フォトブック作成システムおよびその使用方法
【課題】 本発明はフォトブックに掲載された静止画を介して対応する動画の閲覧を可能ならしめるフォトブック作成システムならびにその使用方法の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明は、所定静止画に対応する動画データをDB上に保管し、DB上の動画保管アドレスを電子透かし情報として該当する静止画に埋め込んでなるフォトブックを作成するシステム、ならびに該システムで作成したフォトブックをカメラ付き端末で読み取り、当該静止画に埋め込まれた電子透かしを自動的に読み取りDB上の動画保管アドレスの動画データを該端末に表示するようにして、上記課題を解決した。
【解決手段】 本発明は、所定静止画に対応する動画データをDB上に保管し、DB上の動画保管アドレスを電子透かし情報として該当する静止画に埋め込んでなるフォトブックを作成するシステム、ならびに該システムで作成したフォトブックをカメラ付き端末で読み取り、当該静止画に埋め込まれた電子透かしを自動的に読み取りDB上の動画保管アドレスの動画データを該端末に表示するようにして、上記課題を解決した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトブックを介して動画の閲覧を可能にしたフォトブック作成システムおよびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトブックとは、従来のアルバムに変わる写真集のようなものであって、多数の写真画像とこれに付帯する文字絵柄等の集合からなる冊子状の印刷物である。
【0003】
従来の写真集はオフセット印刷やグラビア印刷などで製作される関係で、受注から完成までに多くの時間と費用を必要とした。しかし、オンデマンド印刷機器(プリンター)やそれらをコントロールするカラーマネージメント技術などのデジタル処理による印刷技術の向上により、品質のよいものが短時間に作成可能となった。さらに、デジタルカメラの普及、デジタル処理技術の向上により近年では個人が一冊単位でフォトブックを注文することも可能となった。
【0004】
フォトブックは、フォトブックの主要な構成である写真調の画像を形成するための静止画データ、フォトブックに付帯する文字となるテキストデータ、ならびにイラスト図柄となる図柄データなどを組み合わせたデータをデジタル処理してプリンターで所定の用紙(記録媒体)に印刷出力し、印刷された用紙を製本して完成するものである。
例えば、特許文献1に見られるように、近年では顧客がデジタルカメラで撮影した静止画データをインターネット介してサービス提供者に送ってフォトブック(オンラインアルバム)を作成することが可能である。
【0005】
さらに、アルバムに掲載した画像の撮影日時や撮影場所のデータを残したいというニーズもある。この場合、アルバムの見た目が損なわれないようにする必要がある。特許文献1のアルバムシステムにはアルバムに掲載した画像の撮影日時や撮影場所のデータを電子透かし技術を利用して画像に埋め込む点が挙げられている。
【0006】
なお、電子透かし技術とは、人間の知覚(視覚)の特性を利用し静止画のデジタルコンテンツに対してコンテンツ自体とは別の情報を人間に知覚できないように埋め込む技術をいう。(非特許文献1第2頁参照)
【0007】
他方、ビデオカメラの普及もめざましく、一般家庭でもデジタルカメラと同様にビデオカメラが利用され、多くの動画が撮影されている。
ビデオカメラで撮影して得られた動画データは、何らかの記録メディアに蓄積され保存さているが、保存されているデータ量が多くなると必要なときに必要な動画データを見つけ出すのが難しくなる。
【0008】
近年では、動画データをパソコンで管理するための動画データ管理用ソフトウエアが開発され販売されている。しかしながら、動画データ管理用ソフトウエアを利用するには高性能なパソコンと大容量の記憶装置が無ければ利用できず、したがって動画データ管理用ソフトウエアは誰もが何時でも何処でも利用できるというものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−339214号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】電子透かし技術に関する調査報告書、社団法人電子情報技術産業協会編(平成13年3月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、フォトブックは既に世間に広く出回っているが、何れも外観的なデザインとしての差異はあるものの、基本的には多数の画像を貼り付けた冊子状の印刷物である。上記の背景技術の欄で説明したように個々の画像の夫々に電子透かしを埋め込んだものもあるが、見た目は冊子状の印刷物であって紙面に掲載されている画像を眺めるものであり一般的なフォトブックと変らず斬新さに欠けるという課題がある。
【0012】
そこで本発明は、見た目は通常の画像と変わらない画像(静止画)が多数掲載されたフォトブックにおいて、当該フォトブックに掲載された個々の画像を介して当該画像に対応する動画の閲覧を可能ならしめるフォトブック作成システムならびにその使用方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、以下の各態様に記載の手段により上記の課題を解決するものである。
本発明の第1の態様は、多数の画像が印刷されたページ紙面からなるフォトブックを生成するシステムにおいて、前記システムは、静止画データと該静止画データを所定ページ紙面上にレイアウト印刷するレイアウトデータとを少なくとも備えたデータを記憶し保管するデータベースと、該データベースにデータを登録するデータ登録手段と、該データベースに登録されたデータに基づいて所定ページ紙面に静止画をレイアウト印刷する印刷手段とからなり、前記データベースは静止画データと動画データとを対応付けて保管する対応付け手段を備えたデータベースであって、さらに、前記システムは前記動画データが保管されている動画保管アドレスを電子透かし情報とするための電子透かし生成手段と、前記電子透かし生成手段によって生成された電子透かし情報を当該動画データに対応する静止画データ内に埋め込むための電子透かし埋め込み手段と、を備え、前記電子透かし埋め込み手段によって動画保管アドレスの埋め込まれた静止画データに基づいて印刷されたフォトブックの所定ページ紙面上の静止画に埋め込まれた電子透かしから取得される動画保管アドレスの動画データをアクセス可能にしたことを特徴とするフォトブック作成システムである。
【0014】
本発明に第1の態様によれば、所定静止画と関連付けて対応する動画データをデータベース上に保管し、電子透かし技術を利用しデータベース上の動画保管アドレスを該当する静止画に埋め込んでおき、前記動画管理アドレスの埋め込まれた静止画からフォトブックを作成することで、フォトブック上に掲載された静止画から前記データベース上に保管されている動画データを簡単にアクセスし利用することが可能となる。
【0015】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様によって作られたフォトブックの使用方法であって、フォトブックの所定ページ紙面上に印刷された所定静止画をカメラ付き端末で読み取り、読み取った静止画データに埋め込まれた電子透かしに基づいて動画保管アドレスを取得し、取得した動画保管アドレスを当該端末からアクセスし、該アドレスの動画データを当該端末にダウンロードして表示することでフォトブックに印刷された静止画に対応する動画を閲覧するようにしたことを特徴とするフォトブックの使用方法である。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、見た目は通常の画像と変わらない画像(静止画)が多数の掲載されたフォトブックに掲載された個々の画像をカメラ付き端末で読み取るだけで該画像に埋め込まれた電子透かしを自動的に読み取って取得した動画保管アドレスの動画データを該端末にダウンロードされ、当該動画データを簡単に表示することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば動画データをデータベース上に保管することができ、且つ、データベース上に保管した動画データの夫々に対応する静止画が掲載されているフォトブックが得られるので、フォトブック上に掲載されている静止画を見ることで誰もが何時でも何処でも対応する動画を目視で探し出し当該動画をアクセスし閲覧することができる。
【0018】
したがって、本発明のフォトブックは付加価値が高く通常の単に外観的なデザインのみを追及したフォトブックとの差別化が図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のフォトブック作成システムの概念図である。
【図2】本発明のフォトブックの一例を示す図である。
【図3】本発明にかかるデータベース上に登録されているデータ構造を示す図である。
【図4】本発明にかかるフォトブック素データのデータ構造を示す図である。
【図5】本発明にかかるフォトブック印刷用データの構造を示す図である。
【図6】本発明にかかるフォトブック全体デザインの登録手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかる静止画データならびにレイアウトデータの登録手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる動画データならびに動画保管アドレスの登録手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のフォトブック印刷用データの生成手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明のフォトブックの作成手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明のフォトブックの使用例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のフォトブック作成システムの概念図である。同図において、1はフォトブック作成業者側のシステム(以下、業者側システムという)である。業者側システム1は、フォトブック作成業者またはフォトブック作成業者から委託された組織が運営するWebサーバー31と該サーバー31に繋がるデータベース32、ならびに、Webサーバー31によって情報処理され生成された画像データや付帯する加工データに基づき所定の画像を印刷手段であるところのプリンターで用紙に印刷し、印刷された用紙を製本加工して最終的な形態のフォトブックに仕上げるための印刷・加工部40から構成されている。10は完成したフォトブックである。
【0021】
まず、図1を参照して本発明のフォトブック作成システムの概念を説明する。業者側システム1のWebサーバー31はネットワークを介して顧客(nさん)側が操作する発注者端末20と繋がっており、顧客は、前記発注者端末20を介して本発明にかかるフォトブック作成の申し込み並びに各種データの登録を行うものである。
前記発注者端末20の操作は顧客nさんご自身が行う必要はなく、代行者でもよい。さらにまた、本発明にかかるフォトブック作成の申し込み、Webサーバー31への各種データの登録を発注者端末20から行わずに、顧客nさんまたは顧客nさんの代行者がリアルな店舗に出向き、該店舗において店員を介して行うこともできる。
【0022】
以下の本発明にかかる実施形態においては、顧客nさんが発注者端末20からネットワークを介してWebサーバー31にアクセスしてフォトブック作成にかかる各種登録を行う場合を例に説明する。
【0023】
図2は、本発明のフォトブック10の一例を示す図である。本発明のフォトブック10は、外観としては多数の画像(例えば画像1、2・・・k・・・)が印刷されたページ紙面からなる冊子状の印刷物である。フォトブックを構成する各ページ紙面に所定のレイアウトで画像が印刷形成されるわけであるが、それぞれのページ紙面に形成される画像の数は一枚の場合も複数枚の場合もある。
【0024】
図3は、本発明にかかるデータベース32上に登録されているデータ構造を示す図であって、顧客nさんのデータの一例を示している。即ち、顧客nさんを特定するため顧客識別情報であるところの顧客IDをID(n)、顧客nさんのフォトブック素データをPB(n)、顧客nさんのフォトブックの全体的デザインを定めるデータを全体デザインデータDs(n)と表記して例示したものである。
【0025】
図4は、本発明にかかるフォトブック素データのデータ構造を示す図であって、顧客nさんの顧客ID(n)に対応するフォトブック素データPB(n)を構成する複数の画像(画像1、2・・・k・・・)のうち、k番目のデータをPB(n,k)として表記したものである。
【0026】
フォトブック素データPB(n)は、静止画Im、レイアウトデータLy、動画データMv、動画保管アドレスadの各データから構成される。前記レイアウトデータLyは、静止画Imに対する変倍係数、印刷サイズ、印刷角度、トリミング条件、ならびに全体レイアウトDs(n)への静止画Imの配置などを定めるパラメータで構成されている。
【0027】
ここで、顧客nさんの顧客ID(n)に対応するフォトブック素データPB(n)のうちのk番目のデータをPB(n,k)と表記し、PB(n,k)を構成する各パラメータを、静止画データIm(k)、動画データMv(k)、レイアウトデータLy(k)、動画保管アドレスad(k)と表記するものとする。従って、PB(n)はPB(n,k)の集合を意味することになる。
【0028】
図5は、本発明にかかるフォトブック印刷用データの構造を示す図である。顧客nさんのフォトブック印刷用データのうち、k番目のフォトブック印刷用データを♯PB(n,k)と表記するものとする(図5(1))。
【0029】
フォトブック印刷用データを♯PB(n,k)は、後述のフォトブック印刷用データの生成にかかる処理(図9参照)によって前記静止画Im(k)に電子透かしデータを埋め込んだ静止画データ♯Im(k)と、前記レイアウトデータLy(k)と、前記全体デザインデータDs(n)の各データから構成される。
【0030】
便宜上、♯PB(n,k)の集合である最終的なフォトブック印刷用データを♯PB(n)と表記し、♯PB(n)に対応するパラメータを♯Im、Ly、Ds(n)と表記する(図5(2))。
フォトブック印刷用データ♯PB(n)はプリントイメージファイルPIFを生成する元となるデータである。
【0031】
以下、本発明にかかるフォトブックを作成する手順について図6〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0032】
顧客nさんは希望の画像が印刷されたフォトブックを頭の中にイメージしながら作業を進めることになる。そのためには、フォトブックに掲載予定の静止画データを予め用意しておく必要がある。前記静止画データとしてはデジタルカメラで撮影したもの、あるいは写真等をスキャナーで読み取ったものなどが挙げられるが、何れにしても顧客側で予め選定した静止画データが用意されているものとする。さらに、前記静止画データに対応する動画データも予め用意されているものとする。
【0033】
なお、前記静止画データ、前記動画データのデータ量が大きく、発注者端末20からネットワークを介してWebサーバー31に転送しDB32に格納することが困難な場合は、前記静止画データ、前記動画データをコピーした記録媒体を業者側に予め送付し、業者側でDB32に格納するようにしてもよい。
【0034】
図6は、本発明にかかるフォトブック全体デザインの登録手順を示すフローチャートである。
【0035】
まず初めに、フォトブック全体デザインの登録に際しては、顧客は発注端末20から「レイアウト方法の選択」を行う(S11)。
顧客が「レイアウト方法の選択」(S11)で「フォトブック全体デザイン見本から選択する」を選択した場合は、業者システム1において予め業者側で用意したデザイン見本をWebサーバー31から発注者端末20に送り、端末20の画面に表示する。顧客nさんは表示されたデザイン見本から全体的なフォトブックのデザインを選択し、選択結果をWebサーバー31に返す(S12)。
【0036】
顧客がレイアウト方法の選択(S11)で「自分でレイアウトする」を選択した場合は、レイアウト設計ツールがWebサーバー31から前記端末20に表示される。顧客はレイアウト設計ツールを利用して前記端末20の画面から所望のレイアウトを決定する(S14)。
【0037】
以上により決定した全体デザインデータDs(n)をDB32に登録することでフォトブック全体デザインの登録処理が完了する(S13)。
【0038】
図7は、本発明にかかる静止画データならびにレイアウトデータの登録手順を示すフローチャートである。
【0039】
まず、前掲のフォトブック全体デザインの登録処理(図6)によって登録された全体デザインデータDs(n)と、顧客が予め用意した静止画データImを発注者端末20に表示する(S21)。静止画データImとは複数の静止画の集合を意味し、各静止画にはインデックスが付与さており、例えばk番目の静止画はIm(k)として特定するものとする。
【0040】
次に、発注者端末20に表示された全体デザインデータDs(n)に対して静止画データImのうちのk番目の静止画データIm(k)を配置する位置を決定する。即ち、前記端末20に画面表示されたフォトブックの全体デザインデータDs(n)に対して静止画データIm(k)を配置するページと当該ページの中の配置する位置を決定する(S22)。
【0041】
次に、所定位置に配置された静止画Im(k)に対して更にサイズ、角度、トリミングの調整を行い、静止画Im(k)対応するレイアウトデータLy(k)を生成する(S23)。
【0042】
なお、レイアウトデータLyは、静止画が配置されるフォトブック上の位置、サイズ、角度、トリミングの各情報が少なくとも含まれ、対応する静止画Imと関連付けてDB32に登録(一時記憶)される。
【0043】
ステップS22とS23の処理をフォトブックに掲載する静止画データの数だけ繰り返す。
【0044】
以上の処理が終わった段階で、前記端末20の画面上でフォトブックに配置され静止画のレイアウト状態(全体的な体裁)を確認し、必要に応じて修正する。確認と修正を繰返して、各静止画Imに関連付けられた各レイアウトデータLyを決定しDB32に登録する(S24)。
以上により静止画データならびにレイアウトデータの登録処理が完了する。
【0045】
図8は、本発明にかかる動画データならびに動画保管アドレスの登録手順を示すフローチャートである。
【0046】
まず、顧客が予め用意した動画データMvを呼び出し、発注者端末20に表示する(S31)。動画データMvとは複数の動画の集合を意味し、各動画にはインデックスが付与されており、例えばk番目の動画はMv(k)として特定するものとする。
【0047】
次に、静止画データIm(k)に対応する動画を動画Mvから選定する(S32)。ここで、選定された動画をMv(k)とする。
【0048】
次に、対応付け手段によって、前記動画Mv(k)と静止画Im(k)とを関連付けて、DB上の動画保管アドレスad(k)を生成する(S33)。
ステップS31〜S33の処理をフォトブックに掲載する静止画データの数だけ繰り返す。
【0049】
確認と修正を繰返して、各静止画Imに関連付けられた各動画保管アドレスadをDB32に登録する。
以上により動画データと静止画データの対応付け、ならびに動画保管アドレスの登録処理が完了する(S34)。
【0050】
なお、フォトブックに掲載する静止画の全てに動画を対応させて動画閲覧可能にしてもよいが、全ての動画を閲覧可能にしなくてもよい。例えば、フォトブックに掲載される画像の近傍またはその一部にマークを表示しておくことで動画閲覧可能なものを判別できるようにしてもよい。
【0051】
図9は、本発明のフォトブック印刷用データの生成手順を示すフローチャートである。ここで、静止画に対して対応する動画保管アドレスを電子透かしとして静止画データに埋め込む処理が施される。
【0052】
まず、静止画データIm(k)と動画保管アドレスad(k)をDB32から呼び出す(S41)。
次に、電子透かし生成手段によって、動画保管アドレスad(k)から電子透かし用埋め込みデータWi(k)を生成する(S42)。
次に、電子透かし埋め込み手段によって、静止画Im(k)に埋め込みデータWi(k)を埋め込み、♯Im(k)を生成する(S43)。
最後に♯Im(k)をDB32に登録する(S44)。
ステップS41〜S44の処理を静止画データの数だけ繰り返す。
以上によりフォトブック印刷用データ♯PB(n)が生成される。
【0053】
なお、♯PB(n)のうち、k番目に登録されたデータが♯PB(n,k)であり、♯PB(n,k)は♯Im(k)、Ly(k)、Ds(n)をパラメータとするデータである(図5(1)参照)。
【0054】
したがって、♯PB(n,k)の集合が最終的なフォトブック印刷用データであり、これを♯PB(n)と表記し、♯PB(n)に対応するパラメータを♯Im、Ly、Ds(n)と表記する(図5(2)参照)。
【0055】
図10は、本発明のフォトブックの作成手順を示すフローチャートである。
前掲のフォトブック印刷用データの生成手順(図9)によって生成されたフォトブック印刷用データ♯PB(n)に基づきプリントイメージファイルPIFを生成する(S51)。
【0056】
次に、前記プリントイメージファイルPIFを、印刷・製本加工部40内に備えた印刷手段であるプリンターに送り所定用紙に印刷する(S52)。
次に、前記印刷された用紙を、印刷・製本加工部40内に備えた製本加工装置によって製本加工して、フォトブック10が完成する(S53)。
【0057】
図11は、本発明のフォトブックの使用例を示すフローチャートである。
以上のようにして完成したフォトブック10は、フォトブック作成業者から注者の顧客nさんに送付される。フォトブックの使用者は、顧客nさんがその一人であるが、顧客nさんからフォトブックを配布された相手がフォトブックの使用者となる(以下、単に使用者という)。
【0058】
当該フォトブックには、このフォトブックが通常のフォトブックと異なり、掲載されている静止画に対応する動画の閲覧が可能であること、ならびにその使用方法が記載されている。
【0059】
まず、使用者はフォトブックの所望のページを開く(S61)。
次に、所望の静止画(k)をカメラ付き端末51のカメラで撮影し、前記端末51によって静止画データ♯Im(k)を取得する(S62)。
次に、前記端末50内のアプリケーションソフト(AP)により所得した♯Im(k)から埋め込みデータWi(k)を抽出する(S63)。
次に、前記端末50内のアプリケーションソフト(AP)により前記Wi(k)から動画保管アドレスad(k)を算出する(S64)。
次に、前記端末50によりネットワークを介してWebサーバー31に繋がるデータベースDB32の動画保管アドレスad(k)をアクセスして動画データMv(k)をダウンロードする(S65)。
次に、前記ダウンロードした動画データMv(k)を端末50の動画表示機能よって前記静止画♯Im(k)に対応する動画データMv(k)が表示される(S66)。
以上S61〜66を繰り返すことにより、所定の静止画に対応する動画を次々に閲覧することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 フォトブック
20 発注者端末
31 Webサーバー
32 データベース
40 印刷・製本加工部
50 カメラ付き端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトブックを介して動画の閲覧を可能にしたフォトブック作成システムおよびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトブックとは、従来のアルバムに変わる写真集のようなものであって、多数の写真画像とこれに付帯する文字絵柄等の集合からなる冊子状の印刷物である。
【0003】
従来の写真集はオフセット印刷やグラビア印刷などで製作される関係で、受注から完成までに多くの時間と費用を必要とした。しかし、オンデマンド印刷機器(プリンター)やそれらをコントロールするカラーマネージメント技術などのデジタル処理による印刷技術の向上により、品質のよいものが短時間に作成可能となった。さらに、デジタルカメラの普及、デジタル処理技術の向上により近年では個人が一冊単位でフォトブックを注文することも可能となった。
【0004】
フォトブックは、フォトブックの主要な構成である写真調の画像を形成するための静止画データ、フォトブックに付帯する文字となるテキストデータ、ならびにイラスト図柄となる図柄データなどを組み合わせたデータをデジタル処理してプリンターで所定の用紙(記録媒体)に印刷出力し、印刷された用紙を製本して完成するものである。
例えば、特許文献1に見られるように、近年では顧客がデジタルカメラで撮影した静止画データをインターネット介してサービス提供者に送ってフォトブック(オンラインアルバム)を作成することが可能である。
【0005】
さらに、アルバムに掲載した画像の撮影日時や撮影場所のデータを残したいというニーズもある。この場合、アルバムの見た目が損なわれないようにする必要がある。特許文献1のアルバムシステムにはアルバムに掲載した画像の撮影日時や撮影場所のデータを電子透かし技術を利用して画像に埋め込む点が挙げられている。
【0006】
なお、電子透かし技術とは、人間の知覚(視覚)の特性を利用し静止画のデジタルコンテンツに対してコンテンツ自体とは別の情報を人間に知覚できないように埋め込む技術をいう。(非特許文献1第2頁参照)
【0007】
他方、ビデオカメラの普及もめざましく、一般家庭でもデジタルカメラと同様にビデオカメラが利用され、多くの動画が撮影されている。
ビデオカメラで撮影して得られた動画データは、何らかの記録メディアに蓄積され保存さているが、保存されているデータ量が多くなると必要なときに必要な動画データを見つけ出すのが難しくなる。
【0008】
近年では、動画データをパソコンで管理するための動画データ管理用ソフトウエアが開発され販売されている。しかしながら、動画データ管理用ソフトウエアを利用するには高性能なパソコンと大容量の記憶装置が無ければ利用できず、したがって動画データ管理用ソフトウエアは誰もが何時でも何処でも利用できるというものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−339214号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】電子透かし技術に関する調査報告書、社団法人電子情報技術産業協会編(平成13年3月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、フォトブックは既に世間に広く出回っているが、何れも外観的なデザインとしての差異はあるものの、基本的には多数の画像を貼り付けた冊子状の印刷物である。上記の背景技術の欄で説明したように個々の画像の夫々に電子透かしを埋め込んだものもあるが、見た目は冊子状の印刷物であって紙面に掲載されている画像を眺めるものであり一般的なフォトブックと変らず斬新さに欠けるという課題がある。
【0012】
そこで本発明は、見た目は通常の画像と変わらない画像(静止画)が多数掲載されたフォトブックにおいて、当該フォトブックに掲載された個々の画像を介して当該画像に対応する動画の閲覧を可能ならしめるフォトブック作成システムならびにその使用方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、以下の各態様に記載の手段により上記の課題を解決するものである。
本発明の第1の態様は、多数の画像が印刷されたページ紙面からなるフォトブックを生成するシステムにおいて、前記システムは、静止画データと該静止画データを所定ページ紙面上にレイアウト印刷するレイアウトデータとを少なくとも備えたデータを記憶し保管するデータベースと、該データベースにデータを登録するデータ登録手段と、該データベースに登録されたデータに基づいて所定ページ紙面に静止画をレイアウト印刷する印刷手段とからなり、前記データベースは静止画データと動画データとを対応付けて保管する対応付け手段を備えたデータベースであって、さらに、前記システムは前記動画データが保管されている動画保管アドレスを電子透かし情報とするための電子透かし生成手段と、前記電子透かし生成手段によって生成された電子透かし情報を当該動画データに対応する静止画データ内に埋め込むための電子透かし埋め込み手段と、を備え、前記電子透かし埋め込み手段によって動画保管アドレスの埋め込まれた静止画データに基づいて印刷されたフォトブックの所定ページ紙面上の静止画に埋め込まれた電子透かしから取得される動画保管アドレスの動画データをアクセス可能にしたことを特徴とするフォトブック作成システムである。
【0014】
本発明に第1の態様によれば、所定静止画と関連付けて対応する動画データをデータベース上に保管し、電子透かし技術を利用しデータベース上の動画保管アドレスを該当する静止画に埋め込んでおき、前記動画管理アドレスの埋め込まれた静止画からフォトブックを作成することで、フォトブック上に掲載された静止画から前記データベース上に保管されている動画データを簡単にアクセスし利用することが可能となる。
【0015】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様によって作られたフォトブックの使用方法であって、フォトブックの所定ページ紙面上に印刷された所定静止画をカメラ付き端末で読み取り、読み取った静止画データに埋め込まれた電子透かしに基づいて動画保管アドレスを取得し、取得した動画保管アドレスを当該端末からアクセスし、該アドレスの動画データを当該端末にダウンロードして表示することでフォトブックに印刷された静止画に対応する動画を閲覧するようにしたことを特徴とするフォトブックの使用方法である。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、見た目は通常の画像と変わらない画像(静止画)が多数の掲載されたフォトブックに掲載された個々の画像をカメラ付き端末で読み取るだけで該画像に埋め込まれた電子透かしを自動的に読み取って取得した動画保管アドレスの動画データを該端末にダウンロードされ、当該動画データを簡単に表示することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば動画データをデータベース上に保管することができ、且つ、データベース上に保管した動画データの夫々に対応する静止画が掲載されているフォトブックが得られるので、フォトブック上に掲載されている静止画を見ることで誰もが何時でも何処でも対応する動画を目視で探し出し当該動画をアクセスし閲覧することができる。
【0018】
したがって、本発明のフォトブックは付加価値が高く通常の単に外観的なデザインのみを追及したフォトブックとの差別化が図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のフォトブック作成システムの概念図である。
【図2】本発明のフォトブックの一例を示す図である。
【図3】本発明にかかるデータベース上に登録されているデータ構造を示す図である。
【図4】本発明にかかるフォトブック素データのデータ構造を示す図である。
【図5】本発明にかかるフォトブック印刷用データの構造を示す図である。
【図6】本発明にかかるフォトブック全体デザインの登録手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかる静止画データならびにレイアウトデータの登録手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる動画データならびに動画保管アドレスの登録手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のフォトブック印刷用データの生成手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明のフォトブックの作成手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明のフォトブックの使用例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のフォトブック作成システムの概念図である。同図において、1はフォトブック作成業者側のシステム(以下、業者側システムという)である。業者側システム1は、フォトブック作成業者またはフォトブック作成業者から委託された組織が運営するWebサーバー31と該サーバー31に繋がるデータベース32、ならびに、Webサーバー31によって情報処理され生成された画像データや付帯する加工データに基づき所定の画像を印刷手段であるところのプリンターで用紙に印刷し、印刷された用紙を製本加工して最終的な形態のフォトブックに仕上げるための印刷・加工部40から構成されている。10は完成したフォトブックである。
【0021】
まず、図1を参照して本発明のフォトブック作成システムの概念を説明する。業者側システム1のWebサーバー31はネットワークを介して顧客(nさん)側が操作する発注者端末20と繋がっており、顧客は、前記発注者端末20を介して本発明にかかるフォトブック作成の申し込み並びに各種データの登録を行うものである。
前記発注者端末20の操作は顧客nさんご自身が行う必要はなく、代行者でもよい。さらにまた、本発明にかかるフォトブック作成の申し込み、Webサーバー31への各種データの登録を発注者端末20から行わずに、顧客nさんまたは顧客nさんの代行者がリアルな店舗に出向き、該店舗において店員を介して行うこともできる。
【0022】
以下の本発明にかかる実施形態においては、顧客nさんが発注者端末20からネットワークを介してWebサーバー31にアクセスしてフォトブック作成にかかる各種登録を行う場合を例に説明する。
【0023】
図2は、本発明のフォトブック10の一例を示す図である。本発明のフォトブック10は、外観としては多数の画像(例えば画像1、2・・・k・・・)が印刷されたページ紙面からなる冊子状の印刷物である。フォトブックを構成する各ページ紙面に所定のレイアウトで画像が印刷形成されるわけであるが、それぞれのページ紙面に形成される画像の数は一枚の場合も複数枚の場合もある。
【0024】
図3は、本発明にかかるデータベース32上に登録されているデータ構造を示す図であって、顧客nさんのデータの一例を示している。即ち、顧客nさんを特定するため顧客識別情報であるところの顧客IDをID(n)、顧客nさんのフォトブック素データをPB(n)、顧客nさんのフォトブックの全体的デザインを定めるデータを全体デザインデータDs(n)と表記して例示したものである。
【0025】
図4は、本発明にかかるフォトブック素データのデータ構造を示す図であって、顧客nさんの顧客ID(n)に対応するフォトブック素データPB(n)を構成する複数の画像(画像1、2・・・k・・・)のうち、k番目のデータをPB(n,k)として表記したものである。
【0026】
フォトブック素データPB(n)は、静止画Im、レイアウトデータLy、動画データMv、動画保管アドレスadの各データから構成される。前記レイアウトデータLyは、静止画Imに対する変倍係数、印刷サイズ、印刷角度、トリミング条件、ならびに全体レイアウトDs(n)への静止画Imの配置などを定めるパラメータで構成されている。
【0027】
ここで、顧客nさんの顧客ID(n)に対応するフォトブック素データPB(n)のうちのk番目のデータをPB(n,k)と表記し、PB(n,k)を構成する各パラメータを、静止画データIm(k)、動画データMv(k)、レイアウトデータLy(k)、動画保管アドレスad(k)と表記するものとする。従って、PB(n)はPB(n,k)の集合を意味することになる。
【0028】
図5は、本発明にかかるフォトブック印刷用データの構造を示す図である。顧客nさんのフォトブック印刷用データのうち、k番目のフォトブック印刷用データを♯PB(n,k)と表記するものとする(図5(1))。
【0029】
フォトブック印刷用データを♯PB(n,k)は、後述のフォトブック印刷用データの生成にかかる処理(図9参照)によって前記静止画Im(k)に電子透かしデータを埋め込んだ静止画データ♯Im(k)と、前記レイアウトデータLy(k)と、前記全体デザインデータDs(n)の各データから構成される。
【0030】
便宜上、♯PB(n,k)の集合である最終的なフォトブック印刷用データを♯PB(n)と表記し、♯PB(n)に対応するパラメータを♯Im、Ly、Ds(n)と表記する(図5(2))。
フォトブック印刷用データ♯PB(n)はプリントイメージファイルPIFを生成する元となるデータである。
【0031】
以下、本発明にかかるフォトブックを作成する手順について図6〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0032】
顧客nさんは希望の画像が印刷されたフォトブックを頭の中にイメージしながら作業を進めることになる。そのためには、フォトブックに掲載予定の静止画データを予め用意しておく必要がある。前記静止画データとしてはデジタルカメラで撮影したもの、あるいは写真等をスキャナーで読み取ったものなどが挙げられるが、何れにしても顧客側で予め選定した静止画データが用意されているものとする。さらに、前記静止画データに対応する動画データも予め用意されているものとする。
【0033】
なお、前記静止画データ、前記動画データのデータ量が大きく、発注者端末20からネットワークを介してWebサーバー31に転送しDB32に格納することが困難な場合は、前記静止画データ、前記動画データをコピーした記録媒体を業者側に予め送付し、業者側でDB32に格納するようにしてもよい。
【0034】
図6は、本発明にかかるフォトブック全体デザインの登録手順を示すフローチャートである。
【0035】
まず初めに、フォトブック全体デザインの登録に際しては、顧客は発注端末20から「レイアウト方法の選択」を行う(S11)。
顧客が「レイアウト方法の選択」(S11)で「フォトブック全体デザイン見本から選択する」を選択した場合は、業者システム1において予め業者側で用意したデザイン見本をWebサーバー31から発注者端末20に送り、端末20の画面に表示する。顧客nさんは表示されたデザイン見本から全体的なフォトブックのデザインを選択し、選択結果をWebサーバー31に返す(S12)。
【0036】
顧客がレイアウト方法の選択(S11)で「自分でレイアウトする」を選択した場合は、レイアウト設計ツールがWebサーバー31から前記端末20に表示される。顧客はレイアウト設計ツールを利用して前記端末20の画面から所望のレイアウトを決定する(S14)。
【0037】
以上により決定した全体デザインデータDs(n)をDB32に登録することでフォトブック全体デザインの登録処理が完了する(S13)。
【0038】
図7は、本発明にかかる静止画データならびにレイアウトデータの登録手順を示すフローチャートである。
【0039】
まず、前掲のフォトブック全体デザインの登録処理(図6)によって登録された全体デザインデータDs(n)と、顧客が予め用意した静止画データImを発注者端末20に表示する(S21)。静止画データImとは複数の静止画の集合を意味し、各静止画にはインデックスが付与さており、例えばk番目の静止画はIm(k)として特定するものとする。
【0040】
次に、発注者端末20に表示された全体デザインデータDs(n)に対して静止画データImのうちのk番目の静止画データIm(k)を配置する位置を決定する。即ち、前記端末20に画面表示されたフォトブックの全体デザインデータDs(n)に対して静止画データIm(k)を配置するページと当該ページの中の配置する位置を決定する(S22)。
【0041】
次に、所定位置に配置された静止画Im(k)に対して更にサイズ、角度、トリミングの調整を行い、静止画Im(k)対応するレイアウトデータLy(k)を生成する(S23)。
【0042】
なお、レイアウトデータLyは、静止画が配置されるフォトブック上の位置、サイズ、角度、トリミングの各情報が少なくとも含まれ、対応する静止画Imと関連付けてDB32に登録(一時記憶)される。
【0043】
ステップS22とS23の処理をフォトブックに掲載する静止画データの数だけ繰り返す。
【0044】
以上の処理が終わった段階で、前記端末20の画面上でフォトブックに配置され静止画のレイアウト状態(全体的な体裁)を確認し、必要に応じて修正する。確認と修正を繰返して、各静止画Imに関連付けられた各レイアウトデータLyを決定しDB32に登録する(S24)。
以上により静止画データならびにレイアウトデータの登録処理が完了する。
【0045】
図8は、本発明にかかる動画データならびに動画保管アドレスの登録手順を示すフローチャートである。
【0046】
まず、顧客が予め用意した動画データMvを呼び出し、発注者端末20に表示する(S31)。動画データMvとは複数の動画の集合を意味し、各動画にはインデックスが付与されており、例えばk番目の動画はMv(k)として特定するものとする。
【0047】
次に、静止画データIm(k)に対応する動画を動画Mvから選定する(S32)。ここで、選定された動画をMv(k)とする。
【0048】
次に、対応付け手段によって、前記動画Mv(k)と静止画Im(k)とを関連付けて、DB上の動画保管アドレスad(k)を生成する(S33)。
ステップS31〜S33の処理をフォトブックに掲載する静止画データの数だけ繰り返す。
【0049】
確認と修正を繰返して、各静止画Imに関連付けられた各動画保管アドレスadをDB32に登録する。
以上により動画データと静止画データの対応付け、ならびに動画保管アドレスの登録処理が完了する(S34)。
【0050】
なお、フォトブックに掲載する静止画の全てに動画を対応させて動画閲覧可能にしてもよいが、全ての動画を閲覧可能にしなくてもよい。例えば、フォトブックに掲載される画像の近傍またはその一部にマークを表示しておくことで動画閲覧可能なものを判別できるようにしてもよい。
【0051】
図9は、本発明のフォトブック印刷用データの生成手順を示すフローチャートである。ここで、静止画に対して対応する動画保管アドレスを電子透かしとして静止画データに埋め込む処理が施される。
【0052】
まず、静止画データIm(k)と動画保管アドレスad(k)をDB32から呼び出す(S41)。
次に、電子透かし生成手段によって、動画保管アドレスad(k)から電子透かし用埋め込みデータWi(k)を生成する(S42)。
次に、電子透かし埋め込み手段によって、静止画Im(k)に埋め込みデータWi(k)を埋め込み、♯Im(k)を生成する(S43)。
最後に♯Im(k)をDB32に登録する(S44)。
ステップS41〜S44の処理を静止画データの数だけ繰り返す。
以上によりフォトブック印刷用データ♯PB(n)が生成される。
【0053】
なお、♯PB(n)のうち、k番目に登録されたデータが♯PB(n,k)であり、♯PB(n,k)は♯Im(k)、Ly(k)、Ds(n)をパラメータとするデータである(図5(1)参照)。
【0054】
したがって、♯PB(n,k)の集合が最終的なフォトブック印刷用データであり、これを♯PB(n)と表記し、♯PB(n)に対応するパラメータを♯Im、Ly、Ds(n)と表記する(図5(2)参照)。
【0055】
図10は、本発明のフォトブックの作成手順を示すフローチャートである。
前掲のフォトブック印刷用データの生成手順(図9)によって生成されたフォトブック印刷用データ♯PB(n)に基づきプリントイメージファイルPIFを生成する(S51)。
【0056】
次に、前記プリントイメージファイルPIFを、印刷・製本加工部40内に備えた印刷手段であるプリンターに送り所定用紙に印刷する(S52)。
次に、前記印刷された用紙を、印刷・製本加工部40内に備えた製本加工装置によって製本加工して、フォトブック10が完成する(S53)。
【0057】
図11は、本発明のフォトブックの使用例を示すフローチャートである。
以上のようにして完成したフォトブック10は、フォトブック作成業者から注者の顧客nさんに送付される。フォトブックの使用者は、顧客nさんがその一人であるが、顧客nさんからフォトブックを配布された相手がフォトブックの使用者となる(以下、単に使用者という)。
【0058】
当該フォトブックには、このフォトブックが通常のフォトブックと異なり、掲載されている静止画に対応する動画の閲覧が可能であること、ならびにその使用方法が記載されている。
【0059】
まず、使用者はフォトブックの所望のページを開く(S61)。
次に、所望の静止画(k)をカメラ付き端末51のカメラで撮影し、前記端末51によって静止画データ♯Im(k)を取得する(S62)。
次に、前記端末50内のアプリケーションソフト(AP)により所得した♯Im(k)から埋め込みデータWi(k)を抽出する(S63)。
次に、前記端末50内のアプリケーションソフト(AP)により前記Wi(k)から動画保管アドレスad(k)を算出する(S64)。
次に、前記端末50によりネットワークを介してWebサーバー31に繋がるデータベースDB32の動画保管アドレスad(k)をアクセスして動画データMv(k)をダウンロードする(S65)。
次に、前記ダウンロードした動画データMv(k)を端末50の動画表示機能よって前記静止画♯Im(k)に対応する動画データMv(k)が表示される(S66)。
以上S61〜66を繰り返すことにより、所定の静止画に対応する動画を次々に閲覧することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 フォトブック
20 発注者端末
31 Webサーバー
32 データベース
40 印刷・製本加工部
50 カメラ付き端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の画像が印刷されたページ紙面からなるフォトブックを生成するシステムにおいて、前記システムは、静止画データと該静止画データを所定ページ紙面上にレイアウト印刷するレイアウトデータとを少なくとも備えたデータを記憶し保管するデータベースと、該データベースにデータを登録するデータ登録手段と、該データベースに登録されたデータに基づいて所定ページ紙面に静止画をレイアウト印刷する印刷手段とからなり、
前記データベースは静止画データと動画データとを対応付けて保管する対応付け手段を備えたデータベースであって、
さらに、前記システムは前記動画データが保管されている動画保管アドレスを電子透かし情報とするための電子透かし生成手段と、
前記電子透かし生成手段によって生成された電子透かし情報を当該動画データに対応する静止画データ内に埋め込むための電子透かし埋め込み手段と、を備え、
前記電子透かし埋め込み手段によって動画保管アドレスの埋め込まれた静止画データに基づいて印刷されたフォトブックの所定ページ紙面上の静止画に埋め込まれた電子透かしから取得される動画保管アドレスの動画データをアクセス可能にしたことを特徴とするフォトブック作成システム。
【請求項2】
請求項1記載のフォトブック作成システムによって作られたフォトブックの使用方法であって、フォトブックの所定ページ紙面上に印刷された所定静止画をカメラ付き端末で読み取り、読み取った静止画データに埋め込まれた電子透かしに基づいて動画保管アドレスを取得し、取得した動画保管アドレスを当該端末からアクセスし、該アドレスの動画データを当該端末にダウンロードして表示することでフォトブックに印刷された静止画に対応する動画を閲覧するようにしたことを特徴とするフォトブックの使用方法。
【請求項1】
多数の画像が印刷されたページ紙面からなるフォトブックを生成するシステムにおいて、前記システムは、静止画データと該静止画データを所定ページ紙面上にレイアウト印刷するレイアウトデータとを少なくとも備えたデータを記憶し保管するデータベースと、該データベースにデータを登録するデータ登録手段と、該データベースに登録されたデータに基づいて所定ページ紙面に静止画をレイアウト印刷する印刷手段とからなり、
前記データベースは静止画データと動画データとを対応付けて保管する対応付け手段を備えたデータベースであって、
さらに、前記システムは前記動画データが保管されている動画保管アドレスを電子透かし情報とするための電子透かし生成手段と、
前記電子透かし生成手段によって生成された電子透かし情報を当該動画データに対応する静止画データ内に埋め込むための電子透かし埋め込み手段と、を備え、
前記電子透かし埋め込み手段によって動画保管アドレスの埋め込まれた静止画データに基づいて印刷されたフォトブックの所定ページ紙面上の静止画に埋め込まれた電子透かしから取得される動画保管アドレスの動画データをアクセス可能にしたことを特徴とするフォトブック作成システム。
【請求項2】
請求項1記載のフォトブック作成システムによって作られたフォトブックの使用方法であって、フォトブックの所定ページ紙面上に印刷された所定静止画をカメラ付き端末で読み取り、読み取った静止画データに埋め込まれた電子透かしに基づいて動画保管アドレスを取得し、取得した動画保管アドレスを当該端末からアクセスし、該アドレスの動画データを当該端末にダウンロードして表示することでフォトブックに印刷された静止画に対応する動画を閲覧するようにしたことを特徴とするフォトブックの使用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−92903(P2013−92903A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234401(P2011−234401)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]