説明

フッ素ガスの濃度測定方法及び濃度測定装置

【課題】検出精度が高いフッ素ガスの濃度測定方法及び測定装置を得る。
【解決手段】測定対象ガス1中のフッ素ガスの濃度を測定する方法であって、測定対象ガス1に対して水素ガス2を混合し、測定対象ガス1中の全てのフッ素ガスに水素ガス2を反応させてフッ化水素にする工程(混合反応室13)と、混合ガス中のフッ化水素をアルカリ性の薬剤に吸収させて混合ガスからフッ化水素を除去する工程(フッ化水素除去14)と、フッ化水素を除去した後、フッ化水素とアルカリ性の薬剤との反応で生成した水を除去するため、混合ガスを乾燥させて残分ガスを得る工程(乾燥室15)と、乾燥した残分ガスの量を測定する工程(マスフローメータ17)とを備えることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を測定する測定方法及び測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガス中のフッ素濃度を分析する方法として、種々の方法が知られている。
【0003】
特許文献1においては、フッ素ガスと、Ca(OH)等のアルカリ化合物との反応により、定量的に酸素ガスを発生させ、この酸素ガスをガスクロマトグラフィーで測定し、フッ素ガス濃度を測定する方法が提案されている。
【0004】
特許文献2においては、試料ガス中のフッ素を、二酸化炭素または金属フッ化物ガスに変換し、その濃度を測定することにより間接的にフッ素濃度を測定する方法が提案されている。
【0005】
特許文献3においては、周期律表の3族の金属の化合物の充填層において、フッ素を酸素に置換することにより、試料ガス中のフッ素ガスと酸素の合計を求め、一方で試料中のフッ素を酸素以外のハロゲン成分に置換し、ハロゲン成分を吸着することにより元の試料ガス中に含まれる酸素分を求め、その差分からフッ素濃度を測定する方法が提案されている。
【0006】
特許文献4においては、フッ素ガス測定装置の配管内面を予めフッ化しておくことにより、フッ素ガス濃度を正確に測定する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−162257号公報
【特許文献2】特開平2−201160号公報
【特許文献3】特開2001−165924号公報
【特許文献4】特開2007−107904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来技術においては、いずれも、特定の波長の吸光度を測定することにより濃度を測定しているため、高い検出精度でフッ素ガスの濃度を測定することができないという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、検出精度の高いフッ素ガスの濃度測定方法及び測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の濃度測定方法は、測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を測定する方法であって、測定対象ガスに対して水素ガスを混合し、測定対象ガス中の全てのフッ素ガスに水素ガスを反応させてフッ化水素とし、該フッ化水素を含む混合ガスにする混合工程と、混合ガス中の前記フッ化水素をアルカリ性の薬剤に吸収させて混合ガスからフッ化水素を除去するHF除去工程と、フッ化水素を除去した後、フッ化水素とアルカリ性の薬剤との反応で生成した水を除去するため、混合ガスを乾燥させて残分ガスを得る乾燥工程と、乾燥した前記残分ガスの量を測定するガス量測定工程とを備えることを特徴としている。
【0011】
本発明においては、測定対象ガスに対して水素ガスを混合し、測定対象ガス中の全てのフッ素ガスに水素ガスを反応させてフッ化水素にしている。このため、測定対象ガス中に存在するフッ素ガスを完全にフッ化水素にする反応において、フッ素ガスに対し等量以上の水素ガスを、測定対象ガスに混合することが好ましい。従って、一般的には、測定対象ガスと等量もしくは等量以上の水素ガスを混合することが好ましい。
【0012】
混合ガス中のフッ化水素は、次の工程において、アルカリ性の薬剤に吸収させて、混合ガスから除去される。アルカリ性の薬剤としては、アルカリ土類金属またはアルカリ金属の水酸化物を好ましく用いることができ、取扱いが容易な水酸化カルシウム(ソーダライム)が特に好ましく用いられる。
【0013】
フッ化水素を除去した後、フッ化水素とアルカリ性の薬剤との反応で生成した水を除去するため、混合ガスを乾燥させて残分ガスとする。乾燥させる方法としては、特に限定されるものではないが、取扱いが容易であることから、酸化カルシウム(CaO:生石灰)との反応による脱水が好ましく用いられる。
【0014】
次に、残分ガスの量を測定することにより、測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を求めることができる。予め、測定対象ガスと水素ガスとを混合する前に、測定対象ガスのガス量及び水素ガスのガス量をそれぞれ測定しておくことにより、測定対象ガス、水素ガス、及び残分ガスのガス量から測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を求めることができる。すなわち、測定対象ガスのガス量と水素ガスのガス量の合計から、残分ガスのガス量を差し引くことにより、フッ化水素のガス量を求めることができる。このフッ化水素のガス量から、測定対象ガス中のフッ化ガスの量を求めることができる。
【0015】
残分ガスの量を測定する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、残分ガスの体積を測定することにより、残分ガスの量を測定することができる。測定対象ガスが流動している場合には、流動する測定ガス中のフッ素ガスの濃度を測定することができる。このような場合、残分ガスの量を、マスフローメータで測定することができる。
【0016】
また、測定対象ガスの流量及び測定対象ガスに混合させる水素ガスの流量を、それぞれマスフローメータで測定することができる。これにより、測定対象ガスに対する水素ガスの混合割合を求めることができる。
【0017】
また、本発明においては、混合工程とガス量測定工程の間に、ガス量を安定化させるためのガス量安定化工程がさらに備えられていることが好ましい。特に、測定対象ガスが流動している場合には、ガス流量が変動しやすいので、ガス量安定化工程を設けることにより、フッ素ガスの濃度の測定を安定して行うことができる。
【0018】
本発明のフッ素ガスの濃度測定装置は、上記本発明の測定方法でフッ素ガスの濃度を測定するための装置であり、測定対象ガス及び水素ガスを導入して混合し、反応させてフッ化水素を生成させるための混合反応室と、混合反応室から排出された混合ガス中のフッ化水素をアルカリ性の薬剤に吸収させてフッ化水素を除去するためのフッ化水素除去室と、フッ化水素除去室から排出された混合ガスを乾燥させて残分ガスを得るための乾燥室と、乾燥室から排出された残分ガスの量を測定するための測定手段とを備えることを特徴としている。
【0019】
本発明の濃度測定装置を用いることにより、測定対象物中水素ガスの濃度を高い検出精度で、簡易に測定することができる。
【0020】
本発明の濃度測定装置においては、混合反応室と測定手段との間に、ガス量を安定化するための少なくとも1つのバッファタンクがさらに備えられていることが好ましい。バッファタンクを備えることにより、測定対象となるガス量の変動を安定化することができ、安定して測定対象ガス中のフッ素ガス濃度を測定することができる。
【0021】
残分の量を測定する濃度測定手段としては、測定対象ガスが流動している場合には、マスフローメータを用いることができる。
【0022】
また、測定対象ガスが流動している場合には、混合反応室に導入する測定対象ガス及び水素ガスのそれぞれの量を、ガス量測定手段によって測定することができる。このようなガス量測定手段としては、例えば、マスフローメータを用いることができる。マスフローメータを用いれば、連続的にフッ素ガス濃度を測定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、高い検出精度で測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を簡易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に従う一実施形態のフッ素ガス濃度測定装置を示す模式図。
【図2】測定対象ガス中のフッ素濃度(実際値)と測定値の関係を示す図。
【図3】本発明に従う一実施形態のフッ素ガス濃度測定装置における測定対象ガスと水素ガスを混合反応室に供給するための配管を示す断面図。
【図4】図3に示す配管の周囲に水冷管が設けられた状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体的な実施形態により説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明に従う一実施形態のフッ素ガス濃度測定装置を示す模式図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態のフッ素ガス濃度測定装置10は、マスフローメータ11及び12、混合反応室13、フッ化水素除去室14、乾燥室15、バッファタンク16、及びマスフローメータ17を備えている。測定対象ガス1は、マスフローメータ11を通り、混合反応室13に供給される。水素ガス2は、マスフローメータ12を通り、混合反応室13に供給される。マスフローメータ11及びマスフローメータ12は流量調整手段が併設され、任意の流量を流すことができるようになされているものである。また更にマスフローコントローラを併設して、設定したガス量を自動的に流せるようにしてもよい。尚、マスフローメータ11及び12は、水素ガスや窒素ガスが測定基準として設定されたものを用いている。マスフローメータ11により、測定対象ガス1の混合反応室13への流量を測定することができる。また、マスフローメータ12により、水素ガス2の混合反応室13への流量を測定することができる。マスフローメータ11及び12により測定されるこれらの流量から、測定対象ガス1に対する水素ガス2の混合割合を求めることができる。マスフローメータ11で測定された測定対象ガス1の流量の表示値は100ml/分である。また、マスフローメータ12で測定された水素ガス2の流量の表示値は100ml/分である。
【0028】
ここでは、測定対象ガス1として、フッ素(F)ガスを、窒素(N)ガスで希釈したガスを用いている。従って、測定対象ガス1中のガス成分は、F+Nであり、水素ガス2中のガス成分はHである。混合反応室13においては、測定対象ガス1と水素ガス2とが混合され、測定対象ガス1中のフッ素(F)ガスが、水素(H)ガス2と、以下の反応式のように反応し、フッ化水素(HF)ガスが生成する。
【0029】
+H → 2HF
本実施形態において、水素ガス2は、測定対象ガス1中のフッ素ガスの量と等量混合されているので、全てのフッ素ガスは、水素ガスと反応して、フッ化水素ガスとなる。また、水素ガス2の量は、測定対象ガス1中のフッ素ガスよりも通常多く存在しているので、混合ガス中には未反応の水素ガスが残留している。更にまた、測定対象ガス1中のフッ素ガスの濃度が100%に近い場合であっても、水素ガスや窒素ガスが測定基準として設定されたマスフローメータの特性上、フッ素ガスは測定時の表示値が実際の容積より約7%多く表示される。上記の流量において「表示値」を付しているのは、流量の「実際値」を示している訳ではないためである。従って「表示値」において、水素ガス2の量を測定対象ガス1と同量としても、フッ素ガスは「表示値」より少ない「実際値」であるため、水素ガス2が不足する恐れがない。マスフローメータのような、ガスの種類によって表示値が異なる場合、「等量」配合するとは、測定対象ガス1中のフッ素ガスの濃度が100%である場合として置き換えることもできる。マスフローメータは、上流と下流とで生じる温度差により流体の量を測定するものであり、発生する温度差は流体である気体の比熱に依存する。本実施形態において用いるマスフローメータは水素ガスや窒素ガスを測定するものであり、これらのガスについては特に補正の必要はないが、フッ素ガスは水素ガスや窒素ガスより比熱が約7%大きく、同量の気体を流しても表示される数値は約7%大きく表示される。その数値を補正してフッ素ガスの流量とするために0.93を用いる必要があり、フッ素ガスの真の容積を求めるには、水素ガスの1.0と併せて表示値を1.93にて除する必要がある。
【0030】
測定対象ガス1中のフッ素ガスと水素ガスとが反応すると、発火または発熱を生じる場合がある。このような発火または発熱が配管内を逆流しないようにしておくことが好ましい。
【0031】
図3は、発火または発熱が配管内を逆流するのを防止するための配管を示す横方向断面図である。図3に示すように、配管20は、外側配管22と、外側配管22の内側に配置される内側配管21から構成されている。内側配管21の内部21aには、測定対象ガスが通され、外側配管22と内側配管21との間の部分22aには、水素ガスが通される。内側配管21及び外側配管22のそれぞれの先端は、混合反応室13内に導入されている。
【0032】
内側配管21の先端及び外側配管22の先端は、テーパー状に形成されており、管径が小さくなり、先細り形状となるように形成されている。このため、配管20から測定対象ガス及び水素ガスが排出される際、流速を速めることができる。これにより、測定対象ガス中のフッ素ガスと、水素ガスとが接触して反応した際に生じる発火または発熱が、配管20内を逆流するのを防止することができる。
【0033】
また、配管20の先端付近で、フッ素ガスと水素ガスとが接触して、反応が生じるとともに、混合反応室13内でも反応を生じさせることができ、フッ素ガスと水素ガスの反応を、2段階で反応させることができる。
【0034】
また、配管20の先端部において、フッ素ガスを水素ガスが包み込むように、混合されるため、フッ素ガスと水素ガスとが確実に接触し、確実に反応させることができる。
【0035】
配管20の少なくとも一部の周りには、水冷管が備えられている。
【0036】
図4は、水冷管が備えられている部分における配管20の断面を示す断面図である。図4に示すように、配管20の周りには、水冷管23が設けられており、配管20の外側配管22と水冷管23の間の部分23aに、配管20内を冷却するための水が通されている。水冷管23を設けることにより、配管20内の測定対象ガス及び水素ガスを冷却することができ、フッ素ガスと水素ガスの反応による発熱が生じても、それによって温度上昇することを抑制することができる。
【0037】
また、混合反応室13を、水中に浸漬させ、冷却することもできる。冷却することにより、ガスが加温されて体積膨張するのを防止することができるので、精度の高い測定を行うことができる。
【0038】
混合反応室13中で反応して生成したフッ化水素(HF)ガスと、未反応の水素(H)ガスと、希釈ガスである窒素(N)ガスは、次にフッ化水素除去室14に供給される。従って、混合反応室13から排出され、フッ化水素除去室14に供給されるガス成分は、HF+N+Hとなる。フッ化水素除去室14においては、水酸化カルシウム(Ca(OH))が配置されており、この水酸化カルシウムと、フッ化水素(HF)ガスとが、以下の反応式に示すように反応し、フッ素成分がフッ化カルシウムとして取り込まれ、混合ガスからフッ化水素(HF)ガスが除去される。
【0039】
2HF+Ca(OH) → CaF+2H
フッ化水素除去室14には、混合ガス中に含まれる全てのフッ化水素(HF)ガスが除去されるように、多量の水酸化カルシウムが配置されている。
【0040】
上記の反応式のように、フッ化水素(HF)ガスは、水酸化カルシウムと反応することにより、フッ化カルシウムを生成するとともに、水(HO)が生成する。従って、混合ガス中には、水が含まれている。
【0041】
フッ化水素除去室14から排出された混合ガスは、次に、乾燥室15に供給される。フッ化水素除去室14から排出されたガス成分は、N+H+HOである。乾燥室15には、酸化カルシウム(CaO:生石灰)が配置されている。酸化カルシウムにより、混合ガス中の水が吸収され、水が除去されることによって、混合ガスを乾燥することができる。従って、混合ガスから水(HO)が除去されて残分ガスとなる。残分ガス中の成分は、N+Hとなる。
【0042】
乾燥室15から排出された残分ガスは、未反応の水素(H)ガスと、測定対象ガス1中の希釈ガスである窒素(N)を含んでいる。乾燥室15から排出された残分ガスは、次にバッファタンク16に送られる。バッファタンク16に送られることにより、ガス流量の変動を低減させて安定化させることができる。ガス流量を安定化することにより、安定してガス流量を測定することができる。
【0043】
バッファタンク16から排出された残分ガスの流量をマスフローメータ17で測定することにより、測定対象ガス1中の希釈ガスである窒素(N)と未反応の水素(H)の流量を測定することができる。
【0044】
マスフローメータ12で測定された測定対象ガス1と水素ガス2の合計の流量から、マスフローメータ17で測定した残分ガスの流量を差し引くことにより、測定対象ガス1中に含まれていたフッ素ガスと反応した水素ガスの量を求めることができる。フッ素ガスと反応した水素ガスの量から、これと反応したフッ素ガスの量を求めることができ、測定対象ガス1中に含まれていたフッ素ガスの量を算出することができる。
【0045】
上述のように、測定対象ガス1及び水素ガス2のそれぞれの流量を、100ml/分とした場合、マスフローメータ17で測定された流量(表示値)から、以下の式により、測定対象ガス1中のフッ素量(%)を求めることができる。
【0046】
測定対象ガス中のフッ素量(%)=[(207.5−表示値)/1.93]×0.93
【0047】
測定対象ガス1中のフッ素ガス量(表示値)をX、窒素ガス量をY、水素ガス2の量をZ、残分ガス量Aとした場合、測定対象ガス1と水素ガス2とが各々100mlであれば、
X+Y=100
Z=100
A=Y+(Z−0.93X)
=(100−X)+(100−0.93X)
=200−1.93X
X=(200−A)/1.93
但し、ここでXは表示値なので、実際値はコンバージョンファクターで乗する必要があるため、フッ素ガスの実際値=X×0.93=[(200−A)/1.93]×0.93
となる。
【0048】
上記の実施形態の装置を用いることにより、フッ素ガスの検出精度として、±約1%程度の高い検出精度を得ることができる。
【0049】
図2は、測定対象ガス中のフッ素濃度(実際値)と、本実施形態の測定装置で測定した測定値との関係を示す図である。図2に示すように、測定対象ガス中に実際に含有させたフッ素ガスの濃度の実際値と、本実施形態の測定装置で測定した測定値とは、ほぼ比例関係が存在しており、良好な検出精度が得られることがわかる。
【0050】
上記実施形態においては、測定対象ガス1中の希釈ガスとして、窒素ガスを用いているが、アルゴン(Ar)ガスなど、フッ素と反応しない不活性ガスを希釈ガスとして用いた場合にも同様に測定することができる。また、測定対象ガス1中に、フッ化水素が含まれている場合には、フッ化水素の存在により、測定誤差を生じるので、予めNaF等でフッ化水素を除去することが好ましい。
【符号の説明】
【0051】
1…測定対象ガス
2…水素ガス
10…フッ素ガス濃度測定装置
11,12,17…マスフローメータ
13…混合反応室
14…フッ化水素除去室
15…乾燥室
16…バッファタンク
20…配管
21…内側配管
21a…内側配管の内部
22…外側配管
22a…内側配管と外側配管の間の部分
23…水冷管
23a…外側配管と水冷管との間の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を測定する方法であって、
前記測定対象ガスに対して水素ガスを混合し、前記測定対象ガス中の全てのフッ素ガスに水素ガスを反応させてフッ化水素とし、該フッ化水素を含む混合ガスにする混合工程と、
前記混合ガス中の前記フッ化水素をアルカリ性の薬剤に吸収させて前記混合ガスから前記フッ化水素を除去するHF除去工程と、
前記フッ化水素を除去した後、前記フッ化水素と前記アルカリ性の薬剤との反応で生成した水を除去するため、前記混合ガスを乾燥させて残分ガスを得る乾燥工程と、
乾燥した前記残分ガスの量を測定するガス量測定工程とを備えることを特徴とするフッ素ガスの濃度測定方法。
【請求項2】
前記水素ガスは、前記測定対象ガスと等量混合されることを特徴とする請求項1に記載のフッ素ガスの濃度測定方法。
【請求項3】
前記測定対象ガスのガス量及び前記水素ガスのガス量をそれぞれ予め混合前に測定し、前記測定対象ガス、前記水素ガス及び前記残分ガスのガス量から前記測定対象ガス中のフッ素ガスの濃度を求めることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素ガスの濃度測定方法。
【請求項4】
前記混合工程と前記ガス量測定工程との間に、ガス量を安定化するためのガス量安定化工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素ガスの濃度測定方法。
【請求項5】
前記残分ガスの量をマスフローメータで測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフッ素ガスの濃度測定方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の測定方法でフッ素ガスの濃度を測定するための装置であって、
前記測定対象ガス及び前記水素ガスを導入して混合し、反応させてフッ化水素を生成させるための混合反応室と、
前記混合反応室から排出された前記混合ガス中の前記フッ化水素をアルカリ性の薬剤に吸収させて前記フッ化水素を除去するためのフッ化水素除去室と、
前記フッ化水素除去室から排出された前記混合ガスを乾燥させて残分ガスを得るための乾燥室と、
前記乾燥室から排出された前記残分ガスの量を測定するための測定手段とを備えることを特徴とするフッ素ガスの濃度測定装置。
【請求項7】
前記混合反応室と前記測定手段との間に、ガス量を安定化するための少なくとも1つのバッファタンクをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のフッ素ガスの濃度測定装置。
【請求項8】
前記測定手段がマスフローメータであることを特徴とする請求項6または7に記載のフッ素ガスの濃度測定装置。
【請求項9】
前記混合反応室に導入する前記測定対象ガス及び前記水素ガスのそれぞれの量を測定するためのガス量測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のフッ素ガスの濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−203850(P2010−203850A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48177(P2009−48177)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000222842)東洋炭素株式会社 (198)
【Fターム(参考)】