説明

プラテンを備える粘性材料供給システム及び方法

粘性材料供給システムは、供給管と容器排出機を備える。供給管は、容器からしぼり出された材料を受け取る。容器排出機は、容器から供給管へと材料をしぼり出すために容器を保持するためのチャンバーと、チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンを有するプランジャーとを備える。プラテンは、Oリングとフルリングと真空破壊器弁とを備える。Oリングはプラテン駆動面に装着され、フルリングは、チャンバーに露出した外周面でOリングをプラテン駆動面に固定するために延在するタブを有し、真空破壊器弁は、チャンバーに対して、容器中の材料と接触したときにプラテン面を密閉し、該弁が容器の内容物を通過するプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、プラテン面に付着した残留材料を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラテンを具備する粘性材料供給システム、及び、特に、粘性材料処理システムのための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
粘性材料処理システムでは、特注品を製造するために原材料が混合され、添加物が正確な割合で注入される。このシステムは、わずかな許容誤差で均一な製品を実現するために、正確で信頼性のある添加及び供給処理を必要とする。これらの処理のための供給材料を種々の容器(コンテナ)に収容して処理サイトに配送することができる。配送されると、処理のために材料を容器から取り出す必要がある。たとえば、処理システムのために、ドラムやドラムに類似の容器からシリコーンゴムなどの材料を取り出すことが必要になる場合がある。しかしながら、供給材料は、非常に粘性が高く、流れにくい場合があり、したがって、供給材料を配送容器から取り出しにくい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの容器排出処理は、容器内を移動してその中身を空にするためにプランジャーを使用する。これらの処理では、プランジャーの平坦な前方のプラテン(圧盤)が、更なる処理のために、材料を容器から押し出すように材料に作用する。しかしながら、材料を容器から強制的に押し出すためには、容器の両方の端部が開いている必要がある。これらの開いた端部は、容器の保全性にとって不利な場合がある。開いた容器から強制的に押し出すと、材料の断裂及び損失が生じる場合がある。これほど強力ではない他の排出方法は、容器の崩壊を回避するが、容器を完全に空にすることはできない。容器を破壊することなく容器から粘性材料を移動させて全ての材料を取り出すための装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、容器を破壊することなく、容器から実質的に全ての材料を粘性材料処理システムへと絞り出す(または送り出す)ためのシステム及び方法を提供する。
【0005】
1つの実施形態では、本発明は、容器からしぼり出された材料を受け取る供給管と容器排出機とを備える粘性材料供給システムである。容器排出機は、容器から供給管へと材料をしぼり出すための容器を保持するチャンバーと、プランジャーとを備え、プランジャーは、チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンを有し、プラテンは、プラテンの駆動面に装着されたOリングと、フルリング(または、完全なリング:full ring)と、真空破壊器弁とを有し、フルリングは、チャンバーにさらされた周面でOリングをプラテンの駆動面に固定するために延在するタブを有し、真空破壊器弁は、チャンバーに対して、容器中の材料と接触したときにプラテンの面を密閉(または封止)し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、プラテンの面に付着している残留材料を保持する。(あるいは、上記プランジャーを構成する上記プラテンと上記フルリング及び上記真空破壊器弁とは別個に設けられる)。
【0006】
別の実施形態では、本発明は粘性材料供給方法であり、該方法は、容器内に保持された粘性材料の表面に向かってプラテンの面を駆動するステップと、プラテンの面と粘性材料の表面の間に真空を生成して、容器からの残留材料をプラテンの面に付着させるステップと、付着した残留材料の外周部において真空を別様に開放(または破壊)してプラテンの面に付着した残留材料を保持し、プラテンの面に沿って残留材料を容器から抜き取ることができるようにするステップを含む。
【0007】
他の実施形態では、本発明は、プラテンを有する容器排出機と、容器排出機によって容器からしぼり出された粘性材料を受け取る合成(または配合)システムとを備える粘性材料処理システムである。このプラテンは、該プラテンを貫通する少なくとも2つのポートを有し、これらのポートは、中央の作動ピストンからプラテンまでの間に円周方向にバランスのとれた等しい間隔で配置されている。
【0008】
別の実施形態では、本発明は容器排出機であり、この排出機は、チャンバーとプランジャーとから構成され、チャンバーは、容器から供給管へと材料をしぼり出すために容器を保持し、プランジャーは、チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンを有し、プラテンは、プラテンの駆動面に装着されたOリングと、フルリングと、真空破壊器弁とを有し、フルリングは、チャンバーにさらされた周面でOリングをプラテンの駆動面に固定するために延在するタブを有し、真空破壊器弁は、チャンバーに対して、容器中の材料と接触したときにプラテンの面を密閉(または封止)し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、プラテンの面に付着している残留材料を保持する。(あるいは、上記プランジャーを構成する上記プラテンと上記フルリング及び上記真空破壊器弁とは別個に設けられる)。
【0009】
さらに他の実施形態では、本発明は、容器からしぼり出された材料を受け取る供給管と、プラテンを有する容器排出機とを備える粘性材料供給システムである。プラテンは、該プラテンを貫通する少なくとも2つのポートを有し、これらのポートは、中央の作動ピストンからプラテンまでの間に円周方向にバランスのとれた等しい間隔で配置されている。このピストンは、それらのポートを通じて材料を供給管へとしぼり出すために、容器中を通るようにプラテンを駆動する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、容器排出機とフルリングと供給管とコントローラと切断機とを備える粘性材料処理システムである。容器排出機は、容器から供給管へと材料をしぼり出すための容器を保持するチャンバーと、プランジャーとを備え、プランジャーはプラテンを有し、プラテンは、チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されて、プラテンの駆動面に装着されたOリングを有する。フルリングはチャンバーにさらされた周面でOリングをプラテンの駆動面に固定するために延在するタブと、真空破壊器弁とを有し、真空破壊器弁は、チャンバーに対して、容器中の材料と接触したときにプラテンの面を密閉(または封止)し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、プラテンの面に付着している残留材料を保持する。コントローラは容器排出機を駆動する。供給管は、コントローラにしたがって容器排出機によって容器からしぼり出された材料を受け取る。切断機(カッター)は、コントローラにしたがって処理装置へと材料を調節(または計量)しながら供給するために供給管からの材料を切断する。(あるいは、上記フルリング及び上記真空破壊器弁が、上記プラテンの構成要素として設けられる)。
【0011】
さらに別の実施形態では、本発明は、シリコーンゴム合成(または配合)システムと、該合成システムに粘性材料を供給する粘性材料供給システムとを備えるシリコーンゴム処理システムである。該供給システムは、容器から供給管へとシリコーンゴムをしぼり出すために容器を保持するためのチャンバーと、チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンを有するプランジャーとを備えた容器排出機を備え、プラテンは、プラテンの駆動面に装着されたOリングと、フルリングと、真空破壊器弁とを有し、フルリングは、チャンバーにさらされた周面でOリングをプラテンの駆動面に固定するために延在するタブを有し、真空破壊器弁は、チャンバーに対して、容器中のシリコーンゴムと接触したときにプラテンの面を密閉(または封止)し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、プラテンの面に付着している残留シリコーンゴムを保持する。(あるいは、上記プランジャーを構成する上記プラテンと上記フルリング及び上記真空破壊器弁とが別個に設けられる)。
【0012】
別の実施形態では、本発明は粘性材料供給方法であり、該方法は、容器内に保持された粘性材料の表面に向かってプラテンの面を駆動し、プラテンの面を貫通して対称的に配置されたポートを通じて容器から供給管へと材料をしぼり出すステップと、供給管からの材料を切断して粘性材料合成(または配合)システムへと供給するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】材料処理システムの略図である。
【図2】材料処理システムの略図である。
【図3】材料処理システムの略図である。
【図4】ドラム型プレス機の斜視図である。
【図5】ドラム型プレス機の斜視図である。
【図6】ドラム型プレス機の破断図である。
【図7】プラテンの斜視図である。
【図8】プラテンの側面図である。
【図9】プラテンの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、シリコーンゴムなどの粘性材料(粘稠材料ともいう)の取り扱いに関する。「シリコーンゴム」には、粘性シリコーン、または、化学式[R2SiO]nを有するポリシロキサンまたはオルガノポリシロキサン(organopolysiloxane)が含まれる。Rは、メチル、エチル、フェニルなどの有機基である。これらの材料は典型的には、4配位とすることができる有機側鎖基(organic side group)が結合した無機ケイ素・酸素バックボーン(inorganicsilicon-oxygen backbone)(...-Si-O-Si-O-Si-O-...)を有する。いくつかの場合には、有機側鎖基を用いてそれらの-Si-O-バックボーンの2つ以上を共に結合することができる。
【0015】
-Si-O-鎖の長さ、側鎖基、及び架橋(crosslinking)を変えることによって、シリコーンを、様々な特性及び組成を有するものとして合成することができる。それらは、液体からゲル、ゴム、硬質プラスチック(hard plastic)へとコンシステンシー(流動性あるいは固体性の程度)が変化する場合がある。シリコーンゴムまたはシリコーンガム(シリコーン樹脂)は、シリコーンエラストマーであり、典型的には高温特性を有する。シリコーンゴムは、25℃で150,000〜900,000ポアズの粘度の範囲を有する場合がある。
【0016】
シリコーンゴムは、極度の温度耐性を示し、−100℃から+500℃まで正常に動作できる。そのような条件下では、引張り強さ、伸び(elongation)、引裂き強度、及び圧縮永久歪は、従来のゴムよりも優れたものとなりうる。
【0017】
シリコーンゴムを、製造業者によって指定されたサイズ制限内で、チューブ、ストリップ(細片)、金剛打ひも(solid cord)、特注の外形(または断面)などの注文に合わせた形状及びデザインをなすように押出加工しまたは成形することができる。ひも(コード)を結合して「O」リングを作製することができ、また、押出加工された外形を結合してシールを作製することもできる。
【0018】
種々の用途で使用されるシリコーンゴムなどの粘性材料を正確かつ効率的に処理する粘性供給システムを提供することが望ましい。しかしながら、これらの材料は、非常に流れにく、及び/または、粘着性が高く、及び/または、結合性(または凝集性)が高く、及び/または、ずり増粘を示す場合があり、したがって取り扱うのが難しいものとなりうる。より大きな量から材料のある量を切断し、または、分離するために要する時間、または、容器から材料を取り出すために要する時間が長いときには、たとえば、連続工程において、そのような材料の梱包処理、及び/または、そのような材料の規定された量を得る処理を正確に行うためにはコストがかかる。
【0019】
本発明は、粘性材料の処理を制御するためのシステム及び方法を提供する。本発明の特徴は、限定としてではなく例示として本発明の好適な実施形態を記述する図面及び下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0020】
図面には、物品を形成するために、シリコーンゴムを合成(または配合)して基材(ベース)にするための処理として本発明が例示されている。図1は、一体型供給システム12と合成システム(または配合システム)14とからなる材料処理システム10の略上面図であり、図2は、該材料処理システム10の略側面図である。供給システム12は、1組の材料抽出装置(MEA)16、コンベア18、及び、シュート20を備える。図4及び図5は、MEA16の立面図であり、図6は、MEA16のある断面の破断図である。MEA16は、容器排出機22、供給管24、切断装置26、及び台はかり(floor scale)28を備える。一体型供給システム12は、コントローラ30に接続されて該コントローラによって制御可能とされている。図6は、図4及び図5のドラム型プレス機の上部部分の破断図である。図1、図2、図3に示すように、合成システム14は、ミキサー32、ロールミル(またはロール製粉機)34、コンベアベルト36、及び合成器(または配合器)38を備える。
【0021】
MEA16は、粘性材料を容器から合成システム14へとしぼり出す機能を有する。「しぼり出す」とは、容器から粘性材料を、絞り出すこと、または、押し出すこと、または、搾り出すことを意味する。図1、図2及び図3に関する本発明の好適な合成動作(配合動作)では、動作は、4つのドラム42のパレット40でゴムを配送することから開始する。図示の実施形態は、シリコーンゴムを収容したドラムから排出する方法を含む供給システムである。この実施形態における適切なドラム42は、全開可能な端部を有し、及び、鋼鉄製の円筒状壁、ファイバーボード(繊維板)、または、シリコーンゴム材料を運ぶための他の材料構造を有する。ドラム42は対向する端部を有し、該端部の各々は、後述するように、一方の端部に可動のプランジャーを収容するために開閉式とされている。
【0022】
ドラム42内の材料は、同じものであってもよく、あるいは、粘性などの物理的特性が様々に異なったものであってもよい。ドラム42は、たとえば、Easy Lift Equipment社(2 Mill Park Court、Newark、Delaware 19713)製のドラム運搬機44(またはドラム引き上げ機)によって1つずつパレット40から取り出される。3つのドラム42の各々の蓋は外され、それらのドラム42の各々は、運搬機44によってそれぞれの容器排出機22に装填される。これらの容器排出機は、Schwerdtel S 6-Fドラム型プレス機を改造したものとすることができる。ドラム運搬機44を使用することによって、重いドラム42を持ち上げて取り扱うことに関連する人間工学的な危険がなくなる。次に、シリコーンゴムをMEA16によってそれぞれのドラムからコンベア18に送り込む。図示の実施形態では、MEA16は、容器排出機22、供給管24、及び切断装置26から構成される。
【0023】
図4及び図5に示すように、容器排出機22は、ドラム42をチャンバー50内に脱着可能に固定するためのヒンジで動くようにされた筐体52及び54を有するほぼ円筒形のチャンバー50から構成されるプレス機である。チャンバー50とヒンジで動く筐体52及び54は、材料を排出する動作をおこなっている間、ドラム42を抱くようにしてしっかりと支える。平坦な駆動面を有する円盤状のプラテン56はチャンバー50にすっぽりと収まる。プラテンの面(以下、プラテン面ともいう)316は、チャンバー50の縦軸(前後軸)に対して垂直に配向し、これに伴って、チャンバー50内に保持されたドラム42の縦軸に対して垂直に配向している。
【0024】
供給システム12の動作は、図1、図2、図4、図5、図6を参照して説明することができる。動作時、プレス機の筐体52及び54は、ファスナ(留め具)110を作動させて筐体52及び54を開くことによって(係合した状態から)はずされる。ドラム運搬機44を用いて、第1のドラム42をプレスキャビティ60に装填する。ドラム42は、チャンバー50の基部64にロケーター・リング(locator ring)62によって位置決めされる。プレス機の筐体52及び54は、ドラム42を通って移動するプランジャー72によって加えられる軸方向の膨張圧に抵抗する。筐体52及び54は複数のファスナによって固定されている。
【0025】
MEA16の各々は、容器排出機22、供給管24、切断装置26を備え、各々、台はかり(floor scale)28の上に設置されている。各々のMEA16において、供給管24は、円盤状のプラテン56を介してプレスキャビティ60と連絡するように接続されている。プラテン56は、油圧(または液圧)プランジャー72によって駆動される。
【0026】
図7は、本発明の好適な実施形態したがってドラムから粘性材料をしぼり出すためのメカニズムを提供するプランジャー72の斜視図である。図7、図8、及び図9に示す好適なプランジャー72は、作動ピストン312によって駆動される円盤形状のプラテン56を備える。Oリング314はプラテン56の面316にぴったりとはまって、プラテン56の外周をドラム42の内壁336に密着させる。Oリング314は、Oリング314を部分的に囲むためにプラテン面316に取り付けられたフルリング320によって適所に保持される。Oリング314は、プラテン56とフルリング320の両方の外周を超えて円周方向に延在する露出部分を有する。
【0027】
図6には、供給管24に集まるそれぞれのコンジットの枝部324と連通するために、フルリング320及びプラテン56を通る2つのポート322が示されている。リング320は、Oリング314の露出した外周面を横断して延びるためにフルリング320に溶接されたタブ334を有する。図11は、Oリング314の対応する傾斜したエッジ面330に対する、フルリング320の傾斜した外周エッジ面328の迫台(アバットメント)を示す立面図である。
【0028】
オペレータは、コントローラ30でシステムの動作を開始することができる。あるサイクルがオペレータによって起動されると、図1に示す1組のうちの各容器排出機22のプランジャー72が制御ライン74を介して作動させられる。次に、スクリューコンベア18が回転を開始すると、供給管24に接続されたプレスプラテン(または定盤)56が、油圧(またまは液圧)駆動式プランジャー72によって駆動されて、ドラム42の内部へと下方に移動する。
【0029】
プラテン56がドラム42の中へと駆動されると、押しやられた空気が真空破壊器(または真空遮断器)332を通って排出される。プラテン面316がドラム中の材料と接触すると、真空破壊器弁332がプラテン面316を密閉するために閉じ、Oリング314が、プラテン316の側面をドラム42の内壁336にすき間なく密着させる(図8に示す)。さらに図6に示すように、プラテン56がプレスキャビティ60内をドラム42の縦軸方向に移動するにつれ、ドラムの内容物が供給管24の接続口322中へと上方に押しやられる。プラテン56がドラム軸方向の移動を完了すると、材料は、供給管24中へと上方に押し出されて、最終的に、供給管の排出口70から吐出されることになる。その後、プラテン56がドラム42の底部から上昇すると、真空がプラテン56の下部に生成され、Oリング314を、タブ334の間で下方にわずかにたわませる。この結果、ドラム42からの残留粘性材料がプラテン面313に付着して、プラテンが駆動サイクルの終わりに引き上げられたときにドラム42(の内容物)の排出が完了する。
【0030】
本出願人は、何らかの特定のメカニズムによって限定するつもりはないが、プラテン56が引き上げられると実質的に全ての材料がドラム42から排出されると考えられる。なぜなら、真空破壊は、最初に、真空破壊器/通気弁ではなく、プラテンのエッジ部で生じるからである。エッジ部での真空破壊は、Oリング314のたわみ、及び、それの傾斜部/勾配部328/330とフルリング320との境界面によって引き起こされる。真空破壊がプラテンのエッジ部で最初に生じるので、ドラムと製造物との間の空気流によって、製造物をプラテンにくっつけてドラム内に材料が残らないようにすることができる。ドラム42の底に残った材料は、引き上げられるプラテン面316に付着して、オペレータによって簡単に除去されることができる。
【0031】
合成システム14に材料を投入するために、材料が排出口70から出てコンベア18に向かうときに、切断装置26によって材料が一定量(またはある増分量)毎に切り分けられる。この切り分け(または切断)は、供給管の出口端に配置されたカッター(切削ヘッド)などの種々の切断機構によって行うことができる。図4、図5、図6の実施形態では、MEA16は、排出口70に配置された切断装置26を備える。切断装置26は、切断ワイヤー82を案内して供給管の排出口70から出る材料を切断するために、切断ワイヤー82を固定するレール80を備える。レール80は、切断ワイヤー82が、ライン84及び86(図1)を介してコントローラ30によって作動させられるときに、排出口70において供給管24の縦軸を横切るように切断ワイヤー82を固定する。
【0032】
図1のコントローラ30は本発明の1実施形態を示す。図1のコントローラ30は、マイクロプロセッサ、またはコンピュータ、またはデータ処理装置、または半導体チップ、またはこれらに類似のものとすることができる。コントローラ30は、ライン92を介して重量計(weight scale)28の測定値の減少に応答できるように接続されて、材料がドラム42からコンベア18へとしぼり出されるときの重量の減少を検出する。コントローラ30は、MEA16の最初の重量と、最初に設置され満杯とされたドラム42の重量との差によってコンベア18に投入された材料の重量を計算する。図示の実施形態では、コントローラ30は、全てのMEA16と、1組のMEAのうちの設置され満杯にされたドラム42(たとえば、図1に示す3つのドラム)との初期の全体重量を検出することができる。コントローラ30は、ドラム内の材料がコンベア18へと排出されるときに、その全体重量をモニタする。コントローラ30は、初期の全体重量と、同時に検出された全体重量との差に基づいて、コンベア18に投入された材料の重量、したがって合成システムに投入された材料の重量を同時に計算する。
【0033】
コントローラ30はまた、投入された材料のこの計算された重量にしたがって切断装置26の動作を制御することができる。先ず、切断装置26を、たとえば、スクリューコンベア18の14”(14インチ)の内径にびったりと合わせるために、ほぼ「フットボール」のサイズの材料に切断するようにプログラムすることができる。供給管の排出口70から一片の材料が切断されると、台はかり(floor scale)28は、同時の重量を検出して、その信号をコントローラ30に送る。コントローラ30は、「設定値」にしたがって材料処理システム10を制御する。本願において、「設定重量または設定量」とは、(通常は供給セッションにおいて)供給システムから送られる材料の目標重量または目標量である。1実施形態では、「設定重量または設定量」は、供給セッションが終了する時点における設定重量または設定量を意味する。別の実施形態では、コントローラ30が、同時重量信号を検出して、投入された合計の重量が合成システム14に投入されることになる材料合計の指定された範囲内(たとえば、「設定重量または設定量」の15ポンド以内)にあることを計算すると、コントローラは、ライン84を通じて、(切断する)一定量の部分をより小さくするために切断頻度(または切断周波数)を大きくするように切断装置26に(信号で)指示することができる。設定重量または設定量に近付いたときに、このように(切断)部分をより小さくすることによって、供給の制御を改善して、(合成システムに)投入される材料の重量を指定された許容範囲(たとえば、1バッチにつき±2ポンド)内に収めることが可能になる。
【0034】
ドラム42の排出処理が完了すると、ヒンジで動く筐体52及び56のドアファスナが開き、コントローラ30のRun Screen(ランスクリーン)は「新しいドラム(NEW DRUM)」を表示することができる。容器排出機22に取り付けられたビーコンライト(標識灯)が、黄色に変わって、別のドラム42に切り換える準備ができたことを示すことができる。モータを駆動する油圧(または液圧)プラテンが停止して、チャンバー50の筐体が開く。排出機22にドラムを再び装填して、上記処理が繰り返される。
【0035】
材料が、MEA16からスクリューコンベア18へと投入されると、該コンベアは毎分当たりの回転数を下げて、該材料をミキサーに送る。このスクリューコンベアは、最後のMEA16がそれの最後の切断を行ってから90秒後に回転を停止するようにプログラムされている。この時間は、コンベア18から全ての材料を排出するのに十分なものでありうる。
【0036】
コンベア18は、切断された粘性材料をシュート20すなわち合成システム14に送って落下させる。合成システム14は、バンバリー(Banbury)などのミキサー32、ロールミル(roll mill)34,コンベアベルト36及び合成器38を備える。このミキサー32では、ヒュームドシリカ(fumed silica)、シリコーンゴム、及び処理剤を加えて高密度のポリマー/充填材のかたまりを形成することができる。ゴム材が混合された後、そのゴムは、材料をストリップ(細片)の形態に圧延するロールミル34のニップ46に落とされる。落とされると、プログラムされた論理コントローラ(PLC)(たとえば、コントローラ30)は、ミキサーの排出ドア(drop door)が、開いたこと、及び、その後再び閉じて、供給のための準備ができたことを確認する。シュート内に引っ掛かって残留している材料に対しては、「押出機」が、コンベア18が停止した後の数秒間掃き出すようにプログラムされている。この押出機は、シュート20をこすって平らにし、確実に、全ての材料がミキサー32に入って適正にバッチ(たとえば一回分の量)が調合されるように機能する。
【0037】
ミルは、充填材を十分に混合し、及び材料を冷却するために最後の混合物を加える。その後、この材料は、ミルからはがされてストリップ(細片)の形態にされる。このストリップ形態は、コンベアベルト36によって、押し出し成形機とすることができる合成器38に送られる。合成器38は、パッケージングのために材料を掃き出して形成するように機能する。自動的に切断し、計量し、及びパッケージングするシステムにより材料をパッケージングして箱詰めすることができる。
【0038】
以下の実例は例示であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0039】
実例
この実例は、Schwerdtel米国本社(ニュージャージー)、ProSys社 (ミズーリ)、及び、GESilicones Waterford, NYにおけるプレス(MEA)実験を組み合わせた説明である。シャフトレス(シャフトのない)スクリューコンベアに関する実験は、Martin Sprocket(マーチンスプロケット)装置を用いてGE SiliconesWaterfordで行われた。
【0040】
図面に概略的に示した粘性材料供給システムは、重量の減少にしたがって材料の流れを測定するVishay BLHの台はかり(floor scale)に取り付けられたSchwerdtel S 6-Fドラム型プレス機を備えていた。このSchwerdtel S 6-Fプレス機は、プラテンを55ガロンのドラム中へと移動させる油圧駆動式シリンダー及びプラテンを備えていた。
【0041】
供給システムは、プレス機によってドラムからしぼり出された材料を受け取るための供給管と、台はかりによって検出された重量の減少にしたがって、該供給管から12”×24’(12インチ×24フィート)のシャフトレススクリューコンベアへと材料を調節(または計量)しながら供給する空気ソレノイド(空気電磁弁)作動式切断システムとを備えていた。スクリューコンベアはシュートに接続されていた。シュートは、材料が、重力によってバンバリーミキサー(Banbury mixer)に直接落下できるようにしていた。シュート内に残存していた材料は、それぞれの混合の前に空気押出機(GEによる設計・製造)によって除去された。システムは、制御システムの2つのQuickPanel LM90タッチスクリーンにおいてオペレータによって制御された。
【0042】
動作時、オペレータは、最初に、システムコントローラに設定重量または設定量を入力した。この実施形態では、1つの設定重量または設定量は、シリコーンゴム合成システムの一部であったバンバリーミキサー(Banbury mixer)に投入されるシリコーンゴムの目標バッチを表していた。シリコーンポリマー(粘度の範囲が150,000〜900,000ポアズ)の4つの55ガロンドラムのパレットが、ドラム回転ラック(回転式コンベア)上に置かれた。55ガロンのストレートサイド形スチールドラムは、回転ラックにより搬送され、1つのドラムは、Easy Lift Equipmentのドラム運搬装置を用いてSchwerdtel S 6-Fドラム型プレス機に装着された。Schwerdtel S 6-Fドラム型プレス機は、GE Fanuc 90/30 PLCによって制御された。材料は、油圧Schwerdtelゴムプレス機によってドラムから供給管へと送られた。
【0043】
オペレータは、運転を開始するためにコントローラの「START OR RESTRTBATCH」ボタンを押した。プレス機のドアは、油圧駆動式のファスナによって閉められた。次に、スクリューコンベアが回転を始めると、油圧駆動式プレスプラテン(油圧駆動式定盤)がドラム内への降下を開始した。プラテンがドラムを横断するにつれて、ドラムの内容物が供給管の中へと上方に押し出された。プラテンがドラム軸を完全に通過すると、運転が終了してプラテンが引き抜かれた。プラテンが引き抜かれると、最初に、プラテンの底部と付着した材料との間の真空がプラテン面の円周部において選択的に遮断(または破壊)された。この選択的な遮断によって、ドラムからのほぼ全ての残留粘性材料はプラテン面に付着したままとされ、その後、作業員によって取り出されて供給管に送られた。材料が供給管を出るときに、空気ソレノイド作動式の切断システムが、材料を各片へとさいの目状に切断(すなわちダイシング)して、これらの各片を、バンバリーミキサー(Banbury mixer)に投入するために12”×24’のシャフトレススクリューコンベア中に落下させた。
【0044】
コンベアからバンバリーミキサー(Banbury mixer)への1ロット分(1バッチ)の材料の流れは、Vishay BLHのロードセルによって検出された重量の減少によって測定された。プレス機、供給管、切断機構、及び材料を収容したドラムの総合重量は、制御システムによって第1の重量として記録された。制御システムは、シリコーンゴムが、ドラムから押出されて、供給管及び切断システムを通って排出される際の推移中の重量を記録することによってバンバリーミキサー(Banbury mixer)に投入されたシリコーンゴムの重量をモニタした。制御システムは、第1の重量と、投入されたシリコーンゴムの重量を表す記録された累加的重量との差を表示した。切断機構の切断レート(切断速度)は、投入されたシリコーンゴムの重量が設定重量の15ポンド以内となったときに大きくされた。制御システムは、この重量の差を検出し続け、該重量の差が設定重量または設定量の±2ポンドの範囲内を示したときに、バッチ処理を終了した。
【0045】
上記の実例は、本発明に従う合成システムへの材料投入の制御を例示するものである。
【0046】
本発明には、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る変更形態及び代替形態が含まれる。上記した例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の特徴のうちのいくつかのみを例示するためのものである。たとえば、本発明はコントローラを備え、該コントローラは、ルックアップデータベースを参照して、合成システムに投入される材料の設定重量または設定量を決定し、材料抽出装置及び材料が入った容器の初期の総合重量を検出し、容器から材料を抜き出すために材料抽出装置の動作を開始するよう通知し、材料抽出装置と材料が入った容器との推移中の総合重量を検出し、初期の総合重量と検出された推移中の総合重量との差にしたがって投入された材料の重量を計算し、計算された材料の投入重量が設定重量または設定量の指定された範囲内にあるときは、材料抽出装置の動作を終了する、ための1組の命令を有する。
【0047】
添付の特許請求の範囲は、可能な限り広い範囲で本発明の権利を主張することを意図しており、提示した例は、多種多様な全ての可能な実施形態から選択された実施形態を示したものである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の特徴を例示するために用いられたそれらの選択された例によって限定されるものではないことが本出願人の意図するところである。
【0048】
特許請求の範囲において使用されている「を有する」という用語、及びそれの文法上の変化形は、様々な範囲及び異なる範囲の語句、たとえば、「実質上含む」及び「からなる」(ただしこれらには限定されない)を論理的に包含する。
【0049】
必要に応じて、範囲が提供されているが、これらの範囲は、これらの範囲の間の全ての部分範囲を含む。これらの範囲は、対をなす異なる数値限定からなるマーカッシュグループ(1つまたは複数のグループ)と見なすことができる。尚、該グループは、下限値から上限値へ向かって数値が規則的に増加する該下限値と該上限値によって完全に画定される。これらの範囲のバリエーションを当業者は思いつくであろうことが予測され、未だ一般公衆に解放されていない場合には、それらのバリエーションは、可能な限り添付の特許請求の範囲によってカバーされているものと解釈されるべきである。
【0050】
科学及び技術の進歩により、言語の不明瞭性のために現時点では考察されていない等価物及び代用物が可能になるであろうこともまた予測され、それらのバリエーションもまた、可能な限り添付の特許請求の範囲によってカバーされるものと解釈されるべきである。
【0051】
本明細書で参照した全ての米国特許(及び特許出願)は、それらの全内容が説明されたものとして、参照によりそれらの全体が本明細書に具体的に組み込まれるものとする。
【0052】
本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る変更形態及び代替形態を含む。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器からしぼり出された材料を受ける供給管と容器排出機とを備える粘性材料供給システムであって、
前記容器排出機は、チャンバーとプランジャーを備え、
前記チャンバーは、容器から前記供給管へと材料をしぼり出すために前記容器を保持し、前記プランジャーは、プラテンと完全なリングと真空破壊器弁とを有し、前記プラテンは、前記チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容され、プラテン駆動面に装着されたOリングを有し、前記フルリングは、前記チャンバーに露出した外周面で前記Oリングを前記プラテン駆動面に固定するために延在するタブを有し、前記真空破壊器弁は、前記チャンバーに対して、容器中の材料に接触したときに前記プラテン面を封止し、前記弁が、容器の内容物を通る前記プラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、前記プラテン面に付着している残留材料を保持することからなる、粘性材料供給システム。
【請求項2】
前記Oリングは傾斜した外周面を有し、前記フルリングはベベル面を有し、該ベベル面は、前記傾斜した外周面と相補的にはめ合ってベベル面と傾斜面との解除可能な封止を形成し、この封止は、前記真空破壊器弁が作動して、前記露出した外周面にたわみを生じさせることによって該封止が解除されるまで維持される、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項3】
前記Oリングは傾斜した外周面を有し、前記フルリングはベベル面を有し、該ベベル面は、前記傾斜した外周面と相補的にはめ合ってベベル面と傾斜面との解除可能な封止を形成し、付着した材料の下の空気流によって、しぼり出しサイクルの終わりに前記プラテンが前記容器から引き抜かれるときに、前記プラテン面に材料を保持できるようにし、前記封止は、前記真空破壊器弁が作動して、前記露出した外周面にたわみを生じさせることによって該封止が解除されまで維持される、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項4】
前記プラテンは、前記プラテン面を通って、中央の作動ピストンから前記プラテンまでの間に円周方向にバランスのとれた等しい間隔で配置された少なくとも2つのポートを備える、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項5】
前記プラテンは、前記プラテンの中央の作動ピストンに対して対称的に配置された、前記プラテン面を通る少なくとも2つのポートと、前記供給管に連通するそれぞれのポートからのコンジットの枝部とを有する、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項6】
前記チャンバー内に保持された容器から材料をしぼり出すために、前記チャンバー内において前記プランジャーを軸方向にかつ摺動可能に作動させるコントローラをさらに備える、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項7】
コントローラをさらに備え、該コントローラが、
(i)材料の設定値を表す入力値を格納し、
(ii) 材料抽出装置と材料が入った容器との初期の総合重量を検出し、
(iii)材料がダイシング装置から調節されながら供給されるときに、前記材料抽出装置と材料が入った容器との推移中の総合重量を検出し、
(iv)前記初期の総合重量と前記検出された推移中の総合重量との差にしたがって、前記供給システムから後続の処理へと投入された材料の重量を計算する
ための1組の命令を有することからなる、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項8】
コントローラをさらに備え、該コントローラが、
(i)材料の設定値を表す入力値を格納し、
(ii) 材料抽出装置と材料が入った容器との初期の総合重量を検出し、
(iii)材料がダイシング装置から調節されながら供給されるときに、前記材料抽出装置と材料が入った容器との推移中の総合重量を検出し、
(iv)前記初期の総合重量と前記検出された推移中の総合重量との差にしたがって、前記供給システムから後続の処理へと投入された材料の重量を計算し、及び、
計算された投入材料の重量が前記設定値の指定された範囲内であるときに、前記材料抽出装置の動作を終了する
ための1組の命令を有することからなる、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項9】
コントローラをさらに備え、該コントローラが、
(i)材料の設定値を表す入力値を格納し、
(ii) 材料抽出装置と材料が入った容器との初期の総合重量を検出し、
(iii)材料がダイシング装置から調節されながら供給されるときに、前記材料抽出装置と材料が入った容器との推移中の総合重量を検出し、
(iv)前記初期の総合重量と前記検出された推移中の総合重量との差にしたがって、前記供給システムから後続の処理へと投入された材料の重量を計算し、
(v)前記計算された投入材料の重量が前記設定値の既定の範囲内であるときに、前記ダイシング装置によって材料の供給レート(供給速度)を大きくする
ための1組の命令を有することからなる、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項10】
容器排出機と供給管の組み合わせを複数備える、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項11】
前記材料は、25℃において150,000ポアズより粘土が大きなシロキサンからなる、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項12】
前記材料は、25℃において500,000ポアズより粘土が大きなシロキサンからなる、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項13】
前記材料は、25℃で900,000ポアズより粘土が大きなシロキサンからなる、請求項1の粘性材料供給システム。
【請求項14】
容器内に保持された粘性材料の表面にプラテン面を押しつけるステップと、
前記プラテン面と粘性材料の表面との間に真空を生成して、前記容器からの残留材料を前記プラテン面に付着させるステップと、
前記付着した残留材料の外周部において真空を別様に開放して前記プラテン面に付着した残留材料を保持し、前記プラテン面に沿って前記残留材料を前記容器から抜き取ることができるようにするステップ
を含む粘性材料供給方法。
【請求項15】
最初に前記プラテン面の外周領域における真空を破壊して、前記付着した材料の下に空気を流し、これによって、前記プラテン面に材料を付着させるステップを含む、請求項14の方法。
【請求項16】
前記プラテン面を前記粘性材料の表面に対して逆方向に動かして、前記粘性材料と前記プラテン面との間の真空を破壊するステップを含む、請求項14の方法。
【請求項17】
プラテンを前記容器の長手軸を通るように移動させることによって、粘性材料を前記容器からしぼり出すステップを含む、請求項14の方法。
【請求項18】
前記容器内に保持された粘性材料の表面に弁の付いたプラテン面を押しつけて弁を閉じることによって、前記真空を形成するステップを含む、請求項14の方法。
【請求項19】
前記容器内に保持された粘性材料の表面に弁の付いたプラテン面を押しつけて弁を閉じることによって、前記真空を形成するステップと、
前記プラテン面を前記粘性材料の表面に対して該表面から逆方向に動かして前記弁を開き、これによって、前記粘性材料と前記プラテン面との間の真空を破壊するステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項20】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップと、
前記しぼり出された材料を粘性材料合成処理部に投入するステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項21】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップと、
前記しぼり出された材料を粘性材料合成処理部に投入するステップと、
前記容器からしぼり出された材料の重量をモニタして前記合成処理部に投入された粘性材料の量を決定するステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項22】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップと、
前記しぼり出された材料を粘性材料合成処理部に投入するステップと、
前記容器からしぼり出された材料の重量をモニタして、最初の重量と、材料がしぼり出されているときに前記容器内に保持されている粘性材料の重量との差にしたがって前記合成処理部に投入された粘性材料の量を決定するステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項23】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップと、
前記しぼり出された材料を粘性材料合成処理部に投入するステップと、
前記容器からしぼり出された材料の重量をモニタして、最初の重量と、材料がしぼり出されているときに前記容器内に保持されている粘性材料の重量との差にしたがって前記合成処理部に投入された粘性材料の量を決定するステップと、
前記決定された粘性材料の投入量にしたがって、前記粘性材料合成処理部に供給するために前記容器からしぼり出される粘性材料のダイシングレート(切断速度)を制御するステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項24】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップと、
粘性材料合成処理部に供給するために前記容器からしぼり出される粘性材料を第1のレートで切断するステップと、
前記合成処理部に投入された粘性材料の量が材料の設定値の既定の範囲に達したときに、前記レートを大きくするステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項25】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップと、
粘性材料合成処理部に供給するために前記容器からしぼり出される粘性材料を第1のレート(第1の速度)で切断するステップと、
前記合成処理部に投入された粘性材料の量が材料の設定値の既定の範囲に達したときに、前記レートを大きくするステップと、
材料の設定値の既定の範囲内で前記合成処理部への供給を完了するために、より速い切断レートで、前記合成処理部への材料の切断及び投入を継続するステップ
を含む、請求項14の方法。
【請求項26】
前記プラテン面を粘性材料の表面に押しつけて、粘性材料を前記プラテン面を通って対称的に配置された導管へと押し入れることによって、前記粘性材料を前記容器からしぼり出すステップを含む、請求項14の方法。
【請求項27】
粘性材料が前記容器から排出されるように1組の供給システムのプラテン面を粘性材料の表面に押しつけることによって、複数の容器から粘性材料をしぼり出すステップを含む、請求項14の方法。
【請求項28】
前記材料が、25℃において150,000ポアズより粘土が大きなシロキサンからなる、請求項14の方法。
【請求項29】
前記材料が、25℃において500,000ポアズより粘土が大きなシロキサンからなる、請求項14の方法。
【請求項30】
前記材料が、25℃において900,000ポアズより粘土が大きなシロキサンからなる、請求項14の方法。
【請求項31】
少なくとも2つのポートを有するプラテンを備える容器排出機と、
前記容器排出機によって容器からしぼり出された粘性材料を受け取る合成システム
を備え、
前記少なくとも2つのポートは、前記プラテンを通り、中央の作動ピストンから前記プラテンまでの外周方向にバランスのとれた等しい間隔で配置されることからなる、粘性材料処理システム。
【請求項32】
前記容器排出機によってしぼり出された材料を受け取る供給管を備える、請求項31の粘性材料処理システム。
【請求項33】
前記容器排出機によってしぼり出された材料を受け取る供給管と、
前記供給管から前記合成システムへと材料を調節しながら供給する切断装置
を備える、請求項31の粘性材料処理システム。
【請求項34】
容器から供給管へと材料をしぼり出すために前記容器を保持するためのチャンバーと、
前記チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンと、フルリングと、真空破壊器弁とを有するプランジャー
を備え、
前記プラテンは、プラテン駆動面に装着されたOリングを有し、前記フルリングは、前記チャンバーにさらされた周面で前記Oリングを前記プラテン駆動面に固定するために延在するタブを有し、前記真空破壊器弁は、前記チャンバーに対して、容器中の材料と接触したときに前記プラテン面を密閉し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、前記プラテン面に付着している残留材料を保持することからなる、容器排出機。
【請求項35】
容器からしぼり出された材料を受け取る供給管と、
少なくとも2つのポートを有するプラテンを備える容器排出機
を備え、
前記少なくとも2つのポートは、前記プラテンを通り、中央の作動ピストンから前記プラテンまでの外周方向にバランスのとれた等しい間隔で配置され、前記ピストンは、前記プラテンを前記容器中を移動させて、材料を前記ポートを通じて前記供給管へとしぼり出すことからなる、粘性材料供給システム。
【請求項36】
容器排出機とコントローラと供給管と切断機とを備える粘性材料処理システムであって、
前記容器排出機は、チャンバーとプランジャーを備え、
前記チャンバーは、容器から前記供給管へと材料をしぼり出すために前記容器を保持し、前記プランジャーは、前記チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンを有し、該プラテンは、プラテン駆動面に装着されたOリングと、フルリングと、真空破壊器弁とを有し、前記フルリングは、前記チャンバーにさらされた周面で前記Oリングを前記プラテン駆動面に固定するために延在するタブを有し、前記真空破壊器弁は、前記チャンバーに対して、容器中の材料と接触したときに前記プラテン面を密閉し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、前記プラテン面に付着している残留材料を保持し、
前記コントローラは、前記容器排出機を駆動し、
前記供給管は、前記コントローラにしたがって前記容器排出機によって容器からしぼり出された材料を受け取り、
前記切断機は、前記コントローラにしたがって前記供給管からの材料を切断して、前記材料を処理装置へと調節しながら供給することからなる、粘性材料処理システム。
【請求項37】
シリコーンゴム合成システムと、該合成システムに粘性材料を供給する粘性材料供給システムとを備えるシリコーンゴム処理システムであって、
前記供給システムは容器排出機を備え、
前記容器排出機は、容器から供給管へとシリコーンゴムをしぼり出すために前記容器を保持するためのチャンバーと、前記チャンバー内に軸方向にかつ摺動可能に収容されたプラテンを有するプランジャーとを備え、該プラテンは、プラテン駆動面に装着されたOリングと、フルリングと、真空破壊器弁とを有し、
前記フルリングは、前記チャンバーにさらされた周面で前記Oリングを前記プラテン駆動面に固定するために延在するタブを有し、
前記真空破壊器弁は、前記チャンバーに対して、容器中のシリコーンゴムと接触したときに前記プラテン面を密閉し、該弁が容器の内容物を通るプラテンの駆動サイクルの終わりに作動されるときに、前記プラテン面に付着している残留シリコーンゴムを保持することからなる、シリコーンゴム処理システム。
【請求項38】
プラテン面を容器内に保持された粘性材料の表面に押しつけて、前記材料を前記プラテンを通って対称的に配置されたポートを通じて前記容器から供給管へとしぼり出すステップと、
前記供給管から粘性材料合成システムへと材料を切り出すステップ
を含む、粘性材料供給方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−510940(P2010−510940A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539306(P2009−539306)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/024510
【国際公開番号】WO2008/066848
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】