説明

フロアマットをカーペットに固定する固定装置

【課題】組付作業がし易く、組み付け後の抜け外れを防止できる、ノブの保持力を向上でき、取付操作の完了をクリック感覚で伝達する、フロアマットをカーペットに固定する固定装置を提供する
【解決手段】固定装置1は、カーペット2に取付けられる第1固定具5と、第1固定具に取付けられるノブ6と、フロアマット11に取付けられる第2固定具15とから成り、第1固定具の第2カーペットグロメット7にはノブベース10が一体的に設けられ、ノブ6は、ノブベース内で軸回りに非ロック位置とロック位置との間で回転可能に連結されるノブ軸部37を備え、ノブ軸回り37は、ノブベースのノブ連結用係止爪33の溝(34)に嵌合する突起(39)を備え、ノブの保持力を向上するとともに、取付操作の完了をクリック感覚で伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロアマットをカーペットに固定する固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロアマットをフロアパネルに固定する固定装置は、例えば、特許文献1に記載されている。フロアパネルに雄固定具を固定し、フロアマットに雌固定具を固定し、雄固定具から延びる突出部を雌固定具のキーホール形状の係止穴に挿入した後フロアマットをフロアパネルに沿ってスライドすることによってフロアマットをフロアに固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−268731号公報
【特許文献2】意匠登録第1281521号公報
【特許文献3】実開平4−075208号公報
【特許文献4】特開2008−308085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の固定装置は、フロアマットの固定のために雄固定具を雌固定具に垂直方向に挿入した後に更に水平方向にスライドして固定する作業があるため、固定作業が面倒である。
【0005】
特許文献2に記載のフロアマットをカーペットに固定する固定装置は、細長い板状体の本体を有し、この本体には、一端のおもて面にフロアマットを取付けるマット取付部を有し、他端の裏面にカーペット固定部を有する。この固定装置は、マット取付部とカーペット固定部とが同じ位置ではなく離れた位置にあり、そのため、マットの取付作業が面倒であり、また、カーペット固定部を隠すことができないので見栄えの点で難がある。更に、マット取付部にフロアマットを取付けるには、フロアマットを両面から保持する一対の鳩目部材(グロメット)が取付けられて、その貫通穴にマット取付部が挿入されて固定されるのであるが、グロメットへの組み付けが弾性係止爪だけであるので、抜け外れるおそれがあり、強度を確保しようとすると、係止爪を肉厚にせねばならず、肉厚の係止爪の場合にが組み付け作業に力を必要として、組み付けにくい。
【0006】
特許文献3には、装飾板をパネル板に固定する固定装置が記載されている。この固定装置は、装飾板を、その取付穴がパネル板の取付穴に整列するように載置して、固定装置の軸部を2つの取付穴に挿入し、その後、例えば90度軸回りに回転させて装飾板をパネル板に固定する。この固定装置は、装飾板に先付けしないので、組み付け作業がしにくい。
【0007】
特許文献4には、フロアパネルに固定された、被取付部材としてのパッドに固定される第1クリップと、パッドに固定するマットを支持するための第2クリップと、マットに固定されるマット固定具と、第2クリップをマット固定具に連結する取付ノブとを備える、自動車のマットの固定装置が記載されている。第1クリップは、パッドを支持する固定部を第2クリップに連結するための筒状の連結部を有し、第2クリップは、第1クリップの連結部に入れ子状に連結される筒状の連結部を有する。マットを第2クリップに連結するには、第2クリップに連結された取付ノブに、マットに固定されたマット固定具の保持部の穴を貫通させて非ロック位置からロック位置に軸回りに回転させる。マットを被取付部材であるパッドに固定するには、パッドに固定された第1クリップの連結部に、マットを支持する第2クリップの連結部を押し込むだけでよい。これによって、マットの取付穴のある位置で被取付部材に係止し又は固定する構成であり、マットの位置ずれの防止ができるだけでなく、マットを被取付部材の取付位置に正確に維持し固定でき、見栄えもよい。かかる固定装置において、マットをパッドに固定した後の取付ノブの保持力を向上するのが望ましい。また、取付ノブの操作において固定操作完了の感覚を作業者に伝達できるのが望ましい。
【0008】
従って、本発明の目的は、組み付け作業がし易く、且つ、組み付け後の抜け外れを防止でき、取付用のノブの保持力を向上でき、ノブの操作完了を作業者に伝達できる、フロアマットをカーペットに固定する固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明に係るフロアマットをカーペットに固定する固定装置は:カーペットの取付穴の周囲部分に取付けられる第1固定具と;前記第1固定具に取付けられるノブと;前記フロアマットの取付穴の周囲部分に取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第2固定具とから成り;前記第1固定具は、カーペットの取付穴の周囲部分を両面から挟持する、第1カーペットグロメットと第2カーペットグロメットとから成り、該第1カーペットグロメット及び第2カーペットグロメットは、カーペットの取付穴の周囲部分に当接する第1カーペットグロメットフランジ及び第2カーペットグロメットフランジと、カーペットを挟持した状態で前記第1カーペットグロメットフランジ及び第2カーペットグロメットフランジを相互に連結できる係止手段とを有し;前記第2カーペットグロメットフランジには、前記ノブを受入れて該ノブに連結するノブベースが形成されており、該ノブベースは、中央に前記ノブを受入れるノブ受入穴が形成される空間を有する筒状体として前記第2カーペットグロメットフランジから立上っており、前記第1カーペットグロメットフランジには、前記ノブベースが貫通する貫通穴が形成されており;前記ノブ及び前記ノブベースは、該ノブが該ノブベースに挿入されると該ノブベース内で軸回りに回転可能に該ノブベースに連結されるように形成されており、前記ノブは、前記第2固定具の前記貫通穴の周囲部分に当接できる大きさを有するノブ頭部と、前記ノブベースに挿入されるノブ軸部とを備え、前記ノブベースは、前記第1カーペットグロメットの係止手段に係止する、前記筒状体の外側に形成されたベース係止部と、前記ノブ受入穴に挿入された前記ノブ軸部の係止手段に係止する、前記筒状体の内側に形成されたノブ連結用係止爪とを備え、前記ノブ軸部は、非ロック位置とロック位置をとるように前記ノブベースの内側で軸回りに回転できる構成であり;前記第1固定具の前記第1カーペットグロメット及び前記第2カーペットグロメットがカーペットの両面を挟持するように取付けられ、前記第2固定具がフロアマットに取付けられ、前記ノブベースに前記ノブが連結され、前記ノブ頭部が前記第2固定具の前記貫通穴を貫通する状態で前記カーペットの前記第1固定具の前記第1カーペットグロメットに前記フロアマットの前記第2固定具が重ねられ、前記ノブが前記非ロック位置から前記ロック位置に軸回りに回転された状態では、前記ノブ頭部が前記第2固定具に形成された係止部に当接して該第2固定具を軸方向に前記第1固定具に押圧して前記カーペットに前記フロアマットが固定される、ことを特徴とする。
【0010】
上記固定装置において、カーペットには第1固定具が取付けられ、フロアマットには第2固定具取付けられ、ノブが第1固定具のノブベースに固定され、ノブのノブ頭部が第2固定具に係止し、ノブを非ロック位置からロック位置に回転するだけで、フロアマットがカーペットに固定されるので、フロアマットをカーペットへ組み付ける作業がし易く、且つ、その組み付け後の抜け外れを防止でき、更に、取付用のノブの保持力を向上できる。そして、ノブは第1固定具及び第2固定具の中心にその軸心を配置でき、1箇所での組み付けになるので、組み付け操作が容易であるだけでなく、組み付け後の見栄えもよい。
【0011】
上記固定装置において、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブ軸部を受入れる前記ノブ受入穴の長手方向に沿って延びる弾性係止爪として、対向するように一対形成されており、前記ノブ軸部には、前記ノブ連結用係止爪に係止する係止肩が前記係止手段として形成されており、前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブベースの内側のスペースにおいて前記ノブ軸部の前記係止肩に確実に係止する大きさと強度を有するように形成されている。これによって、ノブがノブベースに連結する強度はノブベースの高い強度のノブ連結用係止爪によって一層高く維持される。前記ノブ軸部の前記係止肩には、該係止肩から軸方向に突出する突起が形成されており、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪には、前記突起を受入れる軸方向の溝が形成されており、前記溝は、前記ノブ軸部が前記ロック位置にあるときに前記突起を受入れる位置に配置されている。更に、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記ノブ軸部が前記ロック位置に回転したときに前記ノブ連結用係止爪の弾性に従って弾性的に該突起が該溝に嵌合する形状に形成されている。これらによって、ノブの操作において固定操作の完了であるロック位置への回転の感覚を、作業者にそのクリック感覚で確実に伝達できる。その場合、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記嵌合した状態において前記ノブ軸部の横断面において該突起が該溝を埋めるように嵌合する形状に形成されている。これによって、ロック位置においての回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。
【0012】
また、前記一対のノブ連結用係止爪は、筒状体の前記ノブベースのベース頂部から前記第2カーペットグロメットフランジに向けて延びる板状に形成されており、各ノブ連結用係止爪の幅方向の中間には、前記ノブ受入穴の輪郭を形成する溝が軸方向に形成されており、前記溝の部分において前記ノブ連結用係止爪は薄板に形成されて、前記ノブ軸部が前記ノブ受入穴に挿入されるとき外方に撓み易くなっており、該ノブ軸部の挿入を容易にしている。前記ノブ軸部は、前記ノブ頭部から前記係止肩の位置までがロッド形状に形成され、前記係止肩から先端までが、矩形横断面を有する板状体に形成されており、該板状体のノブ軸部部分は、前記矩形横断面の長辺側の幅が前記ノブベースの内側の横断面の長さに等しいかやや短く形成されており、ロック位置におけるノブとノブベース(ひいては第1固定具)とのがたつきを防止できる。そして、がたつきを防止できるので、ノブがノブベースを介して第1固定具に強固に固定されるので、フロアマットが引っ張られて固定装置を抜け外れるように引っ張ったとしても、高い保持力でその引っ張り力に対抗できる。
【0013】
前記第1カーペットグロメットはカーペットのおもて面に配置され、前記第2カーペットグロメットはカーペットの裏面に配置され、前記ノブは前記第2カーペットグロメットに形成された前記ノブベースに挿入されて当該第2カーペットグロメットに連結される構成である。前記第2固定具は、フロアマットの取付穴の周囲部分を両面から挟持する、第1マットグロメットと第2マットグロメットとから成り、該第1マットグロメットと第2マットグロメットとは、それぞれ、フロアマットの取付穴の周囲部分に当接するフランジと、相互にフロアマットを挟持した状態で連結できる係止手段とが設けられている。前記第1マットグロメット又は前記第2マットグロメットの一方には、前記貫通穴の前記内壁に、前記ノブ頭部が当接する前記係止部が形成されている。前記第2固定具の前記係止部は、前記貫通穴の内壁面から内側に拡がる板状体で形成され、該係止部には、前記ノブ頭部が貫通できる長穴が形成されており、該長穴は、前記ノブが前記非ロック位置にあるとき前記ノブ頭部が貫通できるが前記ロック位置にあるとき前記ノブ頭部が当接して貫通できない形状に形成されている。前記ノブ頭部には、前記ノブ軸部を軸回りに回転させるための指掛け部が形成されている。なお、非ロック位置からロック位置へのノブの軸回りの回転は、代表的な例において90度である。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明は、フロアマットをカーペットに固定する固定装置であって:カーペットの取付穴の周囲部分に取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第1固定具と;前記第1固定具の前記貫通穴への挿入によって該第1固定具に取付けられるノブアセンブリと;前記フロアマットの取付穴の周囲部分に取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第2固定具とから成り;前記ノブアセンブリは、前記第1固定具の前記貫通穴に挿入されて該第1固定具に連結されるノブベースと、前記ノブベースに連結されるノブとから成り;前記ノブベースは、前記第1固定具の前記貫通穴に挿入され且つ中央に前記ノブを受入れるノブ受入穴を有する筒状体で形成され、該ノブベースには、前記第1固定具の前記貫通穴に挿入される部分の外側面に、前記第1固定具の前記貫通穴の周囲部分に当接するベースフランジと、前記第1固定具の前記貫通穴の内壁に形成された係止部に係止するベース係止爪とが形成されており;前記ノブ及び前記ノブベースは、該ノブが該ノブベースに挿入されると該ノブベース内で軸回りに回転可能に該ノブベースに連結されるように形成されており、前記ノブは、前記第2固定具の前記貫通穴の周囲部分に当接するノブ頭部と、前記ノブベースに挿入されて該ノブベースに係止する係止手段を有するノブ軸部とを備え、該ノブ軸部は、前記ノブベース内で前記ノブ軸部の軸回りに所定角度回転すると前記ベース係止爪の内方への倒れ込みを阻止する形状に形成され、前記倒れ込みを阻止しない非ロック位置と前記倒れ込みを阻止するロック位置とをとるように軸回りに回転でき;前記第1固定具がカーペットに取付けられ、前記第2固定具がフロアマットに取付けられ、前記第1固定具には前記ノブアセンブリが前記ノブ軸部の軸回りの回転をしないように連結され、前記ノブの前記ノブ頭部が前記第2固定具の前記貫通穴を貫通する状態で前記カーペットの前記第1固定具に前記フロアマットの前記第2固定具が重ねられ、前記ノブが前記非ロック位置から前記ロック位置に軸回りに回転された状態では、前記ノブ頭部が前記第2固定具に形成された係止部に当接して該第2固定具を軸方向に前記第1固定具に押圧するとともに、前記ノブベースの前記ベース係止爪と前記第1固定具の前記係止部との係合がロックされて、前記カーペットに前記フロアマットが固定される、ことを特徴とする固定装置を提供する。
【0015】
上記固定装置においても、カーペットには第1固定具が取付けられ、フロアマットには第2固定具取付けられ、ノブとノブベースとで成るノブアセンブリが第1固定具に固定され、ノブのノブ頭部が第2固定具に係止し、ノブを非ロック位置からロック位置に回転するだけで、フロアマットがカーペットに固定されるので、フロアマットをカーペットへ組み付ける作業がし易く、且つ、その組み付け後の抜け外れを防止でき、更に、取付用のノブの保持力を向上できる。そして、ノブは第1固定具及び第2固定具の中心にその軸心を配置でき、組み付け操作が容易であるだけでなく、組み付け後の見栄えもよい。この固定装置では、ノブベースが第1固定具に固定されていないので、ノブアセンブリのノブベースを第1固定具に固定することを必要するが、ノブベースを第1固定具の一方のカーペットグロメットに一体成形する必要がなくなるので、第1固定具の成形型が簡単になり、コストを低減できる。
【0016】
上記固定装置において、前記ノブ軸部と前記ノブベースとには、該ノブ軸部を該ノブベースに挿入すると当該ノブを当該ノブベースに連結する係止手段が形成されており、前記ノブベースの係止手段は、前記ノブベースのベース頂部から該ノブベースの内側を軸方向に延びる弾性のノブ連結用係止爪で成り、前記ノブ軸部の係止手段は、前記ノブ連結用係止爪に係止する係止肩で成る。これによって、ノブアセンブリは一体的になり、1部品として取扱える。前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブ軸部を受入れる前記ノブ受入穴の長手方向に沿って延びる弾性係止爪として、対向するように一対形成されており、前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブベースの内側のスペースにおいて前記ノブ軸部の前記係止肩に確実に係止する大きさと強度を有するように形成されている。これによって、ノブがノブベースに連結する強度はノブベースの高い強度のノブ連結用係止爪によって一層高く維持される。前記ノブ軸部の前記係止肩には、該係止肩から軸方向に突出する突起が形成されており、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪には、前記突起を受入れる軸方向の溝が形成されており、前記溝は、前記ノブ軸部が前記ロック位置にあるときに前記突起を受入れる位置に配置されている。その場合、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記ノブ軸部が前記ロック位置に回転したときに前記ノブ連結用係止爪の弾性に従って弾性的に該突起が該溝に嵌合する形状に形成されている。これらによって、ノブの操作において固定操作の完了であるロック位置への回転の感覚を、作業者にそのクリック感覚で確実に伝達できる。そして、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記嵌合した状態において前記ノブ軸部の横断面において該突起が該溝を埋めるように嵌合する形状に形成されている。これによって、ロック位置においての回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。
【0017】
また、前記一対のノブ連結用係止爪は、筒状体の前記ノブベースのベース頂部から延びる板状に形成されており、各ノブ連結用係止爪の幅方向の中間には、前記ノブ受入穴の輪郭を形成する溝が軸方向に形成されており、前記溝の部分において前記ノブ連結用係止爪は薄板に形成されて、前記ノブ軸部が前記ノブ受入穴に挿入されるとき外方に撓み易くなっており、該ノブ軸部の挿入を容易にしている。前記ノブベースは、矩形又は長円形状の横断面を有する筒状体に形成されており、前記第1固定具の前記貫通穴は、筒状体の前記ノブベースが貫通できるが軸回りには回転できないように受入れる矩形又は長円形状に形成されている。前記ノブベースの筒状体部分の前記横断面の長辺方向に沿った2つの外側面のそれぞれには、前記第1固定具の前記貫通穴の内壁に形成された前記係止部に係止するベース係止爪が形成されている。前記ノブ軸部は、前記ノブ頭部から前記係止肩の位置までがロッド形状に形成され、前記係止肩から先端までが、矩形横断面を有する板状体に形成されており、該板状体のノブ軸部部分は、前記矩形横断面の長辺側の幅が前記ノブベースの内側の横断面の短辺側の長さに等しいかやや短く形成されており、前記ノブ軸部が前記ロック位置にあるとき、前記ノブベースの前記ベース係止爪が該ノブベースの内方へ倒れ込むのを前記板状体のノブ軸部部分が阻止して、前記ベース係止爪と前記第1カーペットグロメットの係止手段との係合がロックされる。これらによって、ロック位置においてのノブとノブベース(ひいては第1固定具)とのがたつきを防止できる。そして、がたつきを防止できるので、ノブがノブベースを介して第1固定具に強固に固定されるので、フロアマットが引っ張られて固定装置を抜け外れるように引っ張ったとしても、高い保持力でその引っ張り力に対抗できる。
【0018】
前記第1固定具は、カーペットの取付穴の周囲部分を両面から挟持する、第1カーペットグロメットと第2カーペットグロメットとから成り、該第1カーペットグロメットと第2カーペットグロメットとは、それぞれ、カーペットの取付穴の周囲部分に当接するフランジと、相互にカーペットを挟持した状態で連結できる係止手段とを有する。前記第1カーペットグロメット又は前記第2カーペットグロメットの一方には、前記貫通穴の前記内壁に、前記ノブベースの前記ベース係止爪が係止する前記係止部が形成されている。前記第1カーペットグロメットはカーペットのおもて面に配置され、前記第2カーペットグロメットはカーペットの裏面に配置され、前記ノブアセンブリは、前記第1カーペットグロメットから第2カーペットグロメットに挿入されて当該第1固定具に連結される構成であり、前記係止部は、前記第1カーペットグロメットに形成されて当該第1固定具が連結される。前記第2固定具は、フロアマットの取付穴の周囲部分を両面から挟持する、第1マットグロメットと第2マットグロメットとから成り、該第1マットグロメットと第2マットグロメットとは、それぞれ、フロアマットの取付穴の周囲部分に当接するフランジと、相互にフロアマットを挟持した状態で連結できる係止手段とが設けられている前記第1マットグロメット又は前記第2マットグロメットの一方には、前記貫通穴の前記内壁に、前記ノブ頭部が当接する前記係止部が形成されている。前記第2固定具の前記係止部は、前記貫通穴の内壁面から内側に拡がる板状体で形成され、該係止部には、前記ノブ頭部が貫通できる長穴が形成されており、該長穴は、前記ノブが前記非ロック位置にあるとき前記ノブ頭部が貫通できるが前記ロック位置にあるとき前記ノブ頭部が当接して貫通できない形状に形成されている。
【発明の効果】
【0019】
上記のとおり、本発明によれば、フロアマットのカーペットへの組付け作業がし易く、且つ、その組み付け後の抜け外れを防止でき、ノブの保持力を向上でき、固定装置による組み付け後の見栄えもよい。そして、ノブをノブベースに連結するためのノブ連結用係止爪がスペースの大きいノブベースに形成できるので、ノブ自体の強度を高くでき、ノブベースのノブ連結用係止爪を撓みやすく形成でき、ノブへの連結強度を高くする強度も得ることができ、ノブの回転方向へのがたつきを防止でき、ロック位置でのがたつきを防止できるので、フロアマットの引っ張りによる抜け外れも確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る固定装置の第1固定具及びノブをカーペットに組み付ける操作を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る第2固定具をフロアマットに組み付ける操作を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る固定装置を用いてカーペットにフロアマットを固定する操作を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る固定装置の第1固定具の第1カーペットグロメットの斜視図である。
【図5】図4の第1カーペットグロメットの平面図である。
【図6】図4の第1カーペットグロメットの正面図である。
【図7】図4の第1カーペットグロメットの底面図である。
【図8】図6の第1カーペットグロメットのA−A線断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る固定装置の第1固定具の第2カーペットグロメットの斜視図である。
【図10】図9の第2カーペットグロメットの平面図である。
【図11】図10の第2カーペットグロメットの正面図である。
【図12】図11の第2カーペットグロメットの底面図である。
【図13】図11の第2カーペットグロメットのB−B線断面図である。
【図14】図10の第2カーペットグロメットのC−C線断面図である。
【図15】図13の第2カーペットグロメットのD−D線断面端面図である。
【図16】図15の第2カーペットグロメットのE−E線断面端面図である。
【図17】図10の第2カーペットグロメットのノブベースの部分の半断面斜視図である。
【図18】本発明の第1実施形態に係る固定装置のノブの斜視図である。
【図19】図18のノブの平面図である。
【図20】図19のノブの正面図である。
【図21】図20のノブの右側面図である。
【図22】図20のノブの底面図である。
【図23】図20のノブのF−F線断面図である。
【図24】図20のノブのG−G線断面図である。
【図25】本発明の第1実施形態に係る固定装置の第2固定具の第1マットグロメットの斜視図である。
【図26】図25の第1マットグロメットの平面図である。
【図27】図26の第1マットグロメットの正面図である。
【図28】図27の第1マットグロメットの底面図である。
【図29】図26の第1マットグロメットのH−H線断面図である。
【図30】図27の第1マットグロメットのI−I線断面図である。
【図31】本発明の第1実施形態に係る固定装置の第2固定具の第2マットグロメットの斜視図である。
【図32】図31の第2マットグロメットの平面図である。
【図33】図32の第2マットグロメットの正面図である。
【図34】図33の第2マットグロメットの底面図である。
【図35】図32の第2マットグロメットのJ−J線断面図である。
【図36】本発明の第1実施形態に係る固定装置の第1固定具がノブによってカーペットに取付けられた状態を示しており、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図である。
【図37】カーペットへ取付けられたノブベースとノブの関係を示す、図36(C)のK−K線断面図である。
【図38】ノブをロック位置に回転した状態の、図36(C)のL−L線断面図である。
【図39】ノブ軸部を非ロック位置からロック位置へ回転した場合のノブ軸部とノブ連結用係止爪との関係を示しており、(A)は非ロック位置における、図37のL−L線断面図であり、(B)はロック位置へ回転する途中における、図37のL−L線断面図であり、(C)は、ロック位置における、図38のN−N線断面図である。
【図40】本発明の第1実施形態に係る固定装置を用いてカーペットにフロアマットを固定した状態を示す断面図である。
【図41】本発明の第2実施形態に係る固定装置の第1固定具及びノブアセンブリをカーペットに組み付ける操作を示す図である。
【図42】本発明の第2実施形態に係る第2固定具をフロアマットに組み付ける操作を示す図である。
【図43】本発明の第2実施形態に係る固定装置を用いてカーペットにフロアマットを固定する操作を示す図である。
【図44】本発明の第2実施形態に係る固定装置の第1固定具の第1カーペットグロメットの斜視図である。
【図45】図44の第1カーペットグロメットの平面図である。
【図46】図45の第1カーペットグロメットの正面図である。
【図47】図46の第1カーペットグロメットの底面図である。
【図48】図46の第1カーペットグロメットの右側面図である。
【図49】図46の第1カーペットグロメットのAA−AA線断面図である。
【図50】本発明の第2実施形態に係る固定装置の第1固定具の第2カーペットグロメットの斜視図である。
【図51】図50の第2カーペットグロメットの平面図である。
【図52】図51の第2カーペットグロメットの正面図である。
【図53】図51の第2カーペットグロメットのBB−BB線断面図である。
【図54】本発明の第2実施形態に係る固定装置の第2固定具の第1マットグロメットの斜視図である。
【図55】図54の第1マットグロメットの平面図である。
【図56】図55の第1マットグロメットのCC−CC線断面図である。
【図57】図55の第1マットグロメットの底面図である。
【図58】図56の第1マットグロメットのDD−DD線断面図である。
【図59】図55の第1マットグロメットのEE−EE線断面図である。
【図60】本発明の第2実施形態に係る固定装置の第2固定具の第2マットグロメットの斜視図である。
【図61】図60の第2マットグロメットの平面図である。
【図62】図61の第2マットグロメットのFF−FF線断面図である。
【図63】図61の第2マットグロメットの右側面図である。
【図64】図61の第2マットグロメットのGG−GG線断面図である。
【図65】本発明の第2実施形態に係る固定装置のノブアセンブリのノブベースの斜視図である。
【図66】図65のノブベースの底面側から見た斜視図である。
【図67】図65のノブベースの平面図である。
【図68】図67のノブベースの正面図である。
【図69】図68のノブベースの底面図である。
【図70】図68のノブベースのHH−HH線断面図である。
【図71】図69のノブベースの半断面斜視図である。
【図72】本発明の第2実施形態に係る固定装置のノブアセンブリのノブの斜視図である。
【図73】図72のノブの平面図である。
【図74】図73のノブの正面図である。
【図75】図74のノブの右側面図である。
【図76】本発明の第2実施形態に係る固定装置のノブアセンブリの平面図である。
【図77】図76のノブアセンブリの正面図である。
【図78】図77のノブアセンブリのII−II線断面図である。
【図79】本発明の第2実施形態に係る固定装置の第1固定具がカーペットに取付けられた状態でノブアセンブリを組み付ける操作を示す断面図である。
【図80】図79のノブアセンブリを第1固定具に連結し終えた状態を示す、JJ−JJ線断面図である。
【図81】本発明の第2実施形態に係る固定装置を用いてカーペットにフロアマットを固定した状態を示す断面図である。
【図82】本発明の他の実施形態に係る固定装置の第1固定具とノブアセンブリとの関係を示す断面図である。
【図83】カーペットに取付けられるフロアマットがボデーパネルに取付けられる構成を有する場合の、本発明に係る固定装置による固定状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る、フロアマットをカーペットに固定する固定装置1について、図面を参照して説明する。図1〜図40には、本発明の第1実施形態に係る固定装置1が示され、図41〜図81には、本発明の第2実施形態に係る固定装置101が示されている。また、図82には、第2実施形態に係る固定装置の変形実施形態が示され、図83には、フロアマットの変形例が示されている。
【0022】
図1〜図40を参照して、本発明の第1実施形態に係る固定装置1を説明する。図1〜図3は、複数の部品から成る固定装置1の使用時の態様を示しているので、図1〜図3を参照して固定装置1の構成の概略を説明する。図1は、カーペット2の取付穴3に取付穴3の周囲部分を補強するように取付けられる第1固定具5と、第1固定具5(の第2カーペットグロメットのノブベース)への押し込みによって第1固定具5に取付けられるノブ6とを示している。第1固定具5は、第1カーペットグロメット7と第2カーペットグロメット9との2部品から構成され、第2カーペットグロメット9には、ノブ6が連結されるノブベース10が一体成形されている。これら、ノブ6と、第1カーペットグロメット7と、第2カーペットグロメット9(及びノブベース10)とは、プラスチック材料で成形されている。図2は、フロアマット11の取付穴13に取付穴の周囲部分を補強するように取付けられ且つ中央に貫通穴14を有する第2固定具15を示している。第2固定具15は、第1マットグロメット17と第2マットグロメット18との2部品から構成される。これら、第1マットグロメット17及び第2マットグロメット18は、それぞれ、プラスチック材料で一体成形されている。図3は、図1に示す、カーペット2に取付けられた第1固定具5及びノブ6との組合せと、図2に示す、フロアマット11に取付けられた第2固定具15とによって、フロアマット11をカーペット2に固定した様子を示している。なお、カーペット2及びフロアマット11は、図示の便宜上、円板形部材で示されているが、それらの実際の形状は、多くの場合、図1〜図3に示す形状ではなく、例えば、カーペット2は自動車のフロアパネルに広がるシート形状であり、フロアマット11は、乗員の足部分を載せる所定のシート形状に形成されていることを了解されたい。
【0023】
図1において、ノブ6は、第1カーペットグロメット7と第2カーペットグロメット9とから構成される第1固定具5の第2カーペットグロメット9に一体成形されたノブベース10の貫通穴に挿入されて第1固定具に連結される。第1固定具5は、カーペット2の取付穴3の周囲部分を、第1カーペットグロメット7と第2カーペットグロメット9とによって、カーペット2のおもて面と裏面の両面から挟持する。図示の例では、第1カーペットグロメット7がカーペット2のおもて面に、第2カーペットグロメット9がカーペットの裏面に、それぞれ配置される。第1カーペットグロメット7と第2カーペットグロメット9とは、それぞれ、カーペット2の取付穴3の周囲部分に当接するフランジと、カーペット2を挟持した状態で相互に連結できる係止手段とを有する。図2において、第2固定具15は、フロアマット11の取付穴13の周囲部分を両面から挟持する、第1マットグロメット17と第2マットグロメット18とから成り、第1マットグロメット17と第2マットグロメット18とは、それぞれ、フロアマットの取付穴の周囲部分に当接するフランジと、フロアマット11を挟持した状態で連結できる係止手段とを有する。図示の例では、第1マットグロメット17がフロアマット11のおもて面に、第2マットグロメット18がフロアマット11の裏面に、それぞれ配置される。ノブ6は、第1固定具5の第2カーペットグロメット9に設けられたノブベース10に連結された状態で、図37に示される非ロック位置と、図38に示されるロック位置とをとるように、ノブ6がノブベース10に対して軸回りに回転できる。図示の例では、ノブ6は、非ロック位置から軸心回りに90度回転することでロック位置になる。
【0024】
図4〜図17を参照して第1固定具5の詳細を説明する。図4〜図8には、第1固定具5の第1カーペットグロメット7が示されている。第1カーペットグロメット7には、カーペット2の取付穴の周囲部分に当接するフランジ19と、第2カーペットグロメット9と協働してカーペット2を挟持した状態で第2カーペットグロメット9に連結できる係止手段としての係止部21を有する。係止部21は、フランジ19に形成された貫通穴22を包囲するように垂下する筒状部23の内側面に1対形成されている。筒状部23の係止部21は、第2カーペットグロメット9に形成されたノブベース10のベース係止部27の係止肩に係止する弾性係合爪として形成されている。フランジ19から筒状部23に延びる貫通穴22は図示のように長円(真円を直径方向に対向する2辺で切断した非真円形状)又は矩形に形成されて、相似形状の横断面を有するノブベース10を受入れる形状に形成されている。筒状部23の高さは、カーペット2の厚さに適合し且つノブベース10を受入れるように定められる。なお、フランジ19のカーペット押さえ面には外周縁に複数のピン25が形成されて、第1カーペットグロメット7がカーペット2上でずれたり、軸回りに回転したりしないようにしている。
【0025】
図9〜図17には、第1固定具5の第2カーペットグロメット9が示されている。第2カーペットグロメット9にはノブ6を連結するノブベース10が形成されているが、ノブベース10の詳細については、ノブ6の詳細とともに後述する。第2カーペットグロメット9には、カーペット2の取付穴の周囲部分に当接するフランジ26と、第1カーペットグロメット7と協働してカーペット2を挟持した状態で第1カーペットグロメット7の係止部21に連結できる係止手段としての、ノブベース10に形成された係止肩で成る一対のベース係止部27を有する。ベース係止部27は、第1カーペットグロメット14の筒状部23を包囲して係止部21に係止するように、フランジ26から立ち上がる筒状のノブベース10に形成されている。フランジ26の外周縁部には、カーペット2に突き出すピン29が多数形成されており、第1固定具5のずれや軸回りの回転を防止する。
【0026】
図9〜図17に加えて、図18〜図24を参照して、ノブベース10及びノブ6の詳細を説明する。図9〜図17に、第2カーペットグロメット9のフランジノブベース10が示されている。ノブベース10は、全体として、矩形又は長円形状の横断面を有する筒状に形成されている。図示の実施形態では、ノブベース10は、横断面において真円を直径方向に対向する2辺で切断した非真円形状の筒状に形成されている(図15)。既述のように、第1カーペットグロメット7の貫通穴22は、ノブベース10の横断面形状に相似する形状に形成されており、これによって、ノブベース10は、第1カーペットグロメット7の貫通穴22を貫通するが軸回りの回転が阻止されている。ノブベース10には、その横断面形状の長辺方向に沿った2つの外側面のそれぞれに、係止肩で成るベース係止部27が形成されている。ノブベース10を第1カーペットグロメット7の貫通穴22に挿入すると、第1カーペットグロメット7の係止部21(弾性係止爪で成る)に係止してノブベース10(ひいては第2カーペットグロメット9)を第1カーペットグロメット7に連結する。このように、第1カーペットグロメット7の筒状部23の貫通穴22にノブベース10挿入するだけで、係止部21がベース係止部27に係止して、第1カーペットグロメット7と第2カーペットグロメット9が連結される
【0027】
ノブベース10は、上端に、ベース頂部30を有し、ベース頂部30を通ってノブ6がノブベース10に挿入される。ベース頂部30は、ノブ6の軸部を受入れる長穴31が形成された板状体で形成されている。ノブ受入穴としての長穴31は、ノブ6の軸部を、その長辺方向において貫通するのを許すが、短辺方向においては抜け出せない大きさに形成されている。
【0028】
ベース頂部30には、ノブ6の軸部をノブベース10に挿入するとノブ6をノブベース10に連結する係止手段としてのノブ連結用係止爪33が一対形成されている。ノブ連結用係止爪33は、図16及び図17に図示のように、ベース頂部30から一定長さ垂下する弾性係止爪で成る。ノブ連結用係止爪33は、ノブベース10の内側のスペースが広いため、ノブ軸部の係止肩に確実に係止する大きさと強度を有するように形成される。これによって、ノブ6がノブベース10に連結する強度は一層高く維持される。ノブ連結用係止爪33は、筒状体のノブベース10のベース頂部30からフランジ26に向けて延びる板状に形成されており、ノブ連結用係止爪33の幅方向の中間には、ノブ受入穴31の輪郭を形成する溝34が軸方向に形成されており、溝34の部分においてノブ連結用係止爪は薄板に形成されて、ノブ軸部37がノブ受入穴31に挿入されるとき外方に撓み易くなっており、ノブ軸部37の挿入を容易にしている。
【0029】
更に、ノブベース10のノブ連結用係止爪33には、ノブ9の軸部の係止肩に形成された突起39を受入れる軸方向の溝34が形成されており、溝34は、ノブ9軸部がロック位置にあるときに突起39を受入れる位置に配置されている。これによって、ロック位置への回転の終了時を指への感覚によって知ることができ、また、ロック位置の固定にも役立つ。すなわち、ノブ軸部37の突起39とノブベース10の溝34とは、ノブ軸部がロック位置に回転したときにノブ連結用係止爪33の弾性に従って弾性的に突起が溝34に嵌合する形状に形成されている。ノブ6の操作において固定操作の完了であるロック位置への回転の感覚を、作業者にそのクリック感覚で確実に伝達できる。ノブ軸部の突起とノブベース10の溝34とは、嵌合した状態においてノブ軸部の横断面において突起が溝34を埋めるように嵌合する形状に形成されている。これによって、ロック位置においての回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。これらの様子が、図39(A)〜(C)に示されており、ノブ6がロック位置にあるとき、ロック位置においての回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。
【0030】
図18〜図24にノブ6が示されている。ノブ6は、第2固定具15(の第1マットグロメット17)の貫通穴14の周縁部分に当接するノブ頭部35と、ノブベース10のベース頂部30の長穴31に挿入されるノブ軸部37を有し、ノブ軸部37には、中間位置に、ノブベース10のノブ連結用係止爪33に係止する係止手段として係止肩38が形成されている。ノブ軸部37の係止肩38には、係止肩38から軸方向及び半径方向に突出する突起39が形成されている。突起39は、ノブベース10のノブ連結用係止爪33の溝34に嵌合できる大きさに形成されている。ノブ軸部37の突起39とノブベース10の溝34とは、ノブ軸部37がロック位置(図38及び図39(C))に軸回りに回転したときにノブ連結用係止爪34の弾性に従って弾性的に突起39が溝34に嵌合する形状に形成されている。これらによって、ノブの操作において固定操作の完了であるロック位置への回転の感覚を、作業者にそのクリック感覚で確実に伝達できる。ノブ軸部35の突起39とノブベース10の溝34とは、嵌合した状態においてノブ軸部35の横断面において突起39が溝34を埋めるように嵌合する形状に形成されている。これによって、ロック位置においての回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。
【0031】
また、ノブ軸部37は、ノブ頭部35から係止肩38の位置までがロッド形状(図示の例では丸棒形状)に形成され、係止肩38から先端(図18の下端)までが、矩形横断面を有する板状体(部分41)に形成されており、ノブ軸部37の板状体部分41は、矩形横断面の長辺側の幅が、ノブベース10の筒状部の、ベース係止部27の内側に対応する矩形横断面の短辺の長さに等しいかやや短く形成されている。ノブ軸部35がロック位置にあるとき(図38)、ロック位置におけるノブ6とノブベース10(ひいては第1固定具5)とのがたつきを防止できる。そして、がたつきを防止できるので、ノブ6がノブベース10を介して第1固定具5に強固に固定されるので、フロアマット11が引っ張られて固定装置1を抜け外れるように引っ張ったとしても、高い保持力でその引っ張り力に対抗できる。
【0032】
ノブ軸部37には、ノブ軸部37をノブベース10に挿入するとノブ6をノブベース10に連結する係止手段が形成されている。係止手段は、ノブベース10のノブ連結用係止爪33に係止する係止肩38で成る。係止肩38は、ノブベース10のノブ連結用係止爪33に係止できる限り任意の形状でよい。図示の実施形態においては、ノブ軸部37の幅広部分の、ノブ連結用係止爪33に係止できる位置に対応する部分の幅を狭くすることによって形成している。これによって、ノブ軸部37を、ノブベース10に挿入し十分に押込むと、ノブベース10のノブ連結用係止爪33が係止肩38に係止して、ノブ6がノブベース10に連結される。なお、押込み直後において、ノブ軸部37は非ロック位置にあるが、係止肩38の一部に係止するので、ノブ軸部37を、ノブベース10に挿入してそのまま十分に押込むだけで、ノブ6がノブベース10に連結される。押込み後、ノブ軸部37を軸回りに、例えば90度回転することで、係止肩38が広い面積においてノブ連結用係止爪33に係止して、確実にノブ6がノブベース10に連結される。また、この回転によって、ノブ軸部37は、ロック位置となる。ロック位置において、ノブ6とノブベース10の連結は確実に維持される。
【0033】
ノブ軸部37の係止肩38には、係止肩38から軸方向にノブ頭部35に向けて突出する突起39が形成されている。この突起39は、ノブベース10のノブ連結用係止爪33に形成された軸方向の溝34に嵌合することができる。すなわち、ノブ軸部37がロック位置に回転されたとき、突起39が溝34に嵌合する。この嵌合によって、ノブ軸部37がロック位置へ回転し終えたことをノブ頭部35の指をかけている作業者に感覚で知らせることができる。また、突起39が溝34に嵌合することによって、ノブ軸部37をロック位置へ維持するので、ノブ6をロック位置に固定することができる。ノブ頭部35にはノブ軸部37を軸回りに回転させるための指掛け部42が形成されている。
【0034】
図25〜図35を参照して第2固定具15の詳細を説明する。図25〜図30には、第2固定具15の第1マットグロメット17が示されている。第1マットグロメット17には、フロアマット11の取付穴13の周縁部分に当接するフランジ43と、第2マットグロメット18と協働してフロアマット11を挟持した状態で第2マットグロメット18に連結できる係止手段としての多段の係止部45を有する。係止部45は、フランジ43から垂下する筒状部46の外側面に、軸方向に多段で且つ外周面に沿った溝形状に形成されている。貫通穴14を形成する筒状部46の内壁には、ノブ6の頭部が当接する係止部47が形成されている。係止部47は、貫通穴14を形成する筒状部46の内壁面から中心の側に拡がる板状体で形成される。係止部47には、ノブ6の頭部が貫通できる長穴14が形成されている。この長穴14は、ノブ6が非ロック位置にあるとき(図40)ノブの頭部が貫通できるが、ロック位置にあるとき(図41)ノブの頭部が当接して貫通できない形状(図示の例では楕円形の穴)に形成されている。筒状部46の高さは、フロアマット11の厚さに適合するように定められる。フランジ43の外周縁部には、フロアマット11に突き出すピン44が多数形成されており、第2固定具15の位置ずれや軸回りの回転を防止する。
【0035】
貫通穴14を形成する筒状部46の内壁には、ノブ6のノブ頭部35が当接するノブ係止部47が形成されている。ノブ係止部47は、貫通穴14を形成する筒状部46の内壁面から中心の側に拡がる板状体で形成される。ノブ係止部47には、ノブ頭部35が貫通できる貫通穴14が形成されている。貫通穴14は長穴に形成されており、長穴は、ノブ頭部35を、その長辺方向において貫通するのを許すが、短辺方向においては抜け出せない大きさに形成されている。
【0036】
図31〜図35に、第2固定具15の第2マットグロメット18が示されている。第2マットグロメット18は、フロアマット11の取付穴13の周縁部分に当接するフランジ49と、第1マットグロメット17と協働してフロアマット11を挟持した状態で第1マットグロメット17の係止部45に連結できる係止手段としての2対の係止部50とを有する。係止部50は、第1マットグロメット17の筒状部46を包囲して係止部45に係止するように小さく立ち上がる筒状部51に形成されている。更に、フランジ49の外周縁部には、フロアマット11に突き出すピン53が多数形成されており、第2固定具15の位置ずれや軸回りの回転を防止する。かかる構成の第1マットグロメット17は、フロアマット11のおもて面に配置され、第2マットグロメット18はフロアマット11の裏面に配置される。係止部47は、その長穴14にノブ6の頭部を受入れる。
【0037】
図36(A)〜(C)には、図1の操作によって第1固定具5がノブ6によってカーペット2に取付けられた状態を示している。第1固定具5の第1カーペットグロメット7がカーペット2の取付穴3に配置され、第2カーペットグロメット9のノブベース10が取付穴3に挿入される位置に配置されて、第1カーペットグロメット7の筒状部23がノブベース10を受入れるように押し込まれる。この押し込みによって、第1カーペットグロメット7の筒状部23の係止部21がノブベース10のベース係止部27に係止して、第1カーペットグロメット7と第2カーペットグロメット9とがカーペット2を挟持した状態に取付けられる。他方、ノブ6はノブベース10のベース頂部30の長穴31(ノブ受入穴)からノブベースに押し込まれて、ノブ軸部37の係止肩38がノブベース10のノブ連結用係止爪33に係止し、これによって、ノブ6がノブベース10に非ロック位置にある状態で連結される。図37は、図36(C)のK−K線断面図を示しており、ノブ軸部37の係止肩38がノブベース10のノブ連結用係止爪33に係止して、ノブ6がノブベース10に非ロック位置にある状態で連結された状態を示している。
【0038】
フロアマット11をカーペット2に固定するには、図2に示すように、第2固定具15がフロアマット11に取付けられねばならない。第1マットグロメット17の筒状部46がフロアマット11の取付穴13に挿入される位置に配置され、第2マットグロメット18の筒状部51が取付穴13に挿入される位置に配置されて、第1マットグロメット17の筒状部46が筒状部51に受入れられるように押し込まれる。この押し込みによって、筒状部46の係止部45が筒状部51の係止部50に係止し、第1マットグロメット17と第2マットグロメット18とがフロアマット11を挟持した状態に取付けられる。更に、図3に示すように、第1固定具5及びノブ6が取付けられたカーペット2には、第2固定具15が取付けられたフロアマット11が配置される。この場合、第2固定具15の第1マットグロメット17の貫通穴14を形成するノブ係止部47は、非ロック位置にあるノブ6のノブ頭部35が、貫通穴14を通過するように配置され、そのまま第2固定具15が取付けられたフロアマット11が、第1固定具5及びノブ6が取付けられたカーペット2に押付けられる。ノブ頭部35が貫通穴14を貫通してノブ係止部47の上方に出てくると、作業者は、ノブ頭部35の指掛け部42を操作して、ノブ軸部37を、軸回りに90度回転させて、ノブ6を非ロック位置からロック位置に移す。
【0039】
図38及び図39(A)〜(C)は、ノブ6を、ノブ軸部37の軸回りに90度回転させて、ノブ6を非ロック位置からロック位置に移す状態を示している。図39(A)の非ロック位置から、図39(B)の途中の状態を経て、ノブ6を、ノブ軸部37の軸回りに90度回転させると、図38及び図39(C)のロック位置になる。既述のように、ノブベース10のノブ連結用係止爪33には、ノブ9のノブ軸部37の係止肩38に形成された突起39を受入れる軸方向の溝34が形成されており、溝34は、ノブ6がロック位置にあるときに突起39を受入れる位置に配置されている。これによって、ロック位置への回転の終了時を指への感覚(クリック)によって知ることができ、また、ロック位置の固定にも役立つ。ノブ軸部37の突起39とノブベース10の溝34とは、嵌合した状態においてノブ軸部37の横断面において突起39が溝34を埋める(図39(C))ように嵌合する形状に形成されている。これによって、ロック位置においてのノブ6の軸回りの回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。更に、ノブ軸部37の板状体部分41の矩形横断面の長辺側の幅が、ノブベース10の筒状部の、ベース係止部27の内側に対応する矩形横断面の短辺の長さに等しいかやや短い程度の幅広に形成されている。ノブ6がロック位置にあるとき、図38に図示のように、ロック位置においてのノブ6とノブベース10(ひいては第1固定具5)とのがたつきを防止できる。そして、がたつきを防止でき、ノブ6がノブベース10を介して第1固定具5に強固に固定されるので、フロアマット11が引っ張られて固定装置1を抜け外れるように引っ張ったとしても、高い保持力でその引っ張り力に対抗できる。
【0040】
図40は、図3の操作及びノブ6のロック位置への操作によって、フロアマット11がカーペット2に固定装置1によって取付けられた様子を示している。上記のとおり、フロアマット11のカーペット2への組付け作業がし易く、且つ、その組み付け後の抜け外れを防止でき、ノブ6の保持力を向上でき、固定装置1による組み付け後の見栄えもよい。ノブ6をノブベース10に連結するためのノブ連結用係止爪33がスペースの大きいノブベース10の内部に形成できるので、ノブ連結用係止爪33を撓みやすく形成できるだけでなく、ノブ6への連結強度を高くする強度も得ることができ、ノブ6の回転方向へのがたつきを防止でき、ロック位置でのがたつきを防止できるので、フロアマット11の引っ張りによる抜け外れも確実に防止できる。
【0041】
以下、本発明の第2実施形態に係る、フロアマットをカーペットに固定する固定装置101について説明する。図41〜図43は、複数の部品から成る固定装置101の使用時の態様を示しているので、図41〜図43を参照して固定装置101の構成の概略を説明する。図41は、カーペット102の取付穴に取付穴の周囲部分を補強するように取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第1固定具103と、第1固定具103の貫通穴への挿入によって第1固定具に取付けられるノブアセンブリ105とを示している。図42は、フロアマット106の取付穴に取付穴の周囲部分を補強するように取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第2固定具107を示している。図43は、図41に示す、カーペット102に取付けられた第1固定具103及びノブアセンブリ105との組合せと、図42に示す、フロアマット106に取付けられた第2固定具107とによって、フロアマット106をカーペット102に固定した様子を示している。なお、カーペット102及びフロアマット106は、図示の便宜上、円板形部材で示されているが、それらの実際の形状は、多くの場合、図41〜図43に示す形状ではなく、例えば、カーペット102はフロアパネルに広がるシート形状であり、フロアマット106は、所定のシート形状に形成されていることを了解されたい。
【0042】
図41において、ノブアセンブリ105は、第1固定具103の貫通穴に挿入されて第1固定具に連結されるノブベース109と、ノブベース109に連結されるノブ110とから成る。第1固定具103は、カーペット102の取付穴111の周囲部分を両面から挟持する、第1カーペットグロメット113と第2カーペットグロメット114とから成る。第1カーペットグロメット113と第2カーペットグロメット114は、それぞれ、カーペット102の取付穴111の周囲部分に当接するフランジと、カーペット102を挟持した状態で連結できる係止手段とを有する。図42において、第2固定具107は、フロアマット106の取付穴115の周囲部分を両面から挟持する、第1マットグロメット117と第2マットグロメット118とから成り、第1マットグロメット117と第2マットグロメット118とは、それぞれ、フロアマットの取付穴の周囲部分に当接するフランジと、フロアマット106を挟持した状態で連結できる係止手段とを有する。なお、ノブベース109、ノブ110、第1カーペットグロメット113、第2カーペットグロメット114、第1マットグロメット117、及び第2マットグロメット118は、それぞれ、プラスチック材料で一体成形される。また、図41において、ノブアセンブリ105は、フロアマット106をカーペット102に取付けるときにのみ、第1固定具103に取付けるのが好ましい。更に、ノブアセンブリ105は、第1固定具103に連結された状態で、図80に示される非ロック位置と、図81に示されるロック位置とをとるように、ノブ110がノブベース109に対して軸回りに回転できる。
【0043】
図44〜図53を参照して第1固定具103の詳細を説明する。先ず、図44〜図49に第1固定具103の第1カーペットグロメット113が示されている。第1カーペットグロメット113には、カーペット102の取付穴の周囲部分に当接するフランジ119と、第2カーペットグロメット114と協働してカーペット102を挟持した状態で第2カーペットグロメット114に連結できる係止手段としての係止部121を有する。係止部121は、フランジ119に形成された貫通穴122を包囲するように垂下する筒状部123の外側面に2対形成されている。筒状部123の内側には、ノブベース109に係止する一対の係止肩125が形成されている。フランジ119から筒状部123に延びる貫通穴122は、図示のように長円(真円を直径方向に対向する2辺で切断した非真円形状)又は矩形に形成される。筒状部123の高さは、カーペット102の厚さに適合するように定められる。なお、筒状部123の下端には、筒状部123の強度を高く維持するように底面124(図49)が形成されるのが好ましい。
【0044】
次に、図50〜図53に、第1固定具103の第2カーペットグロメット114が示されている。第2カーペットグロメット114は、カーペット102の取付穴の周囲部分に当接するフランジ126と、第1カーペットグロメット113と協働してカーペット102を挟持した状態で第1カーペットグロメット113の係止部121に連結できる係止手段としての2対の係止部127を有する。係止部127は、第1カーペットグロメット113の筒状部123を包囲して係止部121に係止するように小さく立ち上がる筒状部129に形成されている。更に、フランジ126の外周縁部には、カーペット102に突き出すピン130が多数形成されており、第1固定具103のずれや軸回りの回転を防止する。かかる構成の第1カーペットグロメット113は、カーペット102のおもて面に配置され、第2カーペットグロメット114はカーペット102の裏面に配置される。ノブアセンブリ105は第1カーペットグロメット113から第2カーペットグロメット114に挿入されて第1固定具103に連結される。
【0045】
図54〜図64を参照して第2固定具107の詳細を説明する。図54〜図59に、第2固定具107の第1マットグロメット117が示されている。第1マットグロメット117には、フロアマット106の取付穴の周囲部分に当接するフランジ131と、第2マットグロメット118と協働してフロアマット106を挟持した状態で第2マットグロメット118に連結できる係止手段としての多段の係止部133を有する。係止部133は、フランジ131に形成された貫通穴134を包囲するように垂下する筒状部135の外側面に、軸方向に多段で且つ外周面に沿った溝形状に形成されている。貫通穴134を形成する筒状部135の内壁には、ノブ110の頭部が当接する係止部137が形成されている。係止部137は、貫通穴134を形成する筒状部135の内壁面から中心の側に拡がる板状体で形成される。係止部137には、ノブ110の頭部が貫通できる長穴138が形成されている。この長穴138は、ノブ110が非ロック位置にあるとき(図80)ノブの頭部153が貫通できるが、ロック位置にあるとき(図81)ノブ頭部153が当接して貫通できない形状(図示の例では楕円形の穴)に形成されている。筒状部135の高さは、フロアマット106の厚さに適合するように定められる。
【0046】
図60〜図64に第2固定具107の第2マットグロメット118が示されている。第2マットグロメット118は、フロアマット106の取付穴の周囲部分に当接するフランジ139と、第1マットグロメット117と協働してフロアマット106を挟持した状態で第1マットグロメット117の係止部133に連結できる係止手段としての2対の係止部141とを有する。係止部141は、第1マットグロメット117の筒状部135を包囲して係止部133に係止するように小さく立ち上がる筒状部142に形成されている。更に、フランジ139の外周縁部には、フロアマット106に突き出すピン143が多数形成されており、第2固定具107の位置ずれや軸回りの回転を防止する。かかる構成の第1マットグロメット117は、フロアマット106のおもて面に配置され、第2マットグロメット118はフロアマット106の裏面に配置される。係止部137は、その長穴138にノブアセンブリ105のノブ110の頭部153を受入れる。
【0047】
図65〜図78を参照して、ノブアセンブリ105の詳細を説明する。図65〜図71に、ノブアセンブリ105のノブベース109が示されている。ノブベース109は、全体として、矩形又は長円形状の横断面を有する筒状に形成されている。図示の実施形態では、ノブベース109は、横断面において真円を直径方向に対向する2辺で切断した非真円形状の筒状に形成されている。既述のように、第1固定具103の貫通穴122(第1カーペットグロメット113に形成されている)は、ノブベース109の横断面形状に相似する形状に形成されており、これによって、ノブベース109は、貫通穴122を貫通するが軸回りの回転が阻止されている。ノブベース109には、ノブベース109の軸方向における中間位置において外周面を巡るように、ベースフランジ145が形成されている。ベースフランジ145は、第1カーペットグロメット113の貫通穴122の周囲部分に当接して貫通穴122を貫通しない大きさに形成され、ノブベース109を第1カーペットグロメット113に連結する場合の助けともなる。ノブベース109には、ノブベースの横断面形状の長辺方向に沿った2つの外側面のそれぞれに、ベース係止爪146が形成されている。ベース係止爪146は、ノブベース109を第1カーペットグロメット113の貫通穴122の挿入すると、第1カーペットグロメット113の係止肩125に係止してノブベース109を第1カーペットグロメット113(ひいては第1固定具103)に連結する。この連結において、ノブベース109のベースフランジ145が第1カーペットグロメット113のフランジ119に当接しているので、ベース係止爪146は係止肩125へ係止して、ノブベース109を第1カーペットグロメット113(ひいては第1固定具103)に連結する。
【0048】
ノブベース109のベース係止爪146のそれぞれは、ノブベース109の端部(図68の下端部)からベースフランジ145に向けて且つ自由端(下端)がノブベース109の外側面から外側に弾性的に張り出すように延びる薄い板状体で成る(図66及び図70)。これによって、第1固定具103(の第1カーペットグロメット113の)貫通穴122に挿入する力を低減する。この挿入時には、ノブベース109に連結されるノブ110は非ロック位置(図78、図79)にある。
【0049】
更に、ノブベース109は、上端に、ベース頂部147を有し、このベース頂部147を通ってノブ110がノブベース109に挿入される。ベース頂部147は、ノブ110の軸部を受入れる長穴149が形成された板状体で形成されている。長穴149は、ノブ110の軸部を、その長辺方向において貫通するのを許すが、短辺方向においては抜け出せない大きさに形成されている。
【0050】
ベース頂部147には、ノブ110の軸部をノブベース109に挿入するとノブ110をノブベース109に連結する係止手段としてのノブ連結用係止爪150が一対形成されている。ノブ連結用係止爪150は、図70及び図71に図示のように、ベース頂部147から一定長さ垂下する弾性係止爪で成る。更に、ノブベース109のノブ連結用係止爪150には、ノブ110の軸部の係止肩に形成された突起を受入れる軸方向の溝151が形成されており、溝151は、ノブ110がロック位置にあるときに突起を受入れる位置に配置されている。これによって、ロック位置への回転の終了時を指への感覚によって知ることができ、また、ロック位置の固定にも役立つ。ノブ連結用係止爪150は、ノブベース109の内側のスペースが広いため、ノブ軸部の係止肩に確実に係止する大きさと強度を有するように形成される。これによって、ノブ110がノブベース109に連結する強度は一層高く維持される。ノブ連結用係止爪150は、筒状体のノブベース109のベース頂部147から下方に向けて延びる板状に形成されており、ノブ連結用係止爪150の幅方向の中間の、ノブ受入穴の輪郭を形成する溝151の部分においてノブ連結用係止爪150は薄板に形成されて、ノブ110の軸部がノブ受入穴に挿入されるとき外方に撓み易くなっており、ノブ軸部の挿入を容易にしている。
【0051】
更に、ノブベース109のノブ連結用係止爪150の溝151は、ノブ110の軸部の係止肩に形成された突起を受入れる形状に形成されており、ノブ110の軸部がロック位置にあるときにその突起を受入れる位置に配置されている。これによって、ロック位置への回転の終了時を指への感覚によって知ることができ、また、ロック位置の固定にも役立つ。すなわち、ノブ軸部の突起とノブベース109の溝151とは、ノブ軸部がロック位置に回転したときにノブ連結用係止爪150の弾性に従って弾性的に突起が溝151に嵌合する形状に形成されている。ノブ110の操作において固定操作の完了であるロック位置への回転の感覚を、作業者にそのクリック感覚で確実に伝達できる。ノブ軸部の突起とノブベース190の溝151とは、嵌合した状態においてノブ軸部の横断面において突起が溝151を埋めるように嵌合する形状に形成されている。これによって、ロック位置においての回転をロックして、回転方向へのがたつきを防止できる。
【0052】
図72〜図77にノブアセンブリ105のノブ110が示されている。ノブ110は、第2固定具107(の第1マットグロメット117)の貫通穴134の周囲部分に当接するノブ頭部153と、ノブベース109のベース頂部147の長穴149に挿入されるノブ軸部154を有し、ノブ軸部154にはノブベース109に係止する係止手段が設けられている。ノブ軸部154は、ノブベース109の空洞内での所定角度(図示の実施形態では90度)の回転によってベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止する幅広の形状と、倒れ込みを阻止しない厚さを持つ細長い板状に形成されており、ベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止しない非ロック位置とベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止するロック位置とをとるように軸回りに回転できる。そのため、ノブ軸部154は、ノブ頭部153から垂下する板状体であって、ノブベース109のベース頂部147の長穴149の長辺方向において貫通するが短辺方向において抜け出せない大きさの矩形横断面を有する幅広の板状体で形成される、ノブ頭部153は、ノブ軸部154の上端部(図72の上端部)に形成されてノブベース109のベース頂部147の長穴149を貫通しない大きさに形成されている。更に、ノブ頭部153の頂面には指掛け部155が形成されて、ノブ軸部154を非ロック位置とロック位置との間に軸回りに回転操作するのを容易にする。
【0053】
ノブ軸部154には、ノブ軸部154をノブベース109に挿入するとノブ110をノブベース109に連結する係止手段が形成されている。この係止手段は、ノブベース109のノブ連結用係止爪150に係止する係止肩157で成る。この係止肩157は、ノブベース109のノブ連結用係止爪150に係止できる限り任意の形状でよい。図示の実施形態においては、ノブ軸部154の幅広部分の、ノブ連結用係止爪150に係止できる位置に対応する部分の幅を狭くすることによって形成している。これによって、ノブ軸部154を、ノブベース109に挿入し十分に押込むと、ノブベース109のノブ連結用係止爪150が係止肩157に係止してノブ110がノブベース109に連結される。なお、押込み直後においてノブ軸部154はベース係止爪146の内方への倒れ込みを許す非ロック位置にあるが、ノブ連結用係止爪150は溝151の形成によって半円筒形状に形成されていて(図69)、係止肩157の一部に係止するので、ノブ軸部154を、ノブベース109に挿入し十分に押込むだけで、ノブ110がノブベース109に連結される。押込み後、ノブ軸部154を軸回りに90度回転することで、係止肩157が広い面積においてノブ連結用係止爪150に係止する。この回転によって、ノブ軸部154は、幅広の部分がベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止するように係合してロック位置となる。ロック位置において、ノブ110とノブベース109の連結は確実に維持される。
【0054】
ノブ軸部154の係止肩157には、係止肩157から軸方向にノブ頭部153に向け且つ半径方向に突出する突起158が形成されている。この突起158は、ノブベース109のノブ連結用係止爪150に形成された軸方向の溝151に嵌合することができる。すなわち、ノブ軸部154がロック位置に回転されたとき、ノブ軸部154の幅広の部分がベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止するように係合するとともに、突起158が溝151に嵌合する。この嵌合によって、ノブ軸部154がロック位置へ回転し終えたことをノブ頭部153の指掛け部155に指をかけている作業者に感覚で知らせることができる。また、突起158が溝151に嵌合することによって、ノブ軸部154をロック位置へ維持するので、ノブ110をロック位置に固定することができる。
【0055】
図76〜図78には、ノブベース109にノブ110が組み付けられたノブアセンブリ105が示されている。ノブ軸部154がノブベース109に挿入しされて十分に押込まれると、ノブベース109のノブ連結用係止爪150が係止肩157に係止して、ノブ110がノブベース109に連結される。押込み直後において、ノブ軸部154はベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止しない非ロック位置にある(図78の実線の位置)が、ノブ連結用係止爪150は半円筒形状に形成されて(図69)、係止肩157の一部に係止するので、ノブ110はノブベース109に連結された状態になる。押込み後、想像線で示すように、ノブ軸部154を軸回りに90度回転することで、ノブ軸部154は、幅広の部分がベース係止爪146の内方への倒れ込みを阻止するように係合してロック位置となり、係止肩157が広い面積においてノブ連結用係止爪150に係止して、ノブ110とノブベース109の連結は確実に維持される。
【0056】
かかる構成で成る、固定装置1を用いて、フロアマット106をカーペット102に固定する操作を、図79〜図81及び図41〜図43を参照しながら説明する。図41のように、第1固定具103の第1カーペットグロメット113及び第2カーペットグロメット114がカーペット102に取付けられた後に、ノブベース109にノブ110が連結されたノブアセンブリ105が第1固定具103の第1カーペットグロメット113に挿入される。図79は、その挿入直前の様子を示している。作業者はノブ頭部153をもってノブアセンブリ105を第1固定具103に挿入する。
【0057】
図80は、ノブアセンブリ105の挿入後の状態を示している。ノブアセンブリ105の挿入において、ノブベース109のベース係止爪146は、内方へ撓み易く形成されているので、作業者には、その挿入作業は容易にできる。挿入を完了すると、ベース係止爪146が第1カーペットグロメット113の係止肩125に係止し、ノブベース109のベースフランジ145が第1カーペットグロメット113のフランジ119に当接するので、ノブアセンブリ105は、第1固定具103に確実に連結される。図80において、ノブアセンブリ105は第1固定具103に連結され、ひいては、ノブアセンブリ105はカーペット102に固定される。この固定状態で、ノブ110は非ロック位置にある。なお、ノブアセンブリ105において、ノブ110とノブベース109との連結は、ノブ110の係止肩157とノブベース109のノブ連結用係止爪150との係止によっているが、ノブ軸部154が幅広であって係止肩157が幅広になり且つノブ連結用係止爪150が幅広に形成できるため、図80の矢印159に示す方向におけるぐらつきを小さくできる。
【0058】
図42に示すように、第1マットグロメット117と第2マットグロメット118とで成る第2固定具107がフロアマット106に取付けられている。このフロアマット106を、図43に示すように、ノブ110のノブ頭部153が第2固定具107の第1マットグロメット117の貫通穴134を貫通する状態でカーペット102の第1固定具103にフロアマット106の第2固定具107が重ねられ、そのまま押込まれる。押込みの完了後、ノブ110のノブ軸部154が、非ロック位置からロック位置に、90度軸回りに回転されると、ノブ頭部153が第2固定具107の第1マットグロメット117に形成された係止部137に当接して第2固定具107を軸方向に第1固定具103に押圧する。それととともに、ノブ110のノブ軸部154の幅広部分がノブベース109のベース係止爪146が内方へ倒れ込むのを阻止して、ノブベース109のベース係止爪146と第1固定具103の係止部である第1カーペットグロメット113の係止肩125との係合がロックされる。これによって、図81に図示のように、固定装置101によって、フロアマット106がカーペット102に固定される。なお、ノブ軸部154が幅広であってノブベース109のベース係止爪146に係合しているので、図81の矢印161に示す方向のぐらつきを小さくできる。
【0059】
図82は、他の実施形態を示す。この実施形態においては、第1固定具103Aにおいて、第1カーペットグロメット113Aには、ノブベース109のベース係止爪146が係止する係止肩がなく、第2カーペットグロメット114Aに、ノブベース109のベース係止爪146が係止する係止肩162が形成されている。他の構成は、既述の固定装置1の構成と同じであるので説明を省略する。第1固定具103Aの場合、第1カーペットグロメット113Aは、カーペット102のおもて面に配置され、第2カーペットグロメット114Aはカーペット102の裏面に配置され、ノブアセンブリ105のノブベース109は、第1カーペットグロメット113Aから第2カーペットグロメット114Aに挿入されて、第1固定具103Aに連結される。ノブアセンブリ105のノブベース109への係止部としての係止肩162は、第2カーペットグロメット114Aに形成され、ノブアセンブリ105が第1固定具103Aに連結される。この場合には、抜け方向(矢印163)の力が加わった場合に、第2カーペットグロメット114Aが強固にその力に対抗できる利点がある。
【0060】
図83は、固定装置1によってカーペット2に取付けられたフロアマット11Aが、ボデーパネル54に取付けられる取付部55を有するように形成されている。フロアマット11Aが変形していても、本発明に係る固定装置は、フロアマットをカーペットに確実に固定することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 固定装置
2 カーペット
5 第1固定具
6 ノブ
7 第1カーペットグロメット
9 第2カーペットグロメット
15 第2固定具
17 第1マットグロメット
18 第2マットグロメット
33 ノブ連結用係止爪
34 溝
35 ノブ頭部
37 ノブ軸部
39 突起
101 固定装置
103 第1固定具
105 ノブアセンブリ
107 第2固定具
109 ノブベース
110 ノブ
113 第1カーペットグロメット
114 第2カーペットグロメット
117 第1マットグロメット
118 第2マットグロメット
146 ノブ係止爪
150 ノブ連結用係止爪
151 溝
153 ノブ頭部
154 ノブ軸部
158 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアマットをカーペットに固定する固定装置であって、
カーペットの取付穴の周囲部分に取付けられる第1固定具と、
前記第1固定具に取付けられるノブと、
前記フロアマットの取付穴の周囲部分に取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第2固定具とから成り、
前記第1固定具は、カーペットの取付穴の周囲部分を両面から挟持する、第1カーペットグロメットと第2カーペットグロメットとから成り、該第1カーペットグロメット及び第2カーペットグロメットは、カーペットの取付穴の周囲部分に当接する第1カーペットグロメットフランジ及び第2カーペットグロメットフランジと、カーペットを挟持した状態で前記第1カーペットグロメット及び第2カーペットグロメットを相互に連結できる係止手段とを有し、
前記第2カーペットグロメットには、前記ノブを受入れて該ノブに連結するノブベースが形成されており、該ノブベースは、中央に前記ノブを受入れるノブ受入穴が形成される空間を有する筒状体として前記第2カーペットグロメットフランジから立上っており、前記第1カーペットグロメットには、前記ノブベースが貫通する貫通穴が形成されており、
前記ノブ及び前記ノブベースは、該ノブが該ノブベースに挿入されると該ノブベース内で軸回りに回転可能に該ノブベースに連結されるように形成されており、前記ノブは、前記第2固定具の前記貫通穴の周囲部分に当接できる大きさを有するノブ頭部と、前記ノブベースに挿入されるノブ軸部とを備え、前記ノブベースは、前記第1カーペットグロメットの係止手段に係止する、前記筒状体の外側に形成されたベース係止部と、前記ノブ受入穴に挿入された前記ノブ軸部の係止手段に係止する、前記筒状体の内側に形成されたノブ連結用係止爪とを備え、前記ノブは、前記ノブ頭部が前記第2固定具に係止しない非ロック位置と前記第2固定具に係止するロック位置をとるように前記ノブベースの内側で軸回りに回転できる構成であり、
前記第1固定具の前記第1カーペットグロメット及び前記第2カーペットグロメットがカーペットの両面を挟持するように取付けられ、前記第2固定具がフロアマットに取付けられ、前記ノブベースに前記ノブが連結され、前記ノブ頭部が前記第2固定具の前記貫通穴を貫通する状態で前記カーペットの前記第1固定具の前記第1カーペットグロメットに前記フロアマットの前記第2固定具が重ねられ、前記ノブが前記非ロック位置から前記ロック位置に軸回りに回転された状態では、前記ノブ頭部が前記第2固定具に形成された係止部に当接して該第2固定具を軸方向に前記第1固定具に押圧して前記カーペットに前記フロアマットが固定される、
ことを特徴とする固定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブ軸部を受入れる前記ノブ受入穴の長手方向に沿って延びる弾性係止爪として、対向するように一対形成されており、前記ノブ軸部には、前記ノブ連結用係止爪に係止する係止肩が前記係止手段として形成されており、前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブベースの内側のスペースにおいて前記ノブ軸部の前記係止肩に確実に係止する大きさと強度を有するように形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記ノブ軸部の前記係止肩には、該係止肩から軸方向に突出する突起が形成されており、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪には、前記突起を受入れる軸方向の溝が形成されており、前記溝は、前記ノブ軸部が前記ロック位置にあるときに前記突起を受入れる位置に配置されている、ことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記ノブ軸部が前記ロック位置に回転したときに前記ノブ連結用係止爪の弾性に従って弾性的に該突起が該溝に嵌合する形状に形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記嵌合した状態において前記ノブ軸部の横断面において該突起が該溝を埋めるように嵌合する形状に形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の装置において、前記一対のノブ連結用係止爪は、筒状体の前記ノブベースのベース頂部から前記第2カーペットグロメットフランジに向けて延びる板状に形成されており、各ノブ連結用係止爪の幅方向の中間には、前記ノブ受入穴の輪郭を形成する溝が軸方向に形成されており、前記溝の部分において前記ノブ連結用係止爪は薄板に形成されて、前記ノブ軸部が前記ノブ受入穴に挿入されるとき外方に撓み易くなっており、該ノブ軸部の挿入を容易にしている、ことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1項に記載の装置において、前記ノブ軸部は、前記ノブ頭部から前記係止肩の位置までがロッド形状に形成され、前記係止肩から先端までが、矩形横断面を有する板状体に形成されており、該板状体のノブ軸部部分は、前記矩形横断面の長辺側の幅が前記ノブベースの内側の横断面の長さに等しいかやや短く形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置において、前記第1カーペットグロメットはカーペットのおもて面に配置され、前記第2カーペットグロメットはカーペットの裏面に配置され、前記ノブは前記第2カーペットグロメットに形成された前記ノブベースに挿入されて当該第2カーペットグロメットに連結される構成である、ことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1〜8に記載の装置において、前記第2固定具は、フロアマットの取付穴の周囲部分を両面から挟持する、第1マットグロメットと第2マットグロメットとから成り、該第1マットグロメットと第2マットグロメットとは、それぞれ、フロアマットの取付穴の周囲部分に当接するフランジと、相互にフロアマットを挟持した状態で連結できる係止手段とが設けられている、ことを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、前記第1マットグロメット又は前記第2マットグロメットの一方には、前記貫通穴の前記内壁に、前記ノブ頭部が当接する前記係止部が形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、前記第2固定具の前記係止部は、前記貫通穴の内壁面から内側に拡がる板状体で形成され、該係止部には、前記ノブ頭部が貫通できる長穴が形成されており、該長穴は、前記ノブが前記非ロック位置にあるとき前記ノブ頭部が貫通できるが前記ロック位置にあるとき前記ノブ頭部が当接して貫通できない形状に形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置において、前記ノブ頭部には、前記ノブ軸部を軸回りに回転させるための指掛け部が形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項13】
フロアマットをカーペットに固定する固定装置であって、
カーペットの取付穴の周囲部分に取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第1固定具と、
前記第1固定具の前記貫通穴への挿入によって該第1固定具に取付けられるノブアセンブリと、
前記フロアマットの取付穴の周囲部分に取付けられ且つ中央に貫通穴を有する第2固定具とから成り、
前記ノブアセンブリは、前記第1固定具の前記貫通穴に挿入されて該第1固定具に連結されるノブベースと、前記ノブベースに連結されるノブとから成り、
前記ノブベースは、前記第1固定具の前記貫通穴に挿入され且つ中央に前記ノブを受入れるノブ受入穴を有する筒状体で形成され、該ノブベースには、前記第1固定具の前記貫通穴に挿入される部分の外側面に、前記第1固定具の前記貫通穴の周囲部分に当接するベースフランジと、前記第1固定具の前記貫通穴の内壁に形成された係止部に係止するベース係止爪とが形成されており、
前記ノブ及び前記ノブベースは、該ノブが該ノブベースに挿入されると該ノブベース内で軸回りに回転可能に該ノブベースに連結されるように形成されており、前記ノブは、前記第2固定具の前記貫通穴の周囲部分に当接するノブ頭部と、前記ノブベースに挿入されて該ノブベースに係止する係止手段を有するノブ軸部とを備え、該ノブ軸部は、前記ノブベース内で前記ノブ軸部の軸回りに所定角度回転すると前記ベース係止爪の内方への倒れ込みを阻止する形状に形成され、前記倒れ込みを阻止しない非ロック位置と前記倒れ込みを阻止するロック位置とをとるように軸回りに回転でき、
前記第1固定具がカーペットに取付けられ、前記第2固定具がフロアマットに取付けられ、前記第1固定具には前記ノブアセンブリが前記ノブ軸部の軸回りの回転をしないように連結され、前記ノブの前記ノブ頭部が前記第2固定具の前記貫通穴を貫通する状態で前記カーペットの前記第1固定具に前記フロアマットの前記第2固定具が重ねられ、前記ノブが前記非ロック位置から前記ロック位置に軸回りに回転された状態では、前記ノブ頭部が前記第2固定具に形成された係止部に当接して該第2固定具を軸方向に前記第1固定具に押圧するとともに、前記ノブベースの前記ベース係止爪と前記第1固定具の前記係止部との係合がロックされて、前記カーペットに前記フロアマットが固定される、
ことを特徴とする固定装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記ノブ軸部と前記ノブベースとには、該ノブ軸部を該ノブベースに挿入すると当該ノブを当該ノブベースに連結する係止手段が形成されており、前記ノブベースの係止手段は、前記ノブベースのベース頂部から該ノブベースの内側を軸方向に延びる弾性のノブ連結用係止爪で成り、前記ノブ軸部の係止手段は、前記ノブ連結用係止爪に係止する係止肩で成る、ことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置において、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブ軸部を受入れる前記ノブ受入穴の長手方向に沿って延びる弾性係止爪として、対向するように一対形成されており、前記ノブ連結用係止爪は、前記ノブベースの内側のスペースにおいて前記ノブ軸部の前記係止肩に確実に係止する大きさと強度を有するように形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、前記ノブ軸部の前記係止肩には、該係止肩から軸方向に突出する突起が形成されており、前記ノブベースの前記ノブ連結用係止爪には、前記突起を受入れる軸方向の溝が形成されており、前記溝は、前記ノブ軸部が前記ロック位置にあるときに前記突起を受入れる位置に配置されている、ことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記ノブ軸部の前記突起と前記ノブベースの前記溝とは、前記ノブ軸部が前記ロック位置に回転したときに前記ノブ連結用係止爪の弾性に従って弾性的に該突起が該溝に嵌合する形状に形成されている、ことを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【公開番号】特開2010−195179(P2010−195179A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42044(P2009−42044)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【Fターム(参考)】