プラスチックキャップ及びそれを用いた製品又は容器
【課題】本発明は、開栓しにくさの原因となるものは、手の痛みと、手の滑りやすさの2要因であることを見出しなされた。すなわち、本発明は、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすいプラスチックキャップの提供を目的とする。
【解決手段】本発明のプラスチックキャップ10は、天板部11と天板部11の周縁から垂下した筒状の胴体部12とからなり、かつ、天板部11から胴体部12の周端部16へ向かう方向に伸びる複数の凸条13からなるナール14が胴体部12の外周面に設けられており、かつ容器30の蓋となるプラスチックキャップにおいて、凸条13が胴体部12の周方向に沿って等間隔に設置されている領域21a、21b、21cを胴体部12の周方向に設け、かつ、相隣り合う領域21aと領域21b及び領域21bと領域21cにおける凸条13の間隔を異ならしめたことを特徴とする。
【解決手段】本発明のプラスチックキャップ10は、天板部11と天板部11の周縁から垂下した筒状の胴体部12とからなり、かつ、天板部11から胴体部12の周端部16へ向かう方向に伸びる複数の凸条13からなるナール14が胴体部12の外周面に設けられており、かつ容器30の蓋となるプラスチックキャップにおいて、凸条13が胴体部12の周方向に沿って等間隔に設置されている領域21a、21b、21cを胴体部12の周方向に設け、かつ、相隣り合う領域21aと領域21b及び領域21bと領域21cにおける凸条13の間隔を異ならしめたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の凸条からなるナールを表面にし、手の痛みが少なく、かつ、手が滑り難いことで、開栓しやすいプラスチックキャップ及び当該プラスチックキャップで密封された製品又は容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料物用容器のプラスチックキャップの開栓を容易にするために、外周面に滑り止めのための凹凸又は凸条が並んだナールが施されてきた(例えば、特許文献1〜8を参照。)。
【特許文献1】特開2006−1600号公報
【特許文献2】特開2005−178828号公報
【特許文献3】特開2004−284615号公報
【特許文献4】特開2004−291979号公報
【特許文献5】特開2004−352312号公報
【特許文献6】特開2004−196383号公報
【特許文献7】実登3109446号公報
【特許文献8】実登3090852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プラスチックキャップのナールは、滑り止めの効果を発揮するために、手の表面に対する摩擦抵抗が大きいことが好ましい。このため、ナールの凸部が手の表面に掛かりやすい大きさであり、かつ、ナールの凹凸の表面と手の表面との接触面積が大きいことが好ましい。しかし、ナールの凸条が手の表面に食い込むと、プラスチックキャップを開栓する際に手の表面に痛みを感じるため、手の滑りは抑えられていてもプラスチックキャップを開栓しにくくなってしまう問題がある。
【0004】
一方、手の痛みを軽減するために、ナールの凸部が手の表面に食い込まないようにすると、手の表面に対するナールの摩擦抵抗は小さくなる。このため、プラスチックキャップを握り締めた際に、手の痛みは抑えられていても手が滑ってしまい、プラスチックキャップを開栓しにくくなってしまう問題がある。特に、プラスチックキャップを開栓する際、手が濡れていたり、プラスチックキャップの表面が結露していたりするときには、手に対するプラスチックキャップの摩擦抵抗が水の影響で低下するので、かえって開栓が困難となる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、開栓しにくさの原因となるものは、手の痛みと、手の滑り難さの2要因であることを見出しなされた。すなわち、本発明は、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすいプラスチックキャップの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、胴体部の周方向に配置したことを特徴とする。
【0007】
具体的には、本発明に係るプラスチックキャップは、天板部と前記天板部の周縁から垂下した筒状の胴体部とからなり、かつ、前記天板部から前記胴体部の周端部へ向かう方向に伸びる複数の凸条からなるナールを前記胴体部の外周面に有し、かつ、容器の蓋となるプラスチックキャップにおいて、前記凸条が前記胴体部の周方向に沿って等間隔に設置されている領域を前記胴体部の周方向に複数設け、かつ、相隣り合う前記領域における前記凸条の間隔を異ならしめたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプラスチックキャップでは、前記領域を、4つ、6つ又は8つ設け、前記胴体部の周方向における前記領域の幅をそれぞれ等しくしたことが好ましい。領域が4つ、6つ又は8つであり、かつ、胴体部の周方向における領域の幅が等しいことで、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、10mmから30mm程度の領域の幅で胴体部の周方向に交互に配置することができる。人差し指や親指の指先の腹の長さは10mmから30mm程度が標準的であり、親指と人差し指の間の水かき部分の幅は10mmから30mm程度が標準的である。このため、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、人の手の標準的な大きさに合った幅で配置することができる。
【0009】
本発明に係るプラスチックキャップでは、前記凸条の間隔を、1.5mm以上1.6mm以下又は0.7mm以上0.8mm以下とし、前記凸条が1.5mm以上1.6mm以下で設置されている領域と、前記凸条が0.7mm以上0.8mm以下で設置されている領域と、を前記胴体部の周方向に交互に配置することが好ましい。凸条の間隔が1.5mm以上1.6mm以下であれば、滑り止め効果の高いナールとなる。凸条の間隔が0.7mm以上0.8mm以下であれば、手に痛みを感じさせにくいナールとなる。
【0010】
本発明に係るプラスチックキャップでは、前記凸条の前記胴体部の周端部側が、前記凸条の前記天板部側よりも開栓方向にずれていることが好ましい。凸条の周端部側が開栓方向にずれていることで、プラスチックキャップのねじ山に沿った方向に効率よく加圧することができる。ねじ山に沿って効率よく加圧することができるので、凸条の間隔が狭い領域であっても手が滑りにくい。
【0011】
本発明に係る製品又は容器は、本発明に係るプラスチックキャップで密封されていることを特徴とする。本発明に係るプラスチックキャップで密封されていることで、開栓時における手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすい容器を提供することができる。また、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすい容器に収容された製品を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記凸条が前記胴体部の周方向に沿って等間隔に設置されている領域を前記胴体部の周方向に複数設け、かつ、相隣り合う前記領域における前記凸条の間隔を異ならしめたので、滑り止め効果の高い領域と手に痛みを感じさせにくい領域とが胴体部の周方向に配置されて、滑り止めの効果を維持し、かつ、開栓時の手の痛みを軽減させることができる。これにより、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすいプラスチックキャップ、及び当該プラスチックキャップで密封された製品又は容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0014】
図1は、本実施形態に係るプラスチックキャップの概略正面図である。プラスチックキャップ10は、天板部11と天板部11の周縁から垂下した筒状の胴体部12とからなり、かつ、容器30の蓋となる。又、プラスチックキャップ10は、複数の凸条13からなるナール14が胴体部12の外周面に設けられている。又、胴体部12の周端部16にはバンド部15が設けられている。
【0015】
図1に示す容器30は、収容部31及び開口部32を有しており、開口部32がプラスチックキャップ10で密封されている。収容部31には、例えば、炭酸飲料、清涼飲料、ビール又は発泡酒等の飲料を含む製品が収容されている。容器30は、いかなる材料から形成されていても良い。容器30の材料は、例えば、アルミニウム又はスチール等の金属材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック材料、ガラス材料である。又、容器30の材料は、収容部31に充填される液体によって制限を受ける。例えば、容器30が飲料用であれば、容器30の材料は、飲料の品質保持の観点から、収容部31に充填される飲料に対して不活性であることが好ましい。さらに、容器30は、酸素等のガスバリア性を備えていることが好ましい。また、炭酸飲料を充填する場合には、容器30は、耐圧性を有する材料から形成されていることが好ましい。このような観点から容器30は、アルミニウム又はスチール等の金属材料或いはPET等のプラスチック材料から形成されていることが好ましい。また、容器30は、リサイクル性の観点からプラスチックキャップ10と同一の材料で形成することが好ましい。容器30がPETボトルの場合には、容器30はDLC薄膜等のガスバリア性薄膜をコーティングしたボトルであることが好ましい。
【0016】
図1に示すプラスチックキャップ10は、天板部11と、天板部11の周縁から垂下した筒状の胴体部12とからなり、容器30の蓋となる。プラスチックキャップ10は、開口部32の外周面と胴体部12の内周面が接し、天板部11及び胴体部12によって容器30の開口部32を覆う蓋である。プラスチックキャップ10は、開口部32の外径に応じたキャップ径を有する。プラスチックキャップ10のキャップ径は、キャップの外径を基準として、例えば、28mm、30mm、33mm、38mmである。
【0017】
図1に示すプラスチックキャップ10は、プラスチックキャップ10を開栓方向Aに回すことで開栓する開栓パターンが好ましく、例えばスクリューキャップ又はツイストキャップである。図1では、プラスチックキャップ10は、胴体部12の内周面にねじ山が設けられ、胴体部12の内周面と容器30の開口部32とがネジ構造となっている例を示した。開栓方向Aは、例えば、反時計回りである。この場合、プラスチックキャップ10を時計回りに回して容器の開口部32を密閉し、プラスチックキャップ10を反時計回りに回して容器の開口部32を開栓する。
【0018】
図1に示すプラスチックキャップ10は、AOキャップ(Albert Obrist Cap)のように、ねじ切ることで開栓する開栓パターンが好ましい。また、容器30が飲料用又は食品用を収容する場合、プラスチックキャップ10にバンド部15を設けることが好ましい。容器30が開栓されるとバンド部15が胴体部12と切り離されるので、消費者は容器30が開栓されたか否かを認識することができる。又、プラスチックキャップ10は、天板部11の内面に接するようにインナーシール(不図示)を備えることが好ましい。プラスチックキャップ10を閉めた際の容器30の密封性をより高めることができる。
【0019】
図1に示すプラスチックキャップ10の成形方法は、特に制限されるものではないが、例えば圧縮成形法又は射出成形法である。圧縮成形法は、金型のメス側にプラスチック材料を入れて加熱し、プラスチック樹脂が流動化したときに金型のオス側を合せ、圧力を加えて成形する方法である。射出成形法は、加熱シリンダーの中で熱可塑性のプラスチック材料を加熱して流動化させ、これを射出ラムにより金型の空間にプランジャーで押し込んで成形する方法である。
【0020】
図1に示すプラスチックキャップ10を形成するプラスチック材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、シクロオレフィンコポリマ樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂である。プラスチックキャップ10を形成するプラスチック材料は、特に、PE、PP又はPETが好ましい。
【0021】
図1に示すプラスチックキャップ10のシーリング方法は特に制限されないが、スクリュータイプのシーリング方法を用いることが好ましい。スクリュータイプのシーリング方法とは、プラスチックキャップ10を容器30の開口部32に回転ヘッド、ローラー又はバンド等のシーリング装置(不図示)でまわして締め付けるものである。さらに、プラスチックキャップ10と容器30とを、例えば、レーザー溶接法で溶着させても良い。このとき、プラスチックキャップ10と容器30との溶着部分を押当板等の密着手段によって密着状態にすることで、溶着不良を低減できる。
【0022】
図1に示すナール14は、胴体部12の外周面に設置されている複数の凸条13からなる。胴体部12の外周面にナール14を設けることで、プラスチックキャップ10の開栓時に、指の表面(不図示)がナール14の凸条13に引っ掛かり、プラスチックキャップ10を開栓しやすくすることができる。このため、ナール14は、胴体部12の外周面のほぼ全域に設けられていることが好ましい。
【0023】
図1に示す凸条13は、天板部11から胴体部12の周端部16へ向かう方向に伸びている。天板部11から胴体部12の周端部16へ向かう方向は、例えば、胴体部12の中心軸101と平行な方向である。図1では凸条13が直線状に伸びている例を示したが、凸条13は湾曲していてもよいし、屈曲していてもよい。
【0024】
図2は、ナールの第2形態を示す概略図である。図2に示すナールの第2形態は、領域21bに設置されている凸条13が、胴体部12の周端部16側が天板部11側よりも開栓方向Aにずれている。図2に示すように開栓方向Aが右方向の場合は、凸条13は右肩下がりとなる。凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれていることで、領域21bを握って開栓方向Aに回転させた際に、胴体部12の内周面に設けられているねじ山(不図示)に沿って加圧することができる。これにより、凸条13の間隔を狭くした場合であっても、少ない摩擦力でプラスチックキャップ(図1の符号10)を回転させることができる。凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれているのは、例えば、図2に示すように、領域21bの全体である。又、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれているのは、領域21bの一部であってもよい。例えば、胴体部12の周方向の15mmの範囲において、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれている。又、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれているのは、複数の領域であってもよい。例えば、領域21bに加えて、胴体部12の中心軸101に対して領域21bと対称に配置されている領域(不図示)も、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれていてもよい。凸条13の傾斜角度θは、90°超180°未満であることが好ましい。さらに、凸条13の傾斜角度θは、120°超150°未満であることが好ましい。さらに、凸条13の傾斜角度θは、略135°であることが好ましい。また、凸条13の間隔Pnは、例えば0.7mm以上2mm以下である。又、略1.0mm以上略1.4mm以下であることが好ましい。また、領域21bに設置されている凸条13は、胴体部12の周端部16側が天板部11側よりも開栓方向Aにずれている凸条13に加え、さらに胴体部12の中心軸101と平行な方向に伸びる凸条(不図示)が設置されている格子状の凸条(不図示)であってもよい。格子状の凸条(不図示)は、例えば、圧縮成形法又は射出成形法にて形成される。
【0025】
発明者らは、20代から70代までの50人を対象に、プラスチックキャップの開栓方法と開栓時における接触部分の調査を行った。ナールの表面に赤インクを塗ってあるプラスチックキャップを、それぞれの人に開栓してもらい、それぞれの人の開栓方法とナールと接触する手の部分を観察した。その結果、開栓方法は、主に、つまみ持ち、順手、逆手の3種類であった。さらに、つまみ持ちが全体の約70%を占めた。つまみ持ち、順手、逆手によって開栓した際の接触部分の一例を、図3、図4、図5にそれぞれ示す。
【0026】
図3は、つまみ持ちによって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。親指の指掌面(腹)及び人差し指の側面がナールと接触し、摩擦が発生していた。このとき、親指と人差し指の間の水かき部分に近い、皮膚の柔らかい部分に痛みを感じていることが分かった。
【0027】
図4は、順手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。人差し指の腹から、親指と人差し指の間の水かき部分にわたってナールと接触し、摩擦が発生していた。このとき、親指と人差し指の間の水かき部分とその周辺の、皮膚の柔らかい部分に痛みを感じていることが分かった。
【0028】
図5は、逆手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。人差し指の腹全体、中指の腹の一部、親指と人差し指の間の水かき部分及び手の平の一部がナールと接触し、摩擦が発生していた。このとき、親指と人差し指の間の水かき部分などの皮膚の柔らかい部分に痛みを感じていることが分かった。
【0029】
上記の図3、図4、図5にて示すように、プラスチックキャップの開栓時には、親指や人差し指の指先の腹などの皮膚の硬い部分をナールに接触させて摩擦を発生させている。プラスチックキャップの開栓時に、皮膚の柔らかい部分がナールに接触すると、痛みを感じている。さらに、プラスチックキャップの開栓時に痛みを感じている部分は、摩擦を発生させる親指及び人差し指の間である。これらから、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、胴体部の周方向に配置することで、手に感じる痛みを軽減し、かつ、手に痛みを感じさせにくくしたことによる手の滑りやすさを解消することを発明者らは発見した。特に、滑り止め効果の高い領域を皮膚の硬い部分で握り、手に痛みを感じさせにくい領域を皮膚の柔らかな部分と接触させることで、さらに滑り止めの効果を維持し、かつ、開栓時の手の痛みを軽減させることができる。
【0030】
そこで、図1に示すプラスチックキャップ10では、相隣り合う領域同士の凸条13の間隔が異なる複数の領域21a、領域21b及び領域21cが、胴体部12の周方向に設けられている。例えば、図1に示すように、領域21aの凸条13の間隔が領域21bの凸条13の間隔よりも大きい。領域21bの凸条13の間隔が、領域21aの凸条13の間隔よりも大きくてもよい(不図示)。又、相隣り合う領域21b及び領域21c同士の凸条13の間隔も、領域21a及び領域21b同士の凸条13の間隔と同様に異なる。手の表面に凸条13が食い込む程度に凸条13の間隔の大きい領域と、ナールの凸部が手の表面に食い込まない程度に凸条13の間隔の小さい領域と、を設置することで、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とをナール14に設けることができる。
【0031】
ここで、複数の領域21a、領域21b及び領域21cは、それぞれ凸条13が等間隔で配列されている。凸条13が直線状に伸びている場合、凸条13の間隔は、凸条13の伸びている方向を横断する凸条13の天頂部同士の距離である。凸条13の天頂部同士の距離は、天頂部が平坦な場合には、胴体部12の周方向における凸条13の中心同士の距離でもよいし、胴体部12と凸条13との境界部分同士の距離でもよい。
【0032】
図1に示すプラスチックキャップ10では、凸条13の間隔は、1.5mm以上1.6mm以下又は0.7mm以上0.8mm以下であることが好ましい。例えば、凸条13が1.5mm以上1.6mm以下で設置されている領域21a及び領域21cと、凸条13が0.7mm以上0.8mm以下で設置されている領域21bと、が胴体部12の周方向に交互に配置されていることが好ましい。凸条13の間隔を1.5mm以上1.6mm以下とすることで、領域21a及び領域21cを滑り止め効果の高い領域とすることができる。一方、凸条13の間隔を0.7mm以上0.8mm以下とすることで、領域21bを手に痛みを感じさせにくい領域とすることができる。このように、滑り止め効果の高い領域21a及び領域21cと手に痛みを感じさせにくい領域21bとが胴体部12の周方向に交互に配置されて、手の痛みと滑り難さのバランスのとれたナール14となる。さらに、凸条13の胴体部12からの高さが0.2mm以上0.3mm以下であることが好ましい。また、凸条13の天頂部の曲率半径が0.2mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0033】
図1に示すプラスチックキャップ10に設ける領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数は2以上である。例えば、領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数を偶数にして、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域と、を均等に設ける。又、領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数を奇数にして、滑り止め効果の高い領域を多くしたり、手に痛みを感じさせにくい領域を多くしたりすることができる。特に、プラスチックキャップ10では、複数の領域が、4、6又は8の領域であることが好ましい。人差し指や親指の指先の腹の長さは10mmから30mm程度が標準的であり、親指と人差し指の間の水かき部分の幅は10mmから30mm程度が標準的である。このため、キャップ径が28mm、30mm、33mm、38mmのプラスチックキャップ10に対し、プラスチックキャップ10に設ける領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数を4、6又は8の領域とすることで、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、標準的な手の大きさに合った幅で配置することができる。
【0034】
領域21a、領域21b及び領域21cは、胴体部12の周方向における幅がそれぞれ等しいことが好ましい。胴体部12は円筒形状であり、領域21a、領域21b及び領域21cのそれぞれの幅が等しいことで、胴体部12の外周部のどこを握った場合でも、滑り止め効果の高い領域21a又は領域21cと、手に痛みを感じさせにくい領域21bと、の両方を手に接触させることができる。特に、キャップ径が28mm、30mm又は33mmであれば、領域21a及び領域21bを、合計で4つ又は6つ設けることが好ましい。また、キャップ径が38mmであれば、領域21a、領域21b及び領域21cを、合計で6つ、8つ又は10つ設けることが好ましい。人の手の標準的な大きさに合った幅で各領域を接触させることができる。
【0035】
ナールの第3形態について図6及び図7を用いて説明する。図6は、ナールの第3形態を示すプラスチックキャップの上面図である。図7は、ナールの第3形態を適用したプラスチックキャップ93の一例を示す斜視図である。領域21a、領域21b、領域21c及び領域21dは、胴体部12の周方向に順に設けられている。領域21a、領域21b、領域21c及び領域21dの胴体部12の周方向の幅は等しく、胴体部12の中心角で90°である。凸条13が0.7mmで設置されている領域21b及び領域21dと、凸条13が1.5mmで設置されている領域21a及び領域21cと、が胴体部12の周方向に交互に配置されている。キャップ径が28mmの場合、領域21b及び領域21dでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略3°であり、領域21a及び領域21cでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略6°である。
【0036】
ナールの第4形態について図8を用いて説明する。図8は、図2に示すナールの第2形態を図7に示すナールの第3形態に適用したプラスチックキャップの一例を示す斜視図である。図8に示すナールの第4形態では、図7に示した領域21b及び領域21dの凸条13が傾斜しており、胴体部12の周端部16側が天板部11側よりも開栓方向Aにずれている。ナールの第4形態では、凸条13の間隔を狭くした場合であっても、少ない摩擦力でプラスチックキャップ94を回転させることができる。
【0037】
図9は、ナールの第5形態を示すプラスチックキャップの上面図である。図9に示すナールの第5形態では、図6に示した4つの領域が6つの領域である点で図6に示したナールの第3形態と異なる。6つの領域21a、領域21b、領域21c、領域21d、領域21e及び領域21fが、胴体部12の周方向に順に設けられている。領域21a、領域21b、領域21c、領域21d、領域21e及び領域21fの胴体部12の周方向の幅は等しく、胴体部12の中心角で60°である。凸条13が0.7mmで設置されている領域21b、領域21d及び領域21fと、凸条13が1.5mmで設置されている領域21a、領域21c及び領域21eと、が胴体部12の周方向に交互に配置されている。キャップ径が28mmの場合、領域21b、領域21d及び領域21fでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略3°であり、領域21a、領域21c及び領域21eでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略6°である。
【実施例】
【0038】
図1に示すプラスチックキャップ10についての評価を行うための官能試験を行った。評価者は男性16名、女性14名の計30名である。実施例1として、図6及び図7に示すナールの第3形態を有するプラスチックキャップ93(以下、4分割と表示)を用いた。実施例2として、図9に示すナールの第5形態を有するプラスチックキャップ95(6分割と表示)を用いた。又、比較例1として、胴体部12に等間隔の凸条13を60線設けたプラスチックキャップ(以下、60線と表示)を用いた。比較例2として、胴体部12に等間隔の凸条13を120線設けたプラスチックキャップ(以下、120線と表示)を用いた。
【0039】
上記の実施例1「4分割」、実施例2「6分割」、比較例1「60線」、比較例2「120線」を用いて、プラスチックキャップの開栓時における「手の痛くなさ」及び「手の滑り難さ」を比較する官能試験を行った。官能試験では、ひとりが実施例1「4分割」、実施例2「6分割」、比較例1「60線」、比較例2「120線」のそれぞれについて0点から5点までの6段階の評価を行った。すなわち、「手の痛くなさ」では、0点が「手が痛い」、5点が「手が痛くない」となる。又、「手の滑り難さ」では、0点が「手が滑り易い」、5点が「手が滑り難い」となる。そして、実施例1「4分割」、実施例2「6分割」、比較例1「60線」、比較例2「120線」ごとに30人がつけた点数の総和を求め、それを30人で除して平均点を求めた。図10及び図11に、「手の痛くなさ」及び「手の滑り難さ」の官能試験結果を示す。
【0040】
図10は、「手の痛くなさ」の官能試験結果を示すグラフである。比較例1「60線」は1.51であり、比較例2「120線」は3.86であることから、凸条の間隔の狭い比較例2「120線」の方が痛みを感じないことが分かった。そして、実施例1「4分割」は2.79であり、実施例2「6分割」は2.93であったことから、ナールの領域を複数に分けることで、比較例1「60線」よりも手の痛みを緩和することができることが分かった。
【0041】
図11は、「手の滑り難さ」の官能試験結果を示すグラフである。比較例1「60線」は4.00であり、比較例2「120線」は2.37であることから、凸条の間隔の広い比較例1「60線」の方が滑り難いことが分かった。そして、実施例1「4分割」は3.48であり、実施例2「6分割」は3.68であったことから、いずれも比較例1「60線」と同程度の滑り難さが得られていることが分かった。
【0042】
以上、図10及び図11に示す官能試験の結果から、実施例1「4分割」及び実施例2「6分割」は、比較例1「60線」よりも痛くなく、かつ、比較例1「60線」と同程度の滑り難さが得られることが分かった。
【0043】
さらに、プラスチックキャップの「開栓し易さ」についても官能試験を行ったところ、実施例1「4分割」及び実施例2「6分割」は、比較例1「60線」および比較例2「120線」よりも点数が高く、「開栓し易い」と感じることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態に係るプラスチックキャップの概略正面図である。
【図2】ナールの第2形態を示すプラスチックキャップの概略図である。
【図3】つまみ持ちによって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。
【図4】順手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。
【図5】逆手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。
【図6】ナールの第3形態を示すプラスチックキャップの上面図である。
【図7】ナールの第3形態を適用したプラスチックキャップの一例を示す斜視図である。
【図8】ナールの第4形態を適用したプラスチックキャップの一例を示す斜視図である。
【図9】ナールの第5形態を示すプラスチックキャップの上面図である。
【図10】「手の痛くなさ」の官能試験結果を示すグラフである。
【図11】「手の滑り難さ」の官能試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
10、93、94、95 プラスチックキャップ
11 天板部
12 胴体部
13 凸条
14 ナール
15 バンド部
16 周端部
21a、21b、21c、21d、21e、21f 領域
30 容器
31 収容部
32 開口部
101 胴体部の中心軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の凸条からなるナールを表面にし、手の痛みが少なく、かつ、手が滑り難いことで、開栓しやすいプラスチックキャップ及び当該プラスチックキャップで密封された製品又は容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料物用容器のプラスチックキャップの開栓を容易にするために、外周面に滑り止めのための凹凸又は凸条が並んだナールが施されてきた(例えば、特許文献1〜8を参照。)。
【特許文献1】特開2006−1600号公報
【特許文献2】特開2005−178828号公報
【特許文献3】特開2004−284615号公報
【特許文献4】特開2004−291979号公報
【特許文献5】特開2004−352312号公報
【特許文献6】特開2004−196383号公報
【特許文献7】実登3109446号公報
【特許文献8】実登3090852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プラスチックキャップのナールは、滑り止めの効果を発揮するために、手の表面に対する摩擦抵抗が大きいことが好ましい。このため、ナールの凸部が手の表面に掛かりやすい大きさであり、かつ、ナールの凹凸の表面と手の表面との接触面積が大きいことが好ましい。しかし、ナールの凸条が手の表面に食い込むと、プラスチックキャップを開栓する際に手の表面に痛みを感じるため、手の滑りは抑えられていてもプラスチックキャップを開栓しにくくなってしまう問題がある。
【0004】
一方、手の痛みを軽減するために、ナールの凸部が手の表面に食い込まないようにすると、手の表面に対するナールの摩擦抵抗は小さくなる。このため、プラスチックキャップを握り締めた際に、手の痛みは抑えられていても手が滑ってしまい、プラスチックキャップを開栓しにくくなってしまう問題がある。特に、プラスチックキャップを開栓する際、手が濡れていたり、プラスチックキャップの表面が結露していたりするときには、手に対するプラスチックキャップの摩擦抵抗が水の影響で低下するので、かえって開栓が困難となる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、開栓しにくさの原因となるものは、手の痛みと、手の滑り難さの2要因であることを見出しなされた。すなわち、本発明は、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすいプラスチックキャップの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、胴体部の周方向に配置したことを特徴とする。
【0007】
具体的には、本発明に係るプラスチックキャップは、天板部と前記天板部の周縁から垂下した筒状の胴体部とからなり、かつ、前記天板部から前記胴体部の周端部へ向かう方向に伸びる複数の凸条からなるナールを前記胴体部の外周面に有し、かつ、容器の蓋となるプラスチックキャップにおいて、前記凸条が前記胴体部の周方向に沿って等間隔に設置されている領域を前記胴体部の周方向に複数設け、かつ、相隣り合う前記領域における前記凸条の間隔を異ならしめたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプラスチックキャップでは、前記領域を、4つ、6つ又は8つ設け、前記胴体部の周方向における前記領域の幅をそれぞれ等しくしたことが好ましい。領域が4つ、6つ又は8つであり、かつ、胴体部の周方向における領域の幅が等しいことで、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、10mmから30mm程度の領域の幅で胴体部の周方向に交互に配置することができる。人差し指や親指の指先の腹の長さは10mmから30mm程度が標準的であり、親指と人差し指の間の水かき部分の幅は10mmから30mm程度が標準的である。このため、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、人の手の標準的な大きさに合った幅で配置することができる。
【0009】
本発明に係るプラスチックキャップでは、前記凸条の間隔を、1.5mm以上1.6mm以下又は0.7mm以上0.8mm以下とし、前記凸条が1.5mm以上1.6mm以下で設置されている領域と、前記凸条が0.7mm以上0.8mm以下で設置されている領域と、を前記胴体部の周方向に交互に配置することが好ましい。凸条の間隔が1.5mm以上1.6mm以下であれば、滑り止め効果の高いナールとなる。凸条の間隔が0.7mm以上0.8mm以下であれば、手に痛みを感じさせにくいナールとなる。
【0010】
本発明に係るプラスチックキャップでは、前記凸条の前記胴体部の周端部側が、前記凸条の前記天板部側よりも開栓方向にずれていることが好ましい。凸条の周端部側が開栓方向にずれていることで、プラスチックキャップのねじ山に沿った方向に効率よく加圧することができる。ねじ山に沿って効率よく加圧することができるので、凸条の間隔が狭い領域であっても手が滑りにくい。
【0011】
本発明に係る製品又は容器は、本発明に係るプラスチックキャップで密封されていることを特徴とする。本発明に係るプラスチックキャップで密封されていることで、開栓時における手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすい容器を提供することができる。また、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすい容器に収容された製品を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記凸条が前記胴体部の周方向に沿って等間隔に設置されている領域を前記胴体部の周方向に複数設け、かつ、相隣り合う前記領域における前記凸条の間隔を異ならしめたので、滑り止め効果の高い領域と手に痛みを感じさせにくい領域とが胴体部の周方向に配置されて、滑り止めの効果を維持し、かつ、開栓時の手の痛みを軽減させることができる。これにより、手の痛みが少なくかつ滑り難いことで開栓しやすいプラスチックキャップ、及び当該プラスチックキャップで密封された製品又は容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0014】
図1は、本実施形態に係るプラスチックキャップの概略正面図である。プラスチックキャップ10は、天板部11と天板部11の周縁から垂下した筒状の胴体部12とからなり、かつ、容器30の蓋となる。又、プラスチックキャップ10は、複数の凸条13からなるナール14が胴体部12の外周面に設けられている。又、胴体部12の周端部16にはバンド部15が設けられている。
【0015】
図1に示す容器30は、収容部31及び開口部32を有しており、開口部32がプラスチックキャップ10で密封されている。収容部31には、例えば、炭酸飲料、清涼飲料、ビール又は発泡酒等の飲料を含む製品が収容されている。容器30は、いかなる材料から形成されていても良い。容器30の材料は、例えば、アルミニウム又はスチール等の金属材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック材料、ガラス材料である。又、容器30の材料は、収容部31に充填される液体によって制限を受ける。例えば、容器30が飲料用であれば、容器30の材料は、飲料の品質保持の観点から、収容部31に充填される飲料に対して不活性であることが好ましい。さらに、容器30は、酸素等のガスバリア性を備えていることが好ましい。また、炭酸飲料を充填する場合には、容器30は、耐圧性を有する材料から形成されていることが好ましい。このような観点から容器30は、アルミニウム又はスチール等の金属材料或いはPET等のプラスチック材料から形成されていることが好ましい。また、容器30は、リサイクル性の観点からプラスチックキャップ10と同一の材料で形成することが好ましい。容器30がPETボトルの場合には、容器30はDLC薄膜等のガスバリア性薄膜をコーティングしたボトルであることが好ましい。
【0016】
図1に示すプラスチックキャップ10は、天板部11と、天板部11の周縁から垂下した筒状の胴体部12とからなり、容器30の蓋となる。プラスチックキャップ10は、開口部32の外周面と胴体部12の内周面が接し、天板部11及び胴体部12によって容器30の開口部32を覆う蓋である。プラスチックキャップ10は、開口部32の外径に応じたキャップ径を有する。プラスチックキャップ10のキャップ径は、キャップの外径を基準として、例えば、28mm、30mm、33mm、38mmである。
【0017】
図1に示すプラスチックキャップ10は、プラスチックキャップ10を開栓方向Aに回すことで開栓する開栓パターンが好ましく、例えばスクリューキャップ又はツイストキャップである。図1では、プラスチックキャップ10は、胴体部12の内周面にねじ山が設けられ、胴体部12の内周面と容器30の開口部32とがネジ構造となっている例を示した。開栓方向Aは、例えば、反時計回りである。この場合、プラスチックキャップ10を時計回りに回して容器の開口部32を密閉し、プラスチックキャップ10を反時計回りに回して容器の開口部32を開栓する。
【0018】
図1に示すプラスチックキャップ10は、AOキャップ(Albert Obrist Cap)のように、ねじ切ることで開栓する開栓パターンが好ましい。また、容器30が飲料用又は食品用を収容する場合、プラスチックキャップ10にバンド部15を設けることが好ましい。容器30が開栓されるとバンド部15が胴体部12と切り離されるので、消費者は容器30が開栓されたか否かを認識することができる。又、プラスチックキャップ10は、天板部11の内面に接するようにインナーシール(不図示)を備えることが好ましい。プラスチックキャップ10を閉めた際の容器30の密封性をより高めることができる。
【0019】
図1に示すプラスチックキャップ10の成形方法は、特に制限されるものではないが、例えば圧縮成形法又は射出成形法である。圧縮成形法は、金型のメス側にプラスチック材料を入れて加熱し、プラスチック樹脂が流動化したときに金型のオス側を合せ、圧力を加えて成形する方法である。射出成形法は、加熱シリンダーの中で熱可塑性のプラスチック材料を加熱して流動化させ、これを射出ラムにより金型の空間にプランジャーで押し込んで成形する方法である。
【0020】
図1に示すプラスチックキャップ10を形成するプラスチック材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、シクロオレフィンコポリマ樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂である。プラスチックキャップ10を形成するプラスチック材料は、特に、PE、PP又はPETが好ましい。
【0021】
図1に示すプラスチックキャップ10のシーリング方法は特に制限されないが、スクリュータイプのシーリング方法を用いることが好ましい。スクリュータイプのシーリング方法とは、プラスチックキャップ10を容器30の開口部32に回転ヘッド、ローラー又はバンド等のシーリング装置(不図示)でまわして締め付けるものである。さらに、プラスチックキャップ10と容器30とを、例えば、レーザー溶接法で溶着させても良い。このとき、プラスチックキャップ10と容器30との溶着部分を押当板等の密着手段によって密着状態にすることで、溶着不良を低減できる。
【0022】
図1に示すナール14は、胴体部12の外周面に設置されている複数の凸条13からなる。胴体部12の外周面にナール14を設けることで、プラスチックキャップ10の開栓時に、指の表面(不図示)がナール14の凸条13に引っ掛かり、プラスチックキャップ10を開栓しやすくすることができる。このため、ナール14は、胴体部12の外周面のほぼ全域に設けられていることが好ましい。
【0023】
図1に示す凸条13は、天板部11から胴体部12の周端部16へ向かう方向に伸びている。天板部11から胴体部12の周端部16へ向かう方向は、例えば、胴体部12の中心軸101と平行な方向である。図1では凸条13が直線状に伸びている例を示したが、凸条13は湾曲していてもよいし、屈曲していてもよい。
【0024】
図2は、ナールの第2形態を示す概略図である。図2に示すナールの第2形態は、領域21bに設置されている凸条13が、胴体部12の周端部16側が天板部11側よりも開栓方向Aにずれている。図2に示すように開栓方向Aが右方向の場合は、凸条13は右肩下がりとなる。凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれていることで、領域21bを握って開栓方向Aに回転させた際に、胴体部12の内周面に設けられているねじ山(不図示)に沿って加圧することができる。これにより、凸条13の間隔を狭くした場合であっても、少ない摩擦力でプラスチックキャップ(図1の符号10)を回転させることができる。凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれているのは、例えば、図2に示すように、領域21bの全体である。又、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれているのは、領域21bの一部であってもよい。例えば、胴体部12の周方向の15mmの範囲において、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれている。又、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれているのは、複数の領域であってもよい。例えば、領域21bに加えて、胴体部12の中心軸101に対して領域21bと対称に配置されている領域(不図示)も、凸条13の周端部16側が開栓方向Aにずれていてもよい。凸条13の傾斜角度θは、90°超180°未満であることが好ましい。さらに、凸条13の傾斜角度θは、120°超150°未満であることが好ましい。さらに、凸条13の傾斜角度θは、略135°であることが好ましい。また、凸条13の間隔Pnは、例えば0.7mm以上2mm以下である。又、略1.0mm以上略1.4mm以下であることが好ましい。また、領域21bに設置されている凸条13は、胴体部12の周端部16側が天板部11側よりも開栓方向Aにずれている凸条13に加え、さらに胴体部12の中心軸101と平行な方向に伸びる凸条(不図示)が設置されている格子状の凸条(不図示)であってもよい。格子状の凸条(不図示)は、例えば、圧縮成形法又は射出成形法にて形成される。
【0025】
発明者らは、20代から70代までの50人を対象に、プラスチックキャップの開栓方法と開栓時における接触部分の調査を行った。ナールの表面に赤インクを塗ってあるプラスチックキャップを、それぞれの人に開栓してもらい、それぞれの人の開栓方法とナールと接触する手の部分を観察した。その結果、開栓方法は、主に、つまみ持ち、順手、逆手の3種類であった。さらに、つまみ持ちが全体の約70%を占めた。つまみ持ち、順手、逆手によって開栓した際の接触部分の一例を、図3、図4、図5にそれぞれ示す。
【0026】
図3は、つまみ持ちによって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。親指の指掌面(腹)及び人差し指の側面がナールと接触し、摩擦が発生していた。このとき、親指と人差し指の間の水かき部分に近い、皮膚の柔らかい部分に痛みを感じていることが分かった。
【0027】
図4は、順手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。人差し指の腹から、親指と人差し指の間の水かき部分にわたってナールと接触し、摩擦が発生していた。このとき、親指と人差し指の間の水かき部分とその周辺の、皮膚の柔らかい部分に痛みを感じていることが分かった。
【0028】
図5は、逆手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。人差し指の腹全体、中指の腹の一部、親指と人差し指の間の水かき部分及び手の平の一部がナールと接触し、摩擦が発生していた。このとき、親指と人差し指の間の水かき部分などの皮膚の柔らかい部分に痛みを感じていることが分かった。
【0029】
上記の図3、図4、図5にて示すように、プラスチックキャップの開栓時には、親指や人差し指の指先の腹などの皮膚の硬い部分をナールに接触させて摩擦を発生させている。プラスチックキャップの開栓時に、皮膚の柔らかい部分がナールに接触すると、痛みを感じている。さらに、プラスチックキャップの開栓時に痛みを感じている部分は、摩擦を発生させる親指及び人差し指の間である。これらから、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、胴体部の周方向に配置することで、手に感じる痛みを軽減し、かつ、手に痛みを感じさせにくくしたことによる手の滑りやすさを解消することを発明者らは発見した。特に、滑り止め効果の高い領域を皮膚の硬い部分で握り、手に痛みを感じさせにくい領域を皮膚の柔らかな部分と接触させることで、さらに滑り止めの効果を維持し、かつ、開栓時の手の痛みを軽減させることができる。
【0030】
そこで、図1に示すプラスチックキャップ10では、相隣り合う領域同士の凸条13の間隔が異なる複数の領域21a、領域21b及び領域21cが、胴体部12の周方向に設けられている。例えば、図1に示すように、領域21aの凸条13の間隔が領域21bの凸条13の間隔よりも大きい。領域21bの凸条13の間隔が、領域21aの凸条13の間隔よりも大きくてもよい(不図示)。又、相隣り合う領域21b及び領域21c同士の凸条13の間隔も、領域21a及び領域21b同士の凸条13の間隔と同様に異なる。手の表面に凸条13が食い込む程度に凸条13の間隔の大きい領域と、ナールの凸部が手の表面に食い込まない程度に凸条13の間隔の小さい領域と、を設置することで、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とをナール14に設けることができる。
【0031】
ここで、複数の領域21a、領域21b及び領域21cは、それぞれ凸条13が等間隔で配列されている。凸条13が直線状に伸びている場合、凸条13の間隔は、凸条13の伸びている方向を横断する凸条13の天頂部同士の距離である。凸条13の天頂部同士の距離は、天頂部が平坦な場合には、胴体部12の周方向における凸条13の中心同士の距離でもよいし、胴体部12と凸条13との境界部分同士の距離でもよい。
【0032】
図1に示すプラスチックキャップ10では、凸条13の間隔は、1.5mm以上1.6mm以下又は0.7mm以上0.8mm以下であることが好ましい。例えば、凸条13が1.5mm以上1.6mm以下で設置されている領域21a及び領域21cと、凸条13が0.7mm以上0.8mm以下で設置されている領域21bと、が胴体部12の周方向に交互に配置されていることが好ましい。凸条13の間隔を1.5mm以上1.6mm以下とすることで、領域21a及び領域21cを滑り止め効果の高い領域とすることができる。一方、凸条13の間隔を0.7mm以上0.8mm以下とすることで、領域21bを手に痛みを感じさせにくい領域とすることができる。このように、滑り止め効果の高い領域21a及び領域21cと手に痛みを感じさせにくい領域21bとが胴体部12の周方向に交互に配置されて、手の痛みと滑り難さのバランスのとれたナール14となる。さらに、凸条13の胴体部12からの高さが0.2mm以上0.3mm以下であることが好ましい。また、凸条13の天頂部の曲率半径が0.2mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0033】
図1に示すプラスチックキャップ10に設ける領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数は2以上である。例えば、領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数を偶数にして、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域と、を均等に設ける。又、領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数を奇数にして、滑り止め効果の高い領域を多くしたり、手に痛みを感じさせにくい領域を多くしたりすることができる。特に、プラスチックキャップ10では、複数の領域が、4、6又は8の領域であることが好ましい。人差し指や親指の指先の腹の長さは10mmから30mm程度が標準的であり、親指と人差し指の間の水かき部分の幅は10mmから30mm程度が標準的である。このため、キャップ径が28mm、30mm、33mm、38mmのプラスチックキャップ10に対し、プラスチックキャップ10に設ける領域21a、領域21b及び領域21cの領域総数を4、6又は8の領域とすることで、滑り止め効果の高い領域と、手に痛みを感じさせにくい領域とを、標準的な手の大きさに合った幅で配置することができる。
【0034】
領域21a、領域21b及び領域21cは、胴体部12の周方向における幅がそれぞれ等しいことが好ましい。胴体部12は円筒形状であり、領域21a、領域21b及び領域21cのそれぞれの幅が等しいことで、胴体部12の外周部のどこを握った場合でも、滑り止め効果の高い領域21a又は領域21cと、手に痛みを感じさせにくい領域21bと、の両方を手に接触させることができる。特に、キャップ径が28mm、30mm又は33mmであれば、領域21a及び領域21bを、合計で4つ又は6つ設けることが好ましい。また、キャップ径が38mmであれば、領域21a、領域21b及び領域21cを、合計で6つ、8つ又は10つ設けることが好ましい。人の手の標準的な大きさに合った幅で各領域を接触させることができる。
【0035】
ナールの第3形態について図6及び図7を用いて説明する。図6は、ナールの第3形態を示すプラスチックキャップの上面図である。図7は、ナールの第3形態を適用したプラスチックキャップ93の一例を示す斜視図である。領域21a、領域21b、領域21c及び領域21dは、胴体部12の周方向に順に設けられている。領域21a、領域21b、領域21c及び領域21dの胴体部12の周方向の幅は等しく、胴体部12の中心角で90°である。凸条13が0.7mmで設置されている領域21b及び領域21dと、凸条13が1.5mmで設置されている領域21a及び領域21cと、が胴体部12の周方向に交互に配置されている。キャップ径が28mmの場合、領域21b及び領域21dでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略3°であり、領域21a及び領域21cでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略6°である。
【0036】
ナールの第4形態について図8を用いて説明する。図8は、図2に示すナールの第2形態を図7に示すナールの第3形態に適用したプラスチックキャップの一例を示す斜視図である。図8に示すナールの第4形態では、図7に示した領域21b及び領域21dの凸条13が傾斜しており、胴体部12の周端部16側が天板部11側よりも開栓方向Aにずれている。ナールの第4形態では、凸条13の間隔を狭くした場合であっても、少ない摩擦力でプラスチックキャップ94を回転させることができる。
【0037】
図9は、ナールの第5形態を示すプラスチックキャップの上面図である。図9に示すナールの第5形態では、図6に示した4つの領域が6つの領域である点で図6に示したナールの第3形態と異なる。6つの領域21a、領域21b、領域21c、領域21d、領域21e及び領域21fが、胴体部12の周方向に順に設けられている。領域21a、領域21b、領域21c、領域21d、領域21e及び領域21fの胴体部12の周方向の幅は等しく、胴体部12の中心角で60°である。凸条13が0.7mmで設置されている領域21b、領域21d及び領域21fと、凸条13が1.5mmで設置されている領域21a、領域21c及び領域21eと、が胴体部12の周方向に交互に配置されている。キャップ径が28mmの場合、領域21b、領域21d及び領域21fでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略3°であり、領域21a、領域21c及び領域21eでの凸条13の間隔は胴体部12の中心角で略6°である。
【実施例】
【0038】
図1に示すプラスチックキャップ10についての評価を行うための官能試験を行った。評価者は男性16名、女性14名の計30名である。実施例1として、図6及び図7に示すナールの第3形態を有するプラスチックキャップ93(以下、4分割と表示)を用いた。実施例2として、図9に示すナールの第5形態を有するプラスチックキャップ95(6分割と表示)を用いた。又、比較例1として、胴体部12に等間隔の凸条13を60線設けたプラスチックキャップ(以下、60線と表示)を用いた。比較例2として、胴体部12に等間隔の凸条13を120線設けたプラスチックキャップ(以下、120線と表示)を用いた。
【0039】
上記の実施例1「4分割」、実施例2「6分割」、比較例1「60線」、比較例2「120線」を用いて、プラスチックキャップの開栓時における「手の痛くなさ」及び「手の滑り難さ」を比較する官能試験を行った。官能試験では、ひとりが実施例1「4分割」、実施例2「6分割」、比較例1「60線」、比較例2「120線」のそれぞれについて0点から5点までの6段階の評価を行った。すなわち、「手の痛くなさ」では、0点が「手が痛い」、5点が「手が痛くない」となる。又、「手の滑り難さ」では、0点が「手が滑り易い」、5点が「手が滑り難い」となる。そして、実施例1「4分割」、実施例2「6分割」、比較例1「60線」、比較例2「120線」ごとに30人がつけた点数の総和を求め、それを30人で除して平均点を求めた。図10及び図11に、「手の痛くなさ」及び「手の滑り難さ」の官能試験結果を示す。
【0040】
図10は、「手の痛くなさ」の官能試験結果を示すグラフである。比較例1「60線」は1.51であり、比較例2「120線」は3.86であることから、凸条の間隔の狭い比較例2「120線」の方が痛みを感じないことが分かった。そして、実施例1「4分割」は2.79であり、実施例2「6分割」は2.93であったことから、ナールの領域を複数に分けることで、比較例1「60線」よりも手の痛みを緩和することができることが分かった。
【0041】
図11は、「手の滑り難さ」の官能試験結果を示すグラフである。比較例1「60線」は4.00であり、比較例2「120線」は2.37であることから、凸条の間隔の広い比較例1「60線」の方が滑り難いことが分かった。そして、実施例1「4分割」は3.48であり、実施例2「6分割」は3.68であったことから、いずれも比較例1「60線」と同程度の滑り難さが得られていることが分かった。
【0042】
以上、図10及び図11に示す官能試験の結果から、実施例1「4分割」及び実施例2「6分割」は、比較例1「60線」よりも痛くなく、かつ、比較例1「60線」と同程度の滑り難さが得られることが分かった。
【0043】
さらに、プラスチックキャップの「開栓し易さ」についても官能試験を行ったところ、実施例1「4分割」及び実施例2「6分割」は、比較例1「60線」および比較例2「120線」よりも点数が高く、「開栓し易い」と感じることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態に係るプラスチックキャップの概略正面図である。
【図2】ナールの第2形態を示すプラスチックキャップの概略図である。
【図3】つまみ持ちによって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。
【図4】順手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。
【図5】逆手によって開栓した場合の画像であり、(a)は開栓時の様子を示し、(b)は開栓後の手の状態を示す。
【図6】ナールの第3形態を示すプラスチックキャップの上面図である。
【図7】ナールの第3形態を適用したプラスチックキャップの一例を示す斜視図である。
【図8】ナールの第4形態を適用したプラスチックキャップの一例を示す斜視図である。
【図9】ナールの第5形態を示すプラスチックキャップの上面図である。
【図10】「手の痛くなさ」の官能試験結果を示すグラフである。
【図11】「手の滑り難さ」の官能試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
10、93、94、95 プラスチックキャップ
11 天板部
12 胴体部
13 凸条
14 ナール
15 バンド部
16 周端部
21a、21b、21c、21d、21e、21f 領域
30 容器
31 収容部
32 開口部
101 胴体部の中心軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と前記天板部の周縁から垂下した筒状の胴体部とからなり、かつ、前記天板部から前記胴体部の周端部へ向かう方向に伸びる複数の凸条からなるナールを前記胴体部の外周面に有し、かつ、容器の蓋となるプラスチックキャップにおいて、
前記凸条が前記胴体部の周方向に沿って等間隔に設置されている領域を前記胴体部の周方向に複数設け、かつ、相隣り合う前記領域における前記凸条の間隔を異ならしめたことを特徴とするプラスチックキャップ。
【請求項2】
前記領域を、4つ、6つ又は8つ設け、
前記胴体部の周方向における前記領域の幅をそれぞれ等しくしたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックキャップ。
【請求項3】
前記凸条の間隔を、1.5mm以上1.6mm以下又は0.7mm以上0.8mm以下とし、
前記凸条が1.5mm以上1.6mm以下で設置されている領域と、前記凸条が0.7mm以上0.8mm以下で設置されている領域と、を前記胴体部の周方向に交互に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックキャップ。
【請求項4】
前記凸条の前記胴体部の周端部側が、前記凸条の前記天板部側よりも開栓方向にずれていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のプラスチックキャップ。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載のプラスチックキャップで密封されていることを特徴とする製品又は容器。
【請求項1】
天板部と前記天板部の周縁から垂下した筒状の胴体部とからなり、かつ、前記天板部から前記胴体部の周端部へ向かう方向に伸びる複数の凸条からなるナールを前記胴体部の外周面に有し、かつ、容器の蓋となるプラスチックキャップにおいて、
前記凸条が前記胴体部の周方向に沿って等間隔に設置されている領域を前記胴体部の周方向に複数設け、かつ、相隣り合う前記領域における前記凸条の間隔を異ならしめたことを特徴とするプラスチックキャップ。
【請求項2】
前記領域を、4つ、6つ又は8つ設け、
前記胴体部の周方向における前記領域の幅をそれぞれ等しくしたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックキャップ。
【請求項3】
前記凸条の間隔を、1.5mm以上1.6mm以下又は0.7mm以上0.8mm以下とし、
前記凸条が1.5mm以上1.6mm以下で設置されている領域と、前記凸条が0.7mm以上0.8mm以下で設置されている領域と、を前記胴体部の周方向に交互に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックキャップ。
【請求項4】
前記凸条の前記胴体部の周端部側が、前記凸条の前記天板部側よりも開栓方向にずれていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のプラスチックキャップ。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載のプラスチックキャップで密封されていることを特徴とする製品又は容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−44629(P2008−44629A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219385(P2006−219385)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】
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