説明

ブラシ体及びそれを用いたブラシローラ並びに画像形成装置

【課題】簡易な構成のブラシ体で、被清掃体の表面への付着物を長期にわたって確実に除去する清掃能力を良好に維持させつつ耐久性を大幅に向上させることを可能とする。
【解決手段】基布37aから略半円弧状をなして立ち上がるように植設したループ状ブラシ糸37cの両脚部37d,37dどうしの間から立ち上がるように直毛ブラシ糸37bを植設するとともに、前記直毛ブラシ糸37bの全高をループ状ブラシ糸37cにおけるループ形状部37eの頂部の全高よりも高くなるように設定し、清掃作用を主として行う直毛ブラシ糸37bの背後をループ状ブラシ糸37cにより支持して当該直毛ブラシ糸37bの立ち上がり状態を長期にわたって維持し、いわゆる毛倒れを防止して良好な清掃状態を維持させるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基布の表面に起毛状をなすように植設された複数本のブラシ毛を備えたブラシ体及びそれを用いたブラシローラ並びに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、様々な分野の装置類や器具類において、多数本のブラシ毛を備えたブラシ体が広く用いられている。例えば、複写機やプリンタ、FAXなどの画像形成装置やその他の電子写真方式を採用した装置においては、トナー(現像剤)や紙粉、或いは埃等の異物が各部に付着する傾向があるため、そのような付着汚染物を除去するためにブラシ体が用いられることがある。例えば、図9及び図10に示されているように、像担持体としての感光ドラム1に対する帯電手段として帯電ローラ2が接触回転するように配置されている場合に、その帯電ローラ2の清掃部材としてブラシ体3が用いられることがある。
【0003】
すなわち、上述したローラ接触帯電方式は、扱う電圧が比較的低い上に、コロトロン方式に比べて発生するオゾン量が少ない等の利点を有する点で注目されているが、感光ドラム(像担持体)1の表面上に残留する微小径のトナー外添剤等が、帯電ローラ2の表面に付着して汚染状態となって帯電動作に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、例えば下記の特許文献1のように、帯電ローラの表面に清掃部材としてブラシ体3を当接させて表面の汚れを除去することが従来より行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−130787号公報
【特許文献2】特開平5−188738号公報
【特許文献3】特開2005−195950号公報
【特許文献4】特開平6−289759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の清掃部材は、帯電ローラの軸方向全長に沿って均一に当接させることが難しく、当該清掃部材の一部が帯電ローラ表面に片当たりして当接圧ムラを生じ、帯電ローラの汚れを全周面に渡って均一に清掃できないおそれがある。また、従来の清掃部材は、感光ドラムから帯電ローラを解離状態とした上で帯電ローラを清掃する方式になされているため、電磁クラッチなどの解離機構や、そのシーケンス制御等が必要となり、装置が複雑化して高価なものになる傾向がある。
【0006】
一方、小片状の粘着テープ等からなる清掃部材を帯電ローラの一部に当接させて移動させることにより、帯電ローラの表面の汚れを除去する対策も提案されている(例えば、下記の特許文献2参照)。しかしながら、この方式では、粘着性部材である清掃部材を実機に搭載するにあたっての管理が難しくなる上に、帯電ローラの汚れムラに対応した清掃動作が十分ではないなどの技術的課題がある。さらに、帯電ローラの表面から解離させずにブラシローラを回転制御しながら当接させてブラシ体の毛倒れ等を防止し、耐久性の向上を図るようにした提案もなされているが(例えば下記の特許文献3,4参照)、清掃能力を良好に維持しつつ耐久性の向上を図ることは難しい。
【0007】
そこで本発明は、簡易な構成で、被清掃体の表面に付着した付着汚染物、例えば帯電手段や像担持体の表面に対するトナー外添剤や紙粉等を長期にわたって確実に除去する清掃能力を良好に維持しつつ、耐久性を容易かつ大幅に向上させることができるようにしたブラシ体及びそれを用いたブラシローラ並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明にかかるブラシ体では、基布の表面に起毛状をなすように植設された複数本のブラシ毛を備えたブラシ体において、前記ブラシ毛は、前記基布から略直線状をなして立ち上がるように植設された直毛ブラシ糸と、前記基布から略半円弧状をなして立ち上がるように植設されたループ状ブラシ糸と、を有するものであって、前記ループ状ブラシ糸が、前記基布に植設された一対の脚部と、それらの両脚部どうしを連結するループ形状部とを備え、前記直毛ブラシ糸は、前記ループ状ブラシ糸の両脚部どうしの間部分から立ち上がるように配置され、前記直毛ブラシ糸の前記基布からの全高が、前記ループ状ブラシ糸におけるループ形状部の頂部の全高よりも高くなるように設定された構成が採用されている。
【0009】
このような構成を備えた本発明によれば、被清掃体の表面にブラシ体を当接させた状態でブラシ体を移動させる際に、主として大きな立ち上がり高さを有する直毛ブラシ糸の先端部分が被清掃体の表面に摺擦され、その直毛ブラシ糸の摺擦作用によって被清掃体の表面における付着物が除去される。そのとき、特に直毛ブラシ糸とループ状ブラシ糸とが交互に配列された方向にブラシ体を移動させた際に、上述したように清掃作用を主として行う直毛ブラシ糸が、その背後からループ状ブラシ糸によって支持されることとなり、当該直毛ブラシ糸の立ち上がり状態が長期にわたって維持される。その結果、ブラシ体を長期にわたって使用した場合における、いわゆる毛倒れが防止されて良好な清掃作用が維持される。
【0010】
また、本発明における前記直毛ブラシ糸及びループ状ブラシ糸は、前記ループ状ブラシ糸の両脚部どうしを結ぶ第1の方向において同形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で交互に隣接するように配列されているとともに、前記第1の方向と直交する第2の方向においては、前記直毛ブラシ糸及びループ状ブラシ糸のうちの異形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で隣接するように配列され、かつ前記第1の方向における同形状のブラシ糸どうしの配列位相が、前記第2の方向の前後において交互に略半ピッチづつずらされている構成とすることが望ましい。
【0011】
このような構成を有する本発明によれば、被清掃体の表面における汚染付着物が、特定の配列位置で隣り合う一対のループ状ブラシ糸どうしの間部分をすり抜けた場合であっても、そのすり抜けた付着汚染物は、隣り合うループ状ブラシ糸の間部分の後方に配置された次段に配列された直毛ブラシ糸に捕捉される。それによって、隣り合うループ状ブラシ糸どうしの間部分における清掃性の低下が補われることとなり、ブラシ体の清掃機能が大幅に向上されるようになっている。
【0012】
また、本発明においては、前記直毛ブラシ糸及びループ状ブラシ糸のいずれか一方が、導電性の材質から形成されていることが望ましく、例えば前記ループ状ブラシ糸が導電性の材質から形成されているとともに、前記直毛ブラシ糸が絶縁性の材質から形成されているとすることが可能である。
【0013】
このような構成を有する本発明によれば、直毛ブラシ糸又はループ状ブラシ糸の導電性を利用した清掃作用を行わせることが可能となる。
【0014】
また、本発明にかかるブラシローラにおいては、上述したブラシ体が、略円筒状をなす芯金に巻き付けられた状態に固定された構成とすることが可能である。
【0015】
このような構成を有する本発明によれば、ブラシ体の清掃作用が回転によって効率的に行われるとともに、ブラシ体の全体が金属製の芯金によって高剛性状態にて良好に支持される。
【0016】
また本発明においては、前記第1の方向が前記ブラシローラの軸方向となり、前記第2の方向が前記ブラシローラの回転方向となるように前記ブラシ体が前記ブラシローラに固定された構成とすることが可能である。
【0017】
このような構成を有する本発明によれば、ブラシローラの回転時において、直毛ブラシ糸とループ状ブラシ糸とが交互に出現することとなって、清掃作用を主として行う直毛ブラシ糸が、その背後からループ状ブラシ糸によって支持されることとなる。
【0018】
一方、上述したような構成を有する本発明は、例えば画像形成装置に適用することが可能であり、前記ブラシローラは、電子写真方式の画像形成工程に用いられる像担持体の帯電手段への付着物を除去するクリーニング装置に用いられるように構成することが可能である。また、そのときのブラシローラが、電子写真方式の画像形成工程に用いられる像担持体への付着物をも除去するように構成することが可能である。さらに、前記異形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で隣接する配列は、前記直毛ブラシ糸に隣接して、前記ブラシローラの回転方向下流側に前記ループ状ブラシ糸が配列された構成になされていることが望ましい。
【0019】
また、このように画像形成装置に本発明を適用した場合において、前記ブラシローラに対して、適宜の交番電界が印加されるように構成することが可能である。
【0020】
当該構成のようにブラシローラに交番電界を印加して電流を流すこととすれば、残留するトナー外添剤や、紙粉等の付着汚染物の除電が行われることにより電気的な付着力がなくなるため、像担持体の表面や帯電ローラから付着汚染物が離れやすくなる。その結果、特に直毛ブラシ糸の摺擦作用によって付着汚染物が良好に弾き飛ばされることとなり、帯電手段や像担持体の表面の清掃効率が向上されることによって、帯電不良等の画像劣化や像担持体の表面汚染によるかぶりが未然に防止されるとともに、帯電手段の寿命が向上される。また、像担持体上に残留する微小粒径のトナーを攪乱して像担持体から飛翔させる作用も同時に得られることから、より一層、帯電手段及び像担持体の表面に対する清掃性が向上されることとなる。さらに、このような清掃作用によれば、直毛ブラシ糸又はループ状ブラシ糸側に移行された付着汚染物が、特別なシーケンス制御を行うことなく外部に回収される。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明は、基布から略半円弧状をなして立ち上がるように植設したループ状ブラシ糸の両脚部どうしの間から立ち上がるように直毛ブラシ糸を植設するとともに、前記直毛ブラシ糸の全高をループ状ブラシ糸におけるループ形状部の頂部の全高よりも高くなるように設定し、清掃作用を主として行う直毛ブラシ糸の背後をループ状ブラシ糸により支持して当該直毛ブラシ糸の立ち上がり状態を長期にわたって維持し、いわゆる毛倒れを防止して良好な清掃状態を維持させるように構成したものであるから、簡易な構成で、例えばトナー外添剤や紙粉等による帯電手段や像担持体の表面汚れを長期にわたって確実に除去する清掃能力を良好に維持しつつ耐久性を大幅に向上させることができ、ブラシ体及びそれを用いたブラシローラ並びに画像形成装置の信頼性を安価かつ大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用する画像形成装置の一例としての複写機の構造例をに表した縦断面説明図である。
【図2】図1に表された複写機に用いられている本発明の第1の実施形態にかかる感光ドラムユニットを模式的に表した縦断面説明図である。
【図3】図1及び図2に表された画像形成装置に用いられている帯電クリーニングローラのブラシ体を展開した状態を模式的に表した外観斜視説明図である。
【図4】図3に表された帯電クリーニングローラのブラシ体の構造を拡大して模式的に表した正面説明図である。
【図5】図3及び図4に表された帯電クリーニングローラのブラシ体の構造を拡大して模式的に表した側面説明図である。
【図6】図3〜図5に表された帯電クリーニングローラのブラシ体の一部を拡大して模式的に表した外観斜視説明図である。
【図7】図3〜図6に表されたブラシ体を金属製芯材に巻き付けた帯電クリーニングローラを拡大して模式的に表した外観斜視説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかる感光ドラムユニット模式的に表した縦断面説明図である。
【図9】従来における感光ドラムユニットの構造を表した外観斜視説明図である。
【図10】図9に表された従来の感光ドラムユニットの縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明することとするが、それに先立って、本発明を適用する画像形成装置としてのデジタル複写機の概略構造を画像形成動作に従って説明しておく。なお、ここでデジタル複写機とは、プリンタに、画像読取りのためのスキャナやFAXやLANを介して通信を行なうための通信機能などを備えた装置である。以下の実施形態では、記録方式は電子写真方式であるものとする。
【0024】
まず、図1を用いてコピー動作を行う場合について説明する。原稿台10に原稿がセットされて操作部(図示せず)にあるコピースタートボタンが押されると、メインモータ(図示せず)が回転し始め、給紙カセット11に収納されているカット紙等のシート状記録媒体Pが一枚だけピックアップローラ12で給紙される。このとき、シート状記録媒体Pの重送を防ぐためにローラ対12a,12bが設けられており、このローラ対の上側の送りローラ12aはシート状記録媒体Pを送り方向に搬送し、下側の分離ローラ12bはシート状記録媒体Pを搬送方向に対し逆方向に搬送する。この分離ローラ12bによりシート状記録媒体Pは1枚ずつ捌かれて搬送部に搬送される。さらに、搬送されたシート状記録媒体Pは、第1搬送ローラ13及び第2搬送ローラ14によって、停止中のレジストローラ15にまで搬送される。レジストローラ15の直前には、シート状記録媒体Pを検知する媒体検知センサ16が配置されており、この媒体検知センサ16でシート状記録媒体Pが検知されてから所定時間が経過した後に、上記第1搬送ローラ13及び第2搬送ローラ14の回転を停止する。これにより、シート状記録媒体Pの先端が停止したレジストローラ15に当接したままの状態でシート状記録媒体Pが第1搬送ローラ13及び第2搬送ローラ14によって所定時間だけ搬送されることとなるので、レジストローラ15と第2搬送ローラ14との間に約5mmのシート状記録媒体Pのループが形成される。このループの形成によって、レジストローラ15のニップ部にシート状記録媒体Pの先端が揃うので、シート状記録媒体Pの斜行が矯正される。その後、レジストローラ15の回転によりシート状記録媒体Pは、トナー像が転写領域に到達するタイミングに合わせて転写領域に搬送される。
【0025】
一方、画像読み取り部17では、原稿照明ランプ18が点灯し、上記原稿台10に載置された原稿(図示せず)が照明され始める。これが画像形成動作のスタートとなる。原稿照明ランプ18は読み取りスキャナユニット19内に搭載されており、この読み取りスキャナユニット19は、原稿台10の下方に配置されている。読み取りスキャナユニット19は原稿照明ランプ18と複数の反射鏡を備えて一定速度で移動し、原稿の読み取りを行う。読み取りスキャナユニット19で原稿台10上に載置された原稿を光学的に走査し、その反射光をレンズ(図示せず)を有するCCDユニット20に導き、原稿画像を1次元固体撮像素子(図示せず)上に結像させる。上記固体撮像素子は電荷結合素子CCDが使用されている。その後、上記CCDで読み取られた画像のアナログ信号をアナログ/デジタル(A/D)変換器でデジタル信号に変換し、画像処理ユニット(図示せず)で階調処理、変倍処理、編集等の種々の画像処理を施した後、出力する。
【0026】
上記画像読み取り部17で作成された画像データをもとに、レーザースキャナユニット21ではレーザーを発光させ、ポリゴンミラー22、結像レンズ(図示せず)、第1ミラー(図示せず)、第2ミラー(図示せず)を経て、像担持体としての感光ドラム23に照射され、当該感光ドラム23上に原稿画像が結像される。レーザースキャナユニット21からのレーザー光24が照射される照射位置よりも感光ドラム23の回転方向上流には、その感光ドラム23を一様に帯電する帯電手段としての帯電ローラ25が配置されている。この帯電ローラ25によって感光ドラム23が一様に帯電されて帯電面が形成され、その帯電面に、前記レーザースキャナユニット21からのレーザー光24が照射されて静電潜像が形成される。その照射位置よりも感光ドラム23の回転方向下流側には、静電潜像を現像する現像器26が配置されている。感光ドラム23と現像器26とが対向する領域は、静電潜像が現像される現像領域である。感光ドラム23の回転によって静電潜像が現像領域に到達すると、現像ローラ26cから静電潜像にトナーが供給されてトナー像が形成される。現像部位よりも感光ドラム23の回転方向下流側には、トナー像をシート状記録媒体Pに転写する転写帯電ローラ28が配置されている。この転写帯電ローラ28は、図示を省略した加圧バネによって、感光ドラム23に対して所定の圧力で押圧されている。感光ドラム23と転写帯電ローラ28とが対向する領域は、トナー像が記録紙に転写される転写領域である。
【0027】
感光ドラム23の回転によってトナー像が転写領域に到達する以前の所定のタイミングで上記レジストローラ15が回転し始めてシート状記録媒体Pをこの転写領域に搬送する。そこで、転写領域に搬送されてきたシート状記録媒体Pにトナー像が転写される。トナー像が転写されたシート状記録媒体Pは、除電針(図示せず)によって感光ドラム23から分離され、搬送部に搬送されて定着器29に搬送される。その後、シート状記録媒体Pは定着ローラ31aと加圧ローラ31bとの熱と圧力により、画像を定着され、排紙ローラ32によって機外に排紙される。一方、画像形成部では、感光ドラム23に残留したトナーをクリーニングブレード30によって除去し、次の画像形成の準備が行われる。
【0028】
次に、上述した帯電手段としての帯電ローラ25に付設された帯電クリーニング装置について説明するが、それに先立って、上述した感光ドラム(像担持体)23を内部に備えた像担持体ユニット、すなわち感光ドラムユニット(像担持体ユニット)33の構成を画像形成動作に基づいて説明しておく。
【0029】
その感光ドラムユニット33は、特に図2に示された構成になされているが、紙面の都合上、感光ドラム(像担持体)23に対する各部の配置関係を図1から回転方向にややずらして表している。同図に示されているように、前記感光ドラム23の周囲には、接触帯電方式による帯電手段としての帯電ローラ25、現像手段としての現像器26、担持体クリーニング手段としてのクリーニングブレード30等が、一つのユニットをなすように一体的に配置されている。そのうちの前記感光ドラム23は、例えば、アルミニウム等の導電性基層の外周面にOPCやa−Si等の光導電層を有する電子写真感光体から構成されていて、作像動作時には回転軸23aを中心にして図示矢印Aの方向(反時計回り方向)に、所定の周速で回転駆動されるように構成されている。
【0030】
また、帯電手段としての帯電ローラ25は、前記感光ドラム(像担持体)23の外周面に接触するように配置されており、当該帯電ローラ25の回転軸である金属製芯金25aに、電源25bから所定の直流バイアス、又は直流及び交流バイアスが印加され、それによって感光ドラム23の外周面が所定の極性・電位で一様に帯電される構成になされている。このとき、前記帯電ローラ25は、前記金属製芯金25aの外周に導電層25cが形成され、さらにその導電層25cの外周側に抵抗層25dが形成された構成を備えており、図示しない機構によって前記感光ドラム23の回転軸23aに向かう方向に所定の圧力で加圧されている。このような構成を有する帯電ローラ25は、作像動作時において前記回転軸25aを中心に矢印Bの方向(時計回り方向)に上述した感光ドラム23と等しい周速で回転転動されるようになっている。
【0031】
このような帯電手段としての帯電ローラ25の放電作用によって上述した感光ドラム(像担持体)23の外周表面が均一に帯電されると、前述したレーザースキャナユニット21からのレーザー光24がスリット露光されることにより画像データに対応した静電潜像が形成される。その静電潜像を現像するために、現像器26に設けられたトナー容器26a内のトナー(図示せず)が、攪拌羽根26bにより現像ローラ26cへ搬送される。現像ローラ26cへ搬送されたトナーは現像ブレード26dにより余分なトナーを掻き落され、現像ローラ26cには均一なトナーコート層が形成される。このトナーコート層から帯電された感光ドラム23へトナーが電気的吸引力で移動することにより、上記感光ドラム23表面上の静電潜像が可視化されてトナー像が形成される。ここで形成されたトナー像は、シート状記録媒体Pへ転写されることとなるが、そのときの転写効率は100%ではないことから感光ドラム23上には残留トナーが残る。その感光ドラム23の表面における転写後の残留トナーや紙粉等は、クリーニングブレード30の摺接作用によって感光ドラム23の表面から掻き落とされる。
【0032】
一方、感光ドラム(像担持体)23の表面に付着した微量の残留トナーや、微小粒径のトナー外添剤、或いは紙粉などの汚染物等からなる付着物は、上述したクリーニングブレード30をすり抜けることがあり、それらの付着物が、帯電手段としての帯電ローラ25の外周表面上に付着して帯電不良の原因になることがある。そのため、上記帯電ローラ25には、帯電クリーニング装置に用いられている帯電クリーニングローラ37が接触するように配置されており、当該帯電クリーニングローラ37の摺接作用によって帯電ローラ25からトナー外添剤等の付着物が除去される構成になされている。この帯電ローラ25から除去されたトナー外添剤等の付着物は、箱状をなす回収容器38の内部に回収されるようになっている。
【0033】
ここで、上述した帯電クリーニングローラ37は、複数本のブラシ毛を備えたブラシ体からなるブラシローラを構成するものであって、そのブラシローラとしての帯電クリーニングローラ37が、上述したように電子写真方式の画像形成工程に用いられる像担持体である感光ドラムの帯電手段としての帯電ローラ25への付着物を除去するクリーニング装置に用いられている。その帯電クリーニングローラ37は、図3に示されているような平面展開形状を有する基布37aの表面に、起毛状をなすように植設された複数本のブラシ糸37b,37cを備えている。そのような構成を有する平面状ブラシ体は、略円筒状をなす金属製芯金37iに巻き付けられて固定されて、ブラシローラとしての帯電クリーニングローラ37に構成されている。上述した両種類のブラシ糸37b,37cの詳細な構成については次に説明するが、実際には、極めて密集した状態で上記基布37aに織り込まれており、図示においては、それを疎にした状態で模式的に表している。
【0034】
すなわち、図4〜図6にも示されているように、前記帯電クリーニングローラ37を構成しているブラシ体は、長尺状の帯状部材からなる基布37aの表面から略直線状をなして立ち上がるように植設された直毛ブラシ糸37bと、前記基布37aから略半円弧状をなして立ち上がるように植設されたループ状ブラシ糸37cとを有している。そのうちのループ状ブラシ糸37cは、前記基布37aに植設された一対の脚部37d,37dを有しているとともに、それらの両脚部37d,37dどうしを連結するループ形状部37eを備えた構成になされている。そして、そのループ形状部37eは、上述した帯電ローラ25の回転方向上流側から下流側に向かう方向の正面視において、略半円形状をなすように延在しており、その半円形状の半径に相当する部分に前記直毛ブラシ糸37bが配置されている。
【0035】
ここで、上述した帯電クリーニングローラ37の軸方向を第1の方向とし、それに直交する帯電クリーニングローラ37の回転方向に対する接線方向を第2の方向としたとき、前記直毛ブラシ糸37b及びループ状ブラシ糸37cは、それらの第1及び第2の方向に関して、以下に説明するような千鳥配列になされている。すなわち、本実施形態では、第1の方向がブラシローラとしての帯電クリーニングローラ37の軸方向となり、第2の方向が前記ブラシローラとしての帯電クリーニングローラ37の回転方向となるように、ブラシ体37b,37cが帯電クリーニングローラ37に固定されている。そして、上述した直毛ブラシ糸37b及びループ状ブラシ糸37cは、まず前記第1の方向(軸方向)においては、同形状のブラシ糸が適宜のピッチ位相で隣接するように配列されている。また、前記第2の方向(回転接線方向)において異形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で交互に隣接するように配列されていて、その第1の方向(軸方向)における配列位相が、前記第2の方向(回転接線方向)の前後において交互に略半ピッチずつずらされている。
【0036】
そして、本実施形態においては、上述したループ状ブラシ糸37cの両脚部37d,37dどうしを結ぶ方向が、第1の方向(軸方向)にほぼ一致するように設定されており、その第1の方向(軸方向)において、同形状のブラシ糸、すなわち前記直毛ブラシ糸37b又はループ状ブラシ糸37cのいずれか同形状のブラシ糸どうしが、当該第1の方向(軸方向)において略等間隔で隣接するように並設されている。また、その第1の方向(軸方向)と直交する第2の方向(回転方向)においては、上述したように異形状のブラシ糸、つまり前記直毛ブラシ糸37b及びループ状ブラシ糸37cが交互に配列されるようにして並設されている。
【0037】
このように、本実施形態における直毛ブラシ糸37b及びループ状ブラシ糸37cは、前記ループ状ブラシ糸37cの両脚部37d,37dどうしを結ぶ第1の方向において同形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で交互に隣接するように配列されているとともに、前記第1の方向と直交する第2の方向においては、前記直毛ブラシ糸37b及びループ状ブラシ糸37cのうちの異形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で隣接するように配列されていて、かつ前記第1の方向における同形状のブラシ糸どうしの配列位相が、前記第2の方向の前後において交互に略半ピッチづつずらされている。
【0038】
すなわち、本実施形態において、上述した異形状のブラシ糸37b,37cどうしが適宜のピッチ位相で隣接する配置は、前記帯電クリーニングローラ37の回転方向下流側において前記直毛ブラシ糸37bに隣接してループ状ブラシ糸37cが配置された、いわゆる千鳥配列になされたものである。そして、このような千鳥配列によれば、前記帯電クリーニングローラ37の回転方向である第2の方向において前記直毛ブラシ糸37bの背後に、ループ状ブラシ糸37cが配置された関係になされている。従って、上述した帯電クリーニングローラ37の回転に伴って直毛ブラシ糸37bが回転方向に傾倒しようとすると、当該直毛ブラシ糸37bは、その背後に配置されたループ状ブラシ糸37cにより支持されることとなる。
【0039】
より具体的には、上述した直毛ブラシ糸37bは、前記帯電クリーニングローラ37の回転方向上流側から下流側に向かう前記第1の方向に見たときの正面視において、前記ループ状ブラシ糸37cの両脚部37d,37dを結んだ線の中央垂線上から立ち上がるように配置されている。そして、前記両脚部37d,37dどうしの間の距離を”W”としたとき、前記直毛ブラシ糸37bは、前記両脚部37d,37dどうしの間の略中央位置、つまり前記第1の方向(軸方向)において一方の脚部37dから”W/2”だけ離れた位置に前記直毛ブラシ糸37bが立設されている。
【0040】
その直毛ブラシ糸37bは、前記基布37aの表面、すなわち前記帯電クリーニングローラ37の表面に対して略垂直となるように立ち上げられており、同様に前記第2の方向に見たときの正面視において、前記ループ状ブラシ糸37cのループ形状部37eの最頂部を通って上方に突き出すように設けられている。すなわち、直毛ブラシ糸37bの前記基布37aの表面からの全高を”L”としたとき、当該直毛ブラシ糸37bの全高”L”は、前記ループ状ブラシ糸37cにおけるループ形状部37eの最頂部の全高”H”よりも高くなるように設定されている(L>H)。
【0041】
特に本実施形態においては、上述したループ状ブラシ糸37c3の両脚部37d,37dどうしの間隔”W”が、例えば3mmに設定されているとともに、前記基布37aの表面、すなわち前記帯電クリーニングローラ37の表面からループ状ブラシ糸37cにおけるループ形状部37eの最頂部までの全高”H”が、1.5mm未満となるように設定されており、これによって、W>2Hの関係が成立する構成になされている。また、前記直毛ブラシ糸37bの毛長”L”は、上述したL>Hなる関係が成立するように、例えば2mmに設定されている。
【0042】
このときの直毛ブラシ糸37bとしては、例えば太さ2デニール、密度100Kf、毛長2.0Lのレーヨンまたはナイロンなどの絶縁性の繊維が用いられている。また、前記ループ状ブラシ糸37cは、導電性の材質から形成されたものであって、そのときの導電性の材質としては、例えば太さ3デニール、密度100Kfの繊維が用いられており、上述した基布37aの表面からループ状ブラシ糸37cの最頂部までの全高”H”が1.5mmとなるような毛長さを有する導電性繊維により形成されている。繊維に導電性を付与する方法としては、原糸段階において導電性物質を練りこむ方法や、紡糸後に導電性物質を含む加工液によって繊維表面を被覆する方法があるが、繊維に導電性を維持させるためには原糸段階において導電性物質を練りこむ方法が有利である。上述した導電性物質としては、銀、銅、ニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子が挙げられるが、本実施形態においては、安定した導電性を有すると共に低コストの観点から炭素が用いられている。なお、上述した基布37aにも、導電性を有する材質が採用されている。
【0043】
また、特に図7に示されているように、上述した基布37aの端縁部は、前記直毛ブラシ糸37bとループ状ブラシ糸37cとの千鳥配列方向に沿って延在する帯状部材となるように裁断されており、導電性の接着剤層37fが塗布された金属製芯金37iに螺旋状に巻きつけられて前記帯電クリーニングローラ37になされている。そして、前記基布37aの端縁部が、前記帯電クリーニングローラ37の回転方向である第2の方向に対して、千鳥配列の方向に傾斜した方向に延在していることによって、上述した直毛ブラシ糸37bとループ状ブラシ糸37cとの千鳥配列が良好に形成されるようになっている。
【0044】
このように本実施形態によれば、被清掃体である帯電ローラ25の外周表面に、ブラシ体からなる帯電クリーニングローラ37を当接させた状態で回転移動させると、まず大きな全高を有する直毛ブラシ糸37bの先端部分が、帯電ローラ(被清掃体)25の外周表面に摺擦されることとなり、主としてその直毛ブラシ糸37bの摺擦作用によって帯電ローラ25の表面における付着物が除去される。このとき、帯電クリーニングローラ(ブラシローラ)37の回転移動方向は、直毛ブラシ糸37bとループ状ブラシ糸37cとが交互に配列された第2の方向となっているため、清掃作用を主として行う直毛ブラシ糸37bの背後が、帯電クリーニングローラ37の回転方向下流側に隣接配置されるループ状ブラシ糸37cによって支持される。それによって、当該直毛ブラシ糸37bの立ち上がり状態が長期にわたって維持されることとなり、帯電クリーニングローラ37を長期に渡って使用した場合における、いわゆる毛倒れを防止して良好な清掃状態が維持されるようになっている。
【0045】
このとき、被清掃体である帯電ローラ25の表面における付着物は、隣り合う一対のループ状ブラシ糸37c,37cどうしの間部分をすり抜けるおそれがあるが、そのために本実施形態では、ループ状ブラシ糸37cと直毛ブラシ糸37bとが、いわゆる千鳥配列になされている。すなわち、上述したようにループ状ブラシ糸37c,37cどうしの間部分をすり抜けた付着物は、回転方向の後方に配置された次段の配列位置における直毛ブラシ糸37bに捕捉されることとなり、それによって隣り合うループ状ブラシ糸37c,37cどうしの間部分における清掃性の低下が補われて、帯電クリーニングローラ(ブラシ体)37の清掃機能が大幅に向上されるようになっている。その結果、付着物を原因とする画像欠陥の発生が極力抑えられる。
【0046】
このとき、直毛ブラシ糸37b及びループ状ブラシ糸37cのいずれか一方が、導電性の材質から形成されていると、ブラシ糸によって弾き飛ばされた帯電ローラ25における付着物が、導電性の材質からなるブラシ糸に保持されるので除去された付着物の浮遊、落下等を防ぐことができる。また、直毛ブラシ糸37bより高さが低いループ状ブラシ糸37cを導電性の材質から形成すると、直毛ブラシ糸37bが掻き落とした付着物の保持効果が高く、帯電ローラ25の表面に対する清掃性が向上されることとなる。
【0047】
一方、上述した第1の実施形態と同一の構成物に対して同一の符号を付した図8にかかる第2の実施形態における帯電クリーニングローラ37は、帯電ローラ25の外表面とともに感光ドラム(像担持体)23の外表面にも接触するように配置されており、帯電ローラ25の清掃作用とともに感光ドラム23の外表面に対する清掃作用も同時に行う構成になされている。すなわち、本実施形態では、ブラシローラとしての帯電クリーニングローラ37が、電子写真方式の画像形成工程に用いられる像担持体としての感光ドラム23への付着物をも除去するものとして構成されている。
【0048】
すなわち、本実施形態における帯電クリーニングローラ37は、感光ドラム23の外周面に対して長手方向(軸方向)のほぼ全長にわたって接触するように配置されており、当該感光ドラム23の回転とともに約2〜12mmの接触幅(ニップ)を持って摺擦されるようになっている。
【0049】
さらに、この第2の実施形態においては、前記帯電クリーニングローラ37を構成している導電性の繊維からなるループ状ブラシ糸37cに交番電界を印加する構成になされている。より具体的には、まず前述したように帯電手段としての帯電ローラ25に対して、直流バイアス又は直流及び交流バイアスを印加する電源25bが、オン・オフの切替スイッチ25eを介して前記帯電ローラ25に接続されている。また、上記電源25bは、前記帯電クリーニングローラ37に、交番電界を形成するコンデンサ37g、及びオン・オフの切替スイッチ37hを直列状に介して接続されている。このときの帯電クリーニングローラ37に印加される交番電界は、300V〜3500V、好ましくは500V〜3000Vで周波数50KHz〜100KHzにて出力するように構成されている。なお、前記感光ドラム(像担持体)23側は接地状態になされている。
【0050】
このような構成において、前記感光ドラム(像担持体)23の外表面に強い静電気作用で付着していた残留トナーや、微小粒径のトナー外添剤、或いは紙粉等からなる付着物が、クリーニング装置のクリーニングブレード30をすり抜けてきても、上述した電源25bから帯電クリーニングローラ37に交番電界が印加されてループ状ブラシ糸37cに電流が流され、それによって上述した付着物の電荷が除電され、付着物の付着力が低減させられた状態で帯電ローラ25に達する。そして、その感光ドラム23の外表面及び帯電ローラ25における付着物が、回転駆動される帯電クリーニングローラ37における、特に直毛ブラシ糸37bにより弾き飛ばされるようにして効率的に除去される。
【0051】
また、上述した交番電界の印加によって、前記感光ドラム(像担持体)23の表面上に残留する微小粒径のトナーが攪乱されて感光ドラム23から飛翔され易くする作用も同時に得られることから、より一層、帯電ローラ25及び感光ドラム23の表面に対する清掃性が向上されることとなる。
【0052】
さらに、本実施形態では、帯電クリーニングローラ37を構成しているループ状ブラシ糸37cが、被清掃体である帯電ローラ25及び感光ドラム23に対して接触して付着物の除電を行うとともに、直毛ブラシ糸37bが、被清掃体である帯電ローラ25及び感光ドラム23に接触して付着物を積極的に掻き取るように構成されていることから、帯電クリーニングローラ37に付着物が滞留することなく速やかに離反して蓄積することがない。このような本実施形態にかかる帯電クリーニングローラ37を有する接触帯電装置を、従来の接触帯電装置と比較してみたところ、帯電ローラ25及び帯電クリーニングローラ37の各寿命が、それぞれ約2.5倍及び約5倍に伸ばすことを確認することができた。
【0053】
また、上述した一方の切替スイッチ25eがオンとなって帯電ローラ25により感光ドラム(像担持体)23が帯電される時には、他方の切替スイッチ37hはオフ状態になされる。このときの帯電クリーニングローラ37は、感光ドラム23及び帯電ローラ25の各表面に対して摺擦作用のみにより付着物の除去及び回収を行う。また、一方の切替スイッチ25eがオフとなって帯電ローラ25に交番電界が印加されていない、例えば前多回転時や後多回転時には、前記切替スイッチ37hはオン状態になされて帯電クリーニングローラ37にのみ交番電界が付与される。このように帯電クリーニングローラ37に、帯電ローラ25の電源25bと同一の電源が使用されることによって、帯電周波数と同じ交番電界を印加することが可能となり、周波数干渉によるモアレの発生を防ぐことが容易にできる。
【0054】
なお、本実施形態においては、帯電クリーニングローラ37に交番電界のみを印加しているが、直流電圧を重畳して印加してもよい。また、本実施形態では、ループ状ブラシ糸37cに導電性の材質を用いて交番電界を印加しているが、例えば、ループ状ブラシ糸37cが導電性の材質から形成されているとともに、直毛ブラシ糸37bが絶縁性の材質から形成された構成のように、条件や用途によっては、ループ状ブラシ糸37cと直毛ブラシ糸37bのいずれか一方又は双方を導電性の材質にして交番電界を印加するように構成することも可能である。
【0055】
さらに、本実施形態では、帯電、現像、クリーニングを一体化したカートリッジが用いられているが、それぞれ別ユニットとした場合であっても同様の構成で良い。
【0056】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0057】
例えば、帯電クリーニング手段を構成している帯電クリーニングローラの形状や材質等については、画像形成装置の本体寿命、感光ドラムとの関係、使用するトナーの粒径、量、又は感光ドラムの回転数などの使用条件を勘案して決定され、帯電ローラをクリーニングするという目的を達成するものであれば、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0058】
さらに上述した実施形態は、デジタル複写機に本発明を適用したものであるが、プリンタやファクシミリなどの他の画像形成装置に対しても本発明は同様に適用することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上述べた本発明にかかる画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの多種多様な画像形成装置に対して広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 原稿台
11 給紙カセット
P シート状記録媒体
12 ピックアップローラ
13 第1搬送ローラ
14 第2搬送ローラ
15 レジストローラ
16 媒体検知センサ
17 画像読み取り部
18 原稿照明ランプ
19 スキャナユニット
20 CCDユニット
21 レーザースキャナユニット
22 ポリゴンミラー
23 感光ドラム(像担持体)
23a 回転軸
24 レーザー光
25 帯電ローラ(帯電手段)
25a 金属製芯金
25b 電源
25c 導電層
25d 抵抗層
25e 切替スイッチ
26 現像器
26a トナー容器
26b 攪拌羽根
26c 現像ローラ
26d 現像ブレード
28 転写帯電ローラ
29 定着器
31a 定着ローラ
30 クリーニングブレード
33 感光ドラムユニット(像担持体ユニット)
37 帯電クリーニングローラ(帯電クリーニング手段)
38 回収容器
37a 基布
37b 直毛ブラシ糸
37c ループ状ブラシ糸
37d 脚部
37e ループ形状部
37i 金属製芯金
37f 接着剤層
37g コンデンサ
37h 切替スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布の表面に起毛状をなすように植設された複数本のブラシ毛を備えたブラシ体において、
前記ブラシ毛は、前記基布から略直線状をなして立ち上がるように植設された直毛ブラシ糸と、前記基布から略半円弧状をなして立ち上がるように植設されたループ状ブラシ糸と、を有し、
前記ループ状ブラシ糸が、前記基布に植設された一対の脚部と、それらの両脚部どうしを連結するループ形状部と、を備えているとともに、
前記直毛ブラシ糸は、前記ループ状ブラシ糸の両脚部を結んだ線の中央垂線上から立ち上がるように配置され、
前記直毛ブラシ糸の前記基布からの全高が、前記ループ状ブラシ糸におけるループ形状部の最頂部の全高よりも高くなるように設定されていることを特徴とするブラシ体。
【請求項2】
前記直毛ブラシ糸及びループ状ブラシ糸は、前記ループ状ブラシ糸の両脚部どうしを結ぶ第1の方向において同形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で交互に隣接するように配列されているとともに、
前記第1の方向と直交する第2の方向においては、前記直毛ブラシ糸及びループ状ブラシ糸のうちの異形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で隣接するように配列され、かつ
前記第1の方向における同形状のブラシ糸どうしの配列位相が、前記第2の方向の前後において交互に略半ピッチづつずらされていることを特徴とする請求項1記載のブラシ体。
【請求項3】
前記直毛ブラシ糸及びループ状ブラシ糸のいずれか一方が、導電性の材質から形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシ体。
【請求項4】
前記ループ状ブラシ糸が、導電性の材質から形成されているとともに、前記直毛ブラシ糸が、絶縁性の材質から形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のブラシ体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のブラシ体が、略円筒状をなす芯金に巻き付けられた状態に固定されていることを特徴とするブラシローラ。
【請求項6】
前記第1の方向が前記ブラシローラの軸方向となり、前記第2の方向が前記ブラシローラの回転方向となるように前記ブラシ体が前記ブラシローラに固定されたことを特徴とする請求項5に記載のブラシローラ。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載のブラシローラが、電子写真方式の画像形成工程に用いられる像担持体の帯電手段への付着物を除去するクリーニング装置に用いられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記ブラシローラが、電子写真方式の画像形成工程に用いられる像担持体への付着物をも除去するものであることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記異形状のブラシ糸どうしが適宜のピッチ位相で隣接する配列は、前記直毛ブラシ糸に隣接して、前記ブラシローラの回転方向下流側に前記ループ状ブラシ糸が配列された構成になされていることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ブラシローラに対して、適宜の交番電界が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−190931(P2010−190931A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32233(P2009−32233)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】