説明

フローティング機構を備えたロボットハンド

【課題】安価で自由度が高く、かつ水平方向及び上下方向のいずれについても高精度の位置決めが可能なフローティング機構を備えたロボットハンドの提供。
【解決手段】ロボットハンド10は、ロボットアーム12の先端部に取り付けられて第1の軸線方向に可動な第1のリニアガイド20と、第1のリニアガイド20に可動に設けられて第2の軸線方向に可動な第2のリニアガイド26と、第2のリニアガイド26に可動に設けられて第3の軸線回りに回転可能な円形の軸受け32と、軸受け32に接続された保持機構34とを有し、第1〜第3の軸線は互いにゼロ度でない角度をなし、ロボットハンド10は第1の軸線及び第2の軸線をいずれも水平にした状態で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティング機構を備えたロボットハンドに関し、特には、ワークを把持したまま所定位置に正確に位置決め可能なフローティング機構を備えたロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットハンドでワークを保持して所定の場所へ位置決めする場合、ワークをフローティング状態に保持するフローティング機構が採用されることがある。例えば特許文献1には、ロケートピン及び該ロケートピンが嵌入されるロケート孔を有した嵌入部の一方をベース部材に設け、他方を吸着パッドとともに上下動するシャフトに設け、ロケートピンがロケート孔に嵌入されたリジッド状態と離脱したフローティング状態とを形成するアクチュエータを備えたワーク搬送装置が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、ワークを把持する複数のクランパと該クランパをそれぞれ駆動する複数のエアシリンダとを備え、ワークを治具に挿入する時はエアシリンダの圧力をワーク搬送時より低くするようにしたロボットハンド装置が開示されている。
【0004】
さらに特許文献3には、フローティングボード10を支持板9の延設部9aと支持枠4のガイド壁4aとの間に収容し、これらの間にボールプランジャ11を介在させて水平方向移動自在としたロボットハンドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−293681号公報
【特許文献2】特開2000−6078号公報
【特許文献3】特開平6−182689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のような上下方向のフローティング機構や、特許文献2に記載のような一方向のフローティング機構では、フローティングの方向が限定されるため、自在な動作でワークを外部基準に合わせることは困難である。また、特許文献3に記載のようなボールプランジャで支持されるタイプのものは、フローティング部分が上下方向にガタつきやすく、用途によっては精度のよい位置決めが困難な場合がある。
【0007】
そこで本発明は、安価で自由度が高く、かつ水平方向及び上下方向のいずれについても高精度の位置決めが可能なフローティング機構を備えたロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ロボットアームの先端部に装着される、フローティング機構を備えたロボットハンドであって、前記ロボットアームの先端部に取り付けられた第1のベース部、及び該第1のベース部に第1の軸線の方向に可動に設けられた第1のスライド部を有する第1のリニアガイドと、第2のベース部、及び該第2のベース部に第2の軸線の方向に可動に設けられた第2のスライド部を有し、前記第2の軸線が前記第1の軸線とゼロ度でない角度をなすように前記第1のスライド部に前記第2のベース部が取り付けられた、第2のリニアガイドと、第3のベース部、及び該第3のベース部に第3の軸線回りに回転可能に設けられた回転部を有し、前記第3の軸線が前記第1の軸線とゼロ度でない角度をなしかつ前記第3の軸線が前記第2の軸線とゼロ度でない角度をなすように前記第2のスライド部に前記第3のベース部が取り付けられた、円形の軸受けと、前記回転部に接続された保持機構と、を備え、前記第1の軸線及び前記第2の軸線を共に水平にした状態で使用される、ロボットハンドを提供する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロボットハンドにおいて、前記第1のリニアガイド、前記第2のリニアガイド及び前記円形の軸受けは、それぞれのベース部に固定配置されたスプリング又はシリンダを介してそれぞれのスライド部又は回転部を支持することにより、前記スライド部又は前記回転部をそれぞれの可動範囲の中央付近に保持するセンタリング機構をそれぞれ備えた、ロボットハンドを提供する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のロボットハンドにおいて、前記第1のリニアガイド、前記第2のリニアガイド及び前記円形の軸受けは、それぞれベース部に固定配置されたシリンダにより、それぞれのスライド部又は回転部にピン状又は楔状部材を挿入することで前記スライド部又は前記回転部を固定するロック機構をそれぞれ備えた、ロボットハンドを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つのリニアガイドをゼロ度でない角度に組み合わせ、それに軸受けを接続することで、平行回転移動可能で、かつ、ガタつきのないフローティング機構を、安価に提供できる。
【0012】
第1のリニアガイド、第2のリニアガイド及び軸受けにセンタリング機構を設けることにより、フローティング状態においてワークがロボットアームに対して不都合に変位することを防止できる。
【0013】
第1のリニアガイド、第2のリニアガイド及び軸受けにロック機構を設けることにより、ワーク位置決め時以外のワークの搬送やワーク未保持状態でのロボットハンドの移動等を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るロボットハンドを示す図である。
【図2】第1及び第2のロック機構が解除されている状態を示す図である。
【図3】第1及び第2のロック機構が作動している状態を示す図である。
【図4】第3のロック機構が解除されている状態を示す図である。
【図5】第3のロック機構が作動している状態を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るロボットハンドを用いた、ワークの搬送手順を示すフローチャートである。
【図7】ロボットハンドを用いて、パレット上のワークを吸引保持している状態を示す図である。
【図8】吸引保持したワークを作業台上に搬送した状態を示す図である。
【図9】ワークを作業台上の基準位置に位置決めした状態を示す図である。
【図10】ワークの吸引保持を解除し、ロボットハンドを退避された状態を示す図である。
【図11】本発明に係るロボットハンドの第1の変形例を模式的に示す図である。
【図12】本発明に係るロボットハンドの第2の変形例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係るフローティング機構を備えたロボットハンド10の一構成例を示す図である。ロボットハンド10は、図示省略したロボットのロボットアーム12の先端部に装着されるが、図示例のように、ロボットアーム12に対して回動可能に取り付けられた手首部14を介して装着されてもよい。ロボットハンド10は、ロボットアーム12の先端又は手首部14に取り付けられた第1のベース部16、及び第1のベース部16に第1の軸線の方向(ここではX方向とする)に可動に設けられた第1のスライド部18を有する第1のリニアガイド20と、第1のスライド部18に取り付けられた第2のベース部22、及び第2のベース部22に第2の軸線の方向(ここではX方向に垂直なY方向とする)可動に設けられた第2のスライド部24を有する第2のリニアガイド26と、第2のスライド部24に取り付けられた第3のベース部28、及び第3のベース部28に、水平でない第3の軸線(ここではX方向及びY方向の双方に垂直なZ方向とする)回りに回転可能に設けられた回転部30を有する円形の軸受け32と、回転部30に接続され、所定形状のワークを保持可能に構成された保持機構34とを有する。
【0016】
なお本実施形態では第1、第2及び第3の軸線は互いに垂直としているが、これに限定されるものではない。本願発明の実施に際しては、第2の軸線が第1の軸線とゼロ度でない角度をなし、第3の軸線が第1の軸線とゼロ度でない角度をなし、第3の軸線が第2の軸線とゼロ度でない角度をなし、さらに使用時は、第1及び第2の軸線は水平であるとともに第3の軸線は水平でない方向に延びるものであればよい。
【0017】
第1のリニアガイド20は、第1のスライド部18を第1のベース部16に対して固定する第1のロック機構36を有する。具体的には、第1のロック機構36は例えばピン状又は楔状の可動部材を有し、該可動部材を第1のスライド部18に係合させることで該第1のスライド部18を第1のベース部16に対して移動しないようにすることができる。また第1のリニアガイド20は、第1のロック機構36が作動していないときに第1のスライド部18を第1のベース部16に対して所定の位置(例えば第1のスライド部18の可動範囲の中央付近)に位置決めする第1のセンタリング機構38を有する。
【0018】
第1のリニアガイドと同様に、第2のリニアガイド26は、第2のスライド部24を第2のベース部22に対して固定する第2のロック機構40を有する。具体的には、第2のロック機構40は例えばピン状又は楔状の可動部材を有し、該可動部材を第2のスライド部24に係合させることで該第2のスライド部24を第2のベース部22に対して移動しないようにすることができる。また第2のリニアガイド26は、第2のロック機構40が作動していないときに第2のスライド部24を第2のベース部22に対して所定の位置(例えば第2のスライド部24の可動範囲の中央付近)に位置決めする第2のセンタリング機構42を有する。
【0019】
また円形の軸受け32は、第3のベース部28に対する回転部30の回転を防止する第3のロック機構44を有する。具体的には、第3のロック機構44は例えばピン状又は楔状の可動部材を有し、該可動部材を回転部30に係合させることで該回転部30を第3のベース部28に対して移動しないようにすることができる。また軸受け32は、第3のロック機構44が作動していないときに回転部30を第3のベース部28に対して所定の回転角度位置(例えば回転部30の可動範囲の中央付近)に位置決めする第3のセンタリング機構46を有する。
【0020】
保持機構34は、搬送対象であるワークを保持することができるように構成されており、図示例では平板状のワーク50(図7〜図10参照)を吸引保持する少なくとも1つ(図示例では8つ)の吸着パッド52を備えている。吸着パッド52は、該吸着パッド52に流体的に接続された配管・チューブ54等を介して図示しない真空装置等に流体的に連結され、真空による吸引力によってワークを保持することができる。なお保持機構34はこのような真空吸引式に限られず、例えばクランプ手段を用いた把持式のものや、電磁石を用いた磁力吸引式等、種々の形態のものが利用可能である。
【0021】
次に、図2〜図5を参照して上述のロック機構及びセンタリング機構の詳細について説明する。なお図2及び図3では、明瞭化のために第1のベース部16を透明で表し、該第1のベース部16より上方の部材は図示省略している。また図4及び図5では、明瞭化のために第3のベース部28と実質一体の円板状部材55を透明で表し、該円板状部材55より上方の部材は図示省略している。
【0022】
図2及び図3に示すように、第1のロック機構36は、第1のスライド部18に固定された第2のベース部22に固定配置された第1のシリンダ本体56と、第1のシリンダ本体56に可動に取り付けられた第1の楔状部材58とを有し、第1の楔状部材58は第1のベース部16に設けられた第1の凹状部材60に係合して第1のスライド部18及び第2のベース部22が第1のベース部16に対して固定される(図3)ようになっている。一方第1のセンタリング機構38は、図示例では第1のスライド部18の可動方向(X方向)であって互いに反対方向に第1のスライド部18を付勢するように構成された一対のスプリングである。従って第1のロック機構36が作動しておらず(図2)かつ外力が作用していないときは、両スプリングの付勢力が釣り合う位置(例えば第1のスライド部18の可動範囲の中央付近)にて第2のべース部22がいわゆるフローティング状態に維持される。
【0023】
同様に、第2のロック機構40は、第2のスライド部24(図1)に固定された第3のベース部28に固定配置された第2のシリンダ本体62と、第2のシリンダ本体62に可動に取り付けられた第2の楔状部材64とを有し、第2の楔状部材62は第2のベース部22に設けられた第2の凹状部材66に係合して第2のスライド部24及び第3のベース部28が第2のベース部22に対して固定される(図3)ようになっている。一方第2のセンタリング機構42は、図示例では第2のスライド部24の可動方向(Y方向)であって互いに反対方向に第2のスライド部24を付勢するように構成された一対のスプリングである。従って第2のロック機構40が作動しておらず(図2)かつ外力が作用していないときは、両スプリングの付勢力が釣り合う位置(例えば第2のスライド部24の可動範囲の中央付近)にて第3のべース部28がいわゆるフローティング状態に維持される。
【0024】
図4及び図5に示すように、第3のロック機構44は、回転部30に固定された略矩形の板状部材68に固定配置された第3のシリンダ本体70と、第3のシリンダ本体70に可動に取り付けられた第3の楔状部材72とを有し、第3の楔状部材72は回転部30に設けられた第3の凹状部材74に係合して回転部30及び板状部材68が第3のベース部28に対して固定される(図5)ようになっている。一方第3のセンタリング機構46は、板状部材68上に設けられた第3の本体76と、回転部30からその回転半径方向外側に延びるタブ状部材78を把持する把持部80とを備えており、該把持部80は回転部30が所定の回転角度範囲内で回転できるように第3の本体76に対して(図示例では概ねX方向に)可動に構成されている。また第3の本体76はスプリング等の付勢手段を内部に備えており、外力が作用していないときは把持部80を所定の位置(例えば把持部80の可動範囲の中央付近)に保持できるようになっている。従って第3のロック機構44が作動しておらず(図4)かつ外力が作用していないときは、回転部30が所定の角度位置においていわゆるフローティング状態に維持される。
【0025】
なお上記第1〜第3のセンタリング機構はいずれもスプリングを使用したものとして説明したが、スプリングの代わりにエアシリンダや液圧シリンダ等のシリンダを用いてもよい。
【0026】
以下、ロボットハンド10を用いたワークの搬送・位置決め動作について、図6のフローチャート及び図7〜図10を参照しつつ説明する。なお図示の実施形態は、ロボットアーム12の可動範囲内に配置されたパレット82上に載置されている略矩形の平板状のワーク50をロボットハンド10の吸着パッド52により保持し、図示しない工作機械(図示せず)によってワーク50に機械加工を施すために、該工作機械近傍であってロボットアーム12の可動範囲内に配置された作業台84上の基準位置に、保持したワーク50を位置決めして配置する場合を示している。
【0027】
先ず、図6のステップS1〜S2、及び図7に示すように、フローティング機構をロックした状態(すなわち第1〜第3のロック機構がいずれも作動している状態)で、所定の位置(図示例ではパレット82上)に配置されたワーク50を保持機構34により吸引保持する。
【0028】
次に、ロボットアーム12を操作してワーク50を所定の待機位置に移動させる(ステップS3)。該待機位置は用途に応じて適宜設定可能であるが、図示例ではワーク50を配置すべき作業台84の上方又は斜め上方等が挙げられる。
【0029】
次のステップS4では、ワークのセットが可能か、具体的にはワーク50の作業台84上への位置決めが可能な状態であるか否かを判断する。例えば、上記工作機械において未だワーク50を加工する準備が整っていないような場合は、該準備が整うまでワーク50は上記待機位置に維持される。
【0030】
ワーク50のセットが可能な状態となったら、図8に示すように、ステップS5に進んでフローティング機構のアンロック、すなわちすなわち第1〜第3のロック機構の解除を行う。通常は第1〜第3のロック機構の全てを解除するが、用途によってはいずれか1つ又は2つのみをアンロックしてもよい。アンロックの状態では、上述のセンタリング機構が作用し、例えば第1のリニアガイド20の場合は第1のスライド部18がその動作範囲の中央付近に位置するようになる。
【0031】
次のステップS6では、図9に示すように、ロボットアーム12を操作してワーク50を基準位置に位置決めする。例えば、作業台84上にワーク50の外形の一部に合致する形状を備えた堰状部分86を設けておき、ワーク50の該一部を該堰状部分に突き当てることにより、ワーク50を作業台84上の基準位置に正確に位置決めすることができる。
【0032】
ワーク50が基準位置に位置決めされたら、ワーク50を作業台84上に載置すなわちワークセットを行う(ステップS7)。ここで、作業台84又は上記工作機械に別途ワークの固定手段(図示せず)を設けておき、ワーク50が作業台84上で意図せずに動くことを防止するようにしてもよい。
【0033】
次に吸着パッド52を非作動すなわちその吸引力を遮断した状態とし(ステップS8)、図10に示すようにロボットハンド10を所定の退避位置に移動させる(ステップS9)。該退避位置は用途に応じて適宜設定可能であるが、図示例では作業台84からいくらかロボット本体側に引き込まれた位置としているが、次に保持すべきワークが載置されたパレット(図示せず)の近傍とすることもできる。
【0034】
最後に、次のワークの吸着保持のため、フローティング機構を再びロック状態とする(ステップS10)。
【0035】
図11は、本発明の第1の変形例を模式的に示す図である。上述の実施形態と異なる点は、第1及び第2の軸線が互いに垂直ではないことと、保持機構34が、作業台の面が傾斜している場合等に好適に対応できるように回転部30に斜めに取り付けられていることである。図11の上面図に概略図示するように、第1のリニアガイドの可動方向である第1の軸線88と第2のリニアガイドの可動方向である第2の軸線90とは互いに垂直である必要はなく、ゼロ度でない角度をなし、かつ、ロボットハンドの使用時は側面図に示すようにいずれも水平であればよい。また回転部30の回転軸である第3の軸線92は第1及び第2の軸線に垂直(すなわち鉛直方向)となっているが、ワーク50を配置すべき作業台84の面が傾斜している場合等に応じて、保持機構34を回転部30に対して斜めに取り付けてワーク50が傾斜した状態で保持機構34に保持されるようにすることもできる。
【0036】
図12は、本発明の第2の変形例を模式的に示す図である。第1及び第2の軸線が互いに垂直でない点は第1の変形例と同様であるが、保持機構34が回転部30に対して斜めに取り付けられる代わりに、第3のベース28が作業台84の傾斜に応じた傾斜面を有するように構成されており、故に回転部30も第3のベース部28に対して斜めに取り付けられ、結果として第3の軸線92が第1及び第2の軸線に対して垂直とならない構成となっている。このように、第3の軸線92も第1及び第2の軸線に対して垂直である必要はなく、用途に応じ、ゼロ度でない90度以外の角度をなすように構成することもできる。
【符号の説明】
【0037】
10 ロボットハンド
12 ロボットアーム
14 手首部
20 第1のリニアガイド
26 第2のリニアガイド
32 軸受け
36 第1のロック機構
38 第1のセンタリング機構
40 第2のロック機構
42 第2のセンタリング機構
44 第3のロック機構
46 第3のセンタリング機構
50 ワーク
52 吸着パッド
82 パレット
84 作業台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームの先端部に装着される、フローティング機構を備えたロボットハンドであって、
前記ロボットアームの先端部に取り付けられた第1のベース部、及び該第1のベース部に第1の軸線の方向に可動に設けられた第1のスライド部を有する第1のリニアガイドと、
第2のベース部、及び該第2のベース部に第2の軸線の方向に可動に設けられた第2のスライド部を有し、前記第2の軸線が前記第1の軸線とゼロ度でない角度をなすように前記第1のスライド部に前記第2のベース部が取り付けられた、第2のリニアガイドと、
第3のベース部、及び該第3のベース部に第3の軸線回りに回転可能に設けられた回転部を有し、前記第3の軸線が前記第1の軸線とゼロ度でない角度をなしかつ前記第3の軸線が前記第2の軸線とゼロ度でない角度をなすように前記第2のスライド部に前記第3のベース部が取り付けられた、円形の軸受けと、
前記回転部に接続された保持機構と、を備え、
前記第1の軸線及び前記第2の軸線を共に水平にした状態で使用される、ロボットハンド。
【請求項2】
前記第1のリニアガイド、前記第2のリニアガイド及び前記円形の軸受けは、それぞれのベース部に固定配置されたスプリング又はシリンダを介してそれぞれのスライド部又は回転部を支持することにより、前記スライド部又は前記回転部をそれぞれの可動範囲の中央付近に保持するセンタリング機構をそれぞれ備えた、請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記第1のリニアガイド、前記第2のリニアガイド及び前記円形の軸受けは、それぞれベース部に固定配置されたシリンダにより、それぞれのスライド部又は回転部にピン状又は楔状部材を挿入することで前記スライド部又は前記回転部を固定するロック機構をそれぞれ備えた、請求項1又は2に記載のロボットハンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−218112(P2012−218112A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86537(P2011−86537)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】