プリンタ
【課題】印字面の反対側に接着剤が露出した状態でプリンタから排出される被印字媒体の印字物を一時的に安全に保持することができるプリンタを提供することを目的とする。
【解決手段】テープ基材が台紙に剥離可能に貼着されてなる印字テープをサーマルヘッドとプラテンローラの間に挟んで搬送するとともにテープ基材に印字を行う。テープ基材に印字がされた印字テープは、剥離部によって台紙が剥離されるとともに、接着剤が露出したテープ基材の印字部分はプリンタ本体外に排出されてラベルが作成される。装置本体の外表面には、接着剤が付着しにくい加工を施した仮貼着部が設けられており、その仮貼着部に作成したラベルを仮貼着して一時的に保持することができる。
【解決手段】テープ基材が台紙に剥離可能に貼着されてなる印字テープをサーマルヘッドとプラテンローラの間に挟んで搬送するとともにテープ基材に印字を行う。テープ基材に印字がされた印字テープは、剥離部によって台紙が剥離されるとともに、接着剤が露出したテープ基材の印字部分はプリンタ本体外に排出されてラベルが作成される。装置本体の外表面には、接着剤が付着しにくい加工を施した仮貼着部が設けられており、その仮貼着部に作成したラベルを仮貼着して一時的に保持することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字面の反対面に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を一時的に保持可能なプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字テープに印字を行うプリンタとして特許文献1に記載されるものがある。このプリンタは、テープ基材の反対面に接着剤層を層成しただけの安価な印字テープを使用し、プラテンの表面にテープ基材の接着剤層に貼着しにくい剥離層を形成するとともに、そのプラテンを回転駆動機構により回転させることにより印字テープを搬送し、プラテン上の印字テープの印字面に印字ヘッドにより印字を行うものである。
また、特許文献2に記載されるものは普通のテーププリンタであり、テープ基材の印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる印字テープを使用し、プラテンを回転駆動することにより印字テープを搬送し、プラテン上の印字テープの印字面に印字ヘッドにより印字を行うものである。この特許文献2のプリンタは、テープ基材の反対面の接着剤が台紙によって保護されているため、特許文献1のプリンタのようにプラテンの表面に特殊な処理はされていない。
【特許文献1】特開平6−312545号公報
【特許文献2】特開2000−6501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に示すプリンタは、テープ基材の一方の面に接着剤層を層成しただけの印字テープを使用するものであり、テープ基材の接着剤層を保護する台紙を備えた印字テープに比べて印字テープの構造が簡単なため、印字テープが安価であり、印刷コストを低減できる利点がある。また、この印字テープにより作成した印字物は、テープ基材に接着剤層が露出した状態でプリンタから排出されるため、接着剤層を保護する台紙付の印字テープの場合のように、台紙をテープ基材から剥離する面倒な作業が不要となり、プリンタでの印字後、直ちに印字物を対象物に貼着できる点で便利である。
【0004】
上記特許文献1に示すプリンタは、出来上がった印字物を直ぐに対象物に貼着すれば問題はないが、暫く時間をおいてから対象物に貼着する場合もある。例えば、複数枚の印字物を連続した印字処理により作成し、次にその作成した複数枚の印字物をまとめて対象物に貼着する方が作業能率がよい場合がある。しかしながら、上記特許文献1に示すプリンタでは、出来上がった印字物の印字面の反対側には接着剤層が露出しているため、直ぐに利用しない場合は、一時的でも持て余し取扱に困ることがある。すなわち、接着剤層が露出した状態で印字物を放置することは、その取扱に注意しないと印字物が貼着対象物以外のものに貼り付くなどのトラブルが生じ、接着剤が他に転移して折角作成した印字物が無駄になってしまう等の問題が生じる虞がある。このような問題に関して上記特許文献1に示すプリンタでは、特に配慮はなされていない。
【0005】
また、上記特許文献2に示すプリンタでは、テープ基材の反対面の接着剤が台紙によって保護されているため、出来上がった印字物を直ぐに使用しないでそのまま暫く放置しておいても上記特許文献1のような問題はない。しかし、作成した複数枚の印字物の台紙をまとめて剥離し、それを対象物にまとめて貼着するような場合、一時的にも接着剤層を露出した状態に置くことは、適切な印字物の管理を行わない限り上記特許文献1と同様な問題が生じる。
【0006】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、印字面の反対側に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を一時的に安全に保持することができるプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、印字面の反対面に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を、前記接着剤が露出した状態で装置本体外に排出するプリンタにおいて、前記装置本体の外表面に、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にフッ素樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にシリコン樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面に微小な凹凸形状を設けて形成したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、前記装置本体の外表面には、印字するデータを入力する入力手段、入力されたデータを表示する表示手段及び前記被印字媒体が排出される排出口が配置されており、前記被印字媒体仮貼着部は、その部位に前記被印字媒体が仮貼着された場合に、前記入力手段、前記表示手段及び前記排出口の機能を妨げることがない前記装置本体の外表面位置に配置することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の端部に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うプリンタにおいて、前記装置本体の外表面に、印字面に印字が行われ台紙を剥離した状態の前記被印字媒体を仮貼着するべく、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる被印字媒体の印字物を、一時的に仮貼着部に仮貼着して保持することができ、その印字物が利用されるまでの間、安全に保持することができる。また、仮貼着部は接着剤が付着しにくい加工が施されているため、仮貼着時に被印字媒体の接着剤がプリンタの装置本体に移行して損なわれることがなく、被印字媒体の接着強度を確保することができる。
【0015】
また、請求項7の発明によれば、印字面に印字が行われ、その反対面に塗布された接着剤が台紙を剥離することにより露出した状態の印字物を、一時的に仮貼着部に仮貼着して保持することができ、その印字物が利用されるまでの間、安全に保持することができる。また、仮貼着部は接着剤が付着しにくい加工が施されているため、仮貼着時に被印字媒体の接着剤がプリンタの装置本体に移行して損なわれることがなく、被印字媒体の接着強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係るプリンタを前部から見た外観を示す斜視図であり、図2はそのプリンタを後部から見た外観を示す斜視図である。
【0017】
図1及び図2に図示するように、プリンタ10の装置本体11は第1の筐体部12と第2の筐体部13が側面視L型の形状をなしている。このプリンタ10はその装置本体11が携帯可能なサイズに形成されており、第1の筐体部12を片手で保持し他の片手で印字データの入力やその編集、あるいは印字出力など、ラベルを作成のための一連の操作をすることができるようになっている。
【0018】
第1の筐体部12の外側面の正面にはキー入力部14と表示部15が設けられている。また、第1の筐体部12の内部にはプリンタ装置に必要な種々の制御を行う電子回路やプリンタ装置の動作電源となる電池電源が収納されようになっている。また、第2の筐体部13は開閉蓋20を備え、その内部にプリンタ機構が設けられるとともに、印字のための消耗品が収容可能になっている。この第2の筐体部13の外表面には、作成されたラベルを一時的に保持するために仮貼着する仮貼着部16が設けられている。この仮貼着部16については、更に後に説明する。
【0019】
キー入力部14は、プリンタ装置の電源の入切を行う電源キー、印字データとして任意の文字データを入力する文字入力キー、印字開始を指示する印字キー、表示部15の表示画面上でカーソルを移動操作するカーソルキー、印字モードの設定や各種設定処理を行う種々の制御キーなどを備えている。また、表示部15は液晶表示装置であり、キー入力部14から入力された文字データを表示するとともに、各種設定処理のための選択メニュー画面の表示を行い、その他、種々の処理に関する必要なメッセージなどの表示を行い。また、表示部15には、作成されるラベルの長さや印字モードの状態などの各種の情報も表示されるようになっている。
【0020】
図3はプリンタに使用する消耗品としての印字テープを保持するテープカセットの斜視図を示している。また図4はテープカセットに保持される印字テープの断面を示している。図3に図示するように、テープカセット70は器状のケース部72とそのケース部72の上方開口部を覆う板状のカバー部73を組み立てて構成したカセットケース71を備えている。このカセットケース71の内部にはテープ保持リール74に巻装された印字テープ90が保持されるとともに、リボン保持リール75に巻装されリボン巻取りリール76に巻き取られるインクリボン85が保持されている。
【0021】
印字テープ90は、テープ保持リール74からカセットケース71外に繰出されてプリンタ10の印字ヘッドが配置されるヘッド配置部77を通りカセットケース71の外側面に設けたガイド部78に案内されてテープ送りされるようになっている。図4に図示するように、印字テープ90は印字が行われるテープ基材91を備え、そのテープ基材91の印字が行われる印字面の裏側に接着剤93が塗布され、その接着剤の塗布面を保護するべくテープ基材91と剥離可能にして台紙92が貼着されている。このテープカセット70では、テープ基材91を内向きとし台紙92が外向になるようにして印字テープ90がテープ供給リール44にロール状に巻装されており、ヘッド配置部77に配置される印字ヘッドにテープ基材91の印字面が対面するようにして印字テープ90がカセットケース71の外に引き出される。
【0022】
また、カセットケース71の外側面の複数の隅部にはテープカセット70がプリンタ10に装着されたときにプリンタ10に設けた支持構造によって所定位置に支持される被支持部79が設けられる。このテープカセット70は幅の異なる印字テープ90を保持した複数種類が用意されており、その複数種類のテープカセット70のうちの1個がプリンタ10に選択的に装着できるようになっている。また、図示しないが、前記被支持部79にはそのテープカセットの種類をプリンタ10によって識別するためにプリンタ10によって検出可能な識別部が設けられている。この識別部に対応してプリンタ10に設けられるテープカセット70の検出手段は、例えば、複数個の電気スイッチで構成され、その複数個の電気スイッチのオン・オフの状態の組合せによってテープカセット70の種類の検出が行われるようになっている。そのため、各テープカセット70に設ける識別部は、そのテープカセット70の種類に応じて前記複数個の電気スイッチを所定の組合せでオン・オフ動作させる所定の形状的な特徴を有している。
【0023】
また、図5は開閉蓋を開放した状態のプリンタとそのプリンタに装着される消耗品としての印字テープを保持するテープカセットの斜視図であり、図6は開閉蓋を開放した状態のプリンタの正面図である。また、図7は開閉蓋を開放し、テープカセットを装着した状態のプリンタの斜視図であり、図8は同じく正面図である。
【0024】
図5ないし図8に図示するように、プリンタ10の第2の筐体部13の内部には印刷消耗品である印字テープを保持するテープカセット70を装着するためのカセット収容部30が形成されている。このカセット収容部30は、第2の筐体部13の底部に回動自在にヒンジ21で結合された開閉蓋20によって開閉可能にカバーされており、開閉蓋20を開放してカセット収容部30にテープカセット70を装着し、テープカセット70の装着後に開閉蓋20を閉止するようになっている。
【0025】
このカセット収容部30には、印字テープ90に印字を行うための印字機構が設けられている。すなわち、カセット収容部30の底部から立設して印字テープ90を搬送するためのプラテンローラ31が設けられ、そのプラテンローラ31に対向して印字ヘッド(サーマルヘッド)32が設けられている。前記プラテンローラ31は不図示のモータ駆動源によって回転駆動され、印字時に前記サーマルヘッド32との間に印字テープ90を挟んで所定の印字スピードに対応する搬送量で印字テープ90を下流側に向けて搬送する。また、前記サーマルヘッド32は印字テープ90の搬送方向と直交する印字テープ90の幅方向に発熱素子が1列に配置されており、印字テープ90の長さ方向に印字を行う。このサーマルヘッド32は、不図示のヘッド移動機構により回転軸33の軸周りに回動しプラテンローラ31に対して接離可能に設けられている。このヘッド移動機構は開閉蓋20の開閉の動きに連動し、開閉蓋20が閉止状態では、サーマルヘッド32はプラテンローラ31に圧接し、開閉蓋20が開放されるとサーマルヘッド32はプラテンローラ31から開離するようになっている。
【0026】
また、カセット収容部30の内部には、テープカセット70のリボン巻取リール76に係合してリボン巻取リール76をリボン巻取り方向に回転させ、印字に使用したインクリボン89をカセットケース71内に巻き取るリボン巻取軸33が設けられている。このリボン巻取軸33も不図示のモータ駆動源によりプラテンローラ31とともに回転駆動される。
【0027】
サーマルヘッド32がプラテンローラ31に当接して印字テープ90のテープ基材91に対して印字が行われる印字位置からテープ搬送方向の下流側に印字テープ90のテープ基材91から台紙92を剥離するための剥離部35が設けられている。この剥離部35は、搬送される印字テープ90のテープ基材91とは反対側の台紙92に対面して配置されており、搬送される印字テープ90を案内する第1のガイド部36と印字テープ90のテープ基材91から剥離された台紙92を案内する第2のガイド部37とを備えている。前記第1のガイド部36と前記第2のガイド部37とは鋭角をなしており、第1のガイド部36のガイド面と第2のガイド部37のガイド面とが交わる断面鋭角の頂点がテープ基材91から台紙92を剥離するためのエッジ部38になっている。このエッジ部38は印字テープ90の搬送方向と直交する方向に向いて配置されている。また、このエッジ部38は、カセット収容部30に装着可能な複数種類のテープカセットに保持される印字テープのうちで最大幅の印字テープより大きな幅を有しており、このエッジ部38で印字テープ90の台紙92を印字テープ90の搬送方向に対して鋭角度で折り返すように所定方向に向けて搬送することにより台紙92の剥離を行うようにしている。
【0028】
また、プラテンローラ31を挟んでサーマルヘッド32によって印字が行われる印字位置の反対側にプラテンローラ31に対向してピンチローラ44が設けられている。印字時に、プラテンローラ31とピンチローラ44の間で剥離部35によって剥離された台紙92を挟んでテープ基材91の搬送方向とは異なる装置本体11外の方向に向けて搬送するようにしている。前記ピンチローラ44は、回転軸45を中心に回動可能に設けられたブラケット46に回転可能に設けられている。このブラケット46は不図示の弾性部材によってプラテンローラ31から開離する方向に付勢される一方、ブラケット46の背部にバネ材47が設けられている。そして、開閉蓋20の閉止時に開閉蓋20のヒンジ側に設けた押圧操作部22によってバネ材47を介してブラケット46が押圧されて回転軸45を中心に回動し、ピンチローラ44がプラテンローラ31との間に台紙92を挟んだ状態でプラテンローラ31に圧接する。また、開閉蓋20の開放時には前記弾性部材の復帰によって開閉蓋20の閉止時とは逆にブラケット46が回転軸45を中心に回動し、ピンチローラ44がプラテンローラ31から開離する。
【0029】
このように、開閉蓋20の開閉の動きに連動して、ピンチローラ44がプラテンローラ31に対して接離するとともに、サーマルヘッド32も開閉蓋20の開閉の動きに連動してプラテンローラ31に対して接離するように構成されている。なお、カセット収容部30の開閉蓋20の開閉の動きに連動してサーマルヘッド32がプラテンローラ31に接離することはテーププリンタでは周知の技術であるため、その説明は省略する。
【0030】
また、剥離部35の下流側には、装置本体11外に通じるテープ基材排出口48が形成されており、サーマルヘッド32と剥離部35との間に印字テープ90のテープ基材91を切断するためのカッター部50が設けられている。カッター部50はカッターホルダー51に保持された切断刃52を備えており、この切断刃52は搬送される印字テープ90のテープ基材91に対面して配置されている。
【0031】
また、第2の筐体部13において、前記テープ基材排出口48が設けられた側面とは異なる他の側面にはテープ基材91から剥離された台紙92が装置本体11の外部に排出される台紙排出口59が設けられている。さらに、カセット収容部30には、テープカセット70に設けた被支持部79と係合してテープカセット70をカセット収容部30内の所定位置に支持する支持部60が設けられている。また、テープカセット70に設けられた識別部を検出するための複数個の電気スイッチ61が設けられている。
【0032】
図1及び図2に戻って、プリンタ10の装置本体11の第2の筐体部13には印字テープ90によって作成されたラベルを仮貼着しておくための仮貼着部16が設けられている。このプリンタ10では、剥離部35によって台紙92がテープ基材91から剥離されるため、カッター部50によって切断されるテープ基材91の印字部分であるラベルは、その印字面の反対面の接着剤層93が露出した状態でテープ基材排出口48から装置本体11外に排出されることになる。そこで、作成されたラベルは、その接着剤層93を下にして装置本体11の仮貼着部16に一時的に仮貼着しておくことができるようになっている。
【0033】
前記仮貼着部16は、印字テープ90の接着剤93が付着しにくい加工が施されている。例えば、装置本体11の外表面にフッ素樹脂がコーティング処理される。あるいは、シリコン樹脂がコーティング処理される。このように処理することにより、装置本体11の外表面が接着剤93に対して非貼着性を有し、仮貼着したラベルを剥がす際に接着剤93が装置本体11の外表面に移行することがなく、ラベルの裏面に保持される接着剤93が損なわれることがない。そして、ラベルを仮貼着することにより安全に保持することができ、また使用時には仮貼着部16から容易に剥がすことができる。また、前記仮貼着部16は、装置本体11の外表面に微小な凹凸形状を形成するようにしてもよい。例えば、梨地等のシボを付与する表面加工を施すものである。このような微小な凹凸形状を設けることにより、接着剤層の接触面積が小さくなり、接着力が弱くなるためラベルの仮貼着が可能になる。
【0034】
前記仮貼着部16の位置は、図1及び図2に図示の位置に限定されず、装置本体11の適宜な位置に配置することができる。しかし、その仮貼着部16にラベルを仮貼着した場合、キー入力部14の入力操作の邪魔になったり、あるいは表示部15の表示の確認や排出口48からのテープ排出に障害が出るような位置に配置することは避けることが好ましい。そのような好ましい位置としては、装置本体11の端部の外表面が適当である。
【0035】
図9はこのプリンタの電子回路の構成のブロック図を示している。同図に示すように、このプリンタの電子回路には、コンピュータであるCPUからなる制御部100が備えられる。制御部100は、キー入力部14からのキー操作信号に応じてROM101に予め記憶されている装置制御プログラムを起動させ、RAM102をワークメモリとして回路各部の動作を制御するもので、この制御部100には、前記キー入力部14、ROM101、RAM102が接続される他、表示用の文字フォントを格納する表示用フォントROM103、印字用の文字フォントを格納する印字用フォントROM104、サーマルヘッド32を印字データに応じて発熱駆動する駆動回路105、プラテンローラ31及びリボン巻取軸33を駆動するためのステップモータからなる搬送モータ106の駆動回路107が接続され、また入力されたテキストの文字データなどを表示するための表示部15が接続される。また、電池電源108を備え、その電池電源の電圧を前記各回路部の動作電圧に調整して各部に供給する電源回路109を備えている。
【0036】
前記ROM101には、キー入力部14から入力された文字を印字するためのプログラムが記憶されている。また、前記RAM102には、キー入力された文字データを記憶する入力データメモリ、印字データが記憶される印字データメモリ、表示部15に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリの各領域が確保され、印字処理などに必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタなどが設けられている。
【0037】
次に、プリンタ10の印字動作について説明する。このプリンタ10では、開閉蓋20を開放してカセット収容部30を開口すると、その開閉蓋20の動きに連動してサーマルヘッド32がプラテンローラ31から開離するとともに、プラテンローラ31からピンチローラ44が開離するようになっている。また、開閉蓋20を閉じると、開閉蓋20の動きに連動してサーマルヘッド32がプラテンローラ31に圧接し、ピンチローラ44もプラテンローラ31に圧接するようになっている。
【0038】
そこで、開閉蓋20を開放してカセット収容部30にテープカセット70を装填する。このテープカセット70を装填する場合、予め印字テープ90の先端部において、テープ基材91から台紙92を剥離した状態とし、テープカセット70から外部に繰り出された印字テープ90をサーマルヘッド32とプラテンローラ31の間に配置するとともに、テープ基材91から剥離した台紙92をプラテンローラ31とピンチローラ44の間に挿入する。その状態で開閉蓋20を閉じることにより、印字テープ90がサーマルヘッド32とプラテンローラ31の間に挟まれて配置され、印字テープ90の先端部の台紙92がプラテンローラ31とピンチローラ44の間に挟まれて配置される。
【0039】
しかして、キー入力部14から文字データを入力し、その印字を指示すると、印字テープ90とインクリボン89とがテープカセット70から引き出され、重ね合わせた状態でプラテンローラ31とサーマルヘッド32の間に挟まれて共に搬送されるとともに、サーマルヘッド32が入力文字データのパターンに基づいて発熱駆動されてインクリボン89のインクが印字テープ90のテープ基材91に熱転写されて印字が行われる。また、テープ基材91への印字とともに、剥離部35によってテープ基材91から台紙92が剥離され、台紙92が剥離されたテープ基材91の印字済部分がテープ基材排出口48から装置本体11の外部に排出される。また、テープ基材91から剥離された台紙92は台紙排出口59から装置本体11の外部に排出される。
【0040】
印字処理が終了すると、プラテンローラ31による印字テープ90及び台紙92の搬送は停止される。そこで、テープ基材排出口48から装置本体11の外部に排出されたテープ基材91の印字部分の先端を摘んでカッター部50の切断刃52に押し当ててテープ基材91の印字部分を切断する。これにより、台紙92のないラベルを作成することができる。ラベルを作成した後、直ちに対象物に貼り付けることもできるが、仮貼着部16に仮貼着しておくこともできる。図10及び図11はラベルL1、L2を仮貼着した様子を示している。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態のプリンタによれば、装置本体11に仮貼着部16を設けたため、印字面の反対側に接着剤93が露出した状態で作成される被印字媒体のラベルL1,L2を、一時的に仮貼着部26に仮貼着して保持することができ、そのラベルL1,L2が利用されるまでの間、安全に保持することができる。また、仮貼着部16は接着剤93が付着しにくい加工が施されているため、仮貼着時にラベルL1,L2の接着剤93がプリンタ10の装置本体11に移行して損なわれることを防止し、ラベルL1,L2の接着強度を確保することができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態の台紙の剥離機能を有するプリンタに限定されるものではない。例えば、前述の特許文献1のプリンタのように、台紙のない印字テープを使用するプリンタに適用することもできる。また前述の特許文献2のように、台紙付の状態で印字物(ラベル)を作成するプリンタにも適用することができる。この場合にも作成したラベルの台紙を剥離した場合、そのラベルの裏側に接着剤が露出することになるが、プリンタ本体に仮貼着部26を設けることにより、ラベルを安全に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタを前部から見た外観を示す斜視図。
【図2】そのプリンタを後部から見た外観を示す斜視図。
【図3】そのプリンタに使用するテープカセットの斜視図。
【図4】そのテープカセットに保持される印字テープの断面図。
【図5】そのプリンタの開閉蓋を開放した状態及びそのプリンタに装着されるテープカセットの斜視図。
【図6】そのプリンタの開閉蓋を開放した状態の正面図。
【図7】そのプリンタの開閉蓋を開放してテープカセットを装着した状態の斜視図。
【図8】そのプリンタの開閉蓋を開放してテープカセットを装着した状態の正面図。
【図9】そのプリンタの電子回路の構成を示すブロック図。
【図10】そのプリンタにラベルを仮貼着した状態の前部から見た斜視図。
【図11】そのプリンタにラベルを仮貼着した状態の後部から見た斜視図。
【符号の説明】
【0044】
10…プリンタ 11…装置本体 12…第1の筐体部 13…第2の筐体部
14…キー入力部 15…表示部 16…仮貼着部 20…開閉蓋
30…カセット装填部 31…プラテンローラ 32…印字ヘッド(サーマルヘッド) 33…リボン巻取軸 35…剥離部 36…第1のガイド部 37…第2のガイド部
38…エッジ部 44…ピンチローラ 48…テープ基材排出口 50…カッター部
59…台紙排出口 70…テープカセット 71…カセットケース 90…印字テープ 91…テープ基材 92…台紙 93…接着剤 L1、L2…ラベル
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字面の反対面に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を一時的に保持可能なプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字テープに印字を行うプリンタとして特許文献1に記載されるものがある。このプリンタは、テープ基材の反対面に接着剤層を層成しただけの安価な印字テープを使用し、プラテンの表面にテープ基材の接着剤層に貼着しにくい剥離層を形成するとともに、そのプラテンを回転駆動機構により回転させることにより印字テープを搬送し、プラテン上の印字テープの印字面に印字ヘッドにより印字を行うものである。
また、特許文献2に記載されるものは普通のテーププリンタであり、テープ基材の印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる印字テープを使用し、プラテンを回転駆動することにより印字テープを搬送し、プラテン上の印字テープの印字面に印字ヘッドにより印字を行うものである。この特許文献2のプリンタは、テープ基材の反対面の接着剤が台紙によって保護されているため、特許文献1のプリンタのようにプラテンの表面に特殊な処理はされていない。
【特許文献1】特開平6−312545号公報
【特許文献2】特開2000−6501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に示すプリンタは、テープ基材の一方の面に接着剤層を層成しただけの印字テープを使用するものであり、テープ基材の接着剤層を保護する台紙を備えた印字テープに比べて印字テープの構造が簡単なため、印字テープが安価であり、印刷コストを低減できる利点がある。また、この印字テープにより作成した印字物は、テープ基材に接着剤層が露出した状態でプリンタから排出されるため、接着剤層を保護する台紙付の印字テープの場合のように、台紙をテープ基材から剥離する面倒な作業が不要となり、プリンタでの印字後、直ちに印字物を対象物に貼着できる点で便利である。
【0004】
上記特許文献1に示すプリンタは、出来上がった印字物を直ぐに対象物に貼着すれば問題はないが、暫く時間をおいてから対象物に貼着する場合もある。例えば、複数枚の印字物を連続した印字処理により作成し、次にその作成した複数枚の印字物をまとめて対象物に貼着する方が作業能率がよい場合がある。しかしながら、上記特許文献1に示すプリンタでは、出来上がった印字物の印字面の反対側には接着剤層が露出しているため、直ぐに利用しない場合は、一時的でも持て余し取扱に困ることがある。すなわち、接着剤層が露出した状態で印字物を放置することは、その取扱に注意しないと印字物が貼着対象物以外のものに貼り付くなどのトラブルが生じ、接着剤が他に転移して折角作成した印字物が無駄になってしまう等の問題が生じる虞がある。このような問題に関して上記特許文献1に示すプリンタでは、特に配慮はなされていない。
【0005】
また、上記特許文献2に示すプリンタでは、テープ基材の反対面の接着剤が台紙によって保護されているため、出来上がった印字物を直ぐに使用しないでそのまま暫く放置しておいても上記特許文献1のような問題はない。しかし、作成した複数枚の印字物の台紙をまとめて剥離し、それを対象物にまとめて貼着するような場合、一時的にも接着剤層を露出した状態に置くことは、適切な印字物の管理を行わない限り上記特許文献1と同様な問題が生じる。
【0006】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、印字面の反対側に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を一時的に安全に保持することができるプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、印字面の反対面に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を、前記接着剤が露出した状態で装置本体外に排出するプリンタにおいて、前記装置本体の外表面に、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にフッ素樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にシリコン樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面に微小な凹凸形状を設けて形成したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、前記装置本体の外表面には、印字するデータを入力する入力手段、入力されたデータを表示する表示手段及び前記被印字媒体が排出される排出口が配置されており、前記被印字媒体仮貼着部は、その部位に前記被印字媒体が仮貼着された場合に、前記入力手段、前記表示手段及び前記排出口の機能を妨げることがない前記装置本体の外表面位置に配置することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の端部に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うプリンタにおいて、前記装置本体の外表面に、印字面に印字が行われ台紙を剥離した状態の前記被印字媒体を仮貼着するべく、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる被印字媒体の印字物を、一時的に仮貼着部に仮貼着して保持することができ、その印字物が利用されるまでの間、安全に保持することができる。また、仮貼着部は接着剤が付着しにくい加工が施されているため、仮貼着時に被印字媒体の接着剤がプリンタの装置本体に移行して損なわれることがなく、被印字媒体の接着強度を確保することができる。
【0015】
また、請求項7の発明によれば、印字面に印字が行われ、その反対面に塗布された接着剤が台紙を剥離することにより露出した状態の印字物を、一時的に仮貼着部に仮貼着して保持することができ、その印字物が利用されるまでの間、安全に保持することができる。また、仮貼着部は接着剤が付着しにくい加工が施されているため、仮貼着時に被印字媒体の接着剤がプリンタの装置本体に移行して損なわれることがなく、被印字媒体の接着強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係るプリンタを前部から見た外観を示す斜視図であり、図2はそのプリンタを後部から見た外観を示す斜視図である。
【0017】
図1及び図2に図示するように、プリンタ10の装置本体11は第1の筐体部12と第2の筐体部13が側面視L型の形状をなしている。このプリンタ10はその装置本体11が携帯可能なサイズに形成されており、第1の筐体部12を片手で保持し他の片手で印字データの入力やその編集、あるいは印字出力など、ラベルを作成のための一連の操作をすることができるようになっている。
【0018】
第1の筐体部12の外側面の正面にはキー入力部14と表示部15が設けられている。また、第1の筐体部12の内部にはプリンタ装置に必要な種々の制御を行う電子回路やプリンタ装置の動作電源となる電池電源が収納されようになっている。また、第2の筐体部13は開閉蓋20を備え、その内部にプリンタ機構が設けられるとともに、印字のための消耗品が収容可能になっている。この第2の筐体部13の外表面には、作成されたラベルを一時的に保持するために仮貼着する仮貼着部16が設けられている。この仮貼着部16については、更に後に説明する。
【0019】
キー入力部14は、プリンタ装置の電源の入切を行う電源キー、印字データとして任意の文字データを入力する文字入力キー、印字開始を指示する印字キー、表示部15の表示画面上でカーソルを移動操作するカーソルキー、印字モードの設定や各種設定処理を行う種々の制御キーなどを備えている。また、表示部15は液晶表示装置であり、キー入力部14から入力された文字データを表示するとともに、各種設定処理のための選択メニュー画面の表示を行い、その他、種々の処理に関する必要なメッセージなどの表示を行い。また、表示部15には、作成されるラベルの長さや印字モードの状態などの各種の情報も表示されるようになっている。
【0020】
図3はプリンタに使用する消耗品としての印字テープを保持するテープカセットの斜視図を示している。また図4はテープカセットに保持される印字テープの断面を示している。図3に図示するように、テープカセット70は器状のケース部72とそのケース部72の上方開口部を覆う板状のカバー部73を組み立てて構成したカセットケース71を備えている。このカセットケース71の内部にはテープ保持リール74に巻装された印字テープ90が保持されるとともに、リボン保持リール75に巻装されリボン巻取りリール76に巻き取られるインクリボン85が保持されている。
【0021】
印字テープ90は、テープ保持リール74からカセットケース71外に繰出されてプリンタ10の印字ヘッドが配置されるヘッド配置部77を通りカセットケース71の外側面に設けたガイド部78に案内されてテープ送りされるようになっている。図4に図示するように、印字テープ90は印字が行われるテープ基材91を備え、そのテープ基材91の印字が行われる印字面の裏側に接着剤93が塗布され、その接着剤の塗布面を保護するべくテープ基材91と剥離可能にして台紙92が貼着されている。このテープカセット70では、テープ基材91を内向きとし台紙92が外向になるようにして印字テープ90がテープ供給リール44にロール状に巻装されており、ヘッド配置部77に配置される印字ヘッドにテープ基材91の印字面が対面するようにして印字テープ90がカセットケース71の外に引き出される。
【0022】
また、カセットケース71の外側面の複数の隅部にはテープカセット70がプリンタ10に装着されたときにプリンタ10に設けた支持構造によって所定位置に支持される被支持部79が設けられる。このテープカセット70は幅の異なる印字テープ90を保持した複数種類が用意されており、その複数種類のテープカセット70のうちの1個がプリンタ10に選択的に装着できるようになっている。また、図示しないが、前記被支持部79にはそのテープカセットの種類をプリンタ10によって識別するためにプリンタ10によって検出可能な識別部が設けられている。この識別部に対応してプリンタ10に設けられるテープカセット70の検出手段は、例えば、複数個の電気スイッチで構成され、その複数個の電気スイッチのオン・オフの状態の組合せによってテープカセット70の種類の検出が行われるようになっている。そのため、各テープカセット70に設ける識別部は、そのテープカセット70の種類に応じて前記複数個の電気スイッチを所定の組合せでオン・オフ動作させる所定の形状的な特徴を有している。
【0023】
また、図5は開閉蓋を開放した状態のプリンタとそのプリンタに装着される消耗品としての印字テープを保持するテープカセットの斜視図であり、図6は開閉蓋を開放した状態のプリンタの正面図である。また、図7は開閉蓋を開放し、テープカセットを装着した状態のプリンタの斜視図であり、図8は同じく正面図である。
【0024】
図5ないし図8に図示するように、プリンタ10の第2の筐体部13の内部には印刷消耗品である印字テープを保持するテープカセット70を装着するためのカセット収容部30が形成されている。このカセット収容部30は、第2の筐体部13の底部に回動自在にヒンジ21で結合された開閉蓋20によって開閉可能にカバーされており、開閉蓋20を開放してカセット収容部30にテープカセット70を装着し、テープカセット70の装着後に開閉蓋20を閉止するようになっている。
【0025】
このカセット収容部30には、印字テープ90に印字を行うための印字機構が設けられている。すなわち、カセット収容部30の底部から立設して印字テープ90を搬送するためのプラテンローラ31が設けられ、そのプラテンローラ31に対向して印字ヘッド(サーマルヘッド)32が設けられている。前記プラテンローラ31は不図示のモータ駆動源によって回転駆動され、印字時に前記サーマルヘッド32との間に印字テープ90を挟んで所定の印字スピードに対応する搬送量で印字テープ90を下流側に向けて搬送する。また、前記サーマルヘッド32は印字テープ90の搬送方向と直交する印字テープ90の幅方向に発熱素子が1列に配置されており、印字テープ90の長さ方向に印字を行う。このサーマルヘッド32は、不図示のヘッド移動機構により回転軸33の軸周りに回動しプラテンローラ31に対して接離可能に設けられている。このヘッド移動機構は開閉蓋20の開閉の動きに連動し、開閉蓋20が閉止状態では、サーマルヘッド32はプラテンローラ31に圧接し、開閉蓋20が開放されるとサーマルヘッド32はプラテンローラ31から開離するようになっている。
【0026】
また、カセット収容部30の内部には、テープカセット70のリボン巻取リール76に係合してリボン巻取リール76をリボン巻取り方向に回転させ、印字に使用したインクリボン89をカセットケース71内に巻き取るリボン巻取軸33が設けられている。このリボン巻取軸33も不図示のモータ駆動源によりプラテンローラ31とともに回転駆動される。
【0027】
サーマルヘッド32がプラテンローラ31に当接して印字テープ90のテープ基材91に対して印字が行われる印字位置からテープ搬送方向の下流側に印字テープ90のテープ基材91から台紙92を剥離するための剥離部35が設けられている。この剥離部35は、搬送される印字テープ90のテープ基材91とは反対側の台紙92に対面して配置されており、搬送される印字テープ90を案内する第1のガイド部36と印字テープ90のテープ基材91から剥離された台紙92を案内する第2のガイド部37とを備えている。前記第1のガイド部36と前記第2のガイド部37とは鋭角をなしており、第1のガイド部36のガイド面と第2のガイド部37のガイド面とが交わる断面鋭角の頂点がテープ基材91から台紙92を剥離するためのエッジ部38になっている。このエッジ部38は印字テープ90の搬送方向と直交する方向に向いて配置されている。また、このエッジ部38は、カセット収容部30に装着可能な複数種類のテープカセットに保持される印字テープのうちで最大幅の印字テープより大きな幅を有しており、このエッジ部38で印字テープ90の台紙92を印字テープ90の搬送方向に対して鋭角度で折り返すように所定方向に向けて搬送することにより台紙92の剥離を行うようにしている。
【0028】
また、プラテンローラ31を挟んでサーマルヘッド32によって印字が行われる印字位置の反対側にプラテンローラ31に対向してピンチローラ44が設けられている。印字時に、プラテンローラ31とピンチローラ44の間で剥離部35によって剥離された台紙92を挟んでテープ基材91の搬送方向とは異なる装置本体11外の方向に向けて搬送するようにしている。前記ピンチローラ44は、回転軸45を中心に回動可能に設けられたブラケット46に回転可能に設けられている。このブラケット46は不図示の弾性部材によってプラテンローラ31から開離する方向に付勢される一方、ブラケット46の背部にバネ材47が設けられている。そして、開閉蓋20の閉止時に開閉蓋20のヒンジ側に設けた押圧操作部22によってバネ材47を介してブラケット46が押圧されて回転軸45を中心に回動し、ピンチローラ44がプラテンローラ31との間に台紙92を挟んだ状態でプラテンローラ31に圧接する。また、開閉蓋20の開放時には前記弾性部材の復帰によって開閉蓋20の閉止時とは逆にブラケット46が回転軸45を中心に回動し、ピンチローラ44がプラテンローラ31から開離する。
【0029】
このように、開閉蓋20の開閉の動きに連動して、ピンチローラ44がプラテンローラ31に対して接離するとともに、サーマルヘッド32も開閉蓋20の開閉の動きに連動してプラテンローラ31に対して接離するように構成されている。なお、カセット収容部30の開閉蓋20の開閉の動きに連動してサーマルヘッド32がプラテンローラ31に接離することはテーププリンタでは周知の技術であるため、その説明は省略する。
【0030】
また、剥離部35の下流側には、装置本体11外に通じるテープ基材排出口48が形成されており、サーマルヘッド32と剥離部35との間に印字テープ90のテープ基材91を切断するためのカッター部50が設けられている。カッター部50はカッターホルダー51に保持された切断刃52を備えており、この切断刃52は搬送される印字テープ90のテープ基材91に対面して配置されている。
【0031】
また、第2の筐体部13において、前記テープ基材排出口48が設けられた側面とは異なる他の側面にはテープ基材91から剥離された台紙92が装置本体11の外部に排出される台紙排出口59が設けられている。さらに、カセット収容部30には、テープカセット70に設けた被支持部79と係合してテープカセット70をカセット収容部30内の所定位置に支持する支持部60が設けられている。また、テープカセット70に設けられた識別部を検出するための複数個の電気スイッチ61が設けられている。
【0032】
図1及び図2に戻って、プリンタ10の装置本体11の第2の筐体部13には印字テープ90によって作成されたラベルを仮貼着しておくための仮貼着部16が設けられている。このプリンタ10では、剥離部35によって台紙92がテープ基材91から剥離されるため、カッター部50によって切断されるテープ基材91の印字部分であるラベルは、その印字面の反対面の接着剤層93が露出した状態でテープ基材排出口48から装置本体11外に排出されることになる。そこで、作成されたラベルは、その接着剤層93を下にして装置本体11の仮貼着部16に一時的に仮貼着しておくことができるようになっている。
【0033】
前記仮貼着部16は、印字テープ90の接着剤93が付着しにくい加工が施されている。例えば、装置本体11の外表面にフッ素樹脂がコーティング処理される。あるいは、シリコン樹脂がコーティング処理される。このように処理することにより、装置本体11の外表面が接着剤93に対して非貼着性を有し、仮貼着したラベルを剥がす際に接着剤93が装置本体11の外表面に移行することがなく、ラベルの裏面に保持される接着剤93が損なわれることがない。そして、ラベルを仮貼着することにより安全に保持することができ、また使用時には仮貼着部16から容易に剥がすことができる。また、前記仮貼着部16は、装置本体11の外表面に微小な凹凸形状を形成するようにしてもよい。例えば、梨地等のシボを付与する表面加工を施すものである。このような微小な凹凸形状を設けることにより、接着剤層の接触面積が小さくなり、接着力が弱くなるためラベルの仮貼着が可能になる。
【0034】
前記仮貼着部16の位置は、図1及び図2に図示の位置に限定されず、装置本体11の適宜な位置に配置することができる。しかし、その仮貼着部16にラベルを仮貼着した場合、キー入力部14の入力操作の邪魔になったり、あるいは表示部15の表示の確認や排出口48からのテープ排出に障害が出るような位置に配置することは避けることが好ましい。そのような好ましい位置としては、装置本体11の端部の外表面が適当である。
【0035】
図9はこのプリンタの電子回路の構成のブロック図を示している。同図に示すように、このプリンタの電子回路には、コンピュータであるCPUからなる制御部100が備えられる。制御部100は、キー入力部14からのキー操作信号に応じてROM101に予め記憶されている装置制御プログラムを起動させ、RAM102をワークメモリとして回路各部の動作を制御するもので、この制御部100には、前記キー入力部14、ROM101、RAM102が接続される他、表示用の文字フォントを格納する表示用フォントROM103、印字用の文字フォントを格納する印字用フォントROM104、サーマルヘッド32を印字データに応じて発熱駆動する駆動回路105、プラテンローラ31及びリボン巻取軸33を駆動するためのステップモータからなる搬送モータ106の駆動回路107が接続され、また入力されたテキストの文字データなどを表示するための表示部15が接続される。また、電池電源108を備え、その電池電源の電圧を前記各回路部の動作電圧に調整して各部に供給する電源回路109を備えている。
【0036】
前記ROM101には、キー入力部14から入力された文字を印字するためのプログラムが記憶されている。また、前記RAM102には、キー入力された文字データを記憶する入力データメモリ、印字データが記憶される印字データメモリ、表示部15に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリの各領域が確保され、印字処理などに必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタなどが設けられている。
【0037】
次に、プリンタ10の印字動作について説明する。このプリンタ10では、開閉蓋20を開放してカセット収容部30を開口すると、その開閉蓋20の動きに連動してサーマルヘッド32がプラテンローラ31から開離するとともに、プラテンローラ31からピンチローラ44が開離するようになっている。また、開閉蓋20を閉じると、開閉蓋20の動きに連動してサーマルヘッド32がプラテンローラ31に圧接し、ピンチローラ44もプラテンローラ31に圧接するようになっている。
【0038】
そこで、開閉蓋20を開放してカセット収容部30にテープカセット70を装填する。このテープカセット70を装填する場合、予め印字テープ90の先端部において、テープ基材91から台紙92を剥離した状態とし、テープカセット70から外部に繰り出された印字テープ90をサーマルヘッド32とプラテンローラ31の間に配置するとともに、テープ基材91から剥離した台紙92をプラテンローラ31とピンチローラ44の間に挿入する。その状態で開閉蓋20を閉じることにより、印字テープ90がサーマルヘッド32とプラテンローラ31の間に挟まれて配置され、印字テープ90の先端部の台紙92がプラテンローラ31とピンチローラ44の間に挟まれて配置される。
【0039】
しかして、キー入力部14から文字データを入力し、その印字を指示すると、印字テープ90とインクリボン89とがテープカセット70から引き出され、重ね合わせた状態でプラテンローラ31とサーマルヘッド32の間に挟まれて共に搬送されるとともに、サーマルヘッド32が入力文字データのパターンに基づいて発熱駆動されてインクリボン89のインクが印字テープ90のテープ基材91に熱転写されて印字が行われる。また、テープ基材91への印字とともに、剥離部35によってテープ基材91から台紙92が剥離され、台紙92が剥離されたテープ基材91の印字済部分がテープ基材排出口48から装置本体11の外部に排出される。また、テープ基材91から剥離された台紙92は台紙排出口59から装置本体11の外部に排出される。
【0040】
印字処理が終了すると、プラテンローラ31による印字テープ90及び台紙92の搬送は停止される。そこで、テープ基材排出口48から装置本体11の外部に排出されたテープ基材91の印字部分の先端を摘んでカッター部50の切断刃52に押し当ててテープ基材91の印字部分を切断する。これにより、台紙92のないラベルを作成することができる。ラベルを作成した後、直ちに対象物に貼り付けることもできるが、仮貼着部16に仮貼着しておくこともできる。図10及び図11はラベルL1、L2を仮貼着した様子を示している。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態のプリンタによれば、装置本体11に仮貼着部16を設けたため、印字面の反対側に接着剤93が露出した状態で作成される被印字媒体のラベルL1,L2を、一時的に仮貼着部26に仮貼着して保持することができ、そのラベルL1,L2が利用されるまでの間、安全に保持することができる。また、仮貼着部16は接着剤93が付着しにくい加工が施されているため、仮貼着時にラベルL1,L2の接着剤93がプリンタ10の装置本体11に移行して損なわれることを防止し、ラベルL1,L2の接着強度を確保することができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態の台紙の剥離機能を有するプリンタに限定されるものではない。例えば、前述の特許文献1のプリンタのように、台紙のない印字テープを使用するプリンタに適用することもできる。また前述の特許文献2のように、台紙付の状態で印字物(ラベル)を作成するプリンタにも適用することができる。この場合にも作成したラベルの台紙を剥離した場合、そのラベルの裏側に接着剤が露出することになるが、プリンタ本体に仮貼着部26を設けることにより、ラベルを安全に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタを前部から見た外観を示す斜視図。
【図2】そのプリンタを後部から見た外観を示す斜視図。
【図3】そのプリンタに使用するテープカセットの斜視図。
【図4】そのテープカセットに保持される印字テープの断面図。
【図5】そのプリンタの開閉蓋を開放した状態及びそのプリンタに装着されるテープカセットの斜視図。
【図6】そのプリンタの開閉蓋を開放した状態の正面図。
【図7】そのプリンタの開閉蓋を開放してテープカセットを装着した状態の斜視図。
【図8】そのプリンタの開閉蓋を開放してテープカセットを装着した状態の正面図。
【図9】そのプリンタの電子回路の構成を示すブロック図。
【図10】そのプリンタにラベルを仮貼着した状態の前部から見た斜視図。
【図11】そのプリンタにラベルを仮貼着した状態の後部から見た斜視図。
【符号の説明】
【0044】
10…プリンタ 11…装置本体 12…第1の筐体部 13…第2の筐体部
14…キー入力部 15…表示部 16…仮貼着部 20…開閉蓋
30…カセット装填部 31…プラテンローラ 32…印字ヘッド(サーマルヘッド) 33…リボン巻取軸 35…剥離部 36…第1のガイド部 37…第2のガイド部
38…エッジ部 44…ピンチローラ 48…テープ基材排出口 50…カッター部
59…台紙排出口 70…テープカセット 71…カセットケース 90…印字テープ 91…テープ基材 92…台紙 93…接着剤 L1、L2…ラベル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字面の反対面に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を、前記接着剤が露出した状態で装置本体外に排出するプリンタにおいて、
前記装置本体の外表面に、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にフッ素樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にシリコン樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面に微小な凹凸形状を設けて形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記装置本体の外表面には、印字するデータを入力する入力手段、入力されたデータを表示する表示手段及び前記被印字媒体が排出される排出口が配置されており、前記被印字媒体仮貼着部は、その部位に前記被印字媒体が仮貼着された場合に、前記入力手段、前記表示手段及び前記排出口の機能を妨げることがない前記装置本体の外表面位置に配置することを特徴とする請求項1ないし4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の端部に設けられることを特徴とする請求項1ないし4に記載のプリンタ。
【請求項7】
印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うプリンタにおいて、
前記装置本体の外表面に、印字面に印字が行われ台紙を剥離した状態の前記被印字媒体を仮貼着するべく、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とするプリンタ。
【請求項1】
印字面の反対面に接着剤が塗布されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うとともに、その印字された被印字媒体を、前記接着剤が露出した状態で装置本体外に排出するプリンタにおいて、
前記装置本体の外表面に、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にフッ素樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面にシリコン樹脂をコーティング処理して形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の外表面に微小な凹凸形状を設けて形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記装置本体の外表面には、印字するデータを入力する入力手段、入力されたデータを表示する表示手段及び前記被印字媒体が排出される排出口が配置されており、前記被印字媒体仮貼着部は、その部位に前記被印字媒体が仮貼着された場合に、前記入力手段、前記表示手段及び前記排出口の機能を妨げることがない前記装置本体の外表面位置に配置することを特徴とする請求項1ないし4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記被印字媒体仮貼着部は、前記装置本体の端部に設けられることを特徴とする請求項1ないし4に記載のプリンタ。
【請求項7】
印字面の反対面に接着剤が塗布され、その接着剤の塗布面に台紙が剥離可能に貼着されてなる被印字媒体の前記印字面に印字を行うプリンタにおいて、
前記装置本体の外表面に、印字面に印字が行われ台紙を剥離した状態の前記被印字媒体を仮貼着するべく、前記接着剤が付着しにくい加工を施した被印字媒体仮貼着用の仮貼着部を設けたことを特徴とするプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−73136(P2009−73136A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246422(P2007−246422)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]