説明

プランジャーロッド及びシリンジ

【課題】 プランジャーロッドの雄ネジ部とガスケットの雌ネジ部とが緩むのを防止できると共に、ガスケットのシール部が変形するのを抑制できるプランジャーロッド及びシリンジを提供する。
【解決手段】 並設される複数のネジ片311a,311a間に配置され、ベース体33の外周部から突出する突出部34を備え、突出部34は、雌ネジ部21のネジ山211と係合すべく、雄ネジ部31のネジ溝312内に位置する係合部341を備えると共に、係合部341と係合することで弾性変形する雌ネジ部21のネジ山211を、ネジ片311aとの間に逃がすべく、各ネジ片311aと離間して配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性を有するガスケットの雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を先端部に備えるプランジャーロッドに関し、また、当該プランジャーロッドとを備えるシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プランジャーロッドとして、弾性を有するガスケットの雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を先端部に備えるプランジャーロッドが知られている。そして、雄ネジ部と雌ネジ部とが緩むのを防止すべく、雄ネジ部のネジ溝内に突出部が設けられるプランジャーロッドが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−267906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係るプランジャーロッドにおいては、雄ネジ部のネジ溝内に突出部が設けられているため、ガスケットの雌ネジ部が突出部により径方向外方に向けて拡がるように弾性変形する。これにより、例えば、ガスケットの外周部、即ち、シール部までもが変形すると、ガスケットのシール性等に影響を及ぼすことになる。
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、プランジャーロッドの雄ネジ部とガスケットの雌ネジ部とが緩むのを防止できると共に、ガスケットのシール部が変形するのを抑制できるプランジャーロッド及びシリンジを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプランジャーロッドは、弾性を有するガスケットの雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を先端部に備え、雄ネジ部は、円柱状又は円筒状に形成されるベース体の外周部に、螺旋状に延設されるネジ山を備え、ネジ山は、複数のネジ片が並設されることにより、断続的に配置されるプランジャーロッドであって、ネジ片間に配置され、ベース体の外周部から突出する突出部を備え、突出部は、雌ネジ部のネジ山と係合すべく、雄ネジ部のネジ溝内に位置する係合部を備えると共に、係合部と係合することで弾性変形する雌ネジ部のネジ山を、ネジ片との間に逃がすべく、各ネジ片と離間して配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るプランジャーロッドによれば、雄ネジ部のネジ山が断続的に配置されるように複数並設されているネジ片間に、ベース体の外周部から突出する突出部が配置されている。そして、突出部に設けられる係合部が雄ネジ部のネジ溝内に位置しているため、雄ネジ部と雌ネジ部とが螺合すると、係合部が雌ネジ部のネジ山と係合する。さらに、突出部が各ネジ片と離間して配置されているため、係合部と係合することで弾性変形する雌ネジ部のネジ山を、突出部とネジ片との間に逃がすことができる。
【0008】
また、本発明に係るプランジャーロッドにおいては、突出部は、対峙するように少なくとも一対設けられると共に、雌ネジ部のネジ山を挟持することで変形させるべく、対峙する面が平行となるように延設されてもよい。
【0009】
斯かる構成のプランジャーロッドによれば、突出部が対峙するように少なくとも一対設けられる。そして、対峙する面が平行となるように、突出部が延設されているため、一対の突出部が雌ネジ部のネジ山を挟持することで雌ネジ部のネジ山を変形させる。これにより、雌ネジ部のネジ山においては、変形した部位がネジ山を補強するリブとして機能するため、雌ネジ部のネジ山の剛性が向上し、その結果、例えば、ガスケットが雄ネジ部から抜けるのを防止できる。
【0010】
また、本発明に係るプランジャーロッドにおいては、突出部は、基端側の面がベース体の軸心方向と直交するように延設されてもよい。
【0011】
斯かる構成のプランジャーロッドによれば、基端側の面がベース体の軸心方向と直交するように、突出部が延設されている。これにより、ガスケットとプランジャーロッドとが軸心方向で離反するように付勢された場合に、突出部の基端側の面が付勢された方向と直交しているため、突出部の基端側の面が雌ネジ部のネジ山を確実に係止でき、その結果、ガスケットが雄ネジ部から抜けるのを防止できる。
【0012】
また、本発明に係るシリンジは、筒状のシリンジ本体と、雌ネジ部を有し、シリンジ本体内に挿入される弾性のガスケットと、前記プランジャーロッドとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の如く、本発明に係るプランジャーロッド及びシリンジによれば、プランジャーロッドの雄ネジ部とガスケットの雌ネジ部とが緩むのを防止できると共に、ガスケットのシール部が変形するのを抑制できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るシリンジの全体図であって、(a)は正面図、(b)はA−A線における断面図を示す。
【図2】同実施形態に係るガスケットの全体図であって、(a)は正面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図3】同実施形態に係るプランジャーロッドの全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)はC−C線における断面図、(d)はD−D線における断面図を示す。
【図4】同実施形態に係るプランジャーロッドの要部図であって、(a)は図3(b)のE領域の拡大図、(b)はF−F線における断面図を示す。
【図5】同実施形態に係るプランジャーロッドにおける作用を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ要部正面図を示す。
【図6】本発明の他の実施形態に係るプランジャーロッドの要部図であって、(a)〜(c)はそれぞれ正面図、(d)はG−G線における断面図を示す。における断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るシリンジ及びプランジャーロッドにおける一実施形態について、図1〜図5を参酌して説明する。
【0016】
シリンジは、図1〜図4に示すように、筒状のシリンジ本体1と、シリンジ本体1内の液体Xを封止すべく、シリンジ本体1内に挿入される弾性のガスケット2と、ガスケット2の雌ネジ部21と螺合する雄ネジ部31を有するプランジャーロッド3と、シリンジ本体1のノズル部11を密閉するキャップ4とを備える。なお、プランジャーロッド3にガスケット2を結合したものをプランジャーという。
【0017】
ここで、シリンジの各構成を説明するのに先立って、シリンジの製造方法について、概略を説明する。薬液充填済みシリンジ、所謂、プレフィルドシリンジは、キャップ4でノズル部11が密閉されたシリンジ本体1内に、液体(薬液等)Xを充填し、さらに、ガスケット2を基端側からシリンジ本体1に挿入した後に、プランジャーロッド3をガスケット2に結合することで製造される。
【0018】
シリンジ本体1は、先端部がノズル部11に連結される円筒状の胴部12と、胴部12の基端部に配置される板状のフランジ13とを備える。そして、ノズル部11は、胴部12からテーパ状に突出し、例えば、針管のハブやコネクタ類等が嵌合(装着)される。また、フランジ13は、プランジャーロッド3をシリンジ本体1に対して相対的に移動させる際に、指を掛けるのに用いられる。なお、シリンジ本体1は、剛性を有し、例えば、内視可能な透明なガラスや透明な硬質樹脂(プラスチック等)で形成されている。
【0019】
ガスケット2は、先端側が閉塞される円筒状に形成され、雌ネジ部21が内周部に形成されるガスケット本体22と、シリンジ本体1の内周をシールすべく、ガスケット本体22の外周部に周方向に沿って突出するシール部23,23,23とを備える。そして、ガスケット2は、外径がシリンジ本体1(胴部12)の内径に対応して設定されており、各シール部23(或いはガスケット本体22の外周部及び各シール部23)が弾性変形(圧縮)されてシリンジ本体1(胴部12)の内部と密着するように構成されている。
【0020】
雌ネジ部21は、ガスケット本体22の内周部から突出し、ガスケット本体22の内周部に沿って螺旋状に配置されるネジ山(以下「雌ネジ山」ともいう)211と、雌ネジ山211間の軸心方向における空間であるネジ溝(以下「雌ネジ溝」ともいう)212とを備える。
【0021】
本実施形態においては、雌ネジ山211は、山頂(ネジ山の両側のフランク(面)を連絡する面)及び谷底(ネジ溝の両側のフランク(面)を連絡する面)に丸みの付いた丸ねじ形状としている。なお、ガスケット2は、弾性を有し、例えば、弾性樹脂(ゴム等)で形成されている。
【0022】
プランジャーロッド3は、長尺に形成されると共に長手方向に沿う凹部321を有するロッド本体32と、ロッド本体32の先端部に連結され、雄ネジ部31が外周部に設けられる円柱状のベース体33とを備える。また、プランジャーロッド3は、ベース体33の外周部から突出する複数の突出部34,…と、ロッド本体32の基端部に配置される板状のフランジ35とを備える。なお、プランジャーロッド3は、剛性を有し、例えば、硬質樹脂(プラスチック等)で形成されている。
【0023】
雄ネジ部31は、ベース体33の外周部から突出し、ベース体33の外周部に沿って螺旋状に配置されるネジ山(以下「雄ネジ山」ともいう)311と、雄ネジ山311間の軸心方向における空間であるネジ溝(以下「雄ネジ溝」ともいう)312とを備える。本実施形態においては、雄ネジ山311は、山頂及び谷底に丸みの付いた丸ねじ形状としている。そして、雄ネジ山311は、複数のネジ片311a,…が並設されることにより、断続的に配置されている。
【0024】
各突出部34は、雌ネジ部21の雌ネジ山211と係合すべく、雄ネジ部31の雄ネジ溝312内に位置する係合部341を備える。そして、各突出部34は、雄ネジ山311におけるネジ片311a,311a間に配置される。さらに、各突出部34は、係合部341と係合することで弾性変形する雌ネジ部21の雌ネジ山211を、ネジ片311aとの間に逃がすべく、各ネジ片311aと離間して配置される。
【0025】
また、突出部34,…は、ベース体33の所定位置(正面側)で、軸心方向にて対峙するように一対並設されていると共に、その反対側の位置(背面側)でも、軸心方向にて対峙するように一対並設されている。そして、各一対の突出部34,34は、雌ネジ部21の雌ネジ山211を挟持することで弾性変形させるべく、対峙する面が平行となるように延設されている。
【0026】
具体的には、各突出部34は、一定の厚みを有する平板状に形成されると共に、外縁が軸心方向で雄ネジ山311の外縁(山頂)と一致するように円弧状に形成される。そして、各突出部34は、先端側及び基端側の面がそれぞれベース体33の軸心方向と直交するように配置されている。したがって、各突出部34は、先端側及び基端側の面がそれぞれ雄ネジ山311の稜線と傾斜して交差するように配置されている。
【0027】
各係合部341は、ガスケット2がプランジャーロッド3から緩む方向(外れる方向)で回動する際に、雌ネジ山211を掛止する角部341aを備える。なお、本実施形態においては、雌ネジ山211が雄ネジ山311の基端側のフランク(面)に密着するように設定されているため、係合部341は、雄ネジ溝312の先端側のみに配置されている。
【0028】
以上より、本実施形態に係るシリンジ及びシリンダーロッド3によれば、雄ネジ山311において複数並設されているネジ片311a,311a間に、ベース体33の外周部から突出する突出部34が配置されている。そして、突出部34に設けられる係合部341が雄ネジ溝312内に位置しているため、雄ネジ部31と雌ネジ部21とが螺合すると、図5に示すように、係合部341が雌ネジ山211と係合する。
【0029】
これにより、雌ネジ山211が径方向外方に向けて拡がる(潰れる)ように変形する一方で、係合部341には、雌ネジ山211の弾性力(復元力)が働く。したがって、雌ネジ山211が係合部341に食い込むため、プランジャーロッド3の雄ネジ部31とガスケット2の雌ネジ部21とが緩むのを防止できる。
【0030】
なお、図5(a)においては、雄ネジ部31と雌ネジ部21とが螺合した際に、仮に、雌ネジ山211が弾性変形していない場合の位置を示すべく、円周方向に沿った断面形状の外縁を二点鎖線で示している。また、図5(b)においては、雄ネジ部31と雌ネジ部21とが螺合した際に、雌ネジ山211が弾性変形している状態を示すべく、円周方向に沿った断面形状を実線及び斜線部で示している。
【0031】
さらに、本実施形態に係るシリンジ及びシリンダーロッド3によれば、突出部34が各ネジ片311aと離間して配置されているため、係合部341と係合することで弾性変形した雌ネジ山211を、突出部341とネジ片311aとの間に逃がすことができる。これにより、ガスケット2の各シール部23が変形するのを抑制できる。しかも、雌ネジ山211が突出部341及びネジ片311a間に食い込むため、プランジャーロッド3の雄ネジ部31とガスケット2の雌ネジ部21とが緩むのを効果的に防止できる。
【0032】
また、本実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3によれば、対峙する一対の突出部34,34の対峙する面が平行となるよう配置されているため、一対の突出部34,34の対峙する面が雌ネジ山211を挟持することにより、一対の突出部34,34が雌ネジ山211を弾性変形させる。
【0033】
これにより、雌ネジ山211においては、変形した部位がリブ(補強部)として機能するため、雌ネジ山211の剛性が向上する。したがって、プランジャーロッド3の雄ネジ部31とガスケット2の雌ネジ部21とが緩むのをさらに効果的に防止できたり、ガスケット2がプランジャーロッド3の雄ネジ部31から抜けるのを防止できたりする。
【0034】
また、例えば、シリンジ本体1内にガスケット2が挿入された状態から、プランジャーロッド3を基端側に向けて引くと、シリンジ本体1及びガスケット2間に発生する摩擦力により、ガスケット2とプランジャーロッド3とが軸心方向で離反するように付勢される。
【0035】
しかしながら、本実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3によれば、突出部34の基端側の面がベース体33の軸心方向と直交して配置されているため、突出部34の基端側の面が付勢される方向と直交している。したがって、突出部34の基端側の面が雌ネジ山211を確実に係止できるため、ガスケット2が軸心方向でプランジャーロッド3の雄ネジ部31から抜けるのを防止できる。
【0036】
なお、本発明に係るシリンジ及びプランジャーロッドは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0037】
例えば、本発明に係るシリンジ及びプランジャーロッドは、ベース体33から外方に向けて突出し、突出部34とネジ片311aとを連結する小突起片を備える場合でもよい。要するに、突出部34とネジ片311aとを連結する小突起片が設けられる場合でも、離間して配置される突出部34とネジ片311aとの間に、係合部341と係合することで弾性変形する雌ネジ山211が逃げることができるように構成されていればよい。
【0038】
また、上記実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3においては、突出部34,34が軸心方向にて対峙するように一対並設されている場合を説明したが、斯かる場合に限られない。具体的には、突出部は、対峙することなく複数設けられる場合でもよく、また、図6(a)に示すように、突出部34bは、一つ設けられる場合でもよい。
【0039】
また、上記実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3は、各突出部34が板状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、図6(a)に示すように、突出部34bは、角柱状に形成される場合でもよい。
【0040】
また、上記実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3においては、各突出部34が雄ネジ溝312の先端側のみに係合部341を配置する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、突出部は、雄ネジ溝312の基端側のみに、係合部を配置する場合でもよい。
【0041】
さらに、図6(b)に示すように、突出部34cは、軸心方向の一方側に突出することで、雄ネジ溝312の先端側及び基端側の双方に、係合部341cを配置する場合でもよい。加えて、また、図6(c)に示すように、突出部34dは、軸心方向の両方側にそれぞれ突出することで、雄ネジ溝312の先端側及び基端側の双方に、係合部341d,341dを配置する場合でもよい。
【0042】
また、上記実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3は、各突出部34が周方向(螺旋方向)において一定の厚みで形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、突出部は、雄ネジ山311の先端側から基端側に沿って、テーパ状に形成される場合でもよい。例えば、突出部は、三角形状に形成される場合でもよく、また、図6(c)に示すように、突出部34dは、台形状に形成される場合でもよい。
【0043】
斯かる構成によれば、ガスケットをプランジャーロッドに取り付ける際に、ガスケットを締める方向に回転させても、テーパ状である突出部34dがそれほど抵抗とはならない。その上、ガスケットがプランジャーロッドに取り付けられた後、ガスケットが緩む方向に回転しようとしても、突出部34dの係合部341dが雌ネジ山211と係合するため、プランジャーロッドの雄ネジ部31とガスケットの雌ネジ部21とが緩むのを防止できる。
【0044】
また、上記実施形態に係るシリンジ及びプランジャーロッド3においては、突出部34の外縁が軸心方向で雄ネジ山311の外縁と一致するように円弧状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図6(d)に示すように、突出部34eは、雄ネジ山311よりも大径に形成され、径方向において雄ネジ山311の山頂よりも外方に位置する係止部342eを備える場合でもよい。
【0045】
斯かる構成によれば、ガスケットがプランジャーロッドに取り付けられると、係止部342eが雌ネジ溝212を径方向外方に拡げるように弾性変形させるため、雌ネジ溝212が弾性力(復元力)により係止部342eに食い込み、その結果、プランジャーロッドの雄ネジ部31とガスケットの雌ネジ部21とが緩むのを防止できる。
【0046】
また、上記実施形態に係るシリンジは、雄ネジ部31のベース体33が円柱状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、ベース体は、円筒状に形成され、ガスケット本体から軸心方向の内方に突出する突起部を外嵌合する場合でもよい。
【0047】
また、上記実施形態に係るシリンジは、液体Xが充填されている場合を説明したが、斯かる場合に限られず、液体Xが充填されていない場合でもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…シリンジ本体、2…ガスケット、3…プランジャーロッド、21…雌ネジ部、31…雄ネジ部、33…ベース体、34、34b、34c、34d、34e…突出部、211…(雌)ネジ山、212…(雌)ネジ溝、311(雄)ネジ山、311a…ネジ片、312…(雄)ネジ溝、341、341b、341c、341d…係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有するガスケットの雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を先端部に備え、
雄ネジ部は、円柱状又は円筒状に形成されるベース体の外周部に、螺旋状に延設されるネジ山を備え、
ネジ山は、複数のネジ片が並設されることにより、断続的に配置されるプランジャーロッドであって、
ネジ片間に配置され、ベース体の外周部から突出する突出部を備え、
突出部は、雌ネジ部のネジ山と係合すべく、雄ネジ部のネジ溝内に位置する係合部を備えると共に、係合部と係合することで弾性変形する雌ネジ部のネジ山を、ネジ片との間に逃がすべく、各ネジ片と離間して配置されることを特徴とするプランジャーロッド。
【請求項2】
突出部は、対峙するように少なくとも一対設けられると共に、雌ネジ部のネジ山を挟持することで変形させるべく、対峙する面が平行となるように延設される請求項1に記載のプランジャーロッド。
【請求項3】
突出部は、基端側の面がベース体の径方向と平行になるように延設される請求項1又は2に記載のプランジャーロッド。
【請求項4】
筒状のシリンジ本体と、雌ネジ部を有し、シリンジ本体内に挿入される弾性のガスケットと、請求項1〜3の何れか1項に記載のプランジャーロッドとを備えることを特徴とするシリンジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−182944(P2011−182944A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51256(P2010−51256)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】