フック
【課題】 フック本体を回動自在に設けたフックにおいて、組み立てが容易で丈夫な構造のフックを提供する。
【解決手段】 フック本体(2)の基部に回転軸(14)を設ける。台座(1)には、半円弧状の受溝(7)を有する支承片(6)が形成されている。上記台座(1)に取り付けられるキャップ(4)には、半円弧状の受溝(22)が設けられている。フック本体(2)の回転軸(14)は、上記台座(1)とキャップ(4)を組み合せた際、上記受溝(7)、(22)により形成される軸孔(24)内に回動自在に保持される。
【解決手段】 フック本体(2)の基部に回転軸(14)を設ける。台座(1)には、半円弧状の受溝(7)を有する支承片(6)が形成されている。上記台座(1)に取り付けられるキャップ(4)には、半円弧状の受溝(22)が設けられている。フック本体(2)の回転軸(14)は、上記台座(1)とキャップ(4)を組み合せた際、上記受溝(7)、(22)により形成される軸孔(24)内に回動自在に保持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁、家具その他の適宜の固定部に取付けて使用するフックに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のフックは、壁等に固定される台座の表面に鉤状のフック本体を一体的に形成してあるが、不使用時に該フック本体が突出したままであると、引掛ったりして邪魔になることがある。そのため、該フック本体を起立状態と倒伏状態に回動できるようにしたフックが知られている(例えば、特許文献1参照)。フック本体を回動可能に設ける場合、従来のフックではプラスチック材料でフック本体の両端に該フック本体と一体的に突軸を形成すると共に台座に軸孔を有する支持板を対向して設け、該軸孔間に突軸を嵌め込んだり、フック本体とは別に金属製の軸を設け、該軸をフック本体と台座に形成した軸孔に連通して貫挿したりしている。
【0003】
しかし、上述のようにフック本体に設けた突軸を台座に形成した一対の支持板の軸孔に嵌合させる構造では、両側に突出した突軸を軸孔間に無理に挿入させるために該突軸の長さを長くしたり太く形成することがむずかしく、軸孔の外周も肉薄に形成されることが多いので、フック本体に大きな荷重が作用すると突軸が抜けたり、軸孔の外周が破損するおそれが多い。また、金属製の軸を後から貫挿する構成では、製造コストがかかり、組み立ての手間も大変である。さらに、従来のフックでは、物体を吊り下げるための機能を有するだけで、メモ等を保持させることができず、体裁も良くなかった。
【特許文献1】特開2004−113302号公報(図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決課題は、フック本体を起立状態と倒伏状態に回動可能に設けたフックにおいて、構造が簡単に、容易に組み立てでき、大きな荷重がかかっても壊れにくいフックを提供することであり、更に、住宅の快適空間志向にあって、部屋の中の美的要素を付加することができるフックを提供することである。
【0005】
また、上記の如きフックにおいて、メモ等も保持させることができるフックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、台座と、フック本体と、台座に取り付けられフック本体が突出する開口を有するキャップを具備し、上記台座とキャップに上記フック本体の基部を囲んで該フック本体を回動可能に保持するするよう支承部を設けたことを特徴とするフックが提供され、上記課題が解決される。
【0007】
また、本発明によれば、上記台座にクリップ片を形成し、キャップに該クリップ片に対応して挿込口を形成した上記フックが提供され、上記課題が解決される。
【0008】
本発明のフックにおいては、上記フック本体の基部には、回転軸若しくは受部が形成され、上記支承部としては該回転軸が嵌合する半円弧状の受溝や受部が嵌合する支軸を設けることができる。また、該フック本体の回動範囲を規制するため、台座に設けたストッパーに当るよう当接片をフック本体に設けたり、キャップの開口に上記フック本体の側面に当接する当接縁が設けられ、上記キャップには上記フック本体を倒伏状態で収納する凹部が設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のように構成され、台座とキャップに設けた支承部でフック本体の基部を回動可能に保持するするようにしたので、台座とキャップを組み合せることによりフック本体を回動可能に保持することができ、従来のようにフック本体の両側に突軸を突設し対向する支持板に形成した軸孔間に突軸を嵌合する構造に比べて、組み立てが容易でかつ強度を高めることができ、また金属材料で別体に軸を形成して該軸をフック本体と支持板に貫挿する構造に比べて構造が簡単で経済的に得られる。
【0010】
さらに、台座にクリップ片を設ければ、キャップに形成した挿入口からメモ等を差し込んで保持させることができ、便利である。その上、キャップに凹部を設けてフック本体を倒伏状態で収納できるようにしたので、フック不使用時にフック本体がキャップの外面から突出せず、衣服等が引掛かるおそれを防止でき、外観も優れ、室内空間に美的要素を付加でき、該凹部の一端に拡大凹部を形成すれば、フック本体を起立させるときに容易に該フック本体を引き出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜図3を参照し、本発明のフックは、壁、家具その他の適宜の固定部(図示略)に取り付けられる台座(1)と、適宜の物品を吊り下げるためのフック本体(2)と、上記台座(1)に取り付けられフック本体(2)が突出する開口(3)を有するキャップ(4)を具備し、適宜のプラスチック材料で形成されているが、各部材を金属材料で形成することもでき、後記するように、上記台座(1)とキャップ(4)には、上記フック本体(2)の基部を囲んで該フック本体を回動可能に保持するよう支承部が形成されている。
【0012】
図5〜図7には、台座(1)の一実施例が示されている。図において、該台座(1)は略楕円形の基板(5)を有し、該基板(5)の前面に支承片(6)が対向状態に突設され、該支承片(6)には、フック本体を保持する支承部が形成されている。図に示す実施例では、半円弧状の受溝(7)が設けられており、該受溝(7)が支承部を構成している。上記支承片(6)間には、ストッパー(8)が形成され、基板(5)の一側には先端が弧状にわん曲するクリップ片(9)が設けられている。図において、該クリップ片(9)は基板(5)と一体的に形成されているが、プラスチック材料若しくは金属材料で別体のクリップ片を形成して上記基板に固着させてもよい(図示略)。
【0013】
上記台座(1)の基板(5)の周縁には、キャップ(4)を着脱可能に嵌着できる側面(10)が形成され、該側面(10)には適宜の係止部(11)が設けられており、背面には、取付プレート(12)を挿入するための挿入部(13)が形成されている(図7)。該取付プレート(12)は、適宜の両面テープ(図示略)を介して固定部に接着され、その後、該取付プレート(12)に台座(1)の裏面の挿入部(13)を挿入して台座を固定するようにしてある。なお、図示する如き取付プレートを用いずに、両面テープや接着剤で固定したり、基板(5)に取付孔(図示略)を設けて固定部にねじ着してもよい。
【0014】
図8、図9は、フック本体(2)の一実施例を示し、該フック本体(2)の基部には回転軸(14)が突設され、基部の周辺には該フック本体(2)が起立したとき上記ストッパー(8)に当接するよう当接片(15)が形成されている。また、フック本体(2)の先端には、小さな肉厚部(16)が設けられている。
【0015】
図10、図11は、キャップ(4)の一実施例を示し、該キャップ(4)は、上記台座(1)の側面(10)に嵌合できるよう略楕円形の係合縁(17)を有し、全体がほぼ半球状に形成されている。該係合縁(17)の内方には、上記台座(1)の側面(10)に形成した係止部(11)に対応する係止部(18)が形成される。該係止部(11)、(18)としては、いずれか一方を突部に形成し、他方を凹部に形成したり、突部と突部が弾性的にかみ合うようにしたり、その他公知の適宜の構成にすることができる。また、所望によりビス止めするようにしてもよい。
【0016】
上記キャップ(4)は、上記フック本体(2)を突出させるための上記開口(3)に連続して倒伏状態のフック本体(2)を収納できる凹部(19)が形成されている。該凹部(19)の一端には、フック本体(2)の先端の周囲を間隙を存して囲むよう拡大凹部(20)が形成されている。また、上記台座(1)に設けたクリップ片(9)に対応する位置には、メモ等を差し込むことができるよう挿込口(21)が形成されている。
【0017】
上記キャップ(4)の内面には、フック本体(2)の基部を支承する支承部が設けられている。図に示す実施例では、該支承部として、上記台座(1)の支承片(6)に形成した受溝(7)に対向する部位に、上記フック本体(2)の回転軸(14)を回転自在に支承するための半円弧状の受溝(22)が形成されている。
【0018】
なお、上記開口(3)の一端側には、フック本体(2)を起立状態に回動したとき、該フック本体(2)の側面が当接するよう当接縁(23)を形成してあるが、該フック本体(2)の回動範囲は、上述したように上記台座(1)に設けたストッパー(8)及びフック本体(2)に設けた当接片(15)でも規制されているので、起立状態におけるフック本体(2)の基部は確実に支持され、壊れにくくできる。なお、比較的軽荷重に使用する場合は、上記当接縁(23)若しくはストッパー(8)及び当接片(15)のいずれか一方の部材でフック本体(2)を起立状態に保持するようにしてもよい(図示略)。
【0019】
而して、上記台座(1)の受溝(7)にフック本体(2)の回転軸(14)を載せ、該フック本体(2)の先端をキャップ(4)の開口(3)に通しながらキャップ(4)を台座(1)にかぶせて係止部(11)、(18)を係合させると、上記回転軸(14)の半面は、上記キャップ(4)の受溝(22)に嵌合し、図1〜図3に示すように、組み立てることができる。この状態で、上記フック本体(2)の回転軸(14)は、図4に示すように受溝(7)、(22)で形成される軸孔(24)内に回動自在に保持されるから、該フック本体(2)を倒伏位置(図1)と起立状位置(図2)に回動することができる。また、図2に示すように、挿込口(21)からメモ(25)等を差し込んでクリップ片(9)に保持させることもできる。なお、メモ等の保持が不要の場合は、クリップ片(9)や挿込口(21)を省略してもよい。
【0020】
図12は、フック本体(2)と台座(1)の支承部の他の実施例を示し、フック本体(2)は上記実施例と同じ構成であるが、台座(1)の支承片(6)に設けた受溝(7)の端部に、上記フック本体(2)の回転軸(14)の端面に弾性的に圧着するよう押え板(26)を設けてある。この構成により、上記フック本体(2)の回転軸(14)を受溝(7)に載せたとき、該回転軸(14)は押え板(26)により両側から軽く押さえられるので、台座(1)とキャップ(4)を組み合わせるときにフック本体(2)が簡単に脱落しないようにでき、組み立て作業が容易となる。また、フック本体(2)を回動させるとき、摩擦抵抗によりフック本体の回動を軽く制動することができるから、該フック本体が勝手に回動して飛び出したりすることがなく、安全である。
【0021】
図13は、フック本体(2)と台座(1)の支承部の他の実施例を示し、台座の支承片(27)には支軸(28)を設けてあり、フック本体(2)の基部には、該支軸(28)に嵌合する半円弧状の受部(29)とキャップの支承部(図示略)に支承される抜止突起(30)が設けられている。上記受部(29)を支軸(28)に嵌合すれば、フック本体(2)は回動自在に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】フック本体を起立させた状態の斜視図。
【図3】断面図。
【図4】台座とキャップとフック本体の組立状態を示す拡大説明図。
【図5】台座の斜視図。
【図6】台座の断面図。
【図7】台座の裏面と取付プレートを示す斜視図。
【図8】フック本体の斜視図。
【図9】フック本体の断面図。
【図10】キャップの内面を示す斜視図。
【図11】キャップの断面図。
【図12】他の実施例を示す斜視図。
【図13】さらに他の実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1 台座
2 フック本体
3 開口
4 キャップ
5 基板
6 支承片
7 受溝
8 ストッパー
9 クリップ片
12 取付プレート
14 回転軸
15 当接片
19 凹部
20 拡大凹部
21 挿込口
22 受溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁、家具その他の適宜の固定部に取付けて使用するフックに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のフックは、壁等に固定される台座の表面に鉤状のフック本体を一体的に形成してあるが、不使用時に該フック本体が突出したままであると、引掛ったりして邪魔になることがある。そのため、該フック本体を起立状態と倒伏状態に回動できるようにしたフックが知られている(例えば、特許文献1参照)。フック本体を回動可能に設ける場合、従来のフックではプラスチック材料でフック本体の両端に該フック本体と一体的に突軸を形成すると共に台座に軸孔を有する支持板を対向して設け、該軸孔間に突軸を嵌め込んだり、フック本体とは別に金属製の軸を設け、該軸をフック本体と台座に形成した軸孔に連通して貫挿したりしている。
【0003】
しかし、上述のようにフック本体に設けた突軸を台座に形成した一対の支持板の軸孔に嵌合させる構造では、両側に突出した突軸を軸孔間に無理に挿入させるために該突軸の長さを長くしたり太く形成することがむずかしく、軸孔の外周も肉薄に形成されることが多いので、フック本体に大きな荷重が作用すると突軸が抜けたり、軸孔の外周が破損するおそれが多い。また、金属製の軸を後から貫挿する構成では、製造コストがかかり、組み立ての手間も大変である。さらに、従来のフックでは、物体を吊り下げるための機能を有するだけで、メモ等を保持させることができず、体裁も良くなかった。
【特許文献1】特開2004−113302号公報(図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決課題は、フック本体を起立状態と倒伏状態に回動可能に設けたフックにおいて、構造が簡単に、容易に組み立てでき、大きな荷重がかかっても壊れにくいフックを提供することであり、更に、住宅の快適空間志向にあって、部屋の中の美的要素を付加することができるフックを提供することである。
【0005】
また、上記の如きフックにおいて、メモ等も保持させることができるフックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、台座と、フック本体と、台座に取り付けられフック本体が突出する開口を有するキャップを具備し、上記台座とキャップに上記フック本体の基部を囲んで該フック本体を回動可能に保持するするよう支承部を設けたことを特徴とするフックが提供され、上記課題が解決される。
【0007】
また、本発明によれば、上記台座にクリップ片を形成し、キャップに該クリップ片に対応して挿込口を形成した上記フックが提供され、上記課題が解決される。
【0008】
本発明のフックにおいては、上記フック本体の基部には、回転軸若しくは受部が形成され、上記支承部としては該回転軸が嵌合する半円弧状の受溝や受部が嵌合する支軸を設けることができる。また、該フック本体の回動範囲を規制するため、台座に設けたストッパーに当るよう当接片をフック本体に設けたり、キャップの開口に上記フック本体の側面に当接する当接縁が設けられ、上記キャップには上記フック本体を倒伏状態で収納する凹部が設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のように構成され、台座とキャップに設けた支承部でフック本体の基部を回動可能に保持するするようにしたので、台座とキャップを組み合せることによりフック本体を回動可能に保持することができ、従来のようにフック本体の両側に突軸を突設し対向する支持板に形成した軸孔間に突軸を嵌合する構造に比べて、組み立てが容易でかつ強度を高めることができ、また金属材料で別体に軸を形成して該軸をフック本体と支持板に貫挿する構造に比べて構造が簡単で経済的に得られる。
【0010】
さらに、台座にクリップ片を設ければ、キャップに形成した挿入口からメモ等を差し込んで保持させることができ、便利である。その上、キャップに凹部を設けてフック本体を倒伏状態で収納できるようにしたので、フック不使用時にフック本体がキャップの外面から突出せず、衣服等が引掛かるおそれを防止でき、外観も優れ、室内空間に美的要素を付加でき、該凹部の一端に拡大凹部を形成すれば、フック本体を起立させるときに容易に該フック本体を引き出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜図3を参照し、本発明のフックは、壁、家具その他の適宜の固定部(図示略)に取り付けられる台座(1)と、適宜の物品を吊り下げるためのフック本体(2)と、上記台座(1)に取り付けられフック本体(2)が突出する開口(3)を有するキャップ(4)を具備し、適宜のプラスチック材料で形成されているが、各部材を金属材料で形成することもでき、後記するように、上記台座(1)とキャップ(4)には、上記フック本体(2)の基部を囲んで該フック本体を回動可能に保持するよう支承部が形成されている。
【0012】
図5〜図7には、台座(1)の一実施例が示されている。図において、該台座(1)は略楕円形の基板(5)を有し、該基板(5)の前面に支承片(6)が対向状態に突設され、該支承片(6)には、フック本体を保持する支承部が形成されている。図に示す実施例では、半円弧状の受溝(7)が設けられており、該受溝(7)が支承部を構成している。上記支承片(6)間には、ストッパー(8)が形成され、基板(5)の一側には先端が弧状にわん曲するクリップ片(9)が設けられている。図において、該クリップ片(9)は基板(5)と一体的に形成されているが、プラスチック材料若しくは金属材料で別体のクリップ片を形成して上記基板に固着させてもよい(図示略)。
【0013】
上記台座(1)の基板(5)の周縁には、キャップ(4)を着脱可能に嵌着できる側面(10)が形成され、該側面(10)には適宜の係止部(11)が設けられており、背面には、取付プレート(12)を挿入するための挿入部(13)が形成されている(図7)。該取付プレート(12)は、適宜の両面テープ(図示略)を介して固定部に接着され、その後、該取付プレート(12)に台座(1)の裏面の挿入部(13)を挿入して台座を固定するようにしてある。なお、図示する如き取付プレートを用いずに、両面テープや接着剤で固定したり、基板(5)に取付孔(図示略)を設けて固定部にねじ着してもよい。
【0014】
図8、図9は、フック本体(2)の一実施例を示し、該フック本体(2)の基部には回転軸(14)が突設され、基部の周辺には該フック本体(2)が起立したとき上記ストッパー(8)に当接するよう当接片(15)が形成されている。また、フック本体(2)の先端には、小さな肉厚部(16)が設けられている。
【0015】
図10、図11は、キャップ(4)の一実施例を示し、該キャップ(4)は、上記台座(1)の側面(10)に嵌合できるよう略楕円形の係合縁(17)を有し、全体がほぼ半球状に形成されている。該係合縁(17)の内方には、上記台座(1)の側面(10)に形成した係止部(11)に対応する係止部(18)が形成される。該係止部(11)、(18)としては、いずれか一方を突部に形成し、他方を凹部に形成したり、突部と突部が弾性的にかみ合うようにしたり、その他公知の適宜の構成にすることができる。また、所望によりビス止めするようにしてもよい。
【0016】
上記キャップ(4)は、上記フック本体(2)を突出させるための上記開口(3)に連続して倒伏状態のフック本体(2)を収納できる凹部(19)が形成されている。該凹部(19)の一端には、フック本体(2)の先端の周囲を間隙を存して囲むよう拡大凹部(20)が形成されている。また、上記台座(1)に設けたクリップ片(9)に対応する位置には、メモ等を差し込むことができるよう挿込口(21)が形成されている。
【0017】
上記キャップ(4)の内面には、フック本体(2)の基部を支承する支承部が設けられている。図に示す実施例では、該支承部として、上記台座(1)の支承片(6)に形成した受溝(7)に対向する部位に、上記フック本体(2)の回転軸(14)を回転自在に支承するための半円弧状の受溝(22)が形成されている。
【0018】
なお、上記開口(3)の一端側には、フック本体(2)を起立状態に回動したとき、該フック本体(2)の側面が当接するよう当接縁(23)を形成してあるが、該フック本体(2)の回動範囲は、上述したように上記台座(1)に設けたストッパー(8)及びフック本体(2)に設けた当接片(15)でも規制されているので、起立状態におけるフック本体(2)の基部は確実に支持され、壊れにくくできる。なお、比較的軽荷重に使用する場合は、上記当接縁(23)若しくはストッパー(8)及び当接片(15)のいずれか一方の部材でフック本体(2)を起立状態に保持するようにしてもよい(図示略)。
【0019】
而して、上記台座(1)の受溝(7)にフック本体(2)の回転軸(14)を載せ、該フック本体(2)の先端をキャップ(4)の開口(3)に通しながらキャップ(4)を台座(1)にかぶせて係止部(11)、(18)を係合させると、上記回転軸(14)の半面は、上記キャップ(4)の受溝(22)に嵌合し、図1〜図3に示すように、組み立てることができる。この状態で、上記フック本体(2)の回転軸(14)は、図4に示すように受溝(7)、(22)で形成される軸孔(24)内に回動自在に保持されるから、該フック本体(2)を倒伏位置(図1)と起立状位置(図2)に回動することができる。また、図2に示すように、挿込口(21)からメモ(25)等を差し込んでクリップ片(9)に保持させることもできる。なお、メモ等の保持が不要の場合は、クリップ片(9)や挿込口(21)を省略してもよい。
【0020】
図12は、フック本体(2)と台座(1)の支承部の他の実施例を示し、フック本体(2)は上記実施例と同じ構成であるが、台座(1)の支承片(6)に設けた受溝(7)の端部に、上記フック本体(2)の回転軸(14)の端面に弾性的に圧着するよう押え板(26)を設けてある。この構成により、上記フック本体(2)の回転軸(14)を受溝(7)に載せたとき、該回転軸(14)は押え板(26)により両側から軽く押さえられるので、台座(1)とキャップ(4)を組み合わせるときにフック本体(2)が簡単に脱落しないようにでき、組み立て作業が容易となる。また、フック本体(2)を回動させるとき、摩擦抵抗によりフック本体の回動を軽く制動することができるから、該フック本体が勝手に回動して飛び出したりすることがなく、安全である。
【0021】
図13は、フック本体(2)と台座(1)の支承部の他の実施例を示し、台座の支承片(27)には支軸(28)を設けてあり、フック本体(2)の基部には、該支軸(28)に嵌合する半円弧状の受部(29)とキャップの支承部(図示略)に支承される抜止突起(30)が設けられている。上記受部(29)を支軸(28)に嵌合すれば、フック本体(2)は回動自在に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】フック本体を起立させた状態の斜視図。
【図3】断面図。
【図4】台座とキャップとフック本体の組立状態を示す拡大説明図。
【図5】台座の斜視図。
【図6】台座の断面図。
【図7】台座の裏面と取付プレートを示す斜視図。
【図8】フック本体の斜視図。
【図9】フック本体の断面図。
【図10】キャップの内面を示す斜視図。
【図11】キャップの断面図。
【図12】他の実施例を示す斜視図。
【図13】さらに他の実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1 台座
2 フック本体
3 開口
4 キャップ
5 基板
6 支承片
7 受溝
8 ストッパー
9 クリップ片
12 取付プレート
14 回転軸
15 当接片
19 凹部
20 拡大凹部
21 挿込口
22 受溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と、フック本体と、台座に取り付けられフック本体が突出する開口を有するキャップを具備し、上記台座とキャップに上記フック本体の基部を囲んで該フック本体を回動可能に保持するするよう支承部を設けたことを特徴とするフック。
【請求項2】
上記フック本体は基部に回転軸を有し、上記台座とキャップの支承部は該回転軸を囲む半円弧状の受溝である請求項1に記載のフック。
【請求項3】
上記受溝の端部には、上記回転軸の端面に圧着するよう押え板が設けられている請求項2に記載のフック。
【請求項4】
上記フック本体は基部に半円弧状の受部を有し、上記台座の支承部は該受部が嵌着する支軸である請求項1に記載のフック。
【請求項5】
上記フック本体には、起立状態に回動したとき台座に設けたストッパーに当接するよう当接片が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のフック。
【請求項6】
上記キャップに設けた開口は、上記フック本体が起立状態に回動したとき、該フック本体の側面が当接する当接縁を有する請求項1または5に記載のフック。
【請求項7】
上記キャップには、上記フック本体を倒伏状態で収納する凹部が形成されている請求項1に記載のフック。
【請求項8】
上記凹部の一端には、上記フック本体の先端を間隙を存して囲むよう拡大凹部が形成されている請求項7に記載のフック。
【請求項9】
上記台座には、クリップ片が形成され、上記キャップには該クリップ片に対応して挿込口が形成されている請求項1に記載のフック。
【請求項10】
上記台座は、背面に取付プレートの挿入部を有し、該取付プレートを両面テープで固定部に接着することにより固定部に取り付けられる請求項1に記載のフック。
【請求項1】
台座と、フック本体と、台座に取り付けられフック本体が突出する開口を有するキャップを具備し、上記台座とキャップに上記フック本体の基部を囲んで該フック本体を回動可能に保持するするよう支承部を設けたことを特徴とするフック。
【請求項2】
上記フック本体は基部に回転軸を有し、上記台座とキャップの支承部は該回転軸を囲む半円弧状の受溝である請求項1に記載のフック。
【請求項3】
上記受溝の端部には、上記回転軸の端面に圧着するよう押え板が設けられている請求項2に記載のフック。
【請求項4】
上記フック本体は基部に半円弧状の受部を有し、上記台座の支承部は該受部が嵌着する支軸である請求項1に記載のフック。
【請求項5】
上記フック本体には、起立状態に回動したとき台座に設けたストッパーに当接するよう当接片が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のフック。
【請求項6】
上記キャップに設けた開口は、上記フック本体が起立状態に回動したとき、該フック本体の側面が当接する当接縁を有する請求項1または5に記載のフック。
【請求項7】
上記キャップには、上記フック本体を倒伏状態で収納する凹部が形成されている請求項1に記載のフック。
【請求項8】
上記凹部の一端には、上記フック本体の先端を間隙を存して囲むよう拡大凹部が形成されている請求項7に記載のフック。
【請求項9】
上記台座には、クリップ片が形成され、上記キャップには該クリップ片に対応して挿込口が形成されている請求項1に記載のフック。
【請求項10】
上記台座は、背面に取付プレートの挿入部を有し、該取付プレートを両面テープで固定部に接着することにより固定部に取り付けられる請求項1に記載のフック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−197987(P2006−197987A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10177(P2005−10177)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000004020)ニチバン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000004020)ニチバン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】
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