説明

ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期

ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期のための方法及び装置である。本発明の一実施形態では、ネットワーク要素がブロードキャストインターフェース上での上記ブロードキャストネットワークの代表ルータとの隣接関係をもたらすことに応じて、上記ネットワーク要素は、当該ネットワーク要素のリンク状態アドバタイズメント(LSA)の中で、上記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの擬似ノード隣接関係をアドバタイズする代わりに、上記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有する上記ブロードキャストネットワークの各メンバへのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズする。各P2P隣接関係は、トランジットトラフィックのための上記リンクの使用を阻止するために高コストを含む。LDPが、上記ブロードキャストインターフェース上で全てのネイバと動作可能になった後に、上記ネットワーク要素は、上記P2P隣接関係の代わりに上記擬似ノード隣接関係をアドバタイズする。したがって、上記ネットワーク要素を通したトランジットトラフィックは、LDPが上記ブロードキャストインターフェース上で全てのネイバと動作可能となるまで回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ネットワークの分野に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、ブロードキャストネットワークについてのLDP(ラベル分配プロトコル:Label Distribution Protocol)及びIGP(内部ゲートウェイプロトコル:Interior Gateway Protocol)の同期に関する。
【背景技術】
【0002】
2007年10月の"LDP Specification"、RFC5036に記載されているLDPは、宛先へのLSP(ラベル交換パス:Label Switched Path)を確立するために使用され、典型的には、LOP(例えば、ネットワーク内のホップ間のコスト行列)についての基本的なルーティング情報を提供するためのIGP(例えば、1998年4月の"OSPF Version 2",STD54,RFC2328の中で定義されるOSPF(Open Shortest Path First)、1992年の“intermediate system to intermediate system intra-domain-roυting routine information exchange protocol for use in conjunction with the protocol for providing the connectionless-mode Network Service (ISO 8473)",ISO標準10589の中で定義されるIS−IS(Intermediate system to Intermediate system)、等)に依存する。LDPは典型的にはIGPプロトコルに依存するが、LDP及びIGPは互いに独立している。典型的には、IGPは、LDPが収束するよりも早く収束する。結果として、LDPがリンク上で動作可能となる前に、IGPはリンク上で動作可能であり得る。これは、パケットロスにつながる。
【0003】
2009年3月のRFC(Request For Comments)5443,"LDP IGP Synchronization"(本明細書では、「LDP及びIGPの同期」)は、LDPがリンク上で十分に動作可能でない場合に、リンクがIP転送に使用されるのを阻止する(discourage)ためのメカニズムを説明する。RFC5443は、LDPが所与のリンク上で十分に動作可能でない(例えば、全てのラベルバインディングがまだ交換されていない)場合に、トラフィックが上記リンク上で送信されることを阻止するためにIGPは最大のコストとともに上記リンクをアドバタイズすることを、説明する。上記リンク上でLDPが動作可能となる(例えば、全てのラベルバインディングが交換された)場合に、IGPは、正しいコストとともに上記リンクをアドバタイズする。
【0004】
ブロードキャストリンク(同一のリンク上での1つよりも多くのLDP/IGPピア)上で、IGPは、各ピアへの個別のコストではなく、ブロードキャストリンクへの共通のコストをアドバタイズする。各ネットワーク要素の最短パス優先(SPF:shortest path first)(例えば、OSPF(Open Shortest Path First)、CSPF(constrained shortest path first))データベースの中のリンクの数を減らすために、ブロードキャスト擬似ノード(pseudo-node)がネットワーク内で実装され得る。各ネットワーク要素は、ブロードキャスト擬似ノードとの隣接関係(adjacency)を形成し、ブロードキャスト擬似ノードへのリンク及びコストをアドバタイズする。そして、ブロードキャスト擬似ノードは、各ネットワーク要素へのリンク及びコストをアドバタイズする。ブロードキャストネットワークの中のネットワーク要素のうちの1つは、当該ネットワークの代表ルータ(DR)として動作し、ブロードキャスト擬似ノードからの上記リンク及びコストをブロードキャストネットワークのメンバにアドバタイズすることを担う。
【0005】
ブロードキャストリンクについて、RFC5443"LDP IGP Synchronization"は、上記メカニズムを、リンク全体に適用できるが、個別のピアに適用することはできないということを説明する。リンク全体への最大のコストをアドバタイズすることは、準最適なトラフィックの迂回及び/又はトラフィック(例えば、VPNトラフィックのようなLSP上で搬送されるトラフィック)のブラックホーリングを引き起こし得る。
【発明の概要】
【0006】
ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期のための方法及び装置が説明される。本発明の一実施形態によれば、内部ゲートウェイプロトコル(IGP)のインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるラベル配布プロトコル(LDP)によるラベル交換パス(LSP)の確立に依存するブロードキャストネットワークでの使用のためのネットワーク要素は、LDPの収束の前のIGPの収束により引き起こされるトラフィックのブラックホーリング及び準最適なトラフィックの迂回を回避することを支援するように適合される。上記ネットワーク要素は、LDPが動作可能である場合にLSPを通してトランジットトラフィックを搬送するように適合されるブロードキャストネットワークインターフェースと、上記ネットワーク要素のネイバとラベルバインディングを交換するLDPモジュールと、IGPモジュールとを含む。上記IGPモジュールは、代表ルータ(DR)とのIGP隣接関係をもたらすことに応じて、トランジットトラフィックのための上記ブロードキャストインターフェースの使用を阻止するために、上記ネットワーク要素のリンク状態アドバタイズメント(LSA)の中で、上記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの、上記ブロードキャストネットワークインターフェースについての擬似ノード隣接関係をアドバタイズする代わりに、上記LSAの中で、上記ネットワーク要素との双方向のIGP通信の状態にある上記ブロードキャストネットワークの各メンバへの、上記ブロードキャストネットワークインターフェースについての高コストのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズする。上記擬似ノードは、上記ブロードキャストネットワークのトポロジを表し、上記擬似ノード隣接関係は、上記ネットワーク要素から上記擬似ノードへの一方向のリンクを表す。LDPが上記ブロードキャストネットワークインターフェース上で全てのネイバと動作可能になった後に、上記IGPモジュールは、さらに、上記P2P隣接関係をアドバタイズする代わりに、上記ネットワーク要素のLSAの中で、上記擬似ノードへの、上記ブロードキャストネットワークインターフェースについての上記擬似ノード隣接関係をアドバタイズし、それにより、トランジットトラフィックのために上記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することの阻止を解除する。したがって、LDPが上記ブロードキャストインターフェース上で全てのネイバと動作可能となるまで、トランジットトラフィックは上記ブロードキャストネットワークインターフェース上で回避される。
【0007】
本発明の別の実施形態では、IGPのIPフォワーディングの決定に結び付けられるLDPによるLSPの確立に依存するブロードキャストネットワークについてのDRとして動作する、上記ブロードキャストネットワークでの使用のためのネットワーク要素は、LSPを通してトランジットトラフィックを搬送するように適合されるブロードキャストネットワークインターフェースと、IGPモジュールとを含む。上記IGPモジュールは、上記ブロードキャストネットワークの擬似ノードの代わりに、上記ブロードキャストネットワークインターフェース上で上記ブロードキャストネットワークのメンバに擬似ノードLSAをアドバタイズする。上記擬似ノードは、上記ブロードキャストネットワークのトポロジを表す。各擬似ノードLSAは、上記DRに隣接する上記ブロードキャストネットワークの各メンバの標識を含む。上記IGPモジュールは、上記メンバが上記DRに隣接するようになる場合に、上記ブロードキャストネットワークインターフェース上での、上記ブロードキャストネットワークの上記メンバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。各P2P隣接関係は、上記DRと上記ブロードキャストネットワークのメンバとの間の一方向のリンクを表す。上記P2P隣接関係は、当該P2P隣接関係により表される上記一方向のリンク上で上記メンバにトランジットトラフィックを送信することを阻止するためにアドバタイズされる。上記IGPモジュールは、P2P隣接関係を含まないLSAを上記DRに自らアドバタイズした上記ブロードキャストネットワークのメンバであって、上記DRに隣接するようになった当該メンバへの、上記P2P隣接関係をアドバタイズすることを停止する。したがって、上記ブロードキャストネットワークのメンバからP2P隣接関係を含まないLSAを上記DRが受信するまで、トランジットトラフィックは上記メンバへの一方向のリンク上で回避される。
【0008】
本発明の別の実施形態では、ブロードキャストネットワークのDRと隣接し、上記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの双方向のリンクを有する上記ブロードキャストネットワークでの使用のためのネットワーク要素は、LSPを通してトランジットトラフィックを搬送するように適合されるブロードキャストネットワークインターフェースと、IGPモジュールとを含む。上記ブロードキャストネットワークは、正しく機能するためにIGPのIPフォワーディングの決定に結び付けられるLDPによるLSPの確立に依存する。上記IGPモジュールは、上記DRに隣接する上記ブロードキャストネットワークの各メンバの標識を各々含む、上記DRからの擬似ノードLSAを含む、上記ブロードキャストネットワークのメンバからのLSAを受信する。上記IGPモジュールは、さらに、上記ブロードキャストネットワークの上記メンバのうちの、P2P隣接関係をその時点で自らアドバタイズしている上記メンバの各々への、高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。各P2P隣接関係は、上記ネットワーク要素と上記ブロードキャストネットワークのメンバとの間の一方向のリンクを表す。上記P2P隣接関係は、当該P2P隣接関係により表される上記一方向のリンク上で上記メンバにトランジットトラフィックを送信することを阻止するためにアドバタイズされる。上記IGPモジュールは、さらに、P2P隣接関係を含まないメンバからのLSAの受信に応じて、当該メンバへの上記P2P隣接関係をアドバタイズすることを停止する。
【0009】
本発明の別の実施形態では、ブロードキャストネットワークの中のネットワーク要素は、LDPの収束の前のIGPの収束に起因するブロードキャストネットワークにおけるトラフィックのブラックホーリング及び準最適なトラフィックの迂回を回避することを支援する。上記ブロードキャストネットワークは、IGPのIPフォワーディングの決定に結び付けられるLDPによるLSPの確立に依存する。上記ネットワーク要素は、上記ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)との隣接関係をもたらす。上記ネットワーク要素は、上記DRとの双方向のIGP通信の確立に応じて、上記ネットワーク要素のブロードキャストネットワークインターフェースで上記DRから擬似ノードLSAを受信する。上記擬似ノードLSAは、上記ブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバの標識を含む。上記ネットワーク要素は、トランジットトラフィックのための上記ブロードキャストネットワークインターフェースの使用を阻止するために、上記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有する、上記ブロードキャストネットワークの上記ネットワーク要素メンバの各々へ、上記ネットワーク要素のLSAの中で、上記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの隣接関係の代わりにP2P隣接関係をアドバタイズする。上記擬似ノードへの上記隣接関係は、上記擬似ノードと上記ネットワーク要素との間のリンクを表す。LDPが上記ブロードキャストネットワークインターフェース上でネイバの各々と動作可能となること応じて、上記ネットワーク要素は、上記ネットワーク要素のLSAの中で、上記P2P隣接関係の代わりに、上記ブロードキャストネットワークインターフェースについての上記擬似ノードへの上記隣接関係をアドバタイズし、トランジットトラフィックのために上記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することの阻止を解除する。したがって、LDPが上記ブロードキャストネットワークの上記ネットワーク要素メンバと動作可能でない間は、トランジットトラフィックは上記ブロードキャストネットワークインターフェース上で回避される。
【0010】
本発明の別の実施形態では、ブロードキャストネットワークは、IGPのIPフォワーディングの決定に結び付けられるLDPによるLSPの確立に依存する。上記ブロードキャストネットワークは、LDPの収束の前のIGPの収束により引き起こされるトラフィックのブラックホーリング及び準最適なトラフィックの迂回を回避するように適合される。上記ブロードキャストネットワークは、複数のネットワーク要素を含む。複数のネットワーク要素は、ブロードキャストネットワークインターフェースと、ブロードキャストネットワークインターフェース上で上記ブロードキャストネットワークのメンバとラベルバインディングを交換するLDPモジュールと、IGPモジュールとをそれぞれ含む。上記IGPモジュールは、LDPが上記ブロードキャストネットワークインターフェース上で上記ブロードキャストネットワークのメンバと動作可能でない間は、トランジットトラフィックのために上記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することを阻止するために、上記ネットワーク要素のLSAの中で、擬似ノード隣接関係をアドバタイズする代わりに、上記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有するメンバへの、高コストを有するP2P隣接関係をアドバタイズする。上記IGPモジュールは、LDPが上記ブロードキャストネットワークインターフェース上で上記ブロードキャストのネットワーク要素メンバと動作可能となることに応じて、上記ネットワーク要素のLSAの中の上記P2P隣接関係を上記擬似ノード隣接関係に置き換え、それにより、トランジットトラフィックのために上記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することの阻止を解除する。上記IGPモジュールは、ネットワーク要素メンバのうちの、上記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有し、且つ高コストを伴うP2P隣接関係を自らアドバタイズしているネットワーク要素メンバへの、リンクを、フォワーディングの決定において回避するために、当該ネットワーク要素メンバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。したがって、トランジットトラフィックは、LDPが動作可能ではないブロードキャストネットワークの中のリンク上で回避される。
【0011】
したがって、トランジットトラフィックをブラックホーリングさせ又は準最適なパスへ迂回させることなく、LDPがインターフェース上で動作可能となるまで、トランジットトラフィックがブロードキャストインターフェース上で回避される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、本発明の実施形態を説明するために使用される以下の説明及び添付の図面を参照することにより、最も良く理解され得る。
【図1】本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)とのIGP隣接関係をもたらす(bring up)ネットワーク要素のメンバ上でLDP及びIDPが同期されない例示的なブロードキャストネットワークを説明する。
【図2】本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークのDRとのIGP隣接関係をもたらすメンバ上でLDP及びIDPが同期される図1のブロードキャストネットワークを説明する。
【図3】本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークのLDP−IGPの同期に適合される例示的なネットワーク要素のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って、ネットワーク要素メンバのうちの全てのネイバでLDPが動作可能であるまでトランジットトラフィックのためにブロードキャストネットワークインターフェースの使用を阻止するために、ブロードキャストネットワークのDRとのIGP隣接関係をもたらすブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される、例示的な動作を説明するフロー図である。
【図5A】本発明の一実施形態に従って、LDPが動作可能であることをネイバが示すまでネイバネットワーク要素を通してトランジットトラフィックを送信することを阻止するために、ブロードキャストネットワークのDRとして動作するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される、例示的な動作を説明するフロー図である。
【図5B】本発明の一実施形態に従って、LDPが動作可能であることをネイバが示すまでネイバネットワーク要素を通してトランジットトラフィックを送信することを阻止するために、ブロードキャストネットワークのDRとして動作するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される例示的な動作を説明するフロー図である。
【図6A】一実施形態に従って、擬似ノードLSAを受信することに応じて、ブロードキャストネットワークのDRに隣接するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される、例示的な動作を説明するフロー図である。
【図6B】一実施形態に従って、隣接するネイバネットワーク要素メンバとの双方向のIGP通信を確立することに応じて、ブロードキャストネットワークのDRに隣接するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される、例示的な動作を説明するフロー図である。
【図6C】本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークのネイバネットワーク要素のLSAを受信することに応じて、ブロードキャストネットワークのDRに隣接するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される、例示的な動作を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得るということが、理解されるべきである。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないように、周知の回路、構造及び技術は詳細には示されない。当業者は、含まれる説明で、過度の実験なしに適当な機能性を実装できるであろう。
【0014】
明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」等の言及は、説明される実施形態が特定の特徴(feature)、構造又は特性(characteristic)を含み得るが、各実施形態が当該特徴、構造又は特性を必ずしも含まなくてもよい、ということを示す。さらに、当該フレーズは、必ずしも同一の実施形態に言及しない。さらに、特定の特徴、構造又は特性がある実施形態に関連して説明される場合に、当該特徴、構造又は特性を他の実施形態に関連してもたらすことは、明示的に説明されるか否かによらず当業者の知識内であると考えられる。
【0015】
以下の説明及び特許請求の範囲では、用語「結合される(coupled)」及び用語「接続される(connected)」が、それらの派生語とともに使用される。これらの用語は互いに同義語として意図されていないということが、理解されるべきである。「結合される」は、2つ以上の要素が協力し又は相互作用することを示すために使用される。
当該2つ以上の要素は、互いに直接的に物理的もしくは電気的に接触してもよく又は接触しなくてもよい。「接続される」は、互いに結合される2つ以上の要素間での通信の確立を示すために使用される。
【0016】
図の中に示される技術は、1つ以上の電子装置(例えば、終端局、ネットワーク要素、等)上で記憶され実行されるコード及びデータを使用して実装されることが可能である。当該電子装置は、機械に読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ装置、相変化メモリ)及び機械に読み取り可能な通信媒体(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等のような、電気信号、光信号、音響信号又は他の形式の伝搬信号)を使用して、コード及びデータを(内部で、及び/又は他の通信装置と)記憶し、通信する。さらに、当該電子装置は、典型的には、1つ以上の記憶装置、ユーザ入力/出力装置(例えば、キーボード、タッチスクリーン、及び/又はディスプレイ)、並びにネットワーク接続等の1つ以上の他のコンポーネントに結合される1つ以上のプロセッサのセットを含む。プロセッサのセット及び他のコンポーネントの結合は、典型的には、1つ以上のバス及び(バスコントローラとも呼ばれる)ブリッジを通じる。記憶装置及びネットワークトラフィックを搬送する信号は、それぞれ、1つ以上の機械に読み取り可能な記憶媒体及び1つ以上の機械に読み取り可能な通信媒体を表す。したがって、与えられる電子装置の記憶装置は、典型的には、当該電子装置の1つ以上のプロセッサのセット上での実行のためのコード及び/又はデータを記憶する。当然ながら、本発明の実施形態の1つ以上の部分は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの様々な組み合わせを使用して実装され得る。
【0017】
本明細書で使用されるように、ネットワーク要素(例えば、ルータ、スイッチ、ブリッジ、等)は、ネットワーク上の他の機器(例えば、他のネットワーク要素、終端局、等)と通信で相互接続する、ハードウェア及びソフトウェアを含む1つのネットワーク機器である。いくつかのネットワーク要素は、マルチネットワーク機能(例えば、ルーティング、ブリッジング、スイッチング、レベル2集約(aggregation)、セッションボーダー制御、及び/若しくは加入者管理)についてのサポートを提供し、並びに/又はマルチアプリケーションサービス(例えば、データ、音声、及び映像)についてのサポートを提供する「マルチサービスネットワーク要素」である。加入者終端局(例えば、サーバ、ワークステーション、ラップトップ、パームトップ、モバイル電話、スマートフォン、マルチメディア電話、VoIP(Voice Over Internet Protocol)電話、ポータブルメディアプレイヤ、GPS装置、ゲームシステム、セットトップボックス)は、インターネット上で提供されるコンテンツサービス、及び/又はインターネット上にオーバーレイされる仮想プライベートネットワーク(VPN)上で提供されるコンテンツサービスにアクセスする。コンテンツ及び/又はサービスは、典型的には、サービスプロバイダ若しくはコンテンツプロバイダに属する1つ以上の終端局(例えば、サーバ終端局)、又はピア・ツー・ピアサービスに参加する終端局により提供される。また、コンテンツ及び/又はサービスは、公衆ウェブページ(フリーコンテンツ、店頭、検索サービス、等)、プライベートウェブページ(例えば、ユーザネーム/パスワードによりアクセスされるEメールサービスを提供するウェブページ等)、VPN上の企業ネットワーク等を含み得る。典型的には、加入者終端局は、(例えば、(有線又は無線で)アクセスネットワークに結合される顧客構内機器を通して)エッジネットワーク要素に結合される。当該エッジネットワーク要素は、(例えば、1つ以上のコアネットワーク要素を通して)他のエッジネットワーク要素に結合される。当該他のエッジネットワーク要素は、他の終端局(例えば、サーバ終端局)に結合される。
【0018】
あるネットワーク要素内で、複数の「インターフェース」が構成され得る。本明細書で使用されるように、インターフェースは、ネットワーク要素と当該ネットワーク要素の帰属するネットワークの1つとの間の接続である。インターフェースは、典型的には下層のより低レベルのプロトコル及びルーティングプロトコルから取得される、当該インターフェースに関連付けられる情報(例えば、IPアドレス及びマスク)を有する。インターフェースは、リンクと呼ばれることもある。ブロードキャストインターフェースは、ブロードキャストネットワークと接続されるインターフェース(「ブロードキャストネットワークインターフェース」と呼ばれることもある)である。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「リンク状態アドバタイズメント」(LSA)は、プロトコルによらない。例えば、IGPが、OSPF(Open Shortest Path First)である場合に、リンク状態アドバタイズメントは、ルータLSA、ネットワークLSA等を含むことが可能である。IGPが、IS−IS(Intermediate System to Intermediate System)である場合に、LSAは、リンク状態PDU、擬似ノードLSP等であることが可能である。
【0020】
ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期のための方法及び装置が説明される。本発明の一実施形態では、ネットワーク要素が、ブロードキャストインターフェース上でのブロードキャストネットワークのDRとの隣接関係をもたらすことに応じて、上記ネットワーク要素は、ブロードキャストインターフェースについての当該ネットワーク要素のLSAの中で、ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの擬似ノード隣接関係をアドバタイズする代わりに、上記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有するブロードキャストネットワークの各メンバへのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズする。各P2P隣接関係は、トランジットトラフィックのためにこれらのリンクを使用することを阻止するための高コストを含む。LDPが、ブロードキャストインターフェース上で全てのネイバと動作可能になった後に、ネットワーク要素は、P2P隣接関係の代わりに、擬似ノード隣接関係をアドバタイズする。したがって、LDPが上記ネットワーク要素の全てのネイバと動作可能となるまで、上記ネットワーク要素を通るトランジットトラフィックが回避される。
【0021】
本発明の別の実施形態では、ブロードキャストネットワークのDR上で、当該DRと当該ブロードキャストネットワークのネイバとの間の隣接関係が確立されることに応じて、上記DRは、上記ネイバを通したトランジットトラフィックの送信を阻止するために、上記DRのLSAの中で上記ネイバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。上記ネイバへの高コストのP2P隣接関係は、P2P隣接関係を含まない上記ネイバからのLSAを上記DRが受信するまで維持する。P2P隣接関係を含まない上記ネイバからのLSAを上記DRが受信した時点で、上記DRは、ネットワーク要素上でLDPが動作可能であると仮定し、上記P2P隣接関係を取り除く。したがって、LDPが上記ネットワーク要素上で動作可能となるまで、上記ネットワーク要素を通したトランジットトラフィックは回避される。
【0022】
本発明の別の実施形態では、ブロードキャストネットワークのDRと隣接するブロードキャストネットワークのメンバであるネットワーク要素上で、擬似ノードLSAを受信することに応じて、上記擬似ノードLSAの中でリスト化された各ネイバであって、高コストのP2P隣接関係を自らアドバタイズしている当該ネイバを通して、トランジットトラフィックが送信されるのを阻止するために、上記ネットワーク要素は、当該ネットワーク要素のLSAの中で、上記ネイバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。P2P隣接関係を含まない上記ネイバのうちの1つからのLSAを受信することに応じて、上記ネットワーク要素は、LDPが上記ネイバ上で動作可能であると仮定し、上記ネイバへの上記高コストのP2P隣接関係を取り除く。
【0023】
一実施形態では、IGPプロトコルがOSPF(Open Shortest Path First)である場合に、ブロードキャストネットワークのDRとのIGP隣接関係をもたらすネットワーク要素のルータLSAは、LDPがサブネット上の全てのネットワーク要素と動作可能となるまで、当該サブネットについてのリンクタイプ2(トランジットネットワークへのリンク)で更新されない。
【0024】
一実施形態では、IGPプロトコルがIS−IS(Intermediate System to Intermediate System)である場合に、ブロードキャストネットワークのDRとのIGP隣接関係をもたらすネットワーク要素のリンク状態PDUは、LDPが全てのネットワーク要素と動作可能となるまで、ブロードキャストネットワークへのIS到達可能性(Reachability)TLV(又は、拡張IS到達可能性TLV)で更新されない。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)とのIGP隣接関係をもたらしているネットワーク要素のメンバ上でLDP及びIDPが同期しない例示的なブロードキャストネットワークを説明する。まず、ネットワーク100は、ネットワーク要素105、110、130、150、155、160及び165、並びにブロードキャスト擬似ノード120を含む。ネットワーク要素110、130及び150は、それぞれ、ブロードキャスト擬似ノード120と直接的に結合される。したがって、ネットワーク要素110、130及び150は、ブロードキャストネットワークの一部である。しばらくして、ネットワーク要素140が、ネットワーク100上にもたらされ、ブロードキャストネットワークの一部となる。ネットワーク100のトポロジは例示的であり、他のトポロジが本発明の実施形態の中で使用され得るということが、理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、ブロードキャスト擬似ノードは使用されない。
【0026】
一実施形態では、ネットワーク要素105、155及び165は、プロバイダのエッジネットワーク要素であり、ネットワーク100は、仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリケーションを伴うMPLS(Multiprotocol Label Switching)ネットワークである。一例として、ネットワーク要素105は、ネットワーク要素155及び/又は165へのLDP LSPパスを有する。ネットワーク100の中で他のLDP LDPパスが確立され得るということが、理解されるべきである。したがって、ネットワーク100は、内部ゲートウェイプロトコル(IGP)のインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるラベル分配プロトコル(LDP)によるラベル交換パス(LSP)の確立に依存する。
【0027】
ネットワーク要素110は、ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)として動作する。したがって、ネットワーク要素(DR)110は、ブロードキャスト擬似ノード120を管理する。例えば、ネットワーク要素(DR)110は、擬似ノードLSA(例えば、OSPFにおけるネットワークLSA、又はIS−ISにおける擬似ノードLSP)の形で、ブロードキャスト擬似ノード120からブロードキャストネットワークのメンバ(例えば、ネットワーク要素130、140及び150)への一方向のリンクを生成する。ブロードキャストネットワークのDRとしてのネットワーク要素110の選択は例示的であり、本明細書で説明される実施形態においてブロードキャストネットワークの別のネットワーク要素メンバがDRとして選択されてもよい、ということが理解されるべきである。
【0028】
ネットワーク要素130及び150は、ネットワーク要素(DR)110に隣接する。さらに、LDPは、ネットワーク要素130及び150上で完全に動作可能である。ネットワーク要素130及び150は、それぞれ、それらのLSA(例えば、OSPFの場合にはルータLSA)の中で、擬似ノード隣接関係をアドバタイズする。ネットワーク要素(DR)110も、そのLSAの中で、擬似ノード隣接関係をアドバタイズする。擬似ノード隣接関係は、ブロードキャスト擬似ノード120とネットワーク要素との間のリンクを表す。ネットワーク要素110、130及び150は、それらのLSAをネイバへアドバタイズする。各擬似ノード隣接関係は(様々なネットワーク要素について異なり得る)コスト値を有するということが、理解されるべきである。
【0029】
ネットワーク要素(DR)110は、擬似ノードLSA(例えば、OSPFにおけるネットワークLSA、又はIS−ISにおける擬似ノードLSP)の中で、そのネイバ(例えば、ネットワーク要素(DR)110に隣接し、又はネットワーク要素(DR)110との隣接関係をもたらしているネットワーク要素)に、ブロードキャスト擬似ノード120のインターフェースをアドバタイズする。インターフェース122、124、126、及び128が、0のコストとともにアドバタイズされる。図1において説明されるインターフェースは例示的であり、本発明の理解を混乱させないために他のインターフェースは説明されないということが、理解されるべきである。
【0030】
説明のために、ネットワーク要素110、130及び150は、それぞれ、ブロードキャストインターフェース114、132及び152上で擬似ノード隣接関係をコスト1とともにアドバタイズする。さらに、例示のために、(10のコストでアドバタイズされる)ネットワーク要素(DR)110とネットワーク要素165との間のリンクを除き、ネットワーク100の他のリンクも1のコストとともにアドバタイズされる。
【0031】
例示のために、ブロードキャストネットワークがネットワーク要素140を含む前に、ネットワーク要素105とネットワーク要素155との間のトランジットトラフィックが、双方向のパス(ネットワーク要素105←→ネットワーク要素110←→ネットワーク要素130←→ネットワーク要素160←→ネットワーク要素150)に沿って流れる。また、ネットワーク要素105とネットワーク要素165との間のトランジットトラフィックが、双方向のパス(ネットワーク要素105←→ネットワーク要素110←→ネットワーク要素150←→ネットワーク要素165)に沿って流れる。
【0032】
図1において説明されるように、ネットワーク要素140は、(例えば、DRとの隣接関係のもたらす動作185を実行することにより)ネットワーク要素要素(DR)110への隣接関係をもたらす。したがって、ネットワーク要素140は、ネットワーク要素(DR)110とhelloパケットを交換している(したがって、ネットワーク要素140とネットワーク要素(DR)110との間の双方向のIGP通信が存在する)。図1において説明されるように、ネットワーク要素(DR)110は、インターフェース126上でネットワーク要素140へ擬似ノードLSA196を送信する。
【0033】
ブロードキャストネットワークに適用される場合のRFC5443"LDP IGP Synchronization"の1つの解釈において、新たなネットワーク要素がブロードキャストネットワーク上で発見される(例えば、DRとの隣接関係をもたらしている)場合に、ブロードキャストネットワークへの直接的なリンクを有する全てのネットワーク要素は、ブロードキャストネットワークへの最大のコストをアドバタイズする。例えば、図1を参照すると、ネットワーク要素140のブロードキャストインターフェース142が動作可能となる場合(例えば、ネットワーク要素140がブロードキャストインターフェース142上でのネットワーク要素(DR)110との隣接関係をもたらし、一方、ネットワーク要素110、130及び150がそれぞれブロードキャスト擬似ノード120にすでに接続されている場合)に、これらのネットワーク要素は、それぞれ、ブロードキャスト擬似ノード120への最大のコストをアドバタイズし始める。換言すると、ネットワーク要素110、130及び150は、ブロードキャスト擬似ノード120への最大のコストの擬似ノード隣接関係をアドバタイズすることにより、ネットワーク要素140がネットワーク上に現れることに反応する。RFC5443は、最大のコストの値を、OSPFについてLSInfinity(0xFFFF)とし、IS−ISについてInfinity(0xFFFFFE)として定義する。最大のコストは10のコストよりも大きいので、RFC5443のこの解釈に従うと、ネットワーク要素105とネットワーク要素165との間のトランジットトラフィックは、上述したような[ネットワーク要素110←→ネットワーク要素110←→ネットワーク要素150←→ネットワーク要素165]という最適なパスの代わりに、[ネットワーク要素105←→ネットワーク要素110←→ネットワーク要素165]という準最適なパスに迂回させられる。したがって、ブロードキャストネットワークの各ネットワーク要素メンバがブロードキャストネットワークへの最大のコストをアドバタイズするというRFC5443の解釈を使用することは、準最適なトラフィックの迂回をもたらし得る。
【0034】
さらに、ブロードキャストネットワークについてRFC5443"LDP IGP Synchronization"の中で説明されるメカニズムを適用することは、最大のコストをアドバタイズする各ブロードキャストネットワーク要素に起因して、トラフィックがネットワーク要素でブラックホーリングされる(継続してドロップされる)ことにつながり得る。例えば、図1のネットワークトポロジ及び前例と同じリンクを使用すると、ネットワーク要素140がブロードキャストネットワーク上に現れる場合にRFC5443のこの解釈を使用する場合に、ネットワーク要素110は、ネットワーク要素155へのネクストホップとしてネットワーク要素140を有する。その結果、ネットワーク要素105からネットワーク要素155へのVPNトラフィックは、LDPがネットワーク要素140で動作可能となるまで、ネットワーク要素110でブラックホーリングされる。この場合のトラフィック損失の量は、少なくとも、LDP LSPが動作可能となるのにかかる時間のオーダである。図1の中のトポロジはかなり単純であるが、いくつかのトポロジにおいてこれは数分のオーダであり得る(これはキャリアクラスの信頼性メトリクスを違反し得る)ということが理解されるべきである。
【0035】
ブロードキャストネットワークに適用される場合のRFC5443の別の解釈では、新たなネットワーク要素がブロードキャストネットワーク上で発見される場合に、当該ネットワーク要素のみがブロードキャストネットワークへの最大のコストをアドバタイズし、他のネットワーク要素は通常のコストをアドバタイズする。この解釈では、例えば、ネットワーク要素140は、ブロードキャスト擬似ノード120への最大のコストの擬似ノード隣接関係をアドバタイズする。一方、ネットワーク要素110、130及び150は、それぞれ、普通のコストでブロードキャスト擬似ノード120への擬似ノード隣接関係をアドバタイズする。最大コストの擬似ノード隣接関係は、ブロードキャスト擬似ノード120へのトラフィック(即ち、ブロードキャストインターフェース142から出ていくトラフィック)に影響し、ブロードキャストインターフェース142上でネットワーク要素140へ送信されるトラフィックには影響しないということが、理解されるべきである。例えば、ネットワーク要素(DR)110の観点から、ネットワーク要素110とネットワーク要素140との間のリンクは、1のコストを有する。上述した同一の例を使用すると、IGPはLDPよりも速く収束するので、ネットワーク要素140の中でLDP LSPが確立されるまで、ネットワーク要素110はネットワーク要素140を通してネットワーク要素155へVPNトラフィックを送信しようとして、失敗する。したがって、上記例と同様に、VPNトラフィックは、ネットワーク要素110でブラックホーリングされる。
【0036】
対照的に、本発明の実施形態は、準最適な迂回トラフィック及びブラックホーリングトラフィックなしに、ブロードキャストネットワークにおけるLDP及びIGPの同期を可能にする。図1において説明したように、ネットワーク要素140がブロードキャストインターフェース142上でのネットワーク要素(DR)110との隣接関係をもたらすことに応じて、ネットワーク要素140は、そのLSAの中で、ブロードキャスト擬似ノード120へのその擬似ノード隣接関係180をアドバタイズすることを抑制する(例えば、アドバタイズしない)。そして、代わりに、ネットワーク要素140は、ブロードキャスト擬似ノード120から受信された擬似ノードLSA196の中でリスト化されている各ネットワーク要素(少なくとも、ネットワーク要素140との双方向のIGP通信を有する擬似ノードLSAの中のこれらのネットワーク要素)へのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズする。各P2P隣接関係は、ネットワーク要素間の一方向のリンクを表す。例えば、ネットワーク要素140は、そのLSAの中に、ネットワーク要素110、130及び150へのP2P隣接関係を含める。ネットワーク要素110、130及び150へのP2P隣接関係は、それぞれ、[ネットワーク要素140→ネットワーク要素(DR)110]、[ネットワーク要素140→ネットワーク要素130]、及び[ネットワーク要素140→ネットワーク要素150]の一方向のリンクを表す。このLSAは、ネットワーク要素140のネイバ(例えば、ネットワーク要素110、130、150及び155)へアドバタイズされる。(そして、ネットワーク要素110、130、150及び155は、上記LSAをネットワークドメイン内の残りに配置(populate)する。各P2P隣接関係は、P2P隣接関係により表されるリンクの使用を阻止するために、高コスト(例えば、最大のコスト)とともにアドバタイズされる。これらのリンクが最終手段のリンクとして使用されるように、高コストの値が選択される。
【0037】
ネットワーク要素140によりアドバタイズされる高コストのP2P隣接関係は、ネットワーク要素140から出ていくトラフィック(即ち、ブロードキャストインターフェース142から出ていくトラフィック)のみ影響するということが、理解されるべきである。したがって、ブロードキャストネットワークの中の他のネットワーク要素メンバ(ネットワーク要素110、130、及び150)も、それぞれ、そのLSAの中で、ネットワーク要素140へのブロードキャストインターフェース上での高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。したがって、ブロードキャストネットワークにおけるネットワーク要素140への一方向のリンクも、これらのリンクの使用を阻止するために高コストとともにアドバタイズされる。したがって、図1において説明されるように、ネットワーク要素130とネットワーク要素140との間のP2P隣接関係190、ネットワーク要素150とネットワーク要素140との間のP2P隣接関係192、及びネットワーク要素110とネットワーク要素140との間のP2P隣接関係194は、それぞれ、ネットワーク100全体でアドバタイズされる。ネットワーク要素110、130及び150は、それぞれ、それぞれのLSAの中で、ブロードキャスト擬似ノード120への擬似ノード隣接関係をアドバタイズし続けるということが、理解されるべきである。
【0038】
ネットワーク要素140は、LDPがネイバと動作可能となるまで、擬似ノード隣接関係の抑制及びP2P隣接関係のアドバタイズを維持する。図2は、本発明の一実施形態に従って、LDPがネットワーク要素140上で(IGPと同期して)動作可能である図1のネットワークを説明する。
【0039】
LDPがブロードキャストインターフェース142上で動作可能になった後に、ネットワーク要素140は、そのLSAの中でネットワーク要素110、130及び150へのP2P隣接関係をアドバタイズすることを停止し(220)、したがって、P2P隣接関係により表される一方向のリンクの使用することの阻止を解除する。一実施形態では、LDPは、(LDPが動作可能となるのにかかる時間の最悪の場合(又は最良の推測)について設定される)LDP及びIGPの同期タイマの満了に応じて動作可能であると仮定される。別の実施形態では、ネットワーク要素140は、いつLDPが動作可能であるかを判定するために、2009年1月のIETFドラフト"LDP End-of-LIB: draft-ietf-mpls-end-of-lib-03.txt"の中で仕様化されるように、LDP End−of−LIBのメカニズムを実装してもよい。例えば、LDP End−of−LIBのIETFドラフトの中で、各LDPピア(ネイバ)は、ラベルに従ったセッションの確立の完了をシグナリングし得る。各LDPピアからの全ての完了信号を受信した後に、LDPは、全てのネイバと動作可能である。また、ネットワーク要素140は、擬似ノード隣接関係を抑制せず、普通のコストとともにブロードキャスト擬似ノード120への擬似ノード隣接関係をアドバタイズする(210)。したがって、ネットワーク要素140のLSAの中では、擬似ノード隣接関係がアドバタイズされ、P2P隣接関係はもはやアドバタイズされない。
【0040】
ネットワーク要素110、130、及び150は、P2P隣接関係を含まないネットワーク要素140のLSAを受信することに応じて、それらのそれぞれのLSAの中で、ネットワーク要素140へのそれらのP2P隣接関係をアドバタイズすることを停止し、それにより、ネットワーク要素140へのこれらのP2P隣接関係により表される一方向のリンクを使用することの阻止を解除する。したがって、図2において説明されるように、P2P隣接関係190、192、及び194は、もはやアドバタイズされない。
【0041】
したがって、LDPがブロードキャストインターフェース142上で動作可能となるまで、少なくともネットワーク要素140に、ブロードキャストインターフェース142についての擬似ノード隣接関係を最大のコストとともにアドバタイズさせる、RFC5443とは異なり、本発明の実施形態では、ネットワーク要素140は、LDPがブロードキャストインターフェース142上で動作可能となるまで、そのLSAの中で、擬似ノード隣接関係の代わりに、ブロードキャストネットワークのメンバ(少なくとも、ネットワーク要素140との双方向のIGP通信(両方向の状態)を有するこれらのメンバ)への高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。さらに、これらの他のメンバも、LDPがブロードキャストインターフェース142上で動作可能となるまで、それらのLSAの中で、ネットワーク要素140への高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。結果として、トランジットトラフィックは、ブロードキャストネットワーク上で回避される。また、トランジットトラフィックは、ブラックホーリングされることも、準最適なパスに迂回することもない。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態に従ってブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期のために構成される例示的なネットワーク要素のブロック図である。図3はネットワーク要素140を説明するが、ネットワーク100の中のネットワーク要素のうちの1つ以上が同様の特徴を含み得るということが、理解されるべきである。図3において説明されるように、ネットワーク要素140は、制御プレーン310を含む。制御プレーン310は、データプレーン360と結合される。制御プレーン310は、コマンドラインインターフェース330、IGPモジュール320、インターフェース状態管理部335、LDPモジュール340、及びラベル管理部350を含む。IGPモジュール320は、ネイバ状態マシン380及びLDP−IGP同期LSAモジュール385を含む。IGPモジュール320は、ネイバ隣接状態テーブル322、リンク状態データベース324、ローカルIGP RIB(ルーティング情報ベース)326、及びローカルIGPインターフェース構造328を管理する。
【0043】
IGPモジュール320は、ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期のための構成パラメータをコマンドラインインターフェース330から受信し得る。例えば、ネットワーク管理者は、コマンドラインインターフェース330を使用して、ネットワーク要素140上でのブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期(例えば、ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期が可能にされているか、ブロードキャストインターフェースについてのLDP及びIGPの同期を監視するための1つ以上のインターフェース、等)を構成し得る。別の実施形態では、ブロードキャストネットワークについてのLDP及びIGPの同期のメカニズムは、ネットワーク要素140上で、各ブロードキャストインターフェースについてインストールされる。
【0044】
インターフェース状態管理部335は、ブロードキャストインターフェース142を含むネットワーク要素140のインターフェースを管理する。例えば、インターフェース状態管理部335は、インターフェースがいつ動作可能となるかを検出する。インターフェース状態管理部335は、IGPモジュール320と結合される。IGPモジュール320は、インターフェース状態管理部335とともに、これらのブロードキャストインターフェース(例えば、構成の間に特定されるようなインターフェース)を登録する。インターフェース状態管理部335は、これらの登録されたインターフェースの1つ(例えば、動作可能となるブロードキャストインターフェース、落ちるブロードキャストインターフェース、等)の状態変化に応じて、IGPモジュール320に通知する。そして、IGPモジュール320は、これらのインターフェースを伴うローカルIGPインターフェース構造328を更新し得る。
【0045】
IGPモジュール320は、ネットワーク100の中の他のネットワーク要素とのネイバ隣接関係を確立し、維持する。例えば、IGPモジュール320は、ネットワーク100の中の他のネットワーク要素からのhelloパケットを送受信する。これらのhelloパケットから、IGPモジュール320は、ネイバ隣接関係テーブル322を生成し、維持する。
【0046】
IGPモジュール320は、ネットワーク100のトポロジを構築するために、(典型的には、リンク状態アドバタイズメント(LSA)の形で)リンク状態情報も送受信する。IGPモジュール320は、送受信するLSAから、リンク状態データベース324を生成し、維持する(したがって、リンク状態データベース324は、ネットワーク100のネットワークトポロジの表現である)。
【0047】
IGPモジュール320は、ネイバ情報マシン380も含む。一実施形態によると、IGPが、OSPFである場合に、ネイバ状態マシン380は、RFC2328の中で定義されるように動作する。例えば、ネイバ状態マシン380は、発生する様々なネイバ状態の変化(例えば、双方向のIGP通信を確立する際の状態、隣接関係を確立する際の状態、等)を管理する。
【0048】
一実施形態では、IGPモジュール320は、リンク状態データベース324の宛先への最適なパスを判定するための最短パス優先(SPF)プロセスも含む(したがって、SPFプロセスは、リンク状態データベース324の情報に適用される)。選択されたルートは、ローカルIGP RIB326に追加される。そして、ローカルIGP RIB326は、データプレーン360上の1つ以上のFIB(フォワーディング情報ベース)370へプログラムされる。ルートは、制御プレーン上のメインRIBにもプログラムされてもよい。
【0049】
既に説明したように、IGPモジュール320は、ネットワーク100のトポロジを構築するためにLSAを送受信する。IGPモジュール320は、LDPがブロードキャストインターフェース上で動作可能となるまで、ブロードキャストインターフェースについてそのLSAから擬似ノード隣接関係を除外するLDP−IGP同期LSAモジュール385を含む。一実施形態では、LDPがブロードキャストインターフェースについて完全に動作可能ではない場合に、LDP−IGP同期LSAモジュール385は、ローカルIGPインターフェース構造328の中のインターフェースについてLSAフラグから抑制擬似ノード隣接関係を設定する。
【0050】
LDPモジュール340は、ネットワーク100の中の他のネットワーク要素とラベルを取り決める。一実施形態では、LDPモジュール340は、いつLDPが特定のブロードキャストインターフェースについて完全に動作可能であるかを判定し、LDPが当該インターフェースについて完全に動作可能であることをIGPモジュール320に通知する。そして、IGPモジュール320は、LSAフラグから抑制擬似ノード隣接関係が設定された場合に、当該抑制擬似ノード隣接関係を消去し得る。(そして、擬似ノード隣接関係をアドバタイズし得る。)LDPモジュール340は、ラベル管理部350とも結合される。ラベル管理部350は、LSP構造355を生成し、維持する。LSP構造355は、とりわけ、LSPについてのラベルを生成し、管理する。ラベルは、データプレーン360の中の1つ以上のラベルフォワーディング情報ベース(LFIB)へプログラムされる。例えば、LSP構造355の中に記憶されるラベルは、ネットワーク要素140の中の1つ以上のラインカードの1つ以上のパケット処理ユニットへプログラムされる。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態に従って、ネットワーク要素メンバのうちの全てのネイバでLDPが動作可能であるまでトランジットトラフィックのためにブロードキャストネットワークインターフェースの使用を阻止するために、ブロードキャストネットワークのDRとのIGP隣接関係をもたらすブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される、例示的な動作を説明するフロー図である。図4の動作は、図1〜3の例示的な実施形態を参照して説明される。しかしながら、図1〜3を参照して議論される実施形態以外の本発明の実施形態が、図4の動作を実行できるということ、及び、図1〜3を参照して議論される実施形態は、図4を参照して議論される動作とは異なる動作を実行できるということが、理解されるべきである。
【0052】
図4において説明されるように、ネットワーク要素140は、動作400を実行する。動作400は、ブロック410で始まる。ブロック410で、ブロードキャストインターフェース142上でのネットワーク要素(DR)110との隣接関係が現れる。フローは、ブロック415へ移る。ブロック415で、IGPモジュール320は、代表ルータからの擬似ノードLSA196を受信する。擬似ノードLSA196は、ブロードキャストネットワークの各ネットワーク要素メンバ(例えば、ネットワーク要素110、130、及び150)の標識を含む。フローは、ブロック415からブロック420へ移る。
【0053】
ブロック420で、IGPモジュール320は、LDPがブロードキャストインターフェース142上で全てのネイバと動作可能かを判定する。本発明の一実施形態によれば、LDP−IGP同期モジュール385は、LDP−IGP同期タイマを動作させる。当該LDP−IGP同期タイマは、LDPが動作可能となるのにかかる時間の推定値に設定される。当該タイマの満了に応じて、LDP−IGP同期モジュール385は、LDPが動作可能である(したがって、LDPとIGPは同期されている)と仮定する。別の実施形態では、LDP−IGP同期モジュール385は、本明細書で既に説明されたような、ドラフトのIETFのEnd−of−LIBのメカニズムを実装する。LDPがブロードキャストインターフェース142上で全てのネイバと動作可能であれば、フローはブロック450へ移る。ブロック450で、隣接関係のアップ処理が通常通り継続する。そうでなければ、フローはブロック425へ戻る。
【0054】
ブロック425で、IGPモジュール320は、ブロードキャスト擬似ノード120への擬似ノード隣接関係をアドバタイズすることを抑制する。擬似ノード隣接関係を抑制することで、擬似ノード隣接関係は、リンク状態データベース324の中に含まれなくなる。IGPモジュール320は、また、ローカルインターフェース構造328の中のブロードキャストインターフェース142についてLSAフラグから抑制擬似ノード隣接関係を設定する。フローは、ブロック425からブロック430へ移る。
【0055】
ブロック430で、IGPモジュール320は、擬似ノードLSAの中でリスト化されたメンバであって、ネットワーク要素140との双方向のIGP通信を有するこれらのメンバへの、高コストのP2P隣接関係を、そのLSAの中に挿入し、当該LSAをそのネイバにアドバタイズする。図1を参照すると、ネットワーク要素110、130、及び150への高コストでのP2P隣接関係は、(ネットワーク要素110、130、150、及び155がそれぞれネットワーク要素140との双方向のIGP通信を有すると仮定すると、)ブロードキャストインターフェース142についてのLSAの中でネットワーク要素110、130、150、及び155にアドバタイズされる。高コストのP2P隣接関係は、トランジットトラフィックがブロードキャストインターフェース142を通してネットワーク110、130、及び150に向けて送信されることを阻止する。本明細書で後にさらに詳細に説明されるように、高コストのP2P隣接関係も、ネットワーク要素140のブロードキャストインターフェース142上でLDPがまだ動作可能でないことの、ネットワーク要素110、130及び150への標識として、機能する。フローは、ブロック430からブロック435へ移る。ブロック435で、IGPモジュール320のネイバ状態マシン380は、隣接関係のアップ処理を継続する。
【0056】
フローは、ブロック435からブロック440へ移る。ブロック440で、IGPモジュール320は、LDPがブロードキャストインターフェース142上で全てのネイバと動作可能であるかを判定する。OSPFモジュールは、ブロック420を参照して上述されたように、LDPが動作可能であるかを判定する。LDPが動作可能でない場合には、フローはブロック440へ戻る。ブロック440では、IGPモジュール320は、LDPが動作可能となるまで待機し続ける。しかしながら、LDPが動作可能であれば、フローはブロック445へ移る。
【0057】
ブロック445で、IGPモジュールは、P2P隣接関係をLSAから取り除き、擬似ノード隣接関係をLSAの中に挿入し、当該LSAをアドバタイズする。図2を参照すると、ネットワーク要素140からネットワーク要素110、130、及び150へのP2P隣接関係は、アドバタイズされることを停止し、ブロードキャスト擬似ノード120への擬似ノード隣接関係と置き換えられる。したがって、出ていくトランジットトラフィックのためにブロードキャストインターフェース142を使用することの阻止が、解除される。本明細書で後にさらに詳細に説明されるように、P2P隣接関係を擬似ノード隣接関係と置き換えることも、ネットワーク要素140のブロードキャストインターフェース上でLDPが現在動作可能であることの、ネットワーク要素110、130、及び150への標識として、機能する。
【0058】
図5A及び図5Bは、ネットワーク要素(DR)110上で実行される例示的な動作を説明するフロー図である。図5A及び図5Bの動作は、図1及び図2の例示的な実施形態を参照して説明される。しかしながら、図1及び図2を参照して議論される実施形態以外の本発明の実施形態が、図5A及び図5Bの動作を実行できるということ、並びに、図1及び図2を参照して議論される実施形態は、図5A及び図5Bを参照して議論される動作とは異なる動作を実行できるということが、理解されるべきである。
【0059】
図5Aにおいて説明されるように、ネットワーク要素(DR)110は、動作500を実行する。動作500は、ブロック510で始まる。ブロック510で、ネットワーク上に現れるネイバ(例えば、ネットワーク要素140)との隣接関係が確立される。この時点で、ネットワーク要素140はIGP隣接関係を確立したばかりである(したがって、トランジットトランジットはネットワーク要素140へまだ送信されるべきではない)ため、ネットワーク要素(DR)110は、LDPが動作可能ではないと仮定する。こうして、フローはブロック515へ移る。IGPモジュールは、トランジットトラフィックを送信するためにネットワーク要素140へのリンクを使用することを阻止するために、そのLSAの中で、ネットワーク要素140への高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする。フローはブロック515からブロック520へ移って、通常の隣接関係のアップ処理のステップが継続される。
【0060】
図5Bにおいて説明されるように、ネットワーク要素(DR)110は、動作525を実行する。ブロック530で、ネットワーク要素(DR)110のIGPモジュールは、P2P隣接関係をアドバタイズされたネイバからLSA(例えば、ネットワーク要素140のブロードキャストインターフェース142についてのLSA)を受信する。フローは、ブロック530からブロック535へ移る。図4を参照して上述したように、ブロードキャストインターフェース142についてネットワーク要素140によりアドバタイズされる高コストの隣接関係は、ブロードキャストインターフェース142上でLDPが動作可能でない(したがって、トランジットトラフィックはブロードキャストインターフェース142に向けての送信を回避されるべきである)ことの標識として機能する。したがって、ブロック535で、ネットワーク要素(DR)110のIGPモジュールは、受信されたLSAがP2P隣接関係を含むかを判定する。LSAがP2P隣接関係を含む場合に、フローはブロック545へ移る。ブロック545で、IGPモジュールはLSAの受信処理を継続する。しかしながら、LSAがP2P隣接関係を含まない場合には、フローはブロック540へ移る。
【0061】
上述したように、ブロードキャストインターフェース142についてのネットワーク要素140からのLSAであって、P2P隣接関係を含まない当該LSAを受信することは、LDPが上記インターフェース上で動作可能であること、及びトランジットトラフィックがネットワーク要素140に向けて送信されてもよいこと(又は、少なくとも、通常のコストでSPFにより考えられてもよいこと)の、標識として機能する。したがって、ブロック540で、ネットワーク要素(DR)110のIGPモジュールは、そのLSAから、ネットワーク要素140へのP2P隣接関係を取り除く。これにより、ネットワーク要素へトランジットトラフィックを送信することの阻止は解除される。図2を参照すると、ネットワーク要素110及び140は、P2P隣接関係194をアドバタイズすることを停止しており、したがって、トランジットトラフィックの送信のためにネットワーク要素110とネットワーク要素140との間の双方向のリンクを使用することの阻止を解除する。フローは、ブロック540からブロック545へ移る。ブロック545で、IGPモジュールは、LSAの受信処理を継続する。
【0062】
図6Aは、本発明の一実施形態に従って、擬似ノードLSAを受信することに応じてブロードキャストネットワークのDRと隣接するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される例示的な動作を説明するフロー図である。図6Aの動作は、図1の例示的な実施形態を参照して説明される。しかしながら、図1を参照して議論される実施形態以外の本発明の実施形態が、図6Aの動作を実行できるということ、及び、図1を参照して議論される実施形態は、図6Aを参照して議論される動作とは異なる動作を実行できるということが、理解されるべきである。
【0063】
図6Aにおいて説明されるように、ネットワーク要素130が動作600を実行する。しかしながら、ネットワーク100の中の他のネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素150)が同様の動作を実行するということが、理解されるべきである。ブロック610で、ネットワーク要素130のIGPモジュールは、ブロードキャスト擬似ノード120の擬似ノードLSAを受信する。フローは、ブロック610からブロック615へ移る。
【0064】
ブロック615〜630の動作は、擬似ノードLSAの中でリスト化された各ネイバについて実行される。例示のために、ブロック615〜630の動作は、ネットワーク要素140を参照して説明される。ブロック615で、ネットワーク要素130のIGPモジュールは、ネットワーク要素140との双方向のIGP通信があるかを判定する。双方向のIGP通信がない場合に、フローはブロック635へ移る。ブロック635で、LSAの受信処理が継続する。双方向のIGP通信がない場合に、SPFの実行の間の双方向のチェックが失敗し、その結果、そのリンクはトランジットトラフィックを送信するために使用されない(したがって、そのリンクについての高コストのP2P隣接関係をアドバタイズする必要はない)ということが、理解されるべきである。双方向のIGP通信がある場合に、フローはブロック620へ移る。
【0065】
ブロック620で、IGPモジュールは、ネットワーク要素140がネットワーク要素130へのP2P隣接関係をその時点でアドバタイズしているか(例えば、ネットワーク要素140から受信された最新のLSAが高コストのP2P隣接関係を含むか)を判定する。一実施形態では、ネットワーク要素140がP2P隣接関係をアドバタイズしているかを判定するために、IGPモジュールは、そのLSDBにアクセスする。ネットワーク要素140がP2P隣接関係をアドバタイズしていなければ、フローはブロック635へ移る。ブロック635で、LSAの受信処理が継続する。しかしながら、ネットワーク要素140がP2P隣接関係をアドバタイズしている場合に、フローはブロック625へ移る。例として、ネットワーク要素140は、ネットワーク要素130へのP2P隣接関係をその時点でアドバタイズしている。
【0066】
ブロック625で、IGPモジュールは、トランジットトラフィックのためにネットワーク要素140へのリンクを使用することを阻止するために、ネットワーク要素140への高コストのP2P隣接関係を自らのLSAの中に追加する。そして、フローは、ブロック630へ移る。ブロック630では、LSAがアドバタイズされる(例えば、フラッドされる)。図1を参照すると、ネットワーク要素130とネットワーク要素140との間のP2P隣接関係190がアドバタイズされる。したがって、各一方向の向きで、高コストのP2P隣接関係がアドバタイズされる。これにより、トランジットトラフィックのためのネットワーク要素130とネットワーク要素140との間の双方向のリンクの使用が、阻止される。そして、フローはブロック635へ移る。
【0067】
図6Bは、本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークのネイバネットワーク要素メンバとの双方向のIGP通信を確立することに応じてブロードキャストネットワークのDRと隣接するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される例示的な動作を説明するフロー図である。図6Bの動作は、図1及び図2の例示的な実施形態を参照して説明される。しかしながら、図1及び図2を参照して議論される実施形態以外の本発明の実施形態が、図6Bの動作を実行できるということ、並びに、図1及び図2を参照して議論される実施形態は、図6Bを参照して議論される動作とは異なる動作を実行できるということが、理解されるべきである。
【0068】
図6Bにおいて説明されるように、ネットワーク要素130が動作640を実行する。しかしながら、ネットワーク100の中の他のネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素150)が同様の動作を実行するということが、理解されるべきである。ブロック645で、ネイバ(例えば、DRによりアドバタイズされる擬似ノードLSAの中でリスト化されたネイバ)との双方向のIGP通信が確立される。フローは、ブロック650へ移る。ブロック650で、(例えばブロック620の動作と同様に、)ネットワーク要素130のIGPモジュールは、ネイバがネットワーク要素130へのP2P隣接関係をその時点でアドバタイズしているかを判定する。ネイバがP2P隣接関係をアドバタイズしていなければ、フローはブロック665へ移る。ブロック665では、LSAの受信処理が継続する。しかしながら、ネイバがP2P隣接関係をアドバタイズしていれば、フローはブロック655へ移る。
【0069】
ブロック655で、ネットワーク要素130のIGPモジュールは、トランジットトラフィックのためにリンクを使用することを阻止するために、そのLSAの中に、上記ネイバへの高コストのP2P隣接関係を追加する。そして、フローは、ブロック660へ移る。ブロック660で、LSAがアドバタイズされる(例えば、フラッドされる)。そして、フローはブロック665へ移る。
【0070】
図6Cは、本発明の一実施形態に従って、ブロードキャストネットワークのネイバネットワーク要素のLSAを受信することに応じてブロードキャストネットワークのDRと隣接するブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバ上で実行される例示的な動作を説明するフロー図である。図6Cの動作は、図1及び図2の例示的な実施形態を参照して説明される。しかしながら、図1及び図2を参照して議論される実施形態以外の本発明の実施形態が、図6Cの動作を実行できるということ、並びに、図1及び図2を参照して議論される実施形態は、図6Cを参照して議論される動作とは異なる動作を実行できるということが、理解されるべきである。
【0071】
図6Cにおいて説明されるように、ネットワーク要素130が動作695を実行する。しかしながら、ネットワーク100の中の他のネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素150)が同様の動作を実行するということが、理解されるべきである。ブロック675で、ネットワーク要素130のIGPモジュールは、ネイバ(例えば、ネットワーク要素140)からLSAを受信する。図4を参照して説明されるように、ネットワーク要素140によりアドバタイズされる高コストのP2P隣接関係は、LDPがブロードキャストインターフェース142上で動作可能でないこと(及び、したがって、トランジットトラフィックはブロードキャストインターフェース142に向けての送信を回避されるべきであること)の標識としてとして機能する。したがって、ブロック680で、IGPモジュールは、LSAが高コストのP2P隣接関係を含むかを判定する。LSAがP2P隣接関係を含めば、フローはブロック690へ移る。ブロック690では、LSAの受信処理が継続する。しかしながら、LSAがP2P隣接関係を含まなければ、フローはブロック685へ移る。
【0072】
上述したように、P2P隣接関係を含まないネットワーク要素140からのLSAを受信することは、LDPがブロードキャストインターフェース142上で動作可能であること、及びトランジットトラフィックがネットワーク要素140に向けて送信されてもよいこと(又は、少なくとも、通常のコストでSPFアルゴリズムにより考えられてもよいこと)の、標識として機能する。したがって、ブロック685で、ネットワーク要素130のIGPモジュールは、ネットワーク要素140へのP2P隣接関係が存在する場合に、そのLSAから当該P2P隣接関係を取り除く。これにより、ネットワーク要素へトランジットトラフィックを送信することの阻止が、解除される。図2を参照すると、ネットワーク要素130及びネットワーク要素140は、P2P隣接関係194をアドバタイズすることを停止し、したがって、トランジットトラフィックの送信のためにネットワーク要素130とネットワーク要素140との間の双方向のリンクを使用することの阻止を解除する。フローは、ブロック685からブロック690へ移る。ブロック690では、IGPモジュールは、LSAの受信処理を継続する。
【0073】
したがって、ブロードキャストネットワークに適用される場合のRFC5443とは異なり、本明細書で説明されたLDP及びIGPの同期のメカニズムは、ゼロトラフィック損失の手順なので、トランジットトラフィックがブラックホーリングされること、又はトランジットトラフィックが準最適なパスへ迂回されることにつながらない。したがって、ブロードキャストネットワークにRFC5443を適用するネットワークでは簡単に違反され得るキャリアクラスの信頼性メトリクスは、本明細書で説明されたLDP及びIGPの同期メカニズムを使用して維持される。
【0074】
図面の中のフロー図は、本発明のある実施形態により実行される動作の特定の順序を示すが、当該順序は例示である(例えば、代替の実施形態は、異なる順序で動作を実行し、ある動作を組み合わせ、ある動作を重複し得る、等)ということが理解されるべきである。
【0075】
本発明は、いくつかの実施形態の観点で説明されたが、本発明は、説明された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の修正及び変更を伴い実施されることが可能であるということを、当業者は認識するであろう。したがって、説明は、限定の代わりに例示とみなされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部ゲートウェイプロトコル(IGP)のインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるラベル配布プロトコル(LDP)によるラベル交換パス(LSP)の確立に依存するブロードキャストネットワークでの使用のためのネットワーク要素であって、前記ネットワーク要素は、LDPの収束の前のIGPの収束により引き起こされるトラフィックのブラックホーリング及び準最適なトラフィックの迂回を回避することを支援するように適合され、前記ネットワーク要素は:
LDPが動作可能である場合にLSPを通してトランジットトラフィックを搬送するように適合されるブロードキャストネットワークインターフェースと;
前記ネットワーク要素の各ネイバとラベルバインディングを交換するLDPモジュールと;
LDPモジュールと結合されるIGPモジュールであって、
前記IGPモジュールは、前記ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)とのIGP隣接関係をもたらすことに応じて、前記ネットワーク要素のリンク状態アドバタイズメント(LSA)の中で、前記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの、前記ブロードキャストネットワークインターフェースについての擬似ノード隣接関係をアドバタイズする代わりに、前記LSAの中で、前記ネットワーク要素との双方向のIGP通信の状態にある前記ブロードキャストネットワークの各メンバへの、前記ブロードキャストネットワークインターフェースについてのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズし、
前記P2P隣接関係は、トランジットトラフィックのために前記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することを阻止するための高コストを含み、
前記擬似ノードは、前記ブロードキャストネットワークのトポロジを表し、
前記擬似ノード隣接関係は、前記ネットワーク要素から前記擬似ノードへの一方向のリンクを表し、
前記IGPモジュールは、LDPが前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で全てのネイバと動作可能になった後に、前記P2P隣接関係をアドバタイズする代わりに、前記ネットワーク要素のLSAの中で、前記擬似ノードへの、前記ブロードキャストネットワークインターフェースについての前記擬似ノード隣接関係をアドバタイズし、それにより、トランジットトラフィックのために前記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することの阻止を解除し、
LDPが前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で全てのネイバと動作可能となるまで、トランジットトラフィックは前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で回避される、
前記IGPモジュールと;
を備える、ネットワーク要素。
【請求項2】
前記IGPモジュールは、さらに、LGP−IGP同期タイマに基づいて、LDPが全てのネイバと動作可能かを推定し、LDP−IGP同期タイマの満了に応じて、LDPが動作可能であると仮定する、請求項1のネットワーク要素。
【請求項3】
前記IGPモジュールは、さらに、前記ブロードキャストネットワークインターフェース上での前記ネイバの各々からのラベルアドバタイズメント完了の信号の受信後に、LDPが各ネイバと動作可能であると判定する、請求項1のネットワーク要素。
【請求項4】
前記IGPモジュールは、さらに、P2P隣接関係をアドバタイズされる前記ブロードキャストネットワークの前記メンバの各々について、当該メンバからのLSAの中で、高コストを伴うP2P隣接関係を受信する、請求項1のネットワーク要素。
【請求項5】
LSAを記憶するためのリンク状態データベース(LSDB)をさらに備え、
前記IGPモジュールは、さらに、LDPが動作可能でない間は、前記擬似ノード隣接関係を前記LSA及び前記LSDBの中に含めることを回避する、
請求項1のネットワーク要素。
【請求項6】
内部ゲートウェイプロトコル(IGP)のインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるラベル配布プロトコル(LDP)によるラベル交換パス(LSP)の確立に依存するブロードキャストネットワークについての代表ルータ(DR)として動作する、前記ブロードキャストネットワークでの使用のためのネットワーク要素であって:
LSPを通してトランジットトラフィックを搬送するように適合されるブロードキャストネットワークインターフェースと;
IGPモジュールであって、
前記IGPモジュールは、前記ブロードキャストネットワークの擬似ノードの代わりに、
前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で前記ブロードキャストネットワークのメンバに擬似ノードリンク状態アドバタイズメント(LSA)をアドバタイズし、
前記擬似ノードは、前記ブロードキャストネットワークのトポロジを表し、
各擬似ノードLSAは、前記DRに隣接する前記ブロードキャストネットワークの各メンバの標識を含み、
前記IGPモジュールは、前記メンバが前記DRに隣接するようになる場合に、前記ブロードキャストネットワークインターフェース上での、前記ブロードキャストネットワークの前記メンバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズし、
各P2P隣接関係は、前記DRと前記ブロードキャストネットワークのメンバとの間の一方向のリンクを表し、
前記P2P隣接関係は、当該P2P隣接関係により表される前記一方向のリンク上で前記メンバにトランジットトラフィックを送信することを阻止するためにアドバタイズされ、
前記IGPモジュールは、P2P隣接関係を含まないLSAを前記DRに自らアドバタイズした前記ブロードキャストネットワークのメンバであって、前記DRに隣接するようになった当該メンバへの、前記P2P隣接関係をアドバタイズすることを停止し、
前記ブロードキャストネットワークのメンバからP2P隣接関係を含まないLSAを前記DRが受信するまで、トランジットトラフィックは前記メンバへの一方向のリンク上で回避される、
前記IGPモジュールと;
を備えるネットワーク要素。
【請求項7】
前記高コストの値は、前記一方向のリンクを最終手段の一方向のリンクとして指定する、請求項6のネットワーク要素。
【請求項8】
ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)と隣接し、前記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの双方向のリンクを有する前記ブロードキャストネットワークでの使用のためのネットワーク要素であって、前記ブロードキャストネットワークは、正しく機能するために内部ゲートウェイプロトコル(IGP)のインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるラベル配布プロトコル(LDP)によるラベル交換パス(LSP)の確立に依存し、前記ネットワーク要素は:
LSPを通してトランジットトラフィックを搬送するように適合されるブロードキャストネットワークインターフェースと;
IGPモジュールであって、
前記IGPモジュールは、前記DRに隣接する前記ブロードキャストネットワークの各メンバの標識を各々含む、前記DRからの擬似ノードリンク状態アドバタイズメント(LSA)を含む、前記ブロードキャストネットワークのメンバからのLSAを受信し、
前記IGPモジュールは、前記ブロードキャストネットワークの前記メンバのうちの、P2P隣接関係をその時点で自らアドバタイズしている前記メンバの各々への高コストのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズし、
各P2P隣接関係は、前記ネットワーク要素と前記ブロードキャストネットワークのメンバとの間の一方向のリンクを表し、
前記P2P隣接関係は、当該P2P隣接関係により表される前記一方向のリンク上で前記メンバにトランジットトラフィックを送信することを阻止するためにアドバタイズされ、
前記IGPモジュールは、P2P隣接関係を含まない前記メンバからのLSAの受信に応じて、当該メンバの各々への、前記P2P隣接関係をアドバタイズすることを停止する、
IGPモジュールと;
を備える、ネットワーク要素。
【請求項9】
前記高コストの値は、前記一方向のリンクを最終手段の一方向のリンクとして指定する、請求項8のネットワーク要素。
【請求項10】
ラベル分配プロトコルの収束の前の内部ゲートウェイプロトコル(IGP)の収束に起因するブロードキャストネットワークにおけるトラフィックのブラックホーリング及び準最適なトラフィックの迂回を回避することを支援する方法であって、前記ブロードキャストネットワークは、IGPのインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるLDPによるラベル交換パス(LSP)の確立に依存し、前記方法は、前記ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)との隣接関係をもたらすネットワーク要素により実行され、前記方法は:
前記DRとの双方向のIGP通信の確立に応じて、前記ネットワーク要素のブロードキャストネットワークインターフェースで前記DRから擬似ノードリンク状態アドバタイズメント(LSA)を受信するステップと;
前記擬似ノードLSAは、前記ブロードキャストネットワークのネットワーク要素メンバの標識を含むことと、
前記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有する、前記ブロードキャストネットワークの前記ネットワーク要素メンバの各々について、
前記ネットワーク要素のLSAの中で、前記ブロードキャストネットワークの擬似ノードへの隣接関係をアドバタイズする代わりに、前記ネットワーク要素のLSAの中で、前記ブロードキャストネットワークインターフェースについての前記ネットワーク要素メンバへのピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズするステップ
を実行するステップと;
前記P2P隣接関係は、トランジットトラフィックのために前記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することを阻止するための高コストを含むことと、
前記擬似ノードは、前記ブロードキャストネットワークのトポロジを表すことと、
前記擬似ノードへの前記隣接関係は、前記擬似ノードと前記ネットワーク要素との間のリンクを表すことと、
LDPが前記ネットワーク要素の前記ブロードキャストネットワークインターフェース上でネイバと動作可能となること応じて、
前記ネットワーク要素のLSAの中で、前記P2P隣接関係の代わりに、前記ブロードキャストネットワークインターフェースについての前記擬似ノードへの前記隣接関係をアドバタイズし、トランジットトラフィックのために前記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することの阻止を解除するステップ
を実行するステップと;
LDPが前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で前記ネイバと動作可能でない間は、トランジットトラフィックは前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で回避されることと、
を含む、方法。
【請求項11】
LGP−IGP同期タイマの満了に基づいて、LDPが動作可能であると推定するステップ、をさらに含む、請求項10の方法。
【請求項12】
セッションの確立の後のラベルのアドバタイズの完了を示すメッセージを前記ネットワーク要素の前記ネイバの各々から受信した後に、LDPが動作可能であると判定するステップ、をさらに含む、請求項10の方法。
【請求項13】
P2P隣接関係をアドバタイズされる前記ネットワーク要素メンバの各々からのLSAの中で、高コストを伴うP2P隣接関係を受信するステップ、さらに含む、請求10の方法。
【請求項14】
LDPが動作可能となるまで、前記擬似ノードへの前記隣接関係を前記ネットワーク要素のLSA及びリンク状態データベース(LSDB)の中に含めることを回避するステップ、をさらに含む、請求項10の方法。
【請求項15】
内部ゲートウェイプロトコル(IGP)のインターネットプロトコル(IP)フォワーディングの決定に結び付けられるラベル配布プロトコル(LDP)によるラベル交換パス(LSP)の確立に依存するブロードキャストネットワークであって、前記ブロードキャストネットワークは、LDPの収束の前のIGPの収束により引き起こされるトラフィックのブラックホーリング及び準最適なトラフィックの迂回を回避するように適合され、前記ブロードキャストネットワークは:
複数のネットワーク要素;
を備え、
前記複数のネットワーク要素は、それぞれ、
ブロードキャストネットワークインターフェースと、
ブロードキャストネットワークインターフェース上で前記ブロードキャストネットワークのメンバとラベルバインディングを交換するLDPモジュールと、
IGPモジュールと、
を含み、
前記IGPモジュールは、
LDPが前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で各ネイバと動作可能でない間は、トランジットトラフィックのために前記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することを阻止するために、前記ネットワーク要素のリンク状態アドバタイズメント(LSA)の中で、擬似ノード隣接関係をアドバタイズする代わりに、前記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有する前記ブロードキャストネットワークのメンバへの、高コストを有するピア・ツー・ピア(P2P)隣接関係をアドバタイズすること、
LDPが前記ブロードキャストネットワークインターフェース上で各ネイバと動作可能となることに応じて、前記ネットワーク要素のLSAの中の前記P2P隣接関係を前記擬似ノード隣接関係に置き換え、それにより、トランジットトラフィックのために前記ブロードキャストネットワークインターフェースを使用することの阻止を解除すること、及び
ネットワーク要素メンバのうちの、前記ネットワーク要素との双方向のIGP通信を有し、且つ高コストを伴うP2P隣接関係を自らアドバタイズしているネットワーク要素メンバへの、リンクを、フォワーディングの決定において回避するために、当該ネットワーク要素メンバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズすること、
を実行する、
ブロードキャストネットワーク。
【請求項16】
各ネットワーク要素の前記IGPモジュールは、さらに、前記複数のネットワーク要素のうちの1つを前記ブロードキャストネットワークの代表ルータ(DR)として選択し、前記DR上の前記IGPモジュールは、
前記ブロードキャストネットワークの擬似ノードの代わりに、前記ブロードキャストネットワークの他のネットワーク要素メンバへ擬似ノードLSAをアドバタイズすること
を実行し、
前記擬似ノードは、前記ブロードキャストネットワークのトポロジを表し、
各擬似ノードLSAは、その時点で前記擬似ノードと隣接する、前記ブロードキャストネットワークの前記ネットワーク要素メンバの、各々の標識を含み、
前記DR上の前記IGPモジュールは、
前記他のネットワーク要素メンバが前記DRに隣接するようになる場合に、ブロードキャストネットワークインターフェース上での、前記ブロードキャストネットワークの前記他のネットワーク要素メンバへの高コストのP2P隣接関係をアドバタイズすること
を実行し、
各P2P隣接関係は、前記DRと前記ブロードキャストネットワークのメンバとの間の一方向のリンクを表し、
前記P2P隣接関係は、当該P2P隣接関係により表される前記一方向のリンク上でのトランジットトラフィックを阻止するためにアドバタイズされ、
前記DR上の前記IGPモジュールは、
P2P隣接関係を含まないLSAを前記DRへ自らアドバタイズした前記ブロードキャストネットワークの前記メンバへのP2P隣接関係をアドバタイズすることを停止すること
を実行する、
請求項15のブロードキャストネットワーク。
【請求項17】
各ネットワーク要素は、前記ブロードキャストネットワークについてのLSAを記憶するリンク状態データベース(LSDB)をさらに含む、請求項16のブロードキャストネットワーク。
【請求項18】
前記ネットワーク要素の前記IGPモジュールは、LDP−IGP同期タイマの満了を通して、前記LDPが前記ブロードキャストネットワークのメンバと動作可能であると推定する、請求項16のブロードキャストネットワーク。
【請求項19】
各ネットワーク要素の前記LDPモジュールは、セッションの確立の後のラベルのアドバタイズの完了をシグナリングし、
前記ネットワーク要素の前記IGPモジュールは、ネットワーク要素メンバの各々からの完了信号の受信に応じて、LDPが前記ネットワーク要素メンバと動作可能であると判定する、
請求項16のブロードキャストネットワーク。
【請求項20】
前記高コストの値は、対応する前記リンクを最終手段のリンクとして指定する、請求項16のブロードキャストネットワーク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公表番号】特表2013−502867(P2013−502867A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526163(P2012−526163)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053807
【国際公開番号】WO2011/024121
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】