説明

プリンタ、プリンタの制御方法、プリンタの制御プログラム

【課題】サーマルヘッドと、サーマルヘッド制御部と、それらを接続する配線から生じる放射ノイズの影響を低減する。
【解決手段】画像データを下位nビット上位ビットに分けて処理を行い、下位ビットの処理では通電時間をTlsに設定し、上位ビットの処理では、通電時間をTus(Tus=2n×Tls)に設定すると共に、データクロック信号の周波数を変える。サーマルヘッド駆動データ生成部14からのオン・オフするデータを、下位ビット処理及び上位ビット処理毎に、データクロック信号で転送し、シフトレジスタ41により各発熱抵抗体R1〜Rnに対応した位置に保持する。シフトレジスタ41に保持されたオン・オフデータにより各発熱抵抗体R1〜Rnを通電する。データクロック信号の周波数が変わるため、ノイズのエネルギーが分散され、放射ノイズの影響を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇華型プリンタ(単に、「昇華プリンタ」ともいう)に関し、特に、サーマルヘッドと、サーマルヘッド制御部と、それらの配線により生じる放射ノイズの影響を低減することができる、プリンタ、および該プリンタの制御方法、プリンタの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昇華プリンタは、染料または顔料が塗布されたインクリボンにサーマルヘッドを押し当て、サーマルヘッドの加熱により、インクリボンの染料または顔料を紙などの記録媒体に転写させ画像を形成するものであり、写真印刷の用途などで使用されている。
【0003】
図7は、従来のプリンタの構成例を示す図であり、特に、サーマルヘッドの駆動回路の例を示した図である。図7において、主制御部111は、CPU(Central Processing Unit)等を含み、プリンタ101の全体を統括制御する。入力バッファ112は、外部のホストコンピュータ(PC(Personal Computer)等)102からプリント対象となる画像を、YMC(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))等の入力画像データにより受信し記憶する。プリント用画像データ生成部113は、外部から受信したYMC入力画像データを、インクリボンに対応したプリント用画像データに変換する。
【0004】
また、サーマルヘッド駆動データ生成部114は、プリント用画像データ生成部113からプリント対象画像の画像データを受信し、該画像データを基に発熱抵抗体R1〜Rnをオン・オフ駆動するためのオン・オフデータを生成し、サーマルヘッド140に出力する。
【0005】
サーマルヘッド制御部115は、サーマルヘッド140を加熱制御するための、ストローブ信号(STROBE)、ラッチ信号(LATCH)、データクロック信号(CLOCK)を生成する。
【0006】
また、サーマルヘッド140内のR1〜Rnはn個並列接続された発熱抵抗体であり、Tr1〜Trnは、発熱抵抗体を駆動するドライバー用のトランジスタである。また、G1〜GnはANDゲートである。シフトレジスタ141は、サーマルヘッド駆動データ生成部114から送られるシリアルデータ(DATA)を、データクロック信号(CLOCK)により順次取り込み、シリアルデータをパラレルデータに変換し各発熱抵抗体R1〜Rnに対応した位置にオン・オフデータを保持するものである。
【0007】
ラッチ用フリップフロップ142は、シフトレジスタ141に保持されたデータ(各発熱抵抗体に対応したオン・オフデータ)を、ラッチ信号(LATCH)により取り込み保持する。ラッチ用フリップフロップ142に保持されたデータは、ANDゲートG1〜Gnの一方の入力端子に向けて出力される。また、ANDゲートG1〜Gnの他方の入力端子には、ストローブ信号(STROBE)が入力される。
【0008】
図7に示す従来のプリンタでは、ホストコンピュータ102からのYMC(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))等の画像データは、主制御部111の管理の基に取り込まれ、入力バッファ112に一旦保存される。そして、入力バッファ112から1水平ライン分の画像データが読み出され、プリント用画像データ生成部113に送られる。プリント用画像データ生成部113により、インクリボンに対応したプリント用画像データが生成される。
【0009】
プリント用画像データ生成部113からの1水平ライン分の画像データは、サーマルヘッド駆動データ生成部114に送られる。サーマルヘッド駆動データ生成部114で、オン・オフデータが形成される。
【0010】
すなわち、各発熱抵抗体R1〜Rnの通電時間を一定とした場合、発熱抵抗体R1〜Rnの発熱量は、通電回数により階調を制御できる。したがって、例えば画像データが10ビットであれば、1023回、発熱抵抗体R1〜Rnを繰り返して通電することで、10ビットの階調が表現できる。
【0011】
サーマルヘッド駆動データ生成部114からのオン・オフデータは、シフトレジスタ141に送られ、シフトレジスタ141でシリアル・パラレル変換されて、シフトレジスタ141に展開される。ラッチ信号(LATCH)がローレベルになるタイミングで、このオン・オフデータがラッチ用フリップフロップ142に取り込まれる。そして、ストローブ信号(STROBE)がローレベルになる。ストローブ信号(STROBE)がローレベルになると、ラッチ用フリップフロップ142の出力信号がトランジスタTr1〜Trnのベース入力信号となる。これにより、ラッチ用フリップフロップ142の出力端子のうち、出力データ「1」の端子に(ANDゲートを介して)接続されるトランジスタTr1〜Trnがオンし、該トランジスタTr1〜Trnに接続された発熱抵抗体R1〜Rnが電源V+により駆動される。これにより、ストローブ信号(STROBE)がローレベルの間を発熱期間として、オン・オフデータに応じて、発熱抵抗体R1〜Rnが発熱される。
【0012】
上述のように、1023回の通電処理を繰り返すと、1水平ラインのプリント処理が完了したことになる。1水平ラインのプリント処理が完了したら、1ドット用紙が送られ、上述と同様にした、次の水平ラインのプリント処理が行われる。YMCの各色について、上述の処理が行われて、1画面分のカラー画像のプリントが完了する。
【0013】
なお、階調の制御には、例えば、特許文献1に示されるように、パルス幅変調またはパルス数変調により、画像データ応じたパルス幅またはパルス数を持つパルスを発生し、このパルスを用いて個々の発熱抵抗体への発熱制御を行うようにしたものも知られている。
【特許文献1】特許第3608863号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の従来のプリンタでは、サーマルヘッド140のユニットは、印字部の近傍に置かれる。このため、図8に示すように、サーマルヘッド140とサーマルヘッド制御部115との間は、長い配線で引き回される。この配線からは、放射ノイズが発生する。データクロック信号(CLOCK)の周波数が一定の場合には、この放射ノイズは、データクロック信号(CLOCK)の整数倍に集中し、放射ノイズのエネルギーが特定周波数に集中することから、そのレベルも大きくなる。
【0015】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、サーマルヘッドと、サーマルヘッド制御部と、それらの配線により生じる放射ノイズの影響を低減することができる、プリンタ、プリンの制御方法、プリンタの制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の課題を解決するために、本発明に係るプリンタは、発熱抵抗体を主走査方向にライン配列したサーマルヘッドを用いて印刷を行うプリンタであって、入力画像データを下位ビットと上位ビットとに分けて、入力画像データに基づいて、サーマルヘッドの各発熱抵抗体のオン・オフデータを生成するサーマルヘッド駆動データ生成手段と、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、異なる周波数のデータクロック信号を生成するデータクロック周波数制御手段と、サーマルヘッド駆動データ生成手段により生成された各発熱抵抗体のオン・オフデータを受信し、データクロック信号により、オン・オフデータを各発熱抵抗体に対応した位置に転送するシフトレジスタ手段と、シフトレジスタ手段に保持されたオン・オフデータを取り込むラッチ手段と、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、発熱抵抗体を通電する単位時間が異なるように設定し、ラッチ手段に保持されたオン・オフデータにより発熱抵抗体を通電する発熱抵抗体駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
上記の発明において、データクロック周波数制御手段は、上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときには、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときに比べて、データクロック信号の周波数を低くするようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係るプリンタの制御方法は、発熱抵抗体を主走査方向にライン配列したサーマルヘッドを用いて印刷を行うプリンタの制御方法であって、入力画像データを下位ビットと上位ビットとに分けて、入力画像データに基づいて、サーマルヘッドの各発熱抵抗体のオン・オフデータを生成し、生成された各発熱抵抗体のオン・オフデータを、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで異なる周波数のデータクロック信号により、シフトレジスタ手段の各発熱抵抗体に対応した位置に転送し、シフトレジスタ手段に保持されたオン・オフデータをラッチ手段に取り込み、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、発熱抵抗体を通電する単位時間が異なるように設定し、ラッチ手段に取り込まれたオン・オフデータにより、発熱抵抗体を所定の単位時間通電するようにしたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るプリンタの制御プログラムは、発熱抵抗体を主走査方向にライン配列したサーマルヘッドを用いて印刷を行うプリンタの制御プログラムであって、入力画像データを下位ビットと上位ビットとに分けて、入力画像データに基づいて、サーマルヘッドの各発熱抵抗体のオン・オフデータを生成するステップと、生成された各発熱抵抗体のオン・オフデータを、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで異なる周波数のデータクロック信号により、シフトレジスタ手段の各発熱抵抗体に対応した位置に転送するステップと、シフトレジスタ手段に保持されたオン・オフデータをラッチ手段に取り込み、下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、発熱抵抗体を通電する単位時間が異なるように設定し、ラッチ手段に取り込まれたオン・オフデータにより、発熱抵抗体を所定の単位時間通電するステップとをコントローラに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像データmビットを下位nビットと上位ビット(m−n)ビットに分けて処理を行い、下位ビットの処理では通電時間をTlsに設定し、上位ビットの処理では、通電時間をTus(Tus=2n×Tls)に設定すると共に、上位ビットの処理のときと下位ビットの処理のときとでデータクロック信号の周波数を変えるようにしている。このため、データクロック信号により発生する放射ノイズが、特定の周波数(データクロック周波数の倍数の周波数)の位置で連続して発生することがなくなり、放射ノイズの周波数が分散され、サーマルヘッドと、サーマルヘッド制御部と、それらの配線により生じる放射ノイズの影響を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態のプリンタ1の構成例を示す図であり、特に、サーマルヘッドの駆動回路の例を示した図である。
【0022】
図1において、主制御部11は、CPU等を含み、入力バッファ12、プリント用画像データ生成部13、サーマルヘッド駆動データ生成部14、サーマルヘッド制御部15、データクロックジェネレータ16等に接続され、プリンタ1の全体を統括制御する。
【0023】
入力バッファ12は、外部のホストコンピュータ(PC等)2からプリント対象となる画像を、YMC(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))等の入力画像データにより受信し記憶する。
【0024】
プリント用画像データ生成部13は、外部から受信したYMC入力画像データを、インクリボンに対応したプリント用画像データに変換する。
【0025】
サーマルヘッド駆動データ生成部14は、プリント用画像データ生成部13からプリント対象画像の画像データを受信し、該画像データを基にサーマルヘッド40の発熱抵抗体R1〜Rnをオン・オフ駆動するためのオン・オフデータ(DATA)を生成し、サーマルヘッド40に出力する。本発明の実施形態においては、図2に示すように、画像データは10ビットとされており、この10ビットの画像データ(b0〜b9)を、下位3ビット(b0〜b2)と、上位7ビット(b3〜b9)とに分けて、オン・オフデータを形成している。
【0026】
図1において、サーマルヘッド40は、シフトレジスタ41と、ラッチ用フリップフロップ42と、発熱抵抗体R1〜Rnと、ANDゲートG1〜Gnと、トランジスタTr1〜Trnとを含み、サーマルヘッド駆動データ生成部14から出力されるオン・オフデータに応じて、発熱抵抗R1〜Rnを発熱させる。
【0027】
サーマルヘッド制御部15は、データクロックジェネレータ16からのクロックを用いて、サーマルヘッド40を加熱制御するための、ストローブ信号(STROBE)、ラッチ信号(LATCH)、データクロック信号(CLOCK)を生成する。
なお、ストローブ信号(STROBE)は、サーマルヘッド40の発熱抵抗体R1〜Rnの通電時間を設定するものであり、データクロック信号(CLOCK)は、データの転送クロックとなるものである。
また、サーマルヘッド制御部15は、ストローブ信号(STROBE)のパルス幅を設定するストローブ信号設定部19を備えている。本発明の実施形態においては、図2に示すように、ストローブ信号設定部19は、10ビットの画像データを、下位3ビットと、上位7ビットとに分けて処理を行っている。そして、ストローブ信号設定部19は、下位ビットの処理を行うときと、上位ビットの処理を行うときとで、ストローブ信号(STROBE)のパルス幅を変えるようにしている。
【0028】
データクロックジェネレータ16は、サーマルヘッド制御部15から出力されるデータクロック信号の(CLOCK)周波数を制御するデータクロック周波数制御部18を備えている。
データクロック周波数制御部18は、10ビットの画像データを、下位3ビットと、上位7ビットとに分けて処理を行っている。すなわち、データクロック周波数制御部18は、上位ビットのときと下位ビットのときとに応じて、サーマルヘッド制御部15から出力されるデータクロック信号(CLOCK)の周波数を設定している。換言すれば、プリンタ1は、下位ビットの処理を行うときと、上位ビットの処理を行うときとで、データクロックジェネレータ16からの出力クロックの周波数を変えることで、サーマルヘッド制御部15から出力されるデータクロック信号(CLOCK)の周波数を変えるようにしている。
【0029】
サーマルヘッド駆動データ生成部14からの1水平ラインのオン・オフデータ(DATA)は、サーマルヘッド40のシフトレジスタ41に送られる。このオン・オフデータ(DATA)は、サーマルヘッド制御部15から出力されるデータクロック信号(CLOCK)により、シフトレジスタ41を転送され、シフトレジスタ41には、1水平ライン分のオン・オフデータが各発熱抵抗体に対応した位置に展開される。そして、サーマルヘッド制御部15からのラッチ信号(LATCH)により、1水平ラインのオン・オフデータがシフトレジスタ41からラッチ用フリップフロップ42に取り込まれる。
【0030】
ラッチ用フリップフロップ42に保持されたデータは、ANDゲートG1〜Gnの一方の入力端子に向けて出力され、また、ANDゲートG1〜Gnの他方の入力端子には、ストローブ信号(STROBE)が入力される。
【0031】
前述したように、ストローブ信号(STROBE)は、発熱抵抗体R1〜Rnへの通電時間を設定している。ストローブ信号(STROBE)がローレベルの間では、ANDゲートG1〜Gnが開き、ラッチ用フリップフロップ42に保持されたオン・オフデータがANDゲートG1〜Gnを介して、トランジスタTr1〜Trnのベースに送られる。このとき、オン・オフデータが「1」なら、トランジスタTr1〜Trnがオンになり、トランジスタTr1〜Trnに接続された発熱抵抗体R1〜Rnが電源V+により駆動され、発熱抵抗体R1〜Rnが発熱する。オン・オフデータが「0」なら、トランジスタTr1〜Trnがオフになるため、発熱抵抗体R1〜Rnは発熱しない。ストローブ信号(STROBE)がハイレベルになると、ANDゲートG1〜Gnが閉じ、トランジスタTr1〜Trnがオフとなる。したがって、発熱抵抗体R1〜Rnは、ストローブ信号(STROBE)がローレベルの期間、ラッチ用フリップフロップ42に取り込まれたオン・オフデータがハイレベルかローレベルかに応じて駆動される。
【0032】
次に、本発明の実施の形態の動作について説明する。図1において、ホストコンピュータ2からのYMC(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))等の画像データは、主制御部11の管理のもとに取り込まれ、入力バッファ12に一旦保存される。そして、入力バッファ12から1水平ライン分の画像データが読み出され、プリント用画像データ生成部13に送られる。プリント用画像データ生成部13により、インクリボンに対応したプリント用画像データが生成される。
【0033】
プリント用画像データ生成部13からの1水平ライン分の画像データは、サーマルヘッド駆動データ生成部14に送られる。サーマルヘッド駆動データ生成部14で、オン・オフデータが形成される。このとき、各画像データから、下位ビットと上位ビットとに分けて、オン・オフデータが形成される。
【0034】
すなわち、各発熱抵抗体R1〜Rnの通電時間を一定とした場合、発熱抵抗体R1〜Rnの発熱量は、通電回数により階調を制御できる。しかしながら、この場合、10ビットの1024階調の処理を行うのに、(210−1=1023回)、発熱抵抗体R1〜Rnを繰り返して通電する処理が必要になる。
【0035】
そこで、本発明の実施の形態では、図2に示したように、10ビットの画像データを、下位3ビットと、上位7ビットとに分けて、発熱抵抗体R1〜Rnを通電する処理を行うようにしている。このようにすると、同一の階調を表現するのに要する通電回数が減らせる。
【0036】
つまり、10ビットの画像データ(b0,b1,…,b9)を、下位3ビット(b0,b1,b2)と上位7ビット(b3,b4,…,b9)とに分けたとする。この場合、上位側の最下位となるビットb3が「1」になるのは、23(=8)階調目に当たる。したがって、上位7ビットでは、23階調毎に、階調を変化させる必要がある。
【0037】
そこで、下位3ビットの処理を行うときには、通電時間をTlsに設定し、上位7ビットの処理を行うときには、通電時間Tusを、通電時間をTlsの23倍の(Tus=23×Tls)に設定する。
【0038】
なお、ここでは、10ビットの画像データを下位3ビットと上位7ビットとに分けているが、一般的に、mビットの画像データを、下位nビット、上位(m−n)ビットに分けたときには、Tus=2n×Tlsの関係になるように、通電時間を設定すれば良い。
【0039】
図3は、10ビットの画像データを、上位7ビットと、下位3ビットとに分けた場合の、下位ビット処理でのオン・オフデータ、及び上位ビット処理でのオン・オフデータである。例えば、画像データが(0000001010)なら、下位ビットの処理で2回通電を行い、上位ビットの処理で1回通電を行えばよい。
【0040】
以上のように、10ビットの画像データを、下位3ビットと、上位7ビットとに分けて処理を行うと、下位ビットの処理で(23−1=7回)、上位ビットの処理で(27−1=127)回との、合計134回で、1024階調の処理を行えることになる。
【0041】
図1において、サーマルヘッド駆動データ生成部14からのオン・オフデータ(DATA)は、シフトレジスタ41に送られ、シフトレジスタ41でシリアル・パラレル変換されて、シフトレジスタ41の各発熱抵抗体R1〜Rnに対応する位置に展開される。ラッチ信号(LATCH)がローレベルになるタイミングで、このオン・オフデータがラッチ用フリップフロップ42に取り込まれる。そして、ストローブ信号(STROBE)がローレベルの間に、ラッチ用フリップフロップ42からトランジスタTr1〜Trnのベースに、オン・オフデータが送られる。これにより、ストローブ信号(STROBE)がローレベルの間を発熱期間として、オン・オフデータに応じて、発熱抵抗体R1〜Rnが発熱される。
【0042】
前述したように、10ビットの画像データは、下位3ビットと上位7ビットとに分けて処理が行われる。先ず、ストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間がTlsに設定され、上述のようにして、下位ビットの処理が(23−1=7回)行われる。下位ビットの処理が終了すると、ストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間がTus(Tus=23×Tls)に設定され、上位ビットの処理が(27−1=127回)行われる。また、下位ビットの処理を行うときには、データクロック信号(CLOCK)の周波数がF1(例えば16.7MHz)に設定され、上位ビットの処理を行うときには、データクロック信号(CLOCK)の周波数がF2(例えば12.5MHz)に設定される。
【0043】
上述のように、7回の下位ビットの処理と、127回の上位ビットの処理を終了すると、1水平ラインのプリント処理が完了したことになる。1水平ラインのプリント処理が完了したら、1ドット用紙が送られ、上述と同様にした、次の水平ラインのプリント処理が行われる。YMCの各色について、上述の処理が行われて、1画面分のカラー画像のプリントが完了する。
【0044】
図4及び図5は、本発明の実施形態のプリンタでのデータ転送タイミングを示すタイミング図である。図4及び図5において、T0、T1、T2、…は、1回の発熱抵抗体R1〜Rnの駆動期間の単位となるものである。
【0045】
図4(A)に示すように、最初のストローブ期間T0で、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の1階調目の下位ビット処理のオン・オフデータDL1がオン・オフデータ(DATA)として出力される。サーマルヘッド制御部15からは、図4(B)に示すようなデータクロック信号(CLOCK)が出力され、このデータクロック信号(CLOCK)により、1水平ライン分の1階調の下位ビット処理のオン・オフデータDL1がシフトレジスタ41に転送される。ストローブ期間内のデータクロック信号(CLOCK)のパルス数は、水平方向の画素数に対応している。ここでは、1水平ラインの画素数は64であり、1ストローブ期間でのデータクロック信号(CLOCK)のパルス数は64となる。
【0046】
次のストローブ期間T1で、図4(C)に示すように、ラッチ信号(LATCH)がローレベルになるタイミングで、図4(D)に示すように、1水平ライン分の1階調目の下位ビット処理のオン・オフデータDL1がラッチ用フリップフロップ42に取り込まれる。そして、図4(E)に示すように、ストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間で、発熱抵抗体R1〜Rnが通電される。このストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間は、下位ビット処理の間では、Tlsに設定される。これにより、1水平ライン分の1階調の下位ビット処理のオン・オフデータDL1によるプリント処理が行われる。また、このとき、図4(A)に示すように、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の2階調目の下位ビット処理のオン・オフデータDL2がデータ(DATA)として出力され、データクロック信号(CLOCK)(図4(B))により、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の2階調目の下位ビット処理のオン・オフデータDL2がシフトレジスタ41に転送される。
【0047】
次のストローブ期間T2で、図4(C)に示すように、ラッチ信号(LATCH)がローレベルになるタイミングで、図4(D)に示すように、1水平ライン分の2階調目の下位ビット処理のオン・オフデータDL2がラッチ用フリップフロップ42に取り込まれる。そして、図4(E)に示すように、ストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間で、発熱抵抗体R1〜Rnが通電される。このストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間は、Tlsに設定される。これにより、1水平ライン分の2階調の下位ビット処理のオン・オフデータDL2によるプリント処理が行われる。また、このとき、図4(A)に示すように、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の3階調目の下位ビット処理のオン・オフデータDL3がデータ(DATA)として出力され、データクロック信号(CLOCK)(図4(B))により、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の3階調目の下位ビットオン・オフデータDL3がシフトレジスタ41に転送される。以下、同様の処理が下位ビットの階調処理分だけ繰り返して行われる。
【0048】
図5において、ストローブ期間T7になると、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の1階調目の上位ビット処理のオン・オフデータDH1がデータ(DATA)として出力され、ストローブ期間T8では、図5(C)に示すように、ラッチ信号(LATCH)がローレベルになるタイミングで、図5(D)に示すように、1水平ライン分の1階調目の上位ビット処理のオン・オフデータDH1がラッチ用フリップフロップ42に取り込まれる。そして、図5(E)に示すように、ストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間で、発熱抵抗体R1〜Rnが通電される。このストローブ信号(STROBE)がローレベルになる期間Tusは、下位ビット処理の時の期間Tlsの23倍の(Tus=23×Tls)に設定される。これにより、1水平ライン分の1階調の上位ビット処理のオン・オフデータDH1によるプリント処理が行われる。また、このとき、図5(A)に示すように、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の2階調目の上位ビット処理のオン・オフデータDH2がデータ(DATA)として出力され、データクロック信号(CLOCK)(図5(B))により、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン分の2階調目の上位ビット処理のオン・オフデータDH2がシフトレジスタ41に転送される。以下、同様の処理が上位ビットの階調数分だけ、繰り返して行われる。
【0049】
ここでは、10ビットの画像データが下位3ビットと上位ビット7とに分けられているので、下位ビットの処理では、7回の通電処理が行われ、上位ビットの処理では、127回の通電処理が行われ、合計、134回の通電処理が行われる。これにより、1水平ライン分の画像のプリントが終了する。1水平ライン分の画像のプリントが終了すると、1ドットだけ、垂直方向に紙が送られ、次ライン分の画像のプリント処理が同様に行われる。そして、1画面分の処理が終了すると、次の色の画像信号により、同様の処理が行われる。
【0050】
前述したように、本発明の実施形態では、下位ビットの処理を行うときのストローブ期間(図4参照)と、上位ビットの処理を行うストローブ期間(図5参照)とでは、ストローブ信号(STROBE)がローレベルになる期間の幅を変えるようにしている。これと共に、下位ビットの処理を行うときのストローブ期間と、上位ビットの処理を行うときのストローブ期間では、データクロック信号(CLOCK)の周波数を変えるようにしている。
【0051】
つまり、ストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間は、下位ビットの処理を行っているときには、図4(E)に示すように、Tlsであり、上位ビットの処理を行っているときには、図5(E)に示すように、(Tus=23×Tls)となる。
【0052】
上位ビットの処理を行っているときにストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間Tusは、下位ビットの処理を行っているときにストローブ信号(STROBE)がローレベルとなる期間Tlsより長くなることから、上位ビットの処理を行っているときのストローブ期間は、下位ビットの処理を行うストローブ期間に比べて、長くした方が無駄が少ない。これに対して、データクロック信号(CLOCK)の1ストローブ期間内のパルス数(図4(B)及び図5(B))は、上位ビットの処理を行っているときにも、下位ビットの処理を行っているときも、同様である(この例では64パルス)。よって、上位ビットの処理を行っているときのストローブ期間を、下位ビットの処理を行うストローブ期間に比べて長くすると、その分だけ、データクロック信号(CLOCK)の余裕が生じ、データクロック信号(CLOCK)の周波数を下げることができる。
【0053】
そこで、本発明の実施形態では、上位ビットの処理を行っているときのストローブ期間を、下位ビットの処理を行うストローブ期間に比べて長くすると共に、上位ビットの処理を行っているときのストローブ期間のデータクロック信号(CLOCK)の周波数を、下位ビットの処理を行っているときのストローブ期間でのデータクロック信号(CLOCK)の周波数より低くするようにしている。
【0054】
一例として、本発明の実施形態では、下位ビットの処理を行うストローブ期間は例えば4.0μ秒とし、上位ビットの処理を行っているときのストローブ期間は例えば6.0μ秒とし、約2μ秒の余裕を持たせている。そして、下位ビットの処理を行っているときのデータクロック信号(CLOCK)の周波数F1を(F1=16.7MHz)とし、上位ビットの処理を行っているときのデータクロック信号(CLOCK)の周波数F2を(F2=12.5MHz)としている。
【0055】
なお、このクロックの周波数は一例であり、これに限定されるものではない。データクロック信号(CLOCK)の周波数は、要求されるデータの転送速度、画素数、画素のビット数、上位ビットの下位ビットの分割数、ストローブ信号の長さ等に応じて、適宜設定される。この例では、データクロックジェネレータ16として、100MHzを基本クロックとするものが用いられており、この100MHzを基本クロックを分周して生成できるクロック(50MHz、33.3MHz、25MKz、20MHz、16.7MHz、14.3MHz、12.5MHz、10MHz、…)の中から、要求される転送速度を満たす周波数の組み合わせとして、下位ビットの処理を行っているときのデータクロック信号(CLOCK)の周波数をF1(F1=16.7MHz)とし、上位ビットの処理を行っているときのデータクロック信号(CLOCK)の周波数をF2(F2=12.5MHz)を選定している。
【0056】
図6は、プリンタ1の処理をフローチャートで示したものである。図6において、主制御部11は、1水平ラインのデータの転送回数SCnを(Scn=0)に初期化し、プリントライン数PLnを(PLn=0)に初期化し、プリントカラーPCnを(PCn=0)に初期化して、サーマルヘッド駆動データ生成部14から、1水平ライン目のデータ転送を開始する(ステップS1)。なお、プリントカラーPCnは、Y、M、Cの各色を示す。
【0057】
そして、主制御部11は、ストローブ信号設定部19において、通電時間(ストローブ信号(STROBE)のローレベル期間)をTlsとし、データクロック周波数制御部18において、データクロック信号(CLOCK)の周波数を(F1=16.7MHz)に設定する(ステップS2)。さらに、主制御部11は、データクロック信号(CLOCK)のカウント数PLSnを(PLSn=0)に初期化する(ステップS3)。そして、主制御部11は、サーマルヘッド駆動データ生成部14からデータの転送を行い(ステップS4)、データ転送クロックのカウント数PLSnをインクリメントする(ステップS5)。そして、主制御部11は、転送クロックのカウント数PLSnが、1水平ラインの画素数に相当する「63」以下かどうかを判定する(ステップS6)。転送クロックのカウント数PLSnが「63」以下なら、ステップS4にリターンする。
【0058】
以上の処理を繰り返すことにより、1水平ラインの画素数分のオン・オフデータがシフトレジスタ41に展開される。
【0059】
また、主制御部11は、ステップS6で、転送クロックのカウント数PLSnが1水平ラインの画素数である「PLSn=64」と判定すると、ラッチ用フリップフロップ42に1水平ライン分のオン・オフデータを取り込み、ストローブ信号(STROBE)をローレベルとして、発熱抵抗体R1〜Rnを発熱させる処理を行う(ステップS7)。そして、主制御部11は、データの転送回数SCnをインクリメントし(ステップS8)、データの転送回数SCnが「7」以下かどうかを判定する(ステップS9)。
【0060】
主制御部11は、1水平ラインのデータの転送回数SCnが「7」以下なら、ステップS2にリターンし、上述の処理を繰り返して行う。
【0061】
以上の処理により、下位ビットの通電処理が行われる。そして、下位3ビットの処理が終了すると、ステップS9で、1水平ラインのデータの転送回数SCnが「SCn=8」と判定されることになる。
【0062】
すなわち、主制御部11は、ステップS9で、1水平ラインのデータの転送回数SCnが「SCn=8」と判定すると、さらにデータの転送回数SCnが「133」以下かどうかを判定する(ステップS10)。そして、主制御部11は、データの転送回数SCnが「133」以下と判定すると、通電時間(ストローブ信号(STROBE)のローレベル期間)をTusに設定し、データクロック信号(CLOCK)の周波数を(F2=12.5MHz)に設定して(ステップS11)、ステップS3にリターンする。
【0063】
ステップS3〜ステップS11の処理を繰り返すことにより、通電処理が行われる。下位ビットの処理では、7回の通電処理が行われ、上位ビットの処理では、127回の通電処理が行われるので、1水平ラインの処理が終了すると、データの転送回数が134回となる。
【0064】
主制御部11は、ステップS10で、データの転送回数SCnが「SCn=134」と判定すると、データの転送回数SCnを(SCn=0)としてカウントをクリアし、プリントライン数PLnをインクリメントする。(ステップS12)。
【0065】
そして、主制御部11は、プリントライン数PLnが、垂直方向の画素数「1239」)以下かどうかを判定し(ステップS13)、プリントライン数PLnが垂直方向の画素数「1239」以下であると判定すると、ステップS2にリターンして、前述と同様に、次色の1ライン目のプリント処理を行う。
【0066】
以上の処理を繰り返し、1画面のプリント処理が行われると、ステップS13で、プリントライン数PLnが「PLn=1240」と判定されることになる。主制御部11は、プリントライン数PLnが「PLn=1240」と判定すると、1水平ラインのデータの転送回数SCnを(Scn=0)にし、プリントライン数PLnを(PLn=0)にし、プリントカラーPCnをインクリメントして、次色の1水平ライン目のデータ転送を開始する(ステップS14)。
【0067】
そして、主制御部11は、プリントカラーPCnが「2」(Y、M、Cの各色の場合)以下かどうかを判定し(ステップS15)、プリントカラーPCnが「2」以下であると判定すると、ステップS2にリターンして、前述と同様に、次色の1ライン目のプリント処理を行う。
【0068】
Y、M、Cの各色の画像のプリントが終了すると、ステップS14で、プリントカラーPCnが「PCn=3」と判定される。主制御部11は、プリントカラーPCnが「PCn=3」と判定すると、1画面分のプリントを終了する。
【0069】
サーマルヘッド40のユニットは印字部の近傍に置かれるため、サーマルヘッド駆動データ生成部14やサーマルヘッド制御部15からサーマルヘッド40に信号を送る信号線は長く引き回され、この信号線から放射ノイズが発生する。この放射ノイズのレベルは、信号性の線長に左右される。データクロック信号(CLOCK)の周波数が一定の場合には、このノイズは、データクロック信号(CLOCK)の整数倍に集中する。
【0070】
これに対して、本発明の実施形態では、下位ビットの処理を行うときのストローブ期間と、上位ビットの処理を行うストローブ期間とでは、データクロック信号(CLOCK)の周波数が変わるため、ノイズのエネルギーが分散されることから、ある特定の周波数だけに連続して発生することがなくなり、放射ノイズによる影響が低減される。
【0071】
また、プリンタ1の上記機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各種制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0072】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態のプリンタの構成例を示すブロック図である。
【図2】画像データの分割の説明図である。
【図3】画像データを分割した場合のオン・オフデータの説明図である。
【図4】本発明の実施形態におけるサーマルヘッドのタイムチャートである。
【図5】本発明の実施形態におけるサーマルヘッドのタイムチャートである。
【図6】本発明の実施形態のプリンタの制御の説明に用いるフローチャートである。
【図7】従来のプリンタの構成例を示す図である。
【図8】サーマルヘッドとサーマルヘッド制御部の配線による放射ノイズを示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1: プリンタ
11: 主制御部
12:入力バッファ
13:プリント用画像データ生成部
14:サーマルヘッド駆動データ生成部
15:サーマルヘッド制御部
16:データクロックジェネレータ
18:データクロック周波数制御部
19:ストローブ信号設定部
40:サーマルヘッド
41:シフトレジスタ
42:ラッチ用フリップフロップ
R1〜Rn:発熱抵抗体
Tr1〜Trn:トランジスタ
G1〜Gn:ANDゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱抵抗体を主走査方向にライン配列したサーマルヘッドを用いて印刷を行うプリンタであって、
入力画像データを下位ビットと上位ビットとに分けて、前記入力画像データに基づいて、前記サーマルヘッドの各発熱抵抗体のオン・オフデータを生成するサーマルヘッド駆動データ生成手段と、
前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、異なる周波数のデータクロック信号を生成するデータクロック周波数制御手段と、
前記サーマルヘッド駆動データ生成手段により生成された各発熱抵抗体のオン・オフデータを受信し、前記データクロック信号により、前記オン・オフデータを各発熱抵抗体に対応した位置に転送するシフトレジスタ手段と、
前記シフトレジスタ手段に保持されたオン・オフデータを取り込むラッチ手段と、
前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、前記発熱抵抗体を通電する単位時間が異なるように設定し、前記ラッチ手段に保持されたオン・オフデータにより前記発熱抵抗体を通電する発熱抵抗体駆動手段とを備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記データクロック周波数制御手段は、前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときには、前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときに比べて、データクロック信号の周波数を低くするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
発熱抵抗体を主走査方向にライン配列したサーマルヘッドを用いて印刷を行うプリンタの制御方法であって、
入力画像データを下位ビットと上位ビットとに分けて、前記入力画像データに基づいて、前記サーマルヘッドの各発熱抵抗体のオン・オフデータを生成し、
前記生成された各発熱抵抗体のオン・オフデータを、前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで異なる周波数のデータクロック信号により、シフトレジスタ手段の各発熱抵抗体に対応した位置に転送し、
前記シフトレジスタ手段に保持されたオン・オフデータをラッチ手段に取り込み、前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、前記発熱抵抗体を通電する単位時間が異なるように設定し、前記ラッチ手段に取り込まれたオン・オフデータにより、前記発熱抵抗体を所定の単位時間通電するようにしたことを特徴とするプリンタの制御方法。
【請求項4】
発熱抵抗体を主走査方向にライン配列したサーマルヘッドを用いて印刷を行うプリンタの制御プログラムであって、
入力画像データを下位ビットと上位ビットとに分けて、前記入力画像データに基づいて、前記サーマルヘッドの各発熱抵抗体のオン・オフデータを生成するステップと、
前記生成された各発熱抵抗体のオン・オフデータを、前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで異なる周波数のデータクロック信号により、シフトレジスタ手段の各発熱抵抗体に対応した位置に転送するステップと、
前記シフトレジスタ手段に保持されたオン・オフデータをラッチ手段に取り込み、前記下位ビットのオン・オフデータの処理を行うときと前記上位ビットのオン・オフデータの処理を行うときとで、前記発熱抵抗体を通電する単位時間が異なるように設定し、前記ラッチ手段に取り込まれたオン・オフデータにより前記発熱抵抗体を所定の単位時間通電するステップとをコントローラに実行させることを特徴とするプリンタの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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