説明

フロッピーディスク用ケース

【目的】本考案は、ケースのブランクを改良して糊部の箇所を内側のみに減らすことで、糊付け工程を1工程とすると共に、フロッピーディスクの収納を1枚から10枚に対応できるフロッピーディスク用ケースを提供する。
【構成】背面板の周縁に二本の折り目線を介して、横面板、前面板、内面板を設け、前記前面板上方に、ミシン目線を介して固定板を連設してなるフロッピーディスク用ケースにおいて、前記前面板上方に差し込み片を設け、この両側の前面板両肩部に山形状のミシン目線を介して三角片を設け、前記内面板の両側縁に切り欠き部を設け、前記固定板内側の複数箇所と三角片にスポット糊部を設け、各折り目線から内側に横面板、内面板、前面板と折り畳み、前記内面板の切り欠き部を介して、固定板と三角片を横面板に貼着したフロッピーディスク用ケースである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、紙製のフロッピーディスク用ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、1枚から10枚程度のフロッピーディスクを収納するプラスチック製のケースが一般的に知られている。これに対して、近年、環境問題等を考慮して、紙製のフロッピーディスク用ケースが採用されてきた。例えば、図4及び図5に示すように、ほぼ正方形状の背面板(30)周囲をフロッピーディスクより僅かに厚くなるように、所定幅の二本の折り目線(a,a,b,b) で囲み、この折り目線を介して側方に横面板(34,34) 、下方に内面板(35)、上方に前面板(31)を連設して、この前面板の上方に所定幅の二本のミシン目線を介して固定板(32)を設けて、この固定板内側に複数箇所と横面板の外側の少なくとも2カ所に糊部(t,t,n,n) を設け、内面板(35)の内側と横面板(34,34) 、固定板(32)内側と内面板(35)外側を貼着した紙製のフロッピーディスク用ケース(60)が知られている。
これらの場合、通常はケースのブランクをラップランド自動製凾機で、フロッピーディスクの挿入、ケースブランクの内側、外側への糊付け等の、一連の組立包装の製凾工程を連続して行っている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、手作業或いは自動製凾機においても、ケースブランクの内側と外側の複数箇所に糊部を設ける場合は、糊付け作業が2工程となり作業時間のロスが多く、また糊部の箇所を増やすことやフロッピーディスクの収納枚数によって、糊付け位置をずらしたり、糊付けするノズルを増設することが必要となるが、糊付けノズルの移動距離に制限があったり、またノズルの増設も出来ない場合もあり、糊付け作業(糊部の形成)を難しくしていた。
【0004】
そこで本考案は、ケースのブランクを改良し、糊付け作業の箇所を内側のみに減らすことで、1工程にすると共に、フロッピーディスクの収納を1枚〜10枚用にしても、内側の複数箇所の糊部で対応できるフロッピーディスク用ケースを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本考案は、背面板(10)の周縁に設けた所定間隔の二本の折り目線(a,a,b,b) を介して、横面板(14,14) と内面板(15)と前面板(11)を連設し、該前面板の上方に切り取り可能な二本のミシン目線(c,c) を介して固定板(12)を連設してなるフロッピーディスク用ケースにおいて、前記前面板(11)上方を切り欠いて差し込み片(S) を設け、この差し込み片両側で、かつ、前面板両肩部に山形状のミシン目線(d,d) を介して切り離し可能な三角片(18,18) を設け、前記固定板内側の少なくとも3カ所と前記前面板両肩の三角片中央部に1カ所のスポット糊部(t,t,t,t2,t2) を設け、前記内面板の両側縁には少なくとも2カ所づつの切り欠き部(16,16,16,16) を設けて、各折り目線から内側に横面板、内面板、前面板と折り畳み、前記内面板側縁の切り欠き部を介して固定板と三角片を横面板に貼着したフロッピーディスク用ケース(50)である。
【0006】
【作用】
本考案のフロッピーディスク用ケースは、図1に示すように、内面板(15)の両側縁に少なくとも2カ所づつの切り欠き部(16,16,16,16))を設け、前面板(11)の両肩に設けた三角片(18,18) と切り欠き(K) を挟んで二本のミシン目線(d,d) を介して連設した固定板(12)に、少なくとも3カ所のスポットの糊部(t,t,t) と三角片に1カ所づつのスポットの糊部(t2,t2) を設け、この固定板と三角片を切り欠き部を介して、横面板(14,14) に貼着すると共に、中央の糊部(t) によって内面板(15)外側の中央部と接着して、内面板を補強するように固着されるので、開封の際、前面板を二本のミシン目線から切り離しても、5カ所の貼着で全体を強固に固着し、肩崩れしないフロッピーディスク用ケース(50)となる。しかも、背面板(10)周囲の二本の折り目線の間隔を広げて、この部分の用紙を伸ばすだけで、フロッピーディスクを1枚から10枚までの収納を可能としたケースになり、その際、背面板、横面板、前面板、内面板の寸法はそのままで、しかも糊部の位置も切り欠き部の位置も変更せずに対応することができる。
【0007】
【実施例】
本考案を図に基づき説明する。
図1は、本考案の一実施例におけるフロッピーディスク用ケースのブランクである。また、図2は、上記ブランクに基づき組立途中のフロッピーディスク用ケースの斜視図(A) と糊部による貼着状態を示す説明図(B) である。
【0008】
本考案に係わるフロッピーディスク用ケース(50)の材料は、厚紙を使用したもので、また本実施例においては、フロッピーディスク1枚を収納するケースで説明する。
【0009】
図1に示すように、先ず、ほぼ正方形状(横幅91mm×高さ94mm)の背面板(10)の周縁にフロッピーディスクの厚さより僅かに広く、幅約4mm間隔で平行な二本の折り目線(a,a) を設け、この折り目線を介して横面板(14,14) を連設する。また、背面板(10)上縁には幅約4mm間隔で平行の二本の折り目線(b,b) を介して前面板(11)を設け、この前面板の中央部上端を切り欠いて差し込み片(S) を設け、この差し込み片両側で、かつ前面板(11)の両肩部に山形状のミシン目線(d,d) を介して、切り離し可能な三角片(18,18) を設けて、更に、切り欠き(k) を挟んで約10mm間隔で二本の平行なミシン目線(c,c) を介して、固定板(12)を連設したものである。一方、背面板(10)の下側縁には、幅約4mm間隔の平行な二本の折り目線(b,b) を介して、内面板(15)を設け、この中央部には差し込み片挿入口(17)を形成したものである。また、この内面板(15)の両側縁には、少なくとも2カ所づつの切り欠き部(16,16,16,16) を設けたものである。この切り欠き部の形状は限定するものではなく、円形状、三角形状等の形状のいずれでもよく、折り畳んだ際に、横面板(14,14) の外側面の一部が切り欠き部から露出すればよい。
【0010】
この組立は、図2(A) に示すように、固定板(12)内側の少なくとも3カ所と前記三角片(18,18) 中央部の1カ所づつにスポット糊部(t,t,t,t2,t2) を設け、各折り目線から内側に横面板、内面板、前面板の順に折り畳み、固定板と三角片を内面板上に被せて、固定板両端のスポット糊部(t,t) と三角片のスポット糊部(t2,t2) が切り欠き部(16,16,16,16) を挟むようにして、横面板と固定板と三角片が接着して、更に、固定板中央のスポット糊部(t) が内面板の外側中央部に貼着される。この際、図2(B) に示すように、横面板と固定板を直接貼着して内面板を挟むようにしたが、切り欠き部(16,16,16,16) を介して横面板と貼着する部分と、一部が切り欠き部端部の内面板とも貼着してもよく、ケースは更に強固なものとなる。
【0011】
本考案のフロッピーディスク用ケースは、フロッピーディスクを挿入して組み立てるもので、前面板(11)上方に設けた二本のミシン目線(c,c) をフロッピーディスクを取り出す際に切り取り、前面板を三角片から切り離すと固定板と三角片が横面板(14,14) の4カ所と内面板の1カ所で貼着されるので、ケースは型崩れせずフロッピーディスクの保護用、保存用として使用できる。
【0012】
次に図3は、本考案の他の実施例におけるフロッピーディスク用ケースのブランクである。
【0013】
このケースの場合は、内面板(25)の両側縁に1カ所づつの切り欠き部(26,26) を設けたもので、これに従って固定板(22)の3カ所にスポット糊部を設け、接着はこの切り欠き部を介して直接2カ所で横面板(24,24) と貼着したものである。
【0014】
本実施例は、1枚のフロッピーディスクを収納するケースで説明したが、背面板(10)の周縁の各折り目線(a,a,b,b) の間隔をフロッピーディスクの3枚、5枚、10枚の厚さに伸ばし広げることで、横面板、内面板、前面板、固定板を伸ばすことなく、しかも糊部の位置、切り欠き部の位置を変更しなくとも収納、包装することができるフロッピーディスク用ケース(50)となる(図示はせず)。
尚、本実施例おいてはスポットの糊部としたが、線糊も可能であり特に限定しない。
【0015】
【考案の効果】
本考案のフロッピーディスク用ケースは、糊部を固定板と三角片の内側だけにしたもので、糊付け作業が1工程で済ランニングコストが安価になる。しかも4カ所のスポット糊部により、横面板の中央部及び下端部と更に内面板の1カ所で貼着されるので、型崩れせずフロッピーディスクの保存用として繰り返し使用することができる。
また、背面板周囲の二本の折り目線間隔をフロッピーディスクの収納する枚数の厚さに合わせて伸ばし広げるだけで、他の面板を伸ばさなくとも1枚から10枚までのフロッピーディスクを収納、包装することができる。
更に、フロッピーディスク用ケースの改良によって、機械製凾の場合も、糊付け工程が1工程で済、また糊付けノズルの移動だけで製凾することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例におけるフロッピーディスク用ケースのブランクである。
【図2】上記ブランクに基づき組立途中のフロッピーディスク用ケースの斜視図(A) と糊部による貼着状態を示す説明図(B) である。
【図3】本考案の他の実施例におけるフロッピーディスク用ケースのブランクである。
【図4】従来のフロッピーディスク用ケースのブランクである。
【図5】上記のブランクから製凾中のフロッピーディスク用ケースの糊部を示す説明図(A) とこのフロッピーディスク用ケースの斜視図(B) である。
【符号の説明】
10,20,30 …背面板
11,21,31 …前面板
12,22,32 …固定板
14,24,34 …横面板
15,25,35 …内面板
16,26 …切り欠き部
17,27,37 …差し込み片挿入口
a,b …折り目線
d …ミシン目線
S …差し込み片
t,t2, …スポット糊部
k …切り欠き

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】背面板の周縁に設けた、所定間隔の二本の折り目線を介して横面板と内面板と前面板を連設し、該前面板の上方に二本の切り取り可能なミシン目線を介して固定板を連設してなるフロッピーディスク用ケースにおいて、前記前面板上方を切り欠いて差し込み片を設け、該差し込み片の両側で、かつ、前面板両肩部に山形状のミシン目線を介して切り離し可能な三角片を設け、前記固定板内側の複数箇所と前記前面板両肩の三角片中央部にスポット糊部を設けて、前記内面板両側縁の少なくとも2カ所づつに切り欠き部を設けて、各折り目線から内側に横面板、内面板、前面板と折り畳み、前記内面板側縁の切り欠き部を介して固定板と三角片を横面板に貼着したことを特徴とするフロッピーディスク用ケース。
【請求項2】前記背面板周囲に設けた二本の折り目線の間隔を広げ伸ばし、所定数枚のフロッピーディスクの収納を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のフロッピーディスク用ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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