フォーミング治具を用いた光ファイバーのガイド構造と光ファイバーの配線方法
【課題】光ファイバーの配線ルートを均一に保つことができ、且つ部品コストの抑制を図った光ファイバーのガイド構造と光ファイバーの配線方法を提供する。
【解決手段】光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴5が開口する筐体1と、ガイドピン挿通穴5に応じた位置にガイドピン11が取り付くフォーミング治具9とからなり、ガイドピン挿通穴5にガイドピン11を挿通させて、筐体1に、光ファイバーをフォーミングするガイドを設ける。配線方法は筐体1に光部品を実装し、ガイドピン11に沿って光ファイバーをフォーミングして各光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具9を筐体1から取り外す。
【解決手段】光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴5が開口する筐体1と、ガイドピン挿通穴5に応じた位置にガイドピン11が取り付くフォーミング治具9とからなり、ガイドピン挿通穴5にガイドピン11を挿通させて、筐体1に、光ファイバーをフォーミングするガイドを設ける。配線方法は筐体1に光部品を実装し、ガイドピン11に沿って光ファイバーをフォーミングして各光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具9を筐体1から取り外す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーミング治具を用いた光ファイバーのガイド構造と光ファイバーの配線方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信装置や光モジュールの内部には多くの光部品が搭載されており、これらの光部品を光ファイバーにて接続し、装置もしくは製品の内部に光回路を形成することで様々な機能を実現している。このため、光通信装置や光モジュールの内部には多くの光ケーブルが配線されている。
【0003】
ところで、光ファイバーは石英ガラスでできており、過度の曲げ応力を加えると破断してしまい、また、光ファイバー内を通る光は直進するため、規定以上の曲げを加えると曲げ損失が発生して光量の低下を招き、製品特性を満足できないことがある。
【0004】
このため、光通信装置や光モジュール内で光ファイバーを配線する場合、作業者は規定半径以下にならないように注意をし乍ら配線作業を行う必要があるが、作業バラツキにより光ファイバーの配線ルートを均一に保つことが困難であるのが実情であった。
【0005】
そこで、規定半径以下にならないような構造を実現する方法として、配線ルートにファイバーガイドを設ける方法があり、また、電線の配線用治具であるが、特許文献1には、多数の取付穴が所定ピッチで形成されたベース板の配線経路の対応位置の取付穴に電線ホルダーを挿着し、当該電線ホルダーを介して電線を配線する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−3228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし乍ら、斯様に配線ルートにファイバーガイドを設けてしまうと、光ファイバーの配線ルートは搭載部品や製品種別により異なるため、製品毎にファイバーガイドを設計、製作しなければならず、また、ファイバーガイドを製品に実装するため、製品の部品コストとしてファイバーガイド部材の費用もかかってしまう欠点があった。
【0008】
同様に、特許文献1に開示された従来例も、電線ホルダーをベース板に挿着、実装するため、製品の部品コストとして電線ホルダーの費用がかかってしまう不具合がある。
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、光ファイバーの配線ルートを均一に保つことができ、且つ部品コストの抑制を図った光ファイバーのガイド構造と光ファイバーの配線方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る光ファイバーのガイド構造は、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴が開口する筐体と、導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具とからなり、前記ガイドピン挿通穴に前記ガイドピンを挿通させて、前記筐体に、光ファイバーをフォーミングするガイドを設けたことを特徴とする。
【0011】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記フォーミング治具は、治具プレートに前記ガイドピンが一体形成されてなることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記フォーミング治具は、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在な前記ガイドピンとからなることを特徴とする。
【0012】
更に、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記ガイドピンに、光ファイバーの浮き上がり防止手段が施されていることを特徴とし、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記浮き上がり防止手段は、ガイドピンの外周に形成された凹部であることを特徴とする。
【0013】
一方、請求項6に係る光ファイバーの配線方法は、筐体に多数の光部品を実装して、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、前記筐体の裏面側から、導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具の当該ガイドピンをガイドピン挿通穴に挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして各光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする。
【0014】
そして、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記フォーミング治具を、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとで形成し、前記ガイドピン挿通穴に応じて治具プレートのガイドピン取付穴にガイドピンを取り付け、前記筐体の裏面側から、前記ガイドピン挿通穴にガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする。
【0015】
更に、請求項8に係る発明は、請求項6または請求項7に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、前記筐体の裏面側から、筐体とプリント基板のガイドピン挿通穴にフォーミング治具のガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とし、請求項9に係る発明は、請求項7または請求項8に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る光ファイバーの配線方法は、筐体に多数の光部品を取り付けて、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、当該筐体の裏面側に、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとからなる導電性を有するフォーミング治具の前記治具プレートを当接させて、前記ガイドピン挿通穴と一致するガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする。
【0017】
そして、請求項11に係る発明は、請求項10に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、前記治具プレートを筐体の裏面側に当接させて、プリント基板と筐体のガイドピン挿通穴に一致する治具プレートのガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とし、請求項12に係る光ファイバーの配線方法は、前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1乃至請求項3に係る発明によれば、光ファイバーのフォーミングに際し、ガイドピンで形成されたガイドによって光ファイバーの配線ルート均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0019】
また、フォーミング治具は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れる利点を有し、更に、請求項3に係る発明によれば、フォーミング治具の着脱自在なガイドピンの取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品にもフォーミング治具を利用できる利点を有する。
【0020】
そして、請求項4及び請求項5に係る発明によれば、光ファイバーのフォーミング時に、ガイドピンに設けた浮き上がり防止手段が光ファイバーの浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有し、また、請求項5に係る発明によれば、請求項2及び請求項3のフォーミング治具のガイドピンに適用することができる。
【0021】
一方、請求項6乃至請求項12に係る光ファイバーの配線方法によれば、筐体のガイドピン挿通穴に、フォーミング治具のガイドピンを挿通させるだけの簡単な作業で筐体にガイドを形成することができ、この結果、光ファイバーのフォーミングに際し、ガイドによって光ファイバーの配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0022】
而も、再使用可能なフォーミング治具を用いて、何度でも配線ルートの均一化、安定化が図れ、更に、請求項7、請求項9、請求項10及び請求項12に係る配線方法によれば、フォーミング治具の着脱自在なガイドピンの取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品にみフォーミング治具を利用できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造に用いる筐体とフォーミング治具の全体斜視図である。
【図2】フォーミング治具に形成されたガイドピンの拡大側面図である。
【図3】ガイドピンによってガイドが形成された筐体の全体斜視図である。
【図4】筐体とこれに実装される光部品の全体斜視図である。
【図5】光ファイバーがフォーミングされた筐体の全体斜視図である。
【図6】筐体と当該筐体から取り外されるフォーミング治具の全体斜視図である。
【図7】筐体とこれに取り付くプリント基板、蓋体の全体斜視図である。
【図8】完成した通信装置の全体斜視図である。
【図9】請求項1、請求項3乃至請求項5の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造に用いる筐体とフォーミング治具の全体斜視図である。
【図10】ガイドピンによってガイドが形成された筐体の全体斜視図である。
【図11】筐体とこれに実装される光部品の全体斜視図である。
【図12】光ファイバーがフォーミングされた筐体の全体斜視図である。
【図13】請求項1、請求項3及び請求項4の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造に用いる筐体とフォーミング治具の全体斜視図である。
【図14】フォーミング治具に着脱自在に取り付くガイドピンの拡大側面図である。
【図15】筐体と当該筐体から取り外されるガイドピンの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1乃至図3は請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造を示し、図1に於て、1は図4に図示するレーザダイオード等の光部品3を実装する平面視矩形状の筐体(下ケース)で、光部品3を実装するに当たり、筐体1には図5に示す光ファイバーの配線ルートRに応じて多数の平面視円形状のガイドピン挿通穴5が設けられている。
【0026】
また、図1中、7は導電樹脂製の治具プレート9上に、前記ガイドピン挿通穴5に応じて円柱状のガイドピン11が一体に突設されたフォーミング治具で、図1及び図3に示すように筐体1の裏面側から各ガイドピン挿通穴5にガイドピン11を挿通させて、フォーミング治具7を筐体1の裏面側に当接させると、光ファイバーを配線ルートRに沿ってフォーミングさせるガイド13が、各ガイドピン11によって筐体1上に形成されるようになっている。
【0027】
そして、図2に示すようにガイドピン11の外周には、フォーミング時の光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、周方向に複数の断面円弧状の環状凹部(浮き上がり防止手段)17が上下に複数設けられている。
【0028】
尚、図3に示すようにフォーミング治具7の治具プレート9は筐体1と同一寸法、同一形状に形成されており、ガイドピン挿通穴5はガイドピン11が挿通可能な略同一径とされている。
【0029】
フォーミング治具7を用いた光ファイバー15のガイド構造はこのように構成されており、斯かるフォーミング治具7を用いて請求項6に係る光ファイバー15の配線方法は、以下の如く実施される。
【0030】
ガイドピン挿通穴5が形成された筐体1に光部品3を実装するに先立ち、先ず、図1に示すようにフォーミング治具7の上方から、筐体1のガイドピン挿通穴5にガイドピン11を挿通させて筐体1をフォーミング治具7上に重ねることで、図3に示すように筐体1上にガイドピン11からなるガイド13を形成する。
【0031】
そして、図4に示すように筐体1表面の所定箇所に光部品3を実装した後、図5の如くガイド13に沿って配線ルートRに光ファイバー15をフォーミングし、光部品3を光ファイバー15で接続して光回路を形成する。
【0032】
而して、この光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン11の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止し、配線ルートRの経由地点の要所でガイドピン11からなるガイド13が光ファイバー15を保持して、光ファイバーー15の一定の配線ルートRが保たれる。
【0033】
この後、光ファイバー15をフォーミングし、図6の如くフォーミング治具7を下方へ移動させて筐体1からガイドピン11を引き抜けばよく、斯様にガイドピン11が引き抜かれてガイド13がなくなることで、筐体1にフォーミングされた光ファイバー15は自らの張力で外側に広がって規定半径以下になることがない。
【0034】
この後、図7に示すように筐体1の上にプリント基板19を配置して、光部品3をプリント基板19のパターンに接続し、最後にこれらを蓋体(上ケース)21で被って通信装置23が製造され、筐体1から取り外されたフォーミング治具7は再使用可能である。
【0035】
このように本実施形態に係る光ファイバー15のガイド構造によれば、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイドピン11で形成されたガイド13によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0036】
また、光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン11の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有する。
【0037】
而も、前記フォーミング治具7は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れる利点を有する。
【0038】
そして、請求項6の一実施形態に係る光ファイバー15の配線方法によれば、前記ガイドピン挿通穴5を設けた筐体1の裏面側からこれらのガイドピン挿通穴5に、フォーミング治具7のガイドピン11を挿通させるだけの簡単な作業で筐体1にガイド13を形成することができ、この結果、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイド13によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0039】
而も、再使用可能なフォーミング治具7を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れる。
【0040】
尚、前記配線方法は、筐体1に光部品3を実装して、これらを光ファイバー15で接続した後、これらの上にプリント基板19を配置する仕様で説明したが、筐体に光部品とプリント基板を実装した後、プリント基板上で光ファイバーをフォーミングする仕様にも本発明は適用可能である。
【0041】
而して、この仕様にあっては、図示しない請求項8に係る配線方法の一実施形態の如く、筐体1のガイドピン挿通穴5に一致させてプリント基板にガイドピン挿通穴を形成し、当該プリント基板を筐体上に配置した後、筐体1の裏面側から、筐体1とプリント基板のガイドピン挿通穴5にフォーミング治具7のガイドピン11を挿通させて、以下、前記実施形態と同様、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすればよく、本実施形態によっても、所期の目的を達成することが可能である。
【0042】
図9乃至図11は請求項1、請求項3乃至請求項5に係る光ファイバーのガイド構造の一実施形態を示し、以下、本実施形態を図面を基に説明するが、図1乃至図8と同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0043】
図9に於て、25は多数の平面視円形状のガイドピン取付穴27が所定ピッチで千鳥穴状に形成された治具プレート、29は各ガイドピン取付穴27に着脱自在な複数の円柱状のガイドピンで、これらは何れも導電樹脂で形成され、ガイドピン29の外周には前記環状凹部17が上下に複数設けられている。
【0044】
そして、前記ガイドピン挿通穴5に対応する位置のガイドピン取付穴27にガイドピン29を取り付けてフォーミング治具31が形成されており、筐体1の裏面側から各ガイドピン挿通穴5にガイドピン29を挿通させて、図10に示すようにフォーミング治具31の治具プレート25を筐体1の裏面側に当接させると、配線ルートRに沿って光ファイバー15をフォーミングさせるガイド33が、各ガイドピン29によって筐体1上に形成されるようになっている。
【0045】
フォーミング治具31を用いた光ファイバー15のガイド構造はこのように構成されており、斯かるフォーミング治具31を用いて請求項6及び請求項7に係る光ファイバー15の配線方法は、以下の如く実施される。
【0046】
筐体1に光部品3を実装するに先立ち、先ず、図9に示すように、ガイドピン挿通穴5に対応するガイドピン取付穴27にガイドピン29を挿着してフォーミング治具31を形成する。
【0047】
次に、フォーミング治具31の上方から、筐体1のガイドピン挿通穴5にガイドピン29を挿通させて筐体1をフォーミング治具31上に重ねることで、図10の如く筐体1上にガイドピン29からなるガイド33を形成する。
【0048】
そして、以下、既述した実施形態の配線方法と同様、図11に示すように筐体1の所定箇所に光部品3を実装した後、図12に示すようにガイド33に沿って配線ルートRに光ファイバー15をフォーミングし、光部品3を光ファイバー15で接続して光回路を形成する。
【0049】
而して、この光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン29の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止し、配線ルートRの経由地点の要所でガイドピン29からなるガイド33が光ファイバー15を保持することで、光ファイバーー15の一定の配線ルートRが保たれる。
【0050】
そして、光ファイバー15のフォーミング後、図6と同様、フォーミング治具31全体を下方へ移動させて筐体1から取り外せばよく、ガイドピン29が引き抜かれてガイド33がなくなったことで、筐体1にフォーミングされた光ファイバー15は自らの張力で外側に広がって規定半径以下になることがない。
【0051】
この後、図7と同様、筐体1の上にプリント基板を配置して、光部品3をプリント基板のパターンに接続し、最後にこれらを蓋体で被って通信装置が製造され、筐体1から取り外されたフォーミング治具31は再使用が可能である。
【0052】
このように本実施形態に係る光ファイバー15のガイド構造によっても、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイドピン29で形成されたガイド33によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0053】
また、光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン29の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有する。
【0054】
而も、前記フォーミング治具31は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れると共に、フォーミング治具31の着脱自在なガイドピン29の取付位置を変更すれば、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0055】
そして、請求項6及び請求項7の一実施形態に係る光ファイバー15の配線方法によれば、筐体1に光ファイバー15の配線ルートRに応じて複数のガイドピン挿通穴5を設けると共に、当該ガイドピン挿通穴5に対応する治具プレート25のガイドピン取付穴27にガイドピン29を挿着してフォーミング治具31を形成した後、筐体1の裏面側からガイドピン挿通穴5にガイドピン29を挿通させるだけの簡単な作業で筐体1にガイド33を形成することができ、この結果、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイド33によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0056】
而も、再使用可能なフォーミング治具31を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れると共に、治具プレート25へのガイドピン29の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0057】
尚、本実施形態の配線方法は、筐体1に光部品3を実装して、これらを光ファイバー15で接続した後、これらの上にプリント基板19を配置する仕様で説明したが、既述した請求項8の一実施形態と同様、筐体に光部品とプリント基板を実装した後、プリント基板上で光ファイバーをフォーミングする仕様にも本発明は適用可能である。
【0058】
即ち、筐体1のガイドピン挿通穴5に一致させてガイドピン挿通穴をプリント基板に形成し、当該プリント基板を筐体上に配置した後、筐体1の裏面側から、筐体1とプリント基板のガイドピン挿通穴5にフォーミング治具31のガイドピン29を挿通させて、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすればよく、この実施形態によっても所期の目的を達成することが可能である。
【0059】
また、前記実施形態では、光ファイバー15のフォーミング後、フォーミング治具31全体を下方へ移動させて筐体1から取り外したが、請求項9の一実施形態の如く、光ファイバー15のフォーミング後、ガイドピン取付穴27からガイドピン29を上方へ取り外した後、治具プレート25を筐体1から下方に取り外してもよく、斯かる実施形態によっても、光ファイバー15の一連のフォーミング作業が効率よく行える利点を有する。
【0060】
図13乃至図15は請求項1、請求項3及び請求項4に係る光ファイバーのガイド構造の一実施形態を示し、以下、本実施形態を図面を基に説明するが、図9乃至図12と同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0061】
図13に於て、35は前記治具プレート25とガイドピン37からなるフォーミング治具で、図13に示すように本実施形態は、筐体1の裏面側に治具プレート25を当接させて、筐体1の表面側からガイドピン挿通穴5と一致するガイドピン取付穴27にガイドピン37を挿着してフォーミング治具35を形成するものである。
【0062】
そして、斯様に筐体1の表面側からガイドピン37をガイドピン取付穴27に挿着することで、筐体1上に光ファイバーをフォーミングするガイド39がガイドピン37によって形成されている。
【0063】
図14に示すようにガイドピン37はガイドピン取付穴27に挿着可能な円柱形状に形成され、その上部には、フォーミング時の光ファイバー15の浮き上がりを防止する幅広な円盤状の頭部(浮き上がり防止手段)41が設けられている。
【0064】
フォーミング治具35を用いた光ファイバー15のガイド構造はこのように構成されており、斯かるフォーミング治具35を用いて請求項10及び請求項12に係る光ファイバーの配線方法は、以下の如く実施される。
【0065】
筐体1に光部品3を実装するに先立ち、図13に示すように筐体1の裏面側に治具プレート25を当接させて、筐体1の表面側からガイドピン挿通穴5と一致するガイドピン取付穴27にガイドピン37を挿着してフォーミング治具35を形成し、筐体1上に光ファイバー15をフォーミングするガイド39を形成する。
【0066】
そして、以下、既述した実施形態の配線方法と同様、筐体1の所定箇所に光部品3を実装した後、ガイド39に沿って配線ルートRに光ファイバー15をフォーミングし、光部品3を光ファイバー15で接続して光回路を形成する。
【0067】
而して、この光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン37の上部に設けた頭部41が光ファイバー15の浮き上がりを防止し、配線ルートRの経由地点の要所でガイドピン37からなるガイド39が光ファイバー15を保持することで、光ファイバーー15の一定の配線ルートRが保たれる。
【0068】
そして、光ファイバー15のフォーミング後、図15に示すようにガイドピン取付穴27からガイドピン37を上方へ取り外し、治具プレート25を筐体1から下方に取り外せばよく、ガイドピン37が引き抜かれてガイド39がなくなったことで、フォーミングされた光ファイバー15は自らの張力で外側に広がって規定半径以下になることがない。
【0069】
この後、図7と同様、筐体1の上にプリント基板を配置して、光部品3をプリント基板のパターンに接続し、最後にこれらを蓋体で被って通信装置が製造され、筐体1から取り外された治具プレート25とガイドピン37は、治具プレート25の同じガイドピン取付穴27にガイドピン37を挿着することで、配線ルートRの同じ筐体への光ファイバー15のフォーミングに再使用可能であり、また、ガイドピン37の取付位置を変更してフォーミング治具を形成することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる。
【0070】
このように本実施形態に係る光ファイバー15のガイド構造によっても、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイドピン37で形成されたガイド39によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0071】
また、光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン37の上部に設けた頭部41が光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有する。
【0072】
而も、前記フォーミング治具37は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れると共に、ガイドピン取付穴27に着脱自在なガイドピン37の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0073】
そして、請求項10及び請求項12の一実施形態に係る光ファイバー15の配線方法によっても、既述した各実施形態と同様、簡単な作業で筐体1にガイド39を形成することができ、この結果、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイド39によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0074】
而も、再使用可能なフォーミング治具37を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れると共に、ガイドピン取付穴27へのガイドピン29の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0075】
また、本実施形態の配線方法は、筐体1に光部品3を実装して、これらを光ファイバー15で接続した後、これらの上にプリント基板19を配置する仕様で説明したが、既述した請求項8の各実施形態と同様、筐体に光部品とプリント基板を実装した後、プリント基板上で光ファイバーをフォーミングする仕様にも本発明は適用可能である。
【0076】
即ち、図示しない請求項11の一実施形態の如く、ガイドピン挿通穴5と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体1上に配置し、前記治具プレート25を筐体1の裏面側に当接させて、プリント基板と筐体1のガイドピン挿通穴5に一致する治具プレート25のガイドピン取付穴27にガイドピン37を筐体1の表面側から挿着して、筐体1に光ファイバー15をフォーミングするガイドを設けた後、筐体に光部品3を実装し、ガイドピン37に沿って光ファイバー15をフォーミングしてもよい。
【0077】
而して、この実施形態によっても、再使用可能なフォーミング治具35を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れると共に、取り外した治具プレート25の着脱自在なガイドピン37の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【符号の説明】
【0078】
1 筐体
3 光部品
5 ガイドピン挿通穴
7、31、35 フォーミング治具
9、25 治具プレート
11、29、37 ガイドピン
13、33、39 ガイド
15 光ファイバー
17 環状凹部(浮き上がり防止手段)
19 プリント基板
21 蓋体
23 通信装置
27 ガイドピン取付穴
41 頭部(浮き上がり防止手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーミング治具を用いた光ファイバーのガイド構造と光ファイバーの配線方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信装置や光モジュールの内部には多くの光部品が搭載されており、これらの光部品を光ファイバーにて接続し、装置もしくは製品の内部に光回路を形成することで様々な機能を実現している。このため、光通信装置や光モジュールの内部には多くの光ケーブルが配線されている。
【0003】
ところで、光ファイバーは石英ガラスでできており、過度の曲げ応力を加えると破断してしまい、また、光ファイバー内を通る光は直進するため、規定以上の曲げを加えると曲げ損失が発生して光量の低下を招き、製品特性を満足できないことがある。
【0004】
このため、光通信装置や光モジュール内で光ファイバーを配線する場合、作業者は規定半径以下にならないように注意をし乍ら配線作業を行う必要があるが、作業バラツキにより光ファイバーの配線ルートを均一に保つことが困難であるのが実情であった。
【0005】
そこで、規定半径以下にならないような構造を実現する方法として、配線ルートにファイバーガイドを設ける方法があり、また、電線の配線用治具であるが、特許文献1には、多数の取付穴が所定ピッチで形成されたベース板の配線経路の対応位置の取付穴に電線ホルダーを挿着し、当該電線ホルダーを介して電線を配線する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−3228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし乍ら、斯様に配線ルートにファイバーガイドを設けてしまうと、光ファイバーの配線ルートは搭載部品や製品種別により異なるため、製品毎にファイバーガイドを設計、製作しなければならず、また、ファイバーガイドを製品に実装するため、製品の部品コストとしてファイバーガイド部材の費用もかかってしまう欠点があった。
【0008】
同様に、特許文献1に開示された従来例も、電線ホルダーをベース板に挿着、実装するため、製品の部品コストとして電線ホルダーの費用がかかってしまう不具合がある。
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、光ファイバーの配線ルートを均一に保つことができ、且つ部品コストの抑制を図った光ファイバーのガイド構造と光ファイバーの配線方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る光ファイバーのガイド構造は、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴が開口する筐体と、導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具とからなり、前記ガイドピン挿通穴に前記ガイドピンを挿通させて、前記筐体に、光ファイバーをフォーミングするガイドを設けたことを特徴とする。
【0011】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記フォーミング治具は、治具プレートに前記ガイドピンが一体形成されてなることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記フォーミング治具は、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在な前記ガイドピンとからなることを特徴とする。
【0012】
更に、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記ガイドピンに、光ファイバーの浮き上がり防止手段が施されていることを特徴とし、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の光ファイバーのガイド構造に於て、前記浮き上がり防止手段は、ガイドピンの外周に形成された凹部であることを特徴とする。
【0013】
一方、請求項6に係る光ファイバーの配線方法は、筐体に多数の光部品を実装して、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、前記筐体の裏面側から、導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具の当該ガイドピンをガイドピン挿通穴に挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして各光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする。
【0014】
そして、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記フォーミング治具を、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとで形成し、前記ガイドピン挿通穴に応じて治具プレートのガイドピン取付穴にガイドピンを取り付け、前記筐体の裏面側から、前記ガイドピン挿通穴にガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする。
【0015】
更に、請求項8に係る発明は、請求項6または請求項7に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、前記筐体の裏面側から、筐体とプリント基板のガイドピン挿通穴にフォーミング治具のガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とし、請求項9に係る発明は、請求項7または請求項8に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る光ファイバーの配線方法は、筐体に多数の光部品を取り付けて、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、当該筐体の裏面側に、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとからなる導電性を有するフォーミング治具の前記治具プレートを当接させて、前記ガイドピン挿通穴と一致するガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする。
【0017】
そして、請求項11に係る発明は、請求項10に記載の光ファイバーの配線方法に於て、前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、前記治具プレートを筐体の裏面側に当接させて、プリント基板と筐体のガイドピン挿通穴に一致する治具プレートのガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とし、請求項12に係る光ファイバーの配線方法は、前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1乃至請求項3に係る発明によれば、光ファイバーのフォーミングに際し、ガイドピンで形成されたガイドによって光ファイバーの配線ルート均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0019】
また、フォーミング治具は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れる利点を有し、更に、請求項3に係る発明によれば、フォーミング治具の着脱自在なガイドピンの取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品にもフォーミング治具を利用できる利点を有する。
【0020】
そして、請求項4及び請求項5に係る発明によれば、光ファイバーのフォーミング時に、ガイドピンに設けた浮き上がり防止手段が光ファイバーの浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有し、また、請求項5に係る発明によれば、請求項2及び請求項3のフォーミング治具のガイドピンに適用することができる。
【0021】
一方、請求項6乃至請求項12に係る光ファイバーの配線方法によれば、筐体のガイドピン挿通穴に、フォーミング治具のガイドピンを挿通させるだけの簡単な作業で筐体にガイドを形成することができ、この結果、光ファイバーのフォーミングに際し、ガイドによって光ファイバーの配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0022】
而も、再使用可能なフォーミング治具を用いて、何度でも配線ルートの均一化、安定化が図れ、更に、請求項7、請求項9、請求項10及び請求項12に係る配線方法によれば、フォーミング治具の着脱自在なガイドピンの取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品にみフォーミング治具を利用できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造に用いる筐体とフォーミング治具の全体斜視図である。
【図2】フォーミング治具に形成されたガイドピンの拡大側面図である。
【図3】ガイドピンによってガイドが形成された筐体の全体斜視図である。
【図4】筐体とこれに実装される光部品の全体斜視図である。
【図5】光ファイバーがフォーミングされた筐体の全体斜視図である。
【図6】筐体と当該筐体から取り外されるフォーミング治具の全体斜視図である。
【図7】筐体とこれに取り付くプリント基板、蓋体の全体斜視図である。
【図8】完成した通信装置の全体斜視図である。
【図9】請求項1、請求項3乃至請求項5の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造に用いる筐体とフォーミング治具の全体斜視図である。
【図10】ガイドピンによってガイドが形成された筐体の全体斜視図である。
【図11】筐体とこれに実装される光部品の全体斜視図である。
【図12】光ファイバーがフォーミングされた筐体の全体斜視図である。
【図13】請求項1、請求項3及び請求項4の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造に用いる筐体とフォーミング治具の全体斜視図である。
【図14】フォーミング治具に着脱自在に取り付くガイドピンの拡大側面図である。
【図15】筐体と当該筐体から取り外されるガイドピンの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1乃至図3は請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5の一実施形態に係る光ファイバーのガイド構造を示し、図1に於て、1は図4に図示するレーザダイオード等の光部品3を実装する平面視矩形状の筐体(下ケース)で、光部品3を実装するに当たり、筐体1には図5に示す光ファイバーの配線ルートRに応じて多数の平面視円形状のガイドピン挿通穴5が設けられている。
【0026】
また、図1中、7は導電樹脂製の治具プレート9上に、前記ガイドピン挿通穴5に応じて円柱状のガイドピン11が一体に突設されたフォーミング治具で、図1及び図3に示すように筐体1の裏面側から各ガイドピン挿通穴5にガイドピン11を挿通させて、フォーミング治具7を筐体1の裏面側に当接させると、光ファイバーを配線ルートRに沿ってフォーミングさせるガイド13が、各ガイドピン11によって筐体1上に形成されるようになっている。
【0027】
そして、図2に示すようにガイドピン11の外周には、フォーミング時の光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、周方向に複数の断面円弧状の環状凹部(浮き上がり防止手段)17が上下に複数設けられている。
【0028】
尚、図3に示すようにフォーミング治具7の治具プレート9は筐体1と同一寸法、同一形状に形成されており、ガイドピン挿通穴5はガイドピン11が挿通可能な略同一径とされている。
【0029】
フォーミング治具7を用いた光ファイバー15のガイド構造はこのように構成されており、斯かるフォーミング治具7を用いて請求項6に係る光ファイバー15の配線方法は、以下の如く実施される。
【0030】
ガイドピン挿通穴5が形成された筐体1に光部品3を実装するに先立ち、先ず、図1に示すようにフォーミング治具7の上方から、筐体1のガイドピン挿通穴5にガイドピン11を挿通させて筐体1をフォーミング治具7上に重ねることで、図3に示すように筐体1上にガイドピン11からなるガイド13を形成する。
【0031】
そして、図4に示すように筐体1表面の所定箇所に光部品3を実装した後、図5の如くガイド13に沿って配線ルートRに光ファイバー15をフォーミングし、光部品3を光ファイバー15で接続して光回路を形成する。
【0032】
而して、この光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン11の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止し、配線ルートRの経由地点の要所でガイドピン11からなるガイド13が光ファイバー15を保持して、光ファイバーー15の一定の配線ルートRが保たれる。
【0033】
この後、光ファイバー15をフォーミングし、図6の如くフォーミング治具7を下方へ移動させて筐体1からガイドピン11を引き抜けばよく、斯様にガイドピン11が引き抜かれてガイド13がなくなることで、筐体1にフォーミングされた光ファイバー15は自らの張力で外側に広がって規定半径以下になることがない。
【0034】
この後、図7に示すように筐体1の上にプリント基板19を配置して、光部品3をプリント基板19のパターンに接続し、最後にこれらを蓋体(上ケース)21で被って通信装置23が製造され、筐体1から取り外されたフォーミング治具7は再使用可能である。
【0035】
このように本実施形態に係る光ファイバー15のガイド構造によれば、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイドピン11で形成されたガイド13によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0036】
また、光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン11の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有する。
【0037】
而も、前記フォーミング治具7は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れる利点を有する。
【0038】
そして、請求項6の一実施形態に係る光ファイバー15の配線方法によれば、前記ガイドピン挿通穴5を設けた筐体1の裏面側からこれらのガイドピン挿通穴5に、フォーミング治具7のガイドピン11を挿通させるだけの簡単な作業で筐体1にガイド13を形成することができ、この結果、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイド13によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0039】
而も、再使用可能なフォーミング治具7を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れる。
【0040】
尚、前記配線方法は、筐体1に光部品3を実装して、これらを光ファイバー15で接続した後、これらの上にプリント基板19を配置する仕様で説明したが、筐体に光部品とプリント基板を実装した後、プリント基板上で光ファイバーをフォーミングする仕様にも本発明は適用可能である。
【0041】
而して、この仕様にあっては、図示しない請求項8に係る配線方法の一実施形態の如く、筐体1のガイドピン挿通穴5に一致させてプリント基板にガイドピン挿通穴を形成し、当該プリント基板を筐体上に配置した後、筐体1の裏面側から、筐体1とプリント基板のガイドピン挿通穴5にフォーミング治具7のガイドピン11を挿通させて、以下、前記実施形態と同様、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすればよく、本実施形態によっても、所期の目的を達成することが可能である。
【0042】
図9乃至図11は請求項1、請求項3乃至請求項5に係る光ファイバーのガイド構造の一実施形態を示し、以下、本実施形態を図面を基に説明するが、図1乃至図8と同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0043】
図9に於て、25は多数の平面視円形状のガイドピン取付穴27が所定ピッチで千鳥穴状に形成された治具プレート、29は各ガイドピン取付穴27に着脱自在な複数の円柱状のガイドピンで、これらは何れも導電樹脂で形成され、ガイドピン29の外周には前記環状凹部17が上下に複数設けられている。
【0044】
そして、前記ガイドピン挿通穴5に対応する位置のガイドピン取付穴27にガイドピン29を取り付けてフォーミング治具31が形成されており、筐体1の裏面側から各ガイドピン挿通穴5にガイドピン29を挿通させて、図10に示すようにフォーミング治具31の治具プレート25を筐体1の裏面側に当接させると、配線ルートRに沿って光ファイバー15をフォーミングさせるガイド33が、各ガイドピン29によって筐体1上に形成されるようになっている。
【0045】
フォーミング治具31を用いた光ファイバー15のガイド構造はこのように構成されており、斯かるフォーミング治具31を用いて請求項6及び請求項7に係る光ファイバー15の配線方法は、以下の如く実施される。
【0046】
筐体1に光部品3を実装するに先立ち、先ず、図9に示すように、ガイドピン挿通穴5に対応するガイドピン取付穴27にガイドピン29を挿着してフォーミング治具31を形成する。
【0047】
次に、フォーミング治具31の上方から、筐体1のガイドピン挿通穴5にガイドピン29を挿通させて筐体1をフォーミング治具31上に重ねることで、図10の如く筐体1上にガイドピン29からなるガイド33を形成する。
【0048】
そして、以下、既述した実施形態の配線方法と同様、図11に示すように筐体1の所定箇所に光部品3を実装した後、図12に示すようにガイド33に沿って配線ルートRに光ファイバー15をフォーミングし、光部品3を光ファイバー15で接続して光回路を形成する。
【0049】
而して、この光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン29の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止し、配線ルートRの経由地点の要所でガイドピン29からなるガイド33が光ファイバー15を保持することで、光ファイバーー15の一定の配線ルートRが保たれる。
【0050】
そして、光ファイバー15のフォーミング後、図6と同様、フォーミング治具31全体を下方へ移動させて筐体1から取り外せばよく、ガイドピン29が引き抜かれてガイド33がなくなったことで、筐体1にフォーミングされた光ファイバー15は自らの張力で外側に広がって規定半径以下になることがない。
【0051】
この後、図7と同様、筐体1の上にプリント基板を配置して、光部品3をプリント基板のパターンに接続し、最後にこれらを蓋体で被って通信装置が製造され、筐体1から取り外されたフォーミング治具31は再使用が可能である。
【0052】
このように本実施形態に係る光ファイバー15のガイド構造によっても、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイドピン29で形成されたガイド33によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0053】
また、光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン29の外周に設けた環状凹部17が光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有する。
【0054】
而も、前記フォーミング治具31は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れると共に、フォーミング治具31の着脱自在なガイドピン29の取付位置を変更すれば、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0055】
そして、請求項6及び請求項7の一実施形態に係る光ファイバー15の配線方法によれば、筐体1に光ファイバー15の配線ルートRに応じて複数のガイドピン挿通穴5を設けると共に、当該ガイドピン挿通穴5に対応する治具プレート25のガイドピン取付穴27にガイドピン29を挿着してフォーミング治具31を形成した後、筐体1の裏面側からガイドピン挿通穴5にガイドピン29を挿通させるだけの簡単な作業で筐体1にガイド33を形成することができ、この結果、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイド33によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0056】
而も、再使用可能なフォーミング治具31を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れると共に、治具プレート25へのガイドピン29の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0057】
尚、本実施形態の配線方法は、筐体1に光部品3を実装して、これらを光ファイバー15で接続した後、これらの上にプリント基板19を配置する仕様で説明したが、既述した請求項8の一実施形態と同様、筐体に光部品とプリント基板を実装した後、プリント基板上で光ファイバーをフォーミングする仕様にも本発明は適用可能である。
【0058】
即ち、筐体1のガイドピン挿通穴5に一致させてガイドピン挿通穴をプリント基板に形成し、当該プリント基板を筐体上に配置した後、筐体1の裏面側から、筐体1とプリント基板のガイドピン挿通穴5にフォーミング治具31のガイドピン29を挿通させて、ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすればよく、この実施形態によっても所期の目的を達成することが可能である。
【0059】
また、前記実施形態では、光ファイバー15のフォーミング後、フォーミング治具31全体を下方へ移動させて筐体1から取り外したが、請求項9の一実施形態の如く、光ファイバー15のフォーミング後、ガイドピン取付穴27からガイドピン29を上方へ取り外した後、治具プレート25を筐体1から下方に取り外してもよく、斯かる実施形態によっても、光ファイバー15の一連のフォーミング作業が効率よく行える利点を有する。
【0060】
図13乃至図15は請求項1、請求項3及び請求項4に係る光ファイバーのガイド構造の一実施形態を示し、以下、本実施形態を図面を基に説明するが、図9乃至図12と同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0061】
図13に於て、35は前記治具プレート25とガイドピン37からなるフォーミング治具で、図13に示すように本実施形態は、筐体1の裏面側に治具プレート25を当接させて、筐体1の表面側からガイドピン挿通穴5と一致するガイドピン取付穴27にガイドピン37を挿着してフォーミング治具35を形成するものである。
【0062】
そして、斯様に筐体1の表面側からガイドピン37をガイドピン取付穴27に挿着することで、筐体1上に光ファイバーをフォーミングするガイド39がガイドピン37によって形成されている。
【0063】
図14に示すようにガイドピン37はガイドピン取付穴27に挿着可能な円柱形状に形成され、その上部には、フォーミング時の光ファイバー15の浮き上がりを防止する幅広な円盤状の頭部(浮き上がり防止手段)41が設けられている。
【0064】
フォーミング治具35を用いた光ファイバー15のガイド構造はこのように構成されており、斯かるフォーミング治具35を用いて請求項10及び請求項12に係る光ファイバーの配線方法は、以下の如く実施される。
【0065】
筐体1に光部品3を実装するに先立ち、図13に示すように筐体1の裏面側に治具プレート25を当接させて、筐体1の表面側からガイドピン挿通穴5と一致するガイドピン取付穴27にガイドピン37を挿着してフォーミング治具35を形成し、筐体1上に光ファイバー15をフォーミングするガイド39を形成する。
【0066】
そして、以下、既述した実施形態の配線方法と同様、筐体1の所定箇所に光部品3を実装した後、ガイド39に沿って配線ルートRに光ファイバー15をフォーミングし、光部品3を光ファイバー15で接続して光回路を形成する。
【0067】
而して、この光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン37の上部に設けた頭部41が光ファイバー15の浮き上がりを防止し、配線ルートRの経由地点の要所でガイドピン37からなるガイド39が光ファイバー15を保持することで、光ファイバーー15の一定の配線ルートRが保たれる。
【0068】
そして、光ファイバー15のフォーミング後、図15に示すようにガイドピン取付穴27からガイドピン37を上方へ取り外し、治具プレート25を筐体1から下方に取り外せばよく、ガイドピン37が引き抜かれてガイド39がなくなったことで、フォーミングされた光ファイバー15は自らの張力で外側に広がって規定半径以下になることがない。
【0069】
この後、図7と同様、筐体1の上にプリント基板を配置して、光部品3をプリント基板のパターンに接続し、最後にこれらを蓋体で被って通信装置が製造され、筐体1から取り外された治具プレート25とガイドピン37は、治具プレート25の同じガイドピン取付穴27にガイドピン37を挿着することで、配線ルートRの同じ筐体への光ファイバー15のフォーミングに再使用可能であり、また、ガイドピン37の取付位置を変更してフォーミング治具を形成することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる。
【0070】
このように本実施形態に係る光ファイバー15のガイド構造によっても、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイドピン37で形成されたガイド39によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れるため、品質が安定する。
【0071】
また、光ファイバー15のフォーミング時に、ガイドピン37の上部に設けた頭部41が光ファイバー15の浮き上がりを防止するため、作業性に優れた利点を有する。
【0072】
而も、前記フォーミング治具37は再使用可能であるから、製品毎にファイバーガイドを実装していた従来のガイド構造に比し、部品コストの削減が図れると共に、ガイドピン取付穴27に着脱自在なガイドピン37の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0073】
そして、請求項10及び請求項12の一実施形態に係る光ファイバー15の配線方法によっても、既述した各実施形態と同様、簡単な作業で筐体1にガイド39を形成することができ、この結果、光ファイバー15のフォーミングに際し、ガイド39によって光ファイバー15の配線ルートRの均一化、安定化が図れる利点を有する。
【0074】
而も、再使用可能なフォーミング治具37を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れると共に、ガイドピン取付穴27へのガイドピン29の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【0075】
また、本実施形態の配線方法は、筐体1に光部品3を実装して、これらを光ファイバー15で接続した後、これらの上にプリント基板19を配置する仕様で説明したが、既述した請求項8の各実施形態と同様、筐体に光部品とプリント基板を実装した後、プリント基板上で光ファイバーをフォーミングする仕様にも本発明は適用可能である。
【0076】
即ち、図示しない請求項11の一実施形態の如く、ガイドピン挿通穴5と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体1上に配置し、前記治具プレート25を筐体1の裏面側に当接させて、プリント基板と筐体1のガイドピン挿通穴5に一致する治具プレート25のガイドピン取付穴27にガイドピン37を筐体1の表面側から挿着して、筐体1に光ファイバー15をフォーミングするガイドを設けた後、筐体に光部品3を実装し、ガイドピン37に沿って光ファイバー15をフォーミングしてもよい。
【0077】
而して、この実施形態によっても、再使用可能なフォーミング治具35を用いて、何度でも配線ルートRの均一化、安定化が図れると共に、取り外した治具プレート25の着脱自在なガイドピン37の取付位置を変更することで、配線ルートの異なる他の製品に利用できる利点を有する。
【符号の説明】
【0078】
1 筐体
3 光部品
5 ガイドピン挿通穴
7、31、35 フォーミング治具
9、25 治具プレート
11、29、37 ガイドピン
13、33、39 ガイド
15 光ファイバー
17 環状凹部(浮き上がり防止手段)
19 プリント基板
21 蓋体
23 通信装置
27 ガイドピン取付穴
41 頭部(浮き上がり防止手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴が開口する筐体と、
導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具とからなり、
前記ガイドピン挿通穴に前記ガイドピンを挿通させて、前記筐体に、光ファイバーをフォーミングするガイドを設けたことを特徴とする光ファイバーのガイド構造。
【請求項2】
前記フォーミング治具は、治具プレートに前記ガイドピンが一体形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項3】
前記フォーミング治具は、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在な前記ガイドピンとからなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項4】
前記ガイドピンに、光ファイバーの浮き上がり防止手段が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項5】
前記浮き上がり防止手段は、ガイドピンの外周に形成された凹部であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項6】
筐体に多数の光部品を実装して、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、
前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、
前記筐体の裏面側から、導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具の当該ガイドピンをガイドピン挿通穴に挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして各光部品を光ファイバーで接続し、
光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする光ファイバーの配線方法。
【請求項7】
前記フォーミング治具を、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとで形成し、
前記ガイドピン挿通穴に応じて治具プレートのガイドピン取付穴にガイドピンを取り付け、
前記筐体の裏面側から、前記ガイドピン挿通穴にガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、
光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項8】
前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、
前記筐体の裏面側から、筐体とプリント基板のガイドピン挿通穴にフォーミング治具のガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項9】
前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項10】
筐体に多数の光部品を取り付けて、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、
前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、
当該筐体の裏面側に、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとからなる導電性を有するフォーミング治具の前記治具プレートを当接させて、
前記ガイドピン挿通穴と一致するガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、
光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする光ファイバーの配線方法。
【請求項11】
前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、
前記治具プレートを筐体の裏面側に当接させて、プリント基板と筐体のガイドピン挿通穴に一致する治具プレートのガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とする請求項10に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項12】
前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項1】
光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴が開口する筐体と、
導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具とからなり、
前記ガイドピン挿通穴に前記ガイドピンを挿通させて、前記筐体に、光ファイバーをフォーミングするガイドを設けたことを特徴とする光ファイバーのガイド構造。
【請求項2】
前記フォーミング治具は、治具プレートに前記ガイドピンが一体形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項3】
前記フォーミング治具は、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在な前記ガイドピンとからなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項4】
前記ガイドピンに、光ファイバーの浮き上がり防止手段が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項5】
前記浮き上がり防止手段は、ガイドピンの外周に形成された凹部であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバーのガイド構造。
【請求項6】
筐体に多数の光部品を実装して、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、
前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、
前記筐体の裏面側から、導電材料で形成され、前記ガイドピン挿通穴に応じた位置にガイドピンが取り付くフォーミング治具の当該ガイドピンをガイドピン挿通穴に挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして各光部品を光ファイバーで接続し、
光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする光ファイバーの配線方法。
【請求項7】
前記フォーミング治具を、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該各ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとで形成し、
前記ガイドピン挿通穴に応じて治具プレートのガイドピン取付穴にガイドピンを取り付け、
前記筐体の裏面側から、前記ガイドピン挿通穴にガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、
光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項8】
前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、
前記筐体の裏面側から、筐体とプリント基板のガイドピン挿通穴にフォーミング治具のガイドピンを挿通させ乍ら、筐体の裏面側にフォーミング治具を当接させて筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項9】
前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項10】
筐体に多数の光部品を取り付けて、これらの光部品を光ファイバーで接続するに当たり、
前記筐体に、光ファイバーの配線ルートに応じて複数のガイドピン挿通穴を設け、
当該筐体の裏面側に、多数のガイドピン取付穴が形成された治具プレートと、当該ガイドピン取付穴に着脱自在なガイドピンとからなる導電性を有するフォーミング治具の前記治具プレートを当接させて、
前記ガイドピン挿通穴と一致するガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングして光部品を光ファイバーで接続し、
光ファイバーのフォーミング後、フォーミング治具を筐体から取り外すことを特徴とする光ファイバーの配線方法。
【請求項11】
前記ガイドピン挿通穴と一致させてガイドピン挿通穴を形成したプリント基板を筐体上に配置し、
前記治具プレートを筐体の裏面側に当接させて、プリント基板と筐体のガイドピン挿通穴に一致する治具プレートのガイドピン取付穴に、ガイドピンを筐体の表面側から挿着して筐体に光ファイバーをフォーミングするガイドを設けた後、筐体に前記光部品を実装し、
ガイドピンに沿って光ファイバーをフォーミングすることを特徴とする請求項10に記載の光ファイバーの配線方法。
【請求項12】
前記光ファイバーのフォーミング後、ガイドピンをガイドピン取付穴から取り外し、フォーミング治具の治具プレートを筐体から取り外すことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の光ファイバーの配線方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−253167(P2011−253167A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128974(P2010−128974)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
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