ブラシ及び電気掃除機用の回転ブラシ装置
【課題】意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能なブラシ及び電気掃除機用の回転ブラシ装置を提供する。
【解決手段】ブラシ34は、複数のタテ糸と複数のヨコ糸とを織ってなる基布36上に複数のパイル糸37がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなり、各パイル糸37の自由端が外側となるように基布36を湾曲させてなる。そして、基布36は、該基布36の長手方向及び短手方向のうち各パイル糸37の密度が低い方の方向である長手方向に沿ってU字状に湾曲されている。
【解決手段】ブラシ34は、複数のタテ糸と複数のヨコ糸とを織ってなる基布36上に複数のパイル糸37がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなり、各パイル糸37の自由端が外側となるように基布36を湾曲させてなる。そして、基布36は、該基布36の長手方向及び短手方向のうち各パイル糸37の密度が低い方の方向である長手方向に沿ってU字状に湾曲されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の本体部と該本体部にホースを介して接続されたヘッド内に配設され、絨毯、畳、フローリング等の床面から塵埃を掻き上げるための電気掃除機用の回転ブラシ装置及び該装置に取着された場合に好適なブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気掃除機は本体と該本体にホースを介して接続された吸込口本体(ヘッド)とを備えている。そして、この吸込口本体を絨毯、フローリング、畳等の床面上で移動させ、該吸込口本体の底面に設けられた吸込口からエアを吸引することにより、本体内に塵埃が吸い込まれるように構成されている。ところで、近年では、例えば絨毯等のようにエアの吸引だけでは塵埃を吸い込みにくい床面に対する集塵能力を向上させるため、吸込口本体内に回転清掃体(回転ブラシ装置)を設けたものが数多く見られるようになってきた(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1の回転清掃体は吸込口本体内に回転可能に収容された略細長柱状をなす軸部材(回転体)を備えており、該軸部材の外周面には平板状の起毛(パイル糸)を有した布帛製の布ブレード部(ブラシ)が螺旋状に突設されている。そして、電動機により吸込口本体内で回転清掃体が回転されることで、布ブレード部が床面に摺接して該床面を拭き取るようになっている。
【特許文献1】特開平10−71111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の回転清掃体では、布ブレード部のほつれを防止したり布ブレード部の腰を強くして床磨き性能を向上したりするべく、布ブレード部の先端部が、起毛が外側となるように折り返されている。しかしながら、布ブレード部における折り返された部分においては、ほつれを防止することはできるものの、起毛間の隙間が広がってしまうため、意匠性が低下するばかりか床磨き性能も低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能なブラシ及び電気掃除機用の回転ブラシ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のタテ糸と複数のヨコ糸とを織ってなる基布上に複数のパイル糸がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなり、前記各パイル糸の自由端が外側となるように前記基布を屈曲または湾曲させてなるブラシであって、前記基布は、前記タテ糸の延びる方向及び前記ヨコ糸の延びる方向のうち前記各パイル糸の密度が低い方の方向に沿って屈曲または湾曲されていることを要旨とする。
【0007】
通常、基布上に複数のパイル糸がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなるブラシは、基布を屈曲または湾曲させると、屈曲または湾曲させる方向によっては基布の屈曲または湾曲させた部分における各パイル糸間の隙間が大きく広がってしまい、ブラシの意匠性が低下するばかりかブラシとしての機能性までも低下してしまう。この点、上記構成によれば、基布がタテ糸の延びる方向及びヨコ糸の延びる方向のうち各パイル糸の密度が低い方の方向に沿って屈曲または湾曲されているため、ブラシにおける基布の屈曲または湾曲された部分における各パイル糸間の隙間の広がりを確実に抑制することが可能となる。したがって、ブラシの意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、床面上の塵埃を吸い込むためのヘッド内に回転可能に収容された回転体と、該回転体に取着されるブラシとを備え、前記ヘッドが床面上を移動する際に、前記回転体を回転させながら前記ブラシを床面に接触させるように構成された電気掃除機用の回転ブラシ装置であって、前記ブラシは、請求項1に記載のブラシによって構成されていることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、請求項1の場合に記載したようにブラシの意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することができるので、回転ブラシ装置の意匠性及び床面の拭き取り性能を確実に維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能なブラシ及び電気掃除機用の回転ブラシ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、回転ブラシ装置が配設される電気掃除機のヘッドの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、電気掃除機のヘッド11は、平面視略T字状のケース12を備えている。ケース12の後端部には接続パイプ13の一端側が該ケース12に対して回動可能に接続されており、接続パイプ13の他端側は図示しない電気掃除機の本体部に接続されている。ケース12の底壁における前端部には、長孔状の吸込口14が左右方向に延びるように設けられている。
【0012】
ケース12の内底面上には四角枠状をなす仕切板15が吸込口14を囲むように立設されており、該仕切板15の後端部中央にはエア吸引口16が貫通するように形成されている。ケース12の左内側面にはモータ軸受17が設けられており、該モータ軸受17にはケース12内に設けられたモータ18から延びるモータ軸19の先端部が回転可能に支持されている。
【0013】
仕切板15の左右両側壁にはそれぞれ回転支持体20が設けられており、該両回転支持体20はケース12の左右両内側面にそれぞれ設けられたブラシ軸受21によりそれぞれ回転可能に支持されている。仕切板15の内側には左右方向に延びる回転ブラシ装置22が収容されており、該回転ブラシ装置22の両端部は両回転支持体20にそれぞれ支持されている。
【0014】
また、左側の回転支持体20とモータ軸19の先端部に取着されたローラ19aとの間には、無端状のベルト23が掛装されている。そして、モータ18の駆動により、その回転が、モータ軸19、ローラ19a、ベルト23、及び左側の回転支持体20を介して回転ブラシ装置22に伝達されるようになっている。そして、電気掃除機を使用する際には、仕切板15の内側のエアがエア吸引口16及び接続パイプ13を介して電気掃除機の本体部内に吸引されるとともに、回転ブラシ装置22が回転されることにより、床面F上の塵、埃、毛髪等の塵埃が掻き取られ、エアとともに該塵埃が吸込口14から吸い込まれるようになっている。このとき、回転ブラシ装置22は、電気掃除機のヘッド11の前進を妨げない方向(図2の矢印で示す方向)に回転される。
【0015】
次に、回転ブラシ装置22の構成について詳述する。
図3及び図4に示すように、回転ブラシ装置22は、断面視略X字状をなす棒状の金属よりなる回転体31と、該回転体31に取着される複数(本実施形態では4つ)のブラシユニット32とを備えている。回転体31は、4つの断面視略T字状をなす突条31aの基端部同士を、該各突条31aが互いに回転体31の周方向に等間隔に配置されるように、互いに一体に連結し、さらにその全体にわたって周方向に約180度捻ることで形成されている。したがって、回転体31の周面には各突条31a間に螺旋状をなす4本の凹溝33が形成されており、該各凹溝33に各ブラシユニット32がそれぞれ取着されるようになっている。そして、各凹溝33の開口部33aは、各突条31aの先端部に備えられた突片31bにより狭められている。
【0016】
次に、ブラシユニット32の構成について詳述する。
図5及び図6に示すように、ブラシユニット32は、断面視略U字状をなすブラシ34と、該ブラシ34を回転体31(図3参照)に取着するための断面視略逆T字状をなす取付具35とを備えている。ブラシ34は、長手方向に沿ってU字状に湾曲した織布よりなる帯状の基布36と、該基布36の外側に立設されたポリアミドよりなる複数のパイル糸37とを備えている。
【0017】
一方、取付具35は、長手方向の長さがブラシ34と対応する帯状の基板35aと、該基板35a上の短手方向における中央部に設けられるとともに該基板35aの長手方向に沿って延設された突条35bとを備えている。取付具35は、ポリウレタンよりなり、適度な剛性と可撓性を有している。そして、ブラシ34の両端部における内面間によって取付具35の突条35bが挟まれた状態で、ブラシ34を取付具35に、溶着、縫着あるいは接着剤によって接着することでブラシユニット32が得られる。
【0018】
次に、回転体31へのブラシユニット32の取り付け方法について説明する。
図4及び図5に示すように、回転体31へブラシユニット32を取り付ける場合、各パイル糸37が凹溝33の開口部33aから外側へ突出するように、回転体31の端部から各凹溝33内に各ブラシユニット32の取付具35をそれぞれスライド挿入する。すると、取付具35(ブラシユニット32)は、適度な剛性と可撓性とを有しているため、各凹溝33に沿ってそれぞれ螺旋状に捻れた状態で回転体31に容易に挿着される。このとき、適度な剛性を有する取付具35は、突片31bによって強く係止されるため、凹溝33の開口部33aからのブラシユニット32の脱落が抑制される。
【0019】
次に、ブラシ34の製造方法について説明する。
図7〜図9に示すように、ブラシ34を製造する場合には、まず、複数のタテ糸38と複数のヨコ糸39とを織ってなる基布36に撚糸よりなる複数のパイル糸37を織り込む。このとき、各タテ糸38は基布36の長手方向に沿って延びているとともに、各ヨコ糸39は基布36の短手方向に沿って延びている。また、各パイル糸37は、図9及び図10に示すように、基布36の短手方向側から見てW字状をなすように該基布36に織り込まれている。パイル糸37には、フィラメントの太さが7デシテックスのポリアミド製の糸が使用されている。ポリアミド製の糸は、復元性及び耐摩耗性に優れているので、本用途に好適である。そして、各パイル糸37において、基布36に織り込まれた部分は織り込み部37aとされ、基布36上に立つように延びている部分は毛羽部37bとされている。
【0020】
すなわち、各パイル糸37は、織り込み部37aが平面視で基布36の長手方向に沿って延びており、該織り込み部37aの両端に毛羽部37bがそれぞれ一体に形成されている。したがって、各パイル糸37における各毛羽部37bは、該各パイル糸37の自由端になっている。織り込み部37aは、その両端部がヨコ糸39によって上側から支持されているとともに、その中央部がヨコ糸39によって下側から支持されている。すなわち、各パイル糸37は、織り込み部37aが3本のヨコ糸39によって3点で支持されているので、毛羽部37bの立毛性が高くなっている。本実施形態においては、パイル糸37のフィラメント単位の織り込み密度が1平方インチ当たり95000フィラメントとなるように設定されている。
【0021】
また、図11に示すように、基布36において各パイル糸37は千鳥状となるように規則的に配列されている。このとき、基布36における各パイル糸37の各毛羽部37bに着目した場合、基布36の長手方向(図11の矢印A1で示す方向)における各毛羽部37b間のピッチは、基布36の短手方向(図11の矢印B1で示す方向)における各毛羽部37b間のピッチよりも大きくなっている。すなわち、基布36の長手方向における各毛羽部37bの密度は、基布36の短手方向における各毛羽部37bの密度よりも低くなっている。そして、このような各パイル糸37が織り込まれた基布36を、各パイル糸37の各毛羽部37bが外側となるように、基布36の長手方向及び短手方向のうち各毛羽部37bの密度が低い方の方向である長手方向に沿って図11の矢印B2で示す方向にU字状に湾曲することで、ブラシ34が製造される。
【0022】
ここで、例えば、上述した各パイル糸37が織り込まれた基布36を、各パイル糸37の各毛羽部37bが外側となるように、基布36の長手方向及び短手方向のうち各毛羽部37bの密度が高い方の方向である短手方向に沿って図11の矢印A2で示す方向にU字状に湾曲することで、ブラシ34を製造すると、基布36の湾曲部分における各毛羽部37b間の隙間が大きく広がってしまい、ブラシ34の意匠性が低下するだけでなく、ブラシ34の機能性(床面F上の塵埃の掻き取り性能や床面Fに対する磨き性能)も低下してしまう。
【0023】
この点、本実施形態のブラシ34は、上述した各パイル糸37が織り込まれた基布36を、各パイル糸37の各毛羽部37bが外側となるように、基布36の長手方向及び短手方向のうち各毛羽部37bの密度が低い方の方向である長手方向に沿ってU字状に湾曲することで製造されるため、基布36の湾曲部分における各毛羽部37b間の隙間の広がりが抑制される。したがって、ブラシ34の意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することができる。
【0024】
次に、回転ブラシ装置22の作用について説明する。
さて、電気掃除機を使用するときには、図2に示すように、まず、ヘッド11を床面F上に載せる。この状態で電気掃除機を稼動させると、モータ18が駆動されるとともに、仕切板15の内側のエアがエア吸引口16を通り、接続パイプ13を介して図示しない電気掃除機の本体部内に吸引される。このとき、モータ18の駆動に連動して回転ブラシ装置22が左側から見て反時計回り(図2の矢印で示す方向)に回転されるとともに、該回転ブラシ装置22におけるブラシ34の各毛羽部37bが床面Fに摺接される。この各毛羽部37bの床面Fへの摺接により、該床面F上の塵埃が掻き取られてエアとともに図示しない電気掃除機の本体部内に吸引される。
【0025】
このとき、特にブラシ34における基布36の湾曲部分における各毛羽部37b間の隙間の広がりが抑制されているため、ブラシ34の機能が十分に発揮されるとともに、その意匠性も確保される。
【0026】
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)ブラシ34は、基布36が該基布36の長手方向(タテ糸38の延びる方向)及び該基布36の短手方向(ヨコ糸39の延びる方向)のうち各パイル糸37の各毛羽部37bの密度が低い方の方向である長手方向に沿って湾曲されている。このため、ブラシ34における基布36の湾曲された部分における各毛羽部37b間の隙間の広がりを抑制することができる。したがって、ブラシ34の意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することができ、ひいては回転ブラシ装置22における、意匠性、床面F上の塵埃の掻き取り性能、及び床面Fの拭き取り性能などを確実に維持することができる。
【0027】
(2)ブラシ34は、基布36に各パイル糸37がW字状をなすように織り込まれている。すなわち、ブラシ34は、各パイル糸37の織り込み部37aが3本のヨコ糸39によって3点で支持されているので、毛羽部37bの立毛性が高く該毛羽部37bが倒れ難くなっている。したがって、ブラシ34を電気掃除機用の回転ブラシ装置22に用いることで、該回転ブラシ装置22の機能性を向上することができる。
【0028】
ここで、本実施形態のブラシ34と、各パイル糸37を基布36に対してU字状をなすように織り込んだ一般的な一般ブラシとを比較する。図12に示すように、この一般ブラシ50では、基布36にU字状に織り込まれた各パイル糸51は、1本のヨコ糸39によって1点で支持されているだけなので、外力が作用すると、各パイル糸37が3点で支持された本実施形態のブラシ34に比べて、倒れやすくなっている。
【0029】
このため、例え、一般ブラシ50を、本実施形態のブラシ34と同様に、基布36の長手方向におけるパイル糸51の密度を基布36の短手方向におけるパイル糸51の密度よりも低く設定し、パイル糸51の密度が低い方の長手方向に沿って基布36をU字状に湾曲したとしても、この基布36の湾曲によって各パイル糸51に作用する力によって該各パイル糸51が図13に示すように倒れて(開いて)しまい、本実施形態のブラシ34と同様の効果を得ることはできない。
【0030】
したがって、本実施形態のように、パイル糸37をW字状に基布36に織り込むことは、ブラシ34の意匠性及び機能性を確保する上で非常に重要である。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0031】
・ブラシ34は、基布36を長手方向に沿って屈曲させた構成としてもよい。
・上記実施形態では各パイル糸37が基布36の短手方向側から見てW字状をなすように基布36に織り込まれるように構成したが、各パイル糸37が基布36の長手方向側から見てW字状をなすように基布36に織り込まれるように構成してもよい。この場合、各パイル糸37の各毛羽部37bの密度は、基布36における長手方向よりも短手方向の方が低くなるため、ブラシ34は基布36を短手方向に沿って湾曲させる構成にする必要がある。
【0032】
・ブラシ34は、電気掃除機の回転ブラシ装置22以外の用途、例えば、テレビや棚などの埃を払うためのブラシとして使用してもよい。
・ブラシ34は、基布36における各毛羽部37b側の面とは反対側の面に合成樹脂などからなるコーティング層を設けるようにしてもよい。このようにすれば、基布36のほつれを抑制することができるとともに、基布36と各パイル糸37とを強固に接合することができる。
【0033】
・ブラシユニット32から取付具35を省略し、回転体31にブラシ34を直接取り付けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0034】
(イ)前記各パイル糸は、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
このように構成すれば、各パイル糸を千鳥状に配列しない場合(例えば、各パイル糸を並列状に配列した場合)と比較して、各パイル糸を隙間なく配置できるので、より安定した拭き取り効果を得ることができる。
【0035】
(ロ)前記各パイル糸は、ポリアミドからなっていることを特徴とする請求項1または上記(イ)に記載のブラシ。
このように構成すれば、各パイル糸を復元性及び耐摩耗性に優れたものとすることができる。
【0036】
(ハ)前記基布における前記各パイル糸の自由端側の面とは反対側の面には、コーティング層が設けられていることを特徴とする請求項1、上記(イ)、及び上記(ロ)のうちいずれか一つに記載のブラシ。
【0037】
このように構成すれば、基布のほつれを抑制することができるとともに、基布と各パイル糸とを強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態における電気掃除機のヘッドを示す平断面図。
【図2】実施形態における電気掃除機のヘッドの使用状態を示す側断面図。
【図3】実施形態における電気掃除機の回転ブラシ装置を示す斜視図。
【図4】図3の側面拡大図。
【図5】実施形態におけるブラシユニットの斜視図。
【図6】図5の側面拡大図。
【図7】実施形態において、ブラシの製造途中の状態を示す断面斜視図。
【図8】図7の8−8線矢視拡大断面図。
【図9】図7の9−9線矢視拡大断面図。
【図10】実施形態において、基布にパイル糸を織り込んだ状態を示す拡大斜視図。
【図11】実施形態において、基布上のパイル糸の配列状態を示す平面簡略図。
【図12】パイル糸を基布上にU字状をなすように織り込んだ場合の状態を示す拡大斜視図。
【図13】パイル糸をU字状に織り込んだ基布を湾曲してなる一般ブラシを用いたブラシユニットを示す側面拡大図。
【符号の説明】
【0039】
11…電気掃除機のヘッド、22…回転ブラシ装置、31…回転体、34…ブラシ、36…基布、37…パイル糸、38…タテ糸、39…ヨコ糸、F…床面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の本体部と該本体部にホースを介して接続されたヘッド内に配設され、絨毯、畳、フローリング等の床面から塵埃を掻き上げるための電気掃除機用の回転ブラシ装置及び該装置に取着された場合に好適なブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気掃除機は本体と該本体にホースを介して接続された吸込口本体(ヘッド)とを備えている。そして、この吸込口本体を絨毯、フローリング、畳等の床面上で移動させ、該吸込口本体の底面に設けられた吸込口からエアを吸引することにより、本体内に塵埃が吸い込まれるように構成されている。ところで、近年では、例えば絨毯等のようにエアの吸引だけでは塵埃を吸い込みにくい床面に対する集塵能力を向上させるため、吸込口本体内に回転清掃体(回転ブラシ装置)を設けたものが数多く見られるようになってきた(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1の回転清掃体は吸込口本体内に回転可能に収容された略細長柱状をなす軸部材(回転体)を備えており、該軸部材の外周面には平板状の起毛(パイル糸)を有した布帛製の布ブレード部(ブラシ)が螺旋状に突設されている。そして、電動機により吸込口本体内で回転清掃体が回転されることで、布ブレード部が床面に摺接して該床面を拭き取るようになっている。
【特許文献1】特開平10−71111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の回転清掃体では、布ブレード部のほつれを防止したり布ブレード部の腰を強くして床磨き性能を向上したりするべく、布ブレード部の先端部が、起毛が外側となるように折り返されている。しかしながら、布ブレード部における折り返された部分においては、ほつれを防止することはできるものの、起毛間の隙間が広がってしまうため、意匠性が低下するばかりか床磨き性能も低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能なブラシ及び電気掃除機用の回転ブラシ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のタテ糸と複数のヨコ糸とを織ってなる基布上に複数のパイル糸がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなり、前記各パイル糸の自由端が外側となるように前記基布を屈曲または湾曲させてなるブラシであって、前記基布は、前記タテ糸の延びる方向及び前記ヨコ糸の延びる方向のうち前記各パイル糸の密度が低い方の方向に沿って屈曲または湾曲されていることを要旨とする。
【0007】
通常、基布上に複数のパイル糸がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなるブラシは、基布を屈曲または湾曲させると、屈曲または湾曲させる方向によっては基布の屈曲または湾曲させた部分における各パイル糸間の隙間が大きく広がってしまい、ブラシの意匠性が低下するばかりかブラシとしての機能性までも低下してしまう。この点、上記構成によれば、基布がタテ糸の延びる方向及びヨコ糸の延びる方向のうち各パイル糸の密度が低い方の方向に沿って屈曲または湾曲されているため、ブラシにおける基布の屈曲または湾曲された部分における各パイル糸間の隙間の広がりを確実に抑制することが可能となる。したがって、ブラシの意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、床面上の塵埃を吸い込むためのヘッド内に回転可能に収容された回転体と、該回転体に取着されるブラシとを備え、前記ヘッドが床面上を移動する際に、前記回転体を回転させながら前記ブラシを床面に接触させるように構成された電気掃除機用の回転ブラシ装置であって、前記ブラシは、請求項1に記載のブラシによって構成されていることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、請求項1の場合に記載したようにブラシの意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することができるので、回転ブラシ装置の意匠性及び床面の拭き取り性能を確実に維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することが可能なブラシ及び電気掃除機用の回転ブラシ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、回転ブラシ装置が配設される電気掃除機のヘッドの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、電気掃除機のヘッド11は、平面視略T字状のケース12を備えている。ケース12の後端部には接続パイプ13の一端側が該ケース12に対して回動可能に接続されており、接続パイプ13の他端側は図示しない電気掃除機の本体部に接続されている。ケース12の底壁における前端部には、長孔状の吸込口14が左右方向に延びるように設けられている。
【0012】
ケース12の内底面上には四角枠状をなす仕切板15が吸込口14を囲むように立設されており、該仕切板15の後端部中央にはエア吸引口16が貫通するように形成されている。ケース12の左内側面にはモータ軸受17が設けられており、該モータ軸受17にはケース12内に設けられたモータ18から延びるモータ軸19の先端部が回転可能に支持されている。
【0013】
仕切板15の左右両側壁にはそれぞれ回転支持体20が設けられており、該両回転支持体20はケース12の左右両内側面にそれぞれ設けられたブラシ軸受21によりそれぞれ回転可能に支持されている。仕切板15の内側には左右方向に延びる回転ブラシ装置22が収容されており、該回転ブラシ装置22の両端部は両回転支持体20にそれぞれ支持されている。
【0014】
また、左側の回転支持体20とモータ軸19の先端部に取着されたローラ19aとの間には、無端状のベルト23が掛装されている。そして、モータ18の駆動により、その回転が、モータ軸19、ローラ19a、ベルト23、及び左側の回転支持体20を介して回転ブラシ装置22に伝達されるようになっている。そして、電気掃除機を使用する際には、仕切板15の内側のエアがエア吸引口16及び接続パイプ13を介して電気掃除機の本体部内に吸引されるとともに、回転ブラシ装置22が回転されることにより、床面F上の塵、埃、毛髪等の塵埃が掻き取られ、エアとともに該塵埃が吸込口14から吸い込まれるようになっている。このとき、回転ブラシ装置22は、電気掃除機のヘッド11の前進を妨げない方向(図2の矢印で示す方向)に回転される。
【0015】
次に、回転ブラシ装置22の構成について詳述する。
図3及び図4に示すように、回転ブラシ装置22は、断面視略X字状をなす棒状の金属よりなる回転体31と、該回転体31に取着される複数(本実施形態では4つ)のブラシユニット32とを備えている。回転体31は、4つの断面視略T字状をなす突条31aの基端部同士を、該各突条31aが互いに回転体31の周方向に等間隔に配置されるように、互いに一体に連結し、さらにその全体にわたって周方向に約180度捻ることで形成されている。したがって、回転体31の周面には各突条31a間に螺旋状をなす4本の凹溝33が形成されており、該各凹溝33に各ブラシユニット32がそれぞれ取着されるようになっている。そして、各凹溝33の開口部33aは、各突条31aの先端部に備えられた突片31bにより狭められている。
【0016】
次に、ブラシユニット32の構成について詳述する。
図5及び図6に示すように、ブラシユニット32は、断面視略U字状をなすブラシ34と、該ブラシ34を回転体31(図3参照)に取着するための断面視略逆T字状をなす取付具35とを備えている。ブラシ34は、長手方向に沿ってU字状に湾曲した織布よりなる帯状の基布36と、該基布36の外側に立設されたポリアミドよりなる複数のパイル糸37とを備えている。
【0017】
一方、取付具35は、長手方向の長さがブラシ34と対応する帯状の基板35aと、該基板35a上の短手方向における中央部に設けられるとともに該基板35aの長手方向に沿って延設された突条35bとを備えている。取付具35は、ポリウレタンよりなり、適度な剛性と可撓性を有している。そして、ブラシ34の両端部における内面間によって取付具35の突条35bが挟まれた状態で、ブラシ34を取付具35に、溶着、縫着あるいは接着剤によって接着することでブラシユニット32が得られる。
【0018】
次に、回転体31へのブラシユニット32の取り付け方法について説明する。
図4及び図5に示すように、回転体31へブラシユニット32を取り付ける場合、各パイル糸37が凹溝33の開口部33aから外側へ突出するように、回転体31の端部から各凹溝33内に各ブラシユニット32の取付具35をそれぞれスライド挿入する。すると、取付具35(ブラシユニット32)は、適度な剛性と可撓性とを有しているため、各凹溝33に沿ってそれぞれ螺旋状に捻れた状態で回転体31に容易に挿着される。このとき、適度な剛性を有する取付具35は、突片31bによって強く係止されるため、凹溝33の開口部33aからのブラシユニット32の脱落が抑制される。
【0019】
次に、ブラシ34の製造方法について説明する。
図7〜図9に示すように、ブラシ34を製造する場合には、まず、複数のタテ糸38と複数のヨコ糸39とを織ってなる基布36に撚糸よりなる複数のパイル糸37を織り込む。このとき、各タテ糸38は基布36の長手方向に沿って延びているとともに、各ヨコ糸39は基布36の短手方向に沿って延びている。また、各パイル糸37は、図9及び図10に示すように、基布36の短手方向側から見てW字状をなすように該基布36に織り込まれている。パイル糸37には、フィラメントの太さが7デシテックスのポリアミド製の糸が使用されている。ポリアミド製の糸は、復元性及び耐摩耗性に優れているので、本用途に好適である。そして、各パイル糸37において、基布36に織り込まれた部分は織り込み部37aとされ、基布36上に立つように延びている部分は毛羽部37bとされている。
【0020】
すなわち、各パイル糸37は、織り込み部37aが平面視で基布36の長手方向に沿って延びており、該織り込み部37aの両端に毛羽部37bがそれぞれ一体に形成されている。したがって、各パイル糸37における各毛羽部37bは、該各パイル糸37の自由端になっている。織り込み部37aは、その両端部がヨコ糸39によって上側から支持されているとともに、その中央部がヨコ糸39によって下側から支持されている。すなわち、各パイル糸37は、織り込み部37aが3本のヨコ糸39によって3点で支持されているので、毛羽部37bの立毛性が高くなっている。本実施形態においては、パイル糸37のフィラメント単位の織り込み密度が1平方インチ当たり95000フィラメントとなるように設定されている。
【0021】
また、図11に示すように、基布36において各パイル糸37は千鳥状となるように規則的に配列されている。このとき、基布36における各パイル糸37の各毛羽部37bに着目した場合、基布36の長手方向(図11の矢印A1で示す方向)における各毛羽部37b間のピッチは、基布36の短手方向(図11の矢印B1で示す方向)における各毛羽部37b間のピッチよりも大きくなっている。すなわち、基布36の長手方向における各毛羽部37bの密度は、基布36の短手方向における各毛羽部37bの密度よりも低くなっている。そして、このような各パイル糸37が織り込まれた基布36を、各パイル糸37の各毛羽部37bが外側となるように、基布36の長手方向及び短手方向のうち各毛羽部37bの密度が低い方の方向である長手方向に沿って図11の矢印B2で示す方向にU字状に湾曲することで、ブラシ34が製造される。
【0022】
ここで、例えば、上述した各パイル糸37が織り込まれた基布36を、各パイル糸37の各毛羽部37bが外側となるように、基布36の長手方向及び短手方向のうち各毛羽部37bの密度が高い方の方向である短手方向に沿って図11の矢印A2で示す方向にU字状に湾曲することで、ブラシ34を製造すると、基布36の湾曲部分における各毛羽部37b間の隙間が大きく広がってしまい、ブラシ34の意匠性が低下するだけでなく、ブラシ34の機能性(床面F上の塵埃の掻き取り性能や床面Fに対する磨き性能)も低下してしまう。
【0023】
この点、本実施形態のブラシ34は、上述した各パイル糸37が織り込まれた基布36を、各パイル糸37の各毛羽部37bが外側となるように、基布36の長手方向及び短手方向のうち各毛羽部37bの密度が低い方の方向である長手方向に沿ってU字状に湾曲することで製造されるため、基布36の湾曲部分における各毛羽部37b間の隙間の広がりが抑制される。したがって、ブラシ34の意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することができる。
【0024】
次に、回転ブラシ装置22の作用について説明する。
さて、電気掃除機を使用するときには、図2に示すように、まず、ヘッド11を床面F上に載せる。この状態で電気掃除機を稼動させると、モータ18が駆動されるとともに、仕切板15の内側のエアがエア吸引口16を通り、接続パイプ13を介して図示しない電気掃除機の本体部内に吸引される。このとき、モータ18の駆動に連動して回転ブラシ装置22が左側から見て反時計回り(図2の矢印で示す方向)に回転されるとともに、該回転ブラシ装置22におけるブラシ34の各毛羽部37bが床面Fに摺接される。この各毛羽部37bの床面Fへの摺接により、該床面F上の塵埃が掻き取られてエアとともに図示しない電気掃除機の本体部内に吸引される。
【0025】
このとき、特にブラシ34における基布36の湾曲部分における各毛羽部37b間の隙間の広がりが抑制されているため、ブラシ34の機能が十分に発揮されるとともに、その意匠性も確保される。
【0026】
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)ブラシ34は、基布36が該基布36の長手方向(タテ糸38の延びる方向)及び該基布36の短手方向(ヨコ糸39の延びる方向)のうち各パイル糸37の各毛羽部37bの密度が低い方の方向である長手方向に沿って湾曲されている。このため、ブラシ34における基布36の湾曲された部分における各毛羽部37b間の隙間の広がりを抑制することができる。したがって、ブラシ34の意匠性及び機能性が低下することを好適に抑制することができ、ひいては回転ブラシ装置22における、意匠性、床面F上の塵埃の掻き取り性能、及び床面Fの拭き取り性能などを確実に維持することができる。
【0027】
(2)ブラシ34は、基布36に各パイル糸37がW字状をなすように織り込まれている。すなわち、ブラシ34は、各パイル糸37の織り込み部37aが3本のヨコ糸39によって3点で支持されているので、毛羽部37bの立毛性が高く該毛羽部37bが倒れ難くなっている。したがって、ブラシ34を電気掃除機用の回転ブラシ装置22に用いることで、該回転ブラシ装置22の機能性を向上することができる。
【0028】
ここで、本実施形態のブラシ34と、各パイル糸37を基布36に対してU字状をなすように織り込んだ一般的な一般ブラシとを比較する。図12に示すように、この一般ブラシ50では、基布36にU字状に織り込まれた各パイル糸51は、1本のヨコ糸39によって1点で支持されているだけなので、外力が作用すると、各パイル糸37が3点で支持された本実施形態のブラシ34に比べて、倒れやすくなっている。
【0029】
このため、例え、一般ブラシ50を、本実施形態のブラシ34と同様に、基布36の長手方向におけるパイル糸51の密度を基布36の短手方向におけるパイル糸51の密度よりも低く設定し、パイル糸51の密度が低い方の長手方向に沿って基布36をU字状に湾曲したとしても、この基布36の湾曲によって各パイル糸51に作用する力によって該各パイル糸51が図13に示すように倒れて(開いて)しまい、本実施形態のブラシ34と同様の効果を得ることはできない。
【0030】
したがって、本実施形態のように、パイル糸37をW字状に基布36に織り込むことは、ブラシ34の意匠性及び機能性を確保する上で非常に重要である。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0031】
・ブラシ34は、基布36を長手方向に沿って屈曲させた構成としてもよい。
・上記実施形態では各パイル糸37が基布36の短手方向側から見てW字状をなすように基布36に織り込まれるように構成したが、各パイル糸37が基布36の長手方向側から見てW字状をなすように基布36に織り込まれるように構成してもよい。この場合、各パイル糸37の各毛羽部37bの密度は、基布36における長手方向よりも短手方向の方が低くなるため、ブラシ34は基布36を短手方向に沿って湾曲させる構成にする必要がある。
【0032】
・ブラシ34は、電気掃除機の回転ブラシ装置22以外の用途、例えば、テレビや棚などの埃を払うためのブラシとして使用してもよい。
・ブラシ34は、基布36における各毛羽部37b側の面とは反対側の面に合成樹脂などからなるコーティング層を設けるようにしてもよい。このようにすれば、基布36のほつれを抑制することができるとともに、基布36と各パイル糸37とを強固に接合することができる。
【0033】
・ブラシユニット32から取付具35を省略し、回転体31にブラシ34を直接取り付けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0034】
(イ)前記各パイル糸は、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
このように構成すれば、各パイル糸を千鳥状に配列しない場合(例えば、各パイル糸を並列状に配列した場合)と比較して、各パイル糸を隙間なく配置できるので、より安定した拭き取り効果を得ることができる。
【0035】
(ロ)前記各パイル糸は、ポリアミドからなっていることを特徴とする請求項1または上記(イ)に記載のブラシ。
このように構成すれば、各パイル糸を復元性及び耐摩耗性に優れたものとすることができる。
【0036】
(ハ)前記基布における前記各パイル糸の自由端側の面とは反対側の面には、コーティング層が設けられていることを特徴とする請求項1、上記(イ)、及び上記(ロ)のうちいずれか一つに記載のブラシ。
【0037】
このように構成すれば、基布のほつれを抑制することができるとともに、基布と各パイル糸とを強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態における電気掃除機のヘッドを示す平断面図。
【図2】実施形態における電気掃除機のヘッドの使用状態を示す側断面図。
【図3】実施形態における電気掃除機の回転ブラシ装置を示す斜視図。
【図4】図3の側面拡大図。
【図5】実施形態におけるブラシユニットの斜視図。
【図6】図5の側面拡大図。
【図7】実施形態において、ブラシの製造途中の状態を示す断面斜視図。
【図8】図7の8−8線矢視拡大断面図。
【図9】図7の9−9線矢視拡大断面図。
【図10】実施形態において、基布にパイル糸を織り込んだ状態を示す拡大斜視図。
【図11】実施形態において、基布上のパイル糸の配列状態を示す平面簡略図。
【図12】パイル糸を基布上にU字状をなすように織り込んだ場合の状態を示す拡大斜視図。
【図13】パイル糸をU字状に織り込んだ基布を湾曲してなる一般ブラシを用いたブラシユニットを示す側面拡大図。
【符号の説明】
【0039】
11…電気掃除機のヘッド、22…回転ブラシ装置、31…回転体、34…ブラシ、36…基布、37…パイル糸、38…タテ糸、39…ヨコ糸、F…床面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタテ糸と複数のヨコ糸とを織ってなる基布上に複数のパイル糸がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなり、前記各パイル糸の自由端が外側となるように前記基布を屈曲または湾曲させてなるブラシであって、
前記基布は、前記タテ糸の延びる方向及び前記ヨコ糸の延びる方向のうち前記各パイル糸の密度が低い方の方向に沿って屈曲または湾曲されていることを特徴とするブラシ。
【請求項2】
床面上の塵埃を吸い込むためのヘッド内に回転可能に収容された回転体と、該回転体に取着されるブラシとを備え、前記ヘッドが床面上を移動する際に、前記回転体を回転させながら前記ブラシを床面に接触させるように構成された電気掃除機用の回転ブラシ装置であって、
前記ブラシは、請求項1に記載のブラシによって構成されていることを特徴とする電気掃除機用の回転ブラシ装置。
【請求項1】
複数のタテ糸と複数のヨコ糸とを織ってなる基布上に複数のパイル糸がW字状をなすように規則的に配列された状態で立つように織り込まれてなり、前記各パイル糸の自由端が外側となるように前記基布を屈曲または湾曲させてなるブラシであって、
前記基布は、前記タテ糸の延びる方向及び前記ヨコ糸の延びる方向のうち前記各パイル糸の密度が低い方の方向に沿って屈曲または湾曲されていることを特徴とするブラシ。
【請求項2】
床面上の塵埃を吸い込むためのヘッド内に回転可能に収容された回転体と、該回転体に取着されるブラシとを備え、前記ヘッドが床面上を移動する際に、前記回転体を回転させながら前記ブラシを床面に接触させるように構成された電気掃除機用の回転ブラシ装置であって、
前記ブラシは、請求項1に記載のブラシによって構成されていることを特徴とする電気掃除機用の回転ブラシ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−172011(P2009−172011A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10849(P2008−10849)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]