ブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置
【課題】原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置において、ブランケットロール表面に残留したインキをムラ無く確実に除去することができ、長期間に亘って高い印刷精度を維持することができるブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置を提供すること。
【解決手段】原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置であって、前記転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するクリーニング機構を有しており、前記クリーニング機構は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルムと、該クリーニングフィルムをその表面を前記ブランケットロール表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構とを備えていることを特徴とする微細印刷装置。
【解決手段】原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置であって、前記転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するクリーニング機構を有しており、前記クリーニング機構は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルムと、該クリーニングフィルムをその表面を前記ブランケットロール表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構とを備えていることを特徴とする微細印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置に関し、より詳しくは、基材へのインキ転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するためのブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ガラスやフィルム等の基材に微細印刷を行う場合、高い硬度を有する材料からなる印版（鋼製のグラビアロール等）が使用される。
この場合、印版に供給されたインキをそのまま基材へと印刷することはできないため、印版に供給されたインキをブランケットと呼ばれるゴム状のシートを介して基材へと転写する方法（オフセット印刷方式）が使用される。
【０００３】
上記したように、オフセット印刷方式では、ブランケットは原版から受理したインキを基材へと転写するが、ブランケット表面に受理されたインキが基材へと１００％転写されることはないため、ブランケット表面にはインキが残留してしまう。
そのため、長時間に亘って連続して印刷を行うと、ブランケット表面に残留したインキが蓄積し、印刷精度が著しく低下する場合があった。
また、インキには溶剤が含まれているためブランケット表面にインキが長く付着すると、ブランケットに溶剤が浸透してブランケットを膨張させる。このことは、印刷精度を低下させるだけでなく、ブランケットの寿命を低下させる原因ともなる。
【０００４】
従来、ブランケットロール表面に付着したインキの除去は、手作業による洗浄により行われてきたが、手作業による洗浄は面倒である上に、洗浄作業時には装置を停止する必要があるため、稼動率の低下を招いていた。
このような問題点に鑑みて、手作業によることなく自動的にブランケットロール表面を洗浄するクリーニング機構を備えた印刷装置が開発されている。
【０００５】
例えば、下記特許文献１には、巻き取りローラに巻回された不織布を巻き取りローラに巻き取りながらブランケットロール表面に接触させるようにした印刷機用ブランケットクリーナーが開示されている。
【０００６】
しかしながら、この開示技術は、不規則に絡み合った繊維の毛細管現象を利用してインキを除去するものであるから、インキが十分に吸着される部分とそうでない部分が生じ、インキをムラ無く確実に除去することは困難であった。
また、除去ムラを少なくするためには、圧着パッドにより比較的強い力で不織布をブランケットロール表面に押し当てる必要があり、繊維がブランケットロール表面に付着して印刷精度を低下させるおそれがあった。
更に、常にブランケットロール表面に不織布が接触することから、残留インクが少ない状態でも不織布による拭き取りが自動的に行われることとなり、多量の不織布を必要とし、コストの増加を招いていた。
【０００７】
【特許文献１】実用新案登録第２５３４３４７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置において、ブランケットロール表面に残留したインキをムラ無く確実に除去することができ、長期間に亘って高い印刷精度を維持することができる、ブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に係る発明は、原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置であって、前記転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するクリーニング機構を有しており、前記クリーニング機構は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルムと、該クリーニングフィルムをその表面を前記ブランケットロール表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構とを備えていることを特徴とする微細印刷装置に関する。
【００１０】
請求項２に係る発明は、前記フィルム駆動機構は、前記クリーニングフィルムが巻回された巻き出しロールと、該巻き出しロールから巻き出されたクリーニングフィルムを前記ブランケットロール表面に接触させるクリーニングロールと、該ブランケットロール表面に接触した後のクリーニングフィルムを巻き取る巻き取りロールとを備えている請求項１記載の微細印刷装置に関する。
【００１１】
請求項３に係る発明は、前記クリーニングロールは、前記クリーニングフィルムを介して前記ブランケットロール表面に当接する少なくとも２つのロールからなることを特徴とする請求項２記載の微細印刷装置に関する。
【００１２】
請求項４に係る発明は、前記クリーニングロールの表面に緩衝材層を有することを特徴とする請求項２又は３記載の微細印刷装置に関する。
【００１３】
請求項５に係る発明は、前記クリーニングロールを前記ブランケットロールに対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えていることを特徴とする請求項２乃至４いずれかに記載の微細印刷装置に関する。
【００１４】
請求項６に係る発明は、前記フィルム駆動機構及びクリーニングロール移動機構が、予め設定された印刷回数毎に１回駆動されることを特徴とする請求項５記載の微細印刷装置に関する。
【発明の効果】
【００１５】
請求項１に係る発明によれば、クリーニングフィルム表面の粘着剤層がブランケットロール表面に接触しながら移動することにより、ブランケットロール表面に残存したインキをムラ無く確実に除去することができ、長期間に亘って高い印刷精度を維持することが可能となる。また、粘着剤を利用することによって、ブランケットロール表面に対する接触圧が低くてもインキを確実にムラ無く除去することができる。
【００１６】
請求項２に係る発明によれば、常に新しいクリーニングフィルムがブランケットロール表面に接触するようになるため、高いクリーニング力を発揮することができる。
【００１７】
請求項３に係る発明によれば、クリーニングロールが、クリーニングフィルムを介してブランケットロール表面に当接する少なくとも２つのロールからなることにより、クリーニングフィルムとブランケットロール表面との接触時間を長くとることができ、効率良く確実にインキを除去することが可能となる。
【００１８】
請求項４に係る発明によれば、クリーニングロールの表面に緩衝材層を有することにより、クリーニングロールからブランケットロールに加わる力を緩和することが可能となり、ブランケットロールの損傷を防ぐことができる。
【００１９】
請求項５に係る発明によれば、クリーニングロールをブランケットロールに対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えていることにより、印刷時にはクリーニングフィルムをブランケットロール表面から離反させ、クリーニング時にはクリーニングフィルムをブランケットロール表面に接触させることができる。
【００２０】
請求項６に係る発明によれば、フィルム駆動機構及びクリーニングロール移動機構が、予め設定された印刷回数毎に１回駆動されることにより、適当なサイクルでクリーニングフィルムをブランケットロール表面に接触させることができ、フィルムの使用量をクリーニング効果を発揮する最小限に抑えることができ、コストを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、本発明に係るブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置（以下、単に微細印刷装置と称す）の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図１は本発明に係る微細印刷装置の全体構成を示す側面図であり、図２は図１の要部拡大図である。
本発明に係る微細印刷装置は、原版（１）に供給されたインキをブランケットロール（２）を介して基材（図示略）に転写するオフセット印刷装置であり、インキを基材へと転写した後にブランケットロール（２）の表面に残存したインキを除去するクリーニング機構（３）を有している。
【００２２】
原版（１）としては、グラビアロールを代表的なものとして例示することができるが、本発明で使用される原版の種類はこれに限定はされず、凹版、凸版、平版のいずれであってもよい。また、版の形態（形状）はロール（版胴）であってもよいし、板状の平らな版であってもよい。
【００２３】
ブランケットロール（２）は、ゴム状シート（基布の表面にゴム層を設けたシート）（２１）を円筒（２２）の表面に巻き付けて固定した公知の構造のものであり（図３，４参照）、原版（１）に供給されたインキを受理して基材へと転写する役割を果たす。
【００２４】
本発明において、ブランケットロール（２）からインキが転写される基材（印刷対象物）は特に限定されず、半導体デバイスに用いられるガラス基板やシリコンウエハ、樹脂基板、樹脂フィルム等である。
微細印刷装置には水平方向に移動可能且つ昇降可能な基材テーブル（図示略）が設けられ、基材はこの基材テーブル上に載置固定されて、基材テーブルと共に移動する。
そして、印刷時には、基材テーブルがブランケットロール（２）の下方まで水平方向に移動してから上昇することにより、基材表面に供給されたインキがブランケットロール（２）の表面に受理される。インキ受理完了後は、基材テーブルは下降してブランケットロールの下方から離れる位置まで水平方向に移動する。
【００２５】
クリーニング機構（３）は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルム（４）と、クリーニングフィルム（４）をその表面をブランケットロール（２）の表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構（５）とを備えている。
【００２６】
図３はクリーニングロール（５２）とブランケットロール（２）との接触部分付近を示す拡大図であり、図４は図３においてクリーニングロール（５２）とブランケットロール（２）のみを抽出した図である。
クリーニングフィルム（４）は、基材層（４１）と粘着剤層（４２）とからなる。
基材層（４１）は、ＰＥＴ、ＰＰ、ＰＥ、ＰＵ、ＣＯＣ、ＣＯＰ等の合成樹脂フィルムからなる。
粘着剤層（４２）は、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコン系等の微粘着剤からなる層であり、その粘着力はＪＩＳＺ０２３７１に規定する粘着力が０．００１〜５０，０００Ｎ／１０ｍｍであることが好ましい。これは、粘着力が０．００１Ｎ／１０ｍｍ未満であるとブランケットロール表面の残留インキを十分に除去できず、５０，０００Ｎ／１０ｍｍを超えるとブランケットロール表面に粘着剤が付着するおそれがあり、いずれの場合も好ましくないからである。
【００２７】
微粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコン系や、アクリル系ポリマーにエポキシ系やイソシアネート系等の架橋剤を加えた架橋処理したもの、アクリル系ポリマーに光反応性のモノマー、オリゴマー又はポリマー等を加えて紫外線や熱により架橋処理したもの等を使用することができる。
【００２８】
フィルム駆動機構（５）は、クリーニングフィルム（４）が巻回された巻き出しロール（５１）と、巻き出しロール（５１）から巻き出されたクリーニングフィルム（４）をブランケットロール（２）の表面に接触させるクリーニングロール（５２）と、ブランケットロール（２）の表面に接触した後のクリーニングフィルム（４）を巻き取る巻き取りロール（５３）とを備えている。
巻き取りロール（５３）は、パウダークラッチにより張力を制御しながらモーターにて巻き取られる。
【００２９】
巻き出しロール（５１）と巻き取りロール（５３）は、ブランケットロール（２）から側方に離れた位置に配設されており、下方に巻き出しロール（５１）、上方に巻き取りロール（５３）が夫々配置されている。
クリーニングロール（５２）は、クリーニングフィルム（４）を介してブランケットロール（２）の表面に当接する２つのロールから構成されており、クリーニングフィルム（４）にテンションを付与してブランケットロール（２）表面に接触させる役割を果たしている。
巻き出しロール（５１）から巻き出されたクリーニングフィルム（４）は、２つのクリーニングロール（５２）の表面に沿って移動した後、巻き取りロール（５３）により巻き取られる。
【００３０】
クリーニングロール（５２）の数は図示例では２つとされているが、３つ以上であってもよい。
クリーニングロール（５２）が、少なくとも２つのロールからなることにより、クリーニングフィルム（４）とブランケットロール（２）表面との接触時間を長くとることができ、効率良く確実にインキを除去することが可能となる。
【００３１】
２つのクリーニングロール（５２）の中心とブランケットロール（２）の中心を結ぶ線の中心角（α）（図２参照）は、３０〜４０°とすることが好ましい。これは３０°未満であると、クリーニングフィルム（４）とブランケットロール表面との接触時間を長くとることができず、４０°を超えるとクリーニングフィルムのブランケットロール表面への接触が不十分となり、いずれの場合もインキ除去効率が低下することとなって好ましくないからである。
但し、中心角（α）が３０°未満のもの及び４０°を超えるものも本発明に含まれる。
【００３２】
クリーニングロール（５２）の表面には緩衝材層（５２１）が設けられており、緩衝材層（５２１）の表面にクリーニングフィルム（４）が配置されている。
緩衝材層（５２１）は、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、天然ゴム発泡シート、合成ゴム発泡シート等から形成されており、その厚みは、例えば０．０５〜２０ｍｍとされる。
このようにクリーニングロール（５２）の表面に緩衝材層（５２１）が設けられていることにより、クリーニングロール（５２）からブランケットロール（２）に加わる力を緩和することが可能となり、ブランケットロール（２）の損傷を防ぐことができる。
【００３３】
本発明に係る微細印刷装置は、更に、クリーニングロール（５２）をブランケットロール（２）に対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えている。
クリーニングロール移動機構は、リニアモータ、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ラックアンドピニオン等の任意のレシプロ駆動機構から構成することができ、その駆動はコンピュータからなる制御装置により制御することができる。図示例ではクリーニングロール移動機構として空圧シリンダ（６）が示されている。
２つのクリーニングロール（５２）は、１つの支承部材（７）に回動可能に設けられた回転軸（７１）に支承されている。支承部材（７）は長尺部材（８）の先端（右端）に固定されており、長尺部材（８）の基端（左端）には空圧シリンダ（６）のシリンダ軸の先端が接続されている。
【００３４】
図５はクリーニングロール移動機構の作用を示す図であって、（ａ）は印刷時の状態、（ｂ）はクリーニング時の状態を示している。
印刷時においては、空圧シリンダ（６）のシリンダ軸が短縮し、２つのクリーニングロール（５２）はブランケットロール（２）から離れた位置にある。
クリーニング時（非印刷時）においては、空圧シリンダ（６）のシリンダ軸が伸長し、２つのクリーニングロール（５２）はブランケットロール（２）の表面に近接し、クリーニングフィルム（４）がブランケットロール（２）の表面に接触する。そして、この状態で巻き取りロール（５３）が回転駆動することにより、クリーニングフィルム（４）が巻き出しロール（５１）から連続的に巻き出されて、その表面をブランケットロール（２）の表面に接触させながら移動することとなる。
【００３５】
このとき、クリーニングフィルム（４）表面の粘着剤層（４２）がブランケットロール（２）表面に接触しながら移動することにより、印刷後（基材への転写後）にブランケットロール表面に残存したインキをムラ無く確実に除去することができる。
また、粘着剤を利用してインキを除去する構成であるため、ブランケットロール（２）表面に対するクリーニングフィルム（４）の接触圧が低くてもインキを確実にムラ無く除去することができる。
更に、クリーニングフィルム（４）を巻き出しロール（５１）から連続的に巻き出してインクを除去した後に巻き取りロール（５３）で巻き取るワインダー方式が採用されていることにより、常に新しいクリーニングフィルムがブランケットロール表面に接触するようになって、高いクリーニング力を発揮することができる。
【００３６】
本発明において、フィルム駆動機構（５）及びクリーニングロール移動機構は予め設定された印刷回数毎に１回駆動されるように制御することが好ましい。具体的には、例えば印刷回数が１〜１００回毎にフィルム駆動機構（５）及びクリーニングロール移動機構を駆動させることが好ましい。
このような制御を行うことによって、クリーニングフィルム（４）の使用量をクリーニング効果を発揮し得る最小限に抑えることが可能となり、印刷コストを削減することができる。
このような制御は、上述した制御装置により、巻き取りロール（５３）を駆動するサーボモータと空圧シリンダ（６）の駆動を制御することにより実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
本発明は、グラビアオフセット印刷装置等のオフセット印刷装置に対して適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】本発明に係る微細印刷装置の全体構成を示す側面図である。
【図２】図１の要部拡大図である。
【図３】クリーニングロールとブランケットロールとの接触部分付近を示す拡大図である。
【図４】図３においてクリーニングロールとブランケットロールのみを抽出した図である。
【図５】クリーニングロール移動機構の作用を示す図であって、（ａ）は印刷時の状態、（ｂ）はクリーニング時の状態を示している。
【符号の説明】
【００３９】
１ 原版
２ ブランケットロール
３ クリーニング機構
４ クリーニングフィルム
４１ 基材層
４２ 粘着剤層
５ フィルム駆動機構
５１ 巻き出しロール
５２ クリーニングロール
５２１ 緩衝材層
５３ 巻き取りロール
６ 空圧シリンダ（クリーニングロール移動機構）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置に関し、より詳しくは、基材へのインキ転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するためのブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ガラスやフィルム等の基材に微細印刷を行う場合、高い硬度を有する材料からなる印版（鋼製のグラビアロール等）が使用される。
この場合、印版に供給されたインキをそのまま基材へと印刷することはできないため、印版に供給されたインキをブランケットと呼ばれるゴム状のシートを介して基材へと転写する方法（オフセット印刷方式）が使用される。
【０００３】
上記したように、オフセット印刷方式では、ブランケットは原版から受理したインキを基材へと転写するが、ブランケット表面に受理されたインキが基材へと１００％転写されることはないため、ブランケット表面にはインキが残留してしまう。
そのため、長時間に亘って連続して印刷を行うと、ブランケット表面に残留したインキが蓄積し、印刷精度が著しく低下する場合があった。
また、インキには溶剤が含まれているためブランケット表面にインキが長く付着すると、ブランケットに溶剤が浸透してブランケットを膨張させる。このことは、印刷精度を低下させるだけでなく、ブランケットの寿命を低下させる原因ともなる。
【０００４】
従来、ブランケットロール表面に付着したインキの除去は、手作業による洗浄により行われてきたが、手作業による洗浄は面倒である上に、洗浄作業時には装置を停止する必要があるため、稼動率の低下を招いていた。
このような問題点に鑑みて、手作業によることなく自動的にブランケットロール表面を洗浄するクリーニング機構を備えた印刷装置が開発されている。
【０００５】
例えば、下記特許文献１には、巻き取りローラに巻回された不織布を巻き取りローラに巻き取りながらブランケットロール表面に接触させるようにした印刷機用ブランケットクリーナーが開示されている。
【０００６】
しかしながら、この開示技術は、不規則に絡み合った繊維の毛細管現象を利用してインキを除去するものであるから、インキが十分に吸着される部分とそうでない部分が生じ、インキをムラ無く確実に除去することは困難であった。
また、除去ムラを少なくするためには、圧着パッドにより比較的強い力で不織布をブランケットロール表面に押し当てる必要があり、繊維がブランケットロール表面に付着して印刷精度を低下させるおそれがあった。
更に、常にブランケットロール表面に不織布が接触することから、残留インクが少ない状態でも不織布による拭き取りが自動的に行われることとなり、多量の不織布を必要とし、コストの増加を招いていた。
【０００７】
【特許文献１】実用新案登録第２５３４３４７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置において、ブランケットロール表面に残留したインキをムラ無く確実に除去することができ、長期間に亘って高い印刷精度を維持することができる、ブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に係る発明は、原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置であって、前記転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するクリーニング機構を有しており、前記クリーニング機構は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルムと、該クリーニングフィルムをその表面を前記ブランケットロール表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構とを備えていることを特徴とする微細印刷装置に関する。
【００１０】
請求項２に係る発明は、前記フィルム駆動機構は、前記クリーニングフィルムが巻回された巻き出しロールと、該巻き出しロールから巻き出されたクリーニングフィルムを前記ブランケットロール表面に接触させるクリーニングロールと、該ブランケットロール表面に接触した後のクリーニングフィルムを巻き取る巻き取りロールとを備えている請求項１記載の微細印刷装置に関する。
【００１１】
請求項３に係る発明は、前記クリーニングロールは、前記クリーニングフィルムを介して前記ブランケットロール表面に当接する少なくとも２つのロールからなることを特徴とする請求項２記載の微細印刷装置に関する。
【００１２】
請求項４に係る発明は、前記クリーニングロールの表面に緩衝材層を有することを特徴とする請求項２又は３記載の微細印刷装置に関する。
【００１３】
請求項５に係る発明は、前記クリーニングロールを前記ブランケットロールに対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えていることを特徴とする請求項２乃至４いずれかに記載の微細印刷装置に関する。
【００１４】
請求項６に係る発明は、前記フィルム駆動機構及びクリーニングロール移動機構が、予め設定された印刷回数毎に１回駆動されることを特徴とする請求項５記載の微細印刷装置に関する。
【発明の効果】
【００１５】
請求項１に係る発明によれば、クリーニングフィルム表面の粘着剤層がブランケットロール表面に接触しながら移動することにより、ブランケットロール表面に残存したインキをムラ無く確実に除去することができ、長期間に亘って高い印刷精度を維持することが可能となる。また、粘着剤を利用することによって、ブランケットロール表面に対する接触圧が低くてもインキを確実にムラ無く除去することができる。
【００１６】
請求項２に係る発明によれば、常に新しいクリーニングフィルムがブランケットロール表面に接触するようになるため、高いクリーニング力を発揮することができる。
【００１７】
請求項３に係る発明によれば、クリーニングロールが、クリーニングフィルムを介してブランケットロール表面に当接する少なくとも２つのロールからなることにより、クリーニングフィルムとブランケットロール表面との接触時間を長くとることができ、効率良く確実にインキを除去することが可能となる。
【００１８】
請求項４に係る発明によれば、クリーニングロールの表面に緩衝材層を有することにより、クリーニングロールからブランケットロールに加わる力を緩和することが可能となり、ブランケットロールの損傷を防ぐことができる。
【００１９】
請求項５に係る発明によれば、クリーニングロールをブランケットロールに対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えていることにより、印刷時にはクリーニングフィルムをブランケットロール表面から離反させ、クリーニング時にはクリーニングフィルムをブランケットロール表面に接触させることができる。
【００２０】
請求項６に係る発明によれば、フィルム駆動機構及びクリーニングロール移動機構が、予め設定された印刷回数毎に１回駆動されることにより、適当なサイクルでクリーニングフィルムをブランケットロール表面に接触させることができ、フィルムの使用量をクリーニング効果を発揮する最小限に抑えることができ、コストを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、本発明に係るブランケット表面のクリーニング機構を備えた微細印刷装置（以下、単に微細印刷装置と称す）の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図１は本発明に係る微細印刷装置の全体構成を示す側面図であり、図２は図１の要部拡大図である。
本発明に係る微細印刷装置は、原版（１）に供給されたインキをブランケットロール（２）を介して基材（図示略）に転写するオフセット印刷装置であり、インキを基材へと転写した後にブランケットロール（２）の表面に残存したインキを除去するクリーニング機構（３）を有している。
【００２２】
原版（１）としては、グラビアロールを代表的なものとして例示することができるが、本発明で使用される原版の種類はこれに限定はされず、凹版、凸版、平版のいずれであってもよい。また、版の形態（形状）はロール（版胴）であってもよいし、板状の平らな版であってもよい。
【００２３】
ブランケットロール（２）は、ゴム状シート（基布の表面にゴム層を設けたシート）（２１）を円筒（２２）の表面に巻き付けて固定した公知の構造のものであり（図３，４参照）、原版（１）に供給されたインキを受理して基材へと転写する役割を果たす。
【００２４】
本発明において、ブランケットロール（２）からインキが転写される基材（印刷対象物）は特に限定されず、半導体デバイスに用いられるガラス基板やシリコンウエハ、樹脂基板、樹脂フィルム等である。
微細印刷装置には水平方向に移動可能且つ昇降可能な基材テーブル（図示略）が設けられ、基材はこの基材テーブル上に載置固定されて、基材テーブルと共に移動する。
そして、印刷時には、基材テーブルがブランケットロール（２）の下方まで水平方向に移動してから上昇することにより、基材表面に供給されたインキがブランケットロール（２）の表面に受理される。インキ受理完了後は、基材テーブルは下降してブランケットロールの下方から離れる位置まで水平方向に移動する。
【００２５】
クリーニング機構（３）は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルム（４）と、クリーニングフィルム（４）をその表面をブランケットロール（２）の表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構（５）とを備えている。
【００２６】
図３はクリーニングロール（５２）とブランケットロール（２）との接触部分付近を示す拡大図であり、図４は図３においてクリーニングロール（５２）とブランケットロール（２）のみを抽出した図である。
クリーニングフィルム（４）は、基材層（４１）と粘着剤層（４２）とからなる。
基材層（４１）は、ＰＥＴ、ＰＰ、ＰＥ、ＰＵ、ＣＯＣ、ＣＯＰ等の合成樹脂フィルムからなる。
粘着剤層（４２）は、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコン系等の微粘着剤からなる層であり、その粘着力はＪＩＳＺ０２３７１に規定する粘着力が０．００１〜５０，０００Ｎ／１０ｍｍであることが好ましい。これは、粘着力が０．００１Ｎ／１０ｍｍ未満であるとブランケットロール表面の残留インキを十分に除去できず、５０，０００Ｎ／１０ｍｍを超えるとブランケットロール表面に粘着剤が付着するおそれがあり、いずれの場合も好ましくないからである。
【００２７】
微粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコン系や、アクリル系ポリマーにエポキシ系やイソシアネート系等の架橋剤を加えた架橋処理したもの、アクリル系ポリマーに光反応性のモノマー、オリゴマー又はポリマー等を加えて紫外線や熱により架橋処理したもの等を使用することができる。
【００２８】
フィルム駆動機構（５）は、クリーニングフィルム（４）が巻回された巻き出しロール（５１）と、巻き出しロール（５１）から巻き出されたクリーニングフィルム（４）をブランケットロール（２）の表面に接触させるクリーニングロール（５２）と、ブランケットロール（２）の表面に接触した後のクリーニングフィルム（４）を巻き取る巻き取りロール（５３）とを備えている。
巻き取りロール（５３）は、パウダークラッチにより張力を制御しながらモーターにて巻き取られる。
【００２９】
巻き出しロール（５１）と巻き取りロール（５３）は、ブランケットロール（２）から側方に離れた位置に配設されており、下方に巻き出しロール（５１）、上方に巻き取りロール（５３）が夫々配置されている。
クリーニングロール（５２）は、クリーニングフィルム（４）を介してブランケットロール（２）の表面に当接する２つのロールから構成されており、クリーニングフィルム（４）にテンションを付与してブランケットロール（２）表面に接触させる役割を果たしている。
巻き出しロール（５１）から巻き出されたクリーニングフィルム（４）は、２つのクリーニングロール（５２）の表面に沿って移動した後、巻き取りロール（５３）により巻き取られる。
【００３０】
クリーニングロール（５２）の数は図示例では２つとされているが、３つ以上であってもよい。
クリーニングロール（５２）が、少なくとも２つのロールからなることにより、クリーニングフィルム（４）とブランケットロール（２）表面との接触時間を長くとることができ、効率良く確実にインキを除去することが可能となる。
【００３１】
２つのクリーニングロール（５２）の中心とブランケットロール（２）の中心を結ぶ線の中心角（α）（図２参照）は、３０〜４０°とすることが好ましい。これは３０°未満であると、クリーニングフィルム（４）とブランケットロール表面との接触時間を長くとることができず、４０°を超えるとクリーニングフィルムのブランケットロール表面への接触が不十分となり、いずれの場合もインキ除去効率が低下することとなって好ましくないからである。
但し、中心角（α）が３０°未満のもの及び４０°を超えるものも本発明に含まれる。
【００３２】
クリーニングロール（５２）の表面には緩衝材層（５２１）が設けられており、緩衝材層（５２１）の表面にクリーニングフィルム（４）が配置されている。
緩衝材層（５２１）は、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、天然ゴム発泡シート、合成ゴム発泡シート等から形成されており、その厚みは、例えば０．０５〜２０ｍｍとされる。
このようにクリーニングロール（５２）の表面に緩衝材層（５２１）が設けられていることにより、クリーニングロール（５２）からブランケットロール（２）に加わる力を緩和することが可能となり、ブランケットロール（２）の損傷を防ぐことができる。
【００３３】
本発明に係る微細印刷装置は、更に、クリーニングロール（５２）をブランケットロール（２）に対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えている。
クリーニングロール移動機構は、リニアモータ、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ラックアンドピニオン等の任意のレシプロ駆動機構から構成することができ、その駆動はコンピュータからなる制御装置により制御することができる。図示例ではクリーニングロール移動機構として空圧シリンダ（６）が示されている。
２つのクリーニングロール（５２）は、１つの支承部材（７）に回動可能に設けられた回転軸（７１）に支承されている。支承部材（７）は長尺部材（８）の先端（右端）に固定されており、長尺部材（８）の基端（左端）には空圧シリンダ（６）のシリンダ軸の先端が接続されている。
【００３４】
図５はクリーニングロール移動機構の作用を示す図であって、（ａ）は印刷時の状態、（ｂ）はクリーニング時の状態を示している。
印刷時においては、空圧シリンダ（６）のシリンダ軸が短縮し、２つのクリーニングロール（５２）はブランケットロール（２）から離れた位置にある。
クリーニング時（非印刷時）においては、空圧シリンダ（６）のシリンダ軸が伸長し、２つのクリーニングロール（５２）はブランケットロール（２）の表面に近接し、クリーニングフィルム（４）がブランケットロール（２）の表面に接触する。そして、この状態で巻き取りロール（５３）が回転駆動することにより、クリーニングフィルム（４）が巻き出しロール（５１）から連続的に巻き出されて、その表面をブランケットロール（２）の表面に接触させながら移動することとなる。
【００３５】
このとき、クリーニングフィルム（４）表面の粘着剤層（４２）がブランケットロール（２）表面に接触しながら移動することにより、印刷後（基材への転写後）にブランケットロール表面に残存したインキをムラ無く確実に除去することができる。
また、粘着剤を利用してインキを除去する構成であるため、ブランケットロール（２）表面に対するクリーニングフィルム（４）の接触圧が低くてもインキを確実にムラ無く除去することができる。
更に、クリーニングフィルム（４）を巻き出しロール（５１）から連続的に巻き出してインクを除去した後に巻き取りロール（５３）で巻き取るワインダー方式が採用されていることにより、常に新しいクリーニングフィルムがブランケットロール表面に接触するようになって、高いクリーニング力を発揮することができる。
【００３６】
本発明において、フィルム駆動機構（５）及びクリーニングロール移動機構は予め設定された印刷回数毎に１回駆動されるように制御することが好ましい。具体的には、例えば印刷回数が１〜１００回毎にフィルム駆動機構（５）及びクリーニングロール移動機構を駆動させることが好ましい。
このような制御を行うことによって、クリーニングフィルム（４）の使用量をクリーニング効果を発揮し得る最小限に抑えることが可能となり、印刷コストを削減することができる。
このような制御は、上述した制御装置により、巻き取りロール（５３）を駆動するサーボモータと空圧シリンダ（６）の駆動を制御することにより実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
本発明は、グラビアオフセット印刷装置等のオフセット印刷装置に対して適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】本発明に係る微細印刷装置の全体構成を示す側面図である。
【図２】図１の要部拡大図である。
【図３】クリーニングロールとブランケットロールとの接触部分付近を示す拡大図である。
【図４】図３においてクリーニングロールとブランケットロールのみを抽出した図である。
【図５】クリーニングロール移動機構の作用を示す図であって、（ａ）は印刷時の状態、（ｂ）はクリーニング時の状態を示している。
【符号の説明】
【００３９】
１ 原版
２ ブランケットロール
３ クリーニング機構
４ クリーニングフィルム
４１ 基材層
４２ 粘着剤層
５ フィルム駆動機構
５１ 巻き出しロール
５２ クリーニングロール
５２１ 緩衝材層
５３ 巻き取りロール
６ 空圧シリンダ（クリーニングロール移動機構）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置であって、前記転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するクリーニング機構を有しており、
前記クリーニング機構は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルムと、該クリーニングフィルムをその表面を前記ブランケットロール表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構とを備えていることを特徴とする微細印刷装置。
【請求項２】
前記フィルム駆動機構は、前記クリーニングフィルムが巻回された巻き出しロールと、該巻き出しロールから巻き出されたクリーニングフィルムを前記ブランケットロール表面に接触させるクリーニングロールと、該ブランケットロール表面に接触した後のクリーニングフィルムを巻き取る巻き取りロールとを備えている請求項１記載の微細印刷装置。
【請求項３】
前記クリーニングロールは、前記クリーニングフィルムを介して前記ブランケットロール表面に当接する少なくとも２つのロールからなることを特徴とする請求項２記載の微細印刷装置。
【請求項４】
前記クリーニングロールの表面に緩衝材層を有することを特徴とする請求項２又は３記載の微細印刷装置。
【請求項５】
前記クリーニングロールを前記ブランケットロールに対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えていることを特徴とする請求項２乃至４いずれかに記載の微細印刷装置。
【請求項６】
前記フィルム駆動機構及びクリーニングロール移動機構が、予め設定された印刷回数毎に１回駆動されることを特徴とする請求項５記載の微細印刷装置。
【請求項１】
原版に供給されたインキをブランケットロールを介して基材に転写する微細印刷装置であって、前記転写後にブランケットロール表面に残存したインキを除去するクリーニング機構を有しており、
前記クリーニング機構は、表面に粘着剤層を有するクリーニングフィルムと、該クリーニングフィルムをその表面を前記ブランケットロール表面に接触させながら移動させるフィルム駆動機構とを備えていることを特徴とする微細印刷装置。
【請求項２】
前記フィルム駆動機構は、前記クリーニングフィルムが巻回された巻き出しロールと、該巻き出しロールから巻き出されたクリーニングフィルムを前記ブランケットロール表面に接触させるクリーニングロールと、該ブランケットロール表面に接触した後のクリーニングフィルムを巻き取る巻き取りロールとを備えている請求項１記載の微細印刷装置。
【請求項３】
前記クリーニングロールは、前記クリーニングフィルムを介して前記ブランケットロール表面に当接する少なくとも２つのロールからなることを特徴とする請求項２記載の微細印刷装置。
【請求項４】
前記クリーニングロールの表面に緩衝材層を有することを特徴とする請求項２又は３記載の微細印刷装置。
【請求項５】
前記クリーニングロールを前記ブランケットロールに対して近接離反させるクリーニングロール移動機構を備えていることを特徴とする請求項２乃至４いずれかに記載の微細印刷装置。
【請求項６】
前記フィルム駆動機構及びクリーニングロール移動機構が、予め設定された印刷回数毎に１回駆動されることを特徴とする請求項５記載の微細印刷装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１０−４２５５４（Ｐ２０１０−４２５５４Ａ）
【公開日】平成２２年２月２５日（２０１０．２．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２０７０７６（Ｐ２００８−２０７０７６）
【出願日】平成２０年８月１１日（２００８．８．１１）
【出願人】（５９３００８４２７）日本電子精機株式会社 (12)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年２月２５日（２０１０．２．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年８月１１日（２００８．８．１１）
【出願人】（５９３００８４２７）日本電子精機株式会社 (12)
【Ｆターム（参考）】
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