説明

フエンス用支柱及びフエンス

【課題】 耐錆性の高いフエンス用支柱及びフエンスを提供する。
【解決手段】 支柱1に、1対のナット4、4が上下に2ヶ所設けられており、このナット4により胴縁2をバンド6等を用いて支柱1に固定するようになっている。ナット4は支柱1の側面に溶接などにより固定されており、支柱1には孔などは形成されていない。ナット4の側面には貫通孔41が形成されており、側面からメネジ穴40を突き抜けて、反対側の側面に抜けている。支柱1はナット4を含めて全体をメッキ加工されている。前記貫通孔41によりメネジ穴40まで確実にメッキ処理がなされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フエンス用の支柱及びフエンスに関する。
【背景技術】
【0002】
フエンスは支柱と支柱間に設けられた胴縁により枠体を構成し、ここに網などのフエンス体を張設する構造が一般的である。
支柱と胴縁の接続の構成には種々のものがあるが、一般的に支柱に穴を設け、締結具をここにネジやボルトを用いて固定し、胴縁を接合するのが一般的である(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−158548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、海岸などに敷設するフエンスにおいては、支柱に設けた前記締結用穴から塩分を含んだ水が侵入し、支柱内部から錆が拡散していく問題があった。支柱に穴をあけずに、バンドなどを支柱に巻きつけて胴縁を固定する方法もあるが、バンドが大きくなる上、締結が確実に行われ難い問題があった。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の支柱は、側面に固定されたナットと、該ナットの側面に設けられ、該ナットのメネジ穴に連通する貫通孔と、を有することを特徴とする。
該ナットを1対設け、この1対のナットの間に胴縁を装着して、固定バンド等により胴縁を固定し、該バンドを前記1対のナットにボルト等により締結することにより、錆の発生し難いフエンスを得ることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフエンス用支柱によれば、ナットが設けられているため、支柱自体に孔を開けずに、胴縁などを固定できる。そのため、耐錆性の高い支柱が得られる。またナットには貫通孔が設けられているため、メッキ処理の際にメネジ穴の内部まで確実にメッキ処理が行え、錆の発生を抑制できる。
そのため、海岸などに用いる耐錆性の高いフエンスを得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、支柱1に胴縁2,2が装着され、ここに網や格子などのフエンス体3が張られて、フエンスを構成している。
【0008】
支柱1には、1対のナット4、4が上下に2ヶ所設けられており、このナット4により胴縁2を支柱1に固定するようになっている。
【0009】
ナット4は図2に示すように、支柱1の側面に溶接などにより固定されており、支柱1には孔などは形成されていない。
ナット4は必要に応じて適宜の高さを有し、その軸線方向にメネジ穴40が形成されている。
なお、支柱1は、図2の実施形態では円柱を用いているが、角柱等どのような形状でも使用可能である。
【0010】
ナット4の側面には貫通孔41が形成されており、側面からメネジ穴40に連通し、ここを突き抜けて、反対側の側面に抜けている。
支柱1はナット4を溶接して固定した後に、全体をメッキ加工されている。このメッキ加工の際に、前記貫通孔41によりメネジ穴40まで確実にメッキ処理がなされるため、防錆性が向上する。
【0011】
図4にナット4を用いた胴縁2の締結部の詳細を示す。
1対のナット4は胴縁2の径に合わせて間隔を調整して溶接固定されており、このナット4、4の間に胴縁2を装着する。
該胴縁2にバンド6を取り付け、このバンド6をボルト5によりナット4に固定し、胴縁2を支柱1に締結するように構成されている。
【0012】
以上のように、ナット4が支柱1の表面に露出しているため、胴縁2の固定作業も容易に行える。
【0013】
以上説明したように、上記実施形態においては、支柱1に孔などを開ける必要がなく、またナット4の内部のメネジ穴40にもメッキ処理を施すことができるため、錆の発生を抑制でき、海岸などに設置するフエンスに適している。
また、胴縁2と支柱1の締結も、表面に露出しているナット4を用いて行うため、作業がしやすく、簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略正面図。
【図2】本発明の一実施形態を示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態におけるナット2の断面図。
【図4】本発明の一実施形態における支柱1と胴縁2の締結構造の説明図。
【符号の説明】
【0015】
1:支柱、2:胴縁、3:フエンス体、4:ナット、5:ボルト、6:バンド、40:メネジ穴、41:貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に固定されたナットと、
該ナットの側面に設けられ、該ナットのメネジ穴に連通する貫通孔と、
を有することを特徴とするフエンス用支柱。
【請求項2】
少なくとも1対の支柱と、
該支柱の側面に固定された1対のナットと、
該1対のナットの間に装着された胴縁と、
前記胴縁を支柱に固定するバンドと、
該バンドを前記1対のナットを用いて支柱に締結する締結具と、
前記ナットの側面に設けられ、該ナットのメネジ穴に連通する貫通孔と、
を有することを特徴とするフエンス。
【請求項3】
前記支柱と側面に固定されたナットは、メッキ加工されている、
請求項1のフエンス用支柱又は請求項2のフエンス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−200134(P2006−200134A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10265(P2005−10265)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000213792)朝日スチール工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】