説明

ブラインドファスナ及びブラインドファスナを製造する方法

リベットのようなファスナ(2)及びそれを製造する方法において、ファスナ(2)は、その外殻(4)に、螺旋(16)及び環状溝(16)が形成され、ファスナ(2)が加工品(24)に取り付けられるとき、バルブ(30)は、加工品(24)のブラインド側に形成される設置面(36)を有し、環状溝(16)は、外殻(4)の先端部(12)に向けて深さが大きくなっており、先端部(12)への最初のバルブ(30)の形成を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドファスナ、特に、一又はそれ以上の加工部材を備えた加工品にファスナを取り付ける際に、ファスナのバルブ化を要するブラインドファスナに関する。
【背景技術】
【0002】
ブライドファスナ(例えば、加工品の一側方のみから取り付けることができるファスナ)がよく知られている。
【0003】
一般的に、ブラインドファスナは、細長いステムを有するチューブ状の外殻と、この外殻の一端部において放射状に拡大された外殻ヘッドと、を備え、ステムは、外殻の芯部を通って伸び、ステムヘッドが、その先端部から離れた外殻の後端部に位置し、ステムの後端部が外殻の先端部から突き出ている。外殻は、一又はそれ以上の加工部材を備えた加工品の、直線状の開口に挿入されて、外殻ヘッドが、加工品に近接する表面と接し、外殻軸の後端部が加工品と離れた表面(ブラインド面)を越えて突き出ることにより、それらを固定する。次に、設置工具が、外殻に対してステムの突出部への引張力を増大させるために用いられ、外殻ヘッドによって反発力が付与され、ステムヘッドが、加工品のブラインド面に接するブラインドバルブを形成するため、外殻軸の後端部を、放射状外側に、及び外殻ヘッドに対して軸方向に変形させる。従って、加工品は、外殻ヘッド及びブラインドバルブの間に固定される。その後、通常、ステムは、ステムに沿って適切な位置に設けられた切断頸部において、面一に、又は外殻の先端部の僅かに内側に折り取られる。切断頸部を切断する負荷は、ブラインドバルブを完成させるのに要する負荷よりも大きな引張負荷である。
【0004】
静的及び動的な結合力を高レベルで付与するブラインドファスナは、外殻とブラインドバルブの間で、加工品における圧縮力を高く保持するように改良する必要がある。従って、比較的大きく形成された外殻ヘッドを有し、また、ブラインドバルブと加工品のブラインド側との間に相対的に大きな接触領域を有することが望ましい。ブラインドバルブと加工品のブラインド側との間の接触領域は、ブラインド側の設置面として知られる。そのようなブラインドファスナの例は、後述する英国特許2151738号公報に記載されているように、登録商標BOM及びHEMLOKにより得られる。
【0005】
また、広いグリップ範囲を有するブラインドファスナが記載されており、例えば、加工品の全圧が異なるような、異なる「グリップ」を有する一又はそれ以上の加工部材を固定することができる。
【0006】
HEMLOK及びBOMのファスナのグリップ範囲は限られており、例えば、直径6.5mmのファスナについて2mm以下である。複数のバルビングリベットのグリップ範囲は、登録商標STAVEX又はMasterfix K−Lockにより得られ、これは、二又はそれ以上のバルブが、加工品のブラインド側に形成されており、HEMLOK及びBOMのものよりも大きい。しかしながら、複数のバルビングファスナのグリップ範囲内でのある厚みにおいて、締め付けられた加工品の近接する面に接するバルブの横断面積は非常に小さく、「離れている」に等しいものであり、最小の設置面が生成され、その結果、ファスナの取付によって付与される締め付け力を実質的に低減している。
【0007】
ブラインドファスナのより好ましい特徴は、グリップ範囲のいずれかの端部において、同様の軸状のステムとなっていることである。これは、ステムの切断が、外殻の先端部内の位置で起こるように、切断頸部を配置することによって実現することができる。結果として、残存したステムは、全グリップ厚さにおいて取り付けられたリベット外殻の剪断強度に付加的に寄与する。
【0008】
この特徴は、更に「面一切断」において見られ、現在では、登録商標MONOBOLT及びMAGNABULBにより得られることで知られ、ステムが切断されるときに、取り付けられたファスナに残存するステムの一部が、外殻の先端部に確実に固定し、グリップ範囲に亘って高い保持と最適な分担となるように、切断頸部が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】英国特許2151738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、改良されたブライドファスナであって、常に広いグリップ範囲と大きな設置面を付与するファスナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、一つの態様として、添付の特許請求の範囲にある請求項1によるブラインドファスナを提供する。
【0012】
本発明のブラインドファスナの取付によるバルブは、設置面とグリップ範囲の最適な組み合わせを提供する。
【0013】
螺旋溝の深さは、好ましくは、外殻の先端部から後端部へ小さくなっている。また、螺旋溝の側面の横断面積が、外殻の先端部から後端部へ小さくなっていてもよい。これらの特徴は、共に、最初に外殻ヘッドの最も近くにブライドバルブを形成することを促進する効果がある。これは、加工品が二つ又はそれ以上の加工部材を備えるものであれば、有効であり、最も近い加工部材(例えば外殻の先端部から最も遠い部材)が、外殻ヘッドに向けて引っ張られ、それにより、加工部材間の如何なるギャップを締め、より強固に締め付けることができる。
【0014】
また、ファスナは、一つ又はそれ以上の環状の溝が、外殻の外側壁に備えられていてもよい。
【0015】
別の形態においては、二つの螺旋溝が外殻の外側壁に備えられ、ファスナの取り付けにおいて、二重の突出部となるブラインド側の設置面を作成する。更に別の形態においては、複数の螺旋溝が外殻の外側壁に備えられ、取り付けにおいて、多重の突出部となるブラインド側の設置面を作成する。
【0016】
本発明のファスナは引張タイプであり、例えば、ファスナが放射状の拡大ヘッドを有するステムを備え、ステムの一部が外殻の芯部に存在し、ステムの突出部が外殻ヘッドを越えて突き出ており、ファスナの取り付けが、外殻に対してステムに引張力を加えることによって、効果的になされる。この形態において、外殻の後端部を加工品に向けて圧する力が、ステムに加えられた引張力によって提供される。
【0017】
他のものとして、ファスナは、外殻に内側ネジがあるタイプであってもよく、例えば、ファスナはステムを含まず、加工品へ向けて外殻の後端部を圧する力は、外殻の内側ネジに装着された外側ネジ部への引張力を加えることによって提供される。
【0018】
本発明は、更なる一つの態様として、添付の特許請求の範囲にある請求項8によるブラインドファスナの製造方法を提供する。
【0019】
螺旋溝は、好ましくは、外殻上で回転される。
【0020】
螺旋溝は、好ましくは、螺旋溝の深さが、外殻の先端部から後端部へ小さくなるように、更に好ましくは、螺旋溝の横断面積が、外殻の先端部から後端部へ小さくなるように、形成される。加工品へのファスナの取り付けにおいて、これらの特徴は、最初に外殻の先端部の最も近くにブラインドバルブを形成することを促進する。
【0021】
本発明による方法は、外殻の外側壁に少なくとも一つの環状溝を形成する付加的な工程を備える。環状溝もまたローリングによって形成される。
【0022】
また、その方法は、外殻の芯部にステムを挿入した後に、ステム上の外殻の少なくとも一部にクリンプを形成する付加的な工程を備え、これは、取り付け前に、二つの部材を一時的に連結することができる。
【0023】
クリンプを形成することにより、外殻の放射状内側の少なくとも一部を変形することができ、それにより、外殻の外径を部分的に小さくすることができる。クリンプが形成された外殻の一部は、好ましくは、外殻の後端部の近くにあり、それにより、最初に外殻の先端部に最も近くにブラインドバルブを形成することを促進する。バルブが外殻の後端部に向かって形成されると、バルブは薄い加工品を固定する十分なクリンプ力を提供できない、又は、加工品が二つ又はそれ以上の加工部材を備える場合、締め付けられるバルブと加工部材の最も近くの間に、短柱のような外殻軸があり、加工部材間が「離れている」ことによって、小さなギャップを近接させることができない。
【0024】
外殻は、好ましくは、ステム上において後端部に向けて角度の大きなクリンプが形成される。例えば、クリンプの角度は、後端部からテーパ状である。これは、最初に外殻の先端部の最も近くにブラインドバルブを形成することを、より促進し、加えて、外殻の後端部に完全なるバルブが形成されることを抑制し、そのため、「ステムヘッドの侵入」の危険性を低減することができ、ステムヘッドが外殻の内径において正確性を得る。外殻は、外殻の全長に亘って、ステム上にクリンプが形成される。更なる別の形態においては、後端部の近くに、帯状となるように、ステム上に平行にクリンプが形成され、例えば、帯状に等しい角度でクリンプが形成される。
【0025】
本発明の方法は、外殻をアニールする付加的な工程を含む。外殻状の溝のローリングは、アニールに先立って行われ、ステムと共に組み立てられる。
【0026】
ブラインドファスナの製造方法は、上述した引張式ファスナの製造に用いられる。この場合、その方法は、外殻の芯部にステムを挿入する更なる工程を含み、ステムヘッドは外殻の後端部に近接し、ステムの突出部がステムヘッドを越えて突き出る。
【0027】
他にも、本発明によるブラインドファスナを製造する方法は、上述したように、内側ネジの外殻を有するファスナの製造に用いられる。この場合、その方法は、外殻における内側ネジを製造する付加的な工程を含む。
【0028】
ここで、本発明の実施形態を、例によって記述し、また、添付の図面を以下の通りに参照する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るファスナの側方正面図。
【図2】図1のファスナの外殻の側方正面図。
【図3a−3b】図3aは図1のファスナの外殻の縦断面図、図3bは図3aのファスナの環状溝の詳細側面図。
【図4a−4c】図4a乃至図4cは仮想的に示す設置工具を用いて加工品に図1のファスナを取り付ける一連の工程を示す図。
【図5a−5b】図5aは第1のグリップバリュー「G」の加工品に完全に取り付けた図1のファスナの側方正面図、図5bは第2のグリップバリュー「g」の加工品に完全に取り付けた図1のファスナの側方正面図。
【図6】図5aのファスナを取り付けた状態の縦断面図。
【図7】図5aのファスナを取り付けた状態のブラインドバルブの下面図。
【図8】加工品のブラインド側から図5aのファスナを取り付けた状態の同縮尺図。
【図9】加工品のブラインド側から図5bのファスナを取り付けた状態の同縮尺図。
【図10】加工品に取り付けられた本発明に係るファスナの別の形態を示す図。
【図11】本発明に係るファスナの別の形態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に参照されるように、ファスナ2は、外殻4及びステム6を備える。ステム6は、ステムヘッド8を備え、外殻4は、芯部10(図3a参照)と、先端部12において放射状の拡大ヘッド38と、先端部12から離れた後端部14とを備える。
【0031】
ファスナ2の製造は、ローリングによって外殻4の外側壁20に螺旋溝16を形成することを含む。螺旋溝16は、加工品に取り付けられる間、外殻4の傾きを防止するように、2,3回のネジを形成するように回転される。外殻4は、アニールされ、必要に応じて平面化又は表面処理がなされる。次に、ステム6は、外殻4の芯部10にステム6の一部が存在するように、外殻4の芯部10に差し込まれ、ステムヘッド8が外殻4の後端部14に近接され、ステム6の突出部が、外殻ヘッド14を越えて突き出る。
【0032】
螺旋溝16の深さは、外殻4の先端部12から後端部14に向けて、小さくなる。
【0033】
ステム6が外殻4の芯部10に差し込まれると、外殻4はステム6上においてクリンプを形成する。ステム6上の外殻4の材料を変形するため、外殻4に圧力を加えることにより、クリンプが形成される。クリンプは円錐状であり、その外殻は、外殻4の後端部14に向けて角度が大きなクリンプとされ、クリンプの角度が先端部10に向けてテーパ状となっている。
【0034】
ファスナ2を、加工部材26,28を備える加工品24に取り付ける方法は、加工部材を共に固定するものとして公知であり、本願のプレアンブル部に記載されている。図4a乃至図4cに、取り付けの一連の工程を示す。
【0035】
外殻4は、加工部材の所定の開口に差し込まれる。加工品24に向けて外殻4の後端部14を圧するように、ヘッド14によって付与される反発力と共に、外殻4に力が付与され、それによって、外殻4の放射状の拡大可能部が、放射状外側に、且つ外殻ヘッド14に向かう軸方向に変形されて、螺旋ブラインドバルブ30を形成し、その螺旋が、外殻4の長さに沿い、また、ステムヘッド8と最も近接する加工部材26の反対側に位置して、加工品24のブラインド面と接し、ブラインド側の設置面36を形成する。
【0036】
図4bに示されるように、ファスナ2の加工品24への取り付けにおいて、ブラインドバルブ30は、まず、外殻4の先端部12に最も近くに形成され、その結果、後端部14に比べて、先端部12の最も近くにおいて、螺旋溝16の深さが大きくなり、ステム6上の外殻4にクリンプを形成する。
【0037】
図4cは、加工品へのファスナの取付の最終工程を示す。ステムは、ステム切断位置で切断され、これは、残存するステムに比べて断面積が小さくなるように規定されている切断頸部32によって規定される。ステムの分離された部分34は、除去される。
【0038】
ファスナ2が加工品24に完全に取り付けられると、図5a及び図5bに示すように、ブラインドバルブ30が加工品24に接触することによって、ブラインド側の設置面36が形成される。取り付けられたファスナの全長Lは、両実施形態とも同じである。図5aにおける加工品の第1グリップ値Gは、図5bにおける加工品の第2グリップ値gよりも相対的に厚い。
【0039】
図5bは、グリップgを有する薄い方の加工品に取り付けられたファスナ2を示す。ブラインド側における螺旋バルブを形成する外殻の長さの量は、図5aの厚い方の加工品よりも多い。両方の場合で、取り付けられたファスナの全体的な長さ「L」は実質的には同じである。(これにより、ステム切断位置は、本体の先端部を面一とし、ステムを固定する特徴部がこの領域に組み込まれる。)
【0040】
図6は、ステム切断部が、ファスナ本体のヘッド領域内にあることを示す。取り付けられたファスナの長さは、実質的に、厚い及び薄い加工品の両方で同じままなので、ステム切断部は、先端部領域に含まれる。そのため、ステムの断面は、取り付けられたファスナの剪断強度に十分に寄与する。
【0041】
図7に示されるように、ファスナ2の加工品24への取り付けの後、加工品のブラインド側における設置面は、略楕円形状の一つの突出部に形成される。
【0042】
本実施形態において、二つの螺旋溝16が外殻4に形成されると、一重突出部のブラインド側の設置面の形状となる。しかしながら、二つの螺旋溝16が外殻4に形成されると、例えば、ブラインド側の設置面が、二つの実質的な楕円形状が重複して構成されて、2重突出部のブラインド側の設置面の形状となる。或いは、複数の螺旋溝16が外殻4に形成され、例えば、複数の実質的な楕円形状が重複して形成され、多重突出部のブラインド側の設置面となる。
【0043】
本実施形態においては、螺旋溝16が外側壁20にローリングによって形成されるものとして記載したが、他の方法に従って溝が形成されてもよい。
【0044】
別の形態においては、螺旋溝16の側面は、螺旋溝16の横断面積が、外殻4の先端部12から後端部14へ減少するように、外殻4の長さに沿って変わる。この特徴は、単独で、又は加工品へのファスナ2の取り付けにおいて、まず、先端部12にブラインドバルブ30を形成することを促進するため、螺旋溝16の深さが先端部12から後端部14へ減少することと組み合わせて用いられる。
【0045】
上記形態において、加工品は二つの加工部材を備える。また、本発明は、単一の加工部材を備えた加工品、及び2以上の加工部材を備えた加工品にも適用することができる。
【0046】
また、本発明はステム無しのファスナにも適用することができる。図10に記載されたファスナ2’は、外殻4’を備える。第1実施形態と同様に、外殻4’は、芯部10’と、先端部12’と、先端部12から離れた後端部14’と、先端部12’において放射状の拡大された外殻ヘッド14’(38’)とを備える。ファスナ2’の製造は、第1実施形態2と同じ最初の工程を含み、螺旋溝16が、ローリングによって外殻4の外側壁20に形成される。しかしながら、この別の形態において、芯部10’は、内側ネジ50を備える。
【0047】
図10のファスナ2’を、加工部材26’を備える加工品24’に取り付けるために、外殻4’が加工品の所定の開口に差し込まれ、取付工具の外側にネジ部(図示せず)が、外殻4’の芯部10’の内側ネジ50に装着される。取付工具が動作されたとき、外側ネジは、外殻4に対して引張力を付与し、また、外殻ヘッド38’によって反発力が付与される。外殻における力は、外殻の後端部を加工品に向けて圧迫し、そのため、外殻の放射状の拡大可能部は、放射状の外側に、且つ外殻ヘッドに向かう軸方向に変形されて、ブラインドバルブ30’を形成する。従って、ブラインドバルブ30’は、本発明の第1実施形態と同様に、複数の突出部として形成される。
【0048】
図10の形態において、ファスナ(外殻4’)が取付けられると、内側ネジ50が、更なる加工部材を、加工部材26’の表面に位置づけ、内側ネジ50に締め付けられたスクリュー又はボルトによって、所定位置に固定する。
【0049】
別の形態においては、ファスナは、ローリングによって外殻4の外側壁20に形成される一又はそれ以上の環状の溝を含む。
【0050】
ファスナを製造する他の方法においては、ステム6上の外殻4にクリンプを形成すことが、外殻4の全長さに亘って行われてもよい。更に他の方法においては、クリンプが、外殻4の後端部14に向けて小さな帯状に形成される。この別の形態において、クリンプの角度は、前述の実施形態と同様に、テーパ状にすることができ、又は、例えば、クリンプが形成された場所を通して角度が等しくなるように、平行にすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工品に取り付けられるブラインドファスナであって、前記ファスナは外殻を備え、
前記外殻は、芯部と、前記外殻の先端にある先端部と、前記先端部から離れた後端部と、前記先端部及び前記後端部の間にある放射状の拡大可能部と、を含み、
前記外殻は、前記加工品における所定の開口に差し込まれ、前記加工品に向かって前記外殻の前記後端部を圧するように、所定の力が前記外殻に加えられたとき、前記外殻の前記先端部によって反発力が付与され、前記放射状の拡大可能部が、放射状外側に且つ前記外殻の先端に向かう軸方向に変形され、前記加工品のブラインド面に接すると共にブラインド側の設置面を形成するブラインドバルブを形成し、
少なくとも一つの螺旋溝が、前記外殻の前記放射状の拡大可能部の外側壁に設けられ、前記ブラインド側の設置面が少なくとも一つの突出部を形成し、
前記少なくとも一つの螺旋溝の深さが、前記外殻の前記先端部から前記後端部へ小さくなっていることを特徴とするブラインドファスナ。
【請求項2】
前記螺旋溝の側面の横断面積が、前記外殻の前記先端部から前記後端部へ小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のブラインドファスナ。
【請求項3】
少なくとも一つの環状の溝が、前記外殻の前記外側壁に備えられていることを特徴とする請求項1に記載のブラインドファスナ。
【請求項4】
二つの螺旋溝が前記外殻の前記外側壁に形成され、前記ブラインド側の設置面が二重の突出部であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブラインドファスナ。
【請求項5】
複数の螺旋溝が前記外殻の前記外側壁に形成され、前記ブラインド側の設置面が多重の突出部であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブラインドファスナ。
【請求項6】
前記ファスナは、ステムを更に備え、前記ステムは、放射状に拡大されたステムヘッドを含み、
前記ステムの一部が前記外殻の前記芯部内に存在し、前記ステムヘッドは前記外殻の前記後端部に接し、前記ステムの突出部が前記外殻ヘッドを越えて突き出ており、
引張力が前記外殻に対する前記ステムに加えられ、前記ステムヘッドは、前記加工品に向けて前記外殻の前記後端部を圧するように、前記外殻に前記力を加えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のブラインドファスナ。
【請求項7】
前記外殻の前記芯部は、内側ネジを有し、
外側ネジ部が前記外殻の前記芯部内に装着され、引張力が前記外殻に対する前記外側ネジに加えられ、前記外側ネジ部が、前記加工品に向けて前記外殻の前記後端部を圧する前記力を、前記外殻に加えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のファスナ。
【請求項8】
ブラインドファスナを製造する方法であって、前記ファスナは外殻を備え、
前記外殻は、芯部と、先端部と、前記先端部から離れた後端部と、前記先端部と前記後端部の間に放射状の拡大可能部と、を含み、
前記方法は、前記外殻の外側壁に少なくとも一つの螺旋溝を形成する工程を備え、
前記少なくとも一つの螺旋溝の深さが、前記外殻の前記先端部から前記後端部に小さくなっていることを特徴とするブラインドファスナを製造する方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの螺旋溝は、ローリングによって形成されることを特徴とする請求項8に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項10】
前記螺旋溝の横断面積が、前記外殻の前記先端部から前記後端部に小さくなっていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項11】
前記外殻の前記外側壁に少なくとも一つの環状溝を形成する更なる工程を備えることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つの環状溝は、ローリングによって形成されていることを特徴とする請求項12に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項13】
前記ステムを前記外殻の前記芯部に挿入した後に、少なくとも前記ステム上の前記外殻の一部にクリンプを形成する付加的な工程を備えることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項14】
前記ステム上にクリンプが形成された前記外殻の一部は、前記外殻の後端部に、又はその近くに存在することを特徴とする請求項13に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項15】
前記外殻は、前記ステム上で、前記先端部よりも前記後端部に向けて、大きな角度でクリンプが形成されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項16】
前記クリンプの角度は、前記外殻の後端部からテーパ状になっていることを特徴とする請求項15に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項17】
前記外殻は、前記外殻の全長に亘って前記ステム上にクリンプが形成されていることを特徴とする請求項13乃至請求項16のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項18】
前記外殻は、前記外殻の前記後端部に、又はその近くにおいて、帯状に横切る平行なクランプが形成されていることを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項19】
前記外殻をアニールする付加的な工程を含むことを特徴とする請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項20】
前記外殻をアニールする工程は、前記外殻に何らかの溝を形成する前に行われることを特徴とする請求項19に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項21】
前記ファスナーは、放射状の拡大ヘッドを含むステムを更に備え、
前記方法は、前記ステムの一部が前記外殻の前記芯部に存在するように、前記ステムを前記外殻の前記芯部に挿入する工程を更に含み、前記ステムヘッドは、前記外殻の前記後端部に近接し、前記ステムの突出部が、前記外殻ヘッドを越えて突き出ることを特徴とする請求項8乃至請求項20のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項22】
前記方法は、前記外殻の前記芯部における内側ネジを形成する工程を更に備えることを特徴とする請求項8乃至請求項21のいずれか一項に記載のブラインドファスナを製造する方法。
【請求項23】
明細書及び添付図面に記載のファスナ。
【請求項24】
明細書及び添付図面に記載のファスナを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a−3b】
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【図4a−4c】
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【図5a−5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−500952(P2012−500952A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524452(P2011−524452)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050764
【国際公開番号】WO2010/023465
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(507158215)アブデル ユーケー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】