説明

ブランチングエンザイムを用いた排水の処理方法

【課題】
排水(例えば、米の研ぎ汁やうどんの茹で汁、ジャガイモスライスの洗浄水など)に含まれるデンプンやその処理物をブランチングエンザイムによって分解し、その酵素処理液を限外濾過により分離し、水及びデンプンまたはデンプン分解物を再利用する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
ブランチングエンザイムをデンプンやその処理物を含む排水やデンプン溶液に作用させ、その処理液を、限外濾過膜を用いて分画した。その結果、膜分画において、本酵素を作用させないデンプン排水と比較し、透過流速が上昇することを見出した。また、本酵素を作用させないデンプンやその処理物を含む排水の処理液と比較し、流出した濾液に対する透過流速の減少が低いことが判明した。このことは、限外濾過膜の目詰まり抑制にも効果を有していることを意味する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロースもしくは/及びアミロペクチンを含む溶液、又はそれらの分解物を含む溶液、もしくは懸濁液にブランチングエンザイムを作用させた後、もしくは作用中に、当該溶液を限外濾過することにより濃縮し、多糖類を分離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デンプンやその処理物を含む排水は、水公害の一因として川や湖の汚染をもたらす可能性があるとともに、有用成分を棄ててしまうことになる。よって、経済的ロスを少なくする見地から、その対応策が求められている。デンプン及びデンプン分解物の再利用、またはデンプンやその処理物を含む排水の水質改善策の一つとして、デンプン排水の高性能処理における膜濾過の利用が挙げられる。
【0003】
たとえば、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類やコムギ、トウモロコシ、米などに由来するデンプンを含む原料を利用している化学工場、食品工場、飲食店などの排水には、デンプン及びその処理物が含まれる。このようなデンプン及びその処理物を含む排水はBOD、CODを高めることから、排水処理の負荷となっている。
また、流出するデンプン及びその処理物を回収できれば、貴重な炭素源として、食品、動物飼料、植物の肥料、化学産業の原料として有効利用が可能となる。さらに、デンプン及びその処理物を排水から分離することにより、その濾液は水として再利用できる可能性を有している。
【0004】
デンプン及びその処理物を排水から分離する手法として、固形物であれば遠心分離や濾過などが利用可能であるが、溶解している多糖類の回収ができないなどの問題がある。固形物ばかりではなく、溶解している多糖類も含めて排水から分離する方法として、限外濾過膜を用いた方法がある。この方法では、デンプンに含有される数万から数百万の分子量を有する多糖類を濃縮、分離するが、限外濾過膜の目詰まり、及び濾過残液の粘度の増大よる濾過速度の急速な減少の問題があった。またデンプンおよびその処理物を分離するためには、適当な分画分子量の限外濾過膜を使用する必要がある。濾過速度を大きくするために、大きな分画分子量(例えば分子量10万以上)の限外濾過膜を利用した場合には、デンプン及びその処理物の分離が不充分で、排水中のBOD、CODが高くなってしまう問題があった。
【0005】
なお本願の先行技術文献を以下に示す。
【特許文献1】特開平7-213287
【特許文献2】特開平8-134104
【特許文献3】特開平8-311103
【特許文献4】特開2000-316581
【非特許文献1】生物工学会誌、第84巻、第2号、61-66、2006
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述の問題を鑑みてなされたものであり、本発明は、排水(例えば、米の研ぎ汁やうどんの茹で汁、ジャガイモスライスの洗浄水など)に含まれるデンプンやその処理物をブランチングエンザイムによって分解し、その酵素処理液を限外濾過により分離する方法を提供することを課題とする。また、水及びデンプンまたはデンプン分解物を再利用する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、ブランチングエンザイムをデンプンやその処理物を含む排水やデンプン溶液に作用させ、その処理液を限外濾過膜により分離することを試みた。その結果、本酵素を作用させないデンプン排水と比較し、本酵素を作用させたデンプン排水は透過流速が上昇することを見出した。
【0008】
また、ブランチングエンザイムを作用させた排水は、本酵素を作用させないデンプンやその処理物を含む排水と比較し、流出した濾液に対する透過流速の減少が低いことが判明した。このことは、本発明の方法が限外濾過膜の目詰まり抑制にも効果を有していることを意味する。
【0009】
さらに本発明の方法では、濾過膜の分画分子量にかかわらず、水とデンプン、水とデンプンの酵素分解物を分離することができる。本発明は、工業的な排水利用に有効な新規な処理方法を提供するものであり、以下〔1〕〜〔5〕を提供する。
〔1〕アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水の処理方法であって、該排水にブランチングエンザイムを作用させた後、または作用中に該排水を限外濾過する工程を含む方法、
〔2〕アミロース及び/又はアミロペクチンがデンプン由来である、〔1〕に記載の方法、
〔3〕デンプンが、少なくとも馬鈴薯、甘藷、トウモロコシ、コムギ、米からなる群より選択される植物に由来する、〔2〕に記載の方法、
〔4〕ブランチングエンザイムが微生物由来である、〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の方法、及び
〔5〕ブランチングエンザイムが以下(a)から(e)のいずれかに記載のポリヌクレオチドによりコードされる、〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の方法、
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号:2に記載された塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号:2に記載された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、又は
(e)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド
【発明の効果】
【0010】
本発明により、デンプンやその処理物を含む排水の処理方法が提供された。本発明の方法を用いることにより、デンプン及びその処理物を排水から分離することが可能である。
従来、デンプン溶液又はデンプンを多く含む食品加工廃液をUF膜処理した場合、目詰まりや濾過残液の粘度の増大よる濾過速度の急速な減少の問題があった。しかしながら本発明の方法では、限外濾過膜の透過速度が上昇した。また、流出した濾液に対する透過流速の減少が低く、限外濾過膜の目詰まりも抑制した。さらに、分子量10万以上の大きな分画分子量の限外濾過膜を利用した場合でも、デンプン及びその処理物を十分に分離することが出来た。
〔発明の実施の形態〕
【0011】
本発明は、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水の処理方法に関する。本発明においてアミロースとは、α-1,4結合によって連結されたグルコース単位から構成される直鎖状の分子である。またアミロペクチンとは、α-1,4結合によって連結されたグルコース単位に、α-1,6結合でグルコース単位が連結された、分枝鎖を含む分子である。
アミロース及び/又はアミロペクチンはデンプンを構成する。すなわち本発明は、デンプンやその処理物を含む排水の処理方法であって、該排水にブランチングエンザイムを作用させた後、または作用させながら、該排水を限外濾過する工程を含む方法に関する。
【0012】
デンプンは、植物による光合成反応の代謝産物であり、グルカンのうちの一つに属している。またその中でも、構成糖がα-グルコシド結合によって連結されるα-グルカンである。デンプン中には、アミロースとアミロペクチンが混在又はアミロースかアミロペクチンのどちらかが偏在している。アミロースとアミロペクチンの存在比は、デンプンを貯蔵する植物体によって異なる。また、同種の植物であっても、デンプンの生成器官である葉、茎、根、種子などの各々の組織において著しく量的な差がある。
【0013】
本発明において「デンプンやその処理物」とは天然のデンプン、50〜70%のアミロースを含むハイアミロースデンプン、トウモロコシの1種であるワキシー種由来のアミロースをほとんど含まず、ほとんどアミロペクチンからなるデンプン(ワキシーデンプン)、可溶性デンプン、デンプン枝切り酵素分解物、デンプン枝作り酵素分解物、デンプンホスホリラーゼ分解物、デンプン加水分解物、化工デンプン、およびこれらの誘導体などを含む。
【0014】
天然のデンプンとしては、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、甘藷デンプン、葛デンプン、わらびデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、大麦デンプン、米デンプン、キャッサバデンプン、ホウレンソウデンプンなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0015】
可溶性デンプンは、天然のデンプンに種々の処理を施すことで得られる水溶性のデンプンであり、化工デンプンは、天然のデンプンに加水分解、エステル化、またはα化などの処理を施して、より利用が容易な性質を持たせたデンプンである。
【0016】
上記デンプンには、うどんを茹でた際に得られる茹で汁、洗米の際に得られる米の研ぎ汁、ジャガイモ加工物の洗浄水などに含まれるデンプンも含まれる。
【0017】
本発明の排水の処理方法は、デンプンやその処理物を含む排水にブランチングエンザイムを作用させる工程を含む。ブランチングエンザイム(EC. 2.4.1.18)は、α-グルカン分子のα-1,4-グルコシド結合に作用して、糖転移反応によりα-1,6-グルコシド結合を生じる反応を触媒する酵素、いわゆる枝作り酵素である。ブランチングエンザイムは、グリコーゲンを精製するグリコーゲンブランチングエンザイム、アミロペクチンを生成するアミロペクチンブランチングエンザイムなどが存在する。特に後者はしばしば、Q-enzymeと称される。
【0018】
ブランチングエンザイムは、人間の肝臓や筋肉、ウサギの肝臓や筋肉、マウスの筋肉などの動物組織や、馬鈴薯塊茎、ホウレンソウ緑葉、トウモロコシ胚乳、米胚乳などの植物組織にも存在しており、また、Saccharomyces属、Aspergillus属、Cryptococcus属、Cryptospolidium属、Salmonella属、Yersinia属、Citrobacter属、Haemophillus属、Xanthomonas属、Vibrio属、Pseudomonas属、Alkalilimnicola属、Thiobacillus属、Bacillus属、Lactococcus属、Streptomyces属、Acidothermus属、Escherichia属、Geobacillus属などの微生物にも存在している。ブランチングエンザイムを産生する生物はこれらに限定されない。また、これらからブランチングエンザイム酵素を取り出すことが出来れば、利用することが可能である。たとえば、Saccharomyces cerevisiaeはNCBI-ID 856705、Aspergillus oryzaeはNCBI-ID 5999601、Cryptococcus neoformans JEC21はNCBI-ID 3253422、Cryptosporidium parvumはNCBI-ID 3375699、Salmonella typhimurium LT2はNCBI-ID 1255061、Yersinia pestis Antiqua はNCBI-ID 4119193、Citrobacter koseri ATCC BAA-895 はNCBI-ID 5583161、Haemophilus influenzae はNCBI-ID 5227881、Xanthomonas campestris pv. campestris ATCC 33913 はNCBI-ID 1001987、Vibrio fischeri はNCBI-ID 3280626、Pseudomonas aeruginosa PAO1 はNCBI-ID 881315、Alkalilimnicola ehrlichei はNCBI-ID 4270428、Thiobacillus denitrificans はNCBI-ID 3671534、Bacillus cereus ATCC 14579 はNCBI-ID 1207209、Lactococcus lactis subsp. cremoris SK11 は4432606、Streptococcus gordonii はNCBI-ID 5599664、Acidothermus cellulolyticus はNCBI-ID 4486232、Escherichia coli K-12 MG1655はNCBI-ID 947940、Geobacillus thermodenitrificansはNCBI-ID 4967708から容易に採取することができる。ここで、NCBI-IDとは、NCBIに登録されているGene IDのことである。
【0019】
ブランチングエンザイムは、上述したような動物、植物、微生物などの野生株由来のものを用いても良い。また、野生株を用いずとも、形質転換株を用いても良い。形質転換株の利用としては、以下の方法が挙げられる。ただし、形質転換株の取得方法は、これに限定されない。例えば、スターチブランチエンザイム(SBE)をコードする遺伝子を含むGenomic DNAを有する野生株からSBE遺伝子を抽出し、その遺伝子をベクターに組み込むことで発現プラスミドを作製する。その発現プラスミドを宿主(例えば、大腸菌など)に形質転換を行うことで、形質転換株を得る。この形質転換株を用いて、ブランチングエンザイムを取得する。ただし、ブランチングエンザイムの取得方法は、これに限定されない。
【0020】
取得された酵素がブランチングエンザイム活性(SBE活性)を有するか否かは、例えば、75mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.5)、0.05%(w/v)アミロースからなる組成液中で、50℃もしくは55℃で30分間、ブランチングエンザイムを作用させた後の反応産物をヨウ素で呈色することにより判定することが出来るが、この方法に限定されない。1分間に660nmにおける吸光度を1%低下させる活性を1Uとする。
【0021】
上述したブランチングエンザイムのうち、動物、植物、および中温性微生物由来のものは、全て25〜35℃程度の中温域で高い活性を有する酵素である。たとえば、大腸菌由来のブランチングエンザイムの反応至適温度は約30℃である(Guanら、Arch. Biochem. Biophys., Vol.342, p92-98 (1997) )。これらのブランチングエンザイムでも、使用することは可能である。より好ましくは、雑菌による反応系の汚染を防止するために、耐熱性を有するブランチングエンザイムが用いられる。
【0022】
耐熱性ブランチングエンザイムは、耐熱性であり、かつ高い反応至適温度を有することを特徴としている。この酵素は、好ましくは50℃で1時間、より好ましくは55℃で1時間の熱処理において十分な活性を保持し、好ましくは40〜65℃、より好ましくは45〜60℃、さらに好ましくは50〜55℃に反応至適温度を有する。
【0023】
本明細書において「反応至適温度」とは、75mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.5)、0.05%(w/v)アミロースが存在する条件下、各温度にて30分間、ブランチングエンザイムを作用させた際に、最も活性が高い結果を得た温度を意味する。
【0024】
本発明において、酵素は精製せずに使用してもよく、または精製して使用してもよい。
【0025】
なお本発明のブランチングエンザイムをコードするポリヌクレオチドには、以上のような方法によってクローニングされたゲノムDNA、あるいはcDNAの他、合成によって得られたDNAが含まれる。
【0026】
本発明の好ましいブランチングエンザイムとして、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が挙げられる。また配列番号:2に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が挙げられる。
【0027】
さらに本発明のブランチングエンザイムは、上記タンパク質のホモログを含む。本発明のブランチングエンザイムのホモログとは、配列番号:1に記載のアミノ酸配列に1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質を意味する。配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、たとえば100以下、通常50以下、好ましくは30以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、あるいは5以下のアミノ酸残基の変異は許容される。一般にタンパク質の機能の維持のためには、置換するアミノ酸は、置換前のアミノ酸と類似の性質を有することが好ましい。このようなアミノ酸残基の置換は、保存的置換と呼ばれている。例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trpは、共に非極性アミノ酸に分類されるため、互いに似た性質を有する。また、非荷電性としては、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glnが挙げられる。また、酸性アミノ酸としては、AspおよびGluが挙げられる。また、塩基性アミノ酸としては、Lys、Arg、Hisが挙げられる。これらの各グループ内のアミノ酸置換は許容される。
【0028】
本発明において、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等とは、当該タンパク質がブランチングエンザイム活性(SBE活性)を有することを意味する。タンパク質がブランチングエンザイム活性(SBE活性)を有するか否かは、上述の方法によって判定することが可能である。
【0029】
当業者であれば、配列番号:2に記載の塩基配列に部位特異的変異導入法(Nucleic Acid Res.10,pp.6487 (1982), Methods in Enzymol.100,pp.448 (1983), Molecular Cloning 2ndEdt., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989) , PCR A Practical Approach IRL Press pp.200 (1991) )などを用いて適宜置換、欠失、挿入、および/または付加変異を導入することにより、ブランチングエンザイムのホモログをコードするポリヌクレオチドを得ることができる。そのブランチングエンザイムのホモログをコードするポリヌクレオチドを宿主に導入して発現させることにより、配列番号:1に記載のブランチングエンザイムのホモログを得ることが可能である。
【0030】
さらに、本発明のブランチングエンザイムのホモログとは、配列番号:1に示されるアミノ酸配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上の同一性を有するタンパク質をいう。タンパク質の同一性検索は、例えばSWISS-PROT, PIR, DADなどのタンパク質のアミノ酸配列に関するデータベースやDDBJ、EMBL、あるいはGene-BankなどのDNA配列に関するデータベース、DNA配列を元にした予想アミノ酸配列に関するデータベースなどを対象に、BLASTなどのプログラムを利用して、例えば、インターネットを通じて行うことができる。
【0031】
さらに、本発明のブランチングエンザイムのホモログには、配列番号:2に記載された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが含まれる。ハイブリダイゼーションのストリンジェントな条件を具体的に例示すれば、例えば6×SSC、0.5%(W/V) SDS、100μg/ml 変性サケ精子DNA、5×デンハルト溶液(1×デンハルト溶液は0.2%ポリビニールピロリドン、0.2%牛血清アルブミン、および0.2%フィコールを含む)を含む溶液中、45℃、好ましくは55℃、より好ましくは60℃、さらに好ましくは65℃で一晩ハイブリダイゼーションを行い、ハイブリダイゼーション後の洗浄を、ハイブリダイゼーションと同じ温度にて、4×SSC、0.5% SDS、20分を3回行う条件である。より好ましくはハイブリダイゼーション後の洗浄を、ハイブリダイゼーションと同じ温度にて 4×SSC、0.5% SDS、20分を2回、2×SSC、0.5% SDS、20分を1回行う条件である。より好ましくはハイブリダイゼーション後の洗浄を、ハイブリダイゼーションと同じ温度にて 4×SSC、0.5% SDS、20分を2回、続いて 1×SSC、0.5% SDS、20分を1回行う条件である。より好ましくはハイブリダイゼーション後の洗浄を、ハイブリダイゼーションと同じ温度にて 2×SSC、0.5% SDS、20分を1回、続いて 1×SSC、0.5% SDS、20分を1回、続いて 0.5×SSC、0.5% SDS、20分を1回行う条件である。より好ましくはハイブリダイゼーション後の洗浄を、ハイブリダイゼーションと同じ温度にて 2×SSC、0.5% SDS、20分を1回、続いて 1×SSC、0.5% SDS、20分を1回、続いて 0.5×SSC、0.5% SDS、20分を1回、続いて 0.1×SSC、0.5% SDS、20分を1回行う条件である。
【0032】
本発明のブランチングエンザイムは、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等な活性を有する限り、付加的なアミノ酸配列を結合することができる。たとえば、ヒスチジンタグやHAタグのような、タグ配列を付加することができる。あるいは、他のタンパク質との融合タンパク質とすることもできる。また本発明のブランチングエンザイム、あるいはそのホモログは、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等な活性を有する限り、断片であってもよい。
【0033】
本発明に用いる限外濾過膜は、酢酸セルロース、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエチレンなどの有機素材、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素などの無機素材から構成されている濾過膜である。より好ましくは、ポリエーテルスルホン由来の限外濾過膜であり得る。
【0034】
本発明に用いる限外濾過膜の分画サイズは、1,000以上〜1,000,000以下を使用することができる。好ましくは10,000〜700,000、より好ましくは30,000〜500,000の細孔を有するものが良い。
一般的には分画分子量は小さすぎると、濾過速度が小さくなりすぎ、大きすぎると、デンプン分解物の分離が充分でなく、排水中にデンプン又はデンプン分解物が漏出してしまう可能性が高まる。しかし本発明によれば、分画分子量を大きくしても、デンプン分解物が排水中に漏出することなく分離することができる。
【0035】
限外濾過膜を用いた限外濾過による透過流速は、1分間に流出する濾液量と定義している。また、算出した透過流速より透過流速減少率を算出した。透過流速減少率は次のように定義している。
(透過流速減少率(%))=100×{1−(終了透過流速)÷(開始透過流速)}
【0036】
本発明において「排水の処理」とは、排水に含まれるアミロース及び/又はアミロペクチンを酵素化学的な活性によって排水から取り除くことを意味する。従って本発明の排水の処理方法は、例えば、「アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水から多糖類を分離する方法」と表現することも出来る。また、「アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水から多糖類を回収する方法」と表現することも出来る。また、「アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水の水質を改善する方法」と表現することも出来る。なおアミロース及び/又はアミロペクチンとしてはデンプン及びその処理物が挙げられる。
多糖類としては、デンプン (アミロース、アミロペクチン)、グリコーゲン、ペクチン、アガロースなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0037】
本発明において、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水にブランチングエンザイムを作用させる方法は、特に制限されない。例えば、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水にブランチングエンザイムを含む溶液を加えることに加え、ブランチングエンザイムを含む溶液にアミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水を加えることも可能である。また、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水とブランチングエンザイムを含む溶液を第3の容器に添加し、混合することにより、排水を処理することも可能である。
なお本発明においては、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水にブランチングエンザイムを作用させる工程と、当該工程により得られる処理液を排限外濾過する工程を同時に行うことも可能である。特に、デンプンやその処理物を含む排水処理の現場では、これらの工程を同時に行うことが好ましい。
【0038】
また本発明の方法は、以下のように表現することも出来る。
アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水の処理方法であって、以下の工程を含む方法。
(a)アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水にブランチングエンザイムを作用させる工程、及び
(b)工程(a)の排水を限外濾過する工程。
なお本発明においては、上述したように、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水にブランチングエンザイムを作用させた後に、当該排水を限外濾過することが可能である。また、アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水にブランチングエンザイムを作用させるのと同時に、当該排水を限外濾過することも可能である。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[実施例1]ゲノム採取
ポリペプトン 10g/L、Yeast extract 2g/L、硫酸マグネシウム・7水和物 1g/L、からなるpH 7.0に調製した50mLの液体培地に、Geobacillus sp. NBRC15315を接種し、60℃、21時間、振とう培養した。
【0040】
得られた培養液からGeobacillus sp. NBRC15315を遠心分離によって集菌した。その菌体からGenomic DNAを採取した。Genomic DNAは、Genomic Tip-100/G(QIAGEN製)Kitにより調製した。
【0041】
[実施例2]得られたGenomic DNAに含まれるブランチングエンザイム遺伝子のクローニング
Geobacillus sp. NBRC15315より得られたGenomic DNAに含まれるスターチブランチングエンザイム(以下、SBEと称す)遺伝子のクローニングを行うために、2種のDNAプライマー(それぞれGeoSBE-A3、GeoSBE-T1)を設計した。以下に設計したプライマー及びアンチプライマーの塩基配列を示す。
配列番号3:GeoSBE-A3
ctgcatATGATTGCTGCAAATCCGACAGA
配列番号4:GeoSBE-T1
cacaagcttaTTAATGATCCGGTACTTCACCCCAAAC
【0042】
これら2種のDNAプライマーと調製したGenomic DNA溶液を用いてDNAのクローニングを行った。すなわち、PfuUltra用buffer中に、2種のDNAプライマーとGenomic DNA 溶液と0.2mM dNTPと2.5UのPfuUltraを組成とする50μLの溶液を調製し、これを95℃、30秒;50℃、30秒;72℃、2分を1サイクルとして30サイクル繰り返した。その結果、約2kbのDNA断片が増幅された。
【0043】
[実施例3]増幅したSBE酵素の全体を含むプラスミドの作製
SBE酵素の全体を含むプラスミドの作製を図1に示す方法にて行った。すなわち、PCRより得られたDNA断片をNdeI、HindIIIで切断し、SBE遺伝子を含むDNA断片を得た。更にNdeI-HindIII処理したベクターpSE420U(WO 2006-132145)と連結し、SBE酵素の発現プラスミドpSU-GBE1を作製した。
【0044】
[実施例4]大腸菌によるSBE酵素の生産
実施例3で作製したプラスミドpSE-GBE1をHanahan法により、大腸菌HB101に導入し、形質転換株 E.coli HB101(pSU-GBE1) を得た。この形質転換株を以下の方法により培養を行った。
Tryptone 20g/L、Yeast extract 10g/L、NaCl 10g/LからなるpH7.0に調製した液体培地1.2Lを含む2.0L-ミニジャーファンメーターに形質転換株を接種し、33.0℃、18時間、攪拌速度580rpm、air 0.5L/minにて本培養した。誘導発現には、IPTG-inductionを採用した。
【0045】
[実施例5]形質転換株のSBE酵素反応
実施例4にて得られた培養液を1Lの遠沈管に分注し、遠心分離によって集菌した。その菌体に2-メルカプトエタノール0.02%を含む50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を加え、ガラスビーズを用いて破砕し、遠心分離によって、未破砕菌体および菌体の残渣を除いた粗酵素液を得た。
【0046】
得られた粗酵素液のSBE酵素活性を測定したところ、野生株Geobacillus sp.NBRC 15315に比べ38倍の活性の向上が見られた。
【0047】
[実施例6]粗酵素液の熱処理
実施例5にて得られた粗酵素液を、55℃、1時間にて熱処理を行い、冷却後、遠心分離により熱処理酵素液を調製した。
【0048】
[実施例7]馬鈴薯デンプン溶液へのSBE酵素の利用および限外濾過膜を用いた濾過
20mLの1%馬鈴薯デンプン(WAKO試薬)溶液に、実施例6で得られた酵素液を、180U添加し、55℃、90rpmで6時間、振とう反応させた。
【0049】
その得られた処理液を以下の方法により、濾過検討を行った。攪拌式セル model 8010(日本ミリポア(株)製)に1×105分画のバイオマックスPBTK(日本ミリポア(株)製)を設置し、上記の酵素処理した馬鈴薯デンプン反応液を10mL注加し、濾過圧力2kgf/cm2の条件で、透過流速および透過流速減少率を測定した。また、対照として20mLの1%馬鈴薯デンプン溶液に、酵素を含まないリン酸カリウム緩衝液を加え、55℃で6時間反応させた反応液を用いた。それぞれの反応液の透過流速、流出した濾液量の関係を図2に示した。その結果、SBE酵素を作用させていない反応液の透過速度減少率は52%、SBE酵素を作用させた反応液の透過流速減少率は35%となった。なお、流出した濾液量4mLの透過流速を終了透過流速とした。
これらのことから、1%馬鈴薯デンプン溶液にSBE酵素を加え、反応させることで、その反応液の限外濾過膜を用いたUF濾過において透過流速が上昇し、また透過流速減少率の値が低いことが確認された。このことから、本発明の方法では限外濾過膜の目詰まり抑制にも効果があることが見出された。
【0050】
[実施例8]甘藷デンプン溶液へのSBE酵素の利用および限外濾過膜を用いた濾過
20mLの2.5%甘藷デンプン(WAKO試薬)溶液に、実施例6で得られた酵素液を、450U添加し、55℃、90rpmで6時間、振とう反応させた。
【0051】
その得られた処理液を実施例7と同様の条件で、透過流速および透過流速減少率の評価を行った。また、対照として20mLの2.5%甘藷デンプン溶液に、酵素を含まないリン酸カリウム緩衝液を加え、55℃で6時間反応させた反応液を用いた。それぞれの反応液の透過流速、流出した濾液量の関係を図3に示した。また、SBE酵素を作用させていない反応液の透過速度減少率は39%、SBE酵素を作用させた反応液の透過流速減少率は13%となった。なお、流出した濾液量3mLの透過流速を終了透過流速とした。
これらのことから、2.5%甘藷デンプン(WAKO試薬)溶液にSBE酵素を加え、反応させることで、その反応液の限外濾過膜を用いたUF濾過において透過流速が上昇し、また透過流速減少率の値が低いことが確認された。このことから、本発明の方法では限外濾過膜の目詰まり抑制にも効果があることが見出された。
【0052】
[実施例9]トウモロコシデンプン溶液へのSBE酵素の利用および限外濾過膜を用いた濾過
20mLの2.5%トウモロコシデンプン(WAKO試薬)溶液に、実施例6で得られた酵素液を、450U添加し、55℃、90rpmで6時間、振とう反応させた。
【0053】
その得られた処理液を実施例7と同様の条件で、透過流速および透過流速減少率の評価を行った。また、対照として20mLの2.5%トウモロコシデンプン溶液に、酵素を含まないリン酸カリウム緩衝液を加え、55℃で6時間反応させた反応液を用いた。それぞれの反応液の透過流速、流出した濾液量関係を図4に示した。また、SBE酵素を作用させていない反応液の透過速度減少率は51%、SBE酵素を作用させた反応液の透過流速減少率は34%となった。なお、流出した濾液量4mLの透過流速を終了透過流速とした。
これらのことから、2.5%トウモロコシデンプン溶液にSBE酵素を加え、反応させることで、その反応液の限外濾過膜を用いたUF濾過において透過流速が上昇し、また透過流速減少率の値が低いことが確認された。このことから、本発明の方法では限外濾過膜の目詰まり抑制にも効果があることが見出された。
【0054】
[実施例10]コムギデンプン溶液へのSBE酵素の利用および限外濾過膜を用いた濾過
20mLの2.5%コムギデンプン溶液に、実施例6で得られた酵素液を、450U添加し、55℃、90rpmで6時間、振とう反応させた。
【0055】
その得られた処理液を実施例7と同様の条件で、透過流速および透過流速減少率の評価を行った。また、対照として20mLの2.5%コムギデンプン溶液に、酵素を含まないリン酸カリウム緩衝液を加え、55℃で6時間反応させた反応液を用いた。それぞれの反応液の透過流速、流出した濾液量の関係を図5に示した。また、SBE酵素を作用させていない反応液の透過速度減少率は63%、SBE酵素を作用させた反応液の透過流速減少率は26%となった。なお、流出した濾液量4mLの透過流速を終了透過流速とした。
これらのことから、2.5%コムギデンプン溶液にSBE酵素を加え、反応させることで、その反応液の限外濾過膜を用いたUF濾過において透過流速が上昇し、また透過流速減少率の値が低いことが確認された。このことから、本発明の方法では限外濾過膜の目詰まり抑制にも効果があることが見出された。
【0056】
[実施例11]うどんの茹で汁へのSBE酵素の利用およびメンブレン膜を用いた濾過
鍋に、2160gの水を入れ、鍋を火にかけ、沸騰した時点で、240gの市販の生うどん(株式会社 さぬき麺心、高松(池上))を、打ち粉を払い落とした後、鍋に入れ、13分間攪拌しながら、加熱した。このようにしてできたうどんの茹で汁20mLに、SBE酵素を176U添加し、55℃、90rpmで1日振とう反応した。
【0057】
その反応液を、実施例7と同様の方法によってUF濾過を行った。対照として、酵素を含まないリン酸カリウム緩衝液のみを加えたうどん茹で汁を用いた。それぞれの反応液の透過流速、流出した濾液量の関係を図6に示した。これらのことから、SBE酵素を加え、反応させることで、限外濾過膜を用いたUF濾過において透過流速が上昇したことが確認された。
【0058】
[実施例12]限外濾過膜によるUF濾過の濾液分析
実施例7にて得られた濾液にデンプンおよびデンプンのSBE酵素分解物が流出している可能性が考えられるので、デンプンの優れた定量法であるグルコアミラーゼ-グルコースオキシダーゼ法により分析した。2mL-エッペンドルフチューブに濾液500μL注加し、480μLの200mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.5)と15μLの520U/mLグルコアミラーゼ溶液(Wako生化学用)と5μLの1010U/mLα-アミラーゼ溶液(ビオザイムF10SD)を添加し、40℃、50分間保温した。この溶液を氷上にて冷却後、グルテストEII(三和化学研究所(株)製)を用いて、グルコース量を分析した。分析したグルコース量に0.9を乗じて、デンプン量とし、希釈度と試料量を計算して濾液中のデンプン含量をもとめた。その結果、濾液に含まれているデンプンおよびデンプンのSBE酵素分解物は検出限界(0.36g/L)以下であることが分かり、実施例8にて用いた限外濾過膜によって、ほとんどすべてのデンプン及びデンプンのSBE酵素分解物が除去できていることが確認された。また同様に分画分子量500,000の限外濾過膜[バイオマックスPBVK(日本ミリポア(株)製)]を用いて実施例7と同様に実験を行った。その結果、濾液に含まれるデンプンのSBE分解物は検出限界(0.36g/L)以下であり、ほとんどすべてのデンプン及びデンプンのSBE酵素分解物が除去できていることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】耐熱性ブランチングエンザイム遺伝子の全体を含むプラスミドの作製を示す図である。
【図2】1%馬鈴薯デンプン溶液を55℃、90rpmにて6時間振とう反応した処理液を限外濾過膜にてUF濾過した時の、透過流速を示したグラフである。流出した濾液1mLごとに算出している。
【図3】2.5%甘藷デンプン溶液を55℃、90rpmにて6時間振とう反応した処理液を限外濾過膜にてUF濾過した時の、透過流速を示したグラフである。流出した濾液1mLごとに算出している。
【図4】2.5%トウモロコシデンプン溶液を55℃、90rpmにて6時間振とう反応した処理液を限外濾過膜にてUF濾過した時の、透過流速を示したグラフである。流出した濾液1mLごとに算出している。
【図5】2.5%コムギデンプン溶液を55℃、90rpmにて6時間振とう反応した処理液を限外濾過膜にてUF濾過した時の、透過流速を示したグラフである。流出した濾液1mLごとに算出している。
【図6】うどん茹で汁を55℃、90rpmに24時間振とう反応した処理液を限外濾過膜にてUF濾過した時の、透過流速を示したグラフである。流出した濾液1mLごとに算出している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミロース及び/又はアミロペクチンを含む排水の処理方法であって、該排水にブランチングエンザイムを作用させた後、または作用中に該排水を限外濾過する工程を含む方法。
【請求項2】
アミロース及び/又はアミロペクチンがデンプン由来である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
デンプンが、少なくとも馬鈴薯、甘藷、トウモロコシ、コムギ、米からなる群より選択される植物に由来する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ブランチングエンザイムが微生物由来である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ブランチングエンザイムが以下(a)から(e)のいずれかに記載のポリヌクレオチドによりコードされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法;
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号:2に記載された塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号:2に記載された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、又は
(e)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−148409(P2010−148409A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329263(P2008−329263)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】