フラワー用外装具
【課題】 花束を包んで和装に合う存在感あるものとし、さらには贈答品,インテリア等にもなり、高級感,気品,自由性,オリジナリティ豊かなフラワー用外装具を提供する。
【解決手段】 布地からなる一又は複数の表皮片20が縫糸に21aより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成され、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納できるようにした。
【解決手段】 布地からなる一又は複数の表皮片20が縫糸に21aより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成され、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花束や花を生けたブーケ等の下部を挿入、収納して気品,豪華さを演出するフラワー用外装具に関する。
【背景技術】
【0002】
結婚式などで花束が用いられるが、これ迄の花束は通常、樹脂フィルムでラッピングし、リボンなどで飾っていた。花束の花が主役で樹脂フィルムのラッピングは花束の形を崩さぬよう形を整える補助的役割を果たすにすぎなかった。こうしたなか、花束の見栄え向上を果たす花卉用包装材の発明技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−14987公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の基端部から開口端部に向けてテーパ状に広がる花卉用包装材は、花卉用包装材にボリューム感を与え花卉の見栄えを良くする内容にとどまっていた。また、外側包装体にメッシュを用い、内側包装体に不織布を用いるが、いずれも化学繊維製品にして熱融着で両者を接着する技術であり、花束の包装作業の迅速化に重きをなしていた。特許文献1の花卉用包装材から得られる装飾性には限界があった。
【0005】
一方、ウエディングドレスを着るときは図26に示すようなブーケをもつのが一般的であるが、花の部分で楽しむのが殆どであった。ブーケを手で持つブーケホルダー(図25,図26)の柄部5aにリボンを巻いて処理するのがやっとであった。柄部5aのプラスチック製部分はむき出しになっており、花の部分とは対照的に見劣りしていた。
また、結婚式で、白無垢や打ち掛けなどを着る時、手に扇子を持つのがしきたりであるが、希望で花を持ちたいと願っても従来のブーケでは似合わなかった。ブーケでは、和服の豪華さに負けてしまい、ブーケの精彩がなくなった。そもそも和装イメージにそぐわなかった。花の部分の変化,対応だけでは解決し得なかった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するもので、花束やブーケを包んで、和装に合う存在感あるものとし、さらには贈答品、セレモニー等での贈呈品や室内等を飾るインテリアにもなり、これまでの花束の包装材,包装具と違った高級感、気品、自由性、オリジナリティ豊かなフラワー用外装具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、布地からなる一又は複数の表皮片(20)が縫糸(21a)により縫合されて上面開口(22)の筒状体(2)に形成され、複数本の花材(4)が直接寄せ集められてなる花束の下部を、又は保持具(5)に複数本の花材(4)を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記筒状体(2)内に収納する一方、花材(4)の上部を筒状体(2)外へ出すようにすることを特徴とするフラワー用外装具にある。
請求項2の発明たるフラワー用外装具は、請求項1で、筒状体(2)の上面開口周縁に帯状又は花弁状に複数の舌片部(25)が延設されることを特徴とする。請求項3の発明たるフラワー用外装具は、請求項1又は2で、筒状体(2)と別体にして、該筒状体を結束する紐状体(3)をさらに具備することを特徴とする。請求項4の発明たるフラワー用外装具は、請求項3で、筒状体(2)と別体にして、布地からなる帯状の加飾片(6)をさらに具備し、該加飾片(6)の基端部が筒状体(2)内に挿入、配設されるか、筒状体(2)の外周面に配されて、該加飾片が前記紐状体(3)で該筒状体(2)と共に結束されるようにしたことを特徴とする。請求項5の発明たるフラワー用外装具は、請求項3又は4で、筒状体(2)と別体にして、該筒状体よりも小さな筒体(7a)又は有底筒体(7b)からなる剛性の形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置され、前記保持具(5)を該形状安定部材に挿着できるようにしたことを特徴とする。ここで、「剛性の形状安定部材」は布地からなり撓みやすい表皮片に対し、通常用いる状態で撓むことがなく、有る程度の曲げやねじれに対して筒体(7a)又は有底筒体(7b)の形状を維持し、ある程度耐える能力のある部材をいう。該形状安定部材の剛性はプラスチック製,紙製,木製,金属製などで満たされる。
【0008】
請求項1の発明のごとく、布地からなる一又は複数の表皮片が縫糸により縫合されて上面開口の筒状体に形成されると、布地のフラワー用外装具ができるので、和装に合う存在感ある外装具を作ることができ、これまでの花束の包装品と違った高級感、気品、自由性、オリジナリティ豊かな製品となる。結婚式,披露宴で使用可能になるばかりか贈答品、セレモニー等での贈呈品や室内等を飾るインテリアにもなり得るフラワー用外装具が出来る。
請求項2の発明のごとく、筒状体の上面開口周縁に帯状又は花弁状に複数の舌片部が延設されると、舌片部が花束の花に付加される花弁に似ることから、より高級感あるフラワー用外装具になる。請求項3の発明のごとく、筒状体と別体にして、該筒状体を結束する紐状体をさらに具備すると、紐状体が筒状体を結束することで該紐状体がアクセントとしてより一層の美しさ,豪華さを表現する。また、紐状体が手にもつ把手部分を形づくって安定固定できるので、インテリア等の置物とした場合に効を奏する。
請求項4の発明のごとく、筒状体と別体にして、布地からなる帯状の加飾片をさらに具備し、該加飾片の基端部が筒状体内に挿入、配設されるか、又は筒状体の外周面に配されて前記紐状体で結束されるようにすると、同じフラワー外装具であっても、加飾片の配設位置によってその外装具の外観形状をいろいろと変化させることができるので、花入りフラワー用外装具を作る側に、より一層の自由性,オリジナリティ豊かな遊び心を楽しめる。請求項5の発明のごとく、筒状体(2)と別体にして、該筒状体よりも小さな筒体(7a)又は有底筒体(7b)からなる形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置され、前記保持具(5)を該形状安定部材に挿着できるようにすると、形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置されることによって、ブーケホルダーの保持具の柄部が細くて短くても形状安定部材の大きさ、形状を変えることによって、フラワー用外装具の外観を整えることができる。保持具の柄部が短い場合も、形状安定部材を長くすることで持ち易くなる。
また、表皮片が西陣織(登録商標)の布地で形成され、且つ前記紐状体が帯紐で形成されると、筒状体に日本の伝統的な息吹が吹き込まれ、格調高いフラワー用外装具となって和装の花嫁衣装に一段と似合うものとなる。さらに、一の前記筒状体の筒内に別体の筒状体を挿通させ重ね着をさせると、重厚感,ボリューム感溢れるフラワー用外装具ができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフラワー用外装具は、花束やブーケを挿着して、和装に合う品格,豪華さを備えるものとなり、さらに贈答品,贈呈品やインテリア等にも利用可能で、これまでの花束の包装材,包装具では得られなかった高級感,気品,自由性,オリジナリティ豊かな表現が生まれるなど優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るフラワー用外装具(以下、単に「外装具」という。)について詳述する。
【0011】
(1)実施形態1
図1〜図3は本発明の外装具の一形態で、図1は複数の花材を束ねた花束を上面開口から筒状体内に挿入し、花束の下部を収納セットした外装具の斜視図、図2は筒状体の表側斜視図、図3は筒状体の裏側斜視図である。
【0012】
外装具1は筒状体2と紐状体3とを具備する。筒状体2は布地からなる一又は複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状に形成される外装具1の主要部である。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部(主として各花材4の軸4a)、又は保持具5に複数本の花木を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納できるようになっている。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部を、又は保持具5に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記筒状体2内に収納する一方、花材4の上部を筒状体2外へ出すことができるようになっている。ここで、「複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束」には、図4のごとく1本ずつの花材4を個別に筒状体2の上面開口22から挿入し、結果的に複数本の花材4が寄せ集められる花束も含む。花材4は花束やブーケを形成する個々の花木で、軸4a(茎又は枝)に花,花弁40がついたもの、草花の軸4aに葉だけがついた枝葉41のもの、樹木の葉がついた枝を含む。
本実施形態は、きものに使用する帯を長手方向の所定長さに切断して一の表皮片20を切り離す。そして、この一の表皮片20を図2,図3のごとく帯幅方向の一端縁と切断した帯幅方向の他端縁と突き合わせ筒状に丸め、さらに裏面側で一端縁と他端縁近くに設けられた縫い代部分201を重ね合わせた後、該部分に縫糸21aによる縫目ライン21を形成する。一の表皮片20を円筒状に丸めた後、縫い代部分201の重ね合わせ部分を縫糸21aで帯幅方向に沿って縫合し、帯幅の長さ全てが縫合され、上側と下側が開口する筒状体2が形成される。帯幅が筒状体2の高さHになり(図2)、筒状体2は筒内径が上下方向に亘って略同径の円筒形になっている。符号20aは筒状体2の表地、符号20a1は表地に設けられた柄を示す。尚、図4のように表地20aと裏地20bとで図2の縫い代部分201を覆い隠すと、見栄えを一層向上させることができる。
【0013】
前記表皮片20を布地とするのは、布地で作られる筒状体2そのものが装飾品になり、花材4を束ねた花束の花やブーケの等の花に劣らない華やかさを演出できるからである。本発明でいう布地は織物又は編物をいう。織物は織機にかけ、縦糸と横糸が上下に入れ替わって交錯した平らな布地である。縦糸と横糸の交錯点の配置が織物組織と呼ばれる。編物はループがからみ合って構成された布地で、伸縮性、柔軟性に富む。本発明で用いる表皮片20の素材は布地でも織物が好ましく、特に柄模様の入った織物が好ましく、西陣織(登録商標)の織物で作られるのがより好ましい。西陣織は、「京都西陣を本拠地として製造,販売に従事する個人または団体が製織する織物で、機業の各工業組合規定の証紙,検印の押されたもの。帯,着尺,ネクタイ,洋服地,緞帳など多品種にわたるが、長い伝統に基づく技術や意匠の蓄積、新しい技術,意匠の開発によって、手工芸性を加味した高級紋織物として著名。」(広辞苑)であり、また「京都の西陣から産出する織物の総称。主として錦,繻子,金襴,緞子などの高級絹織物」(大辞泉)をいう。
【0014】
筒状体2の外装具1が布地、織物で形成されることによって、これに花材4を収納した時、花材4のみならず花材下部を覆う外装具1が従来の合成樹脂フィルム等の包装具にない豪華さを演出する。特許文献1の花卉用包装材が、透明樹脂フィルムや樹脂製不織布などの花束の花材4を包み、花を引き立たせるだけの脇役であったのに対し、筒状体2が布地、織物からなる表皮片20を縫糸21aにより縫合して形づくられることによって、外観,風合い,感触等で、落ち着いた趣き,重厚さ,高級感等を表現でき、花束の花材4と一緒に美を作り上げる主役になる。外装具1と花材4とが合体し、花で飾られた花束入り外装具は、外装具1がゴージャスな雰囲気を醸しだし、花材4と織物のもつ外装具1が融和し斬新な造形美が生まれる。さらに西陣織の表皮片20によって外装具1が形成されると、気品が備わり且つ豪華絢爛となる。白無垢や打ち掛けなどを着る結婚式で、花束が挿着された花束の外装具1を手にしても、従来のブーケと打って変わって、和服の豪華さに負けることがない。花を飾った外装具1は品格溢れる美しさ、和の神髄が味わえ、和装結婚式を引き立てる立派な商品になる。
【0015】
加えて、本実施形態の筒状体2は、中間位置よりもやや上方位置の裏地に、筒状体2の筒内径に沿ってゴム製紐26が環状に配設され、該ゴム製紐26がその部分の筒状体2の筒径を絞る。符号27は被覆カバーで、環状に配されたそのゴム製紐26に沿ってこれを覆いズレ防止する。符号2dはゴム製紐26による筒状体の絞りシワを示す。ゴム製紐26が在ることによって、筒状体2は常態下で図2,図3のごとくゴム製紐26のある部分の内径が小さくなる。しかし、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部を筒状体2内に挿入するときはゴム製紐26を伸ばし筒口を拡げて挿着できるようになっている。ゴム製紐26は花束下部を挿着した後、該花束をしっかりと保持すると共に該ゴム製紐26の括れ部分よりも下が手で持つ所であることを示す目印的役割を果たす。
【0016】
紐状体3は筒状体2と別体にして、該筒状体2を結束する長さを有する紐状のものである。前記ゴム製紐26を伸ばし筒口を拡げて花束の下部を筒状体2内に挿入させた後、ゴム製紐26が弾性復元で収縮して花束下部を保持するが、さらに筒状体2の下半部を図1のように結束するのに該紐状体3が用いられる。筒状体2単独でも外装具1となるが、花束や花を生けたブーケ等の下部を収納した筒状体2の外面下部を紐状体3で巻くことによって、より一層の気品,豪華な雰囲気が味わえる。また、花束等を収納した後、紐状体3で筒状体2の外面下部を縛ることによって、花束入り外装具が手で持ち易くなる。筒状体下半部に巻回結束された紐状体3の凹凸が手で持ったときの滑り止めになる。紐状体3は筒状体2を結束できる紐状のものであれば特に問わないが、高級感を出すためにきものの帯紐がより好ましい。加えて、筒状体2の本体主部24が西陣織等の織物で形成されると、より一層の高級感を醸し出す相乗効果が発揮される。
【0017】
次に、外装具1の一使用方法を説明する。まず、筒状体2のゴム製紐26の部分の筒内径口を広げた後、複数の花材4を寄せ集めて手に持ち、その花束の下部、主として花材4の軸4aの部分を上面開口22から挿入し前記筒状体内、詳しくは筒状体2の下半部内に収納する。或いは、複数本の花材4を寄せ集め、これらをゴム輪,紐などで縛って花束にしたものを手に持ち、該花束の下部を上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納する。更に図示を省略するが、瓶,コップ,ペットボトルなどの上面開口22の筒状保持具5の上面開口22から挿入し、筒状体2内に前記花束の下部且つ該保持具を収納することもできる。収納した後、手で広げていたゴム製紐26の部分を離し該ゴム製紐26で花束下部を仮結束させる。続いて、ゴム製紐26がある部分よりも下の筒状体2を手に持って、筒状体2に挿着した花材4をアレンジする。未だゴム製紐26による仮結束状態にあるので、花材4を動かせる融通性があり、調整,アレンジして外から見える所の花材4を整える。
その後、花束の下部(主に花材4の軸4aの部分)が収納された筒状体2の下半部を紐状体3で縛っていく。紐状体3で縛ることで、筒状体2に挿着された花束の各花材4の動きが止められ固定する。筒状体2の下半部が紐状体3で結束されることによって手で持ちやすい棒状の把手部分になり、またこの把手部分から筒状体2の上半部がラッパ状に立体的に広がる。花束の上半部が外から直接見えるようにして、筒状体2のラッパ状部分がその下の花束の部位に膨らみを与えて取り囲む。ゴム製紐26が在る部分を目安にして、これより下の円筒部を紐状体3で結束し、図1のような花束入り外装具1が完成する。紐状体3で結束する円筒部の部分が長すぎる場合は、円筒部の下端部分を下面開口23から筒内の中へ折り込み、筒状体2の全体バランスを整えることができる。花束の下半部が外装具1で覆われ、花束の自然美と外装具1の人工美の両者が調和した優美な姿が形づくられる。
【0018】
このように構成した外装具1は、筒状体2が布地からなる表皮片20を縫糸21aで縫合して上面開口22の筒状に形成されるので、かって見たことのない美を表現できる。筒状体2が花束の花材4と共に美を作り上げる主役になる。これまでの花束の包装材,包装具にない高級感,気品溢れるフラワー用品になる。外装具1は見た目にも華やかで、且つこれまでの花束用ラッピング包装紙と違って、使い捨てでなく、花を入れ替え何度も繰り返し使用が可能である。外装具1に花束が挿着されると、花材4に布地表皮片20の縫製品たる外装具1が落ち着きある和の雰囲気を与えつつ、新しい感性が吹き込まれた花束入り外装具1が誕生する。プレゼントの品として、また贈答品として用いることができ、さらにセレモニー等での贈呈品や室内等を飾るインテリアにもなり得る。例えば、縦にして使う以外に、図1の花束入りの外装具1を横置きして出窓に飾ることができる。或いは、花束入りの外装具1を上から吊したり、壁の高い所にかけたりして部屋の模様変えに役立ち、部屋の雰囲気を華やかにできる。室内の置物,飾り物に打ってつけとなる。
花束入りの外装具1はかっての商品に見られない自由性、オリジナリティ豊かな商品になっている。
【0019】
また、該筒状体2を結束する紐状体3がさらに設けられる外装具1にすると、花束や花を生けたブーケ等の下部を収納した筒状体2の外面下部を紐状体3で結束することで、一層の気品,豪華さが生まれる。花束等を収納した後、紐状体3で筒状体2の外面下部を縛ることによって、手で持ち易くなる。筒状体2を縛る紐状体3によって外装具1の形状が安定し、インテリア等としてそのまま飾ることができる。紐状体3に係る組み紐の結び方も多種あるので、これらの方法を応用して使うと結納品のような格調高いものが出来上がり、また紐結びの勉強にもなる。
さらに、筒状体2の本体主部24が織物、特に西陣織(登録商標)等の柄模様の入った織物で形成されると、より一層の高級感を醸し出す。日本独特の素材たる西陣織の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて筒状体2に形成されると、日本の伝統的な息吹きが筒状体2に吹き込まれ、花束が挿着された花束入り外装具1は、該外装具1が花束と共に華やかに輝く。外装具1が花を盛り立て、また花束が外装具1を盛り立てる新しい商品が生まれる。花束やブーケを包んで、和装に合う存在感あるものとなり、花嫁衣装にマッチする。和装結婚式に使用できる新たな商品になる。日本の伝統技を生かした伝統文化を発信し、いままで考えられなかった品格,豪華さの表現が可能になる。この花束入り外装具は、例えばパリコレで日本発の服装手回り品に使うことができ、また外国からの要人等を歓迎するのに用いられていた従来の花束に代わるものとして使うことができる。さらに、工芸品などを一緒に使うことによって、その効果を一段と高めることができる。
また筒状体2が一の表皮片20で縫製加工されるので、縫目ライン21が少なく見栄えが良く、また縫製作業が少なくて済む。
【0020】
(2)実施形態2
図4〜図6はそれぞれ実施形態1と別形態の外装具1で、布地、特に織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成されたものである。
図4は、きものや帯などの和装用布地から6枚の表皮片20を裁断し、これら表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成した外装具1である。各表皮片20は略同形で、上方に向かって末広がりに広がる略しゃもじ状体になっている。ここでの各表皮片20は表側だけでなく裏側も利用できるリバーシブル帯で作られる。その先端部分に花弁40に似せた舌片部25を設ける。各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせ、縫目ライン21を形成して筒状体2にするが、縫目ライン21は舌片部25の基端で止める。このため、筒状体2の上面開口周縁に花弁状に複数の舌片部25が延設される。舌片部25は花弁状に代え、帯状にすることができる。本実施形態の筒状体2は、図示のごとく各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせるため、縫い代201が存在しない。符号28は舌片部25の外周縁に沿うようにして、各表皮片20の表地20aと裏地20bの間に挿置した保形用針金28を示す。該保形容針金を設けることによって、舌片部25を花弁状に保形し、安定して上面開口22を開かせることができる。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から筒状体2内に挿入,収納して花束入り外装具1をこしらえる際、一度各舌片部25を曲げ、その形状を整えれば保形用針金28がその形状を保持し、各舌片部25が花弁状に安定して開くことでゴージャスな雰囲気を持続させる。
【0021】
図5も布地、織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成された外装具1である。各表皮片20はリバーシブル帯の裁断品で作られ、縦長の逆台形形状になっている。各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせ縫目ライン21を形成して筒状体2にするが、縫目ライン21は各表皮片20とも上端から所定長さを残し、ここより下方に縫目ライン21を形成する。上端から所定長さを残した分が舌片部25となる。符号211は縫目上端を示す。各舌片部25は筒状体2の上面開口周縁に帯状に延設する。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から筒状体2内に挿着し、花束入りの外装具1をこしらえた時、これら舌片部25も花束の周りを取り囲んで花弁40に似せた加飾弁を演出する。
【0022】
図6も布地、特に織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成された外装具1である。各表皮片20はリバーシブル帯で作られ、縦長の長方形の形をしている。隣り合う表皮片20同士が互いに縦半分を重ね合わせて筒状形成した後、下面開口23寄りの位置で、下面開口23と等距離を保って筒状形成部を周回するように縫糸21aで縫い合わせ縫目ライン21を形成する。さらに、該縫目ライン21よりも上方へ縦長の長方形の約1/3の高さまで上がった地点で、同じように下面開口23と等距離を保って筒状形成部を周回するように縫糸21aで縫い合わせ縫目ライン21を形成し筒状体2にする。上段の縫目ライン21よりも上方の各表皮片20の部分が舌片部25となる。図4〜図6の外装具1の筒状体2たる本体主部24は花瓶のように筒内面積が小さく且つ縦方向にある程度長さが確保されているので、筒状体2に収納された花束が安定し、特に紐状体3がなくても筒状体2だけで外装具1の役目を十分果たす。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0023】
このように構成した外装具1は、外装具1に花束を挿入して花束入り外装具1としたときに舌片部25が花弁40に似る加飾弁となって、一層絢爛豪華になり豊かな表現を演出する。図6の舌片部25は長いので、本外装具1の購入者はこれを丸めたり垂らしたりして工夫をこらすことが可能で、斬新な外装具1に仕上げることができる。図4,図5の外装具1は上面開口22に向かって中空円錐台状に広がるため、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から挿入し易くなっている。各表皮片20はリバーシブル帯で作られるため、好みに合わせて表地と裏地の両面を楽しめる。他の効果は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0024】
(3)実施形態3
実施形態1では、筒状体2の下半部を紐状体3で結束して棒状の把手部分にし、またこの把手部分から筒状体2の上半部がラッパ状に広がる外装具1とした。そして、花束の上半部が外から見えるようにして、筒状体2のラッパ状部分がその下の花束の部位に膨らみを与えて取り囲むようにしたが、本実施形態は図7,図8のごとくラッパ状部分に相当する拡径部2b、さらに把手部分に相当する棒状筒部2aを前もって立体作製した外装具1とする。
本外装具1は布地、特に織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成するが、保護具5たるブーケホルダーの柄部5aが納まる棒状筒部2aと該棒状筒部2aから上方にラッパ状に延設する拡径部2bを備える。棒状筒部2aと拡径部2bは布地の複数の表皮片20を用いて縫製で作られる。拡径部2bには様々な大きさのブーケに対応できるよう拡径部2bの外周縁から棒状筒部2aに向かって一本の切り込み2b1を設ける。
拡径部2bは図7のごとく棒状筒部2aから上方に向かって漏斗上部のようにラッパ状に広がる。切り込み2b1があるものの、その部分はスリット状に切り込まれていて目立たぬようになっている。棒状筒部2aは漏斗の筒口のようにして、柄部5aが挿入できる内径と長さを有する筒本体2a1とこの筒本体の下端を塞ぐ有底部2a2を備える。符号26は拡径部2bの付け根を周回,配設したゴム製紐で、棒状筒部2aに挿着されたブーケホルダー5の柄部5aを締め付け、保持する。符号27はゴム製紐26を覆う被覆カバーを示す。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0025】
本実施形態の外装具1は次のようにして使うことができる。ブーケホルダー5たる保持具に、複数本の花材4を差し入れて寄せ集められて花束ができるブーケは、例えば図25のようなブーケホルダー5を使用する。柄部5aの付け根に形成した拡部5a1からラッパ状に広がる受器部5cが延設され、該受器部に商品名「オアシス」と呼ばれる花材保持ブロック5bを収納した後、篭体5dで囲ったブーケホルダー5である。花材保持ブロック5bに所定間隔で種々の花材4の軸4aを差し込んで、図26ごとくのブーケができる。
このブーケに係るブーケホルダー5の柄部5aを、外装具1の拡径部2bの上面開口22から棒状筒部2aに挿入する。ブーケの花束の下部且つブーケホルダー5たる保持具を、図8のごとく上面開口22から挿入し筒状体2内に収納することで、ブーケの花束入り外装具が完成する。
【0026】
このように構成した外装具1は、ブーケホルダー5たる保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、柄部5aを先端にして上面開口22から挿入し、筒状体2内に柄部5aを収納すると、花束入り外装具が簡単にできる。柄部5aのプラスチック製部分はむき出しになって、花の部分とは対照的に見劣りしていた箇所を外装具1が覆い隠し、和装にも適合する気品ある花束一体外装具が出来上がる。これまでのブーケでは似合わなかった分野にも広がりを見せ、ブーケの良さを生かしながら新たな販路を拡大できる。他の効果は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0027】
(4)実施形態4
実施形態1では、布地、特に織物からなる一の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成され、更に筒状体2の所定高さの位置で、筒内径に沿ってゴム製紐26を環状に配設し、該ゴム製紐26がその部分の筒状体2の筒径を絞る筒状体2を形成したが、本実施形態は図9のごとく柄が違う二種類(又は複数)の薄手の和装布地からなる筒状体2を具備する外装具1とする。二種類の筒状体2は、図10のごとく一の筒状体2の筒内に他の筒状体2を挿通させ重ね着させる。この重ね着によって前記外装具1では表現できなかった深みある新たな外装具1が出来る。さらに筒状体2と別体にして、重ね着した両筒状体2を結束できる紐状体3を具備する。二種類の筒状体2を重ね着させた後、花束や花を生けたブーケ等の下部を収納した筒状体2の外面下部を紐状体3で巻くことができる。尚、図9,図10の筒状体2は縫い代201を設けて縫目ライン21をつくるが、実施形態2のごとく、各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせ、縫目ライン21を形成することで、縫い代201をなくすことができる。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0028】
このように構成した外装具1は筒状体2が上面開口22、更に下面開口23になっているので、上面開口22等を利用して図10のごとく二種類の筒状体2を重ね着させることができる。この重ね着によって、外装具1の豪華さ,ボリューム感をより一層際立たせることができる。他の効果は実施形態1と同様でその説明を省く。
【0029】
(5)実施形態5
本実施形態は図11〜図13のごとく、筒状体2と、これと別体にして、布地、特に織物からなる細長帯状の加飾片6をさらに具備し、該加飾片6の基端部が筒状体2内に挿入、配設されるか、筒状体2の外周面に配されて紐状体3で結束されるようにした外装具1である。加飾片6は、その基端部が筒状体2内に挿着されて内用飾り片6cとなり、また筒状体2の外周面に固定されて外用飾り片6aになる。筒状体2に布地、織物からなる一又は複数の帯状にした加飾片6が付加される。加飾片6は所定大きさの2枚に裁断した布地片を重ね合わせ、その周囲を縫糸21aにより縫合して形成したものである。加飾片6はリバーシブルになっている。
図11,図12の外装具1は、図5の筒状体2を少し縦長に伸ばした形状の筒状体2と、縦長台形の加飾片6を複数用意して作ったものである。図12は外用飾り片6a,6bに模様を付け、分かり易く表示する。図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。図11では紐状体3の図示を省略する。外用飾り片6a,6bは、その一部を筒状体2外に出しつつ、該外用飾り片の基端部を上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納,保持させる。また、内用飾り片6cは、その一部を筒状体2外に出しつつ、該内用飾り片の基端部を筒状体2の外周面に配設する。しかる後、この外周面に配された加飾片6の基端部を含めて筒状体2の外面下部を図12のごとく紐状体3で巻く。すると、このままでも気品,豪華な雰囲気を味わえる外装具1の置物ができる。勿論、加飾片6と共に、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記上面開口22から前記筒状体2内に挿入,収納し、花束入り外装具1とすることができる。尚、図示を省略するが、加飾片6の先端部分の外周縁に沿って、図4の保形用針金28と同様に該加飾片6内に針金を挿置すると、加飾片6の形状保持に役立ち、より好ましくなる。
【0030】
図13は図11,図12と別態様の外装具1を示す。図13は図4の外装具1を縦に少し伸ばしたような外装具1にし、また花弁状の舌片部25の先端部分に丸みを設けた外装具1とする。図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。そして、別途、この舌片部25と同じように先端部分に丸みをつけた帯状の加飾片6を複数用意する。図13では、加飾片6の全てについて、その加飾片6の一部を筒状体2外に出しつつ、該加飾片6の基端部を上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納,保持させる。その後、筒状体2の外面下部を紐状体3で結束している。他の構成は実施形態2と同様で、その説明を省く。
【0031】
このように構成した外装具1は、実施形態2の効果に加え、加飾片6によって外装具1の華やかさを一層盛り上げることができる。外装具1の購入者は加飾片6を使うことで、その創作自由性が高まり、様々なアレンジを楽しみ、またオリジナリティ豊かな花束入り外装具1を完成させることができる。また、花材4がなくても、外装具1だけでも置物,飾り物として利用でき有益となる。
【0032】
(6)実施形態6
本実施形態は図14〜図17のごとくで、図15が外装具1の構成部品の分解斜視図で、
図14は図15と同タイプの外装具を使って置物を完成させた斜視図、図16,図17は花束入り外装具1にした斜視図である。
本実施形態の外装具1は、例えば図15のごとく実施形態2,実施形態4でみられるようなリバーシブルの筒状体2B(2)と、実施形態4でみられるような薄手の和装布地からなる筒状体2A1,2A2(2A)と、実施形態5で用いた加飾片6と、紐状体3とを備えるセット商品にしたものである。図中、実施形態2,実施形態4,実施形態5と同一符号は同一又は相当部分を示す。これらのいくつかを組み合わせることで、様々な外装具1や花束入り外装具1を作成できる。
図14は図13のリバーシブルの筒状体2Bと同形状品に、図9の薄手の和装布地からなる筒状体2Aを外から重ね着させ、さらに図12,図13にある加飾片6が、先端部分を外に出しつつ、その基端部を筒状体2B内に挿入、配設されるか、筒状体2Bの外周面に配して紐状体3で結束するようにした外装具1とする。一部の加飾片6は重ね着された両筒状体2A,2Bの間に基端部が挿着されて、先端部分がダラリとたれたダラリ帯状体61になる。
【0033】
また図16は、図13のリバーシブルの筒状体2Bと同形状品に、図9の薄手の和装布地からなる筒状体2A1,2A2を外からさらに二重に重ね着させ、且つ花束の下部を筒状体2内に収納すると共に、図12,図13にある加飾片6が、先端部分を外に出しつつ、その基端部を筒状体2内に挿入、配設されるか、筒状体2の外周面に配して紐状体3で結束するようにした花束入り外装具1とする。図17は図15のセット商品を使って、図16とは別態様の花束入り外装具1に仕上げたものである。他の構成は実施形態2,実施形態4,実施形態5と同様で、その説明を省く。
【0034】
このように構成した外装具1は、実施形態2,実施形態4,実施形態5の効果に加え、筒状体2の重ね着による一層豪華な演出、また舌片部25,加飾片6がゴージャスな雰囲気を盛り立て、さらに花束入り外装具を作る者の自由な創作性等を一段と高める製品になっている。図14〜図17に示すごとく、加飾片6のダラリ帯状体61は和装着物のダラリ帯を演出し、えも言われぬ美しさを表現し、商品価値を向上させる。
【0035】
(7)実施形態7
本実施形態は図18〜図23のごとくで、実施形態1、2、4〜6の外装具1に、さらに筒状体2よりも小さな筒体7a又は有底筒体7bからなる剛性の形状安定部材7が該筒状体内に挿置され、保持具5を該形状安定部材に挿着できるようにした外装具である。本外装具1は筒状体2と紐状体3と保持具としてのブーケホルダー5と形状安定部材7と装飾布8とストッパ9とを備える。
【0036】
ここでの形状安定部材7は、ブーケホルダー5の柄部5aを装着できる筒内径を有する筒体7aで、柄部5aよりも筒外径及び筒長さ共に一回り大きな円筒である。形状安定部材7は剛性のある硬質厚紙製で、織物からなる筒状体2と違って、手で握るぐらいでは変形しない。形状安定部材7は、図18〜図22の筒部70のみの円筒7aに代えて、図23(イ)や(ロ)のごとくの底部71のある有底筒体7bとすることができる。図23(イ)の形状安定部材7は節板を底部71にして適当な長さに切断した竹製品である。図23(イ)の形状安定部材7は広口のガラス瓶製品或いは陶磁器である。その広口が上開口部分72になる。
【0037】
装飾布8は、図21のごとくブーケホルダーの篭体5を囲むようにして柄部5aを包み込むことできる大きさのある四角形の布地で、装飾効果を一段と高めるものである。
【0038】
ストッパ9は形状安定部材用92と装飾布用91のものがある。形状安定部材用ストッパ92は弾性ゴム環からなり、形状安定部材7の筒面の数カ所(ここでは2カ所)にゴム環の弾性収縮力で巻回固定される(図19のイ)。該ストッパ92を形状安定部材7の上開口部分72近く設けることによって、図22のような外装具1を完成させたとき、ストッパ92が筒状体2のゴム製紐26に係止されるので、ストッパ92と一体の形状安定部材7が筒状体2から抜け落ちてしまうことはない。尚、図22は被覆カバー27の図示を省略する。本実施形態のように形状安定部材7の筒面の中段付近にもストッパ92を設け、このストッパ92を巻き込むようにして筒状体2の下半部を紐状体3で巻けば、完成された外装具1からの形状安定部材7の脱落を完全になくすことができる。ストッパ92に代えて、図19(ロ)のごとく、形状安定部材7の外周筒面に凹み701を形成してもよい。該凹みにゴム製紐26を嵌入させる状態にして、紐状体3で筒状体2の下部を結束すれば、形状安定部材7と筒状体2との一体化が図れる。
装飾布用ストッパ91は弾性を有する輪ゴムからなる。ブーケホルダー5の篭体5dを取囲むようにして柄部5aを装飾布8で包み込んだ後、その柄部5aを包み込んだ装飾布8の部分を輪ゴム91で止着する。この輪ゴム91を弾性変形させるようにして、図22のごとく装飾布8付き柄部5aの部分が筒状体2内に既に挿置された前記形状安定部材7に挿着される。
保持具としてのブーケホルダー5は図8,図25,図26で示したものと同様のものであり、また筒状体2と紐状体3は実施形態1、2や4〜6で示したものと同様であり、その説明を省く。実施形態1〜6と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0039】
次に、外装具1の一使用方法を説明する。まず、外装具1を完成させたとき、形状安定部材7に取着した上側ストッパ92が筒状体2のゴム製紐26に係止されるよう、該ストッパをゴム製紐26よりも上面開口22側に配する。次いで、ストッパ92付き形状安定部材7を筒状体2内に配設する。続いて、図20のごとく筒状安定部材7が配設された筒状体2の下半部を紐状体3で巻回し結束する。図20はストッパ92、ゴム製紐26の図示を省く。
一方、ブーケホルダー5に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなるブーケを作る。ブーケホルダー5の花材保持ブロック5bに種々の花材4の軸4aを差し込んで、図26ごとくのブーケができる。続いて、ブーケホルダー5の篭体5dを取囲むようにして柄部5aを装飾布8で包み込んだ後、その柄部5aを包み込んだ装飾布8の部分を輪ゴム91で止着する。
その後、輪ゴム91を弾性変形させるようにして、上記筒状体内に挿置された形状安定部材7の上開口部分72から装飾布8付き柄部5aを該形状安定部材7へ挿着することで、ブーケの花束入り外装具1が完成する(図21,22)。尚、図21,図22は花材4の図示を省略する。ブーケの下半部が外装具1で覆われ、花材4の上部が筒状体2外へ出るようになって、花束の自然美と外装具1の人工美の両者が調和した優美な姿が形づくられる。
【0040】
このように構成した外装具1は、実施形態1の効果に加え、形状安定部材7が織物生地で撓みやすい筒状体2内に挿置されるので、この形状安定部材7によって形が整えられる。形状安定部材7が筒状体2内に組み込まれることによって外装具1の外観形状も安定する。またブーケホルダー5の柄部5aは細めで長さもともすれば不十分であったが、柄部5aに形状安定部材7が装着され、筒状体2を介してこの形状安定部材7を手で握るので、握り易く安定感が増す。形状安定部材7の長さも簡単且つ自由に変更でき、持ち易いばかりか、外装具1の全体バランスが整えられる。
また、ブーケホルダーの柄部5aはプラスチック製なので、これを筒状体2で直接収納するよりも、形状安定部材7にブーケホルダーの柄部5aを挿着する方がブーケホルダー5を安定固定させることができる。図22のごとくストッパ91,92が設けられると、ブーケホルダー5を一層安定固定させることができる。
また、例えば図20のように、筒状体2内に形状安定部材7を挿置し、紐状体3で筒状体2の下半部を巻回結束すれば、種々のブーケを製作後、それぞれのブーケについて簡単に組み替え装着でき便利になる。該形状安定部材7の上開口部分72から取り付けようとするブーケの柄部5aを形状安定部材7に装着すると、そのブーケの花束入り外装具1が完成する。
さらに、形状安定部材7が筒状体2内に挿置された形状は、美的外観を備えた立体的形状になるので、そのままでも飾っておくことができる。形が綺麗になるので、商品の良さを需要者,消費者に伝えやすくなる。そして、形状安定部材7は筒体7a又は有底筒体7bからなるので、必要に応じて、花束のまとまったものや花材4を1本ずつその上開口部分72から差し込むことができ便利になる。花材4が造花の場合に特に有用となる。
また、形状安定部材用ストッパ92が設けられているので、筒状体2内に挿置された形状安定部材7のズレ防止に役立つ。形状安定部材7が有底筒体7bからなると、中に水をいれて上開口部分72を上にすることで、花入れの役割を担えるようになる。有底筒内に吸水スポンジを配設すると、アレンジフラワー感覚で花を差すことができる。図23(ロ)のようなガラス瓶の形状安定部材7を用い、筒状体2を被着させることによって、壷形花瓶に花を生けるのと同様な作業が可能になる。
【0041】
尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。筒状体2,紐状体3,加飾片6,形状安定部材7,ストッパ9等の形状,大きさ等は用途等に合わせて適宜選択できる。例えば、図18の保持具5に代わって、図24(イ)や(ロ)のごとく、吸水スポンジ等からなる発泡体の花材保持ブロック5bを単独で保持具として用いることができる。図24では花材保持ブロック5bを樹脂製フィルム袋Fに入れて、水を含ませた後、フィルム袋Fの上面開口F1より少し下の箇所を軽く縛って保持具5とする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1で、複数の花材を束ねた花束の下部を上面開口から筒状体内に挿着セットした外装具の斜視図である。
【図2】筒状体の表側斜視図である。
【図3】筒状体の裏側斜視図である。
【図4】実施形態2で、複数の表皮片で縫製された上面開口の筒状体の斜視図である。
【図5】図4と別態様の上面開口の筒状体の斜視図である。
【図6】図4,図5と別態様の上面開口の筒状体の斜視図である。
【図7】実施形態3の外装具の斜視図である。
【図8】図7の外装具にブーケの花束を挿着し、花束入り外装具とする様子を示す斜視図である。
【図9】実施形態4の二種類の筒状体の斜視図である。
【図10】図9の二種類の筒状体を重ね着させてなる外装具の斜視図である。
【図11】実施形態5で、筒状体と加飾片を備えた外装具の分解斜視図である。
【図12】図11の筒状体と加飾片に紐状体を付加し、これらを置物として組み付けた外装具の斜視図である。
【図13】図11とは別態様の組み付けられた外装具の斜視図である。
【図14】実施形態6で、筒状体と加飾片と紐状体を使って置物の外装具を完成させた斜視図である。
【図15】外装具のセットを構成部品にバラした分解斜視図である。
【図16】図15の外装具のセットと同種のものを使用して、花束入り外装具にした斜視図である。
【図17】図16と別態様の花束入り外装具の斜視図である。
【図18】実施形態7で、筒状体と紐状体と保護具と形状安定部材と装飾布とストッパを備えた外装具の分解斜視図である。
【図19】(イ)が図18のストッパ付き形状安定部材の縦断面図、(ロ)が(イ)のストッパに代えて該形状安定部材に凹みを形成した縦断面図である。
【図20】図18の筒状体と紐状体と保護具とストッパ付き形状安定部材とストッパを組み付けた外装具の斜視図である。
【図21】図20の形状安定部材に、装飾布でカバーした保持具を装着した外装具の斜視図である。
【図22】図21の縦断面図である。
【図23】図18の形状安定部材に代わる他態様の形状安定部材の斜視図である。
【図24】図18の保持具に代わる他態様の保持具の斜視図である。
【図25】ブーケホルダーの一例を示す斜視図である。
【図26】図25を用いて作製したブライダルブーケの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 外装具(フラワー用外装具)
2,2A,2A1,2A2,2B,2B 筒状体
20 表皮片
21a 縫糸
22 上面開口
25 舌片部
3 紐状体
5 ブーケホルダー(保持具)
6 加飾片
6a,6b,6c 飾り片(加飾片)
7 形状安定部材
7a 筒体
7b 有底筒体
【技術分野】
【0001】
本発明は花束や花を生けたブーケ等の下部を挿入、収納して気品,豪華さを演出するフラワー用外装具に関する。
【背景技術】
【0002】
結婚式などで花束が用いられるが、これ迄の花束は通常、樹脂フィルムでラッピングし、リボンなどで飾っていた。花束の花が主役で樹脂フィルムのラッピングは花束の形を崩さぬよう形を整える補助的役割を果たすにすぎなかった。こうしたなか、花束の見栄え向上を果たす花卉用包装材の発明技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−14987公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の基端部から開口端部に向けてテーパ状に広がる花卉用包装材は、花卉用包装材にボリューム感を与え花卉の見栄えを良くする内容にとどまっていた。また、外側包装体にメッシュを用い、内側包装体に不織布を用いるが、いずれも化学繊維製品にして熱融着で両者を接着する技術であり、花束の包装作業の迅速化に重きをなしていた。特許文献1の花卉用包装材から得られる装飾性には限界があった。
【0005】
一方、ウエディングドレスを着るときは図26に示すようなブーケをもつのが一般的であるが、花の部分で楽しむのが殆どであった。ブーケを手で持つブーケホルダー(図25,図26)の柄部5aにリボンを巻いて処理するのがやっとであった。柄部5aのプラスチック製部分はむき出しになっており、花の部分とは対照的に見劣りしていた。
また、結婚式で、白無垢や打ち掛けなどを着る時、手に扇子を持つのがしきたりであるが、希望で花を持ちたいと願っても従来のブーケでは似合わなかった。ブーケでは、和服の豪華さに負けてしまい、ブーケの精彩がなくなった。そもそも和装イメージにそぐわなかった。花の部分の変化,対応だけでは解決し得なかった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するもので、花束やブーケを包んで、和装に合う存在感あるものとし、さらには贈答品、セレモニー等での贈呈品や室内等を飾るインテリアにもなり、これまでの花束の包装材,包装具と違った高級感、気品、自由性、オリジナリティ豊かなフラワー用外装具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、布地からなる一又は複数の表皮片(20)が縫糸(21a)により縫合されて上面開口(22)の筒状体(2)に形成され、複数本の花材(4)が直接寄せ集められてなる花束の下部を、又は保持具(5)に複数本の花材(4)を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記筒状体(2)内に収納する一方、花材(4)の上部を筒状体(2)外へ出すようにすることを特徴とするフラワー用外装具にある。
請求項2の発明たるフラワー用外装具は、請求項1で、筒状体(2)の上面開口周縁に帯状又は花弁状に複数の舌片部(25)が延設されることを特徴とする。請求項3の発明たるフラワー用外装具は、請求項1又は2で、筒状体(2)と別体にして、該筒状体を結束する紐状体(3)をさらに具備することを特徴とする。請求項4の発明たるフラワー用外装具は、請求項3で、筒状体(2)と別体にして、布地からなる帯状の加飾片(6)をさらに具備し、該加飾片(6)の基端部が筒状体(2)内に挿入、配設されるか、筒状体(2)の外周面に配されて、該加飾片が前記紐状体(3)で該筒状体(2)と共に結束されるようにしたことを特徴とする。請求項5の発明たるフラワー用外装具は、請求項3又は4で、筒状体(2)と別体にして、該筒状体よりも小さな筒体(7a)又は有底筒体(7b)からなる剛性の形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置され、前記保持具(5)を該形状安定部材に挿着できるようにしたことを特徴とする。ここで、「剛性の形状安定部材」は布地からなり撓みやすい表皮片に対し、通常用いる状態で撓むことがなく、有る程度の曲げやねじれに対して筒体(7a)又は有底筒体(7b)の形状を維持し、ある程度耐える能力のある部材をいう。該形状安定部材の剛性はプラスチック製,紙製,木製,金属製などで満たされる。
【0008】
請求項1の発明のごとく、布地からなる一又は複数の表皮片が縫糸により縫合されて上面開口の筒状体に形成されると、布地のフラワー用外装具ができるので、和装に合う存在感ある外装具を作ることができ、これまでの花束の包装品と違った高級感、気品、自由性、オリジナリティ豊かな製品となる。結婚式,披露宴で使用可能になるばかりか贈答品、セレモニー等での贈呈品や室内等を飾るインテリアにもなり得るフラワー用外装具が出来る。
請求項2の発明のごとく、筒状体の上面開口周縁に帯状又は花弁状に複数の舌片部が延設されると、舌片部が花束の花に付加される花弁に似ることから、より高級感あるフラワー用外装具になる。請求項3の発明のごとく、筒状体と別体にして、該筒状体を結束する紐状体をさらに具備すると、紐状体が筒状体を結束することで該紐状体がアクセントとしてより一層の美しさ,豪華さを表現する。また、紐状体が手にもつ把手部分を形づくって安定固定できるので、インテリア等の置物とした場合に効を奏する。
請求項4の発明のごとく、筒状体と別体にして、布地からなる帯状の加飾片をさらに具備し、該加飾片の基端部が筒状体内に挿入、配設されるか、又は筒状体の外周面に配されて前記紐状体で結束されるようにすると、同じフラワー外装具であっても、加飾片の配設位置によってその外装具の外観形状をいろいろと変化させることができるので、花入りフラワー用外装具を作る側に、より一層の自由性,オリジナリティ豊かな遊び心を楽しめる。請求項5の発明のごとく、筒状体(2)と別体にして、該筒状体よりも小さな筒体(7a)又は有底筒体(7b)からなる形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置され、前記保持具(5)を該形状安定部材に挿着できるようにすると、形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置されることによって、ブーケホルダーの保持具の柄部が細くて短くても形状安定部材の大きさ、形状を変えることによって、フラワー用外装具の外観を整えることができる。保持具の柄部が短い場合も、形状安定部材を長くすることで持ち易くなる。
また、表皮片が西陣織(登録商標)の布地で形成され、且つ前記紐状体が帯紐で形成されると、筒状体に日本の伝統的な息吹が吹き込まれ、格調高いフラワー用外装具となって和装の花嫁衣装に一段と似合うものとなる。さらに、一の前記筒状体の筒内に別体の筒状体を挿通させ重ね着をさせると、重厚感,ボリューム感溢れるフラワー用外装具ができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフラワー用外装具は、花束やブーケを挿着して、和装に合う品格,豪華さを備えるものとなり、さらに贈答品,贈呈品やインテリア等にも利用可能で、これまでの花束の包装材,包装具では得られなかった高級感,気品,自由性,オリジナリティ豊かな表現が生まれるなど優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るフラワー用外装具(以下、単に「外装具」という。)について詳述する。
【0011】
(1)実施形態1
図1〜図3は本発明の外装具の一形態で、図1は複数の花材を束ねた花束を上面開口から筒状体内に挿入し、花束の下部を収納セットした外装具の斜視図、図2は筒状体の表側斜視図、図3は筒状体の裏側斜視図である。
【0012】
外装具1は筒状体2と紐状体3とを具備する。筒状体2は布地からなる一又は複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状に形成される外装具1の主要部である。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部(主として各花材4の軸4a)、又は保持具5に複数本の花木を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納できるようになっている。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部を、又は保持具5に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記筒状体2内に収納する一方、花材4の上部を筒状体2外へ出すことができるようになっている。ここで、「複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束」には、図4のごとく1本ずつの花材4を個別に筒状体2の上面開口22から挿入し、結果的に複数本の花材4が寄せ集められる花束も含む。花材4は花束やブーケを形成する個々の花木で、軸4a(茎又は枝)に花,花弁40がついたもの、草花の軸4aに葉だけがついた枝葉41のもの、樹木の葉がついた枝を含む。
本実施形態は、きものに使用する帯を長手方向の所定長さに切断して一の表皮片20を切り離す。そして、この一の表皮片20を図2,図3のごとく帯幅方向の一端縁と切断した帯幅方向の他端縁と突き合わせ筒状に丸め、さらに裏面側で一端縁と他端縁近くに設けられた縫い代部分201を重ね合わせた後、該部分に縫糸21aによる縫目ライン21を形成する。一の表皮片20を円筒状に丸めた後、縫い代部分201の重ね合わせ部分を縫糸21aで帯幅方向に沿って縫合し、帯幅の長さ全てが縫合され、上側と下側が開口する筒状体2が形成される。帯幅が筒状体2の高さHになり(図2)、筒状体2は筒内径が上下方向に亘って略同径の円筒形になっている。符号20aは筒状体2の表地、符号20a1は表地に設けられた柄を示す。尚、図4のように表地20aと裏地20bとで図2の縫い代部分201を覆い隠すと、見栄えを一層向上させることができる。
【0013】
前記表皮片20を布地とするのは、布地で作られる筒状体2そのものが装飾品になり、花材4を束ねた花束の花やブーケの等の花に劣らない華やかさを演出できるからである。本発明でいう布地は織物又は編物をいう。織物は織機にかけ、縦糸と横糸が上下に入れ替わって交錯した平らな布地である。縦糸と横糸の交錯点の配置が織物組織と呼ばれる。編物はループがからみ合って構成された布地で、伸縮性、柔軟性に富む。本発明で用いる表皮片20の素材は布地でも織物が好ましく、特に柄模様の入った織物が好ましく、西陣織(登録商標)の織物で作られるのがより好ましい。西陣織は、「京都西陣を本拠地として製造,販売に従事する個人または団体が製織する織物で、機業の各工業組合規定の証紙,検印の押されたもの。帯,着尺,ネクタイ,洋服地,緞帳など多品種にわたるが、長い伝統に基づく技術や意匠の蓄積、新しい技術,意匠の開発によって、手工芸性を加味した高級紋織物として著名。」(広辞苑)であり、また「京都の西陣から産出する織物の総称。主として錦,繻子,金襴,緞子などの高級絹織物」(大辞泉)をいう。
【0014】
筒状体2の外装具1が布地、織物で形成されることによって、これに花材4を収納した時、花材4のみならず花材下部を覆う外装具1が従来の合成樹脂フィルム等の包装具にない豪華さを演出する。特許文献1の花卉用包装材が、透明樹脂フィルムや樹脂製不織布などの花束の花材4を包み、花を引き立たせるだけの脇役であったのに対し、筒状体2が布地、織物からなる表皮片20を縫糸21aにより縫合して形づくられることによって、外観,風合い,感触等で、落ち着いた趣き,重厚さ,高級感等を表現でき、花束の花材4と一緒に美を作り上げる主役になる。外装具1と花材4とが合体し、花で飾られた花束入り外装具は、外装具1がゴージャスな雰囲気を醸しだし、花材4と織物のもつ外装具1が融和し斬新な造形美が生まれる。さらに西陣織の表皮片20によって外装具1が形成されると、気品が備わり且つ豪華絢爛となる。白無垢や打ち掛けなどを着る結婚式で、花束が挿着された花束の外装具1を手にしても、従来のブーケと打って変わって、和服の豪華さに負けることがない。花を飾った外装具1は品格溢れる美しさ、和の神髄が味わえ、和装結婚式を引き立てる立派な商品になる。
【0015】
加えて、本実施形態の筒状体2は、中間位置よりもやや上方位置の裏地に、筒状体2の筒内径に沿ってゴム製紐26が環状に配設され、該ゴム製紐26がその部分の筒状体2の筒径を絞る。符号27は被覆カバーで、環状に配されたそのゴム製紐26に沿ってこれを覆いズレ防止する。符号2dはゴム製紐26による筒状体の絞りシワを示す。ゴム製紐26が在ることによって、筒状体2は常態下で図2,図3のごとくゴム製紐26のある部分の内径が小さくなる。しかし、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部を筒状体2内に挿入するときはゴム製紐26を伸ばし筒口を拡げて挿着できるようになっている。ゴム製紐26は花束下部を挿着した後、該花束をしっかりと保持すると共に該ゴム製紐26の括れ部分よりも下が手で持つ所であることを示す目印的役割を果たす。
【0016】
紐状体3は筒状体2と別体にして、該筒状体2を結束する長さを有する紐状のものである。前記ゴム製紐26を伸ばし筒口を拡げて花束の下部を筒状体2内に挿入させた後、ゴム製紐26が弾性復元で収縮して花束下部を保持するが、さらに筒状体2の下半部を図1のように結束するのに該紐状体3が用いられる。筒状体2単独でも外装具1となるが、花束や花を生けたブーケ等の下部を収納した筒状体2の外面下部を紐状体3で巻くことによって、より一層の気品,豪華な雰囲気が味わえる。また、花束等を収納した後、紐状体3で筒状体2の外面下部を縛ることによって、花束入り外装具が手で持ち易くなる。筒状体下半部に巻回結束された紐状体3の凹凸が手で持ったときの滑り止めになる。紐状体3は筒状体2を結束できる紐状のものであれば特に問わないが、高級感を出すためにきものの帯紐がより好ましい。加えて、筒状体2の本体主部24が西陣織等の織物で形成されると、より一層の高級感を醸し出す相乗効果が発揮される。
【0017】
次に、外装具1の一使用方法を説明する。まず、筒状体2のゴム製紐26の部分の筒内径口を広げた後、複数の花材4を寄せ集めて手に持ち、その花束の下部、主として花材4の軸4aの部分を上面開口22から挿入し前記筒状体内、詳しくは筒状体2の下半部内に収納する。或いは、複数本の花材4を寄せ集め、これらをゴム輪,紐などで縛って花束にしたものを手に持ち、該花束の下部を上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納する。更に図示を省略するが、瓶,コップ,ペットボトルなどの上面開口22の筒状保持具5の上面開口22から挿入し、筒状体2内に前記花束の下部且つ該保持具を収納することもできる。収納した後、手で広げていたゴム製紐26の部分を離し該ゴム製紐26で花束下部を仮結束させる。続いて、ゴム製紐26がある部分よりも下の筒状体2を手に持って、筒状体2に挿着した花材4をアレンジする。未だゴム製紐26による仮結束状態にあるので、花材4を動かせる融通性があり、調整,アレンジして外から見える所の花材4を整える。
その後、花束の下部(主に花材4の軸4aの部分)が収納された筒状体2の下半部を紐状体3で縛っていく。紐状体3で縛ることで、筒状体2に挿着された花束の各花材4の動きが止められ固定する。筒状体2の下半部が紐状体3で結束されることによって手で持ちやすい棒状の把手部分になり、またこの把手部分から筒状体2の上半部がラッパ状に立体的に広がる。花束の上半部が外から直接見えるようにして、筒状体2のラッパ状部分がその下の花束の部位に膨らみを与えて取り囲む。ゴム製紐26が在る部分を目安にして、これより下の円筒部を紐状体3で結束し、図1のような花束入り外装具1が完成する。紐状体3で結束する円筒部の部分が長すぎる場合は、円筒部の下端部分を下面開口23から筒内の中へ折り込み、筒状体2の全体バランスを整えることができる。花束の下半部が外装具1で覆われ、花束の自然美と外装具1の人工美の両者が調和した優美な姿が形づくられる。
【0018】
このように構成した外装具1は、筒状体2が布地からなる表皮片20を縫糸21aで縫合して上面開口22の筒状に形成されるので、かって見たことのない美を表現できる。筒状体2が花束の花材4と共に美を作り上げる主役になる。これまでの花束の包装材,包装具にない高級感,気品溢れるフラワー用品になる。外装具1は見た目にも華やかで、且つこれまでの花束用ラッピング包装紙と違って、使い捨てでなく、花を入れ替え何度も繰り返し使用が可能である。外装具1に花束が挿着されると、花材4に布地表皮片20の縫製品たる外装具1が落ち着きある和の雰囲気を与えつつ、新しい感性が吹き込まれた花束入り外装具1が誕生する。プレゼントの品として、また贈答品として用いることができ、さらにセレモニー等での贈呈品や室内等を飾るインテリアにもなり得る。例えば、縦にして使う以外に、図1の花束入りの外装具1を横置きして出窓に飾ることができる。或いは、花束入りの外装具1を上から吊したり、壁の高い所にかけたりして部屋の模様変えに役立ち、部屋の雰囲気を華やかにできる。室内の置物,飾り物に打ってつけとなる。
花束入りの外装具1はかっての商品に見られない自由性、オリジナリティ豊かな商品になっている。
【0019】
また、該筒状体2を結束する紐状体3がさらに設けられる外装具1にすると、花束や花を生けたブーケ等の下部を収納した筒状体2の外面下部を紐状体3で結束することで、一層の気品,豪華さが生まれる。花束等を収納した後、紐状体3で筒状体2の外面下部を縛ることによって、手で持ち易くなる。筒状体2を縛る紐状体3によって外装具1の形状が安定し、インテリア等としてそのまま飾ることができる。紐状体3に係る組み紐の結び方も多種あるので、これらの方法を応用して使うと結納品のような格調高いものが出来上がり、また紐結びの勉強にもなる。
さらに、筒状体2の本体主部24が織物、特に西陣織(登録商標)等の柄模様の入った織物で形成されると、より一層の高級感を醸し出す。日本独特の素材たる西陣織の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて筒状体2に形成されると、日本の伝統的な息吹きが筒状体2に吹き込まれ、花束が挿着された花束入り外装具1は、該外装具1が花束と共に華やかに輝く。外装具1が花を盛り立て、また花束が外装具1を盛り立てる新しい商品が生まれる。花束やブーケを包んで、和装に合う存在感あるものとなり、花嫁衣装にマッチする。和装結婚式に使用できる新たな商品になる。日本の伝統技を生かした伝統文化を発信し、いままで考えられなかった品格,豪華さの表現が可能になる。この花束入り外装具は、例えばパリコレで日本発の服装手回り品に使うことができ、また外国からの要人等を歓迎するのに用いられていた従来の花束に代わるものとして使うことができる。さらに、工芸品などを一緒に使うことによって、その効果を一段と高めることができる。
また筒状体2が一の表皮片20で縫製加工されるので、縫目ライン21が少なく見栄えが良く、また縫製作業が少なくて済む。
【0020】
(2)実施形態2
図4〜図6はそれぞれ実施形態1と別形態の外装具1で、布地、特に織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成されたものである。
図4は、きものや帯などの和装用布地から6枚の表皮片20を裁断し、これら表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成した外装具1である。各表皮片20は略同形で、上方に向かって末広がりに広がる略しゃもじ状体になっている。ここでの各表皮片20は表側だけでなく裏側も利用できるリバーシブル帯で作られる。その先端部分に花弁40に似せた舌片部25を設ける。各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせ、縫目ライン21を形成して筒状体2にするが、縫目ライン21は舌片部25の基端で止める。このため、筒状体2の上面開口周縁に花弁状に複数の舌片部25が延設される。舌片部25は花弁状に代え、帯状にすることができる。本実施形態の筒状体2は、図示のごとく各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせるため、縫い代201が存在しない。符号28は舌片部25の外周縁に沿うようにして、各表皮片20の表地20aと裏地20bの間に挿置した保形用針金28を示す。該保形容針金を設けることによって、舌片部25を花弁状に保形し、安定して上面開口22を開かせることができる。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から筒状体2内に挿入,収納して花束入り外装具1をこしらえる際、一度各舌片部25を曲げ、その形状を整えれば保形用針金28がその形状を保持し、各舌片部25が花弁状に安定して開くことでゴージャスな雰囲気を持続させる。
【0021】
図5も布地、織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成された外装具1である。各表皮片20はリバーシブル帯の裁断品で作られ、縦長の逆台形形状になっている。各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせ縫目ライン21を形成して筒状体2にするが、縫目ライン21は各表皮片20とも上端から所定長さを残し、ここより下方に縫目ライン21を形成する。上端から所定長さを残した分が舌片部25となる。符号211は縫目上端を示す。各舌片部25は筒状体2の上面開口周縁に帯状に延設する。複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から筒状体2内に挿着し、花束入りの外装具1をこしらえた時、これら舌片部25も花束の周りを取り囲んで花弁40に似せた加飾弁を演出する。
【0022】
図6も布地、特に織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成された外装具1である。各表皮片20はリバーシブル帯で作られ、縦長の長方形の形をしている。隣り合う表皮片20同士が互いに縦半分を重ね合わせて筒状形成した後、下面開口23寄りの位置で、下面開口23と等距離を保って筒状形成部を周回するように縫糸21aで縫い合わせ縫目ライン21を形成する。さらに、該縫目ライン21よりも上方へ縦長の長方形の約1/3の高さまで上がった地点で、同じように下面開口23と等距離を保って筒状形成部を周回するように縫糸21aで縫い合わせ縫目ライン21を形成し筒状体2にする。上段の縫目ライン21よりも上方の各表皮片20の部分が舌片部25となる。図4〜図6の外装具1の筒状体2たる本体主部24は花瓶のように筒内面積が小さく且つ縦方向にある程度長さが確保されているので、筒状体2に収納された花束が安定し、特に紐状体3がなくても筒状体2だけで外装具1の役目を十分果たす。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0023】
このように構成した外装具1は、外装具1に花束を挿入して花束入り外装具1としたときに舌片部25が花弁40に似る加飾弁となって、一層絢爛豪華になり豊かな表現を演出する。図6の舌片部25は長いので、本外装具1の購入者はこれを丸めたり垂らしたりして工夫をこらすことが可能で、斬新な外装具1に仕上げることができる。図4,図5の外装具1は上面開口22に向かって中空円錐台状に広がるため、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、上面開口22から挿入し易くなっている。各表皮片20はリバーシブル帯で作られるため、好みに合わせて表地と裏地の両面を楽しめる。他の効果は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0024】
(3)実施形態3
実施形態1では、筒状体2の下半部を紐状体3で結束して棒状の把手部分にし、またこの把手部分から筒状体2の上半部がラッパ状に広がる外装具1とした。そして、花束の上半部が外から見えるようにして、筒状体2のラッパ状部分がその下の花束の部位に膨らみを与えて取り囲むようにしたが、本実施形態は図7,図8のごとくラッパ状部分に相当する拡径部2b、さらに把手部分に相当する棒状筒部2aを前もって立体作製した外装具1とする。
本外装具1は布地、特に織物からなる複数の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成するが、保護具5たるブーケホルダーの柄部5aが納まる棒状筒部2aと該棒状筒部2aから上方にラッパ状に延設する拡径部2bを備える。棒状筒部2aと拡径部2bは布地の複数の表皮片20を用いて縫製で作られる。拡径部2bには様々な大きさのブーケに対応できるよう拡径部2bの外周縁から棒状筒部2aに向かって一本の切り込み2b1を設ける。
拡径部2bは図7のごとく棒状筒部2aから上方に向かって漏斗上部のようにラッパ状に広がる。切り込み2b1があるものの、その部分はスリット状に切り込まれていて目立たぬようになっている。棒状筒部2aは漏斗の筒口のようにして、柄部5aが挿入できる内径と長さを有する筒本体2a1とこの筒本体の下端を塞ぐ有底部2a2を備える。符号26は拡径部2bの付け根を周回,配設したゴム製紐で、棒状筒部2aに挿着されたブーケホルダー5の柄部5aを締め付け、保持する。符号27はゴム製紐26を覆う被覆カバーを示す。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0025】
本実施形態の外装具1は次のようにして使うことができる。ブーケホルダー5たる保持具に、複数本の花材4を差し入れて寄せ集められて花束ができるブーケは、例えば図25のようなブーケホルダー5を使用する。柄部5aの付け根に形成した拡部5a1からラッパ状に広がる受器部5cが延設され、該受器部に商品名「オアシス」と呼ばれる花材保持ブロック5bを収納した後、篭体5dで囲ったブーケホルダー5である。花材保持ブロック5bに所定間隔で種々の花材4の軸4aを差し込んで、図26ごとくのブーケができる。
このブーケに係るブーケホルダー5の柄部5aを、外装具1の拡径部2bの上面開口22から棒状筒部2aに挿入する。ブーケの花束の下部且つブーケホルダー5たる保持具を、図8のごとく上面開口22から挿入し筒状体2内に収納することで、ブーケの花束入り外装具が完成する。
【0026】
このように構成した外装具1は、ブーケホルダー5たる保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、柄部5aを先端にして上面開口22から挿入し、筒状体2内に柄部5aを収納すると、花束入り外装具が簡単にできる。柄部5aのプラスチック製部分はむき出しになって、花の部分とは対照的に見劣りしていた箇所を外装具1が覆い隠し、和装にも適合する気品ある花束一体外装具が出来上がる。これまでのブーケでは似合わなかった分野にも広がりを見せ、ブーケの良さを生かしながら新たな販路を拡大できる。他の効果は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0027】
(4)実施形態4
実施形態1では、布地、特に織物からなる一の表皮片20が縫糸21aにより縫合されて上面開口22の筒状体2に形成され、更に筒状体2の所定高さの位置で、筒内径に沿ってゴム製紐26を環状に配設し、該ゴム製紐26がその部分の筒状体2の筒径を絞る筒状体2を形成したが、本実施形態は図9のごとく柄が違う二種類(又は複数)の薄手の和装布地からなる筒状体2を具備する外装具1とする。二種類の筒状体2は、図10のごとく一の筒状体2の筒内に他の筒状体2を挿通させ重ね着させる。この重ね着によって前記外装具1では表現できなかった深みある新たな外装具1が出来る。さらに筒状体2と別体にして、重ね着した両筒状体2を結束できる紐状体3を具備する。二種類の筒状体2を重ね着させた後、花束や花を生けたブーケ等の下部を収納した筒状体2の外面下部を紐状体3で巻くことができる。尚、図9,図10の筒状体2は縫い代201を設けて縫目ライン21をつくるが、実施形態2のごとく、各表皮片20の側壁同士を突き合わせて縫糸21aで縫い合わせ、縫目ライン21を形成することで、縫い代201をなくすことができる。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
【0028】
このように構成した外装具1は筒状体2が上面開口22、更に下面開口23になっているので、上面開口22等を利用して図10のごとく二種類の筒状体2を重ね着させることができる。この重ね着によって、外装具1の豪華さ,ボリューム感をより一層際立たせることができる。他の効果は実施形態1と同様でその説明を省く。
【0029】
(5)実施形態5
本実施形態は図11〜図13のごとく、筒状体2と、これと別体にして、布地、特に織物からなる細長帯状の加飾片6をさらに具備し、該加飾片6の基端部が筒状体2内に挿入、配設されるか、筒状体2の外周面に配されて紐状体3で結束されるようにした外装具1である。加飾片6は、その基端部が筒状体2内に挿着されて内用飾り片6cとなり、また筒状体2の外周面に固定されて外用飾り片6aになる。筒状体2に布地、織物からなる一又は複数の帯状にした加飾片6が付加される。加飾片6は所定大きさの2枚に裁断した布地片を重ね合わせ、その周囲を縫糸21aにより縫合して形成したものである。加飾片6はリバーシブルになっている。
図11,図12の外装具1は、図5の筒状体2を少し縦長に伸ばした形状の筒状体2と、縦長台形の加飾片6を複数用意して作ったものである。図12は外用飾り片6a,6bに模様を付け、分かり易く表示する。図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。図11では紐状体3の図示を省略する。外用飾り片6a,6bは、その一部を筒状体2外に出しつつ、該外用飾り片の基端部を上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納,保持させる。また、内用飾り片6cは、その一部を筒状体2外に出しつつ、該内用飾り片の基端部を筒状体2の外周面に配設する。しかる後、この外周面に配された加飾片6の基端部を含めて筒状体2の外面下部を図12のごとく紐状体3で巻く。すると、このままでも気品,豪華な雰囲気を味わえる外装具1の置物ができる。勿論、加飾片6と共に、複数本の花材4が直接寄せ集められてなる花束の下部、又は保持具に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記上面開口22から前記筒状体2内に挿入,収納し、花束入り外装具1とすることができる。尚、図示を省略するが、加飾片6の先端部分の外周縁に沿って、図4の保形用針金28と同様に該加飾片6内に針金を挿置すると、加飾片6の形状保持に役立ち、より好ましくなる。
【0030】
図13は図11,図12と別態様の外装具1を示す。図13は図4の外装具1を縦に少し伸ばしたような外装具1にし、また花弁状の舌片部25の先端部分に丸みを設けた外装具1とする。図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。そして、別途、この舌片部25と同じように先端部分に丸みをつけた帯状の加飾片6を複数用意する。図13では、加飾片6の全てについて、その加飾片6の一部を筒状体2外に出しつつ、該加飾片6の基端部を上面開口22から挿入し前記筒状体2内に収納,保持させる。その後、筒状体2の外面下部を紐状体3で結束している。他の構成は実施形態2と同様で、その説明を省く。
【0031】
このように構成した外装具1は、実施形態2の効果に加え、加飾片6によって外装具1の華やかさを一層盛り上げることができる。外装具1の購入者は加飾片6を使うことで、その創作自由性が高まり、様々なアレンジを楽しみ、またオリジナリティ豊かな花束入り外装具1を完成させることができる。また、花材4がなくても、外装具1だけでも置物,飾り物として利用でき有益となる。
【0032】
(6)実施形態6
本実施形態は図14〜図17のごとくで、図15が外装具1の構成部品の分解斜視図で、
図14は図15と同タイプの外装具を使って置物を完成させた斜視図、図16,図17は花束入り外装具1にした斜視図である。
本実施形態の外装具1は、例えば図15のごとく実施形態2,実施形態4でみられるようなリバーシブルの筒状体2B(2)と、実施形態4でみられるような薄手の和装布地からなる筒状体2A1,2A2(2A)と、実施形態5で用いた加飾片6と、紐状体3とを備えるセット商品にしたものである。図中、実施形態2,実施形態4,実施形態5と同一符号は同一又は相当部分を示す。これらのいくつかを組み合わせることで、様々な外装具1や花束入り外装具1を作成できる。
図14は図13のリバーシブルの筒状体2Bと同形状品に、図9の薄手の和装布地からなる筒状体2Aを外から重ね着させ、さらに図12,図13にある加飾片6が、先端部分を外に出しつつ、その基端部を筒状体2B内に挿入、配設されるか、筒状体2Bの外周面に配して紐状体3で結束するようにした外装具1とする。一部の加飾片6は重ね着された両筒状体2A,2Bの間に基端部が挿着されて、先端部分がダラリとたれたダラリ帯状体61になる。
【0033】
また図16は、図13のリバーシブルの筒状体2Bと同形状品に、図9の薄手の和装布地からなる筒状体2A1,2A2を外からさらに二重に重ね着させ、且つ花束の下部を筒状体2内に収納すると共に、図12,図13にある加飾片6が、先端部分を外に出しつつ、その基端部を筒状体2内に挿入、配設されるか、筒状体2の外周面に配して紐状体3で結束するようにした花束入り外装具1とする。図17は図15のセット商品を使って、図16とは別態様の花束入り外装具1に仕上げたものである。他の構成は実施形態2,実施形態4,実施形態5と同様で、その説明を省く。
【0034】
このように構成した外装具1は、実施形態2,実施形態4,実施形態5の効果に加え、筒状体2の重ね着による一層豪華な演出、また舌片部25,加飾片6がゴージャスな雰囲気を盛り立て、さらに花束入り外装具を作る者の自由な創作性等を一段と高める製品になっている。図14〜図17に示すごとく、加飾片6のダラリ帯状体61は和装着物のダラリ帯を演出し、えも言われぬ美しさを表現し、商品価値を向上させる。
【0035】
(7)実施形態7
本実施形態は図18〜図23のごとくで、実施形態1、2、4〜6の外装具1に、さらに筒状体2よりも小さな筒体7a又は有底筒体7bからなる剛性の形状安定部材7が該筒状体内に挿置され、保持具5を該形状安定部材に挿着できるようにした外装具である。本外装具1は筒状体2と紐状体3と保持具としてのブーケホルダー5と形状安定部材7と装飾布8とストッパ9とを備える。
【0036】
ここでの形状安定部材7は、ブーケホルダー5の柄部5aを装着できる筒内径を有する筒体7aで、柄部5aよりも筒外径及び筒長さ共に一回り大きな円筒である。形状安定部材7は剛性のある硬質厚紙製で、織物からなる筒状体2と違って、手で握るぐらいでは変形しない。形状安定部材7は、図18〜図22の筒部70のみの円筒7aに代えて、図23(イ)や(ロ)のごとくの底部71のある有底筒体7bとすることができる。図23(イ)の形状安定部材7は節板を底部71にして適当な長さに切断した竹製品である。図23(イ)の形状安定部材7は広口のガラス瓶製品或いは陶磁器である。その広口が上開口部分72になる。
【0037】
装飾布8は、図21のごとくブーケホルダーの篭体5を囲むようにして柄部5aを包み込むことできる大きさのある四角形の布地で、装飾効果を一段と高めるものである。
【0038】
ストッパ9は形状安定部材用92と装飾布用91のものがある。形状安定部材用ストッパ92は弾性ゴム環からなり、形状安定部材7の筒面の数カ所(ここでは2カ所)にゴム環の弾性収縮力で巻回固定される(図19のイ)。該ストッパ92を形状安定部材7の上開口部分72近く設けることによって、図22のような外装具1を完成させたとき、ストッパ92が筒状体2のゴム製紐26に係止されるので、ストッパ92と一体の形状安定部材7が筒状体2から抜け落ちてしまうことはない。尚、図22は被覆カバー27の図示を省略する。本実施形態のように形状安定部材7の筒面の中段付近にもストッパ92を設け、このストッパ92を巻き込むようにして筒状体2の下半部を紐状体3で巻けば、完成された外装具1からの形状安定部材7の脱落を完全になくすことができる。ストッパ92に代えて、図19(ロ)のごとく、形状安定部材7の外周筒面に凹み701を形成してもよい。該凹みにゴム製紐26を嵌入させる状態にして、紐状体3で筒状体2の下部を結束すれば、形状安定部材7と筒状体2との一体化が図れる。
装飾布用ストッパ91は弾性を有する輪ゴムからなる。ブーケホルダー5の篭体5dを取囲むようにして柄部5aを装飾布8で包み込んだ後、その柄部5aを包み込んだ装飾布8の部分を輪ゴム91で止着する。この輪ゴム91を弾性変形させるようにして、図22のごとく装飾布8付き柄部5aの部分が筒状体2内に既に挿置された前記形状安定部材7に挿着される。
保持具としてのブーケホルダー5は図8,図25,図26で示したものと同様のものであり、また筒状体2と紐状体3は実施形態1、2や4〜6で示したものと同様であり、その説明を省く。実施形態1〜6と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0039】
次に、外装具1の一使用方法を説明する。まず、外装具1を完成させたとき、形状安定部材7に取着した上側ストッパ92が筒状体2のゴム製紐26に係止されるよう、該ストッパをゴム製紐26よりも上面開口22側に配する。次いで、ストッパ92付き形状安定部材7を筒状体2内に配設する。続いて、図20のごとく筒状安定部材7が配設された筒状体2の下半部を紐状体3で巻回し結束する。図20はストッパ92、ゴム製紐26の図示を省く。
一方、ブーケホルダー5に複数本の花材4を差し入れて寄せ集められてなるブーケを作る。ブーケホルダー5の花材保持ブロック5bに種々の花材4の軸4aを差し込んで、図26ごとくのブーケができる。続いて、ブーケホルダー5の篭体5dを取囲むようにして柄部5aを装飾布8で包み込んだ後、その柄部5aを包み込んだ装飾布8の部分を輪ゴム91で止着する。
その後、輪ゴム91を弾性変形させるようにして、上記筒状体内に挿置された形状安定部材7の上開口部分72から装飾布8付き柄部5aを該形状安定部材7へ挿着することで、ブーケの花束入り外装具1が完成する(図21,22)。尚、図21,図22は花材4の図示を省略する。ブーケの下半部が外装具1で覆われ、花材4の上部が筒状体2外へ出るようになって、花束の自然美と外装具1の人工美の両者が調和した優美な姿が形づくられる。
【0040】
このように構成した外装具1は、実施形態1の効果に加え、形状安定部材7が織物生地で撓みやすい筒状体2内に挿置されるので、この形状安定部材7によって形が整えられる。形状安定部材7が筒状体2内に組み込まれることによって外装具1の外観形状も安定する。またブーケホルダー5の柄部5aは細めで長さもともすれば不十分であったが、柄部5aに形状安定部材7が装着され、筒状体2を介してこの形状安定部材7を手で握るので、握り易く安定感が増す。形状安定部材7の長さも簡単且つ自由に変更でき、持ち易いばかりか、外装具1の全体バランスが整えられる。
また、ブーケホルダーの柄部5aはプラスチック製なので、これを筒状体2で直接収納するよりも、形状安定部材7にブーケホルダーの柄部5aを挿着する方がブーケホルダー5を安定固定させることができる。図22のごとくストッパ91,92が設けられると、ブーケホルダー5を一層安定固定させることができる。
また、例えば図20のように、筒状体2内に形状安定部材7を挿置し、紐状体3で筒状体2の下半部を巻回結束すれば、種々のブーケを製作後、それぞれのブーケについて簡単に組み替え装着でき便利になる。該形状安定部材7の上開口部分72から取り付けようとするブーケの柄部5aを形状安定部材7に装着すると、そのブーケの花束入り外装具1が完成する。
さらに、形状安定部材7が筒状体2内に挿置された形状は、美的外観を備えた立体的形状になるので、そのままでも飾っておくことができる。形が綺麗になるので、商品の良さを需要者,消費者に伝えやすくなる。そして、形状安定部材7は筒体7a又は有底筒体7bからなるので、必要に応じて、花束のまとまったものや花材4を1本ずつその上開口部分72から差し込むことができ便利になる。花材4が造花の場合に特に有用となる。
また、形状安定部材用ストッパ92が設けられているので、筒状体2内に挿置された形状安定部材7のズレ防止に役立つ。形状安定部材7が有底筒体7bからなると、中に水をいれて上開口部分72を上にすることで、花入れの役割を担えるようになる。有底筒内に吸水スポンジを配設すると、アレンジフラワー感覚で花を差すことができる。図23(ロ)のようなガラス瓶の形状安定部材7を用い、筒状体2を被着させることによって、壷形花瓶に花を生けるのと同様な作業が可能になる。
【0041】
尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。筒状体2,紐状体3,加飾片6,形状安定部材7,ストッパ9等の形状,大きさ等は用途等に合わせて適宜選択できる。例えば、図18の保持具5に代わって、図24(イ)や(ロ)のごとく、吸水スポンジ等からなる発泡体の花材保持ブロック5bを単独で保持具として用いることができる。図24では花材保持ブロック5bを樹脂製フィルム袋Fに入れて、水を含ませた後、フィルム袋Fの上面開口F1より少し下の箇所を軽く縛って保持具5とする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1で、複数の花材を束ねた花束の下部を上面開口から筒状体内に挿着セットした外装具の斜視図である。
【図2】筒状体の表側斜視図である。
【図3】筒状体の裏側斜視図である。
【図4】実施形態2で、複数の表皮片で縫製された上面開口の筒状体の斜視図である。
【図5】図4と別態様の上面開口の筒状体の斜視図である。
【図6】図4,図5と別態様の上面開口の筒状体の斜視図である。
【図7】実施形態3の外装具の斜視図である。
【図8】図7の外装具にブーケの花束を挿着し、花束入り外装具とする様子を示す斜視図である。
【図9】実施形態4の二種類の筒状体の斜視図である。
【図10】図9の二種類の筒状体を重ね着させてなる外装具の斜視図である。
【図11】実施形態5で、筒状体と加飾片を備えた外装具の分解斜視図である。
【図12】図11の筒状体と加飾片に紐状体を付加し、これらを置物として組み付けた外装具の斜視図である。
【図13】図11とは別態様の組み付けられた外装具の斜視図である。
【図14】実施形態6で、筒状体と加飾片と紐状体を使って置物の外装具を完成させた斜視図である。
【図15】外装具のセットを構成部品にバラした分解斜視図である。
【図16】図15の外装具のセットと同種のものを使用して、花束入り外装具にした斜視図である。
【図17】図16と別態様の花束入り外装具の斜視図である。
【図18】実施形態7で、筒状体と紐状体と保護具と形状安定部材と装飾布とストッパを備えた外装具の分解斜視図である。
【図19】(イ)が図18のストッパ付き形状安定部材の縦断面図、(ロ)が(イ)のストッパに代えて該形状安定部材に凹みを形成した縦断面図である。
【図20】図18の筒状体と紐状体と保護具とストッパ付き形状安定部材とストッパを組み付けた外装具の斜視図である。
【図21】図20の形状安定部材に、装飾布でカバーした保持具を装着した外装具の斜視図である。
【図22】図21の縦断面図である。
【図23】図18の形状安定部材に代わる他態様の形状安定部材の斜視図である。
【図24】図18の保持具に代わる他態様の保持具の斜視図である。
【図25】ブーケホルダーの一例を示す斜視図である。
【図26】図25を用いて作製したブライダルブーケの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 外装具(フラワー用外装具)
2,2A,2A1,2A2,2B,2B 筒状体
20 表皮片
21a 縫糸
22 上面開口
25 舌片部
3 紐状体
5 ブーケホルダー(保持具)
6 加飾片
6a,6b,6c 飾り片(加飾片)
7 形状安定部材
7a 筒体
7b 有底筒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地からなる一又は複数の表皮片(20)が縫糸(21a)により縫合されて上面開口(22)の筒状体(2)に形成され、複数本の花材(4)が直接寄せ集められてなる花束の下部を、又は保持具(5)に複数本の花材(4)を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記筒状体(2)内に収納する一方、花材(4)の上部を筒状体(2)外へ出すようにすることを特徴とするフラワー用外装具。
【請求項2】
前記筒状体(2)の上面開口周縁に帯状又は花弁状に複数の舌片部(25)が延設される請求項1記載のフラワー用外装具。
【請求項3】
前記筒状体(2)と別体にして、該筒状体を結束する紐状体(3)をさらに具備する請求項1又は2記載のフラワー用外装具。
【請求項4】
前記筒状体(2)と別体にして、布地からなる帯状の加飾片(6)をさらに具備し、該加飾片(6)の基端部が筒状体(2)内に挿入、配設されるか、筒状体(2)の外周面に配されて、該加飾片が前記紐状体(3)で該筒状体(2)と共に結束されるようにした請求項3記載のフラワー用外装具。
【請求項5】
前記筒状体(2)と別体にして、該筒状体よりも小さな筒体(7a)又は有底筒体(7b)からなる剛性の形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置され、前記保持具(5)を該形状安定部材に挿着できるようにした請求項3又は4記載のフラワー用外装具。
【請求項1】
布地からなる一又は複数の表皮片(20)が縫糸(21a)により縫合されて上面開口(22)の筒状体(2)に形成され、複数本の花材(4)が直接寄せ集められてなる花束の下部を、又は保持具(5)に複数本の花材(4)を差し入れて寄せ集められてなる花束の下部且つ該保持具を、前記筒状体(2)内に収納する一方、花材(4)の上部を筒状体(2)外へ出すようにすることを特徴とするフラワー用外装具。
【請求項2】
前記筒状体(2)の上面開口周縁に帯状又は花弁状に複数の舌片部(25)が延設される請求項1記載のフラワー用外装具。
【請求項3】
前記筒状体(2)と別体にして、該筒状体を結束する紐状体(3)をさらに具備する請求項1又は2記載のフラワー用外装具。
【請求項4】
前記筒状体(2)と別体にして、布地からなる帯状の加飾片(6)をさらに具備し、該加飾片(6)の基端部が筒状体(2)内に挿入、配設されるか、筒状体(2)の外周面に配されて、該加飾片が前記紐状体(3)で該筒状体(2)と共に結束されるようにした請求項3記載のフラワー用外装具。
【請求項5】
前記筒状体(2)と別体にして、該筒状体よりも小さな筒体(7a)又は有底筒体(7b)からなる剛性の形状安定部材(7)が該筒状体内に挿置され、前記保持具(5)を該形状安定部材に挿着できるようにした請求項3又は4記載のフラワー用外装具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−137724(P2008−137724A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86075(P2007−86075)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(599125777)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(599125777)
【Fターム(参考)】
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