説明

フットコトロール付空調空気床吹出口

【課題】従来形の床吹出口は風量調整が簡単に出来ない、送風機を内蔵して回転数調整する方式の吹出口もあるが静かな居室では、騒音が気になると言う課題と冷房時と暖房時で吹出し方向が換えれないので特に冷房時の足元の冷えが課題である。
【解決手段】床吹出口は床に取付けられた状態で人が立居のまま靴先や、スリッパーで吹出口の吹出グリルを回転状に少し動かすと風量を強、中、弱又は無段階で簡単に自由に調整出来る事を特徴とし、又この吹出グリルは冷房時と暖房時で簡単に取外して表側と裏側で吹出方向が垂直方向(冷房)水平方向(暖房)に切り替えられ冷房時は垂直に緩やかに吹き上げ比重差で自然下降し、暖房時は水平方向に吹出し比重差で自然上昇するので極めて快適な体感を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の空調空気床吹出口は床面に取付られた状態で人が立居のまま足先(靴、スリッパー等)で該吹出口の風量を強、中、弱の三段階、又は無段階で調整できる構造で、床下吸込部は二重篭になっており外篭図1−9と内篭図2−10に設けられた開口部図1、図2−3が重なる時が最大となり、重ならない時が最小となる構造になっていて、外篭の底に取り付けられた金属板バネ制御歯車 図2、図5−6が内篭の底部裏面に取付けられ 図2−5のように外篭の内面と内篭の底裏面の間に挟まれている、外篭と吹出グリル図4はフランジ図2−8に乗っていて更に外周フランジ図2−14が床仕上げ材の上に乗る構造で、内篭は外篭の内側に入れて回転移動させて風量を調整するが、内篭が滑らかに回転移動させる為、外篭の内面底に滑り板 図2−2を取付け図5−6の歯車と図5−7の板状のバネで段設定していて、強、中、弱の位置が図3−15の様に立居のまま、円形の吹出口を足先で回転状に回して確認出来る事を特徴とする。
円形の吹出グリル図4−1は断面で見ると図2−1の様に表と裏面で吹出し方向が暖房用と冷房用に使い分けられ、暖房時に表とすると冷房時は裏側に、円形吹出グリルの表、裏を外して入れ替えると暖房時は床に沿って図2−4の如く略垂平に吹出し暖かい空気は軽いので緩やかに上昇し、冷房時は略垂直に吹出し比重差から緩やかに拡散下降してそれぞれの対流効果で快適な空調空間が得られることを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
従来の床下吹込み形空調システム(アンダーフロアー空調システムともよばれる)の床吹出口は一般にOAフロアーパネル(寸法50cm×50cm)を各四隅に取り付けられた脚図6−21で、下床から10〜30cm浮上げて取り付けられた二重床構造で、居室内全面に広く敷設される場合が多く、そのフロアーパネル図7−1の様に8枚(2m)〜12枚(4m)に1個位の割合で、多数個取付けられ、二重床内に吹き込まれた空調空気を居室内に吹出し対流効果によって冷房、暖房を齎した後、空調機の吸込み口に戻り循環される、またこの床吹出口はこのフロアーパネル(50cm角)に取付られたまま、床吹出口が取付られて、いないフロアーパネルの何れとも交換出来る構造になっていて、施工後の試運転時に利用者の希望の位置に変更、交換される事も出来る、
吹出グリルの吹出方向は斜め方向に固定されていて、冷房時も暖房時も同じ斜め方向で変換が出来ないし、調整も出来ない、風量調整は座うんで中央のねじを工具で回して調整できる物、また他にこの空調床吹出口の内部にファンを搭載した物があるがこの床吹出口はファンの回転数を制御して、吹出風量を調整出来る構造の物であり、リモコン装置で離れた場所からも、自由に調整が出来る機能を有する物がある、ファン動力が必要で、各所への配線工事とその分電盤等が必要な為床吹出口の位置を簡単には移動する事が出来ない等の欠点があるものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしこの様な従来形の床吹出口では冷房、暖房時、朝昼又は季節の変わり目等、床から吹き上げる空気の気流感が不快なため風量を抑えて吹出す、その逆にもっと風を強くしたい場合もあり、その都度調節が必要であり、場合により位置を変更したい等の要望にもつながる、工具を使い人が床に座んで螺子を廻して調節し、立ち上がって風の方向や風量を確認する等、簡単に誰でも調節することは出来なかった、これ等の課題を解決するには、簡単に誰でも、いつでも適切な風量に調節出来る吹出口がないか、冷房時と暖房時で吹出グリルの吹出し方向を変える事が出来ないかの課題があった、
【課題を解決するための手段】
【0004】
風量調節の課題を解決する為の請求項1の発明は該床吹出口を立居のまま靴、スリッパーで、風量の強、中、弱 を切替調節出来る構造である事を特徴とする、
この床吹出口の構造は、図1の様に外篭と内篭の二重篭で外篭は固定されており内篭が回転して両方の篭に縦長の細い開口部図1−3を形成している、内篭が回転する事により外篭、内篭の開口部が重なる時が空気の通過面積が最大となり、強の風量となる、開口部と非開口部が重なる時が締め切られ風量無しの状態になるのでこの開口の重なりの度合いで風量を調節できる、実験的に風量を計測して強、中、弱の位置を決め図3−15の様にマーキングする事で立居のまま自由に正確に段階状に設定が出来、図3−16の内篭の底面切り込み溝の両端図3−17に内篭の底面からネジビスを強(H)の端と弱(L)の端に出して回り止めを形成している、これでこの課題を解決出来る、
【0005】
吹出グリルの吹出し方向を冷房時、暖房時で切替が出来ないと言う課題を解決する為の請求項2の発明は、図2−1の吹出グリルの断面図の通り、上部半分が斜め方向に下部半分を垂直方向の構造とし、暖房時と冷房時とでこの吹出グリルを蓋を持ち上げるように外して上下を簡単に入れ替える構造で、簡単に斜め方向と垂直方向に吹出方向を変換出来る物である、尚この吹出方向の変換作業は夏季と冬季の空調の使用開始時に年2回のみでよく使用者にとって苦になる事はない。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、二重床構造の床下吹込み形空調システムの床吹出口の欠点である気流感による不快、気になる騒音を無くす事が出来る、従来の床吹出口は風量の調整が簡単では無く吹出方向も吹出グリルは斜め吹出し固定で、簡単にリモコンで調整の出来るファン内蔵の物は静かな居室ではファン騒音が気になる、これ等を改善する効果が期待出来る事を特徴とする、冷房時は適切な風量に調整された、涼しい空気が略垂直に緩やかに吹出し2m位の高さから、比重差により自然に降りてくるので人間が居室で椅子に座して机等に向かっている場合、比較的椅子の近くの床面に床吹出口が取付けられても、従来の吹出グリルのように床の低い部分に冷たい空気が帯留する不快な環境にはならない効果がある、
暖房時は床吹出グリルから適切に調整された空調空気が斜め水平方向に吹出すため床の低い部分は何時も暖かくなりその空気は比重差で静かに上昇する為極めて快適な空調環境がえられる、この発明による大きな効果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明の床吹出口は事務作業をする居室に取付けるのが最良の形態であり、その吹出口の寸法も従来品は200mmφが殆どですが、該居室の場合1居室当り5名から100名位までのの比較的中小規模に摘するため150mmφが適切で、建物(ビルヂング)の階高が全体のコストに大きく影響する事から二重床(OAフロアー)の高さは100mm〜150mmの場合が殆どですから、この床高さに取付ける場合、図6−9の床吹出口の床下部分の高さを、100mmの高さの床の場合でも床下コンクリート面図6−20に当る事なく 図6の取付け全体図の様に、充分に空調空気が流入する高さにする必要がある、又この床吹出口の吹出グリルの上に人が乗って、足先で回転させ風量調整する事から、人間の体重平均は60kgですが、余裕をみて100kg以上の荷重に耐えられる強度が心要で図2−14のフランジ部分に集中する構造である、
【産業上の利用可能性】
【0008】
図−7はOAフロアーを敷設した平面図であるが150mmφの該床吹出口を取付けた状態で従来の状態と表面上は全く変わらないが、図6の断面図は、該床吹出口を取付けた状態である、建物のコンクリート床面図6−20の上に脚図6−21を取付け、OAフロアーパネル図6−22をこの脚の上に取り付け床面を形成している、この50cm角の同パネルの中心に床吹出口図6−9が落し込める丸穴を開け取付ける、図6−23は仕上げ材のタイルカーペットであり、該床吹出口のフランジ面図2−14の断面の天端と仕上げ材の表面が水平となっているので、歩行時躓く事は無く、人が立居のままこの吹出グリルの上を靴先で回転状に廻すと自由に風量を調節出来、目的を果たす事ができる。
この様に従来の床吹出口の欠点を略改良出来た事になるので、現在各種の建物に大量に採用されている従来形の床吹出口に変わって採用される可能性が大きいと云えます。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】今回発明の床吹出口の正面図である
【図2】今回発明の床吹出口の断面図である
【図3】該床吹出口の吹出グリルの平面図で上図が冷房時、表側下図が冷房時、裏側である
【図4】該床吹出口の吹出グリルを外した平面図である
【図5】該吹出口の外篭と内篭の間にある歯車と板バネ装置の平面図である
【図6】該床吹出口を脚を取付、敷設されたOAフロアーパネルに落し込み取り付けられた断面図である
【図7】敷設されたOAフロアーパネル4m(8枚)に1台の割合で取り付けられた平面図である
【符号の説明】
【0010】
1. 吹出グリル
2. 滑り板
3・ 内篭、外篭の開口部
4. 気流の方向
5. 内篭の底面と外篭の上面との間
6. 強、中、弱の段切替歯車
7. 板バネ
8. 外篭の内フランジ
9. 外篭
10. 内篭
11. 内篭と外篭の接続ボルト
12. 締付けWナットの下側
13. 締付けWナットの上側
14. 外篭の上側フランジ
15. 強(H)中(M)弱(L)のマーク
16. 内篭の廻り止め用溝
17. 内篭の廻り止めボルト、ビス
18. 吹出グリルの吹出口
19. 板バネ固定板
20. コンクリートスラブ(床)
21. OAフロアー用脚
22. OAフロアーパネル
23. 床仕上げ材(タイルカーペット)
24. 仕上げられたOAフロアー
25. 敷設されたOAフロアー用脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
この発明のフットコントロール付空調空気床吹出口は二重床の床内に空調機の冷、温風を吹き込み、床上居室内に空調空気を吹出して居室を空調するシステムに多用されていて空調空気の対流効果によって冷房、暖房の環境を得ている。この床吹出口の風量は場合により調整する必要があり従来品は床に座んで工具で吹出口の中央ねじ又はコーナーのねじを回して吹出空気量を調整する物が殆どである、
この発明の床吹出口丸形、又は角形は風量を立居のまま調節出来る構造を提供するもので、靴先又はスリッパーの先で立居のまま吹出空気量を調整出来る事を特徴とする。該床吹出口の構造はそれぞれ縦長の細い多くの開口を持つ、外篭と内篭の二重篭になっており、外篭は固定されていて、内篭が回転して開口部の面積が広、狭して空気の通過量を調整する構造である。この強、中、弱の切替装置、二重篭装置、外篭と内篭の底部に板バネ制御歯車装置を持つ床吹出口とする。
【請求項2】
床表面に取付けられた、床吹出口のグリルから空調空気を吹出す時冷房時は、比較的垂直に高く吹出せば冷やされた空気が上部で拡散され、比重差により静かに降下して快適な冷房感を得る事ができる、暖房時は床表面に沿って流れるように吹出せば空気の比重差で静かに上昇して快適な暖房感が得られ、冷房時と暖房時にこのグリルの吹出方向が切替られると、理想的な床吹出形空調を得る事が出来る、今回の発明の該床吹出口は吹出グリルを冷房時と暖房時で表、裏を逆に入れ替え、変換出来る理想的な床吹出グリルで、その構造は上半分は垂直に下半分は斜めにしたもので、表裏を逆に入れ替える事で冷房時と暖房時の切替が出来る構造である事を特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−275294(P2008−275294A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141036(P2007−141036)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(592147790)株式会社インターセントラル (11)
【出願人】(507173595)