流れることにより発生した磁場の振動が、同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わることで電力伝送を行うものである。
【0006】
このような磁気共鳴方式を用いた非接触充電システムにおいても、コイル周辺には金属筐体、金属部品など様々な導電体が存在するために、上述したRFIDによるICタグ機能を備えた携帯情報端末機と同様に、渦電流の発生による磁気損失を低減するための磁性シートが必要になる。
【0007】
ところが、上記RFIDの場合は、信号の伝送であるために通信時にコイル1に流れる電流は微少であり、よって磁性シート3にかかる磁界も僅かであるのに対して、非接触充電システムにおいては、電力の伝送であって送受電時にコイルに大きな電流が流れるために、使用する磁性シートにも大きな磁界が加わる。
【0008】
このため、磁性シートに求められる特性としては、上記RFIDの場合は、使用する周波数帯域で初透磁率の実数部μ´が高く、かつ虚数部μ″が低いことであるのに対して、非接触充電システムにおいては、使用する周波数帯域で初透磁率の実数部μ’が高く、虚数部μ’’が低いことに加えて、さらに高い振幅電流を入力したときの振幅透磁率特性も重要になる。
【0009】
このため、RFIDの金属干渉抑制に使用されている金属磁性材料を混ぜた金属磁性シートを上記非接触充電システムにおいて使用すると、高い振幅電流の入力時に、当該金属磁性シートにμ″が発生し、損失が大きくなるとともに、樹脂に金属磁性材料を充填しているために、μ´が低いという問題点があった。
【0010】
また、上記磁気シートとして金属磁性シートに代えてフェライト等の焼結体を用いた場合には、金属磁性シートに比べて大幅にμ´を高くすることができるが、高い電流振幅の入力時に、同様にμ″が発生するために、損失が大きくなり特性が劣化するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−50191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システムおよびRFIDにおける磁気シーとして好適な高透磁率のフェライトプレートを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係るフェライトプレートは、スピネル型フェライトにコバルト酸化物を、そのコバルト成分がCo3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になるように添加してなることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記コバルト酸化物が、Co3O4、CoOまたはCo2O3であり、かつCo3O4である場合の上記添加量が0.10〜2.50wt%であり、CoOである場合の上記添加量が0.10〜2.33wt%であり、Co2O3である場合の上記添加量が0.10〜2.58wt%であることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記コバルト酸化物が、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)であり、かつ上記スピネル型フェライトに、0.1〜7.0wt%添加してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明によれば、透磁率が高く、かつ高周波数量域における渦電流損失が小さいスピネル型フェライトに、コバルト酸化物を所定範囲の量だけ添加して、当該コバルトの磁気異方性を利用することにより、高振幅電流時に発生する磁気損失も抑制することが可能になる。この結果、微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システム用およびRFID用の磁気シーとして好適に用いることができる。
【0017】
ここで、上記コバルト酸化物としては、各種の酸化物を用いることができるが、いずれの場合においてもそのコバルト成分が同等量になるように添加する。例えば、請求項2に記載の発明のように、上記コバルト酸化物として、Co3O4、CoOまたはCo2O3を用いることができる。そして、Co3O4を用いた場合の上記添加量は、0.10〜2.50wt%であり、CoOを用いた場合の添加量は、Co3O4を用いた場合とコバルト成分が同等量となる0.10〜2.33wt%であり、さらにCo2O3を用いた場合の添加量は、同様に0.10〜2.58wt%である。
【0018】
さらに、上記コバルト酸化物として、請求項3に記載の発明のように、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)を用いれば、分散性を向上させて、フェライト焼結後におけるコバルトの偏析および凝縮を防ぐことができ、よって同等のコバルト量に対する特性を一段と向上させることができるために好ましい。なお、この場合の添加量も、そのコバルト成分が、Co3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になる0.1〜7.0wt%の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)はCo3O4を添加したフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性、(b)はコバルト酸化物を添加しないフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図2】Co3O4またはCoFe2O4を添加したフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図3】非接触充電用フェライトプレートにおいてCoFe2O4を添加した場合と無添加の場合との初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図4】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの5A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図5】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの10A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図6】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの15A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図7】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの20A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図8】図3に示したフェライトプレートの各磁界におけるQ特性を示すグラフである。
【図9】図3に示したフェライトプレートの各磁界におけるL特性を示すグラフである。
【図10】図3に示したフェライトプレートの各磁界におけるR特性を示すグラフである。
【図11】図9〜図11に示したフェライトプレートのL、R、Qの数値を示す図表である。
【図12】CoFe2O4を添加したRFID用フェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図13】図12に示したフェライトプレートの13.56Hzにおける初期透磁率の温度特性を示すグラフである。
【図14】コイルの近傍に導電体が配置されている場合に渦電流により生じる磁界減衰を示す模式図である。
【図15】図14のコイルと導体との間に磁性シートを配置した場合の磁束の大きさを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
先ず、スピネル型フェライト(A・Fe2O4(Aは、Mn、Ni、Zn等))の粉末とコバルト酸化物(Co3O4、CoOまたはCo2O3)の粉末、および有機バインダとを混練してフェライトペーストとし、これをドクターブレード法、押出成形機等のシート成形機によって所定の厚さのグリーンシートに成形し、次いで当該グリーンシートを焼結することにより、本実施形態に係るフェライトプレートが得られる。
【0021】
この際に、上記コバルト酸化物として、Co3O4を用いた場合の添加量は、0.10〜2.50wt%の範囲である。また、CoOを用いた場合の添加量は、Co3O4を用いた場合とコバルト成分が同等量となるように、0.10〜2.33wt%であり、Co2O3を用いた場合の添加量は、同様にして0.10〜2.58wt%である。
【0022】
(第2の実施形態)
本実施形態のフェライトプレートは、上記スピネル型フェライトの粉末に、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)を0.1〜7.0wt%添加することによって得られたものである。
【0023】
以上の構成からなる第1および第2の実施形態に示したフェライトプレートによれば、透磁率が高く、かつ高周波数量域における渦電流損失が小さいスピネル型フェライトに、コバルト酸化物を所定範囲の量だけ添加して、当該コバルトの磁気異方性を利用することにより、高振幅電流時に発生する磁気損失も抑制することが可能になる。この結果、微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システム用およびRFID用の磁気シーとして好適に用いることができる。
【0024】
特に、第2の実施形態に示したフェライトプレートによれば、スピネル型フェライトに、予めスピネル化させたコバルトフェライトを0.1〜7.0wt%添加しているために、上記コバルト成分の分散性を向上させて、フェライト焼結後におけるコバルトの偏析および凝縮を防ぐことができ、よって第1の実施形態に示したものと同等のコバルト量に対しても、その特性を一段と向上させることができる。
【実施例】
【0025】
以下、図1〜図13に基づいて、本発明の効果を実証するために行った実験結果について詳述する。
スピネル型フェライトに酸化コバルトCo3O4を、各々0.5wt%、1.1wt%、1.7wt%、2.1wt%、2.7wt%添加して焼成したフェライトプレートについて、磁気特性の測定を行った。また、比較例として、Co3O4を添加しないスピネル型フェライトの磁気特性も測定した。
【0026】
図1(a)は、Co3O4を添加したフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すもので、図1(b)は、添加しないフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すものである。図1(a)、(b)の対比から、酸化コバルトCo3O4を添加することで、μ″のピークが高周波側にシフトしており、高周波特性が向上していることが判る。
【0027】
一般に、RFID用のフェライトプレートにあっては、13.56MHzの周波数を使用していることから、当該周波数においてμ″が小さいことが重要である。そして、図1(a)に見られるように、Co3O4を2.1wt%添加した場合、μ″がほぼ無くなっており、RFID用として好適に使用することができる。しかしながら、Co3O4を2.7wt%添加した場合には、μ´が低下することにより、フェライト焼結体の特徴である高透磁率を満足することができなくなるため、Co3O4の添加量としては、2.5wt%以下とすることが好ましい。
【0028】
次に、コバルト酸化物として、Co3O4を添加した場合と、予めスピネル化したCoFe2O4を添加した場合とにおける周波数特性を比較するために、図2に示すように、1.71wt%および2.40wt%のCo3O4を添加したフェライトプレートと、5.0wt%および7.0wt%のCoFe2O4を添加したフェライトプレートを作成し、各々の初期透磁率の周波数特性を測定した。
【0029】
ここで、Co3O4を1.71wt%添加した場合、コバルト成分が同量になるCoFe2O4の添加量は5wt%であり、Co3O4を2.40wt%添加した場合、コバルト成分が同量になるCoFe2O4の添加量は7.0wt%である。
図2に見られるように、それぞれコバルト成分が同量である場合には、10MHz以下ではほぼ同じ特性を示している。
【0030】
しかしながら、10MHz以上では、CoFe2O4を添加したもののほうがμ´の共振ピークや、μ″の立ち上がりが高周波側にシフトしており、より高周波で使用することが可能であることが判る。これらはCo3O4を使用した場合、コバルトの偏析及び凝集が発生するのに対し、予めスピネル化させたCoFe2O4を使用することで、偏析や凝集の発生が抑えられているためである。このように、Co3O4から、コバルトフェライトCoFe2O4に変えることにより、分散性を向上させて、同等のコバルト量でも一段と特性を向上させることができる。
【0031】
次いで、図3は、予めスピネル化させたCoFe2O4を、各々0.4wt%、0.8wt%、1.6wt%添加した非接触充電用フェライトプレートと、無添加の非接触充電用フェライトプレートにおける初透磁率の周波数特性を示すものである。ここで、上記周波数特性の測定にあたっては、上記非接触充電システムが120KHzによって駆動することを想定し、数100KHzにおいてμ″が小さくなるよう調整を行った。
【0032】
図3に示すように、120KHzにおいて比較すると、初透磁率の周波数特性は、CoFe2O4を添加しない場合が最もμ´が高く、かつμ″も低くなっており、一見したところCoFe2O4を添加したものより特性が良いように見える。しかしながら、初透磁率は、微少な振幅電流であり、実際に非接触充電システムを駆動する場合は、高い振幅電流が入力される。したがって、非接触充電用フェライトプレートでは、初透磁率のような微少な振幅電流領域ではなく、高振幅電流領域における磁気特性が重要となる。
【0033】
そこで次に、図3の測定に用いた4種類の非接触充電用フェライトプレートについて、5A/m、10A/m、15A/mおよび20A/mの各磁界における120KHzでの磁束密度(B-H)特性を測定した。図4〜図7は、その結果を示すものである。
図4〜図7に示すように、CoFe2O4を添加しないフェライトプレートは、初透磁率領域以上の振幅電流が入力された場合、大きな磁気損失(ヒステリシス損)が発生していることが分かる。
【0034】
このように、コバルトはこの磁気損失を抑えるのに有効であり、特にスピネル化したCoFe2O4として添加することが最も効果的である。ちなみに、図7に見られるように、CoFe2O4を1.6wt%添加した場合では、20A/mの磁界が加わった場合でもほとんど磁気損失が発生しておらず高い振幅電流でも使用することが可能である。
【0035】
次に、コイル内径X:29mm、コイル内径Y:19mm、コイル幅5.5mm、コイル高さ1.4mm、15ターンの空芯コイルを作製し、各々図3〜図7の測定に用いた4種類の非接触充電用フェライトプレート上に上記空芯コイルを配置して、L、R、Qを測定した。図11に示す表1〜表4は、各々のフェライトプレートの各磁界におけるL、R、Q特性を示すものであり、図8〜図10は、各々Q特性、L特性、R特性についてグラフ化したものである。
【0036】
なお、発生磁界はAT/m(電流値×ターン数/磁路長)で表される。これらは、同一電流値でもターン数、磁路長が変われば発生磁界が変化する。そのため、本実施例においては、電流値ではなく各磁界の特性とした。
【0037】
図8に示すように、各磁界におけるQ値は、CoFe2O4の添加量が多くなるにしたがって、変動が少なくなっている。ここで、Q値は、ωL/Rで表される。このQ値の変動は、図9および図10に示すように、Lの変動がほとんど無いのに対して、Rが磁界より大幅に増加しているためである。このRの増加は、フェライト材料のμ″によるものであり、非接触充電で使用する周波数と電流(磁界)に応じて、CoFe2O4を添加することで損失の無い非接触充電用磁性シートを提供することができる。
【0038】
次いで、RFID用フェライトプレートについて、初透磁率の周波数特性を測定した。なお、RFIDは13.56MHzで駆動するために、この周波数以上においてμ″が小さくなるよう調整を行った。添加するコバルト酸化物としては、分散性に優れるCoFe2O4を用い、添加量5.0wt%、6.0wt%、7.0wt%、8.0wt%の4種類について行った。
【0039】
ちなみに、RFID用のフェライトプレートの場合は、上述した非接触充電用のものと異なり信号の伝送であるために、通信時にコイルに流れる電流は微少である。このため、非接触充電のような高い振幅電流における磁気特性を考慮する必要は無く、初透磁率にて材料特性を判断することができる。
【0040】
図12は、この結果を示すものである。同図から明らかなように、CoFe2O4添加量が5.0〜8.0wt%では、13.56MHzにおいてμ″が発生しておらず、RFID用途で使用することが可能である。
【0041】
また、図13は、上記4種類のRFID用フェライトプレートの13.56MHzにおける初透磁率の温度特性を示すものである。同図に見られるように、CoFe2O4添加量が7.0wt%の場合は、80℃でもほとんどμ″が発生しておらず、RFID用として使用することが可能であるが。CoFe2O4の添加量が7.0wt%を超えると、高温でのμ″の増加を防ぐことができるものの、μ´の低下も大きく、フェライト焼結体の特徴である高透磁率を満足できなくなる。
【0042】
このため、コバルトフェライトCoFe2O4添加量は、7.0wt%以下とすることが好ましい。他方、上記CoFe2O4の添加量が0.1wt%に満たないと、磁気損失を低下させる効果が少ない。
以上のことから、コバルトフェライトCoFe2O4添加量としては、0.1wt%〜7.0wt%の範囲が好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 コイル
2 導電体
3 磁性シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDや非接触充電システムにおける磁気損失低減用の磁気シートとして用いて好適なフェライトプレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれるICタグ機能を有する携帯情報端末機においては、電磁誘導方式によるコイルアンテナを用いる無線通信が普及している。ところで、図14に示すように、これら携帯情報端末機のコイルアンテナにおけるコイル1の近傍には、金属筐体や金属部品など様々な導電体2が配置されている。
【0003】
そして、上記導電体2には、コイル1から発生する磁束が加わることにより渦電流が発生し、それらは全て磁気損失の要因になるため、コイル1の発生磁界が大きく減衰し、RFID通信距離が短くなる場合や共振周波数がシフトすることにより、無線周波数を送受信することが困難になる場合がある。
【0004】
そこで従来、図15に示すように、コイルアンテナのコイル1と導電体2の間に、金属干渉抑制として磁性シート3を配置する構造が多く採用されており、当該磁性シート3としては、一般に樹脂に金属磁性材料を混ぜた金属磁性シートが用いられている。上記構成によれば、磁性シート3によって、上記渦電流の発生を抑えてコイル1の発生磁界が減衰することを抑制することができるという利点がある。
【0005】
一方、今後期待される非接触充電システムとして、上記電磁誘導方式とは異なる磁気共鳴方式を用いたものがある。この磁気共鳴方式は、2つのコイルを共振器として利用し、給電側のコイルに電流が流れることにより発生した磁場の振動が、同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わることで電力伝送を行うものである。
【0006】
このような磁気共鳴方式を用いた非接触充電システムにおいても、コイル周辺には金属筐体、金属部品など様々な導電体が存在するために、上述したRFIDによるICタグ機能を備えた携帯情報端末機と同様に、渦電流の発生による磁気損失を低減するための磁性シートが必要になる。
【0007】
ところが、上記RFIDの場合は、信号の伝送であるために通信時にコイル1に流れる電流は微少であり、よって磁性シート3にかかる磁界も僅かであるのに対して、非接触充電システムにおいては、電力の伝送であって送受電時にコイルに大きな電流が流れるために、使用する磁性シートにも大きな磁界が加わる。
【0008】
このため、磁性シートに求められる特性としては、上記RFIDの場合は、使用する周波数帯域で初透磁率の実数部μ´が高く、かつ虚数部μ″が低いことであるのに対して、非接触充電システムにおいては、使用する周波数帯域で初透磁率の実数部μ’が高く、虚数部μ’’が低いことに加えて、さらに高い振幅電流を入力したときの振幅透磁率特性も重要になる。
【0009】
このため、RFIDの金属干渉抑制に使用されている金属磁性材料を混ぜた金属磁性シートを上記非接触充電システムにおいて使用すると、高い振幅電流の入力時に、当該金属磁性シートにμ″が発生し、損失が大きくなるとともに、樹脂に金属磁性材料を充填しているために、μ´が低いという問題点があった。
【0010】
また、上記磁気シートとして金属磁性シートに代えてフェライト等の焼結体を用いた場合には、金属磁性シートに比べて大幅にμ´を高くすることができるが、高い電流振幅の入力時に、同様にμ″が発生するために、損失が大きくなり特性が劣化するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−50191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システムおよびRFIDにおける磁気シーとして好適な高透磁率のフェライトプレートを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係るフェライトプレートは、スピネル型フェライトにコバルト酸化物を、そのコバルト成分がCo3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になるように添加してなることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記コバルト酸化物が、Co3O4、CoOまたはCo2O3であり、かつCo3O4である場合の上記添加量が0.10〜2.50wt%であり、CoOである場合の上記添加量が0.10〜2.33wt%であり、Co2O3である場合の上記添加量が0.10〜2.58wt%であることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記コバルト酸化物が、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)であり、かつ上記スピネル型フェライトに、0.1〜7.0wt%添加してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明によれば、透磁率が高く、かつ高周波数量域における渦電流損失が小さいスピネル型フェライトに、コバルト酸化物を所定範囲の量だけ添加して、当該コバルトの磁気異方性を利用することにより、高振幅電流時に発生する磁気損失も抑制することが可能になる。この結果、微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システム用およびRFID用の磁気シーとして好適に用いることができる。
【0017】
ここで、上記コバルト酸化物としては、各種の酸化物を用いることができるが、いずれの場合においてもそのコバルト成分が同等量になるように添加する。例えば、請求項2に記載の発明のように、上記コバルト酸化物として、Co3O4、CoOまたはCo2O3を用いることができる。そして、Co3O4を用いた場合の上記添加量は、0.10〜2.50wt%であり、CoOを用いた場合の添加量は、Co3O4を用いた場合とコバルト成分が同等量となる0.10〜2.33wt%であり、さらにCo2O3を用いた場合の添加量は、同様に0.10〜2.58wt%である。
【0018】
さらに、上記コバルト酸化物として、請求項3に記載の発明のように、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)を用いれば、分散性を向上させて、フェライト焼結後におけるコバルトの偏析および凝縮を防ぐことができ、よって同等のコバルト量に対する特性を一段と向上させることができるために好ましい。なお、この場合の添加量も、そのコバルト成分が、Co3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になる0.1〜7.0wt%の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)はCo3O4を添加したフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性、(b)はコバルト酸化物を添加しないフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図2】Co3O4またはCoFe2O4を添加したフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図3】非接触充電用フェライトプレートにおいてCoFe2O4を添加した場合と無添加の場合との初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図4】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの5A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図5】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの10A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図6】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの15A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図7】図3に示したフェライトプレートの120KHzでの20A/mにおける磁束密度特性を示すグラフである。
【図8】図3に示したフェライトプレートの各磁界におけるQ特性を示すグラフである。
【図9】図3に示したフェライトプレートの各磁界におけるL特性を示すグラフである。
【図10】図3に示したフェライトプレートの各磁界におけるR特性を示すグラフである。
【図11】図9〜図11に示したフェライトプレートのL、R、Qの数値を示す図表である。
【図12】CoFe2O4を添加したRFID用フェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図13】図12に示したフェライトプレートの13.56Hzにおける初期透磁率の温度特性を示すグラフである。
【図14】コイルの近傍に導電体が配置されている場合に渦電流により生じる磁界減衰を示す模式図である。
【図15】図14のコイルと導体との間に磁性シートを配置した場合の磁束の大きさを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
先ず、スピネル型フェライト(A・Fe2O4(Aは、Mn、Ni、Zn等))の粉末とコバルト酸化物(Co3O4、CoOまたはCo2O3)の粉末、および有機バインダとを混練してフェライトペーストとし、これをドクターブレード法、押出成形機等のシート成形機によって所定の厚さのグリーンシートに成形し、次いで当該グリーンシートを焼結することにより、本実施形態に係るフェライトプレートが得られる。
【0021】
この際に、上記コバルト酸化物として、Co3O4を用いた場合の添加量は、0.10〜2.50wt%の範囲である。また、CoOを用いた場合の添加量は、Co3O4を用いた場合とコバルト成分が同等量となるように、0.10〜2.33wt%であり、Co2O3を用いた場合の添加量は、同様にして0.10〜2.58wt%である。
【0022】
(第2の実施形態)
本実施形態のフェライトプレートは、上記スピネル型フェライトの粉末に、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)を0.1〜7.0wt%添加することによって得られたものである。
【0023】
以上の構成からなる第1および第2の実施形態に示したフェライトプレートによれば、透磁率が高く、かつ高周波数量域における渦電流損失が小さいスピネル型フェライトに、コバルト酸化物を所定範囲の量だけ添加して、当該コバルトの磁気異方性を利用することにより、高振幅電流時に発生する磁気損失も抑制することが可能になる。この結果、微少電流のみならず、高い振幅電流においても磁気損失を効果的に抑制することができ、よって非接触充電システム用およびRFID用の磁気シーとして好適に用いることができる。
【0024】
特に、第2の実施形態に示したフェライトプレートによれば、スピネル型フェライトに、予めスピネル化させたコバルトフェライトを0.1〜7.0wt%添加しているために、上記コバルト成分の分散性を向上させて、フェライト焼結後におけるコバルトの偏析および凝縮を防ぐことができ、よって第1の実施形態に示したものと同等のコバルト量に対しても、その特性を一段と向上させることができる。
【実施例】
【0025】
以下、図1〜図13に基づいて、本発明の効果を実証するために行った実験結果について詳述する。
スピネル型フェライトに酸化コバルトCo3O4を、各々0.5wt%、1.1wt%、1.7wt%、2.1wt%、2.7wt%添加して焼成したフェライトプレートについて、磁気特性の測定を行った。また、比較例として、Co3O4を添加しないスピネル型フェライトの磁気特性も測定した。
【0026】
図1(a)は、Co3O4を添加したフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すもので、図1(b)は、添加しないフェライトプレートの初期透磁率の周波数特性を示すものである。図1(a)、(b)の対比から、酸化コバルトCo3O4を添加することで、μ″のピークが高周波側にシフトしており、高周波特性が向上していることが判る。
【0027】
一般に、RFID用のフェライトプレートにあっては、13.56MHzの周波数を使用していることから、当該周波数においてμ″が小さいことが重要である。そして、図1(a)に見られるように、Co3O4を2.1wt%添加した場合、μ″がほぼ無くなっており、RFID用として好適に使用することができる。しかしながら、Co3O4を2.7wt%添加した場合には、μ´が低下することにより、フェライト焼結体の特徴である高透磁率を満足することができなくなるため、Co3O4の添加量としては、2.5wt%以下とすることが好ましい。
【0028】
次に、コバルト酸化物として、Co3O4を添加した場合と、予めスピネル化したCoFe2O4を添加した場合とにおける周波数特性を比較するために、図2に示すように、1.71wt%および2.40wt%のCo3O4を添加したフェライトプレートと、5.0wt%および7.0wt%のCoFe2O4を添加したフェライトプレートを作成し、各々の初期透磁率の周波数特性を測定した。
【0029】
ここで、Co3O4を1.71wt%添加した場合、コバルト成分が同量になるCoFe2O4の添加量は5wt%であり、Co3O4を2.40wt%添加した場合、コバルト成分が同量になるCoFe2O4の添加量は7.0wt%である。
図2に見られるように、それぞれコバルト成分が同量である場合には、10MHz以下ではほぼ同じ特性を示している。
【0030】
しかしながら、10MHz以上では、CoFe2O4を添加したもののほうがμ´の共振ピークや、μ″の立ち上がりが高周波側にシフトしており、より高周波で使用することが可能であることが判る。これらはCo3O4を使用した場合、コバルトの偏析及び凝集が発生するのに対し、予めスピネル化させたCoFe2O4を使用することで、偏析や凝集の発生が抑えられているためである。このように、Co3O4から、コバルトフェライトCoFe2O4に変えることにより、分散性を向上させて、同等のコバルト量でも一段と特性を向上させることができる。
【0031】
次いで、図3は、予めスピネル化させたCoFe2O4を、各々0.4wt%、0.8wt%、1.6wt%添加した非接触充電用フェライトプレートと、無添加の非接触充電用フェライトプレートにおける初透磁率の周波数特性を示すものである。ここで、上記周波数特性の測定にあたっては、上記非接触充電システムが120KHzによって駆動することを想定し、数100KHzにおいてμ″が小さくなるよう調整を行った。
【0032】
図3に示すように、120KHzにおいて比較すると、初透磁率の周波数特性は、CoFe2O4を添加しない場合が最もμ´が高く、かつμ″も低くなっており、一見したところCoFe2O4を添加したものより特性が良いように見える。しかしながら、初透磁率は、微少な振幅電流であり、実際に非接触充電システムを駆動する場合は、高い振幅電流が入力される。したがって、非接触充電用フェライトプレートでは、初透磁率のような微少な振幅電流領域ではなく、高振幅電流領域における磁気特性が重要となる。
【0033】
そこで次に、図3の測定に用いた4種類の非接触充電用フェライトプレートについて、5A/m、10A/m、15A/mおよび20A/mの各磁界における120KHzでの磁束密度(B-H)特性を測定した。図4〜図7は、その結果を示すものである。
図4〜図7に示すように、CoFe2O4を添加しないフェライトプレートは、初透磁率領域以上の振幅電流が入力された場合、大きな磁気損失(ヒステリシス損)が発生していることが分かる。
【0034】
このように、コバルトはこの磁気損失を抑えるのに有効であり、特にスピネル化したCoFe2O4として添加することが最も効果的である。ちなみに、図7に見られるように、CoFe2O4を1.6wt%添加した場合では、20A/mの磁界が加わった場合でもほとんど磁気損失が発生しておらず高い振幅電流でも使用することが可能である。
【0035】
次に、コイル内径X:29mm、コイル内径Y:19mm、コイル幅5.5mm、コイル高さ1.4mm、15ターンの空芯コイルを作製し、各々図3〜図7の測定に用いた4種類の非接触充電用フェライトプレート上に上記空芯コイルを配置して、L、R、Qを測定した。図11に示す表1〜表4は、各々のフェライトプレートの各磁界におけるL、R、Q特性を示すものであり、図8〜図10は、各々Q特性、L特性、R特性についてグラフ化したものである。
【0036】
なお、発生磁界はAT/m(電流値×ターン数/磁路長)で表される。これらは、同一電流値でもターン数、磁路長が変われば発生磁界が変化する。そのため、本実施例においては、電流値ではなく各磁界の特性とした。
【0037】
図8に示すように、各磁界におけるQ値は、CoFe2O4の添加量が多くなるにしたがって、変動が少なくなっている。ここで、Q値は、ωL/Rで表される。このQ値の変動は、図9および図10に示すように、Lの変動がほとんど無いのに対して、Rが磁界より大幅に増加しているためである。このRの増加は、フェライト材料のμ″によるものであり、非接触充電で使用する周波数と電流(磁界)に応じて、CoFe2O4を添加することで損失の無い非接触充電用磁性シートを提供することができる。
【0038】
次いで、RFID用フェライトプレートについて、初透磁率の周波数特性を測定した。なお、RFIDは13.56MHzで駆動するために、この周波数以上においてμ″が小さくなるよう調整を行った。添加するコバルト酸化物としては、分散性に優れるCoFe2O4を用い、添加量5.0wt%、6.0wt%、7.0wt%、8.0wt%の4種類について行った。
【0039】
ちなみに、RFID用のフェライトプレートの場合は、上述した非接触充電用のものと異なり信号の伝送であるために、通信時にコイルに流れる電流は微少である。このため、非接触充電のような高い振幅電流における磁気特性を考慮する必要は無く、初透磁率にて材料特性を判断することができる。
【0040】
図12は、この結果を示すものである。同図から明らかなように、CoFe2O4添加量が5.0〜8.0wt%では、13.56MHzにおいてμ″が発生しておらず、RFID用途で使用することが可能である。
【0041】
また、図13は、上記4種類のRFID用フェライトプレートの13.56MHzにおける初透磁率の温度特性を示すものである。同図に見られるように、CoFe2O4添加量が7.0wt%の場合は、80℃でもほとんどμ″が発生しておらず、RFID用として使用することが可能であるが。CoFe2O4の添加量が7.0wt%を超えると、高温でのμ″の増加を防ぐことができるものの、μ´の低下も大きく、フェライト焼結体の特徴である高透磁率を満足できなくなる。
【0042】
このため、コバルトフェライトCoFe2O4添加量は、7.0wt%以下とすることが好ましい。他方、上記CoFe2O4の添加量が0.1wt%に満たないと、磁気損失を低下させる効果が少ない。
以上のことから、コバルトフェライトCoFe2O4添加量としては、0.1wt%〜7.0wt%の範囲が好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 コイル
2 導電体
3 磁性シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピネル型フェライトにコバルト酸化物を、そのコバルト成分がCo3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になるように添加してなることを特徴とするフェライトプレート。
【請求項2】
上記コバルト酸化物は、Co3O4、CoOまたはCo2O3であり、かつCo3O4である場合の上記添加量が0.10〜2.50wt%であり、CoOである場合の上記添加量が0.10〜2.33wt%であり、Co2O3である場合の上記添加量が0.10〜2.58wt%であることを特徴とする請求項1に記載のフェライトプレート。
【請求項3】
上記コバルト酸化物は、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)であり、かつ上記スピネル型フェライトに、0.1〜7.0wt%添加してなることを特徴とする請求項1に記載のフェライトプレート。
【請求項1】
スピネル型フェライトにコバルト酸化物を、そのコバルト成分がCo3O4を0.10〜2.50wt%添加した場合と同等量になるように添加してなることを特徴とするフェライトプレート。
【請求項2】
上記コバルト酸化物は、Co3O4、CoOまたはCo2O3であり、かつCo3O4である場合の上記添加量が0.10〜2.50wt%であり、CoOである場合の上記添加量が0.10〜2.33wt%であり、Co2O3である場合の上記添加量が0.10〜2.58wt%であることを特徴とする請求項1に記載のフェライトプレート。
【請求項3】
上記コバルト酸化物は、予めスピネル化させたコバルトフェライト(CoFe2O4)であり、かつ上記スピネル型フェライトに、0.1〜7.0wt%添加してなることを特徴とする請求項1に記載のフェライトプレート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−60332(P2013−60332A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200501(P2011−200501)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】
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