説明

ブタ繁殖性呼吸器症候群ウイルスに対する抗体を検出するためのペプチド

本発明は,ポリペプチドを用いてPRRSV抗体および抗体フラグメントを検出および定量するための組成物および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は,米国特許出願60/656,348(2005年2月25日出願)に基づく優先権を主張し,その全体を本明細書の一部としてここに引用する。
【0002】
発明の分野
本発明は,PRRSVポリペプチドを用いてブタ繁殖性呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)抗体および抗体フラグメントを検出および定量するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ブタ繁殖性および呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)は,ブタ繁殖性および呼吸器症候群(PRRS)の原因である異形ウイルス(RNAエンベロープウイルス)である。このウイルスは,成体ブタに主要な繁殖障害を引き起こして,流産を起こしうる。成長中のブタにおいては,症状として,死亡率の増加,食欲の低下,発熱,呼吸器系の障害,肺炎,二次細菌感染の増加,および萎縮性鼻炎が挙げられる。新生子豚においては,ウイルスは,呼吸窮迫症,成長不全,および二次細菌感染の増加を引き起こしうる。ウイルスは主としてブタからブタに伝播する。ウイルスはまた,感染した糞便,尿および乳を通して,初乳抗体をもたない子豚に伝播することができる。さらに,針,昆虫および空気を介した伝播の可能性もある。
【0004】
当該技術分野においては,PRRSVを検出する方法が必要とされている。PRRS抗体検出キットは市販されており,例えば,HerdChek(登録商標)PRRS抗体2XRテストキット(IDEXX Labs,Inc.,Westbrook,ME)がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の1つの態様は,配列番号1または配列番号12から本質的になる精製されたポリペプチドを含む組成物を提供する。精製されたポリペプチドは,さらに,いずれかの末端に天然にはPRRSV ORF7と連続的に結合していない1またはそれ以上のアミノ酸を含むことができる。精製されたポリペプチドは多量体型であってもよい。この組成物はさらに担体を含むことができる。精製されたポリペプチドは,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,移送停止配列,貫膜ドメイン,蛋白質,精製リガンド,またはそれらの組み合わせに連結させることができる。精製されたポリペプチドは,配列番号2または配列番号13,および天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドから本質的になることができる。天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドは非PRRSVポリペプチドであってもよい。
【0006】
本発明の別の態様は,配列番号1または配列番号18から本質的になるポリペプチド,および天然には配列番号1または配列番号18と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドを含む,精製された融合ポリペプチドを提供する。天然には配列番号1または配列番号18と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドは,非PRRSVポリペプチドであってもよい。配列番号1または配列番号18は多量体型であってもよい。精製された融合ポリペプチドは,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,移送停止配列,貫膜ドメイン,蛋白質精製リガンドまたはそれらの組み合わせを含むことができる。精製されたポリペプチドは,配列番号2または配列番号13から本質的になることができる。
【0007】
本発明のさらに別の態様は,本発明の精製されたポリペプチドおよび精製された融合ポリペプチドをコードする,精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0008】
本発明のさらに別の態様は,繁殖性呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)またはPRRSVポリペプチドに特異的に結合する抗体を検出する方法を提供する。この方法は,配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13またはそれらの組み合わせから本質的になる精製されたポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下で,PRRSVに特異的な抗体を含むと疑われる試験サンプルと接触させ,ポリペプチド/抗体複合体を検出することを含む。ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,PRRSVに特異的な抗体が試験サンプル中に存在することを示し,ポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,PRSSVに特異的な抗体が試験サンプル中に存在しないことを示す。この方法はさらに,ポリペプチド/抗体複合体を検出する前にこれを指示薬と接触させることを含むことができる。抗体は抗体のフラグメントであってもよい。試験サンプル中の抗体の量を決定することができる。ポリペプチドは基板に結合させることができる。ポリペプチドは多量体型であってもよい。ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13またはそれらの組み合わせ,および天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドを含む融合蛋白質であることができる。天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドは,非PRRSVポリペプチドであってもよい。試験サンプルは,哺乳動物から得られる生物学的サンプルを含むことができる。この方法は,可逆流クロマトグラフィー結合アッセイ,酵素結合イムノソルベントアッセイ,ラジオイムノアッセイ,ヘマグルチネーションアッセイ,ウエスタンブロットアッセイ,蛍光偏光イムノアッセイ,および間接的免疫蛍光アッセイからなる群より選択されるアッセイを含むことができる。
【0009】
本発明のさらに別の態様は,哺乳動物においてPRRSV感染を検出する方法を提供する。この方法は,PRRSVに感染していると疑われる哺乳動物から生物学的サンプルを取得し;配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13またはそれらの組み合わせから本質的になる精製されたポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下で生物学的サンプルと接触させ;そして,ポリペプチド/抗体複合体を検出することを含む。ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,哺乳動物がPRSSVに感染していることを示し,ポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは哺乳動物がPRRSVに感染していないことを示す。この方法はさらに,検出の前に,ポリペプチド/抗体複合体を測定可能なシグナルを生成する指示薬と接触させることを含む。ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13またはそれらの組み合わせ,および天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドから本質的になる融合蛋白質であってもよい。
【0010】
本発明の別の態様は,PRRSVポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する抗体を提供し,ここで,前記ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13である。抗体は,モノクローナル抗体,ポリクローナル抗体または抗体フラグメントであることができる。
【0011】
本発明のさらに別の態様は,サンプル中のPRRSVポリペプチドまたはPRRSVを検出する方法を提供する。この方法は,PRRSVポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する1またはそれ以上の抗体を,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下でサンプルと接触させ,ここで前記ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,または配列番号18,または配列番号13を含み;そして,ポリペプチド/抗体複合体を検出することを含む。ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,PRSSVまたはPRSSVポリペプチドがサンプル中に存在することを示し,ポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,PRSSVまたはPRRSVポリペプチドがサンプル中に存在しないことを示す。1またはそれ以上の抗体は,モノクローナル抗体,ポリクローナル抗体,または抗体フラグメントである。サンプルは,血清,全血,痰,乳,肉汁,肺洗浄液,肺組織,へんとう腺組織,またはリンパ節組織であることができる。
【0012】
本発明の別の態様は,PRRSV ORF7に特異的なPRRSV抗体を検出する診断アッセイにおいて,偽陽性の発生率を低下させる方法を提供する。この方法は,診断アッセイにおいて,約19−約28個のN末端アミノ酸の欠失を含むPRRSV ORF7ポリペプチドを抗体捕捉抗原として用いることを含む。PRRSV ORF7ポリペプチドは,配列番号1または配列番号18であることができる。ポリペプチドはさらに,いずれかの末端に天然にはPRRSV ORF7と連続的に結合していない1またはそれ以上のアミノ酸を含むことができる。
【0013】
すなわち,本発明は,ポリペプチドを用いて,感度および特異度をもってPRRSV抗体および抗体フラグメントを検出するために用いることができる方法および組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の詳細な説明
PRRSVポリペプチド
ポリペプチドは,アミド結合により共有結合的に連結された3つまたはそれ以上のアミノ酸のポリマーである。ポリペプチドは,翻訳後修飾を受けてもよい。精製されたポリペプチドは,細胞性物質,他のタイプのポリペプチド,化学的前駆体,ポリペプチドの合成に用いた化学物質,またはこれらの組み合わせを実質的に含まないポリペプチド調製物である。細胞性物質,培地,化学的前駆体,ポリペプチドの合成に用いた化学物質を実質的に含まないポリペプチド調製物は,約30%,20%,10%,5%,1%またはそれ以下の他のポリペプチド,培地,化学的前駆体,および/または合成に用いた他の化学物質を有する。すなわち,精製されたポリペプチドは,約70%,80%,90%,95%,99%またはそれ以上の純度である。
【0015】
本発明の精製されたポリペプチドは,全長ポリペプチドであってもポリペプチドのフラグメントであってもよい。
【0016】
3つのUSORF7株,すなわち,PRRSV:VR−2332(太字)(米国特許5,998,601)(配列番号8);ISU−12(下線)(配列番号9);およびUS−A(斜体)(配列番号10)の配列の比較を表1に示す。
【0017】
【表1】

【0018】
3つの株の相対的同一性を表2に示す。
【0019】
【表2】

【0020】
コンセンサス配列は配列番号11に示される。
MPNNXGKQXX EKKGDGQPVN QLCQMLGKII AXQNQSRGKG 40
PGKKNKKKNP EKPHFPLATE DDVRHHFTPS ERQLCLSSIQ 80
TAFNQGAGTC TLSDSGRISY TVEFSLPTHH TVRLIRVTAX PSA 123
【0021】
5位のXはNまたはTであることができる。別の態様においては,5位のXは任意のアミノ酸であることができる。9位のXはQまたはTであることができる。別の態様においては,9位のXは任意のアミノ酸であることができる。10位のXはEまたはKであることができる。別の態様においては,10位のXは任意のアミノ酸であることができる。11位のXはE,RまたはKであることができる。別の態様においては,11位のXは任意のアミノ酸であることができる。32位のXはQまたはHであることができる。別の態様においては,32位のXは任意のアミノ酸であることができる。120位のXはSまたはPであることができる。別の態様においては,120位のXは任意のアミノ酸であることができる。
【0022】
本発明の1つの態様においては,ポリペプチドは,U.S.血清型のPRRSV ORF7の一部を含む。
LCQXLGKIIAXQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSDSGRISYTVEFSLPTHHTVRLIRVTAXPSA (配列番号1)
【0023】
11位のXは任意のアミノ酸であることができる。別の態様においては,11位のXはQまたはHであることができる。99位のXは任意のアミノ酸であることができる。別の態様においては,99位のXはPまたはSであることができる。4位のXは任意のアミノ酸であることができる。
【0024】
本発明の別の態様においては,ポリペプチドは,U.S.血清型のPRRSV ORF7の一部およびヒスチジンタグを含む。
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGSLCQXLGKIIAXQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSDSGRISYTVEFSLPTHHTVRLIRVTAXPSA (配列番号2)
【0025】
42位のXは任意のアミノ酸である。ある態様においては,42位のXはMまたはIであることができる。49位のXは任意のアミノ酸である。ある態様においては,49位のXはQまたはHである。137位のXは任意のアミノ酸である。ある態様においては,137位のXはPまたはSである。
【0026】
別の態様は,N末端トランケート型PRRSV Lelystad ORF7ポリペプチドを提供する。
CQLLGAXIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFPLAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLSSSGEVSFQVEFMLPVAHTVRLIRVTSTSASQGAS (配列番号12)
7位のXは任意のアミノ酸である。ある態様においては,7位のXはMまたはIであることができる。別の態様は,
CQLLGAXIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFP LAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLSSSGEVSFQVEFMLPVAHTVRLIRVTSTSASQGAS (配列番号18)
である。7位のXは任意のアミノ酸であることができる。好ましい態様においては,7位のXはMまたはIである。
【0027】
別の態様は,His−タグ付きN−トランケート型PRRSVLelystad ORF7ポリペプチドを提供する:
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGSCQLLGAXIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFPLAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLSSSGEVSFQVEFMLPVAHTVRLIRVTSTSASQGAS (配列番号13)
45位のXは任意のアミノ酸である。ある態様においては,45位のXはMまたはIであることができる。
【0028】
本発明の1つの態様においては,配列番号1,配列番号2,配列番号12,および/または配列番号13は,全長PRRSV ORF7を含むポリペプチドより溶解性が高い。さらに,本発明のポリペプチドは,PRRSVに特異的な抗体に特異的に結合する。したがって,本発明のポリペプチドの基本的かつ新規な特徴は,全長PRRSV ORF7より可溶性が高いこと,PRRSV検出アッセイにおいて全長PRRSV ORF7より特異性が高いこと,および抗PRRSV抗体に特異的に結合することである。
【0029】
本発明の1つの態様は,全長より短いPRRSV ORF7ポリペプチドを提供する。特に,PRRSV ORF7ポリペプチドは,N末端トランケーションを有する。すなわち,ポリペプチドは,約1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,または43アミノ酸がN末端から除かれている。本発明の好ましい態様においては,PRRSV ORF7ポリペプチドは,約15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,または32アミノ酸がN末端から除かれている。別の態様においては,PRRSVORP7ポリペプチドは,約16−約31アミノ酸がN末端から除かれており;約17−約30アミノ酸がN末端から除かれており;約18−約29アミノ酸がN末端から除かれており;約19−約28アミノ酸がN末端から除かれており;約20−約27アミノ酸がN末端から除かれており;または約21−約26アミノ酸がN末端から除かれている。US PRRSV ORF7のほぼ25位に,およびLelystad PRRSVのほぼ33位にM残基が存在する場合には,これを別のアミノ酸と置き換えることができる。例えば,配列番号1および配列番号18を参照。
【0030】
本発明のポリペプチドのフラグメントは,本発明のポリペプチドの約5,10,15,20,30,40,50,60,70,80,またはそれ以上のアミノ酸を含むことができる。変種ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号12,または配列番号13に示されるポリペプチド配列と少なくとも約80,または約90,96,98,または99%同一であり,これもまた本発明のポリペプチドである。変種ポリペプチドは,1またはそれ以上の保存的アミノ酸変種または他の軽敏な改変を有し,かつ生物学的活性を維持している,すなわち,生物学的に機能的な同等物である。生物学的に活性な同等物は,対応する野生型ポリペプチドと比較したときに実質的に同等の機能を有する。パーセント配列同一性は,当該技術分野において認識されている意味を有し,2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列の間の同一性を測定する多くの方法が存在する。例えば,Lesk,Ed.,Computational Molecular Biology,Oxford University Press,New York,(1988);Smith,Ed.,Biocomputing:Informatics And Genome Projects,Academic Press,New York,(1993);Griffin&Griffin,Eds.,Computer Analysis Of Sequence Data,Part I,Humana Press,NewJersey,(1994);vonHeinje,Sequence Analysis In Molecular Biology,Academic Press,(1987);およびGribskov&Devereux,Eds.,Sequence Analysis Primer,MStockton Press,NewYork,(1991)を参照。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドをアライメントする方法は,GCGプログラムパッケージ(Devereux et al,Nuc.AcidsRes.12:387(1984)),BLASTP,BLASTN,FASTA(Atschul et al,J.Molec.Biol.215:403(1990)),およびSmith and Waterman(Adv.App.Math.,2:482−489(1981))の局所ホモロジーアルゴリズムを使用するBestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI53711)等のコンピュータプログラムにおいて体系化されている。例えば,FASTAアルゴリズムを利用するコンピュータプログラムであるALIGNを用いて,ギャップオープンペナルティー−12,ギャップイクステンションペナルティー−2でアフィンギャップサーチを行うことができる。
【0031】
配列アライメントプログラムのいずれかを用いて,特定の配列が参照配列と例えば約95%同一であるか否かを判定する場合,参照ポリヌクレオチドの全長にわたって同一性のパーセンテージを計算し,参照ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの総数の5%までの同一性のギャップが許容されるように,パラメータを設定する。
【0032】
変種は一般に,本発明のポリペプチド配列の1つを改変し,改変されたポリペプチドの特性を評価してこれが生物学的同等物であるか否かを判定することにより,同定することができる。変種は,免疫組織学的アッセイ,酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA),ラジオイムノアッセイ(RIA),免疫酵素アッセイまたはウエスタンブロットアッセイなどのアッセイにおいて,本発明のポリペプチドと実質的に同じ反応をする場合,例えば,元のポリペプチドの活性の90−110%を有する場合,生物学的同等物である。1つの態様においては,アッセイは競合アッセイであり,ここで,生物学的に同等のポリペプチドは,対応する反応性抗原または抗体に対する本発明のポリペプチドの結合を約80,95,99,または100%低下させることができる。対応する野生型ポリペプチドに特異的に結合する抗体は,変種ポリペプチドにも特異的に結合する。本発明の変種ポリペプチドは,約1,2,3,4,5,または6個の保存アミノ酸置換を含むことができる。
【0033】
保存的置換とは,アミノ酸が,ペプチド化学の当業者がポリペプチドの二次構造およびハイドロパシーの性質が実質的に変化しないと予測するように,類似する特性を有する別のアミノ酸で置換されているものである。一般に,以下のアミノ酸のグループが保存的置換を表す:(1)ala,pro,gly,glu,asp,gin,asn,ser,thr;(2)cys,ser,tyr,thr;(3)val,ile,leu,met,ala,phe;(4)lys,arg,his;および(5)phe,tyr,tip,his。
【0034】
本発明のポリペプチドはさらに,翻訳と同時にまたは翻訳後に蛋白質の輸送を指示するシグナル(またはリーダー)配列を含むことができる。ポリペプチドはまた,ポリペプチドの合成,精製または同定を容易にするための(例えばpoly−His),またはポリペプチドの固体支持体への結合を促進するための,リンカーまたは他の配列を含むことができる。例えば,ポリペプチドは,イムノグロブリンFc領域またはウシ血清アルブミンにコンジュゲート化することができる。
【0035】
ポリペプチドは,ポリペプチドが天然には通常は結合していないアミノ酸配列に,共有結合的にまたは非共有結合的に連結させることができる。さらに,ポリペプチドは,アミノ酸以外の化合物または分子に,共有結合的にまたは非共有結合的に連結させることができる。例えば,ポリペプチドは,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,移送停止配列,貫膜ドメイン,蛋白質精製リガンド,またはそれらの組み合わせに連結させることができる。アミノ酸スペーサーは,天然には通常は本発明のポリペプチドと連続的に結合していないアミノ酸の配列である。アミノ酸スペーサーは,約1,5,10,20,100,1,000またはそれ以上のアミノ酸を含むことができる。
【0036】
所望の場合には,ポリペプチドは融合蛋白質であってもよく,これはまた,他のアミノ酸配列,例えば,アミノ酸リンカー,アミノ酸スペーサー,シグナル配列,TMR移送停止配列,貫膜ドメイン,ならびに蛋白質精製に有用なリガンド,例えば,グルタチオン−S−トランスフェラーゼ,ヒスチジンタグ,およびブドウ球菌プロテインA,またはこれらの組み合わせを含むことができる。融合蛋白質中には2以上の本発明のポリペプチドが存在していてもよい。本発明の融合蛋白質中には,本発明のポリペプチドのフラグメントが存在していてもよい。本発明の融合蛋白質は,配列番号1,配列番号2,配列番号12,配列番号13の1またはそれ以上,これらのフラグメント,またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0037】
本発明のポリペプチドは,多量体型であってもよい。すなわち,ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号12,および/または配列番号13の1またはそれ以上のコピーを含むことができる。多量体ポリペプチドは,多抗原ペプチド(MAP)であってもよい。例えば,Tarn,J.Immunol.Methods,196:17−32(1996)を参照。
【0038】
本発明のポリペプチドは,PRRSVに対して反応性の抗体により認識される抗原を含んでいてもよい。抗原は,1またはそれ以上のエピトープ(すなわち,抗原決定基)を含むことができる。エピトープは,直鎖状エピトープ,連続的エピトープまたはコンフォメーションエピトープであってもよい。本発明のポリペプチド中のエピトープは,いくつかの方法により同定することができる。例えば,米国特許4,554,101;Jameson&Wolf,CABIOS4:181−186(1988)を参照。例えば,本発明のポリペプチドを単離し,スクリーニングすることができる。一緒になってポリペプチド配列全体にわたる一連の短ペプチドは,蛋白質分解により調製することができる。例えば,20merのポリペプチドフラグメントから出発して,各フラグメントをELISAにおいて認識されるエピトープの存在について試験することができる。例えば,ELISAアッセイにおいては,PRRSVポリペプチド,例えば20merのポリペプチドフラグメントを,固体支持体,例えばプラスチックのマルチウエルプレートのウエルに結合させる。抗体の集団を標識し,固体支持体に加えて,非特異的吸着が妨げられている条件下で未標識抗原に結合するようにし,未結合抗体および他の蛋白質を洗い流す。抗体の結合は,例えば,無色の基質が有色の反応生成物に変換される反応により検出する。次に,同定された20merから始めて,順番に小さくなる重複するフラグメントを試験して,目的とするエピトープをマッピングすることができる。
【0039】
本発明のポリペプチドは,組換え的に製造することができる。本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを組換え発現ベクターに導入し,当該技術分野においてよく知られる手法を用いてこれを適当な発現用宿主細胞系で発現させることができる。種々の細菌,酵母,植物,哺乳動物および昆虫発現系が当該技術分野において利用可能であり,そのような発現系のいずれをも用いることができる。任意に,ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは,無細胞翻訳系において翻訳することができる。ポリペプチドはまた,化学的に合成してもよく,PRRSV培養物から取得してもよい。
【0040】
PRRSVポリヌクレオチド
本発明のポリヌクレオチドは,細菌ゲノム全体より少ないものを含むことができ,一本鎖核酸であっても二本鎖核酸であってもよい。ポリヌクレオチドは,RNA,DNA,cDNA,ゲノムDNA,化学的に合成されたRNAまたはDNA,またはこれらの組み合わせであることができる。ポリヌクレオチドは,他の成分,例えば,蛋白質,脂質および他のポリヌクレオチドを含まないように精製することができる。例えば,ポリヌクレオチドは,50%,75%,90%,95%,96%,97%,98%,99%,100%精製されていてもよい。本発明のポリヌクレオチドは,上述のポリペプチドをコードする。本発明の1つの態様においては,ポリヌクレオチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号12,配列番号13に示されるポリペプチド,またはこれらの組み合わせをコードすることができる。本発明のポリヌクレオチドは,他のヌクレオチド配列,例えば,リンカー,スペーサー,シグナル配列,TMR移送停止配列,貫膜ドメイン,または蛋白質精製において有用なリガンド,例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ,ヒスチジンタグ,およびブドウ球菌プロテインAをコードする配列を含むことができる。
【0041】
本発明のポリヌクレオチドは,単離することができる。単離されたポリヌクレオチドは,天然にこれに付随する5’および3’フランキングゲノム配列の一方または両方と隣接して連続していない,天然に生ずるポリヌクレオチドである。単離されたポリヌクレオチドは,例えば,任意の長さの組換えDNA分子でありうるが,ただし天然に生ずるゲノム中の組換えDNA分子に直接隣接する天然の核酸配列が除去されているかまたは存在しない。単離されたポリヌクレオチドはまた,天然に生じない核酸分子を含んでいてもよい。cDNAまたはゲノムライブラリ等の中で数百から数百万種の他の核酸分子の中に存在する核酸分子,またはゲノムDNAの制限酵素消化物を含むゲル切片は,単離されたポリヌクレオチドであるとはいえない。
【0042】
本発明のポリヌクレオチドはまた,免疫原性ポリペプチドをコードするフラグメントを含むことができる。本発明のポリヌクレオチドは,全長ポリペプチド,ポリペプチドフラグメント,および変種または融合ポリペプチドをコードすることができる。
【0043】
本発明のポリペプチドをコードする縮重ヌクレオチド配列,ならびに本発明のポリヌクレオチド配列と少なくとも約80,または約90,96,98,または99%同一である相同的ヌクレオチド配列,およびこれらの相補体もまた,本発明のポリヌクレオチドである。パーセント配列同一性は,"ポリペプチド"の節で記載したようにして計算することができる。縮重ヌクレオチド配列は,本発明のポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするが,遺伝コードの縮重のため野生型ポリヌクレオチド配列とは核酸配列が異なるポリヌクレオチドである。生物学的に機能的なPRRSVポリペプチドをコードするPRRSVポリヌクレオチドの相補的DNA(cDNA)分子,種相同体,および変種もまたPRRSVポリヌクレオチドである。本発明のポリヌクレオチドは,例えば,生物学的サンプル,例えば,唾液,血液,乳,肉汁,血清,肺洗浄液,痰,肺,へんとう腺,リンパ節または他の組織サンプル,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,または傷浸出液中に存在する核酸配列から単離することができる。ポリヌクレオチドは,例えば自動化合成機を用いて実験室で合成することもできる。PCR等の増幅方法を用いて,ポリペプチドをコードするゲノムDNAまたはcDNAのいずれかからポリヌクレオチドを増幅することができる。
【0044】
本発明のポリヌクレオチドは,天然に生ずるポリペプチドをコードする配列を含んでいてもよく,天然には生じない変更された配列をコードしてもよい。所望の場合には,ポリヌクレオチドを,発現制御要素,例えば,複製起源,プロモーター,エンハンサー,または宿主細胞中で本発明のポリヌクレオチドの発現を推進する他の制御要素を含む発現ベクター中にクローニングすることができる。発現ベクターは,例えば,プラスミド,例えばpBR322,pUC,またはCol E1,またはアデノウイルスベクター,例えばアデノウイルス2型ベクターまたは5型ベクターであることができる。任意に,他のベクターを用いることができ,これには,限定されないが,シンビスウイルス,サルウイルス40,アルファウイルスベクター,ポックスウイルスベクター,およびサイトメガロウイルスおよびレトロウイルスベクター,例えば,ネズミ肉腫ウイルス,マウス乳癌ウイルス,モロニーネズミ白血病ウイルス,およびラウス肉腫ウイルス,ミニ染色体,例えばMCおよびMC1,バクテリオファージ,ファージミド,酵母人工染色体,細菌人工染色体,ウイルス粒子,ウイルス様粒子,コスミド(ファージラムダのcos部位が挿入されているプラスミド)およびレプリコン(細胞内でそれ自身の制御下に複製しうる遺伝的要素)が含まれる。
【0045】
発現制御配列に動作可能なように連結されたポリヌクレオチドを製造し,これを宿主細胞中で発現させる方法は,当該技術分野においてよく知られている。例えば,米国特許4,366,246を参照。本発明のポリヌクレオチドは,ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳を指示する1またはそれ以上の発現制御要素に隣接してまたはその近くに位置するとき,動作可能なように連結されている。
【0046】
本発明のポリヌクレオチドは,例えば,プローブまたはプライマーとして用いることができ,例えば,PCRプライマーとして用いて,サンプル,例えば生物学的サンプル中のPRRSVポリヌクレオチドの存在を検出することができる。そのようなプローブおよびプライマーはPRRSVポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズすることができるため,所定のサンプル中の相補的配列の存在を検出するために用いることができる。本発明のポリヌクレオチドプローブおよびプライマーは,生物学的サンプル等のサンプル,例えば,唾液,血液,血清,乳,肉汁,肺洗浄液,痰,肺,へんとう腺,リンパ節または他の組織サンプル,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,または創傷浸出液中に存在する相補的配列にハイブリダイズすることができる。サンプルからのポリヌクレオチドは,例えば,ゲル電気泳動または他のサイズ分離手法に供するか,またはサイズ分離することなく固定化することができる。ポリヌクレオチドプローブまたはプライマーは標識することができる。適当な標識,およびプローブおよびプライマーを標識する方法は,当該技術分野において知られており,例えば,ニックトランスレーションまたはキナーゼにより取り込まれる放射性標識,ビオチン標識,蛍光標識,化学発光標識,生物発光標識,金属キレーター標識および酵素標識が挙げられる。サンプルからのポリヌクレオチドを,適当なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で,プローブまたはプライマーと接触させる。
【0047】
用途に応じて,種々のハイブリダイゼーション条件を用いて,プローブまたはプライマーの標的配列に対する種々の程度の選択性を達成することができる。高い選択性を必要とする用途のためには,比較的高いストリンジェンシーの条件,例えば,低い塩濃度および/または高温の条件,例えば,約0.02M−約0.15Mの塩濃度および約50℃−約70℃の温度により与えられる条件を用いることができる。より低い選択性を必要とする用途のためには,より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件,例えば,約0.14M−約0.9Mの塩の塩濃度条件,および約20℃−約55℃の範囲の温度を用いることができる。プローブまたはプライマーおよび試験サンプルからの相補的ポリヌクレオチドを含む,ハイブリダイズした複合体が存在することは,サンプル中にPRRSVまたはPRRSVポリヌクレオチド配列が存在することを示す。
【0048】
抗体
本発明の抗体は,本発明のPRRSVポリペプチドまたはそのフラグメントに特異的かつ安定に結合する抗体分子である。本発明の抗体は,ポリクローナル抗体,モノクローナル抗体,一本鎖抗体(scFv),または抗体のフラグメントであることができる。抗体のフラグメントは,無傷の抗体の抗原結合部位または可変領域を含む,無傷の抗体の一部であり,この部分は無傷の抗体のFc領域の定常重鎖ドメインを含まない。抗体フラグメントの例としては,Fab,Fab’,Fab’−SH,F(ab’)およびFvフラグメントが挙げられる。
【0049】
本発明の抗体は,任意のクラスの抗体であることができ,例えば,IgG,IgM,IgA,IgDおよびIgEであることができる。抗体またはそのフラグメントは,本発明のポリペプチドのエピトープに結合する。抗体は,適当な実験動物中でインビボで,または組換えDNA手法を用いてインビトロで生成することができる。抗体を製造し特性決定する手段は当該技術分野においてよく知られている。例えば,Dean,Methods Mol.Biol.80:23−37(1998);Dean,Methods Mol.Biol.32:361−79(1994);Baileg,Methods Mol.Biol.32:381−88(1994);Gullick,Methods Mol.Biol.32:389−99(1994);Drenckhahn et al.Methods Cell.Biol.37:7−56(1993);Morrison,Ann.Rev.Immunol.10:239−65(1992);Wright et al Crit.Rev.Immunol.12:125−68(1992)を参照。例えば,ポリクローナル抗体は,本発明のポリペプチドを動物,例えばヒトまたは他の霊長類,マウス,ラット,ウサギ,モルモット,ヤギ,ブタ,イヌ,ウシ,ヒツジ,ロバ,またはウマに投与することにより生成することができる。免疫した動物から血清を回収し,硫酸アンモニウムによる沈殿の後,クロマトグラフィー,例えばアフィニティークロマトグラフィーにより,血漿から抗体を精製する。ポリクローナル抗体を製造し加工する手法は当該技術分野において知られている。
【0050】
"特異的に結合する"または"・・・に特異的"とは,ポリペプチド等の第1の抗原が他の非特異的分子に対するより高い親和性をもって本発明の抗体を認識してこれに結合することを意味する。非特異的分子は,第1の抗原と共通するエピトープを共有しない抗原である。例えば,抗体が非特異的抗原に対するより効率的に結合するある抗原(例えばポリペプチド)に対して生成された抗体は,抗原に特異的に結合すると記述することができる。好ましい態様においては,抗体またはその抗原結合部分は,これがKa=10l/molまたはそれ以上の結合親和性をもって,配列番号1,2,12または13(または本発明の他の配列)からなるポリペプチドに特異的に結合する。特異的結合は,例えば,酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA),ラジオイムノアッセイ(RIA),またはウエスタンブロットアッセイを用いて,当該技術分野においてよく知られる方法論を用いて試験することができる。
【0051】
さらに,本発明のポリペプチド上に存在するエピトープに対するモノクローナル抗体を容易に作成することができる。例えば,本発明のポリペプチドで免疫感作したマウス等の哺乳動物からの正常B細胞を,例えば,HAT感受性マウスミエローマ細胞と融合させて,ハイブリドーマを作成することができる。PRRSV特異的抗体を産生するハイブリドーマは,RIAまたはELISAを用いて同定し,半固体寒天法または限界希釈法でクローニングすることにより単離することができる。別のラウンドのスクリーニングにより,PRRSV特異的抗体を産生するクローンを単離する。モノクローナル抗体は,標準的な手法を用いて,例えば,本発明のポリペプチドをマイクロタイタープレートに結合させ,モノクローナル抗体の結合をELISAアッセイにより測定することにより,特異性についてスクリーニングすることができる。モノクローナル抗体を製造し加工する手法は当該技術分野において知られている。例えば,Kohler&Milstein,Nature,256:495(1975)を参照。特定のアイソタイプのモノクローナル抗体は,最初の融合物から選択することにより直接調製してもよく,または異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親ハイブリドーマからsib選択手法を用いて二次的に調製して,クラススイッチ変種を単離してもよい。Steplewski et al,PNAS.USA.82:8653,1985;Spria et al,J.Immunolog.Meth.74:307,1984を参照。本発明のモノクローナル抗体はまた,組換えモノクローナル抗体であってもよい。例えば,米国特許4,474,893;米国特許4,816,567を参照。本発明の抗体はまた,化学的に構築してもよい。例えば,米国特許4,676,980を参照。
【0052】
本発明の抗体は,キメラ(例えば,米国特許5,482,856を参照)でもよく,ヒト化(例えば,Jones et al,Nature 321:522(1986);Reichmann et al,Nature 332:323(1988);Presta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593(1992)を参照)でもよく,またはヒト抗体でもよい。ヒト抗体は,例えば,直接免疫感作,ファージディスプレイ,トランスジェニックマウス,またはトリメラ(Trimera)方法論により作成することができる(例えば,Reisener et al,Trends Biotechnol.16:242−246(1998)を参照)。
【0053】
PRRSV抗原(例えばPRRSVポリペプチド)に特異的に結合する抗体は,PRRSVに感染した動物,例えばブタからのサンプル,例えば,唾液,血液,血清,乳,肉汁,肺洗浄液,痰,肺,へんとう腺,リンパ節または他の組織サンプル,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,または創傷侵出液のサンプルにおけるPRRSVまたはPRRSV抗原の存在を検出するのに特に有用である。PRRSVまたはPRRSV抗原のためのイムノアッセイは,1つの抗体を用いてもいくつかの抗体を用いてもよい。PRRSVまたはPRRSV抗原のためのイムノアッセイでは,例えば,PRRSVエピトープに向けられたモノクローナル抗体,1つのPRRSVポリペプチドの複数のエピトープに向けられたモノクローナル抗体の組み合わせ,異なるPRRSVポリペプチドの複数のエピトープに向けられたモノクローナル抗体,同じPRRSV抗原に向けられたポリクローナル抗体,異なるPRRSV抗原に向けられたポリクローナル抗体,またはモノクローナルとポリクローナル抗体との組み合わせを用いることができる。イムノアッセイのプロトコルは,競合,直接反応,または標識された抗体等を用いるサンドイッチタイプのアッセイに基づくことができる。本発明の抗体は,当該技術分野において知られる任意の種類の標識,例えば,蛍光,化学発光,放射性,酵素,金属コロイド,放射性同位体および生物発光標識で標識することができる。
【0054】
本発明の抗体またはそのフラグメントは,支持体に結合させて,PRRSVまたはPRRSV抗原の存在を検出するために用いることができる。支持体としては,例えば,ガラス,ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,デキストラン,ナイロン,アミラーゼ,天然のおよび修飾されたセルロース,ポリアクリルアミド,アガロースおよび磁性物質が挙げられる。
【0055】
本発明の抗体はさらに,免疫アフィニティーカラムを用いてPRRSVまたはPRRSV抗原を単離するために用いることができる。抗体を,抗体がその免疫選択活性を保持するように,例えば,吸着または共有結合により固体支持体に固定することができる。任意に,抗体の抗原結合部位がアクセス可能なまま保持されるように,スペーサー基を含めることができる。次に,固定化された抗体を用いて,生物学的サンプル等のサンプル,例えば,唾液,血液,血清,乳,肉汁,肺洗浄液,痰,肺,へんとう腺,リンパ節または他の組織サンプル,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,または傷侵出物からのPRRSVまたはPRRSV抗原を結合させる。結合したPRRSVまたはPRRSV抗原は,pHの変化などによりカラムマトリクスから回収する。
【0056】
本発明の抗体はまた,免疫局在性の研究に用いて,種々の細胞事象の間または生理学的条件下における本発明のポリペプチドの存在および分布を分析することができる。抗体はまた,受動免疫に関与する分子を同定するために,および非蛋白質抗原の生合成に関与する分子を同定するために用いることができる。そのような分子の同定は,ワクチン開発において有用でありうる。本発明の抗体,例えばモノクローナル抗体およびシングルチェイン抗体は,PRRSVにより引き起こされる疾患の改善の経過をモニターするために用いることができる。動物からの試験サンプル中のPRRSV抗体対PRRSV抗原の増加または減少を測定することにより,疾患を改善することを目的とする特定の治療計画が有効であるか否かを判定することができる。抗体は,例えば,直接結合アッセイ,例えばRIA,ELISA,またはウエスタンブロットアッセイを用いて,検出および/または定量することができる。
【0057】
検出の方法
本発明の方法は,試験サンプル,例えば,生物学的サンプル,環境サンプル,または実験室サンプル中の,PRRSVに特異的な抗体または抗体フラグメントを検出するために用いることができる。生物学的サンプルとしては,例えば,動物,例えば,ウマ,ネコ,イヌ,ブタ,またはヒトからの,唾液,血液,血清,乳,肉汁,肺洗浄液,痰,肺,へんとう腺,リンパ節または他の組織サンプル,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,または創傷侵出液が挙げられる。試験サンプルは,未処理でもよく,本発明のポリペプチドと混合する前に沈殿,分画,分離,希釈,濃縮,または精製してもよい。
【0058】
この方法は,本発明のポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下で試験サンプルと接触させることを含む。すなわち,本発明のポリペプチドは,サンプル中に存在するPRRSV特異的抗体に対して特異的に結合する。この態様においては,本発明のポリペプチドは,抗体捕捉試薬として作用する。当業者は,抗体/ポリペプチド複合体の結合を検出するために用いられるアッセイおよび条件に精通している。ポリペプチドとサンプル中の抗PRRSV抗体との間の複合体の形成を検出する。
【0059】
本発明の抗体は,PRRSVに感染していると疑われるヒトまたは動物から試験サンプルを取得することにより,PRRSV感染の診断方法において用いることができる。試験サンプルを,抗体−抗原複合体(すなわち免疫複合体)が形成されうる条件下で,本発明の抗体と接触させる。当該技術分野において知られる方法論により,抗体−抗原複合体の量を測定する。対照サンプルにおいて形成されるよりレベルが高いことは,PRRSV感染を示す。あるいは,本発明のポリペプチドを試験サンプルと接触させることができる。陽性の体液サンプル中のPRRSV抗体は,適当な条件下で抗原−抗体複合体を形成するであろう。抗体−抗原複合体の量は,当該技術分野において知られる方法により測定することができる。
【0060】
本発明の1つの態様においては,抗体に結合されている酵素等の指示薬が検出可能な反応を触媒したときに,ポリペプチド/抗体複合体が検出される。任意に,シグナル生成化合物を含む指示薬を,ポリペプチド/抗体/指示薬複合体が形成されることを可能とする条件下で,ポリペプチド/抗体複合体に適用してもよい。ポリペプチド/抗体/指示薬複合体を検出する。任意に,ポリペプチドまたは抗体をポリペプチド/抗体複合体の形成前に指示薬で標識してもよい。この方法は,任意に,陽性または陰性対照を含んでいてもよい。
【0061】
本発明のアッセイには,限定されないが,競合,直接反応またはサンドイッチタイプのアッセイに基づくアッセイが含まれ,例えば,限定されないが,酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA),ウエスタンブロット,IFA,ラジオイムノアッセイ(RIA),ヘマグルチニン化(HA),および蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)が挙げられる。本発明の1つのアッセイは,可逆流クロマトグラフィー結合アッセイ,例えば,SNAP(登録商標)アッセイを含む。米国特許5,726,010を参照。
【0062】
アッセイは,固相または基板を用いることができ,あるいは免疫沈殿法または固相を用いない任意の他の方法により行うことができる。固相または基板を用いる場合には,本発明のポリペプチドを,固体支持体または基板,例えば,マイクロタイターウエル,磁性ビーズ,非磁性ビーズ,カラム,マトリクス,膜,合成または天然の繊維から構成される繊維マット(例えば,ガラスまたはセルロース系の材料または熱可塑性ポリマー,例えばポリエチレン,ポリプロピレンまたはポリエステル),粒子状材料から構成される焼結構造(例えば,ガラスまたは種々の熱可塑性ポリマー),またはニトロセルロース,ナイロン,ポリスルホン等(一般に天然に合成される)から構成される成形された膜フィルムに,直接または間接的に結合させる。1つの態様においては,基板はポリエチレンの焼結した微細粒子であり,これは一般に多孔性ポリエチレンとして知られており,例えば,Chromex Corporation(Albuquerque,NM)の10−15ミクロンの多孔性ポリエチレンフィルムがある。これらの基板材料のいずれも,適当な形状で,例えば,フィルム,シートまたはプレートで用いることができ,あるいは,適当な不活性担体,例えば,紙,ガラス,プラスチックフィルム,または線維にコーティングするか,結合させるか,ラミネートすることができる。ペプチドを固相上に固定化する適当な方法としては,イオン性,疎水性,共有結合性相互作用等がある。
【0063】
1つのタイプのアッセイフォーマットにおいては,1またはそれ以上のポリペプチドを固相または基板上にコーティングすることができる。抗PRRSV抗体またはそのフラグメントを含むと疑われる試験サンプルを,PRRSVに特異的な抗体または抗体フラグメントにコンジュゲート化したシグナル生成化合物を含む指示薬とともに,試験サンプルの抗体と固相のポリペプチドとの間に,またはPRRSVに特異的な抗体にコンジュゲート化した指示薬化合物と固相のポリペプチドとの間に,抗原/抗体複合体が形成されるのに十分な条件下で,一定時間インキュベートする。抗PRRSV抗体にコンジュゲート化した指示薬の固相への結合の減少を定量的に測定することができる。シグナルの測定可能な減少を,確認されている陰性のPRRSV試験サンプルから生成するシグナルと比較することにより,試験サンプル中の抗PRRSV抗体の存在が示される。このタイプのアッセイにより,試験サンプル中の抗PRRSV抗体の量を定量することができる。
【0064】
別のタイプのアッセイフォーマットにおいては,本発明の1またはそれ以上のポリペプチドを支持体または基板上にコーティングする。本発明のポリペプチドを指示薬とコンジュゲート化して試験サンプルに加える。この混合物を支持体または基板に適用する。試験サンプル中にPRRSV抗体が存在すれば,これらは指示薬とコンジュゲート化したポリペプチドに,および基板に固定化したポリペプチドに結合する。次に,ポリペプチド/抗体/指示薬複合体を検出することができる。このタイプのアッセイにより,試験サンプル中の抗PRRSV抗体の量を定量することができる。
【0065】
別のタイプのアッセイフォーマットにおいては,本発明の1またはそれ以上のポリペプチドを支持体または基板上にコーティングする。試験サンプルを支持体または基板に適用してインキュベートする。固体支持体を洗浄溶液で洗浄することにより,サンプルからの未結合成分を洗い流す。PRRSV抗体が試験サンプル中に存在すれば,これらは固相上にコーティングしたポリペプチドに結合する。このポリペプチド/抗体複合体は,指示薬にコンジュゲート化した種特異的二次抗体を用いて検出することができる。次に,ポリペプチド/抗体/抗種抗体指示薬複合体を検出することができる。このタイプのアッセイにより,試験サンプル中の抗PRRSV抗体の量を定量することができる。
【0066】
ポリペプチド/抗体複合体またはポリペプチド/抗体/指示薬複合体の形成は,放射性,発色,蛍光,サイズ分離,または沈殿法により検出することができる。任意に,ポリペプチド/抗体複合体の検出は,シグナル生成化合物を含む指示薬と結合させた二次抗体を用いて行う。ポリペプチド/抗体複合体と会合した,シグナル生成化合物(標識)を含む指示薬は,上述の方法を用いて検出することができ,これには,例えば,発色剤,触媒,例えば酵素,蛍光化合物,例えばフルオレセインおよびローダミン,化学発光化合物,例えばジオキセタン,アクリジニウム,フェナントリジニウム,ルテニウム,およびルミノール,放射性元素,直接可視標識,ならびに補因子,阻害剤,磁気粒子等が含まれる。酵素の例としては,アルカリホスファターゼ,西洋ワサビペルオキシダーゼ,ベータ−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。特定の標識の選択は重要ではないが,それ自身でまたは1またはそれ以上の追加の物質とともにシグナルを生成することが可能なものである。
【0067】
複合体の形成は,試験サンプルにおける抗PRRSV抗体の存在を示す。したがって,本発明の方法は,患者におけるPRRSV感染の診断に用いることができる。本発明の方法はまた,試験サンプル中の抗PRRSV抗体の量または数量を示すことができる。酵素等の多くの指示薬を用いると,存在する抗体の量は生成するシグナルと比例する。試験サンプルの種類によって,これを適当なバッファー試薬で希釈してもよく,濃縮してもよく,または操作せずに固相と接触させてもよい。例えば,存在する抗体の存在および/または量を決定するためには,通常は,予め希釈した血清または血漿サンプル,または濃縮した標本,例えば尿を試験することが好ましい。
【0068】
本発明はさらに,サンプル中の抗PRRSV抗体または抗体フラグメントまたはPRRSVポリペプチドを検出するためのアッセイキット(例えば製品)を含む。キットは,本発明の1またはそれ以上のポリペプチド,およびポリペプチドとサンプル中の抗PRRSV抗体または抗体フラグメントとの結合を判定する手段を含むことができる。キットまたは製品はまた,本発明の1またはそれ以上の抗体または抗体フラグメント,および抗体または抗体フラグメントとサンプル中のPRRSVまたはPRRSVポリペプチドとの結合を判定するための手段を含むことができる。キットは,本発明の1またはそれ以上のポリペプチドまたは抗体を含むデバイス,および1またはそれ以上のポリペプチドまたは抗体を,例えば哺乳動物におけるPRRSV感染の同定に用いるための指針を含むことができる。キットはまた,キットの1またはそれ以上のポリペプチドまたは抗体がPRRSV感染の同定に用いることができるものであることを示すラベルを含む包装材料を含むことができる。そのような試験キットには,当該技術分野において知られる他の成分,例えば,バッファ,対照等を含めることができる。本発明のポリペプチド,抗体,アッセイ,およびキットは,例えば,患者におけるPRRSV感染の個々の症例の診断に,ならびにPRRSV発生の疫学的研究に有用である。本発明のポリペプチドおよびアッセイは,他のポリペプチドまたはアッセイと組み合わせて,PRRSVの存在を他の生物の存在とともに検出することができる。
【0069】
本明細書に例示的に記載されている発明は,本明細書に特定的に開示されていない任意の要素または限定なしでも適切に実施することができる。すなわち,例えば,本明細書における各例において,"・・・を含む","・・・から本質的になる"および"・・・からなる"との用語は,他の2つのいずれかと置き換えることができる。本明細書において用いられる用語および表現は,説明の用語として用いるものであり,限定ではない。そのような用語および表現の使用においては,示されかつ記載されている特徴またはその一部の等価物を排除することを意図するものではなく,特許請求の範囲に記載される本発明の範囲中で種々の変更が可能であることが理解される。すなわち,好ましい態様および任意の特徴により本発明を特定的に開示してきたが,当業者には本明細書に記載される概念の変更および変種が可能であり,そのような変更および変種も特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0070】
さらに,発明の特徴および観点がマーカッシュグループまたは他の代替グループの用語で記載されている場合,当業者は,本発明が,マーカッシュグループまたは他のグループの個々のメンバーまたはサブグループに関してもまた記載されていることを認識するであろう。
【0071】
以下の記述は例示の目的のみのために提供され,上で広く説明した本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書の開示において引用されるすべての参考文献は,本明細書の一部としてここに引用する。
【実施例】
【0072】
実施例1
PEXUSorf7は,先に記載されるようにして(EMBO J.1984,3:1429−1434),発現させ精製した。組換え全長U.S.ORF7,N末端欠失誘導体U.S.ORF7およびカルボキシ末端欠失誘導体U.S.ORF7蛋白質は,Studier pET発現系を用いて,製造元により記載される方法により発現させた(EMD Biosciences,Ind.,Madison,WI 53719)。以下に示される蛋白質をコードする核酸を,製造元により記載される方法を用いてpET200発現系中にクローニングした。組換え蛋白質は,アミノ末端にベクターにコードされるヒスチジンタグを付けて発現させ,迅速なアフィニティー精製を可能とした。蛋白質は,製造元により記載される方法を用いて(EMD Biosciences),E.coli BL21(star)株で発現させ,精製した。SDS−PAGEゲルを用いてE.coliの粗溶解物を分離し,分離した蛋白質をニトロセルロースにブロッティングし,ニトロセルロースブロットを当業者に知られる標準的な手法を用いてブロッキングした。例えば,Sambrook and Russell,"Molecular Cloning:A Laboratory Manual"(3rd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,2001)を参照。ブタ抗体の存在は,ヤギ抗ブタIgGHRPコンジュゲート(Jackson Immuno Research Laboratories Inc.,West Grove,PA,19390)を用いて,当業者に知られる標準的な手法を用いて検出した。PRSSV(U.S.血清型)オープンリーディングフレーム7(ORF7)の配列は,123アミノ酸の長さであり,以下に示される:
ブタ繁殖性呼吸器症候群ウイルス,U.S.血清型
MPNNNGKQQKKKKGDGQPVNQLCQMLGKIIAQQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSDSGRISYTVEFSLPTHHTVRLIRVTAPPSA (配列番号3)
【0073】
PEXUSorf7のアミノ酸配列は配列番号4に示される。PRRS ORF7,U.S.血清型からのアミノ酸は太字下線で示される。ORF7の123アミノ酸のすべてが存在する。
MEQRITLKEAWDRSGAWLLPVSLVKRKTTLAPNTQTASPRALADSLMQLARQVSRLNRLAAHPPFASWRNSEEARTDRPSQQLRSLNGEWRFAWFPAPEAVPESWLECDLPEADTVVVPSNWQMHGYDAPIYTNVTYPITVNPPFVPTENPTGCYSLTFNVDESWLQEGQTRIIFDGVNSAFHLWCNGRWVGYGQDSRLPSEFDLSAFLRAGENRLAVMVLRWSDGSYLEDQDMWRMSGIFRDVSLLHKPTTQISDFHVATRFNDDFSRAVLEAEVQMCGELRDYLRVTVSLWQGETQVASGTAPFGGEIIDERGGYADRVTLRLNVENPKLWSAEIPNLYRAVVELHTADGTLIEAEACDVGFREVRIENGLLLLNGKPLLIRGVNRHEHHPLHGQVMDEQTMVQDGDPMPNNNGKQQKKKKGDGQPVNQLCQMLGKIIAQQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSDSGRISYTVEFSLPTHHTVRLIRVTAPPSA (配列番号4)
【0074】
U.S.血清型ORF7のアミノ酸2−123が存在し,これは配列番号5中で太字下線で示される。この組換え蛋白質は,NovagenのpET200発現ベクターを用いて発現させた。蛋白質のアミノ末端に37アミノ酸融合タグが付加されている。
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGSLPNNNGKQQKKKKGDGQPVNQLCQMLGKIIAQQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSDSGRISYTVEFSLPTHHTVRLIRVTAPPSA (配列番号5)
【0075】
ORF7アミノ末端から21アミノ酸を欠失させた。アミノ酸22−123が存在し,U.S.血清型ORF7アミノ酸は配列番号6中で太字下線で示される。組換え蛋白質は,NovagenのpET200発現ベクターを用いて発現させた。アミノ酸番号25(全長PRRS蛋白質の)−メチオニン(M)−をイソロイシン(I)−に変換して,異常な翻訳開始部位を除いた。この蛋白質は,蛋白質のアミノ末端に付加させた同じ37アミノ酸融合タグを有する。
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGSLCQILGKIIAQQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSDSGRISYTVEFSLPTHHTVRLIRVTAPPSA(配列番号6)
【0076】
U.S.ORF7のカルボキシ末端から30アミノ酸を除去した。U.S.ORF7のアミノ酸2−93が存在し,これは配列番号7中で太字下線で示される。組換え蛋白質はNovagenのpET200発現ベクターを用いて発現させた。この蛋白質は,蛋白質のアミノ末端に付加した同じ37アミノ酸融合タグを有する。この蛋白質はカルボキシ末端に付加された,ベクターによりコードされPRRSウイルス由来ではない追加の30アミノ酸タグを有する。
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGSLPNNNGKQQKKKKGDGQPVNQLCQMLGKIIAQQNQSRGKGPGKKNKKKNPEKPHFPLATEDDVRHHFTPSERQLCLSSIQTAFNQGAGTCTLSLESLEKGELNDPAANKARKEAELAAATAEQ (配列番号7)
【0077】
実施例2
ウエスタンブロットにおける反応性
このデータは,ウエスタンブロットにおいて,U.S.ORF7(配列番号7)のC末端欠失誘導体は陽性ブタ血清と反応しないが,全長U.S.ORF7およびU.S.ORF7(配列番号6)のN末端(すなわちアミノ末端)欠失誘導体は両方とも陽性ブタ血清と反応することを示す。
【表3】

【0078】
実施例3
ELISAにおける反応性
組換え蛋白質は,Studier pET発現系を用いて,製造元により記載された方法(EMD Biosciences,Ind.,Madison,WI53719)を用いて発現させた。上述の蛋白質をコードする遺伝子を,製造元により記載される方法を用いてpET200発現系にクローニングした。組換え蛋白質は,アミノ末端にベクターにコードされるヒスチジンタグを付けて発現させ,迅速なアフィニティー精製を可能とした。蛋白質は,製造元(EMD Biosciences)により記載された方法を用いて,E.coli BL21(star)株で発現させ精製した。
【0079】
Immulon 1プレートを,炭酸バッファpH9.5中1ug/mlの精製組換え蛋白質で,4℃で一晩コーティングした。プレートを"軽くたたいて"空にし,パッティングして乾燥した。プレートをPBS中2.5%BSAを用いて一晩ブロッキングした。プレートを"軽くたたき",パッティングして乾燥し,10mM Trisバッファ(pH7.5)中2.5%ショ糖で重層した。軽くたたいてパッティングして乾燥した後,プレートを4時間真空乾燥し,乾燥剤とともに保存した。
【0080】
サンプルは,これらのELISAプレートで,"Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome Virus Antibody Test Kit"(IDEXX Laboratories Inc.,Westbrook ME,カタログ番号06−04404−00)からの市販の試薬および方法を用いて調べた。この結果は,U.S.ORF7蛋白質(配列番号6)のN末端欠失誘導体は,ELISAアッセイにおいて,全長蛋白質(配列番号5)と同様に反応することを示す。
【0081】
実施例4
以下のLelystad PRRSV ORF7ポリペプチドは当該技術分野においてよく知られる手法を用いて製造した。Lelystad ORF7蛋白質からの配列を太字下線で示す。他のアミノ酸は,これらの組換え蛋白質に付加された融合パートナー/タグである。
【0082】
pEX4ベクターにより発現されるbetagal−ORF7 Lelystadの配列
MEQRITLKEAWDRSGAWLLPVSLVKRKTTLAPNTQTASPRALADSLMQLARQVSRLNRLAAHPPFASWRNSEEARTDRPSQQLRSLNGEWRFAWFPAPEAVPESWLECDLPEADTVVVPSNWQMHGYDAPIYTNVTYPITVNPPFVPTENPTGCYSLTFNVDESWLQEGQTRIIFDGVNSAFHLWCNGRWVGYGQDSRLPSEFDLSAFLRAGENRLAVMVLRWSDGSYLEDQDMWRMSGIFRDVSLLHKPTTQISDFHVATRFNDDFSRAVLEAEVQMCGELRDYLRVTVSLWQGETQVASGTAPFGGEIIDERGGYADRVTLRLNVENPKLWSAEIPNLYRAVVELHTADGTLIEAEACDVGFREVRIENGLLLLNGKPLLIRGVNRHEHHPLHGQVMDEQTMVQDGDPKGFEFELGTLAGKNQSQKKKKSTAPMGNGQPVNQLCQLLGAMIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFPLAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLSSSGKVSFQVEFMLPVAHTVRLIRVTSTSASQGARDPLE (配列番号14)
【0083】
pET200ベクターから発現されるHis−orf7 Lelystadの配列
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGLAGKNQSQKKKKSTAPMGNGQPVNQLCQLLGAMIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFPLAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLSSSGKVSFQVEFMLPVAHTVRLIRVTSTSASQGAS(配列番号15)
【0084】
pET200ベクターから発現されるHis−N末端トランケート型ORF7 Lelystadの配列。このN末端欠失ペプチドは,アミノ末端から26アミノ酸が除去されている。
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDHPFTGSCQLLGAIIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFPLAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLSSSGEVSFQVEFMLPVAHTVRLIRVTSTSASQGAS (配列番号16)
【0085】
pET200ベクターから発現されるHisカルボキシトランケート型ORF7 Lelystadの配列。このC末端欠失ペプチドは,カルボキシ末端から34アミノ酸が除去されている。
MGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDDDDKDHPFTGLAGKNQSQKKKKSTAPMGNGQPVNQLCQLLGAMIKSQRQQPRGGQAKKKKPEKPHFPLAAEDDIRHHLTQTERSLCLQSIQTAFNQGAGTASLS (配列番号17)
【0086】
ウエスタンブロットを用いてこれらのポリペプチドの反応性を調べた。結果を表4に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
このデータは,ウエスタンブロットでは,Lelystad ORF7のC末端欠失誘導体は陽性ブタ血清と反応しないが,Lelystad ORF7の全長Lelystad ORF7およびN末端欠失誘導体は両方とも陽性ブタ血清と反応することを示す。
【0089】
実施例5
ELISAにおける反応性
組換え蛋白質は,Studier pET発現系を用いて,製造元(EMD Biosciences,Ind.,Madison,WI 53719)により記載された方法を用いて発現させた。上述のポリペプチドをコードする核酸を,製造元により記載される方法を用いてpET200発現系にクローニングした。組換えポリペプチドは,アミノ末端にベクターにコードされるヒスチジンタグを付けて発現させ,迅速なアフィニティー精製を可能とした。蛋白質は,製造元(EMD Biosciences)により記載された方法を用いて,E.coli BL21(star)株で発現させ精製した。Immulon 1プレートを,炭酸バッファpH9.5中1ug/mlの精製組換え蛋白質で,4℃で一晩コーティングした。プレートを"軽くたたいて"空にし,パッティングして乾燥した。プレートをPBS中2.5%BSAを用いて一晩ブロッキングした。プレートを"軽くたたき",パッティングして乾燥し,10mM Trisバッファ(pH7.5)中2.5%ショ糖で重層した。軽くたたいてパッティングして乾燥した後,プレートを4時間真空乾燥し,乾燥剤とともに保存した。サンプルをこれらのELISAプレートで,市販の試薬および方法"Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome Virus Antibody Test Kit"(IDEXX Laboratories Inc.,Westbrook ME,カタログ番号06−04404−00)を用いて試験した。このデータは,Lelystad ORF7蛋白質のN末端欠失誘導体がELISAアッセイにおいて全長蛋白質と同等に反応性であることを示す。
【0090】
実施例6
トランケート型U.S.orf7抗原を用いる抗体検出の特異度の改良
組換え蛋白質発現により生成したUSOrf7(配列番号6)のN末端トランケート型ポリペプチドを,ELISAフォーマットで免疫反応性について試験して,全長USOrf7(配列番号5)と比較した。配列番号5および6の組換え蛋白質は,先に記載したようにして発現させ精製した(実施例3)。Immulon(登録商標)Iプレートを,先に記載したようにして(実施例3)ポリペプチドでコーティングした。プレートコーティングおよび二次抗体希釈は,陽性対照ブタ血清を用いて,IDEXX HerdCheck(登録商標)2XR ELISAアッセイとほぼ同等の特異的シグナルが得られるよう最適化した。選択されたブタ血清に対する反応性をELISAにより評価した(表7を参照)。
【0091】
スクリーニングした血清サンプルは,他の方法論,例えばIFAおよびPCRによってPRRSVについて陰性であると示されているが,IDEXX HerdCheck(登録商標)2XR ELISAでは反応性を示した。これは,2XRプレートにおける非特異的シグナルの存在を示唆する。これらの特性を有する血清サンプルはIDEXX HerdCheck(登録商標)2XR ELISAでは偽陽性であり,PRRS診断の分野の当業者には一般に"シングルトン"と称される。USOrf7からN末端26アミノ酸を欠失させると,全長USOrf7と比較して低下した反応性および改良された特異度を示す(それぞれ,79%特異度対69%特異度)免疫反応性抗原が得られる。陽性および陰性対照標準物質を用いたIDEXX HerdCheck(登録商標)2XRの最適化に基づいて,0.200より低いOD650値を,サンプルが陰性であると考えられるカットオフ値として決定した。U.S.orf7抗原のアミノ末端部分のトランケーションにより,ブタ血清からの非特異的シグナルが有意に低下した。
【0092】
【表5】

【0093】
実施例7
トランケート型Lelystad orf7抗原を用いる抗体検出の特異度の改良
PRRSウイルスのLelystad株からの全長Orf7(配列番号15),ならびにN末端トランケート型(配列番号16)をE.coliで発現させ,単離して,先に記載したように(実施例5),選択されたブタ血清に対してELISA分析を行った。プレートコーティングおよび二次抗体(コンジュゲート)希釈は,陽性対照血清を用いて,IDEXX HerdCheck(登録商標)2XR ELISAアッセイとほぼ同等の特異的シグナルが得られるよう最適化した。スクリーニングした血清サンプルは,他の方法論,例えばIFAおよびPCRによりPRRSVについて陰性であると示されているが,IDEXX HerdCheck(登録商標)2XR ELISAでは反応性を示した。
【0094】
N末端トランケート型Lelystad orf7蛋白質は,全長Lelystad orf7蛋白質と比較したときに,低下した免疫反応性および改良された特異度を示した(それぞれ,62%特異度対42%特異度)。陽性および陰性対照標準を用いるIDEXXHerdCheck2XRの最適化に基づいて,0.200以下のOD650値を,サンプルが陰性であると考えられるカットオフ値として決定した。Lelystad orf7抗原のN末端部分のトランケーションにより,ブタ血清からの非特異的シグナルが有意に低下した。
【0095】
【表6】

【0096】
表7 全長およびトランケート型のorf7ポリペプチドを用いるELISAにおける"シングルトン"血清サンプルの反応性
全長(FL)およびN末端トランケート型(Trn)ポリペプチドについてのOD650の値が示される。0.2より高いODは陽性である(太字)。
【0097】
【表7】

【0098】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1または配列番号18から本質的になる精製されたポリペプチドを含む組成物。
【請求項2】
精製されたポリペプチドが多量体型である,請求項1記載の組成物。
【請求項3】
さらに担体を含む,請求項1記載の組成物。
【請求項4】
精製されたポリペプチドが,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,移送停止配列,貫膜ドメイン,蛋白質精製リガンド,またはそれらの組み合わせに連結されている,請求項1記載の組成物。
【請求項5】
精製されたポリペプチドが,配列番号2または配列番号13から本質的になる,請求項4記載の組成物。
【請求項6】
配列番号1または配列番号18から本質的になるポリペプチド,および天然には配列番号1または配列番号18と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドを含む,精製された融合ポリペプチド。
【請求項7】
配列番号1または配列番号18が多量体型である,請求項6記載の精製された融合蛋白質。
【請求項8】
精製された融合ポリペプチドが,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,移送停止配列,貫膜ドメイン,蛋白質精製リガンドまたはそれらの組み合わせを含む,請求項6記載の精製された融合蛋白質。
【請求項9】
精製されたポリペプチドが,配列番号2または配列番号13から本質的になる,請求項6記載の精製された融合蛋白質。
【請求項10】
請求項1記載の精製されたポリペプチドをコードする精製されたポリヌクレオチド。
【請求項11】
請求項6記載の精製された融合ポリペプチドをコードする精製されたポリヌクレオチド。
【請求項12】
繁殖性呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)またはPRRSVポリペプチドに特異的に結合する抗体を検出する方法であって,
(a)配列番号1,配列番号2,配列番号18,配列番号13,またはそれらの組み合わせから本質的になる精製されたポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下で,PRRSVに特異的な抗体を含むと疑われる試験サンプルと接触させ;
(b)ポリペプチド/抗体複合体を検出する;
ことを含み,
ここで,ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,PRRSVに特異的な抗体が試験サンプル中に存在することを示し,ポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,PRSSVに特異的な抗体が試験サンプル中に存在しないことを示す,
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
さらに,(b)の工程を実施する前に(a)の複合体を指示薬と接触させることを含む,請求項12記載の方法。
【請求項14】
抗体が抗体のフラグメントである,請求項12記載の方法。
【請求項15】
試験サンプル中の抗体の量を決定する,請求項12記載の方法。
【請求項16】
ポリペプチドが基板に結合されている,請求項12記載の方法。
【請求項17】
ポリペプチドが多量体型である,請求項12記載の方法。
【請求項18】
ポリペプチドが,配列番号1,配列番号2,配列番号18,配列番号13,またはそれらの組み合わせ,および天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドを含む融合蛋白質である,請求項12記載の方法。
【請求項19】
試験サンプルが,哺乳動物から得た生物学的サンプルを含む,請求項12記載の方法。
【請求項20】
該方法が,可逆流クロマトグラフィー結合アッセイ,酵素結合イムノソルベントアッセイ,ラジオイムノアッセイ,ヘマグルチネーションアッセイ,ウエスタンブロットアッセイ,蛍光偏光イムノアッセイ,および間接的免疫蛍光アッセイからなる群より選択されるアッセイを含む,請求項12記載の方法。
【請求項21】
哺乳動物においてPRRSV感染を検出する方法であって,
(a)PRRSVに感染していると疑われる哺乳動物から生物学的サンプルを取得し;
(b)配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13,またはそれらの組み合わせから本質的になる精製されたポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下で,生物学的サンプルと接触させ;
(c)ポリペプチド/抗体複合体を検出する;
ことを含み,ここで,ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,哺乳動物がPRSSVに感染していることを示し,ポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,哺乳動物がPRRSVに感染していないことを示すことを特徴とする方法。
【請求項22】
さらに,(c)の工程を実施する前に,(b)のポリペプチド/抗体複合体を,測定可能なシグナルを生成する指示薬と接触させることを含む,請求項21記載の方法。
【請求項23】
ポリペプチドが,配列番号1,配列番号2,配列番号18,配列番号13,またはそれらの組み合わせ,および天然には配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13と連続的に結合していない1またはそれ以上のポリペプチドから本質的になる融合蛋白質を含む,請求項22記載の方法。
【請求項24】
PRRSVポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する抗体であって,前記ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13であることを特徴とする抗体。
【請求項25】
抗体が,モノクローナル抗体,ポリクローナル抗体または抗体フラグメントである,請求項24記載の抗体。
【請求項26】
サンプル中のPRRSVポリペプチドまたはPRRSVを検出する方法であって,
(a)PRRSVポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する1またはそれ以上の抗体を,ポリペプチド/抗体複合体が形成されうる条件下でサンプルと接触させ,ここで,前記ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号18,または配列番号13を含み;
(b)ポリペプチド/抗体複合体を検出する;
ことを含み,ここで,ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,PRSSVまたはPRSSVポリペプチドがサンプル中に存在することを示し,ポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,PRSSVまたはPRRSVポリペプチドがサンプル中に存在しないことを示すことを特徴とする方法。
【請求項27】
1またはそれ以上の抗体が,モノクローナル抗体,ポリクローナル抗体,または抗体フラグメントである,請求項26記載の方法。
【請求項28】
サンプルが,血清,全血,乳,肉汁,痰,肺洗浄液,肺組織,へんとう腺組織,またはリンパ節組織である,請求項26記載の方法。
【請求項29】
PRRSV ORF7に特異的なPRRSV抗体を検出する診断アッセイにおいて偽陽性の発生率を低下させる方法であって,診断アッセイにおいて約19−約28個のN末端アミノ酸の欠失を含むPRRSV ORF7ポリペプチドを抗体捕捉抗原として用いることを特徴とする方法。
【請求項30】
PRRSV ORF7ポリペプチドが配列番号1または配列番号18である,請求項29記載の方法。
【請求項31】
PRRSV ORF7ポリペプチドがさらに,天然にはPRRSV ORF7と連続的に結合していない1またはそれ以上のアミノ酸をいずれかの末端に含む,請求項29記載の方法。
【請求項32】
精製されたポリペプチドがさらに,天然にはPRRSV ORF7と連続的に結合していない1またはそれ以上のアミノ酸をいずれかの末端に含む,請求項1記載の組成物。



【公表番号】特表2008−538175(P2008−538175A)
【公表日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557192(P2007−557192)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/006612
【国際公開番号】WO2006/091824
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(300004500)アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】