ブラシ用毛材
【課題】毛倒れを少なくすることができると共に、毛抜けを防止でき、製造コストも低減できるブラシ用毛材を提供する。
【解決手段】 洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材1において、前記ブラシ用毛材1は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体2が形成されてあると共に、前記帯板状体2は前記多数の繊維が接合された溶着部3が形成されている。
【解決手段】 洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材1において、前記ブラシ用毛材1は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体2が形成されてあると共に、前記帯板状体2は前記多数の繊維が接合された溶着部3が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のブラシ用毛材としては、1種類のブラシ用毛材をU字形に2つ折りしながら長尺チャンネルの溝に押し込んでチャンネルブラシとして使用するものがある(特許文献1)。
また、あらかじめ長尺チャンネルの溝に接着材が含浸され、この溝に1種類のブラシ用毛材を芯線でU字形に2つ折りしながら、芯線と共に長尺チャンネルの溝に押し込んで接着してチャンネルブラシとして使用するものがある(特許文献2)。
さらに、1種類のブラシ用毛材をU字形に2つ折りしながら長尺チャンネルの溝に押し込んだ後、ブラシ用毛材の側面に所定幅の接着層を形成してチャンネルブラシとして使用するものがある(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−275025号公報
【特許文献2】特開平8−38255号公報
【特許文献3】特開2004−33685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の特許文献1及び特許文献2に記載された技術では同じ材質の1種類の毛材を使用しているため、毛腰が弱く、使用回数が増すにつれて毛倒れし易くなっていた。また、特許文献3に記載された毛倒れを防止する構成を有するが、側面だけの接着なので、内部の毛まで接着されておらず、毛抜け防止の構造とはなっていなかった。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、毛倒れを少なくすることができると共に、毛抜けを防止でき、製造コストも低減できるブラシ用毛材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあると共に、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることに特徴を有する。上記構成では、溶着部が形成されていることによって、多数の繊維が一体となるので、帯板状体を維持することができ、一つのユニットとして量産することが可能となる。
【0007】
請求項2の発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、さらに異材質からなる多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が上下方向に積層して形成されてあると共に、積層された帯板状体は溶着部により接合されてあることに特徴を有する。上記構成では、溶着部が形成されていることによって、多数の繊維が一体となるので、帯板状体を維持することができ、一つのユニットとして量産することが可能となる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1及び2の発明において、帯板状体の略中央部に前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることに特徴を有する。したがって、略中央部が帯板状体を折り込む時の目印となり、毛丈を揃えることができる。
【0009】
請求項4の発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体とは異材質の多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が形成されてあり、前記他の帯板状体は前記帯板状体とは異材質の多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体と前記他の帯板状体が積層されていることに特徴を有する。上記構成では、溶着部が形成されていることによって、多数の繊維が一体となるので、帯板状体を維持することができ、一つのユニットとして量産することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2及び3の発明では、各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体に多数の繊維が接合された溶着部が形成されているので、帯板状体がバラバラにならず、毛抜けを防止できる。また、毛倒れを防ぐことができると共に、帯板状体を一つのユニットとして量産することができるので、容易に各種ブラシに適用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0011】
請求項4の発明は、各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、帯板状体が形成されてあり、この帯板状体は多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、この帯板状体とは異材質の他の帯板状体が形成されてあり、この他の帯板状体は前記帯板状体とは異材質の多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体と前記他の帯板状体が積層されているので、溶着によって、異材質の多数の繊維束が混毛することがなく、毛腰を強くすることができるので、毛倒れを防ぐことができると共に、毛抜けも防止でき、容易に各種ブラシに適用することができるので、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態を示す説明図である。先ず、図1(a)に示すように、ブラシ用毛材1は、多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体2を形成する。次に、図1(b)に示すように、帯板状体2の中央部分を溶着して溶着部3を形成するのである。この溶着部3は多数の繊維が接合されているので、帯板状体2はバラバラに毛が抜けることがない。したがって、この状態で量産することができ、図1(c)に示すように、帯板状体2の長手方向をロール状に巻いて一つのユニットとしてブラシ用毛材1を各種ブラシの製造に適用することができるのである。
【0013】
図2は、本発明のブラシ用毛材1をチャンネルブラシ4に適用した状態を示す斜視図である。この図に示すように、チャンネルブラシ4は、ブラシ用毛材1、帯状体5及び芯線6より構成されている。帯状体5は概コ字状の溝部7を有する長尺形状に形成されており、ブラシ用毛材1は芯線6及び帯状体5にて挟みつけて折り込んで形成されている。
【0014】
上記チャンネルブラシ4の製造方法を図3を用いて説明する。先ず、長尺の帯状体5に対して、ブラシ用毛材の中心にある溶着部3が帯状体5の上部になるように重ね合わせて設置し、縦ロール9を使用して芯線6にてブラシ用毛材1を挟み付けると共に、芯線6を概コ字状の溝部7に押し込む。次に、帯状体5の両側に形成された横ロール8、8を使用して帯状体5を両側からかしめる。その結果、図2に示したように中央部が帯状体5及び芯線6に挟み付けられて折り込まれた、密集且つ連続的に形成されてあるブラシ用毛材1を有するチャンネルブラシ4が形成される。
【0015】
図4は、本発明の第二実施形態を示す説明図である。図4(a)に示すように、先ず、1種類の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Aを形成する。次に、前述した帯板状体Aの繊維の上に、この繊維とは異材質の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Bを形成する。次に、図4(b)に示すように、積層された帯板状体A、Bの中央部分を溶着して溶着部3を形成するのである。この溶着部3は帯板状体Aと帯板状体Bの異材質の多数の繊維が接合されているので、帯板状体Aと帯板状体Bとは分離することがなく、このブラシ用毛材1aは、後述する各種ブラシに適用することができる。
【0016】
図5は、本発明の第三実施形態を示す説明図である。図5(a)に示すように、先ず、1種類の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Aを形成する。次に、この帯板状体Aの中央部分を溶着して溶着部3が形成されるのである。次に、図5(b)に示すように、前述した帯板状体Aの繊維とは異材質の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Bを形成する。次に、帯板状体Bの中央部分を溶着して溶着部3が形成されるのである。そして、図5(c)に示すように、帯板状体Aの上に帯板状体Bを積層するのである。したがって、帯板状体Aと帯板状体Bとは分離しているが、各々溶着されているので、混毛することがなく、このブラシ用毛材1bは、後述する各種ブラシに適用することができる。
【0017】
ここで、ブラシ用毛材は使用する目的に応じて、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリカーボネイト系繊維に代表されるポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウレタンゴム系繊維、アクリル系繊維、熱可塑性ポリビニルアルコール系繊維、熱可塑性フッ素系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維等の材質の中から、選定して使用する。また、抗菌繊維、微生物分解性繊維、発色性繊維、蛍光繊維、蓄光繊維、高強度繊維、静電性繊維、制電性繊維、伸縮性繊維、熱融着繊維、弾性繊維等の材質の中から、選定して使用する。さらにまた、上記以外にも、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、セラミック等の繊維、前記材質の合金の繊維、天然繊維、化学繊維、天然樹脂発泡体、合成樹脂発泡体、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムからなる繊維等の材質の中から、選定して使用できる。また、前記繊維は極細繊維の形態も設定できる。
【0018】
また、上述した溶着部の形成方法としては、超音波溶着、熱溶着、レーザー波溶着、電磁波溶着、高周波溶着等の様々な溶着方法が適用でき、帯板状体の中央部又は端部に関わらず、帯板状体を形成している多数の繊維を互いに接合可能であるならば、如何なる溶着部の形態も採用できる。
【0019】
図6〜図12に、上記第一乃至第三実施形態で示したブラシ用毛材1、1a及び1bの各種ブラシへの適用例を示す。先ず、図6に示すのは洗車機用洗浄ブラシ10に適用した場合であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。この図に示すように、洗車機用洗浄ブラシ10は回転体11の外周に4条の溝12が設けられており、この溝12にブラケット13を有するブラシ用毛材1を嵌め込むのである。
【0020】
図7はブラシ用毛材1、1a及び1bをねじりブラシ14に適用した場合である。この場合は、2本の金属製の棒部材15、15の間にブラシ用毛材1の中央部分を挟み、2本の金属製の棒部材15、15をねじっていくことによって、ねじりブラシ14が製作されるのである。このねじりブラシ14はエアコンのフィルタ清掃用、円形の穴の中の汚れやゴミの除去用、研磨、バリ取り用等に使用される。
【0021】
図8はブラシ用毛材1、1a及び1bを洗浄ブラシ16に適用した場合である。この洗浄ブラシ16は、ブラシ用毛材1によって形成されたチャンネルブラシ17を螺旋状に回転軸18に巻き付けたものであり、洗車機用、一般洗浄用、液晶、ウェハ、ガラス等の基板の洗浄用、掃除機用等に使用される。
【0022】
図9はブラシ用毛材1、1a及び1bを洗浄ブラシ19に適用した場合である。この洗浄ブラシ19は室内清掃用、洗車機用等に使用される。
【0023】
図10はブラシ用毛材1、1a及び1bを洗浄ブラシ20に適用した場合である。この洗浄ブラシ20は、回転軸21の溝部22にブラシ用毛材1にて形成されたチャンネルブラシ23を挿入し、捻ることによって製作される。この洗浄ブラシ20は、主に掃除機用床ノズルの回転ロータとして使用される。
【0024】
図11はブラシ用毛材1、1a及び1bを回転ロータ24に適用した場合の断面図である。この図に示すように、回転ロータ24の回転軸25の溝26の底にブラシ用毛材1の溶着部3が接触するように芯線6と共に押し込んで製作される。
【0025】
図12はブラシ用毛材1、1a及び1bをブラシロール27に適用した場合である。このブラシロール27は鉄鋼又は非鉄金属性の板材の表面の洗浄、清掃、研磨、研削及び表面処理に使用される。
【0026】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態をとることができることは言うまでもない。例えば、図5に示す第三実施形態のブラシ用毛材では帯板状体Aの上に帯板状体Bを積層して2層を形成しているが、帯板状体Bの上にさらに帯板状体Aを積層して・・・というように3層以上を形成することもできる。また、帯板状体Aや帯板状体Bとは異材質の多数の繊維を帯板状に並べて溶着部で接合されている帯板状体Cを積層して・・・というように3種類以上の異材質の帯板状体を積層してブラシ用毛材とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のブラシ用毛材は洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシを構成する一部品として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態を示す図である。
【図2】チャンネルブラシの斜視図である。
【図3】チャンネルブラシの製造方法を示す斜視図である。
【図4】本発明の第二実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第三実施形態を示す図である。
【図6】本発明のブラシ用毛材を洗車ブラシに適用した場合の図である。
【図7】本発明のブラシ用毛材をねじりブラシに適用した場合の図である。
【図8】本発明のブラシ用毛材を洗浄ブラシに適用した場合の図である。
【図9】本発明のブラシ用毛材を洗浄ブラシに適用した場合の図である。
【図10】本発明のブラシ用毛材を洗浄ブラシに適用した場合の図である。
【図11】本発明のブラシ用毛材を回転ロータに適用した場合の図である。
【図12】本発明のブラシ用毛材をブラシロールに適用した場合の図である。
【符号の説明】
【0029】
1、1a、1b ブラシ用毛材
2、A、B 帯板状体
3 溶着部
4 チャンネルブラシ
5 帯状体
6 芯線
7 溝部
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のブラシ用毛材としては、1種類のブラシ用毛材をU字形に2つ折りしながら長尺チャンネルの溝に押し込んでチャンネルブラシとして使用するものがある(特許文献1)。
また、あらかじめ長尺チャンネルの溝に接着材が含浸され、この溝に1種類のブラシ用毛材を芯線でU字形に2つ折りしながら、芯線と共に長尺チャンネルの溝に押し込んで接着してチャンネルブラシとして使用するものがある(特許文献2)。
さらに、1種類のブラシ用毛材をU字形に2つ折りしながら長尺チャンネルの溝に押し込んだ後、ブラシ用毛材の側面に所定幅の接着層を形成してチャンネルブラシとして使用するものがある(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−275025号公報
【特許文献2】特開平8−38255号公報
【特許文献3】特開2004−33685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の特許文献1及び特許文献2に記載された技術では同じ材質の1種類の毛材を使用しているため、毛腰が弱く、使用回数が増すにつれて毛倒れし易くなっていた。また、特許文献3に記載された毛倒れを防止する構成を有するが、側面だけの接着なので、内部の毛まで接着されておらず、毛抜け防止の構造とはなっていなかった。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、毛倒れを少なくすることができると共に、毛抜けを防止でき、製造コストも低減できるブラシ用毛材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあると共に、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることに特徴を有する。上記構成では、溶着部が形成されていることによって、多数の繊維が一体となるので、帯板状体を維持することができ、一つのユニットとして量産することが可能となる。
【0007】
請求項2の発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、さらに異材質からなる多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が上下方向に積層して形成されてあると共に、積層された帯板状体は溶着部により接合されてあることに特徴を有する。上記構成では、溶着部が形成されていることによって、多数の繊維が一体となるので、帯板状体を維持することができ、一つのユニットとして量産することが可能となる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1及び2の発明において、帯板状体の略中央部に前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることに特徴を有する。したがって、略中央部が帯板状体を折り込む時の目印となり、毛丈を揃えることができる。
【0009】
請求項4の発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体とは異材質の多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が形成されてあり、前記他の帯板状体は前記帯板状体とは異材質の多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体と前記他の帯板状体が積層されていることに特徴を有する。上記構成では、溶着部が形成されていることによって、多数の繊維が一体となるので、帯板状体を維持することができ、一つのユニットとして量産することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2及び3の発明では、各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体に多数の繊維が接合された溶着部が形成されているので、帯板状体がバラバラにならず、毛抜けを防止できる。また、毛倒れを防ぐことができると共に、帯板状体を一つのユニットとして量産することができるので、容易に各種ブラシに適用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0011】
請求項4の発明は、各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、帯板状体が形成されてあり、この帯板状体は多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、この帯板状体とは異材質の他の帯板状体が形成されてあり、この他の帯板状体は前記帯板状体とは異材質の多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体と前記他の帯板状体が積層されているので、溶着によって、異材質の多数の繊維束が混毛することがなく、毛腰を強くすることができるので、毛倒れを防ぐことができると共に、毛抜けも防止でき、容易に各種ブラシに適用することができるので、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態を示す説明図である。先ず、図1(a)に示すように、ブラシ用毛材1は、多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体2を形成する。次に、図1(b)に示すように、帯板状体2の中央部分を溶着して溶着部3を形成するのである。この溶着部3は多数の繊維が接合されているので、帯板状体2はバラバラに毛が抜けることがない。したがって、この状態で量産することができ、図1(c)に示すように、帯板状体2の長手方向をロール状に巻いて一つのユニットとしてブラシ用毛材1を各種ブラシの製造に適用することができるのである。
【0013】
図2は、本発明のブラシ用毛材1をチャンネルブラシ4に適用した状態を示す斜視図である。この図に示すように、チャンネルブラシ4は、ブラシ用毛材1、帯状体5及び芯線6より構成されている。帯状体5は概コ字状の溝部7を有する長尺形状に形成されており、ブラシ用毛材1は芯線6及び帯状体5にて挟みつけて折り込んで形成されている。
【0014】
上記チャンネルブラシ4の製造方法を図3を用いて説明する。先ず、長尺の帯状体5に対して、ブラシ用毛材の中心にある溶着部3が帯状体5の上部になるように重ね合わせて設置し、縦ロール9を使用して芯線6にてブラシ用毛材1を挟み付けると共に、芯線6を概コ字状の溝部7に押し込む。次に、帯状体5の両側に形成された横ロール8、8を使用して帯状体5を両側からかしめる。その結果、図2に示したように中央部が帯状体5及び芯線6に挟み付けられて折り込まれた、密集且つ連続的に形成されてあるブラシ用毛材1を有するチャンネルブラシ4が形成される。
【0015】
図4は、本発明の第二実施形態を示す説明図である。図4(a)に示すように、先ず、1種類の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Aを形成する。次に、前述した帯板状体Aの繊維の上に、この繊維とは異材質の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Bを形成する。次に、図4(b)に示すように、積層された帯板状体A、Bの中央部分を溶着して溶着部3を形成するのである。この溶着部3は帯板状体Aと帯板状体Bの異材質の多数の繊維が接合されているので、帯板状体Aと帯板状体Bとは分離することがなく、このブラシ用毛材1aは、後述する各種ブラシに適用することができる。
【0016】
図5は、本発明の第三実施形態を示す説明図である。図5(a)に示すように、先ず、1種類の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Aを形成する。次に、この帯板状体Aの中央部分を溶着して溶着部3が形成されるのである。次に、図5(b)に示すように、前述した帯板状体Aの繊維とは異材質の多数の繊維を帯板状に並べて帯板状体Bを形成する。次に、帯板状体Bの中央部分を溶着して溶着部3が形成されるのである。そして、図5(c)に示すように、帯板状体Aの上に帯板状体Bを積層するのである。したがって、帯板状体Aと帯板状体Bとは分離しているが、各々溶着されているので、混毛することがなく、このブラシ用毛材1bは、後述する各種ブラシに適用することができる。
【0017】
ここで、ブラシ用毛材は使用する目的に応じて、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリカーボネイト系繊維に代表されるポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウレタンゴム系繊維、アクリル系繊維、熱可塑性ポリビニルアルコール系繊維、熱可塑性フッ素系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維等の材質の中から、選定して使用する。また、抗菌繊維、微生物分解性繊維、発色性繊維、蛍光繊維、蓄光繊維、高強度繊維、静電性繊維、制電性繊維、伸縮性繊維、熱融着繊維、弾性繊維等の材質の中から、選定して使用する。さらにまた、上記以外にも、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、セラミック等の繊維、前記材質の合金の繊維、天然繊維、化学繊維、天然樹脂発泡体、合成樹脂発泡体、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムからなる繊維等の材質の中から、選定して使用できる。また、前記繊維は極細繊維の形態も設定できる。
【0018】
また、上述した溶着部の形成方法としては、超音波溶着、熱溶着、レーザー波溶着、電磁波溶着、高周波溶着等の様々な溶着方法が適用でき、帯板状体の中央部又は端部に関わらず、帯板状体を形成している多数の繊維を互いに接合可能であるならば、如何なる溶着部の形態も採用できる。
【0019】
図6〜図12に、上記第一乃至第三実施形態で示したブラシ用毛材1、1a及び1bの各種ブラシへの適用例を示す。先ず、図6に示すのは洗車機用洗浄ブラシ10に適用した場合であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。この図に示すように、洗車機用洗浄ブラシ10は回転体11の外周に4条の溝12が設けられており、この溝12にブラケット13を有するブラシ用毛材1を嵌め込むのである。
【0020】
図7はブラシ用毛材1、1a及び1bをねじりブラシ14に適用した場合である。この場合は、2本の金属製の棒部材15、15の間にブラシ用毛材1の中央部分を挟み、2本の金属製の棒部材15、15をねじっていくことによって、ねじりブラシ14が製作されるのである。このねじりブラシ14はエアコンのフィルタ清掃用、円形の穴の中の汚れやゴミの除去用、研磨、バリ取り用等に使用される。
【0021】
図8はブラシ用毛材1、1a及び1bを洗浄ブラシ16に適用した場合である。この洗浄ブラシ16は、ブラシ用毛材1によって形成されたチャンネルブラシ17を螺旋状に回転軸18に巻き付けたものであり、洗車機用、一般洗浄用、液晶、ウェハ、ガラス等の基板の洗浄用、掃除機用等に使用される。
【0022】
図9はブラシ用毛材1、1a及び1bを洗浄ブラシ19に適用した場合である。この洗浄ブラシ19は室内清掃用、洗車機用等に使用される。
【0023】
図10はブラシ用毛材1、1a及び1bを洗浄ブラシ20に適用した場合である。この洗浄ブラシ20は、回転軸21の溝部22にブラシ用毛材1にて形成されたチャンネルブラシ23を挿入し、捻ることによって製作される。この洗浄ブラシ20は、主に掃除機用床ノズルの回転ロータとして使用される。
【0024】
図11はブラシ用毛材1、1a及び1bを回転ロータ24に適用した場合の断面図である。この図に示すように、回転ロータ24の回転軸25の溝26の底にブラシ用毛材1の溶着部3が接触するように芯線6と共に押し込んで製作される。
【0025】
図12はブラシ用毛材1、1a及び1bをブラシロール27に適用した場合である。このブラシロール27は鉄鋼又は非鉄金属性の板材の表面の洗浄、清掃、研磨、研削及び表面処理に使用される。
【0026】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態をとることができることは言うまでもない。例えば、図5に示す第三実施形態のブラシ用毛材では帯板状体Aの上に帯板状体Bを積層して2層を形成しているが、帯板状体Bの上にさらに帯板状体Aを積層して・・・というように3層以上を形成することもできる。また、帯板状体Aや帯板状体Bとは異材質の多数の繊維を帯板状に並べて溶着部で接合されている帯板状体Cを積層して・・・というように3種類以上の異材質の帯板状体を積層してブラシ用毛材とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のブラシ用毛材は洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシを構成する一部品として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態を示す図である。
【図2】チャンネルブラシの斜視図である。
【図3】チャンネルブラシの製造方法を示す斜視図である。
【図4】本発明の第二実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第三実施形態を示す図である。
【図6】本発明のブラシ用毛材を洗車ブラシに適用した場合の図である。
【図7】本発明のブラシ用毛材をねじりブラシに適用した場合の図である。
【図8】本発明のブラシ用毛材を洗浄ブラシに適用した場合の図である。
【図9】本発明のブラシ用毛材を洗浄ブラシに適用した場合の図である。
【図10】本発明のブラシ用毛材を洗浄ブラシに適用した場合の図である。
【図11】本発明のブラシ用毛材を回転ロータに適用した場合の図である。
【図12】本発明のブラシ用毛材をブラシロールに適用した場合の図である。
【符号の説明】
【0029】
1、1a、1b ブラシ用毛材
2、A、B 帯板状体
3 溶着部
4 チャンネルブラシ
5 帯状体
6 芯線
7 溝部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあると共に、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることを特徴とするブラシ用毛材。
【請求項2】
洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、さらに異材質からなる多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が上下方向に積層して形成されてあると共に、積層された帯板状体は溶着部により接合されてあることを特徴とするブラシ用毛材。
【請求項3】
帯板状体の略中央部に前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることを特徴とする請求項1及び2に記載のブラシ用毛材。
【請求項4】
洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体とは異材質の多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が形成されてあり、前記他の帯板状体は前記帯板状体とは異材質の多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体と前記他の帯板状体が積層されていることを特徴とするブラシ用毛材。
【請求項1】
洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあると共に、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることを特徴とするブラシ用毛材。
【請求項2】
洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、さらに異材質からなる多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が上下方向に積層して形成されてあると共に、積層された帯板状体は溶着部により接合されてあることを特徴とするブラシ用毛材。
【請求項3】
帯板状体の略中央部に前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されていることを特徴とする請求項1及び2に記載のブラシ用毛材。
【請求項4】
洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシに用いられるブラシ用毛材において、前記ブラシ用毛材は、多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する帯板状体が形成されてあり、前記帯板状体は前記多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体とは異材質の多数の繊維を配列して積層した略一定の厚みを有する他の帯板状体が形成されてあり、前記他の帯板状体は前記帯板状体とは異材質の多数の繊維が接合された溶着部が形成されてあり、前記帯板状体と前記他の帯板状体が積層されていることを特徴とするブラシ用毛材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−330536(P2007−330536A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166312(P2006−166312)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】
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