説明

プリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンター

【課題】位置検出用マーク5(位置検出領域)のラベル連続体1(印字用紙)移送方向における中心部位5Aを検出して、印字用紙1の種類や特性に関係なく、スレショルドレベルの調整ないし設定を不要としたプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターを提供すること。
【解決手段】位置検出領域5の中心部位5Aを検出すれば、ラベル片4の印字開始位置4Aを演算可能であること、中心部位5Aを検出するためには、アナログ波形の勾配が増加しているか減少しているかを判定すればよいことに着目し、印字用紙1を移送する所定ピッチごとのセンサーによる印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、センサーからの検出信号の極大値39Aにもとづいて位置検出領域5の中心部位5Aを検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターにかかるもので、とくに帯状の印字用紙を所定の用紙移送路上に移送し、印字用紙の位置を検出確認し、所定の情報を印字するようにしたプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種方式のプリンターにおいては、このプリンターに装填して用紙移送路上を移送する帯状の印字用紙に位置検出用マークを所定ピッチであらかじめ表示しておき、あるいは単葉ラベル片どうしの間にギャップ部を形成しておき、用紙移送路の途中に設けたセンサーによりこの位置検出用マークあるいはギャップ部を検出して、印字位置ないし印字開始位置を検出することが必要である。
【0003】
たとえば図6は、印字用紙としてラベル連続体1を、センサーとして反射型センサー2を用いた例を示す側面説明図である。
ラベル連続体1は、帯状の台紙3に印字領域としての表面を有する単葉のラベル片4を複数枚仮着したものであって、台紙3の裏面側においてラベル片4の後端縁部に位置検出領域として位置検出用マーク5を所定長さにわたってあらかじめ印刷してある。なお、ラベル片4の互いの間には所定間隔でギャップ部6をあけてある。
【0004】
反射型センサー2は、発光素子2Aおよび受光素子2Bを有し、発光素子2Aからの光が台紙3の裏面および位置検出用マーク5の裏面に照射されて、その反射光を受光素子2Bが受光可能とし、その検出信号(アナログ波形AG1)をAD変換(アナログデジタル変換)して、デジタル信号DG1(検出レベル)を得ている。
このAD変換のために、スレショルドレベルTL1(スライスレベル)をあらかじめ設定しておく必要があるが、反射型センサー2の種類ないし特性やラベル連続体1の種類ないし特性によって光の反射特性が異なるため、反射型センサー2およびラベル連続体1の種類や特性に応じてこのスレショルドレベルTL1を調整ないし設定しなければならないという問題がある。
【0005】
また、図7は、印字用紙として他の種類のラベル連続体7を、センサーとして透過型センサー8を用いた例を示す側面説明図である。
ラベル連続体7は、上記ラベル連続体1と同様に、帯状の台紙3に単葉のラベル片4を複数枚仮着したものであるが、台紙3の裏面側には上記位置検出用マーク5を形成せず、ラベル片4の間に設けた上記ギャップ部6を位置検出領域として透過型センサー8により検出可能としている。
【0006】
透過型センサー8は、たとえばラベル連続体7の裏面側の発光素子8Aおよび表面側の受光素子8Bを有し、発光素子8Aからの光が台紙3(ギャップ部6)を透過して、その透過光を受光素子8Bが受光可能とし、その検出信号(アナログ波形AG2)をAD変換(アナログデジタル変換)して、デジタル信号DG2(検出レベル)を得ている。
このAD変換のために、スレショルドレベルTL2(スライスレベル)をあらかじめ設定しておく必要があるが、透過型センサー8の種類ないし特性やラベル連続体7の種類ないし特性によって光の透過特性が異なるため、透過型センサー8およびラベル連続体7の種類や特性に応じてこのスレショルドレベルTL2を調整ないし設定しなければならないという問題がある。
【0007】
なお、印字用紙としては、上述のようなラベル連続体1、ラベル連続体7以外にも、ラベル片4のようにその裏面に糊面を有さない、すなわち、粘着剤層を形成していないタグ連続体などを採用可能である。
たとえば図8は、タグ連続体9を示す側面説明図であって、タグ連続体9は、帯状のタグ本体10を切断線11により切断して印字領域としての単葉のタグ片12を形成可能とし、タグ本体10の裏面側においてタグ片12の後端縁部に位置検出領域として位置検出用マーク13をあらかじめ印刷してある。
この位置検出用マーク13を反射型センサー2により検出可能とする。
【0008】
なお、上述のようなラベル連続体1(図6)、ラベル連続体7(図7)、タグ連続体9(図8)以外にも、ラベル片4やタグ片12の表面側の後端縁部に位置検出用マーク5や位置検出用マーク13などを形成した印字用紙のあり得るが、既述と同様に、スレショルドレベル(スライスレベル)をあらかじめ設定しておく必要があるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−147310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、印字用紙の種類や特性に関係なく、スレショルドレベルの調整ないし設定を不要としたプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターを提供することを課題とする。
【0011】
また本発明は、位置検出用マークやギャップ部など位置検出領域の印字用紙移送方向における中心部位(アナログ波形としてはそのピーク)を検出可能とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターを提供することを課題とする。
【0012】
また本発明は、印字用紙やセンサーの選択自由度を増すことができるプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち本発明は、位置検出用マークやギャップ部などの位置検出領域の中心部位を検出すれば、印字領域の印字開始位置を演算可能であること、上記中心部位を検出するためには、アナログ波形の勾配が増加しているか減少しているかを判定すればよいこと、とくにアナログ波形の極大値ないし極小値を検出可能とすればよいことに着目したもので、第一の発明は、用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、このセンサーからの検出信号にもとづいて上記印字用紙の上記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により上記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置であって、上記制御部は、上記用紙移送部により上記印字用紙を所定ピッチで上記用紙移送路上を移送制御するとともに、この所定ピッチごとの上記センサーによる上記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、上記センサーからの上記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて上記位置検出領域の中心部位を検出するように制御することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置である。
【0014】
第二の発明は、用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、このセンサーからの検出信号にもとづいて上記印字用紙の上記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により上記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法であって、上記用紙移送部により、上記印字用紙を所定ピッチで上記用紙移送路上を移送制御するとともに、この所定ピッチごとの上記センサーによる上記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、上記センサーからの上記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて上記位置検出領域の中心部位を検出することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法である。
【0015】
第三の発明は、用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、このセンサーからの検出信号にもとづいて上記印字用紙の上記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により上記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法であって、上記用紙移送部により、上記印字用紙を所定ピッチで上記用紙移送路上を移送制御するとともに、この所定ピッチごとに上記センサーによりサンプリングした上記印字用紙の互いに隣り合うAD値を比較するとともに、このAD値のそれぞれと、上記位置検出領域とは異なる領域における上記センサーの基準電圧とを比較し、上記AD値がこの基準電圧より大きければ、上記制御部内の上昇カウンターをカウントアップするとともに、この上昇カウンターのカウンター値が、上記位置検出領域の長さの半分に相当する設定ピッチ数より大きくなったかを判断し、上記上昇カウンターがこの設定ピッチ数より大きくなれば、上記位置検出領域の上記中心部位を検出したと判定することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法である。
【0016】
第四の発明は、用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、このセンサーからの検出信号にもとづいて上記印字用紙の上記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により上記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出装置であって、上記制御部は、上記用紙移送部により上記印字用紙を所定ピッチで上記用紙移送路上を移送制御するとともに、この所定ピッチごとの上記センサーによる上記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、上記センサーからの上記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて上記位置検出領域の中心部位を判定し、この中心部位から上記印字領域における上記印字開始位置への設定間隔を演算して上記印字領域の該印字開始位置を検出するように制御することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出装置である。
【0017】
第五の発明は、用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、このセンサーからの検出信号にもとづいて上記印字用紙の上記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により上記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出方法であって、上記用紙移送部により、上記印字用紙を所定ピッチで上記用紙移送路上を移送制御するとともに、この所定ピッチごとの上記センサーによる上記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、上記センサーからの上記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて上記位置検出領域の中心部位を判定し、この中心部位から上記印字領域における上記印字開始位置への設定間隔を演算して上記印字領域の該印字開始位置を検出することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出方法である。
【0018】
第六の発明は、その表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙を所定ピッチで所定の用紙移送路上を移送する用紙移送部と、上記印字用紙の上記印字領域に所定の情報を印字する用紙印字部と、上記印字用紙の上記位置検出領域を検出するセンサーと、このセンサーからの検出信号にもとづいて上記印字用紙の上記印字領域における印字開始位置を検出して上記用紙印字部により上記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターであって、上記用紙移送部により、上記印字用紙を所定ピッチで上記用紙移送路上を移送するとともに、上記制御部により、この所定ピッチごとの上記センサーによる上記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、上記センサーからの上記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて上記位置検出領域の中心部位を判定し、この中心部位から上記印字領域における上記印字開始位置への設定間隔を演算して上記印字領域の該印字開始位置を検出し、上記用紙印字部による上記印字領域への印字を可能とすることを特徴とするプリンターである。
【0019】
上記制御部は、上記センサーによる上記印字用紙の上記検出レベルが上記所定ピッチにおける直前の上記検出レベルに対し上昇あるいは下降しているときには、上記センサーの該検出レベルを切り替えるように制御することができる。
【0020】
上記制御部は、上記センサーによる上記印字用紙の上記検出レベルが上記所定ピッチにおける直前の上記検出レベルに対し継続して上昇あるいは下降しているときには、上記センサーの該検出レベルを維持するように制御することができる。
【0021】
上記制御部は、上記位置検出領域とは異なる領域における上記センサーの初期検出レベルを基準レベルとして、この基準レベルと上記位置検出領域における上記センサーの検出レベルとを比較し、上記センサーによる上記印字用紙の上記検出レベルが上記基準レベルに対し、少なくとも上記位置検出領域の上記印字用紙の移送方向における長さ分だけ継続して異なっているときには、上記位置検出領域を検出していると判定することができる。
【0022】
上記制御部は、上記位置検出領域とは異なる領域における上記センサーの初期検出レベルを基準レベルとし、上記位置検出領域の上記センサーによる検出レベルが、この基準レベルと所定レベル差だけ異なる分について、上記位置検出領域を検出していると判定することができる。
【0023】
上記制御部は、上記位置検出領域とは異なる領域における上記センサーの初期検出レベルを基準レベルとし、上記印字用紙の上記位置検出領域とは異なる領域から上記位置検出領域における上記センサーからの上記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にかけて上記センサーにより上記位置検出領域の半領域検出レベルを検出し、上記基準レベルとは異なる検出レベルを、上記位置検出領域の全域における上記センサーによる位置検出領域全域検出レベルとして検出し、上記位置検出領域の上記センサーによる検出レベルが、上記基準レベルと所定レベル差だけ変化したとき、この検出レベルを上記位置検出領域のレベル差検出レベルとして検出し、これらの半領域検出レベル、位置検出領域全域検出レベルおよびレベル差検出レベルの論理積から、上記位置検出領域の上記中心部位を判定することができる。
【0024】
上記印字用紙としては、帯状の上記台紙に上記ラベル片をそれぞれの間に間隔をあけるか、あるいはあけないかして複数枚仮着した一般的なラベル連続体、粘着剤層を形成していない一般的なタグ連続体、などを採用可能である。
【0025】
上記位置検出領域は、上記印字用紙の単葉部分の後端縁部にこれを設けておくことができる。
【0026】
上記センサーとしては、反射型センサーあるいは透過型センサーなど任意のものを採用可能である。
【0027】
また、上記検出レベルは、上記センサーからの上記検出信号としての検出アナログ波形を上記印字用紙の移送ドットごとに上記センサーによってサンプリングし、AD変換することによりデジタル信号としてこれを得るようにすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によるプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターにおいては、印字用紙を用紙移送路上で移送する所定ピッチごとのセンサーによる印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、センサーからの検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて位置検出領域の中心部位を検出するようにしたので、位置検出領域全体を直接検出することなく、またセンサーや印字用紙の種類によらず、スレショルドレベル自体を直接設定したり、さらにこれを調整すること必要がなく、自動的に印字領域の印字開始位置を検出することができる。
【0029】
とくに第一の発明のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置によれば、センサーからの検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方、すなわち検出アナログ波形のピークが位置検出領域の中心部位であるとの認識により中心部位を検出するようにしたので、スレショルドレベルの調整や設定の作業が不要である。
【0030】
とくに第二の発明のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法によれば、センサーからの検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方、すなわち、そのピークが位置検出領域の中心部位であるとの認識により中心部位を検出するようにしたので、位置検出領域全体を直接検出する必要がなく、簡単な処理により実行可能である。
【0031】
とくに第三の発明のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法によれば、印字用紙を用紙移送路上を移送する所定ピッチごとにセンサーによりサンプリングした印字用紙のAD値の比較によりカウントする上昇カウンターが、位置検出領域の長さの半分に相当する設定ピッチ数より大きくなれば、位置検出領域の中心部位を検出したと判定するので、簡単な工程により検出処理を行うことができる。
【0032】
とくに第四の発明のプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出装置によれば、位置検出領域の中心部位から所定の設定間隔(たとえば位置検出領域の長さの半分およびギャップ部の長さ)を演算(加算)することにより、印字領域の印字開始位置を検出可能としているので、スレショルドレベルの調整や設定の作業を不要として、印字領域の印字開始位置を検出することができる。
【0033】
とくに第五の発明のプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出方法によれば、位置検出領域の中心部位から所定の設定間隔を演算(加算)することにより印字領域の印字開始位置を検出可能としているので、位置検出領域全体を直接検出する必要がなく、自動的に印字領域の印字開始位置を検出することができる。
【0034】
とくに第六の発明のプリンターによれば、センサーからの検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて位置検出領域の中心部位を判定するとともに、この中心部位から印字領域における印字開始位置への設定間隔を演算(加算)して印字領域の該印字開始位置を検出し、用紙印字部による印字領域への印字を可能としているので、スレショルドレベルの調整や設定の作業が不要なプリンターとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例によるプリンター20(サーマルプリンター)の概略側面図である。
【図2】同、制御回路ブロック図である。
【図3】同、印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置37のタイミングチャート図である。
【図4】同、プリンター20および印字用紙の印字開始位置検出装置38における処理のフローチャート図である。
【図5】同、印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置37における処理のフローチャート図である。
【図6】従来からの印字用紙としてラベル連続体1を、センサーとして反射型センサー2を用いた例を示す側面説明図である。
【図7】同、印字用紙として他の種類のラベル連続体7を、センサーとして透過型センサー8を用いた例を示す側面説明図である。
【図8】同、タグ連続体9を示す側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、位置検出用マークやギャップ部などの位置検出領域の中心部位(アナログ波形としてはそのピーク)を検出することに着目したので、互いに隣り合う検出レベルを比較することにより、簡単な処理で上記中心部位および印字開始位置などを検出することができるプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターを実現した。
【実施例】
【0037】
つぎに本発明の実施例によるプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置、位置検出領域中心部位の検出方法、印字用紙の印字開始位置検出装置、印字開始位置検出方法およびプリンターを図1ないし図5にもとづき説明する。ただし、図6ないし図8と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、上記プリンター20(サーマルプリンター)の概略側面図、図2は、その制御回路ブロック図であって、プリンター20は、前記ラベル連続体1(図6)の用紙供給部21と、用紙移送路22と、用紙検出部23と、用紙印字部24および用紙移送部25と、制御部26と、操作部27と、外部インターフェース部28と、を有する。
【0038】
用紙供給部21は、帯状のラベル連続体1をロール状に保持し、用紙移送路22に帯状に繰り出し可能としている。ラベル連続体1は、既述のように、用紙移送部25により所定の用紙移送路22に移送されるとともにその表面にラベル片4を有しさらにその台紙3の裏面に位置検出用マーク5を有する。
【0039】
用紙移送路22は、帯状に繰り出されたラベル連続体1を用紙検出部23、用紙印字部24および用紙移送部25まで移送する通路である。
【0040】
用紙検出部23は、前記反射型センサー2(図6)および前記透過型センサー8(図7)と、A/D回路29(アナログデジタル変換回路)と、を有し、反射型センサー2あるいは透過型センサー8のいずれか一方によりラベル連続体1の前記位置検出用マーク5の検出信号を制御部26に出力し、後述するように、位置検出用マーク5の中心部位5A(図3)を検出可能として、ラベル連続体1(ラベル片4)の用紙印字部24および用紙移送部25に対する相対位置を検出可能とする。
【0041】
用紙印字部24は、印字ヘッド30(たとえばサーマルヘッド)と、印字制御部31と、を有し、用紙移送部25により所定ピッチで移送されてくるラベル連続体1のラベル片4に所定内容の情報を印字可能とする。
【0042】
用紙移送部25は、プラテンローラー32と、移送制御部33と、を有し、移送制御部33がプラテンローラー32をステップモーター(図示せず)などにより所定ピッチで回転駆動し、プラテンローラー32と印字ヘッド30との間に所定の印字圧で挟持したラベル連続体1を所定ピッチで移送する。
【0043】
制御部26は、CPU34と、ROM35と、RAM36と、を有して、用紙検出部23、用紙印字部24、用紙移送部25、操作部27および外部インターフェース部28を制御するもので、用紙検出部23とともに、本発明による印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置37および印字用紙の印字開始位置検出装置38を構成する。
【0044】
操作部27は、印字内容その他のデータおよびコマンドなどを入力操作する。
外部インターフェース部28は、プリンター20と外部の各種機器たとえばホストコンピューター(図示せず)などとのデータやコマンドの授受を可能とする。
【0045】
図3は、印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置37のタイミングチャート図、図4は、プリンター20および印字用紙の印字開始位置検出装置38における処理のフローチャート図、図5は、印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置37における処理のフローチャート図である。
図1に示すように、プリンター20に印字用紙としてラベル連続体1を装填し、用紙検出部23として反射型センサー2を採用した場合に、図3に示すように、反射型センサー2による検出信号(検出アナログ波形39)をプラテンローラー32の所定ピッチずつの回転に対応してA/D回路29においてサンプリングし、それぞれのピッチに対応したAD値から変換した検出レベルの集合体として検出レベル40を出力する。
すなわち、制御部26による制御処理としては、用紙移送部25によりラベル連続体1を所定ピッチで用紙移送路22上を移送制御し、反射型センサー2がラベル連続体1の台紙3の裏面側を走査し、反射型センサー2からの検出信号にもとづいて印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置37により位置検出用マーク5の中心部位5Aを検出ないし判定し、印字用紙の印字開始位置検出装置38によりラベル連続体1(ラベル片4)の印字開始位置4A(ラベル片4の下流側先端部)を検出ないし判定して、用紙印字部24によりラベル片4に印字を行うものである。
【0046】
具体的には、制御部26は、ラベル連続体1の移送にともなう上記所定ピッチごとの反射型センサー2によるラベル連続体1の互いに隣り合うそれぞれの検出レベルを比較するとともに、反射型センサー2からの検出信号(検出アナログ波形39)の極大値39Aにもとづいて位置検出用マーク5の中心部位5Aを検出するように制御する。なお、反射型センサー2か透過型センサー8かなどのセンサーの種類、あるいはA/D回路29などの処理方式その他、検出アナログ波形39の取得の方式によっては、検出アナログ波形39の極小値にもとづいて検出することもできる。
さらに詳細には、制御部26は、反射型センサー2によるラベル連続体1の検出レベルが所定ピッチにおける直前の検出レベルに対し上昇あるいは下降しているときには、反射型センサー2の検出レベルを切り替えるように制御する。
また制御部26は、反射型センサー2によるラベル連続体1の検出レベルが所定ピッチにおける直前の検出レベルに対し継続して上昇あるいは下降しているときには、反射型センサー2の検出レベルを維持するように制御する。
かくして、図3に例示した検出アナログ波形39をサンプリングした状態として、所定のタイミングでロー「L」とハイ「H」とを繰り返す検出レベル40を得る。
ただし検出レベル40において、図3の、たとえば最左端に現れるハイレベルの部分は、ラベル連続体1の移送方向における長さが比較的短く、ラベル連続体1の台紙3の裏面側における反射型センサー2による検出アナログ波形39の微変動部分ないし誤差部分と考えられる。
また検出レベル40において、位置検出用マーク5の先行端部(下流側端部)に相当する立ち上がり部分から極大値39Aから後行部分(上流側端部)への立ち下がり部分までのハイレベルの部分の長さが、位置検出用マーク5のほぼ半分の長さに対応するとともに、極大値39Aの部分が位置検出用マーク5の中心部位5Aに対応した半領域検出レベル40Aである。
【0047】
ちなみに、位置検出用マーク5の移送方向の長さをFとすると、中心部位5Aは、その半分の長さF/2の部位に位置していると考えられる。たとえば、位置検出用マーク5の長さFを3mmとするとF/2=1.5mmである。
印字ヘッド30の1ドットごとの発熱素子の数をたとえば8本/mmとすると、1本の発熱素子の長さは、1/8=0.125mm/本となり、一般的な発熱素子はラベル連続体1の移送方向にもこの同じ長さを有すると考えることができるから、位置検出用マーク5の上記先行端部から中心部位5Aまでは、1.5mm/0.125mm=12本となり、位置検出用マーク5の先行端部からラベル連続体1の移送長さとして、12ピッチ分だけ移行した部分にその中心部位5Aがあると考えられる。位置検出用マーク5の先行端部からその中心部位5Aに到るまでの長さに相当するこのピッチ数をMとする(図5にもとづいて後述)。
換言すれば、台紙3の裏面においてラベル連続体1の位置検出用マーク5とは異なる領域から位置検出用マーク5における反射型センサー2からの検出信号の極大値39A(あるいは極小値のいずれか一方)にかけて反射型センサー2により位置検出用マーク5の半領域検出レベル40Aとして検出する。
なお、位置検出領域としてギャップ部6を採用する場合には、その長さの半分の位置に位置する中心部位を検出するものとし、ギャップ部6の先行端部からその中心部位に到るまでの長さに相当するピッチ数(上記M)を演算し設定しておく。
【0048】
さらに制御部26は、位置検出用マーク5およびギャップ部6とは異なる領域(すなわち、ラベル連続体1における台紙3の裏面)における反射型センサー2の初期検出レベルを基準レベル(基準電圧ないし基準電圧レベル)とし、この基準レベルと位置検出用マーク5における反射型センサー2の検出レベルとを比較し、反射型センサー2によるラベル連続体1の検出レベルが基準レベルに対し、少なくとも位置検出用マーク5のラベル連続体1の移送方向における長さ分だけ継続して異なっているときには、位置検出用マーク5を検出していると判定する。
かくして、図3に例示した検出アナログ波形39から基準検出レベル41を得る。
具体的には、図3に示すように、初期検出レベル(基準電圧レベル)をロー「L」とするとともに、この初期検出レベルとは異なる検出レベルを、位置検出用マーク5の全域における反射型センサー2による位置検出領域全域検出レベル41Aとしてハイ「H」を検出する。ただし、位置検出用マーク5が反射型センサー2の近傍に接近してくる状態で、反射率が徐々に変化するため、位置検出領域全域検出レベル41Aは位置検出用マーク5の実際の長さよりわずかに長くなる。
【0049】
さらに制御部26は、位置検出用マーク5の反射型センサー2による検出レベルが、上記基準レベルと所定レベル差だけ異なる分について、位置検出用マーク5を検出していると判定する。
かくして、図3に例示した検出アナログ波形39からマーク差レベル42を得る。
具体的には、制御部26は、位置検出用マーク5の反射型センサー2による検出レベルが、基準レベルと所定レベル差だけ変化したとき、この検出レベルを位置検出用マーク5のレベル差検出レベル42Aとして検出する。
なお、所定レベル差としては、反射型センサー2が位置検出用マーク5ないしその中心部位5Aを含む中心部分を確実に検出可能な検出レベルの差としてこれを設定する。
【0050】
上記半領域検出レベル40Aは、その立ち下がり部分が、位置検出用マーク5の中心部位5Aに対応した極大値39Aの部位に相当する。
上記位置検出領域全域検出レベル41Aは、位置検出用マーク5の全域をこえる領域を、いわば広く拡大して包含している。
上記レベル差検出レベル42Aは、位置検出用マーク5の少なくとも極大値39Aを含む領域を、いわば狭く限定して包含している。
したがって制御部26は、これら半領域検出レベル40A、位置検出領域全域検出レベル41Aおよびレベル差検出レベル42Aの論理積から、位置検出用マーク5の中心部位5Aを判定することができる。
すなわち、図3の最下段に示すように、半領域検出レベル40Aの立ち下がり部分と同期して、位置検出用マークの中心部位5Aの検出レベルとして中心部位レベル43を得ることができる。
【0051】
つぎに図4および図5にもとづき、プリンター20におけるラベル連続体1の位置検出領域中心部位の検出方法、およびラベル連続体1の印字開始位置検出方法を説明する。
図4のステップS1において、印字用紙(ラベル連続体1)をプリンター20の用紙供給部21にセットする。
ステップS2において、用紙移送部25により1ピッチ分だけラベル連続体1を用紙移送路22上に移送し、ステップS3においてピーク検出(位置検出用マーク5の中心部位5Aすなわち、中心部位レベル43の検出)を行う。
すなわち、図5のピーク検出サブルーチン(後述)に移行する。
ステップS4においてピークを検出したか否かを判断し、ピークを検出するまでステップS2およびステップS3を繰り返す。
【0052】
ピークが検出されたら、ステップS5において、そのピーク値から設定間隔だけ、すなわち、先行する(下流側の)ラベル片4と後行する(上流側の)ラベル片4との間の間隔(ギャップ部6の長さ)をGとすれば、(F/2+G)の長さ分のピッチだけ離れた部位に、後行するラベル片4の印字開始位置4Aが位置すると検出することができる。
反射型センサー2と用紙印字部24(印字ヘッド30とプラテンローラー32との接触部)との間のセンサーヘッド間隔はあらかじめわかっているから、さらに上記設定間隔にこのセンサーヘッド間隔を加算した定量分を移送することによりラベル片4の印字開始位置4Aを用紙印字部24の印字位置に到達させることができる。
ついで、ステップS6において用紙印字部24による印字を行うものとする。
【0053】
つぎに図5に示したピーク検出のフローチャート図にもとづき、ピーク検出の方法について説明する。
ステップS31において、所定のピッチだけに移送した部位における検出アナログ波形39をサンプリングしたAD値を取得し、ステップS32において今回のAD値が前回(1ピッチ前)のAD値より大きいかを判断し、大きければ、つぎのステップS33において今回のAD値が基準電圧(基準レベル)より大きいかを判断し、基準電圧以下であれば、もとに戻る。
【0054】
ステップS3において今回のAD値が基準電圧より大きければ、ステップS34において、制御部26(RAM36)内の上昇カウンターを「1」だけカウントアップする。
すなわち、この上昇カウンターのカウントアップにより、反射型センサー2が位置検出用マーク5を検出し始めたと判断し、ステップS35においてこの上昇カウンターのカウンター値がある設定ピッチ数Mより大きくなったかを判断する。
この設定ピッチ数Mは、前述した、位置検出用マーク5の半分の長さF/2の部位に位置していると考えられる中心部位5Aのピッチ分の長さに相当する数値である。たとえば、既述のように、位置検出用マーク5の長さFを3mmとしたとき、長さFの半分は、1.5mm/0.125mm=12本となり、12ピッチ移行した部分に中心部位5Aがあると考えられ、この場合、M=12、である。
すなわちステップS35において上昇カウンターがM(たとえば12)よりおおきくなれば、M=12となったピッチ部分が反射型センサー2からの検出信号の極大値39Aに相当すると考え、ステップS36において、制御部26(RAM36)内において電圧上昇フラグを「1」にセットし、位置検出用マーク5の中心部位5Aを検出したと判定して、もとに戻る。
【0055】
前記ステップS32において、今回AD値が前回AD値以上でなければ、検出レベル40が下降している(極大値39Aをこえて下降している、すなわち、半領域検出レベル40Aが中心部位5Aに対応する立ち下がり部に到った、図3参照)と判断し、ステップS37において、電圧上昇フラグが「1」か否かを判断し、「1」でなければ、検出レベル40が単に下降しただけと判断して、もとに戻る。
電圧上昇フラグが「1」であれば、ステップS38において前回AD値の取得位置をピーク(位置検出用マーク5の中心部位5A)とし、ステップS39で電圧上昇フラグを「0」にリセットした上で、もとに戻る。
【0056】
かくして、反射型センサー2による、それぞれのピッチにおける隣り合うAD値どうしの比較および基準電圧との比較を繰り返すことにより、上昇カウンターをカウントアップして電圧上昇フラグを切り替え、検出アナログ波形39のピーク(極大値39A、すなわち、位置検出用マーク5の中心部位5A)を検出することができるようにして、スレショルドレベルを直接設定ないし調節することなく、所望の位置検出を簡単に行うことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 ラベル連続体(印字用紙、図6、図1)
2 反射型センサー
2A 反射型センサー2の発光素子
2B 反射型センサー2の受光素子
3 帯状の台紙
4 単葉のラベル片(印字領域)
4A ラベル片4の印字開始位置(図3)
5 位置検出用マーク(位置検出領域)
5A 位置検出用マーク5の中心部位(図3)
6 ギャップ部(位置検出領域)
7 ラベル連続体(印字用紙、図7)
8 透過型センサー
8A 透過型センサー8の発光素子
8B 透過型センサー8の受光素子
9 タグ連続体(印字用紙、図8)
10 帯状のタグ本体
11 切断線
12 単葉のタグ片
13 位置検出用マーク
20 プリンター((サーマルプリンター、実施例、図1)
21 用紙供給部
22 用紙移送路
23 用紙検出部
24 用紙印字部
25 用紙移送部
26 制御部
27 操作部
28 外部インターフェース部
29 A/D回路(アナログデジタル変換回路)
30 印字ヘッド(サーマルヘッド)
31 印字制御部
32 プラテンローラー
33 移送制御部
34 CPU
35 ROM
36 RAM
37 プリンター20の印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置(実施例、図1、図2)
38 プリンター20の印字用紙の印字開始位置検出装置(実施例、図1、図2)
39 検出アナログ波形(図3)
39A 検出アナログ波形39の極大値
40 検出レベル
40A 検出レベル40の半領域検出レベル
41 基準検出レベル
41A 基準検出レベル41の位置検出領域全域検出レベル
42 マーク差レベル
42A マーク差レベル42のレベル差検出レベル
43 中心部位レベル
AG1 検出信号(アナログ波形、図6)
DG1 デジタル信号(検出レベル)
TL1 スレショルドレベル(スライスレベル)
AG2 検出信号(アナログ波形、図7)
DG2 デジタル信号(検出レベル)
TL2 スレショルドレベル(スライスレベル)
F 位置検出用マーク5の移送方向の長さ(図3)
M 位置検出用マーク5の先行端部からその中心部位5Aに到るまでの長さに相当するピッチ数(図5)
G 先行する(下流側の)ラベル片4と後行する(上流側の)ラベル片4との間の間隔(ギャップ部6の長さ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、
このセンサーからの検出信号にもとづいて前記印字用紙の前記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により前記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置であって、
前記制御部は、
前記用紙移送部により前記印字用紙を所定ピッチで前記用紙移送路上を移送制御するとともに、
この所定ピッチごとの前記センサーによる前記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、前記センサーからの前記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて前記位置検出領域の中心部位を検出するように制御することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記センサーによる前記印字用紙の前記検出レベルが前記所定ピッチにおける直前の前記検出レベルに対し上昇あるいは下降しているときには、前記センサーの該検出レベルを切り替えるように制御することを特徴とする請求項1記載のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記センサーによる前記印字用紙の前記検出レベルが前記所定ピッチにおける直前の前記検出レベルに対し継続して上昇あるいは下降しているときには、前記センサーの該検出レベルを維持するように制御することを特徴とする請求項1または2記載のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記位置検出領域とは異なる領域における前記センサーの初期検出レベルを基準レベルとして、この基準レベルと前記位置検出領域における前記センサーの検出レベルとを比較し、
前記センサーによる前記印字用紙の前記検出レベルが前記基準レベルに対し、少なくとも前記位置検出領域の前記印字用紙の移送方向における長さ分だけ継続して異なっているときには、前記位置検出領域を検出していると判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記位置検出領域とは異なる領域における前記センサーの初期検出レベルを基準レベルとし、
前記位置検出領域の前記センサーによる検出レベルが、この基準レベルと所定レベル差だけ異なる分について、前記位置検出領域を検出していると判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記位置検出領域とは異なる領域における前記センサーの初期検出レベルを基準レベルとし、
前記印字用紙の前記位置検出領域とは異なる領域から前記位置検出領域における前記センサーからの前記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にかけて前記センサーにより前記位置検出領域の半領域検出レベルを検出し、
前記基準レベルとは異なる検出レベルを、前記位置検出領域の全域における前記センサーによる位置検出領域全域検出レベルとして検出し、
前記位置検出領域の前記センサーによる検出レベルが、前記基準レベルと所定レベル差だけ変化したとき、この検出レベルを前記位置検出領域のレベル差検出レベルとして検出し、
これらの半領域検出レベル、位置検出領域全域検出レベルおよびレベル差検出レベルの論理積から、前記位置検出領域の前記中心部位を判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出装置。
【請求項7】
用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、
このセンサーからの検出信号にもとづいて前記印字用紙の前記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により前記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法であって、
前記用紙移送部により、前記印字用紙を所定ピッチで前記用紙移送路上を移送制御するとともに、
この所定ピッチごとの前記センサーによる前記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、前記センサーからの前記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて前記位置検出領域の中心部位を検出することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法。
【請求項8】
用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、
このセンサーからの検出信号にもとづいて前記印字用紙の前記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により前記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法であって、
前記用紙移送部により、前記印字用紙を所定ピッチで前記用紙移送路上を移送制御するとともに、
この所定ピッチごとに前記センサーによりサンプリングした前記印字用紙の互いに隣り合うAD値を比較するとともに、
このAD値のそれぞれと、前記位置検出領域とは異なる領域における前記センサーの基準電圧とを比較し、
前記AD値がこの基準電圧より大きければ、前記制御部内の上昇カウンターをカウントアップするとともに、この上昇カウンターのカウンター値が、前記位置検出領域の長さの半分に相当する設定ピッチ数より大きくなったかを判断し、
前記上昇カウンターがこの設定ピッチ数より大きくなれば、前記位置検出領域の前記中心部位を検出したと判定することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の位置検出領域中心部位の検出方法。
【請求項9】
用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、
このセンサーからの検出信号にもとづいて前記印字用紙の前記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により前記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出装置であって、
前記制御部は、
前記用紙移送部により前記印字用紙を所定ピッチで前記用紙移送路上を移送制御するとともに、
この所定ピッチごとの前記センサーによる前記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、前記センサーからの前記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて前記位置検出領域の中心部位を判定し、
この中心部位から前記印字領域における前記印字開始位置への設定間隔を演算して前記印字領域の該印字開始位置を検出するように制御することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出装置。
【請求項10】
用紙移送部により所定の用紙移送路に移送されるとともにその表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙の該位置検出領域を検出するセンサーと、
このセンサーからの検出信号にもとづいて前記印字用紙の前記印字領域における印字開始位置を検出して用紙印字部により前記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出方法であって、
前記用紙移送部により、前記印字用紙を所定ピッチで前記用紙移送路上を移送制御するとともに、
この所定ピッチごとの前記センサーによる前記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、前記センサーからの前記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて前記位置検出領域の中心部位を判定し、
この中心部位から前記印字領域における前記印字開始位置への設定間隔を演算して前記印字領域の該印字開始位置を検出することを特徴とするプリンターにおける印字用紙の印字開始位置検出方法。
【請求項11】
その表面に印字領域を有しさらにその表面あるいはその裏面のいずれか一方に位置検出領域を有する帯状の印字用紙を所定ピッチで所定の用紙移送路上を移送する用紙移送部と、
前記印字用紙の前記印字領域に所定の情報を印字する用紙印字部と、
前記印字用紙の前記位置検出領域を検出するセンサーと、
このセンサーからの検出信号にもとづいて前記印字用紙の前記印字領域における印字開始位置を検出して前記用紙印字部により前記印字領域に印字を行うように制御するための制御部と、を有するプリンターであって、
前記用紙移送部により、前記印字用紙を所定ピッチで前記用紙移送路上を移送するとともに、
前記制御部により、この所定ピッチごとの前記センサーによる前記印字用紙の互いに隣り合う検出レベルを比較するとともに、前記センサーからの前記検出信号の極大値あるいは極小値のいずれか一方にもとづいて前記位置検出領域の中心部位を判定し、
この中心部位から前記印字領域における前記印字開始位置への設定間隔を演算して前記印字領域の該印字開始位置を検出し、前記用紙印字部による前記印字領域への印字を可能とすることを特徴とするプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−110778(P2011−110778A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268276(P2009−268276)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】