説明

プラスチックシートの作製方法及びその作製装置、並びに丁合い装置

【課題】画像形成手段として従来の電子写真装置を大きく改造することなく用い、高解像度のプラスチックシートを高い生産性で精密に製造することができるプラスチックシートの作製方法及び作製装置、並びにその作製方法により作製されるプラスチックシート、丁合い装置を提供する。
【解決手段】第1の光透過性フィルム3を、画像2が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシート1を、第1の光透過性フィルム3の画像2が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルム5が、画像4が形成された面が前記コアシート1と重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めし、積層体の一部を圧力で仮止めすることを特徴とするプラスチックシートの作製方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置によって直接画像形成(記録)されてなる光透過性フィルムによりラミネートされたプラスチックシートに関し、より詳細には、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式または接触式個人情報画像情報入り情報媒体、さらに医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどに用いられるプラスチックシートの製造方法、製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、このような印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報媒体の表面印刷にも多く用いられている。
【0003】
しかしながら、例えば上記スクリーン印刷は、印刷しようとする画像の数に応じた印刷版が多数必要であり、カラー印刷の場合には、さらにその色の数だけ印刷版が必要となる。そのため、これら印刷方法は、個人の識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、各種免許証など)に個々に対応するには不向きである。
【0004】
上記問題点に対して、現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。しかし、これらは個人の識別情報を容易に印字することはできるが、印刷速度を上げると解像度が低下し、解像度を上げると印刷速度が低下するという問題を依然抱えている。
【0005】
これに対して、電子写真方式による画像形成(印刷)は、像担持体表面を一様に帯電させ、画像信号に応じて露光し、露光部分と非露光部分との電位差による静電潜像を形成させ、その後、前記帯電と反対(あるいは同一)の極性を持つトナーと呼ばれる色粉(画像形成材料)を静電現像させることにより、前記像担持体表面に可視画像(トナー画像)を形成させる方法で行われる。カラー画像の場合は、この工程を複数回繰り返すこと、あるいは画像形成器を複数並配置することによりカラーの可視画像を形成し、これらを画像記録体に転写、定着(固定化:主に熱による色粉の溶融と冷却による固化)することによりカラー画像を得る方法で行われる。
【0006】
上述のように、電子写真方式では、像担持体表面の静電潜像を画像信号により電気的に形成するため、同じ画像を何度でも形成できるだけでなく、異なる画像に対しても容易に対応でき画像形成することが可能である。また、像担持体表面のトナー画像は、ほぼ完全に画像記録体表面に転移させることができ、像担持体表面にわずかに残存するトナー画像も、樹脂ブレードやブラシ等により容易に除去することができるため、多品種少量生産に向けた印刷物を容易に作製することが可能である。
【0007】
また、上記トナーは、通常、熱溶融性樹脂及び顔料、並びに場合によっては帯電制御剤などの添加剤を溶融混合し、この混練物を粉砕、微粒子化して形成される。さらに、前記電子写真方式における静電潜像は、上記微粒子化されたトナーに比べてかなり高い解像度を持っており、前記スクリーン印刷やインクリボンの熱転写方式の解像度と比べても十分な解像度が期待できる。
【0008】
カラー画像についても、カラートナーとしてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの四原色を用い、これらを混合することにより、理論的に印刷と同様の色を再現できる。また、上記カラートナーでは、トナー樹脂と顔料とを比較的自由に配合できるため、トナーによる画像隠蔽性を増加させることは容易である。
【0009】
前述の電子写真装置を使用して、各種カードの印字を行った例としては以下のものが挙げられる。
例えば、各種個人情報の他に、不可視バーコードを厚さ250μmの塩化ビニルシートや厚さ280μmのポリエステルシートに電子写真法で印字し、それぞれ印字面にオーバーフィルムを重ね、熱プレス機でラミネートする方法が提示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
しかしながら、上記シートにおいてはシート間摩擦係数が大きすぎ、シート間で密着するためシート搬送性が悪く、電子写真装置が止まってしまったり、上記のような250μm以上の厚さの絶縁物(シート)には、画像形成材料(トナー)が十分に転写しにくく画像欠陥が増大してしまったりする。また、前記比較的低温で軟化する樹脂フィルムを電子写真装置に使用して印字しようとすると、定着工程において、定着温度がフィルムの軟化温度より高いため粘着性が発現し、定着装置に巻き付きジャムが発生する問題がある。さらに、画像形成材料が定着装置にオフセットしたり、前記250μm厚のシートの定着を続けると、シートのエッジ(角)で定着装置を必要以上に痛めてしまったりする場合もある。
【0011】
また、光透過性シートに個人識別情報を印字し、さらに、上記印字は鏡像で行うことも提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、前記光透過性フィルムへの画像形成だけでなく、画像が形成された光透過性フィルムとコアとなるコアシート(基材)とを搬送・積層する工程やラミネートする工程の自動化については、検討がほとんどなされておらず、生産性向上の観点から、上記各工程や製造装置を設計する必要がある。
【特許文献1】特開2001−92255号公報
【特許文献2】特開平11−334265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、画像形成手段として従来の電子写真装置を大きく改造することなく用い、高解像度のプラスチックシートを高い生産性で精密に製造することができるプラスチックシートの作製方法及び作製装置、並びに丁合い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
(1) 光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、コアシートを介して、2つの前記光透過性フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加圧することにより、前記コアシートを前記2つの光透過性フィルムでラミネートするラミネート工程と、を含んでなる、片方の面に画像が形成された2つの光透過性フィルムと、画像面を対面させた2つの光透過性フィルム間に挟持されたコアシートと、を含んで構成されるプラスチックシートの作製方法であって、前記位置決め工程が、第1の光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、第1の光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルムが、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め工程であり、かつ、前記積層体の一部を圧力で仮止めする工程を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製方法である。
【0014】
前記(1)の発明では、薄厚の光透過性フィルムの片面に電子写真方式により高解像度の画像が形成させ、従来、電子写真方式では画像が形成不可能な肉厚のコアシートに、画像が形成された光透過性フィルムを、その画像面をコアシート側に対面させて圧着させる、生産性の高いプラスチックシートの作製方法において、位置決め工程に、画像形成面の向きが規定された光透過性フィルムと、コアシートとを一定の順番で排出・収容させることにより、コアシートと画像が形成された2つの光透過性フィルムとを、画像が形成された側の面がコアシートと各々と対向するように重ねることができ、プラスチックシートの中間体である積層体を、効率的かつ確実に作製することができる。
また、上記位置決め工程において位置決めされた積層体は、そのまま次のラミネート工程に送られると、ラミネート工程に送られるまであるいはラミネート工程において、積層体の位置ずれが起きてしまう可能性があることから、位置決め直後に仮止めすることにより、より精密なプラスチックシートが作製される。
【0015】
(2) 前記位置決め工程が、前記丁合いトレイが、少なくとも2以上の異なるシート搬送路の排出口に移動して、排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め工程であることを特徴とする(1)に記載のプラスチックシートの作製方法である。
【0016】
(3) 前記位置決め工程が、前記丁合いトレイが固定されたままで、シート搬送路から排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め工程であることを特徴とする(1)に記載のプラスチックシートの作製方法である。
【0017】
本発明においては、画像形成装置に光透過性フィルムやコアシートについての全てのスタッカーを配置することも可能であるが、スペースや排紙方法の複雑化を避けるため、前記シート搬送工程にコアシートスタッカー等を設けることができる。この場合、(2)の発明のように、位置決め工程で丁合いトレイがコアシートスタッカーや後述する裏面フィルムスタッカーの排出口位置まで移動させることができれば、積層体の作製をより迅速に行うことができる。
【0018】
一方、(3)の発明のように、例えば光透過性フィルムやコアシートの搬送路が異なっていても、丁合いトレイを固定し、その位置で光透過性フィルムやコアシートを前記のような順序で積層させることができる。この場合には、位置決め部としての丁合い装置の構成が簡略化され、スペースや装置コストを低減させることができる。
【0019】
(4) 光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、前記光透過性フィルムとコアシートとを積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加圧することにより、前記コアシートを前記光透過性フィルムでラミネートするラミネート工程とを含んでなる、画像が形成された光透過性フィルムとコアシートとを含んで構成されるプラスチックシートの作製方法であって、前記位置決め工程が、前記光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、前記光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め工程であり、かつ、前記積層体の一部を圧力で仮止めする工程を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製方法である。
【0020】
(5) 光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、前記光透過性フィルムとコアシートとを積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加圧することにより、前記コアシートを前記光透過性フィルムでラミネートするラミネート工程とを含んでなる、画像が形成された光透過性フィルムとコアシートとを含んで構成されるプラスチックシートの作製方法であって、前記位置決め工程が、コアシートを丁合いトレイに収容し、次に前記光透過性フィルムが、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め工程であり、かつ、前記積層体の一部を圧力で仮止めする工程を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製方法である。
【0021】
(4)、(5)の発明は、(1)の発明と異なり、コアシートの片面に画像が形成された光透過性フィルムがラミネートされるプラスチックシートの作製方法であるが、この場合においても、(1)の発明と同様、コアシートと画像が形成された光透過性フィルムとを、画像が形成された側の面がコアシートと対向するように重ねることができ、プラスチックシートの中間体である積層体を、効率的かつ確実に作製することができる。
また、上記位置決め工程において位置決めされた積層体を、位置決め直後に仮止めすることにより、より精密なプラスチックシートが作製される。
【0022】
(6) 光透過性フィルムを収容するフィルム収納部と、前記フィルム収納部から供給された光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により定着画像を形成する画像形成部と、コアシートを介して、2つの光透過性フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め部と、位置決めされた積層体を加圧して、前記コアシートを前記2つの透過性フィルムでラミネートするラミネート部と、を含んでなる、片方の面に画像が形成された2つの光透過性フィルムと、画像面を対面させた2つの光透過性フィルム間に挟持されたコアシートと、を含んで構成されるプラスチックシートの作製装置であって、前記位置決め部が、第1の光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、第1の光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルムを、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め部であり、かつ、前記積層体の一部を圧力で仮止めする手段を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製装置である。
【0023】
(6)の発明では、前記(1)の発明と同様に、位置決め工程に、画像形成面の向きが規定された光透過性フィルムと、コアシートとを一定の順番で排出・収容させることにより、プラスチックシートの中間体である積層体を、効率的かつ確実に作製することができる。
また、上記位置決め工程において位置決めされた積層体を、位置決め直後に仮止めすることにより、前記(1)の発明と同様、積層体の位置ずれが起きてしまうことを防ぐことができる。
【0024】
(7) 前記位置決め部が、前記丁合いトレイが、少なくとも2以上の異なるシート搬送路の排出口に移動して、排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする(7)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
【0025】
(8) 前記位置決め部が、前記丁合いトレイが固定されたままで、シート搬送路から排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする(7)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
【0026】
(7)、(8)の発明では、前記(2)、(3)の発明と同様に、積層体の作製をより迅速に行うことができたり、丁合い装置の構成が簡略化され、スペースやコストを低減させることができる。
【0027】
(9) コアシートを介して、片方の面に電子写真方式により画像が形成された2つの光透過性フィルムを、その画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め部を有する丁合い装置であって、前記位置決め部が、第1の光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、第1の光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルムを、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め部であり、かつ、前記積層体の一部を圧力で仮止めする手段を含むことを特徴とする丁合い装置である。
【0028】
(10) 前記位置決め部が、前記丁合いトレイが、少なくとも2以上の異なるシート搬送路の排出口に移動して、排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする(9)に記載の丁合い装置である。
【0029】
(11) 前記位置決め部が、前記丁合いトレイが固定されたままで、シート搬送路から排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする(9)に記載の丁合い装置である。
【0030】
なお、前記プラスチックシートの作製方法及びその作製装置において、位置決めされた前記積層体を加圧することによりラミネートする際、必要に応じて熱を加えてもよいことは勿論である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、画像形成手段として従来の電子写真装置を大きく改造することなく用い、高解像度のプラスチックシートを高い生産性で精密に製造することができるプラスチックシートの作製方法及び作製装置、並びに丁合い装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、実質的に同様の機能を有するものには、全図面通して同じ符号を付して説明し、場合によってはその説明を省略することがある。プラスチックシートの作製装置と共に、本発明のプラスチックシートの製造方法についても説明する。
【0033】
図1に、本発明により作製されるプラスチックシートの構成断面図を示す。図1に示すように、プラスチックシートは、コアシート1と画像2、4が形成された表面フィルム3及び裏面フィルム5(共に光透過性フィルム)とが、画像2、4が形成された側の面がコアシート1と各々と対向するように重ねられ、ラミネートされてなる。
【0034】
図2は、本発明のプラスチックシートの作製装置を示す概略構成図である。
図2に示すプラスチックシートの作製装置は、画像形成装置(フィルム収納部、画像形成部)10、丁合い装置20と、ラミネート装置(ラミネート部)30と、から構成されている。
【0035】
画像形成装置10は、例えば、フィルムスタッカー11と、画像形成部12と、フィルムスタッカー11から画像形成部12へ光透過性フィルムを搬送する搬送路13と、画像形成部12から排出口14へ画像形成後の光透過性フィルムを搬送する搬送路15とから構成されている。その他の構成は省略する。
【0036】
画像形成部12は、図示しないが、潜像を形成する潜像担持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像を光透過性フィルムに転写する転写器、光透過性フィルムに転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式のカラー画像形成装置で構成されている。
【0037】
搬送路13、15は、駆動ローラ対を含む複数のローラ対やガイド(図示せず)から構成されており、さらに搬送路15には、光透過性フィルムの搬送方向を180°反転させる反転路16が設けられている。搬送路15と反転路16との分岐付近には、光透過性フィルムを案内方向を変更するカム17が設けられている。この反転路16で光透過性フィルムを往復させ、再び搬送路15に戻すと、光透過性フィルムの搬送方向が180°反転されると共に、光透過性フィルムの表裏が反転して搬送される。
【0038】
丁合い装置20は、コアシートスタッカー22と、丁合いトレイ(位置決め部)25、コアシートスタッカー22から丁合いトレイ25へコアシート1を供給する搬送路24と、画像形成装置10の排出口14から排出された光透過性フィルムを、丁合いトレイ25へ供給する搬送路21と、から構成されている。
【0039】
コアシート1を丁合いトレイ25へ供給する搬送路24の排出部と、光透過性フィルムを丁合いトレイ25へ供給する搬送路21の排出部は、高さ方向に並列して設けられている。
【0040】
上記搬送路21としては、例えば、平滑な板状部材と、その表面を光透過性フィルムを搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして光透過性フィルムが画像形成装置10から排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、光透過性フィルムを丁合いトレイ25に搬送する。
【0041】
また、コアシートスタッカー22には、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロールや給紙ロールが備えられており、丁合いトレイ25がコアシートスタッカー22の排出口の位置に移動した直後のタイミングで給紙ロール等が回転し、丁合いトレイ25にコアシート1を搬送する。
【0042】
丁合いトレイ25は、例えば、搬送路24の排出部と搬送路21の排出部からコアシート1及び光透過性フィルムがそれぞれ供給されるように、例えば、その端部の一部が上下(図中上下)に張架されたベルト外壁に連結されており、当該ベルトの回転駆動に伴い昇降するよう構成されている。このような昇降手段に限らず、モーター駆動方式など、公知の昇降手段を適用させることができる。また、図示しないが、積層されたコアシート1及び表面フィルム3、裏面フィルム5の端部を揃えて、位置決めする手段が設けられている。
【0043】
丁合いトレイ25には、コアシート1を介して2つの光透過性フィルムを積層した積層体を仮止めする仮止め装置26が設けられている。この仮止め装置26は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる一対の突片で構成されており、この加熱された一対の突片により積層体の端部を挟むことで、積層体の端部が熱溶着されて仮止めされる。
【0044】
なお、上記仮止め装置26は、図2のように丁合いトレイ25からラミネート装置への積層体の搬送路上に設けられる場合には、仮止め装置26は、仮止め時のみ丁合いトレイ25の端部に配置され、それ以外のときは上記搬送路から退避できる構造をとる必要がある。
【0045】
ラミネート装置30は、例えば、一対のベルト31から構成されるベルトニップ方式を採用することができる。それぞれのベルト31は、張架ロール32と、加熱・加圧ロール35とにより張架されている。
【0046】
ラミネート装置30における圧着方法としては、特に上記に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させることができる。
【0047】
ラミネートされた積層体は、排出トレイ41に排出され、プラスチックシートが得られる。ここで、プラスチックシートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定のサイズのプラスチックシートを得る。
【0048】
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係るプラスチックシートの作製方法を実施し得る作製装置の概略構成図である。
図3に示すプラスチックシートの作製装置も、前記図2と同様、画像形成装置10、丁合い装置20、及びラミネート装置30とから構成される。
【0049】
前述のようにして、表面に画像2が形成された表面フィルム(第1の光透過性フィルム)3が電子写真装置10より排出され、搬送路21に送られる。表面フィルム3は画像2を図面上、上側に向け搬送され、そのまま図3の丁合い装置20における位置Aにある丁合いトレイ25に収容される。
【0050】
次いで、上記丁合いトレイ25は、前記搬送路21の図面上、下側に配置された、コアシート1が収納されたコアシートスタッカー22のコアシート排出口の位置Bまで移動する。そしてコアシートスタッカー22からコアシート1が排出され、丁合いトレイ25において、コアシート1の片面が画像2と対向するように表面フィルム3に重なり収容される。
【0051】
続いて、前記丁合いトレイ25は、前記コアシートスタッカー22の図面上、下側に配置された、裏面フィルム(第2の光透過性フィルム)5が収納された裏面フィルムスタッカー23の裏面フィルム排出口の位置Cまで移動する。上記裏面スタッカー23には裏面フィルム(第2の光透過性フィルム)5が画像4を図面上、下側に向けて収納されており、この裏面フィルム5が排出されることにより、丁合いトレイ25において、コアシート1の表面に画像4が対向するように裏面フィルム5が重なり収容される。
【0052】
なお、上記位置決め工程においては、前述の表面フィルム3、コアシート1、裏面フィルム5の排出順が全く逆となった順で丁合いトレイ25に排出されてもよい。すなわち、図3における位置Cにおいて裏面フィルム5が第1の光透過性フィルムとなり画像4を図面上、上側に向けて排出され、次いで丁合いトレイ25が位置Bに移動し、この位置でコアシート1が排出され、最後に丁合いトレイ25が位置Aに移動し、表面フィルム3が第2の光透過性フィルムとして画像2を図面上、下側に向けて排出される工程であってもよい。
【0053】
丁合いトレイ25の移動は、例えば丁合いトレイ25に連結する位置センサーを備えた駆動装置等により行うことができる。そして表面フィルム3の搬送路21からの排出、あるいはコアシートスタッカー22からのコアシート1の排出等の信号により、丁合いトレイ25は移動を開始し、位置センサーにより感知した信号により停止する。
【0054】
丁合いトレイ25の移動開始位置は、例えば図3における位置Aであっても、位置Cであってもよいが、積層体の作製をより迅速に行う点から位置Cであることが望ましい。
【0055】
その後、丁合いトレイ25の表面フィルム3、コアシート1、及び裏面フィルム5の端部を、図示しない位置決め手段により揃え、続いて、仮止め装置26により、積層体の端部を仮止めを施した後、ラミネート装置30へ搬送される。
【0056】
最後に、ラミネート装置30において、表面フィルム3、コアシート1、及び裏面フィルム5の積層体を、一対のベルトニップ間に通過させて加熱・加圧処理をし、コアシート1を表面フィルム3及び裏面フィルム5でラミネートされ、排出トレイ41に排出される。
ラミネート後のプラスチックシートは、例えば数枚分のカードのパターンとなっている場合は、1枚分ずつに裁断され表裏が光透過性フィルムでラミネートされたカード等となる。
【0057】
なお、本発明に用いられるコアシート、光透過性フィルムの材質等については以下の通りである。
−コアシート−
本発明において用いられるコアシートは、プラスチックシートとしたときの光透過性フィルムに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが好ましく、白色に着色されていることがより好ましい。
【0058】
コアシートの材質としては、プラスチックが使用される。具体的には、アセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハンなどがあり、中でもポリエステルフィルムが好ましく用いられる。特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられている。
【0059】
コアシートとしては、これらに顔料や染料などが添加され着色される。また、コアシートは、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、または、コアシートとしての要求に必要な強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
【0060】
本発明に用いられるコアシートとしては、厚さ50〜5000μmの範囲のプラスチックからなるフィルムを用いることが好ましく、厚さ100〜1000μmの範囲のPETフィルムを用いることがより好ましい。
【0061】
なお、本発明のプラスチックシートがICカードや磁気カード等として用いられる場合には、必要に応じてコアシートにICチップ、アンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれる。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされる場合がある。
【0062】
−光透過性フィルム−
本発明における光透過性フィルムに使用可能な基体は、透明性を有することが必要である。ここで、透明性とは、例えば、可視光領域の光をある程度、透過する性質をいい、本発明においては、少なくとも形成された画像が、画像が形成された面と反対側の面から基体を通して目視できる程度に透明であればよい。
【0063】
上記基体としては、前記コアシートの材料として用いることができるプラスチックのフィルムを同様に使用することができる。
また、上記各種プラスチックのフィルムの中でも、ポリエステルフィルム、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロヘキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるものや、前記PETにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、さらに二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等をより好ましく用いることができる。
【0064】
前記ポリエステル等の材料は、従来カード用のコアシート(コア)材料として用いられてきたポリ塩化ビニルが、可燃物廃棄時の燃焼によるダイオキシン発生させるものとして環境に良いものではないことが認識され、使用されなくなってきたことにも対応できるものである。本発明においては、上記塩素を含まないコアシートの使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂フィルム、またPETフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルムに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているフィルム等も好ましく用いることができる。
【0065】
上記基体のビカット軟化温度は、70〜130℃の範囲であることが好ましく、80〜120℃の範囲であることがより好ましい。
上記ビカット軟化温度が70℃に満たないと、ラミネート工程において、コアシート(コア)にラミネートフィルムを十分に密着・接着させることができない場合がある。また、ビカット軟化温度が130℃を超えると、上記密着・接着は十分でっても画像(画像形成材料)または後述する塗工層が軟化しすぎてしまい、画像に欠陥(画像流れ)が発生してしまう場合がある。
【0066】
上記ビカット軟化温度とは熱可塑性樹脂の軟化温度評価の一方法から測定されるものであって、その測定方法は、成形されたプラスチック材料の耐熱性を試験する方法として、熱可塑性樹脂に対しては、JIS K7206やASTM D1525、ISO306にその方法が規定されている。
【0067】
一方、基体の少なくとも片面の表面抵抗値が108〜1013Ω/□の範囲であることが好ましく、109〜1011Ω/□の範囲であることがより好ましい。
上記表面抵抗値が108Ω/□に満たないと、特に、高温高湿時に画像記録体の抵抗値が低くなりすぎ、例えば転写部材からの転写トナーが乱れる場合があり、また、表面抵抗値が1013Ω/□を超えると、画像記録体として使用されるラミネートフィルムの抵抗値が高くなりすぎ、例えば転写部材からのトナーをフィルム表面に移行できず、転写不良による画像欠陥が発生する場合がある。
【0068】
なお、上記表面抵抗値は、23℃、55%RHの環境下で、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。
また、電子写真用ラミネートフィルムにおいて、片面のみが上記範囲の表面抵抗値を有する場合には、当該面は画像が形成される側の面であることが好ましい。
【0069】
前記基体の少なくとも片面の表面抵抗値を108〜1013Ω/□の範囲に制御するにあたっては、基体となるフィルム製造時、直接界面活性剤、高分子導電剤や導電性微粒子などを樹脂中に添加したり、上記フィルム表面に界面活性剤を塗工したり、金属薄膜を蒸着したり、あるいは接着剤などに界面活性剤などを適量添加したりすることで調整することができる。
【0070】
前記基体の厚さは、50〜500μmの範囲が好ましく、75〜150μmの範囲がより好ましい。厚さが50μmに満たないと、搬送不良となる場合があり、500μmを超えると、転写不良による画像劣化となる場合がある。
【0071】
本発明における光透過性フィルムは、基体の片面に画像受像層が形成されることが好ましく、またこの画像受像層が形成される面と反対側の面に機能性制御手段が設けられることが好ましい。
前記機能性制御手段は、光沢性、耐光性、抗菌性、難燃性、離型性、及び帯電性を制御する機能から選択される少なくとも1つ以上の機能を有するものであることが好ましく、具体的には、基体の表面に対し、光沢性、耐光性、抗菌性、難燃性、離型性、導電性、さらに好ましくは耐湿性、耐熱性、撥水性、耐磨耗性及び耐傷性などの様々な機能を付加及び/または向上させるために設けられる。これにより、前記機能性制御手段を有する光透過性フィルムは、様々な使用条件に対して耐性を有することができる。
【0072】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るプラスチックシートの作製方法を実施し得る作製装置の概略構成図である。
図4に示す作製装置においては、前記丁合いトレイ25が搬送路21の排出口の位置Aと、コアシートスタッカー22のコアシート排出口の位置Bとの間を移動し、裏面フィルムスタッカー23が設けられていない以外は、前記図3の作製装置と同様である。なお、この画像形成装置10には、プラスチックシートの製造方法に応じて、必要により裏面フィルム5(または表面フィルム3)作製のためのフィルムスタッカーがもう1つ設けられてもよい。
【0073】
この作製装置では、例えばまず表面に画像2が形成された表面フィルム(第1の光透過性フィルム)3が電子写真装置10より排出され、搬送路21に送られる。表面フィルム3は画像2を図面上、上側に向け搬送され、位置決め工程における位置Aにある丁合いトレイ25に収容される。
【0074】
次いで、上記丁合いトレイ25は、前記搬送路21の図面上、下側に配置された、コアシート1が収納されたコアシートスタッカー22のコアシート排出口の位置Bまで移動する。そしてコアシートスタッカー22からコアシート1が排出され、丁合いトレイ25において、コアシート1の片面が画像2と対向するように表面フィルム3に重なり収容される。
【0075】
続いて、前記丁合いトレイ25は、再び位置Aに移動し、上記画像4が図面上、下側に向けて形成された裏面フィルム(第2の光透過性フィルム)5が排出されることにより、丁合いトレイ25において、コアシート1の表面に画像4が対向するように裏面フィルム5が重なり収容される。
【0076】
その後の仮止め工程、ラミネート工程等は、前記図3の作製装置と同様である。なお、この製造方法においても、裏面フィルム5を第1の光透過性フィルムとし、表面フィルム3を第2の光透過性フィルムとして、前記と逆の順序で排出され積層体を作製してもよい。
【0077】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係るプラスチックシートの方法を実施し得る作製装置の概略構成図である。
図5に示す作製装置においては、前記丁合いトレイ25がコアシートスタッカー22のコアシート排出口の位置Bに固定されており、加えて搬送路21及び裏面フィルムスタッカー23から排出された光透過性フィルムが、コアシートスタッカー22のコアシート排出口の位置Bまでさらに搬送されるようになっている。
【0078】
この作製装置では、例えばまず表面に画像2が形成された表面フィルム(第1の光透過性フィルム)3が電子写真装置10より排出され、搬送路21に送られる。表面フィルム3は画像2を図面上、上側に向け搬送され、丁合い装置20における位置Bにある丁合いトレイ25に収容される。
【0079】
次いで、コアシートスタッカー22からコアシート1が排出され、丁合いトレイ25において、コアシート1の片面が画像2と対向するように表面フィルム3に重なり収容される。続いて、裏面フィルム(第2の光透過性フィルム)5が画像4を図面上、下側に向けて収納された裏面スタッカー23から裏面フィルム5が排出され、丁合いトレイ25において、コアシート1の表面に画像4が対向するように裏面フィルム5が重なり収容される。
【0080】
その後の仮止め工程、ラミネート工程等は、前記図3の作製装置と同様である。なお、この作製装置においても、表面フィルム3と裏面フィルム5とが逆の順序で排出され積層体を形成してもよい。また、この製造方法においても裏面スタッカー23を設置せず、画像形成装置10により表面フィルム3及び裏面フィルム5に画像形成を行い、位置Bにおいて表面フィルム3、コアシート1、裏面フィルム5の順、または裏面フィルム5、コアシート1、表面フィルム3の順に丁合いトレイ25に排出させ積層体を作製してもよい。
【0081】
以上のように、本発明における位置決め工程(位置決め部)では、前記どのような経路、順序にしたがって積層体が作製されるにせよ、表面フィルム3及び裏面フィルム5(いずれかが第1の光透過性フィルムまたは第2光透過性フィルム)とコアシート1とが、画像が形成された側の面がコアシートと対向するように重ねられ、位置決めされるため、前記図1に示したプラスチックシートの製造を確実に、かつ効率的に行うことができる。
【0082】
なお、前記第1から第3の実施形態において作製されるプラスチックシートは、表面フィルム、裏面フィルムによりコアシートが挟まれた構造となっているため、作製されたプラスチックシートの反りの発生を防ぐことができる。しかし、例えばコアシートが厚手で、プラスチックシートの反りをあまり考慮しなくてよい場合には、必要に応じて、裏面フィルムを省略する構造としてもよい。
【0083】
そして、このような裏面フィルムがないプラスチックシートを作製する場合にも、前記第1から第3の実施形態における、第1の光透過性フィルム、または第2の光透過性フィルムの丁合いトレイへの排出がない位置決め工程、位置決め手段により、同様にプラスチックシートの製造を確実に、かつ効率的に行うことができる。
【0084】
以上述べたように、本発明は、2つ光透過性フィルムの各々の片面に電子写真方式により画像を形成し、コアシートを介して、この2つの光透過性フィルムをその画像面を対面させてラミネートすることにより得られるプラスチックシートや、同様の1つの光透過性フィルムとコアシートとを画像面を対面させてラミネートすることにより得られるプラスチックシートの作製に関し、特に各シートの搬送方法、重ね方等に着目し、高い生産性で作製できる作製方法、作製装置を見出したものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のプラスチックシートの構成断面図である。
【図2】本発明のプラスチックシートの作製装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプラスチックシートの作製装置の構成図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るプラスチックシートの作製装置の構成図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るプラスチックシートの作製装置の構成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、コアシートを介して、2つの前記光透過性フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加圧することにより、前記コアシートを前記2つの光透過性フィルムでラミネートするラミネート工程とを含んでなる、片方の面に画像が形成された2つの光透過性フィルムと、画像面を対面させた2つの光透過性フィルム間に挟持されたコアシートと、を含んで構成されるプラスチックシートの作製方法であって、
前記位置決め工程が、第1の光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、第1の光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルムが、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め工程であり、
前記位置決め工程が、積層体の一部を圧力で仮止めする工程を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製方法。
【請求項2】
前記位置決め工程が、前記丁合いトレイが、少なくとも2以上の異なるシート搬送路の排出口に移動して、排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め工程であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシートの作製方法。
【請求項3】
前記位置決め工程が、前記丁合いトレイが固定されたままで、シート搬送路から排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め工程であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシートの作製方法。
【請求項4】
光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、前記光透過性フィルムとコアシートとを積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加圧することにより、前記コアシートを前記光透過性フィルムでラミネートするラミネート工程とを含んでなる、画像が形成された光透過性フィルムとコアシートとを含んで構成されるプラスチックシートの作製方法であって、
前記位置決め工程が、前記光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、前記光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め工程であり、
前記位置決め工程が、積層体の一部を圧力で仮止めする工程を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製方法。
【請求項5】
光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、前記光透過性フィルムとコアシートとを積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加圧することにより、前記コアシートを前記光透過性フィルムでラミネートするラミネート工程とを含んでなる、画像が形成された光透過性フィルムとコアシートとを含んで構成されるプラスチックシートの作製方法であって、
前記位置決め工程が、コアシートを丁合いトレイに収容し、次に前記光透過性フィルムが、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め工程であり、
前記位置決め工程が、積層体の一部を圧力で仮止めする工程を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製方法。
【請求項6】
光透過性フィルムを収容するフィルム収納部と、前記フィルム収納部から供給された光透過性フィルムの片面に、電子写真方式により定着画像を形成する画像形成部と、コアシートを介して、2つの光透過性フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め部と、位置決めされた積層体を加圧して、前記コアシートを前記2つの透過性フィルムでラミネートするラミネート部と、を含んでなる、片方の面に画像が形成された2つの光透過性フィルムと、画像面を対面させた2つの光透過性フィルム間に挟持されたコアシートと、を含んで構成されるプラスチックシートの作製装置であって、
前記位置決め部が、第1の光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、第1の光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルムを、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め部であり、
前記位置決め部が、積層体の一部を圧力で仮止めする手段を含むことを特徴とするプラスチックシートの作製装置。
【請求項7】
前記位置決め部が、前記丁合いトレイが、少なくとも2以上の異なるシート搬送路の排出口に移動して、排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする請求項6に記載のプラスチックシートの作製装置。
【請求項8】
前記位置決め部が、前記丁合いトレイが固定されたままで、シート搬送路から排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする請求項6に記載のプラスチックシートの作製装置。
【請求項9】
コアシートを介して、片方の面に電子写真方式により画像が形成された2つの光透過性フィルムを、その画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め部を有する丁合い装置であって、
前記位置決め部が、第1の光透過性フィルムを、画像が形成されていない側の面を丁合いトレイの受面に向けて丁合いトレイに収容し、次いでコアシートを、第1の光透過性フィルムの画像が形成された面と重なるように丁合いトレイに収容し、最後に第2の光透過性フィルムを、画像が形成された面が前記コアシートと重なるように丁合いトレイに収容し、位置決めする位置決め部であり、
前記位置決め部が、前記積層体の一部を圧力で仮止めする手段を含むことを特徴とする丁合い装置。
【請求項10】
前記位置決め部が、前記丁合いトレイが、少なくとも2以上の異なるシート搬送路の排出口に移動して、排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする請求項9に記載の丁合い装置。
【請求項11】
前記位置決め部が、前記丁合いトレイが固定されたままで、シート搬送路から排出された前記第1の光透過性フィルム、コアシート、及び第2の光透過性フィルムをこの順に重ね、位置決めする位置決め部であることを特徴とする請求項9に記載の丁合い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−143240(P2009−143240A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36716(P2009−36716)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【分割の表示】特願2002−355360(P2002−355360)の分割
【原出願日】平成14年12月6日(2002.12.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】