説明

プラズマディスプレイパネルの保護層及びプラズマディスプレイパネル

【課題】本発明は、高い化学的安定性を有し、大気中で封着するに際して、保護層が有する優れた2次電子放出特性の劣化を抑え、省電力で駆動するプラズマディスプレイパネルの保護層及びプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルの前面板10に設けられた誘電体層14を被覆するプラズマディスプレイパネルの保護層15であって、
酸化カルシウム及び酸化セリウムを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの保護層及びプラズマディスプレイパネルに関し、特に、前面板に設けられた誘電体層を被覆するプラズマディスプレイパネルの保護層及びプラズマディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と呼ぶ場合もある。)はハイビジョンディスプレイとしての実績をもち、大型・高精細ディスプレイとして期待されている。
【0003】
図1は、カラーPDPとして一般的な面放電型AC−PDPの構成を示した図である。図1を用いて、カラーPDPとして一般的である面放電型AC−PDPの製造方法について説明する。
【0004】
図1に示すように、PDPは前面板10と背面板20とから構成される。前面板10は、前面ガラス基板11上に、走査電極12と維持電極13とが対をなす表示電極12、13として形成された後に、走査電極12と維持電極13を覆うように、20〜30μmの誘電体層14が形成される。また、放電中のイオン衝撃から誘電体層14を保護する目的と、放電空間に多くの2次電子を供給する目的のため、誘電体層14の表面には酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層15が形成される。
【0005】
背面板20は、背面ガラス基板21上にアドレス電極22と誘電体層23が形成された後に、隔壁24がサンドブラスト法などで形成され、その後、赤、青、緑の蛍光体25R、25B、25Gが充填される。これらの工程を経た前面板10と背面板20は、放電空間となる密閉空間を形成するために封着される。封着を行うためには、まず、背面板20の前面板10と対向される側の面の周縁部に低融点のフリットガラスと有機溶剤の混合物(シール材)が塗布される。このシール材は、約400度の温度で焼成されることにより、内部に含まれる有機溶剤が分解される過程で生じる不純ガスが除去され、封着層として形成される。この後、前面板10と背面板20とが、それぞれに形成された表示電極12、13とアドレス電極22とが直交する向きになるように、互いに対向されて重ね合わされる。そして、この状態で約450度の温度で加熱され、背面板20に形成された封着層が前面板10に溶着されることにより、背面板20と前面板10との間に形成される放電空間の周囲が封着される。その後、前面板10と背面板20との間に形成された空間を、一様な雰囲気で加熱処理しながら真空排気し(ベーキング工程)、冷却後にネオンとキセノン(Ne−Xe)の混合ガスが所定の圧力(400〜600Torr)で導入され、排気管が封止される。その後、全放電セルを放電させるエージング工程を実施し、放電の安定化、保護層の活性化等が行われ完成となる。
【0006】
かかるPDPにおいて、放電特性を向上させるためには、保護層15として2次電子放出特性(γ値)が大きい材料を用いることが望ましく、放電電圧を低減する目的で、MgOに代わる材料としてアルカリ土類金属酸化物、あるいは、その複合酸化物から成る保護層材料が提案されている。具体的には、例えば、MgOより放電電圧を低減する目的で、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)や、その複合酸化物(SrCaO)等のアルカリ土類金属酸化物から成る保護層材料が提案されている。
【0007】
なお、前面板の誘電体層がシリカ粒子によって形成され、保護層が、二次電子放出材であるMgO、La3、SrO、CaOのうち少なくとも1種類の結晶粒子を含んで形成されたプラズマディスプレイパネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−80311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ストロンチウム(Sr)やカルシウム(Ca)などから成るアルカリ土類金属酸化物は反応性が高く、大気中の水分、炭酸ガス、炭化水素系ガスなどと反応して表面に炭酸塩が形成され、γ値が大きく劣化することが知られている。特に、このような化学反応による特性劣化は、封着工程などの大気中での高温プロセス中において顕著であり、上述の封着方法では、保護層15の表面に炭酸塩が形成されγ値が大きく劣化するため、放電電圧が著しく上昇してしまうという問題があった。
【0010】
また、保護層15の反応を抑えるため、不活性ガス中、真空中等で封着工程を実施する方法が提案されているが、そのためには、特殊な装置の導入が必要になる等の問題もあった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題を解決すべくなされたものであり、高い化学的安定性を有し、大気中で封着するに際して、保護層が有する優れた2次電子放出特性の劣化を抑え、省電力で駆動するプラズマディスプレイパネルの保護層及びプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るプラズマディスプレイパネルの保護層は、プラズマディスプレイパネルの前面板に設けられた誘電体層を被覆するプラズマディスプレイパネルの保護層であって、
酸化カルシウム及び酸化セリウムを含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記保護層に含まれる酸化カルシウムをX原子mol%、酸化セリウムをY原子mol%としたときに、下記の式(1)、(2)及び(3)の関係を満たしてもよい。
【0014】
40≦X≦70 (1)
30≦Y≦60 (2)
X+Y=100 (3)
また、前記保護層は、結晶状態であってもよい。
【0015】
また、前記前面板を大気中で450度に加熱した後に、前記保護層の表面に形成される炭酸塩層が30nm以下であってもよい。
【0016】
また、本発明の他の態様に係るプラズマディスプレイパネルは、前面ガラス基板と、該前面ガラス基板上に配置された表示電極と、該表示電極を被覆する誘電体層と、
該誘電体層を被覆する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の保護層とを有する前面板と、
該前面板に対向して配置され、背面ガラス基板と、該背面ガラス基板上に配置されたアドレス電極と、該アドレス電極を被覆する誘電体層と、該誘電体層上に形成された隔壁及び蛍光体とを有する背面板と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プラズマデシィスプレイパネルの保護層に高い化学的安定性を持たせ、プラズマディスプレイパネルを省電力で駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】面放電型AC−PDPの構成を示した図である。
【図2A】CaO(100mol%)を保護層として成膜した直後のXRD分析結果を比較参考例として示した図である。
【図2B】本実施例に係るプラズマディスプレイパネルのXRD分析結果を示した図である。
【図3A】比較参考例に係るCaO(100mol%)の保護層の場合のXPS分析結果を示した図である。
【図3B】本実施例に係るCaO(99mol%)+CeO(1mol%)の保護層の場合のXPS分析結果を示した図である。
【図3C】本実施例に係るCaO(90mol%)+CeO(10mol%)の保護層の場合のXPS分析結果を示した図である。
【図4】CeO添加量と形成される炭酸塩層の厚みの関係の近似曲線を示した図である。
【図5】CaOに添加するCeOの添加量と最小放電維持電圧の関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0020】
本発明の実施例に係るプラズマディスプレイパネルは、構成要素としては、保護層15に用いられる材料が異なる以外は、図1で説明した構成要素と同様の構成要素を有する。よって、本実施例に係るプラズマディスプレイは、図1で説明したプラズマディスプレイと同様の構成を有するので、図1をそのまま用いて説明する。
【0021】
即ち、図1において、本実施例に係るプラズマディスプレイパネルは、前面板10と背面版20とを備え、前面板10は、前面ガラス基板11と、走査電極12と維持電極13の対からなる表示電極12、13と、誘電体層14と、保護層15とを有する。また、背面版20は、背面ガラス基板21と、アドレス電極22と、誘電体層23と、隔壁24と、蛍光体25とを有する。
【0022】
走査電極12及び維持電極13は、前面ガラス基板11の表面上に交互に平行に複数本配置される。走査電極12及び維持電極13は、維持放電により画像を表示するので、対をなして表示電極12、13を構成する。誘電体層14は、走査電極12及び維持電極13を被覆する。保護層15は、誘電体層14の表面に形成され、放電中のイオンの衝撃から誘電体層14を保護するとともに、二次電子を放出する。
【0023】
本実施例に係るプラズマディスプレイパネルにおいては、保護層15は、酸化カルシウム(CaO)と酸化セリウム(CeO)の両方を含んで構成される。酸化カルシウムは、本来的には放電電圧を低下させる保護層材料として知られているが、大気中に存在する酸素、炭素、水等と反応し易く、反応した場合には、水酸化カルシウム(Ca(OH))を形成し、次いで、炭酸カルシウム(CaCO)を形成し、結果的に放電電圧を上昇させ易くなり、化学的に不安定である。そこで、本実施例に係るプラズマディスプレイの保護層15においては、酸化カルシウムの他に酸化セリウムも添加し、かかる炭酸カルシウムの発生を抑制している。これにより、酸化カルシウムの本来の放電電圧を低下させる機能を発揮させ、プラズマディスプレイの放電電圧を低下させることができる。なお、その具体的な内容については、後述する。
【0024】
背面板20においては、背面ガラス基板21の表面上に、複数のアドレス電極22が表示電極12、13と直交する方向に延在して平行に配置される。誘電体層23は、アドレス電極22を被覆する。誘電体層23上であって、アドレス電極22の両側には、隔壁24が形成される。隔壁24は、放電空間を仕切るための壁であり、隔壁24で囲まれ、かつ、表示電極12、13と交わる箇所が、放電セルを構成する。放電セルは、放電のオン、オフ(発光、非発光)を切り替えられる最小単位であり、プラズマディスプレイパネルのサブピクセルを構成する。隔壁24の内側には、赤色蛍光体25R、緑色蛍光体25G、青色蛍光体25Bからなる蛍光体25が形成され、放電により発生した紫外線が照射されることにより、赤色、緑色、青色の各色に発光するように構成されている。
【0025】
なお、前面板10と背面板20は対向配置されて封着され、対向面に放電空間が形成される。放電空間には、Xeを含む放電ガスが封入され、放電により、紫外線を発生し、蛍光体25R、25G、25Bに照射されて各色の光を発光する構成となっている。
【0026】
次に、本実施例に係るプラズマディスプレイの保護層15について、製造方法を含めてより詳細に説明する。
【0027】
保護層15の形成においては、前面板10に形成された表示電極12、13、誘電体層14等を被覆するように、Sr、及び、Caから成る保護層材料を、例えば電子ビーム(EB)蒸着により形成する。蒸着のターゲットとしては、CaOをX原子mol%、CeOをY原子mol%(0≦X≦100、10≦Y<100、但し、X+Y=100)含んだ保護層材料を用いる。蒸着時の圧力を6.0×10−2Pa以下、基板温度Tを350℃まで上昇させた後150℃<T<350℃、蒸着速度を0.5−15nm/secとすることで、膜厚約700nmのCaOをX原子mol%、CeOをY原子mol%(0≦X≦100、10≦Y<100、但し、X+Y=100)を含んだ薄膜を形成する。なお、この保護層15の成膜方法については、EB蒸着に限定されず、スパッタ法等でも成膜が可能で、EB蒸着の場合に劣らない効果が得られる。
【0028】
図2Aは、EB蒸着によりCaO(100mol%)を保護層として成膜した直後のXRD(X-ray Diffraction、X線回折)分析結果を比較参考例として示した図である。また、図2Bは、EB蒸着によりCaO(90mol%)+CeO(10mol%)を保護層15として成膜した直後の本実施例に係るプラズマディスプレイパネルのXRD分析結果を示した図である。XRD分析結果については、分析対象層が非晶質状態であるときにはピークが発生せず、分析対象層が結晶状態であるときにピークが発生する結果となる。図2Aに示すCaOは、ピークを有するので結晶状態であるが、図2Bは、図2Aと同じく明確なピークが存在することから、本実施例に係るプラズマディスプレイパネルの保護層15の状態も結晶状態であることがわかる。
【0029】
次に、図3A〜図3Cを用いて、保護層15の化学的安定性について説明する。本実施例及び比較参考例に係る保護層の化学的安定性について評価するため、大気中で、450度で焼成(大気中高温プロセス)した後の保護層15について、表面から100nmまでの深さに形成される炭酸塩層の厚みをXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy、X線光電子分光)により分析した結果を図3A〜図3Cに示す。
【0030】
図3Aは、比較参考例に係るCaO(100mol%)の保護層の場合のXPS分析結果を示した図であり、図3Bは、本実施例に係るCaO(99mol%)+CeO(1mol%)の保護層の場合のXPS分析結果を示した図であり、図3Cは、本実施例に係るCaO(90mol%)+CeO(10mol%)の保護層の場合のXPS分析結果を示した図である。
【0031】
ここで、図3A〜図3CにおけるC成分は、XPSにおけるCの結合状態の分析から、大気中高温プロセスにより形成された炭酸塩の存在を示すものである。図3A〜図3Cより、CeOの添加量が増加することにより、保護層表面に形成される炭酸塩層が薄くなっていることがわかる。この点は特に、図3Aに示されたCeOが添加されていない比較参考例に係る保護層のXPS分析結果と、図3Cに示されたCeOが10mol%添加された本実施例に係る保護層のXPS分析結果とを比較すると、CeOの添加量の増加に伴い炭酸塩層が薄くなっていることが明確に示されている。
【0032】
図4は、CeOの添加量と形成される炭酸塩層の厚みの関係の近似曲線を示した図である。一般的にPDPは、パネル製作後に保護層15の表面を整え放電電圧を安定化させるために、放電によるエージングを行う。このとき、保護層15の表面の炭酸塩層はイオンによるスパッタリングで削り取られるが、エージングに要する時間を考えると短時間で除去できることが望ましい。
【0033】
図4において、CaOに添加するCeOの量を増加させることにより、保護層表面に形成される炭酸塩層の厚さが減少することが示されている。実際のエージング工程においては、炭酸塩層の厚さが数nm以下、例えば、5nm以下、3nm以下、2nm以下といったレベルに低減させることができれば、十数時間のエージング工程を行うことにより、製品として出荷可能なレベルとなる。図4において、CeOの添加量が30.0mol%のときに、炭酸塩層の厚さは約0.3nmであり、そのような実用上の炭酸塩層の許容範囲内にあることが分かる。また、図4において、CeOの添加量を増加させ、60.0nmのときに炭酸塩層の厚さは0nmになっていることから、CeOの添加量は、例えば、30〜60mol%が好ましいことが分かる。
【0034】
このように、図4より、大気中高温プロセス後に、保護層15の表面に形成される炭酸塩層の厚みを大幅に薄くするためには、CeOの添加が有効であることがわかる。
【0035】
図2A〜図4においては、前面板10に保護層15が形成された前面板10の単独状態の測定結果を示したが、次に、前面板10と背面板20とを封着してプラズマディスプレイパネルとした状態について説明する。
【0036】
まず、以下の封着・排気工程を経てプラズマディスプレイパネルを作製する。
【0037】
排気管を取り付けた背面板20の前面板10に対向する側の面の周縁部に、封着用の非晶質のシール材が塗布されて約400℃で焼成されることにより封着層を形成する。この後、前面板10と背面板20がそれぞれに形成された表示電極対12、13とアドレス電極22とが直交する向きになるように互いに対向されて重ね合わされる。この状態で、約450℃の温度で加熱が行われ、背面板20に形成された封着層が前面板10に溶着されることにより、前面板10と背面板20との間に形成される放電空間の周囲が封止される。
【0038】
その後、シール材の軟化点以下の温度に加熱した状態において、排気管を介して前面板10と背面板20との間の放電空間内の排気をするベーキング工程を行う。ベーキング工程後に前面板10及び背面板20が冷却された後、排気管を介してNe−Xe混合ガスが放電ガスとして導入され、エージング工程が実施される。
【0039】
ここで、CaO+CeOを保護層として用いた場合の実験パネルの放電電圧を表1に示す。なお、不純物による汚染のない場合の放電電圧について評価するため、実験パネル製作における封着工程は窒素雰囲気中で実施している。
【0040】
【表1】

表1において、保護層材料の種類と、最小放電開始電圧、最大放電開始電圧、最大放電維持電圧及び最小維持電圧との関係が示されている。表1より、CeOの添加量が増加すると、放電電圧も増加することがわかる。
【0041】
図5は、CaOに添加するCeOの添加量と最小放電維持電圧の関係を示した図である。図5において、CeOの添加量を大幅に増やし、例えば、83mol%より多くすると、従来のMgO保護層より最小放電維持電圧が高くなってしまうことが分かる。よって、CaOに添加するCeOの添加量は、最小放電維持電圧がMgO保護層の最小放電維持電圧よりも低い範囲の添加量に設定することが好ましい。
【0042】
図4、5より、保護層表面に形成される炭酸塩層の厚みと放電電圧の関係から、CaOへのCeOの添加量を30mol%〜60mol%の範囲に設定することで、CeOを添加しない場合よりも放電電圧は上昇するものの、従来のMgO保護層より低電圧で放電が可能であり、非常に高い化学安定性も併せ持つことができる。
【0043】
このように、本実施例に係るプラズマデシィスプレイパネルの保護層によれば、CaOの化学的安定性を向上させるため、CaOにCeOを添加した材料から成る保護層を開発することにより、CaOの課題であった化学的安定性を向上させることができた。その結果、大気中での高温プロセス後に保護層表面に形成される炭酸塩層を大幅に薄くすることが可能となり、特殊な装置を導入することなく省電力PDPの製造を実現することができる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに用いられる保護層及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル、プラズマディスプレイ装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 前面板
11 前面ガラス基板
12 走査電極
13 維持電極
14、23 誘電体層
15 保護層
20 背面板
21 背面ガラス基板
22 アドレス電極
24 隔壁
25、25R、25G、25B 蛍光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイパネルの前面板に設けられた誘電体層を被覆するプラズマディスプレイパネルの保護層であって、
酸化カルシウム及び酸化セリウムを含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの保護層。
【請求項2】
前記保護層に含まれる酸化カルシウムをX原子mol%、酸化セリウムをY原子mol%としたときに、下記の式(1)、(2)及び(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの保護層。
40≦X≦70 (1)
30≦Y≦60 (2)
X+Y=100 (3)
【請求項3】
前記保護層は、結晶状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネルの保護層。
【請求項4】
前記前面板を大気中で450度に加熱した後に、前記保護層の表面に形成される炭酸塩層が30nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの保護層。
【請求項5】
前面ガラス基板と、該前面ガラス基板上に配置された表示電極と、該表示電極を被覆する誘電体層と、
該誘電体層を被覆する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の保護層とを有する前面板と、
該前面板に対向して配置され、背面ガラス基板と、該背面ガラス基板上に配置されたアドレス電極と、該アドレス電極を被覆する誘電体層と、該誘電体層上に形成された隔壁及び蛍光体とを有する背面板と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−8583(P2013−8583A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140975(P2011−140975)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】