説明

プリンタ及び端末装置

【課題】 ウェブブラウザに特別な仕組みを追加しなくても、ウェブページ上で印刷の実行が指示される場合に、PCが、印刷対象の対象データをプリンタに供給することができる技術を提供すること。
【解決手段】 プリンタ10は、プリンタ10に印刷の実行を指示するための印刷ボタンを含むウェブページを表わす設定ページデータ172をPC60に供給する(S50)。PC60は、印刷ボタンがユーザによって選択される場合に、通知コマンド180をプリンタ10に供給する(S64)。プリンタ10は、ジョブ要求コマンド200をPC60に送信することによって、対象データ212の供給をPC60に要求する(S70)。PC60は、ジョブ要求コマンド200に応じて、対象データ212をプリンタ10に供給する(S84,86)。プリンタ10は、対象データ212によって表わされる画像を印刷する(S88)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、ネットワークを介してプリンタと端末装置との間で実行される通信に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、クライアント機器と、プリントサーバと、プリンタと、を備えるシステムが開示されている。このシステムでは、クライアント機器は、自身にインストールされているウェブブラウザを用いて、プリントサーバにアクセスする。プリントサーバは、クライアント機器からアクセスされると、ウェブブラウザが解釈可能な印刷設定ページをクライアント機器に送信する。クライアント機器のユーザは、印刷設定ページ上で印刷条件(例えば用紙サイズ、色数等)を設定することができる。ユーザは、印刷条件の設定が終了すると、印刷設定ページ上のOKボタンを操作する。この場合、クライアント機器の送信モジュールが起動され、その送信モジュールが、ユーザによって設定された特定の印刷条件を示すデータをプリントサーバに送信する。さらに、送信モジュールは、クライアント機器の転送モジュールに対して、印刷対象の特定のファイルをプリントサーバに転送するように命令する。これにより、転送モジュールは、上記の特定のファイルをプリントサーバに転送する。プリントサーバは、上記の特定のファイルを用いて、上記の特定の印刷条件に応じた印刷データを生成し、印刷データをプリンタに送信する。プリンタは、印刷データに従って印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−152545号公報
【特許文献2】特開平11−316658号公報
【特許文献3】特開2006−195831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、クライアント機器のユーザによって印刷設定ページ上で印刷の実行が指示される場合(即ちOKボタンが操作される場合)に、クライアント機器のウェブブラウザは、転送モジュールが上記の特定のファイルの転送を実行するように、送信モジュールに命令すると考えられる。これにより、送信モジュールは、ウェブブラウザからの命令に従って、上記の特定のファイルの転送を転送モジュールに命令し、転送モジュールは、送信モジュールからの命令に従って、上記の特定のファイルをプリントサーバに転送する。即ち、引用文献1の技術では、ウェブページ上で印刷の実行が指示される場合に、転送モジュールが上記の特定のファイルの転送を実行するように、ウェブブラウザが送信モジュールに命令を与えるための特別な仕組み(プログラム)を、ウェブブラウザに追加しなければならない。
【0005】
本明細書では、ウェブブラウザに上記の特別な仕組みを追加しなくても、ウェブページ上で印刷の実行が指示される場合に、端末装置が、印刷対象の対象データをプリンタに供給することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、ネットワークを介して端末装置に接続されるプリンタを開示する。プリンタは、画面データ供給部と、対象データ要求部と、対象データ取得部と、印刷実行部と、を備える。画面データ供給部は、端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷指示用画面データであって、プリンタに印刷の実行を指示するための指示ボタンを含む印刷指示用画面を表わす印刷指示用画面データを、端末装置に供給する。対象データ要求部は、端末装置から、印刷指示用画面内の指示ボタンがユーザによって選択されたことを示す選択情報が取得される場合に、印刷対象の対象データの供給を端末装置に要求する。対象データ取得部は、上記の要求に応じて端末装置から供給される対象データを取得する。印刷実行部は、対象データによって表わされる画像を印刷する。
【0007】
上記の構成によると、端末装置のウェブブラウザは、プリンタから供給される印刷指示用画面データに従って、印刷指示用画面を表わすウェブページを表示することができる。端末装置のユーザは、印刷指示用画面内の指示ボタンを選択することができる。この場合、プリンタは、端末装置から選択情報を取得し、この結果、印刷対象の対象データの供給を端末装置に要求する。端末装置は、プリンタからの要求に応じて、対象データをプリンタに供給する。プリンタが対象データの供給を端末装置に要求するという構成を採用しているために、端末装置は、プリンタからの要求に応じて、対象データをプリンタに供給すれば済む。即ち、端末装置のウェブブラウザは、印刷指示用画面内の指示ボタンが選択されたときに、対象データの供給を所定のモジュールに命令せずに済む。このために、端末装置のウェブブラウザに上記の特別な仕組みを追加しなくても、ウェブページ上での印刷の実行が指示される場合に、端末装置が対象データをプリンタに供給することができる。
【0008】
画面データ供給部は、端末装置のウェブブラウザに割り当てられる第1のポート番号を宛先ポート番号に設定して、印刷指示用画面データを供給してもよい。対象データ要求部は、第1のポート番号と異なる第2のポート番号を宛先ポート番号に設定して、対象データの供給を要求してもよい。この構成によると、プリンタは、第1のポート番号が割り当てられるウェブブラウザに、印刷指示用画面データを供給する。このために、端末装置のウェブブラウザは、印刷指示用画面を表わすウェブページを表示することができる。また、上記の構成によると、プリンタは、第2のポート番号が割り当てられる特定のソフトウェアに、対象データの供給を要求する。このために、端末装置の上記の特定のソフトウェアが、対象データの供給の要求を取得し、対象データをプリンタに供給する。対象データの供給がウェブブラウザに要求されないために、ウェブブラウザが、対象データの供給を所定のモジュール(例えば上記の特定のソフトウェア)に命令せずに済む。
【0009】
画面データ供給部は、さらに、端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷設定用画面データであって、プリンタの印刷条件を設定するための設定フィールドを含む印刷設定用画面を表わす印刷設定用画面データを、端末装置に供給してもよい。プリンタは、さらに、端末装置から、印刷設定画面上でユーザによって設定される第1の印刷条件を示す現行印刷条件データを取得する現行印刷条件データ取得部を備えていてもよい。印刷実行部は、現行印刷条件データが示す第1の印刷条件に従って、対象データによって表わされる画像を印刷してもよい。この構成によると、端末装置のウェブブラウザは、プリンタから供給される印刷設定用画面データに従って、印刷設定用画面を表わすウェブページを表示することができる。プリンタから端末装置に印刷設定用画面データが供給されるために、印刷設定用画面データを端末装置に予め格納せずに済む。
【0010】
対象データ要求部は、さらに、対象データの供給を要求する際に、端末装置が、第1の印刷条件に含まれる複数個の設定項目の内容のうちの少なくとも一部の設定項目の内容に従って、元データから対象データを生成するように、上記の少なくとも一部の設定項目の内容を示す部分印刷条件データを、端末装置に供給してもよい。この構成によると、端末装置は、部分印刷条件データに従って元データから対象データを生成し、生成された対象データをプリンタに供給することができる。
【0011】
現行印刷条件データ取得部は、端末装置から、現行印刷条件データの登録が指示される場合に、現行印刷条件データを、端末装置の識別情報に関連付けて不揮発性目メモリに登録してもよい。現行印刷条件データ取得部は、端末装置から、現行印刷条件データの登録が指示されない場合に、現行印刷条件データを、不揮発性メモリに登録しなくてもよい。この構成によると、プリンタは、今回の印刷の実行をプリンタに指示する端末装置(選択情報をプリンタに供給する端末装置)から、現行印刷条件データの登録が指示される場合に、現行印刷条件データを不揮発性メモリに登録する。このために、プリンタは、同じ端末装置が次回の印刷の実行をプリンタに指示する場合に、登録済みの上記の現行印刷条件データを再び利用することができる。一方において、プリンタは、現行印刷条件データの登録が指示されない場合に、今回の印刷に限って、現行印刷条件データを利用することができる。
【0012】
プリンタは、画面データ供給部が印刷設定用画面データを端末装置に供給する前に、端末装置から、端末装置の識別情報を取得する識別情報取得部をさらに備えていてもよい。画面データ供給部は、取得済みの識別情報に関連付けて、特定の印刷条件データが不揮発性メモリに登録されている場合に、特定の印刷条件データが示す第2の印刷条件が記述された印刷設定用画面データを、端末装置に供給してもよい。この構成によると、端末装置は、当該端末装置で過去にユーザによって設定された第2の印刷条件を含む印刷設定用画面を表示することができる。従って、ユーザは、過去に自身が設定した第2の印刷条件を参照しながら、今回の印刷で利用されるべき印刷条件を設定することができる。
【0013】
プリンタは、現行印刷条件データ取得部が端末装置から現行印刷条件データを取得した後に、取得済みの現行印刷条件データが端末装置に登録されるように、取得済みの現行印刷条件データを端末装置に返送する返送部をさらに備えていてもよい。この構成によると、端末装置に現行印刷条件データが登録されるために、プリンタに現行印刷条件データを登録せずに済む。プリンタが格納すべきデータ量を低減させることができる。
【0014】
プリンタは、画面データ供給部が印刷設定用画面データを端末装置に供給する前に、端末装置から、端末装置に登録されている登録済み印刷条件データを取得する登録済み印刷条件データ取得部をさらに備えていてもよい。画面データ供給部は、登録済み印刷条件データが示す第3の印刷条件が記述された印刷設定用画面データを、端末装置に供給してもよい。返送部は、現行印刷条件データ取得部が端末装置から現行印刷条件データを取得した後に、登録済み印刷条件データに代えて取得済みの現行印刷条件データが端末装置に登録されるように、取得済みの現行印刷条件データを端末装置に返送してもよい。この構成によると、端末装置は、当該端末装置で過去にユーザによって設定された第3の印刷条件を含む印刷設定用画面を表示することができる。従って、ユーザは、過去に自身が設定した第3の印刷条件を参照しながら、今回の印刷で利用されるべき印刷条件を設定することができる。また、上記の構成によると、今回の印刷の実行をプリンタに指示する端末装置には、登録済み印刷条件データに代えて、今回の印刷で利用された現行印刷条件データが登録される。即ち、最新の印刷で利用された印刷条件データを端末装置に登録することができる。
【0015】
返送部は、端末装置から、現行印刷条件データの登録を示す情報が取得される場合に、現行印刷条件データを端末装置に返送してもよい。返送部は、端末装置から、現行印刷条件データの登録を示す情報が取得されない場合に、現行印刷条件データを端末装置に返送しなくてもよい。この構成によると、プリンタは、端末装置からの登録を示す情報の有無に応じて、現行印刷条件データを端末装置に登録するのか否かを決定することができる。
【0016】
画面データ供給部は、さらに、端末装置から選択情報が取得される場合に、端末装置のウェブブラウザが解釈可能なステータス画面データであって、プリンタの印刷状況を示すステータス画面を表わすステータス画面データを、端末装置に供給してもよい。この構成によると、端末装置のウェブブラウザは、プリンタから供給されるステータス画面データに従って、ステータス画面を表わすウェブページを表示することができる。端末装置のユーザは、プリンタの印刷状況を知ることができる。
【0017】
本明細書では、ネットワークを介してプリンタに接続される端末装置を開示する。端末装置は、画面データ取得部と、選択情報供給部と、対象データ要求取得部と、対象データ供給部と、を備える。画面データ取得部は、端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷指示用画面データであって、プリンタに印刷の実行を指示するための指示ボタンを含む印刷指示用画面を表わす印刷指示用画面データを、プリンタから取得してもよい。選択情報供給部は、印刷指示用画面内の指示ボタンがユーザによって選択される場合に、指示ボタンが選択されたことを示す選択情報を、プリンタに供給してもよい。対象データ要求取得部は、選択情報がプリンタに供給された後に、プリンタから、印刷対象の対象データの供給の要求を取得してもよい。対象データ供給部は、上記の要求に応じて対象データをプリンタに供給してもよい。
【0018】
上記の構成によると、プリンタが対象データの供給を端末装置に要求するという構成を採用しているために、端末装置は、プリンタからの要求に応じて、対象データをプリンタに供給すれば済む。即ち、端末装置のウェブブラウザは、印刷指示用画面内の指示ボタンが選択されたときに、対象データの供給を所定のモジュールに命令せずに済む。このために、端末装置のウェブブラウザに上記の特別な仕組みを追加しなくても、ウェブページ上での印刷の実行が指示される場合に、端末装置が対象データをプリンタに供給することができる。
【0019】
画面データ取得部の機能は、端末装置のウェブブラウザによって実現されてもよい。対象データ要求取得部の機能は、端末装置のウェブブラウザに割り当てられる第1のポート番号と異なる第2のポート番号が割り当てられる特定のソフトウェアによって実現されてもよい。この構成によると、端末装置の上記の特定のソフトウェアが、対象データの供給の要求を取得し、対象データをプリンタに供給する。対象データの供給がウェブブラウザに要求されないために、ウェブブラウザが、対象データの供給を所定のモジュール(例えば上記の特定のソフトウェア)に命令せずに済む。
【0020】
なお、上記のプリンタを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。また、上記の端末装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。また、上記のプリンタと上記の端末装置とを備えるシステムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例のネットワークシステムの構成を示す。
【図2】第1実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
【図3】図2の続きのシーケンス図を示す。
【図4】図3のS50の第1応答処理のフローチャートを示す。
【図5】図3のS70の第2応答処理のフローチャートを示す。
【図6】設定ページの一例を示す。
【図7】第2実施例の各デバイスが実行する処理のシーケンス図を示す。
【図8】図7のS150の第1応答処理のフローチャートを示す。
【図9】図7のS170の第2応答処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施例)
(システムの構成)
図面を参照して第1実施例を説明する。図1に示されるように、ネットワークシステム2は、複数個のプリンタ10と、PC60と、を備える。複数個のプリンタ10は、ネットワーク(例えばLAN)4を介して、PC60に接続されている。複数個のプリンタ10とPC60とは、ネットワーク4を介して、相互に通信可能である。なお、図1では、1個のPC60のみが開示されているが、他のPCがネットワーク4にさらに接続されていてもよい。
【0023】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10の構成を説明する。なお、プリンタ50,52の構成は、プリンタ10の構成と同様である。プリンタ10は、表示部12と、操作部14と、印刷機構16と、ネットワークインターフェイス18と、メモリ20と、制御部30と、を備える。表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部14は、複数個のキーを備える。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。印刷機構16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。ネットワークインターフェイス18は、ネットワーク4に接続されている。
【0024】
メモリ20は、不揮発性メモリである。なお、図1では、プリンタ10が備える揮発性メモリ(ワーク領域)を図示省略している。メモリ20は、後述の図5のS76の処理において、PC60の識別情報(以下では「CID(Client ID)」と呼ぶ)と、PC60から取得される印刷条件データ24と、を関連付けて格納する。なお、PC60のCIDは、例えば、PC60のMACアドレスである。メモリ20は、さらに、制御部30によって実行されるプログラム26を格納する。制御部30がプログラム26に従って処理を実行することによって、各部32〜44の機能が実現される。
【0025】
(PC60の構成)
PC60は、表示部62と、操作部64と、ネットワークインターフェイス68と、メモリ70と、制御部90と、を備える。表示部62は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部64は、マウスとキーボードとを備える。ユーザは、操作部64を操作することによって、様々な指示をPC60に入力することができる。ネットワークインターフェイス68は、ネットワーク4に接続されている。
【0026】
メモリ70は、不揮発性メモリである。なお、図1では、PC60が備える揮発性メモリ(ワーク領域)を図示省略している。また、図1では、メモリ70が印刷条件データ74を格納しているように図示されているが、メモリ70が印刷条件データ74を格納する構成は、後述の第2実施例で利用される構成である。従って、本実施例では、メモリ70が印刷条件データ74を格納しなくてもよい。メモリ70は、制御部30によって実行される様々なプログラム76,78,80,82を格納する。
【0027】
アプリケーションプログラム76は、公知のアプリケーションプログラムであり、例えば、ワープロソフト、表計算ソフト等の文書編集ソフトである。印刷マネージャプログラム78は、プリンタ10等での印刷に関する様々な機能を実現するためのプログラムである。ブラウザプログラム80は、ウェブページの通信及び表示に関する様々な機能を実現するためのプログラムである。OS(Operating System)プログラム82は、各プログラム76,78,80と連携して、基本的な機能を実現するためのプログラムである。矢印D1は、ブラウザプログラム80とOSプログラム82とが連携して実現される機能が存在することを示す。同様に、矢印D2に示されるように、印刷マネージャプログラム78とブラウザプログラム80とOSプログラム82とが連携して実現される機能が存在する。また、矢印D3に示されるように、ブラウザプログラム80を介することなく、印刷マネージャプログラム78とOSプログラム82とが連携して実現される機能が存在する。
【0028】
制御部90は、各プログラム76,78,80,82に従って、様々な処理を実行することができる。特に、制御部90が印刷マネージャプログラム78及びブラウザプログラム80に従って処理を実行することによって、各部92〜98の機能が実現される。
【0029】
(各デバイス10,50,52,60が実行する処理)
続いて、図2から図5を参照して、各デバイス10,50,52,60が実行する処理の内容について説明する。なお、図2及び図3の「ブラウザ80」は、PC60の制御部90が、ブラウザプログラム80を実行することによって実現される機能を示す。同様に、「印刷マネージャ78」、「アプリケーション76」は、それぞれ、PC60の制御部90が、印刷マネージャプログラム78、アプリケーションプログラム76を実行することによって実現される機能を示す。
【0030】
図2に示されるように、印刷マネージャ78は、所定のタイミング(例えばPC60の電源ONのタイミング)でプリンタ情報の供給を要求する(S10)。具体的に言うと、印刷マネージャ78は、所定のコマンド100をネットワーク4にブロードキャストする。なお、S10の処理は、図1の矢印D3に示されるように、印刷マネージャプログラム78とOSプログラム82とが連携することによって実現される。各プリンタ10,52,54は、上記の所定のコマンド100を受信する。各プリンタ10,52,54は、上記の所定のコマンド100に応じて、自己のプリンタ情報102をPC60に供給する(S12)。これにより、PC60の印刷マネージャ78が、複数個のプリンタ10,50の複数個のプリンタ情報102を取得する。印刷マネージャ78は、取得済みの複数個のプリンタ情報102を、図示省略の揮発性メモリに登録する。
【0031】
プリンタ情報102は、PID(Printer ID)と、SURL(Setting URL)と、JURL(Job URL)と、モデル名と、プリンタ名と、を含む。例えば、PIDは、プリンタ10を識別するためのIDであり、例えば、MACアドレスである。また、プリンタ10は、ウェブサーバ機能を有している。即ち、プリンタ10のプログラム26(図1参照)は、ウェブサーバプログラムを含む。SURLは、プリンタ10のウェブサーバが、印刷条件の設定及び印刷の実行の指示をPC60のユーザに許容するための設定ページを表わすウェブページの要求を取得し、その要求に応じてデータを供給するためのURLである。また、JURLは、プリンタ10のウェブサーバが、印刷ジョブ、即ち、印刷対象の対象データを取得するためのURLである。モデル名は、プリンタ10のベンダによって予め決められているモデル名である。プリンタ名は、プリンタ10のユーザ(管理者)によってプリンタ10に予め登録されているプリンタ名(ノード名)である。
【0032】
ユーザは、PC60の操作部64を操作することによって、ワープロソフト等のアプリケーションプログラム76を起動することができる。ユーザは、さらに、PC60の操作部64を操作することによって、アプリケーションプログラム76に従って生成された特定のファイルを指定して、当該特定のファイルによって表わされる画像を表示部62に表示させることができる。そして、ユーザは、当該特定のファイルによって表わされる画像を印刷するための指示をPC60に入力することができる(S20)。この場合、アプリケーション76は、印刷マネージャ78にプリンタリストの供給を要求する(S22)。具体的に言うと、アプリケーション76は、リスト要求コマンド120を印刷マネージャ78に送信する。印刷マネージャ78は、リスト要求コマンド120に応じて、上記の複数個のプリンタ情報102を含むプリンタリスト122をアプリケーション76に供給する(S24)。アプリケーション76は、プリンタリスト122をPC60の表示部62に表示させる。即ち、各プリンタ10,50,52のモデル名、プリンタ名等が表示部62に表示される。これにより、ユーザは、印刷を実行可能な複数個のプリンタ10,50,52がネットワーク4に接続されていることを知ることができる。
【0033】
ユーザは、PC60の操作部64を操作することによって、複数個のプリンタ10,50,52の中から、印刷を実行すべき1個のプリンタを選択することができる(S28)。このとき、アプリケーション76は、印刷のための準備動作を実行するように、印刷マネージャ78に指示する。具体的に言うと、アプリケーション76は、印刷準備コマンド130を印刷マネージャ78に送信する。印刷準備コマンド130は、S28でユーザによって選択されたプリンタのPIDと、S20でユーザによって指定された上記の特定のファイル(以下では「元データ」と呼ぶ)132と、を含む。なお、以下では、S28でユーザによってプリンタ10が選択された場合を例にして、説明を続ける。
【0034】
印刷マネージャ78は、印刷準備コマンド130を取得すると、まず、新規のJID(Job ID)を生成する。JIDは、印刷ジョブを識別するためのIDである。さらに、印刷マネージャ78は、生成済みのJIDと、印刷準備コマンド130に含まれる元データ132と、を関連付けて、図示省略の揮発性メモリに格納する。次いで、印刷マネージャ78は、プリンタ10から取得されたプリンタ情報102から、プリンタ10のSURLを特定する。続いて、図3に示されるように、印刷マネージャ78は、設定ページの取得をブラウザ80に要求する。具体的に言うと、印刷マネージャ78は、ページ取得要求コマンド140をブラウザ80に送信する。ページ取得要求コマンド140は、特定済みのプリンタ10のSURLと、生成済みのJIDと、PC60のCIDと、を含む。
【0035】
ページ取得要求コマンド140がブラウザ80に送信されると、ブラウザ80が起動する(S42)。このとき、ブラウザ80は、新規のWID(Window ID)を生成する。なお、WIDは、ウェブページを表示するためのウィンドウを識別するためのIDである。さらに、ブラウザ80は、生成済みのWIDと、ページ取得要求コマンド140に含まれるJIDと、を印刷マネージャ78に通知する(S44)。これにより、印刷マネージャ78は、WIDとJIDとを関連付けて、図示省略の揮発性メモリに格納する。さらに、ブラウザ80は、ブラウザ80のポート番号(以下では「BPN(Browser Port Number)」と呼ぶ)を生成する。ブラウザ80は、予め決められているポート番号の範囲から、1個のポート番号をランダムに選択することによって、BPNを生成する。なお、PC60の印刷マネージャ78のポート番号(以下では「MPN(Manager Port Number)」と呼ぶ)は、予め決定されている固定のポート番号である。ブラウザ80のポート番号BPNを生成するための上記のポート番号の範囲には、MPNが含まれていない。従って、BPNとMPNとは異なる。
【0036】
次いで、ブラウザ80は、設定ページをプリンタ10に要求する(S46)。具体的に言うと、ブラウザ80は、設定ページ要求コマンド160をプリンタ10に送信する。設定ページ要求コマンド160では、プリンタ10のSURL(ページ取得要求コマンド140に含まれるSURL)が、宛先URLとして設定されている。また、設定ページ要求コマンド160では、生成済みのBPNが、送信元ポート番号として設定されている。さらに、設定ページ要求コマンド160は、ページ取得要求コマンド140に含まれるJIDと、ページ取得要求コマンド140に含まれるPC60のCIDと、を含む。
【0037】
なお、上記のように、印刷マネージャ78がページ取得要求コマンド140をブラウザ80に供給することにより、ブラウザ80が設定ページ要求コマンド160をプリンタ10に供給する。従って、これらの処理は、図1の矢印D2に示されるように、印刷マネージャプログラム78とブラウザプログラム80とOSプログラム82とが連携することによって実現される。
【0038】
プリンタ10の制御部30は、PC60から設定ページ要求コマンド160を取得する。上述したように、設定ページ要求コマンド160は、PC60のCIDを含む。従って、プリンタ10の制御部30が設定ページ要求コマンド160を取得することにより、識別情報取得部40が、PC60のCIDを取得する。設定ページ要求コマンド160では、プリンタ10のSURLが宛先URLとして設定されているために、プリンタ10のウェブサーバプログラムが起動する。プリンタ10の制御部30は、ウェブサーバプログラムに従って、第1応答処理を実行する(S50)。
【0039】
図4に示されるように、第1応答処理では、プリンタ10の画面データ供給部32は、設定ページ要求コマンド160に含まれるPC60のCIDに関連付けて、印刷条件データがメモリ20に登録されているのか否かを判断する(S52)。ここでYESの場合、画面データ供給部32は、PC60のCIDに関連付けて登録されている印刷条件データが示す印刷条件(以下では「登録済み印刷条件」と呼ぶ)が記述された設定ページを表わす設定ページデータを生成する(S54)。具体的に言うと、画面データ供給部32は、メモリ20に予め格納されている設定ページのテンプレートを取得し、そのテンプレートに上記の登録済み印刷条件を書き込む。なお、上記のテンプレートは、PC60のブラウザ80が解釈可能なデータフォーマットで記述されており、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)等で記述されている。従って、S54(さらには後述のS56)で生成される設定ページデータも、PC60のブラウザ80が解釈可能なデータフォーマットを有する。
【0040】
図6は、設定ページ300の一例を示す。設定ページ300は、プリンタ10の印刷条件をユーザが設定することを許容する設定フィールド302を含む。プリンタ10の印刷条件は、複数個の設定項目(印刷部数、色、印刷の解像度、両面印刷の有無、印刷用紙のサイズ、原稿の印刷方向等)を含む。従って、設定フィールド302は、複数個の設定項目の内容をユーザが設定するためのフィールド(領域)である。設定ページのテンプレートには、設定フィールド302に含まれる各設定項目の内容(例えば印刷部数の「1」、色の「カラー」等)が記述されていない。S54では、画面データ供給部32は、登録済み印刷条件に含まれる各設定項目の内容を、設定ページのテンプレートの設定フィールド302に書き込む。
【0041】
設定ページ300は、さらに、設定フィールド302に設定された印刷条件を示す印刷条件データをプリンタ10に登録するのか否かをユーザが選択することを許容する登録ボタン304を含む。登録ボタン304は、いわゆるラジオボタンであり、「YES」が選択される場合には、登録することを意味し、「NO」が選択される場合には、登録しないことを意味する。なお、設定ページのテンプレートでは、登録ボタン304の「NO」が選択された状態になっている。また、設定ページ300は、さらに、印刷ボタン306と、キャンセルボタン308と、を含む。これらのボタン306,308は、設定ページのテンプレートに予め含まれている。
【0042】
図4のS52でNOの場合には、画面データ供給部32は、デフォルト印刷条件が記述された設定ページを表わす設定ページデータを生成する(S56)。デフォルト印刷条件は、プリンタ10のユーザ(管理者)によって予め指定された印刷条件である。プリンタ10のメモリ20は、デフォルト印刷条件を示すデフォルト印刷条件データを格納している。S56では、画面データ供給部32は、設定ページのテンプレートを取得し、デフォルト印刷条件に含まれる各設定項目の内容を、設定ページのテンプレートの設定フィールド302に書き込む。
【0043】
S54又はS56を終えると、画面データ供給部32は、S54又はS56で生成された設定ページデータをPC60に供給する(S58)。なお、S58では、画面データ供給部32は、図3の設定ページ要求コマンド160の送信元ポート番号として設定されているBPN(ブラウザ80のポート番号)を、宛先ポート番号として設定する。従って、設定ページデータは、PC60のブラウザ80に供給される。S58でPC60のブラウザ80に供給される情報170は、図3に示されるように、S54又はS56で生成された設定ページデータ172と、設定ページ要求コマンド160に含まれるJIDと、設定ページ要求コマンド160に含まれるPC60のCIDと、を含む。
【0044】
図3のS60では、PC60のブラウザ80は、まず、プリンタ10から情報170を取得する。これにより、PC60の画面データ取得部92が、情報170に含まれる設定ページデータ172を取得する。ブラウザ80は、設定ページデータ172によって表わされる設定ページ300(図6参照)を、表示部62に表示させる。具体的に言うと、ブラウザ80は、S44で生成されたWIDに対応するウィンドウ内に設定ページ300を表示させる。ユーザは、操作部64を操作することによって、設定ページ300内の設定フィールド302に含まれる各設定項目の内容を変更することができる。即ち、ユーザは、今回の印刷で利用されるべき印刷条件(以下では「現行印刷条件」と呼ぶ)を設定することができる。
【0045】
さらに、ユーザは、操作部64を操作することによって、設定ページ300内の印刷ボタン306を選択(例えば印刷ボタン306のクリック操作)することができる(S62)。この場合、ブラウザ80は、印刷実行指示を示す通知コマンド180をプリンタ10に送信する(S64)。これにより、PC60の選択情報供給部94が、通知コマンド180をプリンタ10に供給する。通知コマンド180には、プリンタ10のSURLが、宛先URLとして設定されていると共に、ブラウザ80のポート番号BPNが、送信元ポート番号として設定されている。通知コマンド180は、JIDと、PC60のCIDと、現行印刷条件データ182と、登録情報184と、を含む。現行印刷条件データ182は、印刷ボタン306が操作された際(S62の操作の際)に、設定ページ300内の設定フィールド302に表示されている印刷条件(以下では「現行印刷条件」と呼ぶ)を示すデータである。また、登録情報184は、印刷ボタン306が操作された際(S62の操作の際)に、設定ページ300内の登録ボタン304の「YES」及び「NO」のどちらが選択されているのかを示すデータである。なお、これに代えて、登録情報184は、設定ページ300内の登録ボタン304の「YES」が選択されている場合にのみ、通知コマンド180に含まれていてもよい。
【0046】
なお、上記のように、ブラウザ80(画面データ取得部92)がプリンタ10から設定ページデータ172を取得し、S62の操作(印刷実行指示)が実行される場合に、ブラウザ80(選択情報供給部94)が通知コマンド180をプリンタ10に供給する(S64)。従って、これらの処理は、図1の矢印D1に示されるように、ブラウザプログラム80とOSプログラム82とが連携することによって実現される。
【0047】
プリンタ10の制御部30は、PC60から通知コマンド180を取得する。これにより、プリンタ10の現行印刷条件データ取得部38が、通知コマンド180に含まれる現行印刷条件データ182を取得する。通知コマンド180には、プリンタ10のSURLが宛先URLとして設定されているために、プリンタ10の制御部30は、通知コマンド180を取得すると、ウェブサーバプログラムに従って、第2応答処理を実行する(S70)。
【0048】
図5に示されるように、第2応答処理では、プリンタ10の画面データ供給部32は、プリンタ10の印刷状況を示すステータスページを表わすステータスページデータをPC60に供給する(S72)。ステータスページデータも、PC60のブラウザ80が解釈可能なデータフォーマットで記述されている。なお、S72では、画面データ供給部32は、図3の通知コマンド180の送信元ポート番号として設定されているBPN(ブラウザ80のポート番号)を、宛先ポート番号として設定する。従って、ステータスページデータは、PC60のブラウザ80に供給される。S72の段階では、ステータスページは、例えば、「印刷準備中」という文字列を含む。図3に示されるように、S72でPC60に供給される情報190は、ステータスページデータ192と、通知コマンド180に含まれるJIDと、を含む。なお、ステータスページデータ192は、さらに、リフレッシュ時間を示すデータを含む。
【0049】
PC60のブラウザ80は、プリンタ10から情報190を取得する。ブラウザ80は、情報190に含まれるステータスページデータ192によって表わされるステータスページを、表示部62に表示させる(S80)。具体的に言うと、ブラウザ80は、S44で生成されたWIDに対応するウィンドウ内の表示を、設定ページ300からステータスページに更新する。これにより、ユーザは、プリンタ10の印刷状況を知ることができる。
【0050】
なお、上記のように、ブラウザ80がプリンタ10からステータスページデータ192を取得し、ブラウザ80がステータスページを表示部62に表示させる(S80)。従って、これらの処理は、図1の矢印D1に示されるように、ブラウザプログラム80とOSプログラム82とが連携することによって実現される。
【0051】
なお、図3では図示省略しているが、ブラウザ80は、ステータスページデータ192に含まれるリフレッシュ時間が経過する場合に、新たなステータスページをプリンタ10に要求する。具体的に言うと、ブラウザ80は、情報190に含まれるJIDを含むステータスページ要求コマンドをプリンタ10に送信する。プリンタ10の画面データ供給部32は、ステータスページ要求コマンドに含まれるJIDに対応する印刷状況を示すステータスページ(例えば「印刷中」という文字列を含むステータスページ)を表わす新たなステータスページデータをPC60に供給する。ブラウザ80は、S44で生成されたWIDに対応するウィンドウ内の表示を、新たなステータスページに更新する。なお、新たなステータスページデータも、リフレッシュ時間を示すデータを含む。従って、ブラウザ80は、新たなステータスページデータに含まれるリフレッシュ時間が経過する場合に、新たなステータスページをプリンタ10に再び要求する。即ち、新たなステータスページの要求、供給、及び、表示が繰り返される。このために、ユーザは、プリンタ10の最新の印刷状況を知ることができる。
【0052】
図5に示されるように、S72を終えると、プリンタ10の現行印刷条件データ取得部38は、通知コマンド180に含まれる登録情報184が、「YES(即ち図6の登録ボタン304の「YES」)」を示すのか否かを判断する(S74)。ここでYESの場合には、現行印刷条件データ取得部38は、通知コマンド180に含まれるPC60のCIDに関連付けて、通知コマンド180に含まれる現行印刷条件データ182を不揮発性メモリ20に登録する(S76)。なお、現行印刷条件データ取得部38は、S76の処理を実行する際に、PC60のCIDに関連付けて印刷条件データがメモリ20に既に登録されている場合には、登録済みの印刷条件データをメモリ20から消去する。S76を終えると、S78に進む。
【0053】
一方において、S74でNOの場合(即ち登録情報184が「NO」を示す場合)には、現行印刷条件データ取得部38は、S76をスキップして、S78に進む。即ち、この場合、現行印刷条件データ取得部38は、現行印刷条件データ182を不揮発性メモリ20に登録しない。なお、S74でYESの場合であっても、NOの場合であっても、現行印刷条件データ取得部38は、通知コマンド180に含まれる現行印刷条件データ182とJIDとを、関連付けて、図示省略の揮発性メモリに格納する。
【0054】
S78では、プリンタ10の対象データ要求部34は、対象データの供給をPC60に要求する。具体的に言うと、対象データ要求部34は、ジョブ要求コマンドをPC60に送信する。なお、S78では、対象データ要求部34は、PC60の印刷マネージャ78のポート番号MPNを、宛先ポート番号として設定する。従って、ジョブ要求コマンドは、PC60の印刷マネージャ78に供給される。なお、プリンタ10のメモリ20には、MPNが予め格納されている。S78でPC60の印刷マネージャ78に供給されるジョブ要求コマンド200は、通知コマンド180に含まれるJIDと、部分印刷条件データ202と、を含む。部分印刷条件データ202は、現行印刷条件データ182が示す現行印刷条件に含まれる複数個の設定項目のうちの一部の設定項目の内容を示すデータである。本実施例では、上記の一部の設定項目は、色と解像度と用紙サイズである。従って、部分印刷条件データ202は、現行印刷条件に含まれる色の内容(例えば「カラー」)と、現行印刷条件に含まれる解像度の内容(例えば「300dpi」)と、現行印刷条件に含まれる用紙サイズの内容(例えば「A4」)と、を示すデータである。
【0055】
PC60の印刷マネージャ78は、プリンタ10からジョブ要求コマンド200を取得する。これにより、PC60の対象データ要求取得部96が、ジョブ要求コマンド200を取得する。この処理は、図1の矢印D3に示されるように、印刷マネージャプログラム78とOSプログラム82とが連携することによって実現される。
【0056】
図3のS82では、PC60の印刷マネージャ78は、印刷対象の対象データを生成する。上述したように、印刷マネージャ78は、図2の印刷準備コマンド130を取得する際に、JIDと元データ132とを関連付けて、図示省略の揮発性メモリに格納する。S82では、印刷マネージャ78は、ジョブ要求コマンド200に含まれるJIDに関連付けられている元データ132を、揮発性メモリから取得する。次いで、印刷マネージャ78は、ジョブ要求コマンド200に含まれる部分印刷条件データ202(色と解像度と用紙サイズの各内容)に従って、元データ132から対象データを生成する。具体的に言うと、印刷マネージャ78は、例えば、部分印刷条件データ202が示す色の内容が「カラー」である場合には、カラー印刷に適合する対象データを生成し、部分印刷条件データ202が示す色の内容が「モノクロ」である場合には、モノクロ印刷に適合する対象データを生成する。また、印刷マネージャ78は、部分印刷条件データ202が示す解像度に適合する対象データを生成し、部分印刷条件データ202が示す用紙サイズに適合する対象データを生成する。
【0057】
次いで、印刷マネージャ78は、プリンタ10から取得したプリンタ情報102(図2参照)に基づいて、プリンタ10のJURLを特定する。続いて、印刷マネージャ78は、対象データの供給をブラウザ80に要求する(S84)。具体的に言うと、印刷マネージャ78は、対象データ供給コマンド210をブラウザ80に送信する。対象データ供給コマンド210は、S82で生成された対象データ212と、特定済みのプリンタ10のJURLと、ジョブ要求コマンド200に含まれるJIDと、を含む。
【0058】
ブラウザ80は、対象データ供給コマンド210を取得すると、情報220をプリンタ10に供給する(S86)。情報220には、プリンタ10のJURL(対象データ供給コマンド210に含まれるJURL)が、宛先URLとして設定されている。また、情報220は、対象データ供給コマンド210に含まれる対象データ212と、対象データ供給コマンド210に含まれるJIDと、を含む。
【0059】
なお、上記のように、印刷マネージャ78が対象データ供給コマンド210をブラウザ80に送信することにより、ブラウザ80が情報220をプリンタ10に供給する。これにより、PC60の対象データ供給部98が、対象データ212をプリンタ10に供給する。なお、この処理は、図1の矢印D2に示されるように、印刷マネージャプログラム78とブラウザプログラム80とOSプログラム82とが連携することによって実現される。
【0060】
プリンタ10の制御部30は、PC60から情報220を取得する。これにより、プリンタ10の対象データ取得部36が、情報220に含まれる対象データ212を取得する。情報220には、プリンタ10のJURLが宛先URLとして設定されているために、対象データ取得部36は、ウェブサーバプログラムに従って、対象データ212を取得する。
【0061】
次いで、プリンタ10の制御部30は、対象データ212によって表わされる画像を印刷する処理を実行する(S88)。上述したように、現行印刷条件データ取得部38は、通知コマンド180を取得する際に、現行印刷条件データ182とJIDとを関連付けて、図示省略の揮発性メモリに格納する。S88では、制御部30は、情報220に含まれるJIDに関連付けられている現行印刷条件データ182を、揮発性メモリから取得する。次いで、制御部30は、現行印刷条件データ182が示す現行印刷条件に従って、対象データ212から印刷データを生成する。具体的に言うと、制御部30は、現行印刷条件データ182が示す原稿方向に適合する印刷データを生成する。なお、本実施例では、S82において、PC60が、色、解像度、及び、用紙サイズに適合する対象データを生成するために、プリンタ10が、色、解像度、及び、用紙サイズに適合する印刷データを生成するための処理を実行せずに済み、この結果、制御部30の処理負荷が低減する。さらに、制御部30は、生成済みの印刷データによって表わされる画像(即ち対象データ212によって表わされる画像)が印刷されるように、印刷機構16を駆動する。この際に、制御部30は、現行印刷条件データ182が示す印刷部数、及び、両面印刷の有無に従って、印刷機構16を駆動する。これにより、印刷機構16が、生成済みの印刷データによって表わされる画像(即ち対象データ212によって表わされる画像)を、印刷媒体に印刷する。
【0062】
制御部30は、印刷が終了すると、印刷終了通知230をPC60に供給する。印刷終了通知230では、印刷マネージャ78のポート番号MPNが、宛先ポート番号として設定されている。従って、印刷終了通知230は、PC60の印刷マネージャ78に供給される。なお、印刷終了通知230は、情報220に含まれるJIDを含む。
【0063】
PC60の印刷マネージャ78は、プリンタ10から印刷終了通知230を取得する。上述したように、印刷マネージャ78は、S44の通知を取得する際に、WIDとJIDとを関連付けて、図示省略の揮発性メモリに格納する。印刷マネージャ78は、印刷終了通知230に含まれるJIDに関連付けられているWIDを、揮発性メモリから取得する。次いで、印刷マネージャ78は、取得済みのWIDに対応するウィンドウの表示を終了するように、ブラウザ80に要求する(S90)。具体的に言うと、印刷マネージャ78は、WIDを含む終了コマンド240をブラウザ80に送信する。ブラウザ80は、終了コマンド240を取得すると、終了コマンド240に含まれるWIDに対応するウィンドウを閉じる(S92)。
【0064】
第1実施例について詳しく説明した。本実施例によると、PC60のブラウザ80は、プリンタ10から供給される設定ページデータ172に従って、設定ページ300を表示部62に表示させる(図3のS60)。PC60のユーザは、設定ページ300内の印刷ボタン306を選択(クリック操作)することができる。この場合、PC60のブラウザ80は、プリンタ10に通知コマンド180を供給する(図3のS64)。プリンタ10は、PC60から通知コマンド180を取得すると、ジョブ要求コマンド200をPC60に供給する(図3のS70)。PC60は、プリンタ10からのジョブ要求コマンド200に応じて、対象データ212をプリンタ10に供給する(図3のS84,S86)。本実施例では、プリンタ10が対象データ212の供給をPC60に要求するという構成を採用しているために、PC60は、プリンタ10からの要求(ジョブ要求コマンド200)に応じて、対象データ212をプリンタ10に供給すれば済む。即ち、PC60のブラウザ80は、設定ページ300内の印刷ボタン306が選択されても、対象データ212の供給を所定のモジュール(例えば印刷マネージャ78)に命令せずに済む。このために、PC60のブラウザ80に前述のような特別な仕組みを追加しなくても、ウェブページ上での印刷の実行が指示される場合に、PC60が、対象データ212をプリンタ10に供給することができる。
【0065】
プリンタ10は、印刷マネージャ78のポート番号MPNを宛先ポート番号に設定して、ジョブ要求コマンド200をPC60に送信する(図3のS70)。即ち、プリンタ10は、PC60のブラウザ80と異なるソフトウェアである印刷マネージャ78に、対象データ212の供給を要求する。この場合、印刷マネージャ78は、対象データ212の供給の要求(ジョブ要求コマンド200)を取得し、対象データ212をプリンタ10に供給する。対象データ212の供給がブラウザ80に要求されないために、ブラウザ80は、対象データ212の供給を所定のモジュール(例えば印刷マネージャ78)に命令せずに済む。
【0066】
プリンタ10は、印刷条件を設定するための設定フィールド302を含む設定ページ300を表わす設定ページデータ172をPC60に供給する(図3のS50)。プリンタ10が設定ページデータ172をPC60に供給するために、設定ページデータ172をPC60に予め格納せずに済む。また、PC60のユーザは、設定ページ300上で現行印刷条件を設定することができる。PC60は、現行印刷条件を示す現行印刷条件データ182をプリンタ10に供給する(図3のS64)。プリンタ10は、現行印刷条件データ182が示す現行印刷条件に従って、対象データ212によって表わされる画像を印刷する(図3のS88)。プリンタ10は、PC60のユーザの意図に応じて、画像を印刷することができる。
【0067】
プリンタ10は、対象データの供給を要求する際(ジョブ要求コマンド200を供給する際)に、部分印刷条件データ202をPC60に供給する(図3のS70)。このために、PC60は、部分印刷条件データ202に従って元データ132から対象データ212を生成し、生成された対象データ212をプリンタ10に供給することができる。
【0068】
プリンタ10は、PC60から現行印刷条件データ182の登録が指示される場合(図5のS74でYESの場合)に、PC60のCIDに関連付けて、現行印刷条件データ182を不揮発性メモリ20に登録する。このために、プリンタ10は、同じPC60が次回の印刷の実行をプリンタ10に指示する場合に、現行印刷条件データ182を再び利用することができる。即ち、プリンタ10は、図4のS54に示されるように、登録済み印刷条件が記述された設定ページ300を表わす設定ページデータを生成することができる。これにより、PC60のユーザは、過去に自身が設定した印刷条件を参照しながら、今回の印刷で利用されるべき印刷条件を設定することができる。一方において、プリンタ10は、PC60から現行印刷条件データ182の登録が指示されない場合(図5のS74でNOの場合)に、現行印刷条件データ182を不揮発性メモリ20に登録しない。この場合、プリンタ10は、今回の印刷に限って、現行印刷条件データ182を利用する(図3のS88)。プリンタ10は、現行印刷条件データ182の登録に関するPC60のユーザの意図に応じて、現行印刷条件データ182をメモリ20に登録するのか否かを決定することができる。
【0069】
また、プリンタ10は、プリンタ10の印刷状況を示すステータスページを表わすステータスページデータ192をPC60に供給する(図3のS70)。このために、PC60のユーザは、プリンタ10の印刷状況を知ることができる。
【0070】
本実施例の各要素と本発明の各要素との対応関係を記載しておく。PC60が「端末装置」の一例である。また、印刷機構16が「印刷実行部」の一例である。設定ページ300に含まれる印刷ボタン306が、「指示ボタン」の一例であり、設定ページ300の一部である第1の部分領域であって、印刷ボタン306を含む第1の部分領域が、「印刷指示用画面」の一例である。さらに、設定ページ300の一部である第2の部分領域であって、設定フィールド302を含む第2の部分領域が、「印刷設定用画面」の一例である。従って、設定ページデータ172のうち、第1の部分領域を表わすデータ、第2の部分領域を表わすデータが、それぞれ、「印刷指示用画面データ」、「印刷設定用画面データ」の一例である。ステータスページデータ192が、「ステータス画面データ」の一例である。
【0071】
また、通知コマンド180、ジョブ要求コマンド200が、それぞれ、「選択情報」、「対象データの供給の要求」の一例である。BPN、MPNが、それぞれ、「第1のポート番号」、「第2のポート番号」の一例である。現行印刷条件データ182が示す現行印刷条件、図4のS54で記述される印刷条件が、それぞれ、「第1の印刷条件」、「第2の印刷条件」の一例である。
【0072】
(第2実施例)
図7〜図9を参照して、第2実施例を説明する。ここでは、第1実施例と同様の構成及び処理については、説明を省略する。図7は、アプリケーション76から印刷マネージャ78に図2の印刷準備コマンド130が供給された後の各処理を示す。図7では、第1実施例と同様の構成及び処理については、同じ符号を付している。簡単に説明すると、第1実施例では、プリンタ10に印刷条件データが登録されるが、本実施例では、PC60に印刷条件データ74(図1参照)が登録される。
【0073】
印刷マネージャ78は、印刷準備コマンド130を取得すると、ページ取得要求コマンド140をブラウザ80に送信する。本実施例では、ページ取得要求コマンド140は、第1実施例と異なり、PC60のCIDを含まない。また、PC60のメモリ70に印刷条件データ74(図1参照)が登録されている場合には、ページ取得要求コマンド140は、第1実施例と異なり、印刷条件データ74と同じ印刷条件データ400を含む。なお、印刷条件データ74は、過去の印刷の際に、後述のS202の処理でPC60内の不揮発性メモリ70に登録された印刷条件データである。なお、PC60のメモリ70に印刷条件データ74が登録されていない場合には、ページ取得要求コマンド140は、印刷条件データ400を含まない。
【0074】
また、本実施例では、ブラウザ80からプリンタ10に供給される設定ページ要求コマンド160は、第1実施例と異なり、PC60のCIDを含まない。また、ページ取得要求コマンド140に印刷条件データ400が含まれている場合には、設定ページ要求コマンド160は、第1実施例と異なり、印刷条件データ400を含む。なお、ページ取得要求コマンド140に印刷条件データ400が含まれていない場合には、設定ページ要求コマンド160は、印刷条件データ400を含まない。プリンタ10の制御部30は、PC60から設定ページ要求コマンド160を取得する。これにより、プリンタ10の登録済み印刷条件データ取得部44が、設定ページ要求コマンド160に含まれる印刷条件データ400を取得する。プリンタ10の制御部30は、設定ページ要求コマンド160を取得すると、第1応答処理を実行する(S150)。
【0075】
図8に示されるように、第1応答処理では、プリンタ10の画面データ供給部32は、設定ページ要求コマンド160に印刷条件データ400が含まれているのか否かを判断する(S152)。ここでYESの場合、画面データ供給部32は、印刷条件データ400が示す印刷条件に含まれる各設定項目の内容を、設定ページのテンプレートの設定フィールド302に書き込む(S154)。これにより、印刷条件データ400が示す印刷条件が記述された設定ページ300を表わす設定ページデータが生成される。一方において、S152でNOの場合、画面データ供給部32は、図4のS56の処理と同様に、デフォルト印刷条件が記述された設定ページを表わす設定ページデータを生成する(S156)。
【0076】
S154又はS156を終えると、画面データ供給部32は、S154又はS156で生成された設定ページデータを、PC60のブラウザ80に供給する(S158)。S158でPC60のブラウザ80に供給される情報170は、図7に示されるように、第1実施例と異なり、PC60のCIDを含まない。
【0077】
また、本実施例では、ブラウザ80からプリンタ10に供給される通知コマンド180は、第1実施例と異なり、PC60のCIDを含まない。プリンタ10の制御部30は、PC60から通知コマンド180を取得すると、第2応答処理を実行する(S170)。
【0078】
図9に示されるように、第2応答処理では、プリンタ10の返送部42は、通知コマンド180に含まれる登録情報184が、「YES(即ち図6の登録ボタン304の「YES」)」を示すのか否かを判断する(S172)。ここでYESの場合には、返送部42は、プリンタ10の印刷状況を示すステータスページを表わすステータスページデータ192に、通知コマンド180に含まれる現行印刷条件データ182を付加する(S174)。S174を終えると、S176に進む。一方において、S174でNOの場合(即ち登録情報184が「NO」を示す場合)には、返送部42は、S174をスキップして、S176に進む。
【0079】
S176では、ステータスページデータ192を含む情報190がPC60に供給される。S174を経て実行されるS176では、画面データ供給部32及び返送部42は、現行印刷条件データ182を含む情報190をPC60に供給する。これにより、現行印刷条件データ182が、PC60に返送される。一方において、S174を経ないで実行されるS176では、画面データ供給部32は、現行印刷条件データ182を含まない情報190をPC60に供給する。即ち、この場合、現行印刷条件データ182が、PC60に返送されない。次いで、プリンタ10の対象データ要求部34は、ジョブ要求コマンド200を、PC60の印刷マネージャ78に供給する(S178)。
【0080】
PC60のブラウザ80は、プリンタ10から情報190を取得する。ブラウザ80は、情報190に現行印刷条件データ182が含まれている場合には、現行印刷条件データ182の登録を、印刷マネージャ78に指示する(S200)。具体的に言うと、ブラウザ80は、現行印刷条件データ182を含む登録コマンド410を、印刷マネージャ78に送信する。印刷マネージャ78は、登録コマンド410を取得すると、登録コマンド410に含まれる現行印刷条件データ182を不揮発性メモリ70に登録する(S202)。なお、印刷マネージャ78は、メモリ70に既に印刷条件データ74が登録されている場合には、S202では、印刷条件データ74に代えて現行印刷条件データ182を新たに登録する。即ち、印刷マネージャ78は、印刷条件データ74をメモリ70から消去し、現行印刷条件データ182をメモリ70に新たに格納する。
【0081】
なお、PC60がジョブ要求コマンド200に応じて実行する処理(S82,84,S86)、プリンタ10が実行する印刷処理(S88)、及び、それ以降の処理(図3のS90,S92参照)は、第1実施例と同様である。
【0082】
第2実施例について詳しく説明した。本実施例によると、プリンタ10は、現行印刷条件データ182がPC60に登録されるように、現行印刷条件データ182をPC60に返送する(図7のS170)。本実施例では、第1実施例と異なり、PC60に現行印刷条件データ182が登録されるために、プリンタ10に現行印刷条件データ182を登録せずに済む。このために、不揮発性メモリ20の容量が比較的少ないプリンタ10が格納すべきデータ量を低減させることができる。
【0083】
プリンタ10は、PC60に登録されている印刷条件データ400を取得し、印刷条件データ400が示す印刷条件が記述された設定ページ300を表わす設定ページデータをPC60に供給する(図8のS154,S158)。従って、PC60のユーザは、過去に自身が設定した印刷条件を参照しながら、今回の印刷で利用されるべき印刷条件を設定することができる。さらに、PC60には、印刷条件データ400に代えて、今回の印刷の際にユーザによって設定された印刷条件を示す現行印刷条件データ182が登録される(S202)。このために、最新の印刷で利用された印刷条件データをPC60に登録することができる。
【0084】
プリンタ10は、現行印刷条件データ182の登録を示す登録情報184が取得される場合(図9のS172でYESの場合)に、現行印刷条件データ182をPC60に返送し、現行印刷条件データ182の登録を示す登録情報184が取得されない場合(図9のS172でNOの場合)に、現行印刷条件データ182をPC60に返送しない。即ち、プリンタ10は、PC60からの登録情報184の内容に応じて、現行印刷条件データ182をPC60に登録するのか否かを決定することができる。即ち、プリンタ10は、現行印刷条件データ182の登録に関するPC60のユーザの意図に応じて、現行印刷条件データ182をPC60に登録するのか否かを決定することができる。
【0085】
なお、本実施例では、印刷条件データ400(図1の印刷条件データ74)が、「登録済み印刷条件データ」の一例である。印刷条件データ400が示す印刷条件(図8のS154で記述される印刷条件)が、「第3の印刷条件」の一例である。また、「YES」を示す登録情報184が、「現行印刷条件データの登録を示す情報」の一例である。
【0086】
上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の各実施例では、プリンタ10とPC60との間で通信される各情報160,170,180,190,200,220,230は、直接的に遣り取りされているが、プリンタ10とPC60の間に仲介サーバが介在している場合には、仲介サーバを介して間接的に遣り取りされてもよい。
【0087】
(2)上記の各実施例では、設定ページ300は、設定フィールド302と印刷ボタン306との両方を含む。しかしながら、例えば、プリンタ10は、設定フィールド302を含み、印刷ボタン306を含まない第1のウェブページを表わす第1のページデータをPC60に供給し、第1のウェブページ上でユーザによって設定される印刷条件を示す現行印刷条件データを取得した後に、設定フィールド302を含まず、印刷ボタン306を含む第2のウェブページを表わす第2のページデータをPC60に供給してもよい。即ち、一般的に言うと、上記の各実施例では、印刷指示用画面データと印刷設定用画面データとによって1ページ分のウェブページ(設定ページ300)が表わされるが、印刷指示用画面データによって1ページ分のウェブページが表わされ、印刷設定用画面データによって他の1ページ分のウェブページが表わされてもよい。この場合、プリンタ10は、印刷設定用画面データを、印刷指示用画面データよりも先に端末装置に供給してもよい。プリンタ10は、現行印刷条件データを取得した後に、印刷指示用画面データを端末装置に供給してもよい。
【0088】
(3)上記の各実施例では、部分印刷条件データ202は、色と解像度と用紙サイズの3個の設定項目の内容を示す。ただし、部分印刷条件データ202は、色と解像度と用紙サイズの3個の設定項目のうちの1個又は2個の設定項目の内容のみを示すものであってもよい。また、部分印刷条件データ202は、4個以上の設定項目(例えば原稿方向をさらに含む)の内容を示すものであってもよい。
【0089】
(4)プリンタ10は、さらに、スキャナ機能、ファクシミリ機能、電話機能、電子メール機能等を備えていてもよい。即ち、一般的に言うと、「プリンタ」は、PCの周辺機器である多機能機を含む。
【0090】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0091】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0092】
2:ネットワークシステム、4:ネットワーク、10,50,52:プリンタ、60:C、76:アプリケーション、78:印刷マネージャ、80:ブラウザ、82:OSプログラム、130:印刷準備コマンド、132:元データ、140:ページ取得要求コマンド、160:設定ページ要求コマンド、172:設定ページデータ、180:通知コマンド、182:現行印刷条件データ、184:登録情報、192:ステータスページデータ、200:ジョブ要求コマンド、202:部分印刷条件データ、210:対象データ供給コマンド、212:対象データ、230:印刷終了通知、240:終了コマンド、300 設定ページ、302:設定フィールド、304:登録ボタン、306:印刷ボタン、308:キャンセルボタン、400:印刷条件データ、410:登録コマンド、BPN:ブラウザのポート番号、MPN:印刷マネージャのポート番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端末装置に接続されるプリンタであって、
前記端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷指示用画面データであって、前記プリンタに印刷の実行を指示するための指示ボタンを含む印刷指示用画面を表わす前記印刷指示用画面データを、前記端末装置に供給する画面データ供給部と、
前記端末装置から、前記印刷指示用画面内の前記指示ボタンがユーザによって選択されたことを示す選択情報が取得される場合に、印刷対象の対象データの供給を前記端末装置に要求する対象データ要求部と、
前記要求に応じて前記端末装置から供給される前記対象データを取得する対象データ取得部と、
前記対象データによって表わされる画像を印刷する印刷実行部と、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記画面データ供給部は、前記端末装置の前記ウェブブラウザに割り当てられる第1のポート番号を宛先ポート番号に設定して、前記印刷指示用画面データを供給し、
前記対象データ要求部は、前記第1のポート番号と異なる第2のポート番号を宛先ポート番号に設定して、前記対象データの供給を要求する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記画面データ供給部は、さらに、前記端末装置の前記ウェブブラウザが解釈可能な印刷設定用画面データであって、前記プリンタの印刷条件を設定するための設定フィールドを含む印刷設定用画面を表わす前記印刷設定用画面データを、前記端末装置に供給し、
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から、前記印刷設定画面上で前記ユーザによって設定される第1の印刷条件を示す現行印刷条件データを取得する現行印刷条件データ取得部を備え、
前記印刷実行部は、前記現行印刷条件データが示す前記第1の印刷条件に従って、前記対象データによって表わされる前記画像を印刷する、請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記対象データ要求部は、さらに、前記対象データの供給を要求する際に、前記端末装置が、前記第1の印刷条件に含まれる複数個の設定項目の内容のうちの少なくとも一部の設定項目の内容に従って、元データから前記対象データを生成するように、前記少なくとも一部の設定項目の内容を示す部分印刷条件データを、前記端末装置に供給する、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記現行印刷条件データ取得部は、
前記端末装置から、前記現行印刷条件データの登録が指示される場合に、前記現行印刷条件データを、前記端末装置の識別情報に関連付けて不揮発性メモリに登録し、
前記端末装置から、前記現行印刷条件データの登録が指示されない場合に、前記現行印刷条件データを、前記不揮発性メモリに登録しない、請求項3又は4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記画面データ供給部が前記印刷設定用画面データを前記端末装置に供給する前に、前記端末装置から、前記端末装置の前記識別情報を取得する識別情報取得部をさらに備え、
前記画面データ供給部は、取得済みの前記識別情報に関連付けて、特定の印刷条件データが前記不揮発性メモリに登録されている場合に、前記特定の印刷条件データが示す第2の印刷条件が記述された前記印刷設定用画面データを、前記端末装置に供給する、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記現行印刷条件データ取得部が前記端末装置から前記現行印刷条件データを取得した後に、前記取得済みの前記現行印刷条件データが前記端末装置に登録されるように、前記取得済みの前記現行印刷条件データを前記端末装置に返送する返送部をさらに備える、請求項3又は4に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記画面データ供給部が前記印刷設定用画面データを前記端末装置に供給する前に、前記端末装置から、前記端末装置に登録されている登録済み印刷条件データを取得する登録済み印刷条件データ取得部をさらに備え、
前記画面データ供給部は、前記登録済み印刷条件データが示す第3の印刷条件が記述された前記印刷設定用画面データを、前記端末装置に供給し、
前記返送部は、前記現行印刷条件データ取得部が前記端末装置から前記現行印刷条件データを取得した後に、前記登録済み印刷条件データに代えて前記取得済みの前記現行印刷条件データが前記端末装置に登録されるように、前記取得済みの前記現行印刷条件データを前記端末装置に返送する、請求項7に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記返送部は、
前記端末装置から、前記現行印刷条件データの登録を示す情報が取得される場合に、前記現行印刷条件データを前記端末装置に返送し、
前記端末装置から、前記現行印刷条件データの登録を示す前記情報が取得されない場合に、前記現行印刷条件データを前記端末装置に返送しない、請求項7又は8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記画面データ供給部は、さらに、前記端末装置から前記選択情報が取得される場合に、前記端末装置の前記ウェブブラウザが解釈可能なステータス画面データであって、前記プリンタの印刷状況を示すステータス画面を表わす前記ステータス画面データを、前記端末装置に供給する、請求項1から9のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項11】
ネットワークを介してプリンタに接続される端末装置であって、
前記端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷指示用画面データであって、前記プリンタに印刷の実行を指示するための指示ボタンを含む印刷指示用画面を表わす前記印刷指示用画面データを、前記プリンタから取得する画面データ取得部と、
前記印刷指示用画面内の前記指示ボタンがユーザによって選択される場合に、前記指示ボタンが選択されたことを示す選択情報を、前記プリンタに供給する選択情報供給部と、
前記選択情報が前記プリンタに供給された後に、前記プリンタから、印刷対象の対象データの供給の要求を取得する対象データ要求取得部と、
前記要求に応じて前記対象データを前記プリンタに供給する対象データ供給部と、
を備える端末装置。
【請求項12】
前記画面データ取得部の機能は、前記端末装置の前記ウェブブラウザによって実現され、
前記対象データ要求取得部の機能は、前記端末装置の前記ウェブブラウザに割り当てられる第1のポート番号と異なる第2のポート番号が割り当てられる特定のソフトウェアによって実現される、請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
ネットワークを介して端末装置に接続されるプリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタに搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
前記端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷指示用画面データであって、前記プリンタに印刷の実行を指示するための指示ボタンを含む印刷指示用画面を表わす前記印刷指示用画面データを、前記端末装置に供給する画面データ供給処理と、
前記端末装置から、前記印刷指示用画面内の前記指示ボタンがユーザによって選択されたことを示す選択情報が取得される場合に、印刷対象の対象データの供給を前記端末装置に要求する対象データ要求処理と、
前記要求に応じて前記端末装置から供給される前記対象データを取得する対象データ取得処理と、
前記対象データによって表わされる画像を、印刷実行部に印刷させる印刷処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項14】
ネットワークを介してプリンタに接続される端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
前記端末装置のウェブブラウザが解釈可能な印刷指示用画面データであって、前記プリンタに印刷の実行を指示するための指示ボタンを含む印刷指示用画面を表わす前記印刷指示用画面データを、前記プリンタから取得する画面データ取得処理と、
前記印刷指示用画面内の前記指示ボタンがユーザによって選択される場合に、前記指示ボタンが選択されたことを示す選択情報を、前記プリンタに供給する選択情報供給処理と、
前記選択情報が前記プリンタに供給された後に、前記プリンタから、印刷対象の対象データの供給の要求を取得する対象データ要求取得処理と、
前記要求に応じて前記対象データを前記プリンタに供給する対象データ供給処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−91321(P2013−91321A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−282375(P2012−282375)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2010−67689(P2010−67689)の分割
【原出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】