説明

ブローオフ測定装置及びブローオフ測定方法

【課題】 小粒径のキャリアを用いた現像剤であっても、確実に電荷量の測定を行なうことができ、なおかつ、キャリアがメッシュ開口に密着して詰まってしまうことのない、微細な開口を有するメッシュ部を備えたブローオフ測定装置を提供すること。
【解決手段】 帯電したトナー及び前記トナーと逆極性に帯電したキャリアを含む現像剤と、前記現像剤を収容する容器と、前記容器内に気体を吹き付けることにより帯電状態のままトナーのみを前記容器内から容器外へ通過させて除去せしめうる開口を有するメッシュ部とを備え、前記気体の吹き付け後、容器内に残ったキャリアの持つ電荷量を検出することにより除去されたトナーの電荷量を求めるブローオフ測定装置において、前記メッシュ部の少なくとも1部が樹脂製の細線を編んだ少なくとも1枚の樹脂メッシュによって構成されており、前記樹脂メッシュに、金属から構成される前記樹脂メッシュよりも目開きの大きい金属メッシュを、少なくとも1枚、重ねて設けたことを特徴とするブローオフ測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ等において、トナー評価装置としてブローオフ測定装置を用いるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真記録装置における現像剤として、トナーとキャリアからなる2成分の現像剤を用いる場合が数多く見受けられる。そして、この2成分の現像剤を用いる場合には、トナーの持つ電荷量が画質に大きな影響を与える。このため、良好な画質を得るために、トナーの持つ電荷量を適正化するための評価手段が必要となり、この評価手段として、例えばブローオフと呼ばれる評価手段が用いられてきている。この評価手段では、トナーのみを通過させ得る径を備えた開口を一部に有する金網(メッシュ)を張った金属容器中に、キャリアにトナーが静電気的に付着している現像剤を入れた後、乾燥空気等の気体を吹き付けて、トナーとキャリアを撹拌しつつ、トナーのみを金属容器外へ吹き飛ばしている。これにより容器全体としてトナーの電荷量と同じ電荷量で逆極性を有する電荷が検出できるので、この評価手段を用いてトナーの電荷量を検出していた。
【0003】
以下にブローオフ測定を行なう従来の装置(特許文献1参照)の概略を説明する。
図1に示されるブローオフ評価装置において評価する2成分現像剤は、トナー(11)とトナー(11)よりも径の大きいキャリア(12)とが摩擦帯電により逆極性の電荷を有するように帯電しており、静電的な力でキャリア(12)の周囲に複数のトナー(11)が付着している。この状態で、全体としての電荷の総和は0である。
また、金属製の容器(13)の一部がメッシュ部(14)より構成されており、メッシュ部(14)の開口径はトナー(11)の径よりも大きく、キァリア(12)の径よりも小さくなっている。そして、この容器(13)の中に前述した現像剤を収容しておき、外部からノズル(15)で気体(16)を吹き付けることによりトナー(11)とキャリア(12)を撹拌しつつ物理的に分離する。さらには、メッシュ(14)の開口よりも小さい分離されたトナー(11)のみが、メッシュ(14)の開口を通過して外部へと吹き飛ばされる。この際にトナー(11)は帯電したまま吹き飛ばされるために容器(13)全体では、トナー(11)と逆極性の電荷が検出される。このようにして得られた電荷量からトナー(11)の帯電評価を行なうのがブローオフ評価による評価方法である。
【0004】
しかしながら近年では、2成分現像剤のキャリア粒径が小さくなる、即ち、トナーとキャリアの径の差が小さくなる傾向にあり、これに伴いブローオフによる評価を行なう際に、トナーとキャリアを分離する働きを有する金網(メッシュ)の開口径の微細化が要求されると共に、高い精度のものが要求されている。ところが、従来のメッシュはSUSの細線を編んで作ったものが一般的であり、このようにして作ったメッシュの開口径は線の太さによる制限があり、工業的に利用するには既に限界を迎えていた。
現像剤を収容した現像剤容器をアルミ合金又はステンレス製のメッシュで閉じた上でトナーを吸引し除去することによって、現像剤容器に電荷量差及び重量差が発生し、同様に帯電量を求めることを内容とする特許文献2記載の技術、セルの側壁を構成する好ましくは円筒形のハウジングと、ハウジングの下端部に設けられた分離用ステンレス製メッシュと、ハウジング上端部に設けられ、1以上の通気口を有する上蓋43を備え、全体として導電性であり非磁性である金属材料で構成されているセルを用いることを内容とする特許文献2記載の技術、下部に金属製メッシュ及び上部中央に小径の通気穴を有するユニットセルに二成分系現像剤を充填し、前記メッシュを通して吸引することにより、ユニットセル内部の中央部に現像剤の下向きの流れとユニットセルの器壁に沿って上向きの流れを発生させると共に上記メッシュの下側から上記メッシュの下面付近に向けて空気流を発生させ、メッシュを通して分離したトナーをユニットセル外に排出し、ユニットセル内の現像剤の重量減少或いは排出トナー量からトナー濃度を算出し且つユニットセルの電荷量から帯電量を算出することを内容とする二成分系現像剤におけるトナー濃度及び平均帯電量の測定に関する特許文献3、4、5、6、7記載の技術も同様である。
【0005】
上記の問題を解決する方法としては、例えば、樹脂材料にレーザーを照射することによって形成したメッシュをメッシュ部に採用したブローオフ測定装置(特許文献1参照)が提案されている。この方法によって形成されたメッシュは微細な開口を有し、小粒径のキャリアを用いた現像剤についてもトナーとキャリアを分離することが可能であり、ブローオフ評価を行なうことが可能である。しかし、メッシュ作成時の照射レーザー光の拡散により、メッシュ開口の形状が円形に近くなってしまう。特に、この傾向は微細な開口を形成しようとすればするほど顕著である。
一般に、キャリアの投影形状は円形に近いが、メッシュ開口の形状が円形に近くなると、円形に近い投影形状で粒径がメッシュ開口径よりも僅かに大きいキャリアがメッシュ開口に隙間なく密着してしまい、メッシュ開口が詰まってしまう。このようにしてメッシュ開口が密閉してしまうと、キャリアとトナーの分離ができなくなるばかりでなく、吹き込んだ気体が逃げ場を失い、最悪の場合、メッシュを破損してしまう。また、このようにしてメッシュ開口にキャリアが密着してしまうと、メッシュからキャリアを取り除くことが大変難しくなる。そのため、この方法はメッシュを洗浄して再利用するには不向きであり、メッシュの寿命が短い。
【0006】
前述の金属メッシュを形成する方法とは異なり、電析によるメッシュ形成方法も考えられている。しかし、この電析法によると、メッキの成長が等方的であるためにメッシュの各開口の間隔を大きく取らねばならず、開口率を充分に得ることが困難となってしまう。そしてこの開口率が充分でないと、ブロー時に容器内部撹拌が充分に行なわれず、さらにはトナーを吹き飛ばす力も不充分となり、正確な結果が得にくいという問題点が生じてしまう。また、その製造工程はフォトリソグラフィーなど長く複雑である。
【0007】
【特許文献1】特開平9−218533号公報
【特許文献2】特開2001−124810号公報
【特許文献3】特開2000−194187号公報
【特許文献4】特開平10−26883号公報
【特許文献5】特開平9−101680号公報
【特許文献6】特開平10−26877号公報
【特許文献7】特許第3269949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであって、小粒径のキャリアを用いた現像剤であっても、確実に電荷量の測定を行なうことができ、なおかつ、キャリアがメッシュ開口に密着して詰まってしまうことのない、微細な開口を有するメッシュ部を備えたブローオフ測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意検討を行なった。本発明はこれに基づいてなされたものである。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「帯電したトナー及び前記トナーと逆極性に帯電したキャリアを含む現像剤と、前記現像剤を収容する容器と、前記容器内に気体を吹き付けることにより帯電状態のままトナーのみを前記容器内から容器外へ通過させて除去せしめうる開口を有するメッシュ部とを備え、前記気体の吹き付け後、容器内に残ったキャリアの持つ電荷量を検出することにより除去されたトナーの電荷量を求めるブローオフ測定装置において、前記メッシュ部の少なくとも1部が樹脂製の細線を編んだ少なくとも1枚の樹脂メッシュによって構成されており、前記樹脂メッシュに、金属から構成される前記樹脂メッシュよりも目開きの大きい金属メッシュを、少なくとも1枚、重ねて設けたことを特徴とするブローオフ測定装置」、(2)「前記金属メッシュを、前記容器に対して前記樹脂メッシュの外側に設けたことを特徴とする前記第(1)項に記載のブローオフ測定装置」、(3)「前記金属メッシュを、前記樹脂メッシュの両面に設けたことを特徴とする前記第(1)項に記載のブローオフ測定装置」、(4)「前記メッシュ部が前記容器のすべての開口に設けられていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のブローオフ測定装置」、(5)「前記樹脂メッシュの表面に導電膜を形成したことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のブローオフ測定装置」、(6)「前記樹脂メッシュがナイロン製であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のブローオフ測定装置」、(7)「前記樹脂メッシュがポリエステル製であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のブローオフ測定装置」、(8)「前記容器内に吹き付けられた気体を吸引する手段を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のブローオフ測定装置」により解決される。
また、上記課題は、本発明の(9)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のブローオフ測定装置を使用したことを特徴とする帯電量測定方法」により解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のブローオフ測定装置を用いることによって、小粒径のキャリアを使用している現像剤においても確実にトナーとキャリアの分離を行なうことが可能となり、従来のブローオフ測定装置よりも正確な帯電量測定を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明者らは、本発明の課題を解決すべく鋭意検討を行ない、ブローオフ測定装置のメッシュ部を樹脂製の細線を編んだ樹脂メッシュと金属から構成される前記樹脂メッシュよりも目開きの大きい金属メッシュによって構成するという、上記課題を解決するにあたって非常に有効な技術構想を新規に考案した。
【0012】
ブローオフ測定装置のメッシュ部は、現像剤中のトナーとキャリアを分離し、また、電気的なシールドを形成して電気力線の漏れを防ぐといった役割がある。そのためにも(1)トナーを通過させキャリアを通過させない程度の開口径を有する、(2)気体を吹き込んでも破損しない強度を有する、(3)導電性を有する、という条件を満たしている必要がある。SUSの細線を編んで作成されたメッシュはこれらの条件をよく満たすため、ブローオフ測定装置のメッシュ部に一般的によく使われている。
【0013】
近年では、電子写真の高画質化という市場の要望から2成分現像剤のキャリア粒径を小さくする傾向がある。そのため、トナーを通過させキャリアを通過させないという条件を満たすためにも、更に開口径が微細で高精度の金属メッシュが求められている。しかし、金属メッシュでは、線の太さの制限により開口径の微細化が工業的には限界に達しており、これ以上の開口径の微細化は容易には実現できない。
【0014】
樹脂製の細線を編んだ樹脂メッシュは、金属細線を編んだ金属メッシュよりも微細なメッシュ開口を形成することが可能であり、開口径が1μmのメッシュからでも広く市販されている。しかし、樹脂メッシュは金属メッシュに比べて強度が弱いために破損しやすく、また、絶縁性であるために電気的なシールドを形成できず、正確な測定を行なえないという欠点がある。
【0015】
そこで、図2のように測定用容器のメッシュ部を樹脂メッシュ(21)と金属メッシュ(22)を重ねる構成とすることで、上記の(1)〜(3)のメッシュ部条件のうち(1)の役割を樹脂メッシュにて果たし、金属メッシュを樹脂メッシュの補強とすることで樹脂メッシュの端部に力が集中することを防ぐことから(2)の条件を満たし、更に、金属メッシュを用いることで電気的なシールドを形成し(3)の条件も満たすことが可能となることを本発明者らは見出した。
【0016】
メッシュ部における樹脂メッシュと金属メッシュは、それぞれ1枚ずつでもメッシュ部として充分な役割を果たすが、メッシュ部の強度を更に高めるために何れも2枚以上使用してもよい。また、キャリアの容器外への飛び出しを防ぐために樹脂メッシュを2枚以上使用してもよい。
【0017】
本発明における樹脂メッシュは樹脂製の細線を編んだものがよい。細線を編んだメッシュであればメッシュ開口の形状は微細開口であっても方形となり、キャリアがメッシュ開口に詰まっても、キャリアの投影形状が円形に近いため、完全に密閉してしまうことがない。そのため、吹き付けられた気体は常に逃げ場を失うことなく排出していくことができ、結果としてメッシュ部にかかるストレスを少なくすることができる。また、詰まったキャリアとメッシュ開口が密着しないため、メッシュを洗浄すると容易にキャリアを洗い落とすことができる。さらに、メッシュとして編まれている細線に、細線と垂直方向にも僅かながらの自由度があることもキャリアを洗い落とす容易さの要因の一つとなる。
本発明においては、トナーとキャリアを分離させるために必要なメッシュサイズはトナーとキャリアのサイズによって異なるため、特に好ましいサイズといったものを確定して説明することは難しい。しかし、SUSメッシュは目開きが20μm以下になると急激に価格が上昇するため、キャリアとトナーの分離に20μm以下の目開きのメッシュを必要とした場合に、樹脂メッシュに目開き20μm以下のものを用いると、コスト的なスタンスからいえば有効的であるのは事実である。
【0018】
金属メッシュ(22)は、図2のように容器側からみて樹脂メッシュ(21)の外側に配置することが好ましい。金属メッシュと樹脂メッシュが完全に接着してあれば金属メッシュを容器側からみて樹脂メッシュの内側に配置しても構わないが、吹き付けた気体が容器から排出される方向に金属メッシュを配置したほうが、物理的な強度の観点から好ましい。また、電気的な観点からも、シールドは容器の最外面に形成することが好ましく、そのため、金属メッシュを容器側からみて樹脂メッシュの外側に配置することが好ましい。
【0019】
また、図3のように金属メッシュ(22)を容器側からみて樹脂メッシュ(21)の外側だけでなく、内側にも設けることが好ましい。金属メッシュを容器側からみて樹脂メッシュの外側に設けるだけでも測定は可能であるが、内側に金属メッシュを設けることで、現像剤が樹脂メッシュと摩擦帯電を起こしてしまうことをある程度防ぐことができる。また、メッシュ部の強度を更に強固なものとできるという利点もある。
【0020】
前記メッシュ部は前記容器の全ての開口に設けられていることが好ましい。具体的には、容器における気体の排出口だけでなく、吹き付け口にも設けられていることが好ましい。吹き付けられた気体の流れによって現像剤は気体排出口のメッシュ部にてトナーとキャリアの分離が行なわれるが、吹き付けられた気体の一部が逆流し、気体が吹き付け口から排出される場合もあり、その場合は気体吹き付け口においてもトナーとキャリアの分離が行なえるようにしておくことが好ましい。そこで、気体排出口にもメッシュ部を設けることで、逆流した気体に乗った現像剤についてもトナーとキャリアの分離を行なうことができ、更に正確な測定を行なうことが可能となる。
【0021】
樹脂メッシュはそのまま用いても構わないが、樹脂メッシュ表面に導電膜を形成することで現像剤と樹脂メッシュとの間の摩擦帯電を防ぐことができ、また、電気的なシールドを形成することもできるので好ましい。
【0022】
導電膜の形成は、スパッタリング、真空蒸着、CVD等の成膜プロセスによって行なうことができる。特にスパッタリングによる成膜では、金属粒子がターゲットよりランダムな方向に飛び出すので、メッシュ開口の内部にまでも到達可能であり、その結果、開口内部も金属による成膜を行なうことができる。このように、スパッタリングによる成膜方法は、他の成膜方法に比べてより完全に導電処理を行なうことができるので、好ましい方法である。
【0023】
樹脂メッシュの材料は特に限定されるものではなく、メッシュを作成できるのであればナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂等の公知の樹脂を使用することができる。その中でも耐久性や耐薬品性が高いことからナイロン樹脂、耐久性や耐候性が高いことからポリエステル樹脂を用いることが好ましい。市販されているものであれば、SEFAR社(スイス)製NITEX(ナイロンメッシュ)、PETEX(ポリエステルメッシュ)等が例として挙げられる。
【0024】
本発明のブローオフ測定装置には、図4のように、例えば特開平8−313487号公報にて示されているような、容器に吹き付けられた気体を吸引する手段を設けていてもよい。本発明では小粒径のキャリアとトナーを分離させるために開口径の小さい樹脂メッシュを使用しているが、メッシュの開口径が小さいために、比較的、容器中への気体の流入、容器からの気体の流出の度合いが低い。そこで、容器に吹き付けられた気体を吸引する手段を設けることで、気体の流れを促進し、トナーとキャリアの分離を円滑に行なうことができる。
【0025】
容器に吹き付ける気体は、特に規定はしないが、測定対象の現像剤の帯電状態を変化させないためにもできるだけ乾燥した空気、もしくは窒素を用いることが好ましい。水分を多く含む気体を使用すると、現像剤の帯電量が減少し、測定対象状態の現像剤の測定結果が正確に得られない恐れがある。
【0026】
実際に、体積平均粒径8μmのトナーと体積平均粒径30μmのキャリアを用いて作成した現像剤について、メッシュ部に開口20μmのSUS製メッシュを用いて図1のように構成したブローオフ測定装置を用いて帯電量測定を行なったところ、ブロー後の現像剤の質量は現像剤中に存在していたはずのキャリア質量よりも少なくなった。これは、キャリアに粒径分布があるために、小粒径のキャリアがメッシュ部にてトナーと分離することなく容器外に排出されてしまったことを意味する。このように、トナーと分離されずに容器外に排出されるキャリアの量が多いと、測定に対する誤差が大きくなり、正しい帯電量測定が行なえない。
【0027】
そこで、図4に示す構成にて、樹脂メッシュに開口径15μmのナイロン製メッシュ、金属メッシュに開口90μmのSUS製メッシュを用いて同様の帯電量測定を行なったところ、ブロー後の現像剤質量は現像剤中に存在していたはずのキャリア質量とほぼ同量となった。このことから、本発明のブローオフ測定装置では従来のブローオフ測定装置よりも正確なトナー帯電量を測定することができるといえる。
また、使用後の樹脂メッシュを有機溶媒中にて超音波洗浄を10分間行ない、乾燥させた後に光学顕微鏡にてメッシュ開口を観察したところ、樹脂メッシュ開口中に残存しているキャリアが非常に少ないことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来のブローオフ測定装置を示す図である。
【図2】本発明のブローオフ測定装置の一例を示す図である。
【図3】本発明のブローオフ測定装置の他の例を示す図である。
【図4】本発明のブローオフ測定装置の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
11 トナー
12 キャリア
13 容器
14 メッシュ部
15 気体吹き付けノズル
16 ブロー気体
21 樹脂メッシュ
22 金属メッシュ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電したトナー及び前記トナーと逆極性に帯電したキャリアを含む現像剤と、前記現像剤を収容する容器と、前記容器内に気体を吹き付けることにより帯電状態のままトナーのみを前記容器内から容器外へ通過させて除去せしめうる開口を有するメッシュ部とを備え、前記気体の吹き付け後、容器内に残ったキャリアの持つ電荷量を検出することにより除去されたトナーの電荷量を求めるブローオフ測定装置において、前記メッシュ部の少なくとも1部が樹脂製の細線を編んだ少なくとも1枚の樹脂メッシュによって構成されており、前記樹脂メッシュに、金属から構成される前記樹脂メッシュよりも目開きの大きい金属メッシュを、少なくとも1枚、重ねて設けたことを特徴とするブローオフ測定装置。
【請求項2】
前記金属メッシュを、前記容器に対して前記樹脂メッシュの外側に設けたことを特徴とする請求項1に記載のブローオフ測定装置。
【請求項3】
前記金属メッシュを、前記樹脂メッシュの両面に設けたことを特徴とする請求項1に記載のブローオフ測定装置。
【請求項4】
前記メッシュ部が前記容器のすべての開口に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のブローオフ測定装置。
【請求項5】
前記樹脂メッシュの表面に導電膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のブローオフ測定装置。
【請求項6】
前記樹脂メッシュがナイロン製であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のブローオフ測定装置。
【請求項7】
前記樹脂メッシュがポリエステル製であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のブローオフ測定装置。
【請求項8】
前記容器内に吹き付けられた気体を吸引する手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のブローオフ測定装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のブローオフ測定装置を使用したことを特徴とする帯電量測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−29897(P2006−29897A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206989(P2004−206989)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】