説明

ブックマークを登録した際の影響度を評価する方法、サーバ、およびプログラム

【課題】ブックマークを登録したユーザの影響度を評価する方法、サーバ、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】評価サーバ10は、Webページに対して公開または非公開のブックマークを登録したユーザおよび登録日時を、当該Webページに関連付けて記憶するブックマーク情報記憶部11と、ユーザが公開ブックマークを登録した登録日時以前の所定期間および、当該登録日時以降の所定期間において、同一のWebページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出する増減率算出部12と、登録日時以前の増減率から登録日時以降の増減率への変化に基づいて、ユーザが登録した公開ブックマークの影響度を評価するブックマーク評価指数を算出するブックマーク評価算出部13と、ユーザに関する1以上のブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を評価するユーザ評価指数を算出するユーザ評価算出部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webページに登録されたブックマークを評価する方法、サーバ、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上に公開されたWebページに対しては、ユーザが独自のブックマークを付与することにより、同じWebページを再度閲覧することを容易にしてきた。このようなブックマークは、ユーザが利用する端末に固有の登録情報であったが、近年では、ブックマークをサーバにて管理し、他者へ公開するソーシャルブックマークと呼ばれるサービスが提供されている。
【0003】
このソーシャルブックマーク(公開ブックマーク)を参照することにより、ユーザは、例えば、他者が公開したある分野に関するリンク集や、お気に入りのリンク集等のブックマークを介して、所望のWebページを探索することができる。
【0004】
ところで、ソーシャルブックマークは、必ずしも有用なWebページを示すものが公開されているとは限らない。したがって、ユーザは、有用なブックマークを選別して参照する必要があるため、ブックマークの有用性を判断する手法が望まれる。例えば、特許文献1には、ブックマークの利用頻度に基づいて表示順を並び替える方法が提案されている。
【特許文献1】特開2005−010882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法によっても、ブックマークのそれぞれが利用される頻度を評価することはできるが、ブックマークを登録したユーザ、あるいは、そのユーザが登録したブックマーク全体を評価することはできない。したがって、たとえ人気のある(影響度が高い)ユーザが新たに登録したブックマークであっても、登録された時点では評価がされない。
【0006】
ここで、ブックマークを登録したユーザを評価することができれば、評価の高いユーザが登録したブックマークは有用性が高いと推定できるため、有用なブックマークが登録されたこと、すなわち有用なWebページが存在することを素早く認識することができる。したがって、有用なWebページへのリンク情報をユーザに効率的に提供できる可能性がある。
【0007】
そこで本発明は、ブックマークを登録したユーザの影響度を評価する方法、サーバ、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
(1) 他のユーザへ公開する公開ブックマークをWebページに対して登録したユーザの影響度を、コンピュータが評価する方法であって、
前記Webページに対して公開または非公開のブックマークを登録したユーザおよび登録日時を、当該Webページに関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記ユーザが前記公開ブックマークを登録した登録日時以前の所定期間および、当該登録日時以降の所定期間において、同一の前記Webページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出する増減率算出ステップと、
前記登録日時以前の増減率から前記登録日時以降の増減率への変化に基づいて、前記ユーザが登録した公開ブックマークの影響度を評価するブックマーク評価指数を算出するブックマーク評価算出ステップと、
前記ユーザに関する1以上の前記ブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を評価するユーザ評価指数を算出するユーザ評価算出ステップと、を実行する方法。
【0010】
このような構成によれば、当該方法を実行するコンピュータは、Webページに対して公開または非公開のブックマークを登録したユーザおよび登録日時を、当該Webページに関連付けて記憶し、ユーザが公開ブックマークを登録した登録日時以前の所定期間および、当該登録日時以降の所定期間において、同一のWebページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出し、登録日時以前の増減率から登録日時以降の増減率への変化に基づいて、ユーザが登録した公開ブックマークの影響度を評価するブックマーク評価指数を算出し、ユーザに関する1以上のブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を評価するユーザ評価指数を算出する。
【0011】
このことにより、当該コンピュータは、ブックマークが登録されたことによる、同一のWebページに対するブックマークの増減率の変化を監視し、この変化に基づいて、ブックマーク評価指数を算出する。このブックマーク評価指数は、当該ブックマークが登録されたことにより、他のユーザからのブックマークの登録が増加または減少したことを反映しており、登録されたブックマークそれぞれの影響度を示す。
【0012】
更に、当該コンピュータは、同一ユーザに関するブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を示すユーザ評価指数を算出するので、登録した複数のブックマークに関する評価を集計して、ユーザの影響度を評価することができる。
【0013】
(2) 前記ユーザ評価算出ステップにより前記ユーザ評価指数が算出された後に、前記ブックマーク評価算出ステップにより新たな前記ブックマーク評価指数が算出された場合に、当該算出されたブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザ評価指数を更新する更新ステップを更に含む(1)に記載の方法。
【0014】
このような構成によれば、当該方法を実行するコンピュータは、新たにブックマークが登録されることにより、ユーザ評価指数を更新する。このことにより、ブックマークが登録される度に、ユーザ評価が更新されるので、最新のユーザ評価を求めることができる。
【0015】
(3) 前記ブックマーク評価算出ステップは、前記変化の量が多いほど、前記ブックマーク評価指数を大きな値として算出することを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
【0016】
このような構成によれば、当該方法を実行するコンピュータは、ブックマーク登録数の増減率が大きく増えるほど、ブックマークを高く評価する。このことにより、他のユーザによるブックマーク登録に大きく影響を与えたブックマーク、更には登録したユーザを高く評価できる。
【0017】
(4) 前記ブックマーク評価算出ステップは、前記変化が増加である場合には前記ブックマーク評価指数を正の値とし、前記変化が減少である場合には前記ブックマーク評価指数を負の値とすることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の方法。
【0018】
このような構成によれば、当該方法を実行するコンピュータは、ブックマーク登録数の増減率が増えた場合には、ブックマークの評価を上げ、逆に増加率が減った場合には、ブックマークの評価を下げる。このことにより、当該コンピュータは、ブックマークが登録されたことに応じて他ユーザによるブックマーク登録が増えたか減ったかを、ブックマークの評価、更にはユーザの評価に反映させることができる。
【0019】
(5) 前記ユーザ評価指数のランキングを出力する出力ステップを更に含む(1)から(4)のいずれかに記載の方法。
【0020】
このような構成によれば、当該方法を実行するコンピュータは、ユーザ評価を順位付けして出力することができる。このことにより、例えば、評判の良いユーザと、このユーザが登録した有用と思われるブックマークを容易に知ることができる。また、ランキング上位となることを励みに、より良いブックマークが登録されることが期待できる。
【0021】
(6) 前記ユーザがブックマークを登録しているWebページの検索優先度を、前記ユーザ評価指数に基づいて調整する調整ステップを更に含む(1)から(5)のいずれかに記載の方法。
【0022】
このような構成によれば、当該方法を実行するコンピュータは、ユーザ評価に基づいて、当該ユーザが登録したブックマークの示すWebページを優先して検索させる。評価の高いユーザが紹介しているWebページは、有用であると期待できるので、このWebページを優先することにより、所望のWebページに容易に辿り着ける可能性がある。
【0023】
(7) 他のユーザへ公開する公開ブックマークをWebページに対して登録したユーザの影響度を評価するサーバであって、
前記Webページに対して公開または非公開のブックマークを登録したユーザおよび登録日時を、当該Webページに関連付けて記憶する記憶手段と、
前記ユーザが前記公開ブックマークを登録した登録日時以前の所定期間および、当該登録日時以降の所定期間において、同一の前記Webページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出する増減率算出手段と、
前記登録日時以前の増減率から前記登録日時以降の増減率への変化に基づいて、前記ユーザが登録した公開ブックマークの影響度を評価するブックマーク評価指数を算出するブックマーク評価算出手段と、
前記ユーザに関する1以上の前記ブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を評価するユーザ評価指数を算出するユーザ評価算出手段と、を備えるサーバ。
【0024】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【0025】
(8) (1)に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【0026】
このような構成によれば、当該プログラムをコンピュータに実行させることにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ブックマークを登録したユーザの影響度を評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0029】
[システム全体構成]
図1は、本実施形態に係る評価サーバ10と関連要素との全体構成を示す図である。評価サーバ10は、検索サーバ20、ユーザ端末30、およびコンテンツサーバ40とネットワークを介して接続されている。
【0030】
検索サーバ20は、ユーザ端末30からの要求に応じて、コンテンツサーバ40により管理されるWebページを検索し、ユーザ端末30に検索結果を送信する。
【0031】
評価サーバ10は、ユーザ端末30にて閲覧されたWebページに対するブックマークの登録を受け付けて記憶する。そして、評価サーバ10は、同一Webページに対するブックマークの登録数の推移を監視し、ブックマーク単体の影響度を評価すると共に、そのブックマークを登録したユーザの影響度を評価する。
【0032】
ここで、評価サーバ10は、ユーザの評価に基づいて、検索サーバ20の検索インデックスを調整し、評価の高いブックマークやユーザが示すWebページの優先順位を上げる。これにより、検索サーバ20は、精度の高い検索結果をユーザ端末30に送信することができる。
【0033】
[ハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係る評価サーバ10のハードウェア構成を示す図である。評価サーバ10は、制御部300を構成するCPU(Central Processing Unit)310(マルチプロセッサ構成ではCPU320等複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン200、通信I/F(I/F:インタフェース)330、メインメモリ340、BIOS(Basic Input Output System)350、I/Oコントローラ360、ハードディスク370、光ディスクドライブ380、並びに半導体メモリ390を備える。尚、ハードディスク370、光ディスクドライブ380、並びに、半導体メモリ390はまとめて記憶装置410と呼ばれる。
【0034】
制御部300は、評価サーバ10を統括的に制御する部分であり、ハードディスク370(後述)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0035】
通信I/F330は、評価サーバ10が、ネットワークを介して検索サーバ20やユーザ端末30等(図1)の他の装置と情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F330は、モデム、ケーブル・モデムおよびイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0036】
BIOS350は、評価サーバ10の起動時にCPU310が実行するブートプログラムや、評価サーバ10のハードウェアに依存するプログラム等を記録する。
【0037】
I/Oコントローラ360には、ハードディスク370、光ディスクドライブ380、および半導体メモリ390等の記憶装置410を接続することができる。
【0038】
ハードディスク370は、本ハードウェアを評価サーバ10として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラムおよび後述するテーブル等を記憶する。なお、評価サーバ10は、外部に別途設けたハードディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0039】
光ディスクドライブ380としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク400を使用する。光ディスク400から光ディスクドライブ380によりプログラムまたはデータを読み取り、I/Oコントローラ360を介してメインメモリ340またはハードディスク370に提供することもできる。
【0040】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、評価サーバ10は、記憶装置410、制御部300等を備えた情報処理装置により構成され、この情報処理装置は、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0041】
[機能構成]
図3は、本実施形態に係る評価サーバ10の機能構成を示す図である。評価サーバ10の制御部300は、ブックマーク情報記憶部11と、増減率算出部12と、ブックマーク評価算出部13と、ユーザ評価算出部14と、ユーザ評価更新部15と、ランキング出力部16と、検索優先度調整部17と、を備える。また、評価サーバ10の記憶装置410は、ブックマークDB31と、ブックマーク評価DB32と、ユーザ評価DB33と、を備える。
【0042】
ブックマーク情報記憶部11は、ユーザ端末30からブックマークの登録を受け付け、ブックマークDB31にブックマーク情報を記憶する。ここで、ブックマーク情報は、対象のWebページに対するブックマークを登録したユーザおよび登録日時を含む。
【0043】
増減率算出部12は、ブックマーク情報記憶部11により記憶したブックマーク情報に基づいて、ブックマークの登録数の増減率を算出する。具体的には、増減率算出部12は、個々のブックマークに関して、このブックマークが登録された日時を境に、前後それぞれの所定期間における同一のWebページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出する。
【0044】
なお、増減率算出部12は、増減率の算出に先立って、ブックマーク情報をブックマークDB31から所定の期間分について読み込むこととしてよい。例えば、一定の周期で取得を繰り返すことにより、増減率および後述のブックマーク評価指数の算出、更にはユーザ評価指数の算出を定期的に実行する。
【0045】
ここで、増減率は、単位時間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)あたりの登録数の増減数であって、増減率の値が大きいほど、同一のWebページに対してブックマークの登録数が急激に増加していることを示す。
【0046】
ブックマーク評価算出部13は、増減率算出部12により算出された増減率に基づいて、登録されたブックマークの影響度を示すブックマーク評価指数を算出する。具体的には、ブックマーク評価算出部13は、ブックマークが登録される前(事前)の増減率と、ブックマークが登録された後(事後)の増減率とを比較し、増減率の変化量や変化率等に基づいて、ブックマーク評価指数を算出する。
【0047】
このブックマーク評価指数は、事後の増減率が事前の増減率に比べて大きく上昇するほど高く算出され、ブックマークの影響度が高いことを示す。また、事後の増減率が事前の増減率に比べて下降した場合には、ブックマーク評価指数を負の値としてよい。このことにより、ブックマーク評価指数は、他のブックマークの登録を抑制する負の影響度をも示すことができる。
【0048】
そして、ブックマーク評価算出部13は、算出したブックマーク評価指数を、ブックマーク評価DB32に記憶する。
【0049】
図4は、本実施形態に係るブックマーク評価テーブルを示す図である。ここでは、ユーザ毎に、ブックマークを登録したWebページのURLと、その登録日時が記憶される。そして更に、このブックマークが登録される前の登録数の増減率(事前)および、登録された後の登録数の増減率(事後)と、ブックマーク評価指数と、が記憶される。
【0050】
ここで、ブックマーク評価指数がプラスで大きな値であるほど、同一のWebページに対するブックマークの登録を促す強い影響を与えたことを示す。逆に、ブックマーク評価指数がマイナスで大きな値であるほど、同一のWebページに対するブックマークの登録を抑制する影響を与えたことを示す。
【0051】
図5は、本実施形態に係るブックマークの登録数の推移の例を示す図である。ここでは、同一のWebページに対するブックマークの登録数と日時の関係を示している。
【0052】
図5(a)では、日時t1を境に、登録数の増減率が上昇している。したがって、日時t1に登録されたブックマークが他のユーザに対して正の影響を与えたと考えられるので、ブックマーク評価指数は正の値となる。一方、図5(b)では、日時t2を境に、登録数の増減率が下降している。したがって、日時t2に登録されたブックマークが他のユーザに対して負の影響を与えたと考えられるので、ブックマーク評価指数は負の値となる。
【0053】
ユーザ評価算出部14は、ブックマーク評価算出部13により算出されたブックマーク評価指数に基づいて、ユーザ毎に、ブックマーク登録に関する他のユーザへの影響度を評価したユーザ評価指数を算出し、ユーザ評価DB33に記憶する。
【0054】
このユーザ評価指数は、ブックマーク評価テーブル(図4)のブックマーク評価指数をユーザ毎に集計し、ユーザに対する評価値として算出される。具体的には、例えば、ブックマーク評価指数の平均値等、統計的な算出方法を利用することとする。
【0055】
図6は、本実施形態に係るユーザ評価テーブルを示す図である。ここでは、ユーザ毎に、算出されたユーザ評価指数が記憶される。このユーザ評価指数の値が大きいほど、他のユーザに対する影響度が高いことを示している。そして、ユーザ評価指数が正の値であれば、ユーザの評価は良好であるので、このユーザが登録したブックマークが有用であると期待できる。
【0056】
ユーザ評価更新部15は、ブックマーク評価テーブル(図4)に新たなブックマーク評価指数が登録された場合に、既に算出済みのユーザ評価指数を更新する。ブックマーク評価指数は、ブックマーク情報記憶部11によりブックマーク情報が記憶されるタイミングで、定期的に追加されるので、ユーザ評価指数も定期的に更新することが好ましい。この場合、追加されたブックマーク評価指数と、既に算出済みのユーザ評価指数と、に基づいて、新たなユーザ評価指数を算出して更新する。
【0057】
具体的には、ユーザ評価更新部15は、追加されたブックマーク評価指数の大小に応じて、ユーザ評価指数を上下させる。また、ユーザ評価更新部15は、新たなユーザ評価指数を算出する際に、統計的な算出方法を利用してもよく、この場合、ユーザ評価テーブル(図6)には、ブックマーク登録数等の統計情報を更に記憶しておくことが好ましい。
【0058】
ここで、ユーザ評価更新部15は、新たに追加されたブックマーク評価指数に基づいて新たなユーザ評価指数を更新することとしたが、これには限られない。例えば、新たに追加されたブックマークを登録したユーザに関するブックマーク評価指数を全て読み込むことにより、改めてユーザ評価指数を算出し直してもよい。あるいは、所定の期間(例えば、過去1年間等)に登録されたブックマークに関するブックマーク評価指数を読み込んでユーザ評価指数を算出してもよい。
【0059】
ランキング出力部16は、ユーザ評価テーブル(図6)にて記憶されるユーザ評価指数を順位付けて出力する。具体的には、ランキング出力部16は、例えば、ユーザ端末30からの要求に応じて、ランキングの表示データを送信することとしてよい。このとき、ランキング上位のユーザ等、表示対象のユーザが登録したブックマークを示すデータ(Webページへのリンクや、ブックマーク集へのリンク等)を併せて送信してもよい。これにより、評価の良いユーザが登録したブックマークを介して、有用なWebページへ容易に辿り着くことができる。
【0060】
検索優先度調整部17は、ユーザ評価指数に基づいて、このユーザが登録しているブックマークが示すWebページの検索優先度を調整する。具体的には、ユーザ評価指数が大きいユーザほど、このユーザが登録したブックマークが示すWebページの優先度を高く調整し、優先して検索されるようにする。例えば、検索サーバ20がインデックスDB21を備えて検索優先度を管理している場合に、検索優先度調整部17は、このインデックスDB21を更新することにより、優先度を調整する。
【0061】
[処理フロー]
図7は、本実施形態に係るブックマーク評価指数を算出する処理の流れを示す図である。
【0062】
ステップS1では、制御部300は、所定期間に登録されたブックマークを、ブックマークDB31から抽出する。
【0063】
ステップS2では、制御部300は、ステップS1にて抽出されたブックマークが示すWebページについて、ブックマーク登録の前後における他ユーザによる登録数の増減率を算出する。
【0064】
ステップS3では、制御部300は、ステップS2にて算出された増減率の変化に基づいて、ブックマーク評価指数を算出する。
【0065】
ステップS4では、制御部300は、ステップS3にて算出されたブックマーク評価指数を、ブックマーク評価DB32に記憶する。
【0066】
図8は、本実施形態に係るユーザ評価指数を算出する処理の流れを示す図である。
【0067】
ステップS11では、制御部300は、ブックマーク評価指数を読み込む。読み込むブックマーク評価指数は、例えば過去1年間等、所定期間のデータであってよい。
【0068】
ステップS12では、制御部300は、ステップS11にて読み込んだブックマーク評価指数を、ユーザ単位に分類する。
【0069】
ステップS13では、制御部300は、ステップS12にてユーザ毎に分類された1以上のブックマーク評価指数に基づいて、ユーザ評価指数を算出する。
【0070】
ステップS14では、制御部300は、ステップS13にて算出されたユーザ評価指数を、ユーザ評価DB33に記憶する。
【0071】
図9は、本実施形態に係るユーザ評価指数を更新する処理の流れを示す図である。本処理では、既にユーザ評価指数が算出され、ユーザ評価DB33に記憶されているものとする。
【0072】
ステップS21では、制御部300は、未処理のブックマーク評価指数を読み込む。具体的には、本ステップを周期的に実行することにより、前回実行した日時以降に登録されたブックマーク評価指数を読み込むこととしてよい。あるいは、ブックマーク評価テーブル(図4)に読み込み済みであることを示すフラグ(図示せず)を更に記憶しておいてもよい。
【0073】
ステップS22では、制御部300は、ステップS21にて読み込んだブックマーク評価指数を、ユーザ単位に分類する。
【0074】
ステップS23では、制御部300は、ユーザ評価DB33から、ステップS22にて分類したユーザに関するユーザ評価指数を読み込む。
【0075】
ステップS24では、制御部300は、ステップS22にて分類されたユーザ毎のブックマーク評価指数に基づいて、ステップS23にて読み込んだユーザ評価指数を更新する。
【0076】
ステップS25では、制御部300は、ステップS24にて更新したユーザ評価指数を、ユーザ評価DB33に記憶し、最新の状態とする。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係る評価サーバ10と関連要素との全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る評価サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る評価サーバ10の機能構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るブックマーク評価テーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るブックマークの登録数の推移の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るユーザ評価テーブルを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るブックマーク評価指数を算出する処理の流れを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るユーザ評価指数を算出する処理の流れを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るユーザ評価指数を更新する処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10 評価サーバ
11 ブックマーク情報記憶部
12 増減率算出部
13 ブックマーク評価算出部
14 ユーザ評価算出部
15 ユーザ評価更新部
16 ランキング出力部
17 検索優先度調整部
20 検索サーバ
30 ユーザ端末
31 ブックマークDB
32 ブックマーク評価DB
33 ユーザ評価DB
40 コンテンツサーバ
300 制御部
410 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のユーザへ公開する公開ブックマークをWebページに対して登録したユーザの影響度を、コンピュータが評価する方法であって、
前記Webページに対して公開または非公開のブックマークを登録したユーザおよび登録日時を、当該Webページに関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記ユーザが前記公開ブックマークを登録した登録日時以前の所定期間および、当該登録日時以降の所定期間において、同一の前記Webページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出する増減率算出ステップと、
前記登録日時以前の増減率から前記登録日時以降の増減率への変化に基づいて、前記ユーザが登録した公開ブックマークの影響度を評価するブックマーク評価指数を算出するブックマーク評価算出ステップと、
前記ユーザに関する1以上の前記ブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を評価するユーザ評価指数を算出するユーザ評価算出ステップと、を実行する方法。
【請求項2】
前記ユーザ評価算出ステップにより前記ユーザ評価指数が算出された後に、前記ブックマーク評価算出ステップにより新たな前記ブックマーク評価指数が算出された場合に、当該算出されたブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザ評価指数を更新する更新ステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブックマーク評価算出ステップは、前記変化の量が多いほど、前記ブックマーク評価指数を大きな値として算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ブックマーク評価算出ステップは、前記変化が増加である場合には前記ブックマーク評価指数を正の値とし、前記変化が減少である場合には前記ブックマーク評価指数を負の値とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ評価指数のランキングを出力する出力ステップを更に含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザがブックマークを登録しているWebページの検索優先度を、前記ユーザ評価指数に基づいて調整する調整ステップを更に含む請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
他のユーザへ公開する公開ブックマークをWebページに対して登録したユーザの影響度を評価するサーバであって、
前記Webページに対して公開または非公開のブックマークを登録したユーザおよび登録日時を、当該Webページに関連付けて記憶する記憶手段と、
前記ユーザが前記公開ブックマークを登録した登録日時以前の所定期間および、当該登録日時以降の所定期間において、同一の前記Webページに対する他のユーザによるブックマークの登録数の増減率を算出する増減率算出手段と、
前記登録日時以前の増減率から前記登録日時以降の増減率への変化に基づいて、前記ユーザが登録した公開ブックマークの影響度を評価するブックマーク評価指数を算出するブックマーク評価算出手段と、
前記ユーザに関する1以上の前記ブックマーク評価指数に基づいて、当該ユーザの影響度を評価するユーザ評価指数を算出するユーザ評価算出手段と、を備えるサーバ。
【請求項8】
請求項1に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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