説明

フード付き上着

【課題】下向き作業の場合でも雨水が顔にかからず、また、音や声が聞きとれるようにして周囲の状況を早く察知し把握しやすくし、フードが顔や首に接触したりすることなく、通気性がよく作業効率が良いフード付き上着を提供する。
【解決手段】フード1の外周に弾性力ある線材3を取り付け、フードの外周部分は、その両端部分を除いて後ろ身頃部分のみに固定され、フード前下側の前両端部と、前身頃4とを取りはずし可能とする固定手段5A、5Bを設けたものである。さらに、フードの外周部分は、後ろ身頃の左右の肩線間に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフード付き上着に関し、とくに雨合羽・レインコート等の雨具のフード付き上着に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフード付き上着、特に雨合羽、レインコート等の雨具のフードについて、フード前頭部を透明にした雨具や、顔の回りに紐を通して引き絞ったり、帽子を被りその上から雨具のフードを被るものが多い。特許文献1については、頭巾が顔に接触したり付着したりするのを防止するため頭巾の両側縁から両側頭カバー部にわたって、着用者の左右方向に張り出した形に芯材を取り付けた頭巾や、頭頂部が頭巾と直接触しないため頭巾載せ台を設けた頭巾が記載されている。特許文献2については、着用者の両耳部付近を両側面より軽くはさみ付ける為の弾性体でつくられた、半円孤状の頭部はさみ付け部材を備えていると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−110318号公報。
【特許文献2】実開平8−544号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフード付き上着、雨具のフードについて、顔に雨水がかからないようにするため帽子を被りその上からフードを被ることや、フードの中に頭巾載せ台を設けたり芯材を取り付けたりしている。また、音や声を聞き取りやすくするため、頭部はさみ付け部材を取り付けるなどの方法がとられているが、着用者には圧迫感や不快感がある。また、フードを使用しない場合にフードが首の回りに折り重なり溜まるので、首周りに不快感がある。フードが前身頃と後身頃全体に取り付けていることから、下向き作業をする場合芯材が入っていない部分と、顔又は首に接触し、接触部分より雨水が顔に伝わり落ちる。本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決するものであり、フードが顔や首に接触したりすることなく、下向き作業の場合でも雨水が顔にかからず、また、音や声が聞きとれるようにして、周囲の状況を早く察知し把握しやすくする。着用者には、通気性がよく作業効率が良いフード付き上着を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1記載のフード付き上着は、フードの外周に弾性力ある線材を取り付フードの外周部分は、その両端部分を除いて後ろ身頃部分のみに固定され、フード前下側の前両端部と前身頃とを取り外し可能とする固定手段を設けたものである。
本発明の請求項2記載のフード付き上着は、さらにフードの外周部分は、後ろ身頃の左右の肩線間に固定されているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフード付き上着は、フードの略外周に弾性力ある線材を取り付けているため、線材によりフードを張り広げられる。フードを後ろ身頃に固定し、前身頃固定手段で止めることにより、てこの作用で肩を支点としてフードが前方向に押し出され、フード後部が押し上げられる。そのため後ろ身頃取り付け部と首との間に空間ができ、前身頃首回りから後身頃にかけて通気性が良く、フードが顔や首に接触することがない。また、身頃とフードが一体化され前身頃固定手段によりフードが後にずれ難くい。フードを使用しないときには、前身頃に取り付けた固定手段により取りはずすことができる。また前方向が開放されてフードが線材により張り広げられているため、下向き作業の場合でも雨水が顔にかからず、音や声が聞きとれるので周囲の状況を早く察知し把握しやすい。着用者には、作業効率が良い効果がある
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明フード付き上着の斜視図。
【図2】 本発明フードの正面図。
【図3】 本発明フードの後面図。
【図4】 上着の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のフード付き上着の実施する為の形態を図を参照して説明する。
フード付き上着を形成するにあたり縫製でも接着でもよいが、下記形態は縫製による方法で記載する。フード1は、前頭部より雨水がかからないように張り出した形状で、フード1を着用したときに視界が確保できるような形状にし、2枚の部材1A、1Bを縫い合わせて立体的に作る。その全外周に線材3を通す見返し2を縫い付け、その見返し2の中に弾性力ある線材3を全周に通す。弾性力ある線材3は、ポリエステル、ポリエチレン等のプラスチックやステンレス等の金属を使用する。後身頃6の縫い合わせ部7(図4)に線材3が通ったフード1の外周後縁部を縫い付ける。その縫い付け位置は衿付けより少し離れた後ろ身頃6に衿付けにそって左右の肩線8まで縫い付ける。このことにより、線材3がフード1の全外周に通されているため、てこの作用で肩を支点としてフードが前方向に押し出され、フード後部が押し上げられるため後ろ身頃取り付け部7と首との間に空間ができ、前身頃首回りから後身頃6にかけて通気性が良い。
【0009】
フード前下側の前両端部分と、前身頃取りはずし可能とする固定手段として右左一対のホック5A、5Bをフード1と前身頃4とに取り付ける。その取り付け位置は、衿付けより下、前中心より離れた位置で下向き作業のときでも周囲の音や声が聞き取りやすくフード1が変形しないように取り付ける。前身頃衿9より下にホックを設けることは、前方向が開放されている形状のためフードが頭頂部より後ろにずれにくく、フード1と身頃とが一体化される。下向き作業の場合でも雨水が顔にかからず、フードが顔や首に接触することなく、音や声が聞きとれるので周囲の状況を早く察知し把握しやすい。着用者には、作業効率が良い形態のフード付き上着である。
【符号の説明】
【0010】
1 フード
2 フードの見返し
3 線材
4 前身頃
5A ホック
5B ホック
6 後ろ身頃
7 後身頃へのフード取り付け部
8 肩線
9 衿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フードの外周に弾性力ある線材を取り付け、フードの外周部分は、その両端部分を除いて後ろ身頃部分にのみに固定され、フード前下側の前両端部と前身頃とを取り外し可能とする固定手段を設けたことを特徴とするフード付き上着。
【請求項2】
フードの外周部分は、後ろ身頃の左右の肩線間に固定されていることを特徴とする請求項1記載のフード付き上着。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−72530(P2012−72530A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231978(P2010−231978)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(595138421)
【Fターム(参考)】