説明

フリーザーバッグ用小分け器具

【課題】使い勝手の良いフリーザーバッグ用小分け器具を得る。
【解決手段】フリーザーバッグ用小分け器具は、一端側が回動可能に連結された下部材3と上部材5からなり他端に下部材3と上部材5を着脱可能に連結する係合部を有してなるクリップ部材7と、下部材3と嵌合する切欠き部23を有すると共に下部材3と交差方向に配置される仕切り部材9を備え、クリップ部材7は、上部材5の下面側に軸線方向に伸びる溝部17が形成され、下部材3には溝部17に挿入可能な凸条部11が形成され、クリップ部材7を閉じると凸条部11が溝部17に挿入可能になっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離乳食等の柔らかい食品をフリーザーバッグに入れて冷凍する際に用いるものであって、冷凍した食品を小分けできるようにするフリーザーバッグ用小分け器具ものである。
【背景技術】
【0002】
離乳食、カレー、ホワイトソース等の柔らかい食材を冷凍保存する場合、一般に、市販のフリーザーバッグに入れ冷蔵庫等で保存する。これら冷凍した食材を解凍する際、従来、使用する分量に関係なく、フリーザーバッグ全体をそのまま解凍していたため、不要な分を廃棄したり、再度冷凍しなおしたりする等、不経済であった。
そこで、必要な分だけを解凍できるように、冷凍する際に割線をつける器具が用いられている。割線をつけることで、冷凍した食材を手で容易に割ることができ、必要な分のみを取り出すことができる。
【0003】
このような冷凍した食品に割線をつける器具として例えば、特許文献1に開示されるフリージングパック仕切りクリップ棒がある。特許文献1の図面を参照すると、特許文献1に記載のクリップ棒は、一端側が回動可能で他端側を留め具で固定するクリップ棒2本で構成され、その使用方法に関し、特許文献1には次のように記載されている。「フリージングパックに冷凍保存したい食材を入れ、自由自在に動かせる様に固定している片方の端を持ち、フリージングパックに書かれている線の等分したい箇所にクリップ棒の下部を下方から等分したい分だけ、クリップ棒の下部にある凹み部分を凹み部分同士結合させる。下部が決まれば上部を挟み込みもう片方の端を留め具で固定させる。上部にも凹み部分があるので、順に留め具で固定する。食材をしようする際には、クリップ棒をすべて外し、クリップ棒をしていていた部分が薄くなっている為、簡単に手で割ることが出来るので必要量を使用する事が可能となる」(特許文献1の段落[0009]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3154808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された器具は、独立した2本のクリップ棒のそれぞれの端部を留め具で止めるため、各クリップ棒について留め具で留める作業が必要となり、煩雑であり使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、使い勝手のよいフリーザーバッグ用小分け器具を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るフリーザーバッグ用小分け器具は、一端側が回動可能に連結された下部材と上部材からなり他端に前記下部材と上部材を連結する係合部を有してなるクリップ部材と、前記下部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記下部材と交差方向に配置される仕切り部材を備え、
前記クリップ部材は、前記上部材の下面側に軸線方向に伸びる溝部が形成され、前記下部材には前記溝部に挿入可能な凸条部が形成され、前記クリップ部材を閉じると前記凸条部が前記溝部に挿入可能になっていることを特徴とするものである。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記クリップ部材における下部材の下部にはクリップ部材を安定載置するための台部が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記仕切り部材には複数の切欠き部を備え、複数のクリップ部材と嵌合可能になっていることを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記クリップ部材には、前記仕切り部材と嵌合可能な嵌合部が複数箇所に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
(5)本発明に係るフリーザーバッグ用小分け器具は、一端側が回動可能に連結された下部材と上部材からなり他端に前記下部材と上部材を連結する係合部を有してなるクリップ部材と、前記下部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記下部材と交差方向に配置されて前記下部材に取付可能な下仕切り部材と、前記上部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記上部材と交差方向に配置されて前記上部材に取付可能な上仕切り部材とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記下仕切り部材には複数の切欠き部を備え、複数のクリップ部材の下部材と嵌合可能になっており、
前記上仕切り部材には複数の切欠き部を備え、複数のクリップ部材の上部材と嵌合可能になっていることを特徴とするものである。
【0013】
(7)また、上記(5)又は(6)に記載のものにおいて、前記クリップ部材の下部材には、前記下仕切り部材と嵌合可能な嵌合部が複数箇所に設けられ、前記クリップ部材の上部材には、前記上仕切り部材と嵌合可能な嵌合部が複数箇所に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るフリーザーバッグ用小分け器具は、一端側が回動可能に連結された下部材と上部材からなり他端に前記下部材と上部材を連結する係合部を有してなるクリップ部材と、前記下部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記下部材と交差方向に配置される仕切り部材を備え、
前記クリップ部材は、前記上部材の下面側に軸線方向に伸びる溝部が形成され、前記下部材には前記溝部に挿入可能な凸条部が形成され、前記クリップ部材を閉じると前記凸条部が前記溝部に挿入可能になっているので、フリーザーバッグを略等分するための載置が容易であり、かつクリップ部材を閉じるだけでセットができるので、使い勝手に極めて優れているという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態におけるフリーザーバッグ用小分け器具の説明図であり、クリップ部材を開いた状態を示している。
【図2】図1に示したフリーザーバッグ用小分け器具を構成する各部品の説明図である。
【図3】図1に示したフリーザーバッグ用小分け器具の説明図であり、クリップ部材を閉じた状態を示している。
【図4】図1に示したフリーザーバッグ用小分け器具にフリーザーバッグを載置する際の配置関係を示した図である。
【図5】図1に示したフリーザーバッグ用小分け器具の使用状態を説明する説明図である。
【図6】図1に示したフリーザーバッグ用小分け器具の他の組み合わせ態様を示した図である。
【図7】本発明の他の実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具の説明図であり、クリップ部材を開いた状態を示している。
【図8】図7に示したフリーザーバッグ用小分け器具を構成する各部品の説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具の説明図であり、クリップ部材を閉じた状態を示している。
【図10】図7に示したフリーザーバッグ用小分け器具の他の組み合わせ態様を示した図である。
【図11】図1に示したフリーザーバッグ用小分け器具の六面図を示した図である。
【図12】図7に示したフリーザーバッグ用小分け器具の六面図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施の形態1〕
本実施の形態1にかかるフリーザーバッグ用小分け器具1を図に基づいて説明する。
フリーザーバッグ用小分け器具1は、棒状の下部材3と上部材5からなり、下部材3と上部材5は一端が回動可能に連結され、他端の係合部で係合するクリップ部材7(図2(a)参照)と、クリップ部材7の下部材3の下嵌合部19と交差方向に係合する仕切り部材9(図2(b)参照)からなる。
図1にはフリーザーバッグを6分割する態様のものが示されているが、これを構成する最小単位の部材が図2に示されている。
【0017】
<クリップ部材>
クリップ部材7は、棒状の下部材3と上部材5からなり、下部材3と上部材5は一端が回動可能に連結されている。
下部材3と上部材5を回動可能に連結する方法は特に限定されないが、本例では水平方向に伸びる棒状の軸片を回転軸として枢着する例が示されている。なお、回動部は、クリップ部材7を開いたときに開いた状態の任意の角度で保持できるように角度保持可能な構造にしてもよい。このようにすることで、フリーザーバッグを載置する際に上部材5が閉じないように保持する必要がなくなり、使い勝手がよりよくなる。
【0018】
下部材3の上面側には軸線方向に伸びる凸条部11が形成されている。また、下部材3の回動側とは反対の先端には係止部13が形成されている。係止部13は側面下部から長手方向に伸びその後上向きに湾曲して伸びる略U字の形状を天地逆にしたような形状をしている。係止部13は弾性を有する素材で形成され、前記湾曲部は撓むことができる。
【0019】
また、下部材3の側面下部には、下部材3の幅方向に広がるように台部15が形成されている。台部15の上面は、クリップ部材7を閉じる際に上部材5と当接し、上部材5の回動の際のストッパーとしての機能を有している。また、台部15はクリップ部材7をテーブル等に載置する際に安定させる機能も有している。また、下部材3の載置面に台部15を設けることにより、台部15が設けられた面がテーブルに載置する面であるこということが使用者に直感的にわかりやすく、このため使用時の取扱いが簡便となる。
また、下部材3の凸条部11の中央には、仕切り部材9と交差方向に嵌合するための下嵌合部19が設けられている。
【0020】
上部材5には、クリップ部材7を閉じる際に凸条部11が挿入可能な溝部17が上部材5の下面に軸線方向に伸びるように形成されている。
上部材5の先端にはクリップ部材7を開閉操作するための操作部10が設けられており、操作部10には親指と人差し指で把持しやすいようにくぼみ部12が設けられている。操作部10の先端面には、下部材3の係止部13に係止するテーパ状の係合部14が設けられている。クリップ部材7を閉じる際に、係合部14のテーパ面は、下部材3の係止部13と当接して係止部13を撓ませ、係止部13がテーパ面を乗り越えてテーパ面の上の緩やかな傾斜面に係止する。つまり、クリップ部材7を閉じるだけで係合部14が係止部13に係止する。
【0021】
上部材5の中央には、下部材3に仕切り部材9を取り付けた状態でクリップ部材7を閉じたときに、仕切り部材9の上端が挿入可能な上嵌合部21が設けられている。なお、クリップ部材7を閉じる際に、フリーザーバッグ41を挟み込めるように、上嵌合部21は余裕を持った大きさに形成されており、また挟み込まれるフリーザーバッグ41が破れないように上嵌合部21の角は丸めてある。
【0022】
クリップ部材7を閉じると、下部材3の凸条部11が上部材5の溝部17に挿入され、溝部17の縁と台部15の上面が当接する。
【0023】
<仕切り部材>
仕切り部材9は板状体から成り、下部材3の下嵌合部19と嵌合することで下部材3に取り付けられる。取り付けられた状態では、図1に示すように、クリップ部材7に対して垂直となる。
仕切り部材9の下面には3か所の略コ字状の同一形状の切欠きを有し、切欠きは中央に1か所(切欠き部23)とその両側に1か所ずつ(切欠き部25)設けられている。また、仕切り部材9の上面における切欠き部23と対応する位置には切欠き部27が形成されている。また、仕切り部材9の上面における切欠き部25と対応する位置にはくびれ部29が形成されている。切欠き部27とくびれ部29の最下部の上面は同じ高さに設定されている。また、仕切り部材9の切欠き部25を下部材3の下嵌合部19に嵌合させると、くびれ部29の上面と下部材3の凸条部11の上面が略同一となる。
また、フリーザーバッグ41を載置する際に、くびれ部29によって内容物に滑らかな割線をつけることができる。
【0024】
以下、フリーザーバッグ41に入った離乳食を6分割する使用方法について説明する。
フリーザーバッグ41は一般的なMサイズ(容量700ml〜800ml)を用い、中に入れる離乳食は300ml程度とする。内容物となる離乳食はミルク粥などの液状のものとする。以下、使用方法について工程順に番号を付して説明する。
【0025】
1.クリップ部材7を開いて、クリップ部材7の2つの台部15と下部材3がなす面が下になるようにテーブル上の2つ平行に載置する。
【0026】
2.2つのクリップ部材7における各下部材3に仕切り部材9を略直交するように配置して、下嵌合部19と切欠き部25を嵌合させて組み合わせる。(図1を参照)。
【0027】
3.組み合わせた下部材3と仕切り部材9の上にフリーザーバッグ41を載置する。このときフリーザーバッグ41のジップ部45がクリップ部材7に挟まれないように、ジップ部45がクリップ部材7に平行になるように載置する(図4を参照)。ジップ部45は比較的固いために、クリップ部材7を閉じる際に、余計な力が必要になる上、ジップ部45やクリップ部材7を破損してしまう可能性があるからである。
【0028】
フリーザーバッグ41を下部材3と仕切り部材9の上に載置する際、前記組み合わせた下部材3と仕切り部材9が定規として機能し、6等分の目安とすることができる。そのため、使用者はフリーザーバッグ41を単に置くだけで約6等分にすばやくすることができるという効果がある。
また、組み合わせた下部材3と仕切り部材9が安定してテーブル等に載置されているため、使用者は両手が自由となる。このため、内容物が偏っている場合など使用者は両手を使って内容物を均等に均したりすることができる。
このように、本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具1を用いることで、手間なく内容物を約6等分することができる。
【0029】
4.クリップ部材7を閉じる(図5を参照)。
クリップ部材7を閉じると、フリーザーバッグ41における下部材3の凸条部11に載置されている部位が溝部17の縁によって台部15の上面まで押し下げられ、溝部17の縁と台部15によって挟まれる。この押し下げによって台部15の上方にあった内容物はクリップ部材7の両側に押しやられ、これによって内容物にはクリップ部材7の軸方向の割筋が付けられる。
また、フリーザーバッグ41が溝部17の縁によって台部15の上面まで押し下げられると、フリーザーバッグ41における仕切り部材9上に載置されている部位は相対的に仕切り部材9によって押し上げられ、これによって内容物は仕切り部材9によって滑らかな割筋が付けられる。つまり、仕切り部材9は上下からフリーザーバッグ41を挟み込むものではないが、クリップ部材7の機能と共同することで、単一の部材でありながら内容物に対して割筋をつけることができる。
フリーザーバッグ41においてジップ部45がある方を上とみなすと、内容物はクリップ部材7によって上下に3分割され、3分割されたものが左右に2分割されて6分割されることになる。
【0030】
5.冷凍する。
フリーザーバッグ41をフリーザーバッグ用小分け器具1で挟んだ状態で冷凍する。
固まった内容物を割筋に沿って割ったり、フリーザーバッグ41から取り出したりする場合、少し解凍してからが行うのが好ましい。冷蔵庫から取り出した直後は、内容物にフリーザーバッグ41が張り付いているため、力を加えるとフリーザーバッグ41が破れてしまう可能性があるためである。
【0031】
以上のように本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具1によれば、フリーザーバッグ41を略等分するための載置が容易であり、かつクリップ部材7を閉じるだけでセットができるので、使い勝手に極めて優れているという効果がある。
また、本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具1は仕切り部材9が上下の組みではなく単一であることから部品点数を少なくできるという効果がある。
【0032】
なお、上記の例では、クリップ部材7を2つと仕切り部材9を1つ用いた組み合わせについて説明したが、図6に示すフリーザーバッグ用小分け器具2のように、クリップ部材7と仕切り部材9を1つずつ用いて、下嵌合部19と切欠き部23を嵌合させるように組み合わせることで、内容物を4等分にすることができる。また、クリップ部材7のみを用いれば、内容物を2分割にすることができる。さらに、クリップ部材7と仕切り部材9の数は特に限定されず、一例を挙げればクリップ部材7を2つと仕切り部材9を2つという組合せでもよいし、あるいはクリップ部材7を1つに仕切り部材9を2つという組合せでもよい。
【0033】
なお、本実施の形態に係るフリーザーバッグ用小分け器具1の形状を正確に示すために、図11に本実施の形態の6面図及び矢視断面図を示してある。図11(a)は右側面図、図11(b)は正面図、図11(c)は左側面図、図11(d)は背面図、図11(e)は平面図、図11(f)は底面図、図11(g)は図11(f)中のA−A矢視断面を示す。
【0034】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2にかかるフリーザーバッグ用小分け器具51を図に基づいて説明する。図中に実施の形態1と同じものを示す場合は同じ符号を付してある。
図7はフリーザーバッグを6分割する態様のものが示されているが、これを構成する最小単位の部材が図8に示されている。
まず、図8に基づいて本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具51について説明する。
【0035】
本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具51は、一端側が回動可能に連結された下部材53と上部材55からなり他端に前記下部材と上部材を連結する係合部71を有してなるクリップ部材57と、下部材53と嵌合する下切欠き部67を有すると共に下部材53と交差方向に配置されて下部材53に取付可能な下仕切り部材59と、上部材55と嵌合する上切欠き部69を有すると共に上部材55と交差方向に配置されて上部材55に取付可能な上仕切り部材61とを備えてなる。
各構成をさらに詳細に説明する。
【0036】
<クリップ部材>
クリップ部材57は、一端側が回動可能に連結された下部材53と上部材55からなる。上部材55と下部材53を回動可能に連結する方法は特に限定されないが、本例では下部材53と上部材55が樹脂ヒンジによって連結されたものを示している。
【0037】
下部材53は、略コ字状の断面をもつ棒状体からなり、略コ字状の開口側が下面、すなわちテーブルに対する載置面になる。
下部材53の上面側中央に下仕切り部材59の下切欠き部67と嵌合するための略コ字状の下嵌合部63を有している。
また、下部材53の先端上部には凸状の係合部71が形成されている。
【0038】
上部材55は、下部材53と同様に略コ字状の断面を有する棒状体からなり、略コ字状の開口側が上側になっている。また、上部材55の下面側中央に上仕切り部材61の上切欠き部69と嵌合するための略コ字状の上嵌合部65を有している。
上部材55の先端には、下部材53の係合部73に係止する係止部71が形成されている。係止部71は、図8に示されるように、略U字状をした弾性を有する素材にて形成されている。このため、クリップ部材57を閉じるだけで、係合部73が係止部71に係止する。
【0039】
<下仕切り部材>
下仕切り部材59は略コ字状の断面をもつ棒状体から成り、この略コ字状の開口側が下面側となり、下面側には下部材53の下嵌合部63と嵌合する下切欠き部67が3カ所に形成されている。
下切欠き部67を下嵌合部63に嵌合させて下仕切り部材59を下部材53に取り付けると、図7に示すように、下部材53の上面と下仕切り部材59の上面が略面一となる。
【0040】
<上仕切り部材>
上仕切り部材61は、下仕切り部材59と同様に略コ字状の断面をもつ棒状体から成り、この略コ字状の開口側が上面側となり、上面側には上部材55の上嵌合部65と嵌合する上切欠き部69が3カ所に形成されている。
上切欠き部69を上嵌合部65に嵌合させて上仕切り部材61を上部材55に取り付けると、図10に示すように、上部材55の下面と上仕切り部材61の下面が略面一となる。
【0041】
なお、下仕切り部材59と上仕切り部材61は同一の形状であるから、部品点数を少なくできるという効果がある。
【0042】
次に本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具51を用いてフリーザーバッグ41(図4、図5参照)に入った離乳食を6等分する使用方法について説明する。
フリーザーバッグ41、内容物は実施の形態1と同様とする。以下、使用方法を工程順の番号を付して説明する。
【0043】
1.クリップ部材57を開いて、クリップ部材57の下部材53をテーブル等に2つ平行に載置する。
【0044】
2.下部材53に下仕切り部材59を上から交差させるように配置し、下嵌合部63に下切欠き部67を嵌合させて組み合わせる(図7参照)。
また、上部材55に上仕切り部材61を下から交差させるように配置し、上嵌合部65と上切欠き部69を嵌合させて組み合わせる(図7参照)。
【0045】
3.組み合わせた下部材53と下仕切り部材59の上にフリーザーバッグ41を載置する。このときのフリーザーバッグ41の載置方法は実施の形態1と同様である。
また、フリーザーバッグ41を載置する際の定規としての機能やこれに基づく利点については実施の形態1と同様である。
【0046】
4.クリップ部材57を閉じる(図9参照)。
クリップ部材57を閉じると、フリーザーバッグ41は下部材53と上部材55、下仕切り部材59と上仕切り部材61の対向する面によって挟まれて押圧される。押圧されることで、当該部分にあった内容物は当該部位の両側に押しやられ、これによって内容物に割筋が付けられる。
なお、本実施の形態では、仕切り部材が下仕切り部材59と上仕切り部材61の一対からなり、これらでフリーザーバッグ41を挟むようにしているので、リップ部材57で挟まれる側と同じ割筋をつけることができる。
【0047】
5.冷凍する。
フリーザーバッグ41をフリーザーバッグ用小分け器具51で挟んだ状態で冷凍する。
解凍時の作業等は実施の形態1と同様である。
【0048】
以上のように本実施の形態のフリーザーバッグ用小分け器具51によれば、フリーザーバッグ41へのセットが極めて円滑かつ簡易に行うことができるという効果がある。
【0049】
なお、上記の例では、クリップ部材57を2つと下仕切り部材59及び上仕切り部材61を各1つ用いた組み合わせについて説明したが、図10に示すフリーザーバッグ用小分け器具52のように、クリップ部材57を1つと下仕切り部材59及び上仕切り部材61を各1つ用いた組み合わせることで、内容物を4等分にすることができる。また、クリップ部材57のみを用いれば、内容物を2分割にすることができる。さらに、クリップ部材57と下仕切り部材59及び上仕切り部材61の数は特に限定されず、一例を挙げればクリップ部材57を2つと下仕切り部材59及び上仕切り部材61の組みを2つという組合せでもよいし、あるいはクリップ部材57を1つに下仕切り部材59及び上仕切り部材61の組みを2つという組合せでもよい。
【0050】
なお、本実施の形態に係るフリーザーバッグ用小分け器具51の形状を正確に示すために、図12に本実施の形態の6面図及び矢視断面図を示してある。図12(a)は右側面図、図12(b)は正面図、図12(c)は左側面図、図12(d)は背面図、図12(e)は平面図、図12(f)は底面図、図12(g)は図12(f)中のB−B矢視断面を示す。
【0051】
また、実施の形態1、2では、フリーザーバッグがMサイズに合わせたサイズであったが、フリーザーバッグのサイズにクリップ部材と仕切り部材のサイズを合わせれば、より大きなフリーザーバッグにも問題なく適応できる。またこの際、クリップ部材7と仕切り部材9の組合せや、クリップ部材57と下仕切り部材59及び上仕切り部材61の組合せを適宜変更して8分割用、10分割用などとしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 フリーザーバッグ用小分け器具
2 フリーザーバッグ用小分け器具
3 下部材
5 上部材
7 クリップ部材
9 仕切り部材
10 操作部
11 凸条部
12 くぼみ部
13 係止部
14 係合部
15 台部
17 溝部
19 下嵌合部
21 上嵌合部
23 切欠き部
25 切欠き部
27 切欠き部
29 くびれ部
41 フリーザーバッグ
45 ジップ部
51 フリーザーバッグ用小分け器具
52 フリーザーバッグ用小分け器具
53 下部材
55 上部材
57 クリップ部材
59 下仕切り部材
61 上仕切り部材
63 下嵌合部
65 上嵌合部
67 下切欠き部
69 上切欠き部
71 係合部
73 係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側が回動可能に連結された下部材と上部材からなり他端に前記下部材と上部材を連結する係合部を有してなるクリップ部材と、前記下部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記下部材と交差方向に配置される仕切り部材を備え、
前記クリップ部材は、前記上部材の下面側に軸線方向に伸びる溝部が形成され、前記下部材には前記溝部に挿入可能な凸条部が形成され、前記クリップ部材を閉じると前記凸条部が前記溝部に挿入可能になっていることを特徴とするフリーザーバッグ用小分け器具。
【請求項2】
前記クリップ部材における下部材の下部にはクリップ部材を安定載置するための台部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のフリーザーバッグ用小分け器具。
【請求項3】
前記仕切り部材には複数の切欠き部を備え、複数のクリップ部材と嵌合可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のフリーザーバッグ用小分け器具。
【請求項4】
前記クリップ部材には、前記仕切り部材と嵌合可能な嵌合部が複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフリーザーバッグ用小分け器具。
【請求項5】
一端側が回動可能に連結された下部材と上部材からなり他端に前記下部材と上部材を連結する係合部を有してなるクリップ部材と、前記下部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記下部材と交差方向に配置されて前記下部材に取付可能な下仕切り部材と、前記上部材と嵌合する切欠き部を有すると共に前記上部材と交差方向に配置されて前記上部材に取付可能な上仕切り部材とを備えてなることを特徴とするフリーザーバッグ用小分け器具。
【請求項6】
前記下仕切り部材には複数の切欠き部を備え、複数のクリップ部材の下部材と嵌合可能になっており、
前記上仕切り部材には複数の切欠き部を備え、複数のクリップ部材の上部材と嵌合可能になっていることを特徴とする請求項5記載のフリーザーバッグ用小分け器具。
【請求項7】
前記クリップ部材の下部材には、前記下仕切り部材と嵌合可能な嵌合部が複数箇所に設けられ、前記クリップ部材の上部材には、前記上仕切り部材と嵌合可能な嵌合部が複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載のフリーザーバッグ用小分け器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−39955(P2013−39955A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179244(P2011−179244)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000107066)株式会社リッチェル (77)
【Fターム(参考)】