説明

プリンタ用ベッドおよびこれを利用したインクジェットプリンタ

本発明はインクジェットプリンタのベッドに関し、本発明はベッド上に載置される被印刷物を空気吸入によって固定して印刷されるようにするインクジェットプリンタのベッドにおいて、全面にかけて空気吸入口が複数形成されている上部プレートと;中間が上・下に開放された案内空間からなり、前記上部プレートの下側に組み立てられる中間プレートと;前記中間プレートの下側に組み立てられ、1つ以上の空気通路が形成されている下部プレートと;前記下部プレートの各空気通路に組み立てられ、吸入ポンプと連結される接続口と;吸入される空気圧を感知して吸入される空気圧を調節することができるようにするセンサーと;を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリンタに関し、さらに詳しくは、プリンタのベッド上に載せられる出力対象物の種類、重量および大きさによってベッド内部に加えられる真空吸入状態をチェックして真空吸入力を自動に制御することができるようにすることによって、ベッド表面に被印刷物を安定的に固定させた状態で、最上の状態で高品質の印刷ができるように構成されたプリンタ用ベッドおよびこれを利用したインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェットプリンタはその被印刷物が柔軟性のある一杖の紙またはフィルムや、ロ−ル状に巻かれているものを使用する。
【0003】
したがって、インクジェットプリンタに被印刷物を挿入して、移送ローラーが被印刷物を移送する間にプリンタヘッドが出力媒体の移送方向に対して直角である横方向に水平往復運動をしながら印刷するようになっていた。
【0004】
このようなインクジェット技術は、家庭用/事務用の小型プリンタだけでなく、産業用大型プリンタにも幅広く活用されることができ、最近には、UVインクを利用した産業用インクジェットプリンタが産業全般にわたって使用されている。このような産業用インクジェットプリンタは、紙、織物のような柔軟性のある被印刷物だけでなく、木板、金属板、ガラス板などのような柔軟性がなく、大きい被印刷物に利用されることができる。
【0005】
このような産業用インクジェットプリンタは、大韓民国特許登録第10−0434825号「フラットベッドタイプインクジェットプリンタ」に開示されている。
【0006】
すなわち、上記した「フラットベッドタイプインクジェットプリンタ」は、出力媒体に柔軟性がなく、重量または厚さが大きい場合にも印刷が可能なプリンタで、内部に空気通路を有し、上面には空気吸入口を有するベッドと、前記ベッドと一体に固定されてベッドを支持する固定支持台と、前記空気通路に連結されて空気を排出または吸入する空気吸入器と、前記ベッドに結合されてヘッドが横方向に水平運動するように案内するヘッドバーと、ヘッドバーが前記ベッドに縦方向に水平運動するように案内する移送手段とを含んで構成されていた。
【0007】
したがって、一般のインクジェットプリンタは紙またはフィルム状の被印刷物が移送ローラーによって移送されながらプリンタヘッドの動作によって印刷される形態であるが、フラットベッドタイプインクジェットプリンタは、木板、金属板、ガラス板などのように重量および大きい被印刷物の表面に印刷するための構成であるので、被印刷物をベッド上に載せた状態でプリンタヘッドがベッド全体を水平移動しながら出力するように構成されたものである。
【0008】
このために、従来のフラットベッドタイプインクジェットプリンタのベッドは被印刷物をベッド上に固定させるために真空の吸入力を利用した。
【0009】
また、ベッド上面には空気吸入口が複数形成されていて、吸入力による被印刷物をベッドの表面に吸着固定させるように、ベッドの内部は空気が通過できる空間が形成されており、空気吸入口から吸入した空気を空気吸入器の方に円滑に排出することができるように、ベッドを支持する柱部が全くなく全体を1つの空間に形成させて構成した。
【0010】
しかしながら、従来のインクジェットプリンタのベッドは以下のような諸問題点が内在している。
【0011】
すなわち、従来のフラットベッドタイプインクジェットプリンタは、インク被印刷物が載せられるベッドの全面にかけて真空吸入力が作用しなければならないので、被印刷物がベッドが小さい場合、被印刷物が載せられない空気吸入口を通じて外部空気が流入されるしかない。
【0012】
したがって、被印刷物を吸着固定させるために真空吸入力は不必要に大きくなって電力消耗が多くなり、それによって真空吸入装置に無理を与えて故障の原因となり、高出力の真空吸入作動による騷音が多く発生されるという問題が発生された。
【0013】
また、ベッドの内部は広い面積の空間を有しているので、ベッド全体の内部空気を吸入するために柱部のない空間に構成されていた。
【0014】
これによって、重量の重い被印刷物が載せられる場合、ベッド上面に歪みが発生したり、破損されるためベッド全体を取り替えなければならないという大きい問題も発生された。
【0015】
このための対策として、ベッド上面の厚さを調節して歪みを防止するようにしたが、ベッドの素材は表面の平坦度のためにコストが割と高い素材を利用して製作されるので、それによる製造コストが上昇する要因となり、高価の販売値につながるため、このようなインクジェットプリンタを利用する使用者に経済的な被害を与える直接的な要因になっていた。
【0016】
また、従来のベッドには被印刷物の重量、厚さおよび大きさを考慮して真空吸入力をチェックする感知手段や制御手段が設けられていないため、ベッド上に載せられる被印刷物の重量および大きさに関係なく同じ吸着力が加えられる。
【0017】
したがって、比較的に厚さが薄く、かつ軽い被印刷物が載せられた場合、これをチェックすることができないため、高い真空吸入力が作用する場合、被印刷物の表面が空気吸入口に吸い込まれて痕が生じたり表面が曲げたりできないため、印刷ができず、被印刷物を毀損してしまい、これを知らないで印刷する場合、破損された表面に印刷ができず印刷完了された被印刷物の全体を使用することができなくなる大きい問題を発生させた。
【0018】
これによって、作業者は被印刷物の厚さ、重量および材質等を考慮して、逐一手作業によってバルブを調節して真空吸入力を調節しなければならないため、インクジェットプリンタの運用上非常に非効率的でかつ非経済的な問題が発生されている状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は上述した従来の問題点を解決するために創案されたもので、その目的は、プリンタのベッド上に載せられる出力対象物の種類、重量および大きさによってベッド内部に加えられる真空吸入状態をチェックして、真空吸入力を自動に制御することができるようにすることによって、ベッドの表面に載せられる被印刷物の種類に関係なく常に安定的に固定させた状態で最上の状態で高品質の印刷ができるように構成されたインクジェットプリンタのベッドを提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、最上の印刷のための安定的な真空吸入力を保持しながらも重量の重い出力対象物が載せられてもベッドの表面に歪みが発生されない耐久性を有するインクジェットプリンタのベッドを提供することである。
【0021】
本発明のまた他の目的は、ベッド上に出力対象物が載せられる最小限の領域に対して真空吸入力が作用して被印刷物を固定させた状態で印刷できるようにすることによって、インクジェットプリンタを効率的でかつ経済的に運用することができるように構成されたインクジェットプリンタのベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このような目的を果たすために、本発明によるインクジェットプリンタのベッドは、ベッド上に載置される被印刷物を空気吸入によって固定して印刷されるように構成されたインクジェットプリンタのベッドにおいて、全面にかけて空気吸入口が複数形成されている上部プレートと;中間が上・下に開放された案内空間からなり、前記上部プレートの下側に組み立てられる中間プレートと;前記中間プレートの下側に組み立てられ、1つ以上の空気通路が形成されている下部プレートと;前記下部プレートの各空気通路に組み立てられ、吸入ポンプと連結される接続口と;吸入される空気の圧力を感知することによって吸入ポンプと連動されて吸入される空気圧を調節することができるようにするセンサーとを含むことを特徴とする。
【0023】
これによって、プリンタのベッド上に載せられる出力対象物の種類、重量および大きさが異なってもベッドの内部空間に加えられる真空吸入状態をセンサーによってチェックして真空吸入力を自動に制御することによって、被印刷物が毀損されることなく、常に安定的に固定させた状態で、最上の状態で高品質の印刷ができる。
【0024】
一方、本発明の他の実施形態によれば、前記中間プレートの案内空間は2つ以上に区画されており、前記各空気通路および前記空気通路に設置される各接続口は前記各案内空間に対応して連結されるように構成される。
【0025】
このような構成によれば、ベッド上に出力対象物が載せられる最小限の案内空間に対してのみ真空吸入力が作用し、被印刷物が載せられていない他の案内空間には真空吸入力が作用されなくなることによって被印刷物を最適な状態で安定的に固定させた状態で印刷が行われる。
【0026】
したがって、本発明のインクジェットプリンタのベッドは不必要に真空吸入装置を稼動しなくなって電力の省エネルギー化を実現し、騷音の発生を抑制することができて、効率的でかつ経済的にインクジェットプリンタを運用することができるという長所を提供する。
【0027】
一方、本発明のまた他の実施形態によれば、本発明のインクジェットプリンタのベッドは前記中間プレートの外郭に支持枠が組み立てられており、前記支持枠の上側と下側にそれぞれ前記上部プレートと下部プレートが組み立てられて、ベッド全体の耐久性を補強するように構成されている。
【0028】
また、本発明のまた他の実施形態によれば、前記中間プレートの案内空間には連続に繰り返して案内通路が垂直に形成されて構成される。
【0029】
前記案内通路はハニカム(honeycomb)状に形成され、他の実施形態として、前記案内通路は連続に繰り返される四角形を成すように構成される。
【0030】
また、前記各案内通路は互いに連結される連結口が形成されて構成される。
【0031】
このような構成によれば、ベッド内部に設けられる複数の案内通路を有する中間プレートによって最上の印刷のための安定的で、ベッド全体に均一な真空吸入力を保持しながらも重量の重い出力対象物が載せられてもベッドの表面に歪みが発生されない耐久性を提供する。
【0032】
また、本発明のまた他の実施形態として、前記中間プレートの各案内通路の下端部は前記下部プレートの上面と間隔を隔てて構成される。
【0033】
これによって前記間隔を通じて空気が通るようにする連結口の役割を果たすことによって、均一な真空吸入力を発揮するためのまた他の形態の連結口の機能を構成することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上で説明したように、本発明によるインクジェットプリンタのベッドは、プリンタのベッド上に載せられる出力対象物の種類、重量および大きさによってベッド内部に加えられる真空吸入状態をチェックして真空吸入力を自動に制御することができる。
【0035】
これによって、ベッド表面に載せられる被印刷物の種類に関係なく常に安定的に固定させた状態で最上の状態で高品質の印刷ができる効果を発揮する。
【0036】
また、中間プレートの複数の案内通路によって、最上の印刷のための安定的でかつ均一な真空吸入力を保持しながらも重量の大きい出力対象物が載せられても案内通路の間に形成される隔壁によって確実にベッドの底面の全体が安定的に支持されることによって、ベッドの表面に歪みが発生されない耐久性を提供する効果を奏する。
【0037】
一方、本発明はベッド上に出力対象物が載せられる最小限の領域に対して真空吸入力が作用されるようにして被印刷物を固定させた状態で印刷が行われるようにすることによって、インクジェットプリンタを利用した印刷作業などを効率的でかつ経済的に運用することができるなどの効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるベッドが適用されたインクジェットプリンタの正面図である。
【図2】本発明によるベッドが適用されたインクジェットプリンタを示す図1の平面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるインクジェットプリンドのベッドの内部構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による中間プレートのハニカム案内通路の構成を詳しく示す図3の斜視図と主要部拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるインクジェットプリンドのベッドの内部構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態による中間プレートの四角形案内通路の構成を詳しく示す図3の斜視図と主要部拡大図である。
【図7】本発明によるベッドの構成を示す平面図である。
【図8】本発明によるベッドの構成を示す正断面図である。
【図9】本発明によるインクジェットプリンタのベッドの真空吸着構成を説明するための主要部拡大断面図である。
【図10】本発明によるインクジェットプリンタのベッドの真空吸着構成の他の実施形態を示す主要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付された図面を参照して本発明による好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0040】
図1は本発明によるベッドが適用されたインクジェットプリンタの正面図であり、図2は本発明によるベッドが適用されたインクジェットプリンタを示す図1の平面図であり、図3は本発明の一実施形態によるインクジェットプリンドのベッドの内部構成を示す分解斜視図であり、図4は本発明一実施形態による中間プレートの案内通路構成を詳しく説明するための図3の斜視図と主要部拡大図である。
【0041】
これを参照して説明すれば、本発明のインクジェットプリンタ100のベッド10はその上に載置される被印刷物Pを空気吸入によって密着固定して印刷するように構成される。
【0042】
本発明で用いられる被印刷物は紙、織物などのような柔軟性のある素材だけでなく、木板、金属板、ガラス板などのような柔軟性のない素材であってもよく、印刷回路基板(PCB)のような電子材料など印刷されることができる全ての素材を含む。
【0043】
このための基本構成として、上部プレート20と、中間プレート30および下部プレート40で構成される。
【0044】
まず、前記上部プレート20は所定の厚さを有し、強度の高い合成樹脂または金属材質からなり、矩形に構成される。
【0045】
また、前記上部プレート20の上面には全面にかけて複数の空気吸入口21が形成されており、前記空気吸入口21はベッド10の内部の空間面積に対応して微細な直径からなり、その間隔はベッド10の印刷面積に対応して適切な間隔を保持して正方形に連続に配列されて形成される。
【0046】
前記上部プレート20の4つの辺縁には前記中間プレート30と組み立てられることができるように複数の締結孔22が適切な間隔で形成される。
【0047】
また、前記中間プレート30は中間が上・下に開放された案内空間31で形成され、真空吸入空間を確保するために所定の高さを有するように構成される。
【0048】
このための構成として、本発明のまた他の実施形態によれば、図3に示すように、前記中間プレート30の外郭に支持枠32が組み立てられており、前記支持枠32の上側と下側にそれぞれ前記上部プレート20と下部プレート40が組み立てられて、ベッド10の全体に加えられる被印刷物Pの荷重に対してよく耐えることができる耐久性を確保するように構成される。
【0049】
前記支持枠32はプロファイル状に形成され、上部プレート20の横長に対応される横支持台33と前記上部プレート20の縦長に対応される縦支持台34とで構成される。
【0050】
したがって、前記横支持台33と縦支持台34が互いに矩形に組み立てられて、前記支持枠32を形成し、前記支持枠32は再び上部プレート20の底面辺縁にねじで組み立てられて、上部プレート20の外郭を仕上げることによって支持枠32の内側に案内空間31が確保されるように構成される。
【0051】
一方、前記下部プレート40は前記中間プレート30の下側に組み立てられるもので、前記上部プレート20と同じ大きさに形成され、一側に複数の空気通路41が形成されている。
【0052】
前記空気通路41は円形に形成されてもよく、図3に示すように、四角形状に形成されてもよく、各空気通路41の外郭に複数の締結孔42が形成されている。
【0053】
また、前記下部プレート40の空気通路41には前記案内空間31の内部空気を吸入して真空状態にするためにインクジェットプリンタ100の下部に備えられる吸入ポンプ50と連結するための接続口60が設けられて前記締結孔42にねじで組み立てられる。
【0054】
前記接続口60は前記空気通路41の形状に対応して四角形に形成され、中央に吸入ポンプ50と連結されるフレキシブル連結ホース51と接続するための接続ボス61が突出して形成されていて、この接続ボス61に連結ホース51を挿入した後、締め付け処理して空気が流出されないように密閉させて組み立てられる。
【0055】
また、前記接続口60の内側一端には空気通路41の空気圧を感知するセンサー70が備えられる。前記センサー70によって感知された信号は制御部(図示省略)に伝達され、前記制御部は空気圧信号を分析してベッド内部の空気圧が一定に保持されたり、必要によって調節されるように前記吸入ポンプ50の出力を制御する。前記吸入ポンプ50の出力の制御は吸入ポンプ50に印加される電圧の周波数(Hz)を変化させることが好ましい。
【0056】
このような基本構成によれば、インクジェットプリンタ100のベッド10の上に載せられる被印刷物Pの種類、重量および大きさが異なっても前記ベッド10の内部空間に加えられる真空吸入状態、すなわち、空気の圧力をセンサー70によって感知して吸入ポンプ50の出力を自動に制御することができる。
【0057】
このような長所は、従来のように所定の圧力で加えられる真空吸入力によって被印刷物の毀損されることを防止することができ、被印刷物Pの重量と大きさに適合するように常に安定的な真空吸入力で、ベッド10の上に密着固定させることができるので、最上の状態で高品質の印刷を持続的にするこができる。
【0058】
また、本発明によるインクジェットプリンタ100のベッド10は、従来のように、ベッド上に載せられる被印刷物が状態によって真空吸入力を手動でバルブ開閉操作によって調節したのに比べて適切な真空吸入力を自動に制御することができて、加工物の種類によってプログラム化させて真空吸入力を自動に調節できるようにシステムを具現することができる。
【0059】
また、前記接続口60の内部に設けられるセンサー70は予め設定されていない突発状況、例えば、前記ベッド10の空気吸入口21に被印刷物Pまたはその他の物によって空気吸入口21が遮られて案内空間31の内部の真空吸入力が上昇されてもセンサー70がこれを感知して適正水準の真空吸入力を保持するように吸入ポンプ50の出力を調節することができて、装置の破損を防止することができ、効率的でかつ経済的にインクジェットプリンタの印刷作業を運用することができるという長所を発揮する。
【0060】
一方、本発明の他の実施形態によれば、図1〜図3に示すように、前記中間プレート30の案内空間31は2つ以上に区画されて構成され、図8に示すように、ベッド10の全体面積を三等分して第1案内空間V1、第2案内空間V2および第3案内空間V3を確保するように構成し、前記センサー70は第1センサーS1、第3センサーS2および第3センサーS3で構成される。
【0061】
これによって、前記各空気通路41および前記空気通路41に設置される各接続口60は前記各第1案内空間V1、第2案内空間V2および第3案内空間V3にそれぞれ連結されるように構成され、前記各接続口60の接続ボス61にもそれぞれの吸入ポンプ50が連結ホース51によって連結されている。
【0062】
ここで、前記吸入ポンプ50はそれぞれの接続口60と連結できるようにそれぞれ備えられたことを説明したが、必要によって、中、小型のインクジェットプリンタの場合には、1つの吸入ポンプを利用してバルブの開閉制御によって複数の案内空間に加えられる真空吸入力を調節することができるように構成することもできる。
【0063】
このような構成によれば、図7および図8に示すように、ベッド10の上に被印刷物Pが載せられる最小限の案内空間31に対してのみ真空吸入力が作用し、被印刷物Pが載せられていない他の案内空間31には真空吸入力が作用しなくなるので、被印刷物を最小限の真空吸入力でベッド10の上に安定的に固定させた状態で印刷が行われる。
【0064】
例えば、第1案内空間V1のみに小型の被印刷物P1が載せられる場合、第1センサーは真空吸入力を感知して吸入ポンプを適切な圧力で稼動させる。
【0065】
しかし、第2案内空間V2および第3案内空間V3には真空吸入力が作動する必要がないため、これを第2センサーS1および第3センサーS3が感知して吸入ポンプの稼動を待機状態に保持し、所定時間が経過すると稼動を中断させることができるようにプログラム化させることができる。
【0066】
また、中型被印刷物P2がベッド上に載せられる場合には、第1案内空間V1および第2案内空間V2に真空吸入力がともに作用し、大型の被印刷物P3がベッド上に載せられる場合には、第1案内空間V1、第2案内空間V2および第3案内空間V3に真空吸入力がともに作用することによって、これを第1センサーS1、第3センサーS2および第3センサーS3が感知してそれぞれの案内空間V1、V2、V3にかかる真空吸入力を互いに比較して被印刷物に重量および大きさによって均一でかつ安定的に吸着固定されることができるように、それぞれの吸入ポンプ50の出力の程度を選択して制御できるように構成される。
【0067】
このような構成によれば、不必要に真空吸入装置などを稼動させなくなって省電力を実現し、騷音の発生を抑制することができるなど本発明のインクジェットプリンタのベッドは効率的でかつ経済的にインクジェットプリンタを運用することができるという大きい長所を発揮する。
【0068】
また、本発明のまた他の実施形態によれば、前記中間プレート30の案内空間31には連続に繰り返して案内通路80が垂直に形成されて構成される。
【0069】
前記案内通路80は多様な形状に形成されることができるが、製作の効率性を考慮した構成として、図3および図4に示すように、ハニカム形状に形成される。
【0070】
また、前記各案内通路80には互いに連結される連結口81が形成されて構成される。
【0071】
すなわち、図9に示すように、前記連結口81はハニカム案内通路80を構成する隔壁82に全部形成されて案内通路80の間に空気が互いに通過するようにすることによって、真空吸入力がそれぞれの案内通路80に均一に配分されて作用することができるように構成される。
【0072】
このような案内通路80の構成によれば、前記空気吸入口21がそれぞれのハニカム案内通路80に適切な数で配置されて位置する。
【0073】
したがって、ベッド10の内部の案内空間31に真空吸入力が作用すると、ハニカム案内通路80に面積に対応して同じ空気圧が作用し、それぞれの案内通路80は連結口81を通じて空気が通るようにすることによって、空気吸入口21の吸入力も均一に作用されることができて、上部プレート20に載せられる被印刷物Pが毀損されないで安定的に吸着固定されることができる。
【0074】
ここで、参考に、前記ハニカム案内通路80を製作する方法を簡単に説明すると、図面には図示しないが、所定の厚さと幅を有する紙または合成樹脂板を長手方向に切断した後垂直に立てて重なるように連続的に配置する。
【0075】
次に、六角形の対向する接着面83を互いに交差して接合し、その中間は折り畳まれることができるように折り目84を形成した後、連結口81を形成するために、重ねた状態で接着面83とその両側の面に孔を打孔して連結口を形成する。
【0076】
このような状態で両側を引っ張ると接着面83を中心に両側の折り目84が内外側に折曲されながら六角形のハニカム形状の案内通路80が形成され、ハニカム案内通路80の側壁には連結口81が形成される。
【0077】
また、このような案内通路90の他の実施形態として、図5および図6に示すように、連続に繰り返される四角形を成すように構成される。
【0078】
また、前記各案内通路90には互いに連結される前記連結口91が形成されて構成される。
【0079】
すなわち、図9に示すように、四角形案内通路90と前記連結口91は、前記したハニカム案内通路80とともに案内通路90を構成する隔壁92に全部形成されて、案内通路90の間に空気が互いに通って真空吸入力が均一に作用することができるように構成される。
【0080】
このような四角形案内通路90の構成によれば、前記空気吸入口21がそれぞれの四角形案内通路90に適切に配置されて位置する。
【0081】
したがって、ベッド10の内部の案内空間31に真空吸入力が作用すると、四角形案内通路90にもそれぞれの面積に対応される均一な空気圧が作用し、それぞれの案内通路90は連結口91を通じて空気が互いに通ることによって、結局、それぞれの空気吸入口の吸入力も均一に作用されることができて、ベッド10上に載せられる被印刷物Pが毀損されないで安定的に吸着されて固定されることができる。
【0082】
参考に、前記四角形案内通路90を構成する方法を説明すれば、図面には図示しないが、所定の厚さと幅を有する紙または合成樹脂板を長手方向に切断した後、垂直に立てて格子状に互いに連結して連続に配列して構成することができる。
【0083】
このような構成によれば、ベッド上部プレート20および下部プレート40の間に備えられる複数のハニカム案内通路80または四角形案内通路90の構成による案内空間31を有する中間プレート30がさらに設けられることによって、最上の品質で印刷ができるように、ベッド10全体に均一な真空吸入力を保持しながらも重量の重い被印刷物Pが載せられてもハニカム案内通路80および四角形案内通路90によって支持され、その外郭に支持枠32が支持することによってベッド10の表面に歪みが発生されない耐久性を提供することができる。
【0084】
また、本発明のまた他の実施形態として、図10に示すように、前記ハニカム案内通路80または四角形案内通路90を有する中間プレート30の各案内通路の下端部は前記下部プレート40の上面と間隔Dを有して構成される。
【0085】
これによって、前記間隔Dを通じて空気が通るようにする前記連結口81、91の役割を代替することによって上述したように、ベッド10の内部の案内空間31に真空吸入力が作用すると、それぞれの案内通路80、90に面積に対応して均一な空気圧が作用し、それぞれの案内通路80、90には間隔Dを通じて空気が互いに通るようにすることによって、それぞれの空気吸入口21の吸入力も均一に作用されることができて、ベッド10上に載せられる被印刷物Pが毀損されないで、安定的に吸着されて固定されることができる。
【0086】
このような間隔を有する中間プレート30はそれぞれの案内通路80、90の内部に均一な真空吸入力を発揮するためのまた他の形態の連結口の機能を構成することができる。
【0087】
以上の説明で、本発明のインクジェットプリンタのベッドは、被印刷物が重量および大きさに対して真空吸入力が接続口に設けられたセンサーによって真空吸入力が比較されて分割区画されたそれぞれの案内空間に真空吸入力を自動に調節することができる構成で、前記案内空間は3つ以上に区画されて構成されてもよく、前記センサーの感知位置も接続口側に設置されたことに制限されないで、ベッドの構成に対応して位置が変更されることができることは当然である。
【0088】
また、前記案内通路および連結口はハニカムまたは四角形の以外にも円形または多角形など多様な構成に変形して実施されることができる。
【産業上利用可能性】
【0089】
本発明はプリンタのベッド上に載せられる出力対象物の種類、重量および大きさによってベッドの内部に加えられる真空吸入状態をチェックして真空吸入力を自動に制御できるようにすることによって、ベッドの表面に被印刷物を安定的に固定させた状態で、最上の状態で高品質の印刷ができるように構成されたプリンタ用ベッドおよびこれを利用したインクジェットプリンタに関する。
【符号の説明】
【0090】
10:ベッド 20:上部プレート
21:空気吸入口 22、42:締結孔
30:中間プレート 31:案内空間
32:支持枠 40:下部プレート
41:空気通路 50:吸入ポンプ
51:連結ホース 60:接続口
70:センサー 80、90:案内通路
81、91:連結口 D:間隔
P:被印刷物 100:インクジェットプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド上に載置される被印刷物を空気吸入によって固定して印刷されるようにするインクジェットプリンタ用ベッドにおいて、
全面にかけて空気吸入口が複数形成されている上部プレートと;
中間が上・下に開放された案内空間からなり、前記上部プレートの下側に組み立てられる中間プレートと;
前記中間プレートの下側に組み立てられ、1つ以上の空気通路が形成されている下部プレートと;
前記下部プレートの各空気通路に組み立てられ、吸入ポンプと連結される接続口と;
前記吸入ポンプによる前記ベッド内部の空気圧を調節できるように、前記ベッド内部の空気圧を感知し、感知結果を前記吸入ポンプの作動を制御する制御部に伝送するセンサーと;
を含むことを特徴とするインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項2】
前記中間プレートの案内空間は2つ以上に区画されており、前記各空気通路および前記空気通路に設置される各接続口は前記各案内空間に対応して連結されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項3】
前記区画された案内空間上に被印刷物がない場合に、発生される空気圧が前記センサーによって感知されると、前記制御部は前記センサーの感知結果に基づいて前記被印刷物のない案内空間に連結された吸入ポンプの作動が停止されるように制御することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項4】
前記中間プレートの外郭で支持枠が組み立てられており、前記支持枠の上側と下側にそれぞれ前記上部プレートと下部プレートが組み立てられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項5】
前記中間プレートの案内空間には連続に繰り返して案内通路が垂直に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項6】
前記案内通路はハニカム形状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項7】
前記案内通路は連続に繰り返される四角形を成すことを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項8】
前記各案内通路は互いに連結される連結口が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項9】
前記中間プレートの各案内通路の下端部は前記下部プレートの上面と間隔を有するようにすることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ベッド。
【請求項10】
請求項1によるベッドを含むインクジェットプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−505093(P2012−505093A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530954(P2011−530954)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005812
【国際公開番号】WO2010/041911
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(505335441)インクテック カンパニー リミテッド (19)
【Fターム(参考)】