説明

プリンタ

【課題】
本発明は、ラベルを使用する目的に応じて熱活性させる粘着領域または熱活性しない非粘着領域を自動的に決定し、ラベルを発行するプリンタを提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明に係るプリンタは、加熱により粘着性が活性化される熱活性粘着剤層を有する熱活性ラベルを発行するプリンタであって、前記熱活性ラベルを搬送し識別コードを印字する印字部と、前記熱活性ラベルの熱活性粘着剤層の粘着特性を発現させる熱活性部と、前記熱活性ラベルの表面側の識別コード印字領域に対応する熱活性ラベルの裏面側の熱活性粘着剤層の領域を非粘着領域とし、該非粘着領域を除く熱活性粘着剤層の領域を粘着領域とする活性パターン制御信号を生成し、この活性パターン制御信号に基づいて、前記熱活性部を制御する熱活性制御部を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱活性粘着剤を有する媒体に対して印字を施すとともに、熱活性粘着剤の全体または一部を活性化させるプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱により粘着性が加熱活性化される熱粘着剤層を設けた熱粘着性ラベルを発行するプリンタが知られている。このプリンタは、熱粘着性ラベルの表面に印字するためのサーマルヘッドの他に熱粘着剤層の粘着性を加熱活性化するための他のサーマルヘッドを備えている。他のサーマルヘッドによって熱粘着性ラベルの熱粘着剤層を所定の温度で加熱することで加熱活性化により粘着性を発現させて熱粘着性ラベルを発行している。プリンタは、熱粘着剤層を部分的に加熱活性化することで弱い粘着性を持つ熱粘着性ラベルを発行し、熱粘着剤層の全体を加熱活性化することで強い粘着性を持つ熱粘着性ラベルを発行することができる。
【0003】
加熱活性化手段の発熱部を発熱させることで熱粘着剤層の粘着性を所定のパターンで加熱活性化させる加熱活性化装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−88814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては被着体に対して強固に貼付したり、剥がし易い状態に貼付したりする目的で活用されており、例えば被着体に対して強固に貼付したいときには熱粘着剤層の全面を加熱活性化し、被着体に対して剥がし易い状態に貼付するときには熱粘着剤層を部分的に加熱活性化している。
しかしながら、粘着力の強弱を目的とした用途のみに用いられ、また熱活性パターンは操作者が任意に決定するものであり、煩雑であった。
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ラベルを使用する目的に応じて自動的に熱活性する領域またはしない領域を決定し、発行するプリンタを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプリンタは、加熱により粘着性が活性化される熱活性粘着剤層を有する熱活性ラベルを発行するプリンタであって、前記熱活性ラベルを搬送し、その表面に識別コードを印字する印字部と、前記熱活性ラベルの裏面の熱活性粘着剤層の粘着特性を発現させる熱活性部と、前記熱活性ラベルの表面側の識別コード印字領域に対応する熱活性ラベルの裏面側の熱活性粘着剤層の領域を非粘着領域とし、該非粘着領域を除く熱活性粘着剤層の領域を粘着領域とする活性パターン制御信号を生成し、この活性パターン制御信号に基づいて、前記熱活性部を制御する熱活性制御部を有することを特徴とする。
また、加熱により粘着性が活性化される熱活性粘着剤層と、RFID回路を有するRFIDラベルを発行するプリンタであって、前記RFIDラベルを搬送し所定の情報を印字する印字部と、前記RFID回路に所定の情報を書き込むアンテナと、前記RFIDラベルの熱活性粘着剤層の粘着特性を発現させる熱活性部と、前記RFIDラベルのRFID回路の配置領域に対応する前記熱活性粘着剤層の領域を非粘着領域とし、該非粘着領域を除く熱活性粘着剤層の領域を粘着領域とする活性パターン制御信号を生成し、この活性パターン制御信号に基づいて、前記熱活性部を制御する熱活性制御部を有することを特徴とする。
また、前記非粘着領域は 前記識別コード印字位置または前記RFID回路の配置位置から一番近いラベル端部にわたって形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
識別コードの印字領域を非粘着領域とし、この非粘着領域を除く領域を粘着領域として発行され、商品に貼付された熱活性ラベルの非粘着領域を千切ることで識別コードが印字された非粘着領域を簡単に除去することが可能な熱活性ラベルを発行することができる。
また、識別コードの印字位置を変更する場合であっても熱活性制御部によって識別コードの印字位置に合わせて非粘着領域を形成することができ、如何なる印字レイアウトであっても対応することができる。
また、RFID配置位置を非粘着領域とすることでRFIDラベルからRFID回路を効率的に回収することが可能なRFIDラベルを発行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンタの構成を示す概略側面図であり、図2は熱活性ラベルの断面図であり、図3はプリンタの制御ブロック図である。
【0010】
プリンタ1は、主として供給部2と、センサ3と、印字部4と、切断部5と、熱活性部6と、制御部7を備えている。供給部2は印字媒体であるロール紙40を回転可能に支持する供給軸40aを備えている。ロール紙40は、図2に示すように基材42の一面に設けられた感熱発色剤層43と、基材42の他面側に設けられた熱活性粘着剤層44を備えた長尺状の熱活性ラベル41をロール状に巻回したものである。
【0011】
センサ3は、光反射型センサであり、ロール紙40から引き出された熱活性ラベル41に向けて光を出射する発光素子と、発光素子から出射された光を熱活性ラベル41に反射する光を受光する受光素子から構成されている。熱活性ラベル41には図示しない識別マークを長手方向に一定間隔をもって複数設けられており、この識別マーク部分と識別マークでない部分から反射した光量の差によって熱活性ラベル41の位置を検知する。
【0012】
印字部4は、熱活性ラベル41の感熱発色層43に熱を加えて印字する発熱素子を有する印字ヘッド12と、この印字ヘッド12に対向配置され、図示しないモータに接続して回転駆動することにより熱活性ラベル41を供給部2が位置する上流側から印字部側の下流側に向かって搬送する第一プラテンローラ13を有している。尚、プリンタ1の構成としてロール状のインクリボンを回転可能に支持する供給軸と使用済みインクリボンを巻き取る巻取軸を備えるリボンユニットを更に備えるように構成しても良い。尚、インクリボンユニットを使用する場合は、感熱発色層のない熱活性ラベルを用いる。
【0013】
切断部5は、プリンタ1の筐体に固定配置された固定刃14と、固定刃14に対して進退方向に移動可能に設けられた可動刃15からなり、固定刃14と可動刃15の刃先で熱活性ラベル41を挟み込み、所定長さに切断する。
【0014】
熱活性部6は、熱活性ラベル41の熱活性粘着剤層44に熱を加えて粘着特性を発現させる熱活性ヘッド16と、切断部5で切断された熱活性ラベル41を搬送する第二プラテンローラ17を有している。熱活性ヘッド16は、印字ヘッド12と同等の構造で、複数の発熱素子を備え、複数の発熱素子のうち所定数の発熱素子のみを発熱させることで熱活性ラベル41の熱活性粘着剤層44の一部分のみに粘着特性を発現させたり、複数の発熱素子の全てを発熱させることで熱活性ラベル41の熱活性粘着剤層44の全面に粘着特性を発現させたりすることができる。また、熱活性ヘッド16は、熱活性粘着剤層44に発熱素子が対向するように発熱素子を上向きに配置し、感熱発色剤層43に発熱素子が対向するように下向きに配置された印字ヘッド12とは異なる方向に向けて設けられている。
【0015】
制御部7は、図3に示すように所定の制御プログラムを記憶するROM21と、ROM21に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU22と、CPU22が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM23と、ステッピングモータにパルス信号を供給し、第一プラテンローラ13および第二プラテンローラ17による熱活性ラベル41の搬送を制御する搬送制御部24と、CPU22から供給される印字すべき文字、図形などの印字データに対応する制御信号を生成して印字ヘッド12に供給し、印字動作を行わせる印字制御部25と、CPU22の制御下においてセンサ3の発光素子を制御し、熱活性ラベル41に向かって光を出射させるとともに、受光素子から出力される電気信号を受け取り、デジタルのデータに変換してCPU22に供給する検出部26と、所定のタイミングで可動刃15を固定刃14に対して進退動作させる切断制御部27と、CPU22から供給されるバーコード(識別コード)の印字位置情報に基づき熱活性粘着剤層44の活性化する領域又はしない領域を示す活性パターン制御信号を生成して熱活性ヘッド16に供給し、熱活性動作を行わせる熱活性制御部28と、現在の日時を計時するカレンダIC29と、各種設定情報などを記憶する不揮発性記憶部としてのフラッシュROM30と、ホストコンピュータなどの外部機器と接続し、通信を行うインタフェース31と、を有している。
これら各部は、データバス32を介してCPU22に接続され、CPU22の管理下においてインタフェース31から受信した印字データに従って印字動作等を行う。
【0016】
次にプリンタの動作について説明する。図4は、プリンタ1における印字および熱活性の動作フローチャートであり、図5(a)は表面に印字が施された熱活性ラベルの表面側から見た平面図であり、図5(b)は熱活性処理が施された熱活性ラベルの裏面側から見た平面図である。尚、図5(b)では印字された領域と非粘着領域の位置関係を分かり易く示すため熱活性ラベル表面側に印字された情報を記載している。
【0017】
まず、ホストコンピュータから印字指令や熱活性指令を与えるコマンドおよび図5(a)に示す熱活性ラベル41に印字すべき印字データ等から構成されるデータをインタフェース31を介してプリンタ1で受信する(ステップS1)。受信したデータは、RAM23に記憶されCPU22の制御下によりデータの解析やイメージ展開処理が行われる。
【0018】
CPU22によって展開処理された印字データは印字制御部25に供給され、図5(a)に示すように印字される(ステップS2)。印字データは、商品情報(豚肉小間切れ)、産地情報(国産)、製造情報(加工年月日2007.10.05)、期限情報(消費期限2007.10.08)、価格情報(お値段480円)、販売者情報(○×スーパー 東京都・・・2−10)、識別コード情報としてのバーコード35などからなり、それぞれの情報は印字コマンドによって文字フォントやバーコードの種類やサイズ、印字位置などが特定され、図5(a)に示すように印字が施される。
【0019】
例えば、印字位置を特定する印字コマンドの一例として図5(a)に示す熱活性ラベル41の印字レイアウト上で左上の頂点を基点Aとして熱活性ラベル41の幅方向をX軸、熱活性ラベル41の長さ方向をY軸とする座標軸に基づいて(X30、Y10)などのように基点からの距離を表す数値と合わせて表現され、この値に基づく位置を基点としてバーコード35が印字される。
【0020】
インタフェース31で受信したデータに基づき熱活性ラベル41の表面に印字が施されると第一プラテンローラ13によって切断部5に向けて熱活性ラベル41を搬送し、切断部5の位置で搬送を一旦停止し、切断制御部27が可動刃15を固定刃14に向けて移動させて所定長さに切断する(ステップS3)。
【0021】
次に、CPU22がステップS1でホストコンピュータから受信した印字コマンドにバーコード35を印字させる印字コマンドが含まれていたか否かを判断し、熱活性ラベル41にバーコード35を印字したか否かを判断する(ステップS4)。
【0022】
ステップS4においてバーコード35を印字したと判断すると熱活性ラベル41の表面側に印字されたバーコード35に対応する熱活性ラベル41の裏面側の熱活性粘着剤層44の領域を非粘着領域44aとし(図5(b)参照)、非粘着領域44aを除く熱活性粘着剤層44の領域を粘着領域44bとする活性パターン制御信号をCPU22が生成する。この活性パターン制御信号に基づいて、粘着領域44bに対して熱活性制御部28のもと熱活性ヘッド16によって熱を加え、図5(b)に示すように部分的に粘着特性を発現させた部分活性ラベルとして発行する(ステップS6)。尚、図5(b)において粘着領域44bは斜線を引いた領域で示し、斜線の無い領域は非粘着領域44aとして示している。
【0023】
また、活性パターン制御信号の生成は、上述した印字コマンドにおけるバーコード35の印字位置等に基づく。すなわち、熱活性ラベル41の表面に印字されるバーコード35の印字基点は、図5(a)における印字レイアウトにおいて図4のステップS1で受信したデータにより(X30、Y10)と指定され、別途指定されるバーコードの種類や天地長さ、倍率などの印字コマンドによってバーコード35が印字されるバーコード印字領域を認識する。このバーコード印字領域を含み、熱活性ラベル41の端部48にわたって非粘着領域44aとすることで、非粘着領域44a以外の部分を粘着領域44bとして粘着特性を発現させる。本実施の形態においては、後述するが熱活性ラベル41を商品に貼付したあとにバーコード35が印字された非粘着領域44aを熱活性ラベル41の端部48から除去可能とするためにバーコード印字領域から一番近いラベルの端部48にわたって非粘着領域44aとしている。
【0024】
また、ステップS4においてバーコード35を印字していない(バーコードを含む印字コマンドが含まれていない)と判断するとステップS5に進み、熱活性粘着剤層44の全面に熱活性ヘッド16によって熱を加え、粘着特性を発現させ、全面熱活性させた全面活性ラベルとして発行する(ステップS5)。
【0025】
次に、図5に示す部分活性ラベルとして発行した熱活性ラベルの使用方法について説明する。図6は、部分活性ラベルを商品に貼付した状態を示す図であり、図7は、部分活性ラベルの非粘着領域を除去する状態を示す説明図であり、図8は部分活性ラベル上に値下げラベルを重ね貼りした状態を示す図である。
まず、図6に示すようにプリンタ1によって発行された熱活性ラベル41(部分活性ラベル)が貼付された商品70が店舗に陳列される。商品70の消費期限が迫ってくると店舗にて商品70の値下げを行うため、バーコード35が印字された非粘着領域44aの熱活性ラベル41の端部48を摘み上げて千切り、バーコード35が印字された非粘着領域44aを熱活性ラベル41から除去する(切り離す)。熱活性ラベル41の粘着領域44bの部分は、商品70上への貼付状態を維持しようとするため非粘着領域44aを持ち上げるだけで簡単に非粘着領域44aを千切ることができる。また、バーコード35が印字された非粘着領域44aを取り除くことによって値下げ前の価格情報が記憶されたバーコード35がレジ端末によって読み取られなくなるので値下げ対象の商品70を値下げ前の価格で処理してしまうという間違いがなくなる。そして、図8に示すように値下げ後の価格情報を記憶したバーコードを印字した値下げラベル71を部分活性ラベル(熱活性ラベル41)に重ねて貼付する。このようにすることで、値下げ後の価格による処理をレジ端末にて確実に行うことが可能となる。
【0026】
また、図9に示すようにバーコード35の印字位置が変われば、そのバーコード印字領域にあわせて非粘着領域44bが設定される。図9は、他の印字例に応じて非粘着領域を設定した場合の熱活性ラベル56の平面図を示し、図5における熱活性ラベル41とは幅方向に左右対称な位置にバーコード35を印字した例であって、このような場合には点線で囲む領域内の熱活性粘着剤層44を非粘着領域44aとする。このようにバーコード35の印字位置を変更したとしても熱活性ヘッド16により加熱する位置を変えることで非粘着領域44aの位置を変更することができ、如何なる印字レイアウトにも対応することができる。尚、上述した構成と同一の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
また、バーコード印字領域のすべてを含む領域を非粘着領域44aとしたが、バーコード印字領域に対応する領域の一部分を非粘着領域44aとし、部分的に千切れるようにしても良い。図10(a)は、バーコード印字領域の一部分に対応する部分のみを非粘着領域とした例を示す熱活性ラベル57の平面図であり、図10(b)は、図10(a)の熱活性ラベル57の使用方法を説明するための概略平面図である。
図10(a)に示すようにバーコード印字領域の一部分およびその一部分から端部48にわたり、すなわち点線で囲む領域内の熱活性粘着剤層44を非粘着領域44aとする。図10(b)に示すようにバーコード35を含む非粘着領域44aを捲り上げて破ることで熱活性ラベル57からバーコード35が印字された非粘着領域44aを除去し、熱活性ラベル57に値下げラベル71を重ね貼りする。以上のようにバーコード印字領域の一部分に対応する領域を非粘着領域44aことすることでも値下げ前価格が記録されたバーコード35を確実に読めなくすることで、レジ端末によって値下げ商品を値下げ前の価格で処理する恐れがなくなる。
【0028】
また、バーコードに変わってRFIDを設けたRFIDラベルに書き込みを行うプリンタとすることもできる。図11は、他の実施の形態におけるプリンタ50に係る構成を示す概略側面図であり、図12はプリンタ50で発行されたRFIDラベル61の構成を説明する図である。尚、前述した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すようにプリンタ50は、主として供給部2と、センサ3と、アンテナ51と、印字部4と、切断部5と、熱活性部6と、制御部52を備えている。供給部2は印字媒体であるロール紙60を回転可能に支持する図示しない供給軸を備えている。ロール紙60は、図12に示すように基材42の一面に設けられた感熱発色剤層43と、基材42の他面側に接着剤63を介して固定されたRFID回路62と、このRFID回路62および基材42の他面側を覆う熱活性粘着剤層44を備えた長尺状のRFIDラベル61をロール状に巻回したものである。RFID回路62は、公知のものであって図示しないRFIDアンテナおよびICチップを有し、アンテナ51との間で無線電波によって情報の書込みおよび読み出しを可能としている。
【0029】
アンテナ51は、無線電波を発することでRFID回路62と通信し、情報を読み出したり書き込んだりする。制御部52は、前述した制御部7の構成にアンテナ制御部53をさらに加えたものであって、アンテナ制御部53はアンテナ51によるデータの書込み等の制御を行う。
【0030】
このような構成のプリンタ50の動作について図13のフローチャートに基づき、説明する。まず、プリンタ50の図示しない入力部からRFID回路の位置情報を入力し、この位置情報をフラッシュROM30に記憶する(ステップS1)。ホストコンピュータから印字指令や熱活性指令を与えるコマンドおよびRFIDラベル61に印字すべき印字データから構成されるデータをインタフェース31を介してプリンタ50で受信する(ステップS2)。受信したデータは、RAM23に記憶され、CPU22の制御下によりデータの解析やイメージ展開処理が行われる。搬送制御部24により第一プラテンローラ13を回転駆動させ、RFIDラベル61を搬送し、CPU22によって展開処理されたデータが印字制御部25およびアンテナ制御部53に供給され、アンテナ51によってRFID回路62のICチップにデータが書込まれる(ステップS3)。また、印字部4の位置までRFIDラベル61が搬送されると図12(a)に示すように商品情報(豚肉小間切れ)、産地情報(国産)、製造情報(加工年月日2007.10.05)、期限情報(消費期限2007.10.08)、価格情報(お値段480円)、販売者情報(○×スーパー 東京都・・・2−10)を有する印字データが印字される(ステップS4)。尚、図12(a)に示す図にはバーコードを印字していないが、印字しても良い。バーコードを印字する場合は、例えばRFID回路62が壊れた場合の予備として用いられる。RFIDラベル61の表面に印字が施されると切断部5に向けてRFIDラベル61を搬送し、所定距離だけ搬送した後に搬送を一旦停止し、切断制御部27が可動刃15を固定刃14に向けて移動させて、所定長さに切断する(ステップS5)。ステップS1でフラッシュROM30に記憶したRFID配置位置情報に基づきRFIDの配置位置に対応する裏面側の熱活性粘着剤層44の領域およびRFIDラベルの端部64にわたり点線で囲む領域内の熱活性粘着剤層44を非粘着領域44aとし、非粘着領域44aを除く領域を粘着領域44bとする活性パターン制御信号をCPU22が生成する。この活性パターン制御信号に基づいて、非粘着領域44aを除く熱活性粘着剤層44の領域に対して熱活性制御部28のもと熱活性ヘッド16によって熱を加え、図12(b)に示すように部分的に粘着特性を発現させた部分活性ラベルとして発行する(ステップS6)。
プリンタ50で発行されたRFIDラベル61は、商品に貼付後に再使用のために非粘着領域44aと共にRFID回路62を回収する用途として用いられる。
【0031】
尚、本発明の実施の形態において識別コードの一例としてバーコードとしたが二次元コードや公知のコード情報を活用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す概略側面図である。
【図2】熱活性ラベルの断面図である。
【図3】プリンタの制御ブロック図である。
【図4】プリンタにおける印字および熱活性の動作フローチャートである。
【図5】バーコード印字領域と非粘着領域の位置関係を表す平面図である。
【図6】部分活性ラベルを商品に貼付した状態を示す平面図である。
【図7】部分活性ラベルの非粘着領域を除去する状態を示す説明図である。
【図8】熱活性ラベルに値下げラベルを重ね貼りした状態を示す図である。
【図9】他の印字例に応じて非粘着領域を設定した場合の熱活性ラベルの平面図である。
【図10】バーコード印字領域の一部分に対応する部分のみを非粘着領域とした例を示す熱活性ラベル57の平面図である。
【図11】他の実施の形態におけるプリンタ50に係る構成を示す概略側面図である。
【図12】プリンタ50で発行されたRFIDラベル61の構成を説明する図である。
【図13】プリンタ50における熱活性の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 プリンタ
2 供給部
3 センサ
4 印字部
5 切断部
6 熱活性部
7 制御部
12 印字ヘッド
13 第一プラテンローラ
14 固定刃
15 可動刃
16 熱活性ヘッド
17 第二プラテンローラ
21 ROM
22 CPU
23 RAM
24 搬送制御部
25 印字制御部
26 検出部
27 切断制御部
28 熱活性制御部
29 カレンダIC
30 フラッシュROM
31 インタフェース
32 データバス
35 バーコード
40 ロール紙
40a供給軸
41 熱活性ラベル
42 基材
43 感熱発色剤層
44 熱活性粘着剤層
44a非粘着領域
44b粘着領域
48 端部
50 プリンタ
51 アンテナ
52 制御部
53 アンテナ制御部
56 熱活性ラベル
57 熱活性ラベル
60 ロール紙
61 RFIDラベル
62 RFID回路
63 接着剤
64 端部
70 商品
71 値下げラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱により粘着性が活性化される熱活性粘着剤層を有する熱活性ラベルを発行するプリンタであって、
前記熱活性ラベルを搬送し、その表面に識別コードを印字する印字部と、
前記熱活性ラベルの裏面の熱活性粘着剤層の粘着特性を発現させる熱活性部と、
前記熱活性ラベルの表面側の識別コード印字領域に対応する熱活性ラベルの裏面側の熱活性粘着剤層の領域を非粘着領域とし、該非粘着領域を除く熱活性粘着剤層の領域を粘着領域とする活性パターン制御信号を生成し、この活性パターン制御信号に基づいて、前記熱活性部を制御する熱活性制御部を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
加熱により粘着性が活性化される熱活性粘着剤層と、RFID回路を有するRFIDラベルを発行するプリンタであって、
前記RFIDラベルを搬送し所定の情報を印字する印字部と、
前記RFID回路に所定の情報を書き込むアンテナと、
前記RFIDラベルの熱活性粘着剤層の粘着特性を発現させる熱活性部と、
前記RFIDラベルのRFID回路の配置領域に対応する前記熱活性粘着剤層の領域を非粘着領域とし、該非粘着領域を除く熱活性粘着剤層の領域を粘着領域とする活性パターン制御信号を生成し、この活性パターン制御信号に基づいて、前記熱活性部を制御する熱活性制御部を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
前記非粘着領域は 前記識別コード印字領域または前記RFID回路の配置領域から一番近いラベル端部にわたって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−52187(P2010−52187A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217176(P2008−217176)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】