説明

フレーム同期回路

【目的】 正規位置以外での同期パターンの検出が混在する状況下においても短時間に同期を獲得できるようにする。
【構成】 同期パターン検出部1から同期パターン検出信号S4 が与えられる毎にフレーム同期モジュール2a,2b,2cの順に同期獲得動作を起動し、最初に同期を獲得したモジュールからの信号をゲート回路4を通じてフレーム同期回路全体の同期確立信号S10として出力する。単一のモジュールを用いた場合には、先の同期パターンが正規の位置で検出されたものでないと分かってから更に次の同期パターンに対する同期獲得動作を続行する以外になかったものが、複数のモジュールにより同期獲得動作を並行して進めることができるようになり、無駄な待ち時間を節約して、短時間で同期の獲得ができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報をフレーム化して伝送する通信装置に用いられるフレーム同期回路に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、情報をフレーム化して伝送する通信装置では、送信側と受信側の間で送信の開始点と受信の開始点を一致させるためにフレーム同期回路を用いて伝送フレームの同期をとるようにしている。
【0003】図3は、この種の従来のフレーム同期回路の一般的構成を示す回路図であり、同期パターン検出部1、フリップフロップ21-4,21-5、ゲート22-5〜22-8、フレームカウンタ23、同期保護カウンタ24が具備されている。
【0004】また、図4は、このフレーム同期回路によって監視される伝送フレームの一形式を示したものであり、当該フレーム同期回路の検出対象である同期パターンと伝送データとを含む構成を有している。
【0005】更に、図5は、このフレーム同期回路の同期獲得動作に係る状態遷移図を示しており、前方保護、ハンティング、後方保護の各状態を経て同期確立の状態に至る様子を表している。以下に、これら図3、図4及び図5を参照しながら従来のフレーム同期回路の動作を説明する。
【0006】図3において、このフレーム同期回路には、まず始めに、リセット信号S3 が入力され、フレームカウンタ23、同期保護カウンタ24、フリップフロップ21-4,21-5がリセットされる。この時のフレーム同期回路の状態は、図5に示すハンティングの状態である。
【0007】リセット信号S3 の解除後、フリップフロップ21-4は同期パターン検出部1から出力される同期パターン検出信号S4 の入力待ちの状態となる。この同期パターン検出信号S4 は、データ信号S1 としてのデータ列の中に、図4に示す構成のフレーム中の同期パターンと同じデータ配列のものが存在した時に同期パターン検出部1が出力する信号である。
【0008】この同期パターン検出信号S4 がゲート22-5を通ってフリップフロップ21-4に入力されると、その出力端子Qよりリセット信号が出力し、これがフレームカウンタ23に与えられてそのリセット状態が解除される。フレームカウンタ23にはビットクロック信号S2 が入力されており、上記リセット解除後にその入力クロック信号をカウントすることによって、このフレームカウンタ23から1フレーム間隔毎にフレーム同期パルスS91が出力されることになる。この時のフレーム同期回路の状態は、図5に示すハンティングの状態から後方保護の状態に遷移した状態である。
【0009】フレーム同期パルスS91は同期保護カウンタ24へ入力されると同時に、ゲート22-7にも入力される。この時のゲート22-7の出力は、ゲート22-6を通ってフリップフロップ21-4,21ー5のそれぞれのリセット端子へ入力され、更にゲート22-8を通って同期保護カウンタ24のクリア端子にも入力される。
【0010】ここで、ビットクロック信号S2 がフレームカウンタ23に1フレ−ム長のビット数だけ入力されて、フレーム同期パルスS91が出力される時の更に詳しい動作をついて考察してみる。
【0011】すなわち、この動作に際し、フレームカウンタ23のリセット解除に利用された同期パターン検出信号S4 の出力位置が、図4に示す構成のフレーム中の正しい同期パターンの位置であったならば、データ信号S1 に誤りがない限りそれ以後も同期パターンは周期的に現れるため、フレーム同期パルスS91の出力位置では同期パターン検出信号S4 が必ず出力されることになる。
【0012】この状態では、同期パターン検出信号S4 がゲート22-7のゲート入力信号となって、フレーム同期パルスS91の信号はゲート22-7で止められるため、フレームカウンタ23、同期保護カウンタ24、フリップフロップ21-4,21-5はリセットされないままの状態を維持する。従って、この時、同期保護カウンタ24ではフレーム同期パルスS91によりそのカウント値が1つインクリメントされる。この時のフレーム同期回路の状態は図5に示す後方保護の状態である。
【0013】データ信号S1 に誤りがない状態が続くと、同期保護カウンタ24の値が更にインクリメントされ、やがて設定値に達する。すると、同期保護カウンタ24から出力される信号によりフリップフロップ21-5がセットされ、同期が獲得できたことを指す同期確立信号S101 が出力される。この時のフレーム同期回路の状態は図5に示す同期確立の状態である。
【0014】次に、フレームカウンタ23のリセット解除に利用された同期パターン検出信号S4 が、図4に示す構成のフレーム中の正しい同期パターンの位置で出力されなかった場合の動作について考察する。
【0015】この動作状態は、同期パターンの位置以外でのビット列がたまたま同期パターンと同じになった時に起こり得るものである。この場合は、フレーム同期パルスS91の出力位置で同期パターン検出信号S4 が出力されるのはデータの並び方によるため確率的でしかない。つまり、偶然、フレーム同期パルスS91の出力位置で同期パターン検出信号S4 が出力されることはあっても、それが同期確立状態になるまで続けて起きる確率は極めて小さいと言える。
【0016】そのため、同期確立状態になる前にフレーム同期パルスS91の出力位置で同期パターン検出信号S4 が出力されないことが発生する。そうすると、フレーム同期パルスS91の信号はゲート22-7で止められないので、フレームカウンタ23、同期保護カウンタ24、フリップフロップ21-4,21-5がリセットされることになり、再び初期状態(図4に示すハンティングの状態)に戻り、始めから同期獲得動作をやり直すことになる。
【0017】以上説明したように、このフレーム同期回路ではハンティング状態にある時はデータ信号S1 上に同期パターンが現れた時点で動作を開始するが、一度同期パターンを検出して後方保護状態に移った後は、1フレ−ム長間隔の位置でしか同期パターンの存在の有無の判断を行なわないようになっている。そのため、ハンティング状態にある時に最初に同期パターンを検出して同期パターン検出信号S4 を出力した位置が正しい同期パターンの位置であれば問題はないが、同期パターンの位置以外でのビット列がたまたま同期パターンと同じようになって出力された場合は、その同期パターンを検出した位置が正しい同期パターンの位置でないと判断されるまでの1フレーム期間は、データ信号S1 上に正しい位置での同期パターンが到来してもこの回路を動作させることができず、その分だけ同期を獲得するまでに余計に時間がかかることになった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来のフレーム同期回路では、同期パターンを検出して一旦後方保護状態に移った後は、1フレーム長の時間間隔で同期パターンの存在の有無を認識して同期がとれたか否かの信号を出力するようにしていたため、ハンティング状態にある時に、たまたま同期パターンと同じようなビット列が現れ、これが同期パターンとして検出されて同期獲得動作に入ってしまった時、これが正しい位置での同期パターンの検出ではないと判断されるまでの1フレーム期間中は、たとえその間にデータ信号上に正しい位置での同期パターンが現れても同期獲得動作に入ることができず、上記1フレーム期間経過時点で正しい同期パターンでなかったことを認識してから改めて同期獲得動作をやり直さなければならないことから、同期獲得までの時間が長くかかるという問題点があった。
【0019】本発明はこの問題点を除去し、全ての同期パターンの検出に対してその検出時点で直ちに同期獲得動作を開始でき、正規位置以外での同期パターンの検出が混在する状況下においても正規位置の同期パターンを迅速に捕捉してできるだけ短時間に同期獲得を実現するフレーム同期回路を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のフレーム同期回路は、フレーム化されて送られてくるデータ列の中に含まれるフレーム同期パターンを検出する同期パターン検出手段と、同期パターンの検出後、1フレーム期間経過後に再び同期パターンが検出された時に同期が獲得されたことを指す同期確立信号を出力する機能モジュールによって構成され、各々がそれぞれ異なるタイミングにおける前記フレーム同期パターンの検出に対して順に同期獲得動作を開始するように制御される複数のフレーム同期検出手段と、該フレーム同期検出手段の中から最初に出力された同期確立信号をフレーム同期回路全体の同期確立信号として選択する出力選択手段とを具備して構成される。
【0021】
【作用】本発明では、同期パターン検出部から出力される同期パターン検出信号によりフレーム同期をとるフレーム同期検出手段を複数設けると共に、各フレーム同期検出手段を、前記同期パターン検出信号が出力される度に順に動作させるように制御し、その中で最初にフレーム同期がとられたフレーム同期検出手段からの同期確立信号を選択して出力するようにしている。
【0022】この本発明の構成によれば、最初のフレーム同期検出信号によりあるフレーム同期検出手段が動作開始した後、1フレーム分の時間経過前に引き続き同期パターン検出信号が出力された場合も、この新たなフレーム同期検出信号に対して別のフレーム同期検出手段を動作させることによって、2つ以上の同期パターンに関する同期獲得処理を並行して実施できる。
【0023】単一のフレーム同期検出手段しか持たないこの種の従来回路では、この回路が一旦同期獲得動作に入った後は1フレーム分の時間を経ないと次の動作に移ることができず、この1フレーム分の時間経過時点でフレーム同期が得られなかった場合には更に同じ動作を継続しなければならなかったが、同期獲得処理を並行して行えるようにした本発明回路によれば、この種の時間のロスを解消して、同期獲得までの時間を大幅に短縮化できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るフレーム同期回路の一実施例を示す回路図であり、同期パターン検出部1から出力される同期パターン検出信号S4 によりフレーム同期をとる機能回路として、3つのフレーム同期モジュール2a,2b,2cが設けられている。その他の構成要素として、この回路には、フレーム同期モジュール2a,2b,2cの各々から出力されるフレーム同期パルスS7a,S7b,S7cの中の1つをこの回路全体のフレーム同期パルスS9 として選択するセレクタ3が備わっている。また、この回路には、ゲート4と、ゲート5-1及び5-2が設けられ、このうち、特に、ゲート4は、フレーム同期モジュール2a,2b,2cの各々から出力される同期確立信号S8a,S8b,S8cの中から1つをこの回路全体の同期確立信号S10として選択出力する機能回路である。
【0025】次に、このフレーム同期回路の動作について説明する。まず、始めに、この回路には、リセット信号S3 が入力され、フレーム同期モジュール2a,2b,2cがリセットされる。リセット信号S3 の解除後、制御信号(入力)S5aの入力を受けるフレーム同期モジュール2aのみが同期パターン検出部1から出力される同期パターン検出信号S4 の入力待ちの状態となる。
【0026】この時、フレーム同期モジュール2b,2cに対してはゲート5-1,5-2を通って入力する制御信号(入力)S5b,S5cが動作禁止を示す信号内容となっており、これにより、当該時点で動作を行なうことができるのはフレーム同期モジュール2aのみとなる。
【0027】同期パターン検出信号S4 の入力後、フレーム同期モジュール2aは同期を獲得する動作に移る。ここで、同期パターン検出信号S4 の出力された位置が正しい同期パターンの位置であれば、フレーム同期モジュール2aの同期を獲得する動作のみが引き続き行なわれる。
【0028】これに対して、同期パターン検出信号S4 の出力された位置が正しい同期パターンの位置でなかった場合(データ信号S1 のデータ列が同期パターンと一致するような場合)、次に正しい位置の同期パターンの検出により同期パターン検出信号S4 が出力されるのは上述した同期獲得動作の開始後、1フレーム分のデータが流れ過ぎる前のタイミングとなる。
【0029】この場合、フレーム同期モジュール2aは既に動作中であるが、フレーム同期モジュール2bに対してはゲート5-1を通して動作許可を指示する内容の制御信号(入力)S56が入力されるため、フレーム同期モジュール2bは同期を獲得する動作に移行する。
【0030】一方、フレーム同期モジュール2cに対してはゲート5-2を通して、引き続き動作禁止を指示する内容の制御信号(入力)S5cが入力されており、ここで動作を行なうことができるのはフレーム同期モジュール2bのみに制限される。
【0031】このように、本発明では、同期パターン検出信号S4 の出力位置が以前に出力された位置に対してフレーム長の整数倍になっていない時は、次段のフレーム同期モジュールを順に動作開始させるような構成となっている。
【0032】それぞれのフレーム同期モジュール2a,2b,2cから出力されているフレーム同期パルスS7a,S7b,S7cと同期確立信号S8a,S8b,S8cはセレクタ3に入力されており、一番早くに同期確立状態となったフレーム同期モジュールからのフレーム同期パルスがフレーム同期回路全体としてフレーム同期パルスS9として出力される。更に、同期確立信号S8a,S8b,S8cはゲート4にも入力されており、このゲート4の出力がフレーム同期回路全体としての同期確立信号S10として出力される。次に、この回路の動作をより理解し易いものとするために、各フレーム同期モジュール2a,2b,2cの動作を詳述する。
【0033】一例として、図2には、図1の回路に含まれるフレーム同期モジュール2aの詳細な回路図を示している。このフレーム同期モジュール2aは、前段の回路から入力する制御信号(この例では、同期パターン検出部1から与えられる制御信号S5a)を受け取るフリップフロップ21-1を持ち、かつフレームカウンタ23の出力を制御信号(出力)S61として次段の回路に出力する信号経路を有する以外は図3に示した従来のフレーム同期回路と同等の構成であると考えて良い。但し、フリップフロップやゲートに関してはそれぞれ対応する機能回路であっても図2と図3とでは異なった符号を用いている。
【0034】このフレーム同期モジュール2aに対し、まず、始めに、リセット信号S3 が入力され、これによりフレームカウンタ23、同期保護カウンタ24、フリップフロップ21-1,21-2,21-3がリセットされる。この時のフレーム同期回路の状態は、図5に示すハンディングの状態である。
【0035】リセット信号S3 の解除後、フリップフロップ21-1に制御信号(入力)S5aが入力されると、その出力端子Qからの出力信号によりゲート22-1が出力可能に制御される。この状態で、同期パターン検出信号S4 が出力された場合、この同期パターン検出信号S4 はゲート22-1を通ってフリップフロップ21-2に入力されることになる。
【0036】同期パターン検出信号S4 は、図1に示す回路でデータ信号S1 上を流れているデータ列の中に、同期パターン(図4参照)と同じデータ配列のものが存在した時に同期パターン検出部1から出力される信号である。
【0037】同期パターン検出信号S4 がフリップフロップ21-2に入力すると、その出力端子Qよりリセット信号が出力し、これがフレームカウンタ23に与えられてそのリセット状態が解除される。フレームカウンタ23にはビットクロック信号S2 が入力されており、上記リセット解除後にその入力クロック信号をカウントすることによって、このフレームカウンタ23から1フレーム間隔毎にフレーム同期パルスS7aが出力されるようになる。この時のフレーム同期回路の状態は、図5に示すハンティングの状態から後方保護の状態に遷移した状態である。
【0038】このフレーム同期パルスS7aは同期保護カウンタ24へ入力されると同時に、ゲート22-3にも入力される。この入力に基づくゲート22-3の出力は、ゲート22-2を通ってフリップフロップ21-1,21-2,21-3の各リセット端子へ入力され、更にゲート22-4を通って同期保護カウンタ14のクリア端子にも入力される。また、フレーム同期パルスS7aは制御信号(出力)S61として、次段のフレーム同期モジュール2bに対して出力される。
【0039】ここで、フレームカウンタ23にビットクロック信号S2 が1フレーム長のビット数だけ入力されて、フレーム同期パルスS7aが出力される時の詳しい動作状態を考察する。
【0040】フレームカウンタ23のリセット解除に利用された同期パターン検出信号S4がフレーム(図4参照)中の正規の同期パターンの位置で出力された場合には、図1に示す回路中のデータ信号S1 に誤りがない限り同期パターンはその後も周期的に現れるため、フレーム同期パルスS7aの出力位置では同期パターン検出信号S4 が必ず出力されることになる。
【0041】この状態では、同期パターン検出信号S4 がゲート22-3のゲート入力信号となってフレーム同期パルスS7aは当該ゲート22-3で止められるため、フレームカウンタ23、同期保護カウンタ24、フリップフロップ21-1,21-2,21-3はリセットされないままとなり、フレーム同期パルスS7aで同期保護カウンタ24の値が1つインクリメントされる。この時のフレーム同期回路の状態は図5に示す後方保護の状態である。
【0042】また、この時、フレーム同期モジュール2aからは制御信号(出力)S61が出力されるため、次段以降のフレーム同期モジュール2b,2cに対しては制御信号(入力)S5b,S5cが与えられることはなく、同期パターン検出信号S4 が入力されてもこれらのフレーム同期モジュールは動作を開始しない。
【0043】データ信号S1 に誤りがない状態が続くと、同期保護カウンタ24の値が更にインクリメントされてやがて設定値に達する。すると、同期保護カウンタ24から出力される信号によりフリップフロップ21-3がセットされ、同期がとれたことを指す同期確立信号S8aが出力される。この時のフレーム同期回路の状態は図5R>5に示す同期確立の状態である。
【0044】この同期確立信号S8aは、図1に示す回路中のゲート4を通ってフレーム同期回路全体の同期確立信号S10として出力される。また、セレクタ3では、フレーム同期モジュール2aから入力されるフレーム同期パルスS7aを選択し、これをフレーム同期回路全体のフレーム同期パルスS9 として出力する。
【0045】次に、フレームカウンタ23のリセット解除に利用された同期パターン検出信号S4 が、伝送フレーム(図4参照)中の正規の同期パターンの位置以外での同期パターンの検出により発生した場合の動作状態について考察する。
【0046】この状態は、上記フレームの同期パターンの位置以外のビット列がたまたま同期パターンと同じパターンとして現れた時に起こり得るものである。この場合、フレーム同期モジュール2aのフレームカウンタ23では、フレーム同期パルスS7aが出力される前に、例えば、正規の同期パターンの位置で同期パターン検出信号S4 が続けて出力される状況が起こり得る。
【0047】この時、フレーム同期モジュール2aでは、フレームカウンタ23に入力するビットクロック信号S2 が1フレーム長のビット数に満たないために、フレーム同期パルスS7aすなわち制御信号(出力)S61が発生しない。これにより、フレーム同期モジュール2aから次段のフレーム同期モジュール2bに対してはゲート5-1を通って制御信号(入力)S5bが与えられ、直ちにこのフレーム同期モジュール2bが同期獲得動作を開始することになる。
【0048】ここで、フレーム同期モジュール2bを起動する同期パターン検出信号S4 がフレーム(図4参照)中の正規位置の同期パターンの検出に対応して入力したものである場合には、その後、1フレーム期間を経てこのフレーム同期モジュール2bにより同期が獲得されることになる。
【0049】しかしながら、このフレーム同期モジュール2bに対して同期パターン検出信号S4 が入力された位置も正規の同期パターンの位置でない時には、この同期パターン検出信号S4 の入力時点から上記同様の制御を経て更に次段のフレーム同期モジュール2cの動作が開始される。
【0050】このようにして、本発明では、異なる位置で出力された複数の同期パターン検出信号に対する同期獲得動作が並行して実施されることになる。この並行動作を行なっているフレーム同期モジュール2a,2b,2cの中で正規の同期パターンの位置で出力された同期パターン検出信号S4 によって動作を開始したモジュールだけが同期確立信号を出力することになり、これがゲート4によりフレーム同期回路全体の同期確立信号S10として選択される。
【0051】この種の単一のフレーム同期モジュールにより構成されていた従来回路(図3参照)では、正規の同期パターンの位置でないのに同期獲得動作を始めてしまった場合は、その同期パターンを見つけた位置が正しい同期パターンの位置でないと判断されるまでの1フレーム期間は、データ信号上に正しい位置での同期パターンがきても同期獲得動作ができず、同期獲得までに長時間を要していたが、上述の如くフレーム同期モジュールを複数備えた本発明回路では、同期パターン検出部から与えられる複数の同期パターン検出信号に対して同期獲得動作を並行して進めることによって、同期確立までの時間短縮が可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフレーム同期回路によれば、同期パターン検出部から出力される同期パターン検出信号によりフレーム同期をとるための機能回路を複数設け、これら各機能回路を、同期パターン検出信号が出力される度に順に同期獲得動作させるようにしたため、同期パターン検出信号が正しい位置の同期パターンの検出に基づいて出力されたか否かに拘らずこれら全ての同期パターン検出手段に関して同期獲得処理を並行して進めることができ、これによって同期確立までの時間を大幅に短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレーム同期回路の一実施例を示す回路図。
【図2】図1に示したフレーム同期回路におけるフレーム同期モジュール2aの詳細構成を示す回路図。
【図3】従来のフレーム同期回路の構成例を示す回路図。
【図4】この種のフレーム同期回路の検出対象である同期パターンを含む伝送フレームの構成例を示す図。
【図5】この種のフレーム同期回路のフレーム同期の獲得に係る状態遷移図。
【符号の説明】
1 同期パターン検出部
2a,2b,2c フレーム同期モジュール
3 セレクタ
4,5-1,5-2,22-1〜22-8 ゲート
21-1〜21-5 フリップフロップ
23 フレームカウンタ
24 同期保護カウンタ
S1 データ信号
S2 ビットクロック信号
S3 リセット信号
S4 同期パターン検出信号
S5a,S5b,S5c 制御信号(入力)
S61,S62 制御信号(出力)
S7a,S7b,S7c フレーム同期パルス(モジュール出力)
S8a,S8b,S8c 同期確立信号(モジュール出力)
S9 ,S91 フレーム同期パルス(回路出力)
S10,S101 同期確立信号(回路出力)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレーム化されて送られてくるデータ列の中に含まれるフレーム同期パターンを検出する同期パターン検出手段と、同期パターンの検出後、1フレーム期間経過後に再び同期パターンが検出された時に同期が獲得されたことを指す同期確立信号を出力する機能モジュールによって構成され、各々がそれぞれ異なるタイミングにおける前記フレーム同期パターンの検出に対して順に同期獲得動作を開始するように制御される複数のフレーム同期検出手段と、該フレーム同期検出手段の中から最初に出力された同期確立信号をフレーム同期回路全体の同期確立信号として選択する出力選択手段とを具備することを特徴とするフレーム同期回路。

【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開平5−260036
【公開日】平成5年(1993)10月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−54639
【出願日】平成4年(1992)3月13日
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)