説明

プリンタ

【課題】 本発明のプリンタは、精度の良い電源保護が可能であり電源が遮断されることを回避でき、且つ、電源の過剰な保護による分割印字も抑制できるプリンタの提供を目的とする。
【解決手段】 本発明のプリンタは、複数の印字素子を駆動する印字素子駆動部と、複数の前記印字素子の駆動時間を監視する監視部と、前記印字素子駆動部が必要とする電流量を前記監視部で監視した前記駆動時間に基づいて算出する電流量算出部と、前記印字素子駆動部に電流を供給する電源部と、前記電流量算出部で算出された前記電流量が前記電源部の電流上限値に達し又は超過し、且つ、駆動中の前記印字素子の電流レベルが一定値である場合に、前記印字素子駆動部の駆動を停止させる制御部とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを所定の制御に基づいて記録媒体に印刷して出力するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタにおいて、印字ヘッドの各ピンのインパクトをするために、制御LSIがヘッドドライバに対して各ピンのドライブ信号を出力するものがある。当該ドライブ信号は次の様な方法により生成される。まず、プリンタに接続されているホストPCからの印字データから成る受信データを文字などの印刷イメージに変換する。次に、設定された印字DPIの印字タイミング毎に、印字データを制御LSIに出力する。制御LSIに出力された印字データは、次の印字タイミングから有効となり、印字データが存在する印字ヘッドピンのドライブが実行される。なお、各ピン毎にインパクトするタイミングが異なることから、ドライブタイミングは同一ではない。
【0003】
ここで、各ピンのドライブタイミングは、印字ヘッドとプラテン間の距離、単発ピン又は連発ピンの差異、印字ヘッドの温度、及び電圧変動等の諸条件に起因して、ドライブ開始タイミング及びドライブ終了タイミングがそれぞれ異なる。また、印字ヘッドピン間の離間距離がそれぞれ異なることから、同じ位置にインパクトする場合に時間的な差異が発生する。このため、印字DPIによっては基本となる印字タイミングそのものが、次のタイミングにズレることもある。従って、図1に示すように、基本となる印字タイミングと次の印字タイミングとの間に、様々なタイミングで、且つ、様々なドライブ時間で各ピンのドライブ信号が出力されることになる。
【0004】
また、プリンタに配設された電源部から印字ヘッド駆動用の電流が供給される印字ヘッドピンの駆動には、1ピン当り約1A程度の電流量が必要となる。このため、24ピンが全て同時にドライブするためには約24Aもの電流量が必要となる。しかし、電源部から供給可能な電流量は、コストや電気部品の定格オーバ等による制約がある。従って、従来のプリンタにおいては、電源部の電流出力許容量を超えない範囲で使用するために、同時インパクトピン数を検出して、当該同時インパクトピン数に応じた制御を行っていた。
【0005】
なお、同時インパクトピン数の検出方法としては、その印字タイミングで設定した印字データから同時ピン数を単純に割り出していた。具体的には、各ピンのドライブタイミングを考慮せずに、当該印字タイミングで設定された印字データ24本分の情報をカウントすることにより、電源容量を超過しない同時インパクトピン数か否かを判断して制御を行っていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開平7-52413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の構成では、従来の同時インパクトピン数の検出方法において問題が有る。具体的に図2を参照しながら説明する。図2中に記載した基本印字タイミング(1)でインパクトする本数は6本、同様に基本印字タイミング(2)でインパクトする本数は3本である。ここで、プリンタの仕様として同時インパクト本数が7本、及び電流許容最大値が(A)の場合、前半の領域(あ)における印字動作は可能であるが、後半の領域(い)における印字動作は電源の電流許容最大値(A)を超過するため電源の保護は行えない問題が有った。
【0008】
また、同時インパクト本数が7本の場合には上述した様に印刷動作が不可能であるが、図3に示すように同時インパクト本数を6本とした場合では、全領域において1回の走査だけでは電源の電流許容最大値を超えてしまうと判断されることから分割して印字が実行される。なお、図3の場合には偶数ピンがマスクされている。上述した条件においては、領域(う)及び領域(え)が十分に電流許容範囲内であるにも関わらず分割印字されることから、印字速度が低下してしまう問題が有った。
【0009】
そこで、本発明は前述の技術的な課題に鑑み、精度の良い電源保護が可能であり電源が遮断されることを回避でき、且つ、電源の過剰な保護による分割印字も抑制できるプリンタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決すべく、本発明に係るプリンタは、複数の印字素子を駆動する印字素子駆動部と、複数の前記印字素子の駆動時間を監視する監視部と、前記印字素子駆動部が必要とする電流量を前記監視部で監視した前記駆動時間に基づいて算出する電流量算出部と、前記印字素子駆動部に電流を供給する電源部と、前記電流量算出部で算出された前記電流量が前記電源部の電流上限値に達し又は超過し、且つ、駆動中の前記印字素子の電流レベルが一定値である場合に、前記印字素子駆動部の駆動を停止させる制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るプリンタによれば、電源が遮断されることを回避でき、且つ、電源の過剰な保護による分割印字も抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のプリンタに係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明のプリンタは、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態に係るプリンタの制御について、図4を参照しながら説明する。図4にプリンタの制御に係る制御LSI内に設けられた印字制御部101のブロック図を示す。
【0014】
印字制御部101は、制御部であり、制御レジスタ群102、印字データ転送カラムカウント部107、印字部108、1ピン用電流レベル生成部111乃至24ピン用電流レベル生成部134、総レベル算出部135、比較部136、レベル1OFF部137、次パス用印字データ格納部138、割り込み発生部139、及びカラム数カウンタ保持部140から構成される。以下、印字制御部101を構成する各構成部について、図4を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
印字制御部101内の制御レジスタ群102は、電流レベルカウント周期設定レジスタ103、閾値設定レジスタ104、印字DP1設定レジスタ105、及び印字データ設定レジスタ106から成り、印字制御部101内部の各種設定値を格納し、監視部でもある。電流レベルカウント周期設定レジスタ103は、印字素子である各ピンにおける電流レベルを算出するカウント周期を設定する。なお、電流レベルカウント周期設定レジスタ103から出力されたカウント周期の設定値は、後述する1ピン用電流レベル生成部111乃至24ピン用電流レベル生成部134にそれぞれ出力される。また、閾値設定レジスタ104は、電流値の最大許容量を閾値情報として設定する。なお、当該最大許容量は、予め一定量のマージンを加算して設定するため、閾値を超えた場合でも直ちに電源が遮断されることはない。また、印字DPI設定レジスタ105は、図示せぬホストPCから受信した印字命令に基づいて印字DPIを設定する。なお、当該設定値から基本印字タイミングに係る発生タイミングが生成される。また、印字データ設定レジスタ106は、基本印字タイミング毎に印字させる印字データを設定する。また、印字データ転送カラムカウント部107は、印字データに係る転送カラムをカウントしてカラム数カウンタ保持部140に出力する。
【0016】
印字制御部101内の印字部108は、基本印字タイミングで設定された印字データに基づいて、図示せぬヘッドドライバへDT1信号を出力することにより、DT1のON/OFFに係るインパクトを行い印字ヘッドピンが動作する。また、1ピン用電流レベル生成部111は、1ピン用タイマ109及び1ピン用ドライブ電流レベル保持部110から成る。1ピン用タイマ109は、電流レベルカウント周期設定レジスタ103から入力された電流レベル生成周期設定値と、印字部108から入力されたDT1のON/OFFに係るフラグに基づいて、1ピンのドライブがONされたらカウンタが起動し電流レベル生成周期設定値の周期分カウントする。その後、カウントUPフラグを出力して再カウントを繰り返す。1ピン用ドライブ電流レベル保持部110は、当該カウントUPフラグを受け電流レベルのカウンタをUPさせた後に、電流レベル値に係る出力として電流量算出部である総レベル算出部135に出力する。なお、1ピンのドライブがOFFされると、1ピン用タイマ109及び1ピン用ドライブ電流レベル保持部110のカウンタをリセットして、次のドライブまで待機する。なお、2ピン用電流レベル生成部112乃至24ピン用電流レベル生成部134は、1ピン用電流レベル生成部111の構成及び動作と同様であるため説明を省略する。また、総レベル算出部135は、1ピン用電流レベル生成部111乃至24ピン用電流レベル生成部134から入力された1ピン乃至24ピンに係る各電流レベルを加算した後に総電流レベルとして後述する比較器136に出力する。
【0017】
印字制御部101内の比較部136は、総レベル算出部135から入力された総電流レベルと、閾値設定レジスタ104で設定された閾値とを比較し、当該比較結果をレベル1OFF部137に出力する。また、レベル1OFF部137は、比較器136から入力された比較結果において総電流レベルが閾値を超えていて、且つ、現在の電流レベルがレベル1の場合に、当該ピンがドライブ途中であっても強制的に動作をOFFさせる。具体的には、DT1に係るOFF情報が印字部108に出力されることによりドライブがOFFされる。なお、ピンのドライブをOFFしたことを、次パス用印字データ格納部138、割り込み発生部139、及びカラム数カウンタ保持部140に通知する。また、次パス用印字データ格納部138は、レベル1OFF部137からドライブがOFFされたことを通知されると、ドライブ途中でOFFされたピンを印字されていない印字データとして保持する。なお、次パス用印字データ格納部138で保持した印字データは、分割印字の2パス目以降の印字データとして使用される。また、割り込み発生部139は、レベル1OFF部137からドライブがOFFされたことを通知されると、割り込み信号を発生させる。当該割り込み信号によりCPUはドライブ途中で動作がOFFされたことを知る。また、カラム数カウンタ保持部140は、レベル1OFF部137からドライブがOFFされたことを通知されると、ドライブ途中でOFFされたピンが何カラム目であるかの情報を保持する。なお、カラム数カウンタ保持部140で保持されたカラム数は、分割印字の2パス目の印字開始カラム番号になる。
【0018】
次に、本実施形態のプリンタに係る印刷動作について、図5乃至図8を参照しながら具体的に説明する。図5乃至図8にプリンタの印刷動作に係るフローチャートを分割して示す。
【0019】
印刷指示に基づいてプリンタの印刷動作に係るシーケンスが開始される。手順1に進むと、印字制御部101内に設けられた制御レジスタ群102に設定データを書き込む(S1)。次に手順2に進むと、印字制御部101は図示せぬ上位装置等から印字データを受信する(S2)。次に手順3に進むと、印字起動がかかり、且つ、図示せぬ印字ヘッドを搭載した印字素子駆動部である図示せぬキャリッジ部を走査させるためにキャリッジ部に連結されている図示せぬスペーシング・モータの回転起動がかかる。なお、以降の説明においては、スペーシング・モータをSPモータと称する。SPモータが回転して、キャリッジ部が第1ドット位置の1つ前の位置まで走査されることにより、当該位置で基本印字タイミングが発生する。具体的には、ファーム・プログラムが当該位置で基本印字タイミングを発生させるような設定を、予め制御LSIに対して行っていることから、当該位置で基本印字タイミングが発生する(S3)。
【0020】
手順4乃至手順14については、1ピン乃至24ピンの全ピンにおいて共通の処理であるため、1ピンの処理について説明する。手順3から手順4に進むと、基本印字タイミング発生前までに、各ピンの電流レベルを1にクリアする(S4)。次に手順5に進むと、基本印字タイミング発生前までに、各ピンのタイマを0にクリアする(S5)。次に手順6に進むと、基本印字タイミングが発生して当該タイミングがトリガとなり、1ピンのドライブ起動がかかることにより、印字部108にてドライブ信号(DT1信号)がONされた場合(Yes)には手順7に進み、1ピンのドライブ起動がかからなかった場合(No)には手順6に戻る(S6)。次に手順7に進むと、1ピン用タイマ109が起動し、1ピン用タイマ109がインクリメントされる(S7)。次に手順8に進むと、1ピン用タイマ109が電流レベルカウント周期設定レジスタ103に設定した値と同値であるか否かを判定し、同値である場合(Yes)には手順9に進み、同値でない場合(No)には手順7に戻る(S8)。次に手順9に進むと、1ピン用ドライブ電流レベル保持部110の電流レベル値がインクリメントされることにより、電流レベルが電流レベル1から電流レベル2に増加する。
【0021】
上述した手順7乃至手順9は、1ピンのドライブがOFFされるまで繰り返される。また、手順6においてドライブONの情報が入力され、又は、手順9において電流レベル値が増加されると同時に、当該電流レベルが総レベル算出部135に出力される。次に手順10に進むと、印字部108にてドライブ信号がOFFされたか否かを判定し、OFFされた場合(Yes)には手順5に戻り、OFFされていない場合(No)には手順4に戻る(S10)。次に手順11に進むと、総レベル算出部135において1ピン乃至24ピンの電流レベルが全て加算され、当該加算された情報が比較器136に出力される(S11)。次に手順12に進むと、総レベル算出部135における算出値と閾値設定レジスタ104に設定された閾値を比較し、算出値が閾値以下の場合(Yes)には手順11に戻り、算出値が閾値を超えている場合(No)には手順13に進む(S12)。
【0022】
手順13に進むと、ドライブしている1ピンの電流レベルが1であるか否かを判定し、1ピンの電流レベルが1である場合(Yes)には手順14に進み、1ピンの電流レベルが1ではない場合(No)には手順5に戻る(S13)。なお、1ピンの電流レベルが1でない場合にはそのドライブが継続されることから、結果的に算出値が閾値を超えてしまう可能性がある。従って、閾値は予め所定のマージンを加えて設定する。また、1ピンの電流レベルが1の場合以外でドライブがOFFしてしまうと、印字ヘッドピンが印刷媒体に到達してからドライブがOFFされる可能性が有るため、このような仕様は設けない。次に手順14に進むと、現在ドライブONしているピンのドライブをOFFするために、レベル1OFF部137にDT1OFF情報が出力され、手順10及び手順15に進む(S14)。なお、手順10において1ピンのドライブがOFFされるまで、上述した手順7乃至手順9、及び手順11乃至手順14が繰り返される。次に手順15に進むと、レベル1OFF部137から出力されたDT1OFF情報が、割り込み発生部139において、CPUに対する割り込み信号に変換される(S15)。
【0023】
手順16に進むと、カラム数カウンタ保持部140にて、その時点におけるカラム数をラッチする(S16)。次に手順17に進むと、次パス用印字データ格納部138にて、ドライブOFFされた印字ヘッドピンの印字データをラッチして、手順6に戻る(S17)。なお上述した情報については、CPUが割り込みを受信して、それぞれのレジスタを読み出すことによりデータを取得できる。また、取得した当該データは、分割印字時の2パス目以降の印字に使用される。次に手順3から手順18に進むと、上述した動作を1行分継続して行い1行印字が終了したか否かを判定し、1行印字が終了した場合(Yes)には手順19に進み、1行印字が終了していない場合(No)には手順18に戻る(S18)。次に手順19に進むと、ドライブOFFされたピンが有るか否かを判定し、CPUが上述した割り込みの有無により1行目の途中でドライブOFFされた印字ヘッドピンが有る場合(Yes)には手順20に進み、ドライブOFFされた印字ヘッドピンが無い場合(No)にはプリンタの印刷動作に係るシーケンスが終了される(S19)。次に手順20に進むと、1パス目の分割印字を終了して2パス目の分割印字を実行する(S20)。
【0024】
上述したプリンタの印刷動作に係る制御LSIにおける総電流値について、図9及び図10を参照しながら具体的に説明する。図9に、本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る各印字ヘッドピンの電流レベル値と総電流レベル値を示す。また、図10に、本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る閾値を電流レベル10に設定した場合の総電流量を示す。各ピンのタイマによりカウンタが上がり電流値も高くなる。従って、各ピンのカウント値の総和に比例して使用される電流値が高くなる。図1乃至図3を参照しながら前述した従来のプリンタの制御に係るドライブ波形は、本実施形態のプリンタにおいては、電流レべルで区切られ、且つ、総電流量も詳細に区切られている。また、閾値を電流レベル10と設定すると図10で表される。なお、従来のプリンタの制御に係る同時ピン本数が7本の場合と同等である。図10においては、従来のプリンタに係る印刷動作において閾値を超えている領域について、閾値を超えないように制御が行われ、且つ、図3を参照しながら前述した従来のプリンタに係る印刷動作における領域(う)及び領域(え)のような分割印字の必要がない領域、すなわち電流制御の必要がない領域についても、過剰な電流制御がなされない。
【0025】
以上、第1の実施形態に係るプリンタによれば、ドライブ開始からの時間経過に伴う電流レベルを監視し、且つ、当該電流レベルを全ピン分において計数したものと、電源部の電流出力許容量から割り出した閾値設定値との比較に基づき、許容電流量を超えたか否かを判定する。このため、従来のプリンタと比べて、精度の良い電源保護が可能であることから電源が遮断されることを回避できる、さらに、電源の過剰な保護による分割印字も抑制できることから、印字速度を向上できる。
【0026】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るプリンタについて説明する。なお、第2の実施形態においては、印字ヘッドピンの特性に応じた時定数の計算により実際の電流上昇カーブに近似させることに特徴を有し、それ以外のプリンタに係る構成は、第1の実施形態で述べたプリンタの構成と同様である。このため、第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成を中心にして具体的に説明する。
【0027】
まず、プリンタの制御について、図11を参照しながら説明する。図11にプリンタの制御に係る制御LSI内に設けられた印字制御部201のブロック図を示す。
【0028】
印字制御部201は、第1の実施形態と同様の構成部材である印字データ転送カラムカウント部107、印字部108、総レベル算出部135、比較部136、レベル1OFF部137、次パス用印字データ格納部138、割り込み発生部139、及びカラム数カウンタ保持部140に加えて、第2の実施形態に特有の構成部材である制御レジスタ群202、及び1ピン用電流レベル生成部211乃至24ピン用電流レベル生成部234から構成される。以下、印字制御部201を構成する各構成部の内、第2の実施形態に特有の各構成部について、図11を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
印字制御部201内の制御レジスタ群202は、第1の実施形態に係る電流レベルカウント周期設定レジスタ103に換えて、第2の実施形態に係る電流レベル1カウント周期設定レジスタ251乃至電流レベル5カウント周期設定レジスタ255と、第1の実施形態と同様の構成部材である、閾値設定レジスタ104、印字DP1設定レジスタ105、及び印字データ設定レジスタ106から成り、印字制御部201内部の各種設定値を格納し、計算部でもある。そこで、電流レベル1カウント周期設定レジスタ251乃至電流レベル5カウント周期設定レジスタ255について説明する。
【0030】
制御レジスタ群202内の電流レベル1カウント周期設定レジスタ251は、各ピンがドライブONした場合の第1回目のタイマカウント値を設定する。具体的には、1つのピンに係る標準的なヘッドドライブの電流最大値の20%に相当する電流値まで上昇するまでの時間を設定する。例えば、プリンタにおけるヘッドドライブの電流最大値を1Aとすると、電流値0.0AからドライブONして1Aの20%に相当する0.2Aまで電流値が上昇するのに要する時間を設定する。なお、1つの印字ヘッドピンに係る標準的なヘッドドライブ電流最大値の20%に相当する電流値まで上昇するまでの時間について、詳細に説明する。印字ヘッドに供給される電流は、印字ヘッド内部コイルのL成分となるインダクタや、R成分となる抵抗により規定される時定数に基づいて、電流上昇カーブが決まる。なお、時定数の式を式1に示し、表1に式1で用いた記号の説明を示す。また、図12にプリンタの制御に係る時定数による電流上昇カーブを示す。
【0031】
【数1】

【0032】
【表1】

【0033】
ここで、時間を解とするように式1を変換すると式2で表される。式2の解tは、V(t−1)の電流値からV(t)までの電流値に係るVmaxに対する割合である偏差量を表している。従って、解tに1つの印字ヘッドピンに係る標準的なヘッドドライブ時間を掛けた値に変換する必要がある。表1は、τ=1、電流max値=1.0A、及びドライブ時間max値=300μsecとした場合における電流レベルカウント周期設定レジスタ値の計算例であり、1つの印字ヘッドピンに係る標準的なヘッドドライブ電流最大値の20%に相当する電流値まで上昇するまでの時間を示す。式2及び表2に基づいて、40%、60%、80%、及びVmaxである100%を導出し、電流レベル1カウント周期設定レジスタ251乃至電流レベル5カウント周期設定レジスタ255にそれぞれ設定する。
【0034】
【数2】

【0035】
【表2】

【0036】
制御レジスタ群202内の電流レベル2カウント周期設定レジスタ252は、各ピンにおける電流が20%から40%まで上昇する時間を設定する。同様に、電流レベル3カウント周期設定レジスタ253は、各ピンにおける電流が40%から60%まで上昇する時間を設定する。同様に、電流レベル4カウント周期設定レジスタ254は、各ピンにおける電流が60%から80%まで上昇する時間を設定する。同様に、電流レベル5カウント周期設定レジスタ255は、各ピンにおける電流が80%から100%まで上昇する時間を設定する。なお、電流レベル1カウント周期設定レジスタ251乃至電流レベル5カウント周期設定レジスタ255でそれぞれ設定された時間は、レベル生成周期に係る設定値として後述する1ピン用電流レベル生成部211乃至24ピン用電流レベル生成部234にそれぞれ出力される。
【0037】
印字制御部201内の1ピン用電流レベル生成部211は、第1の実施形態に係る1ピン用タイマ109に換えて、第2の実施形態に係る1ピン用タイマ209と、第1の実施形態と同様の構成部材である1ピン用ドライブ電流レベル保持部110から成る。このため、1ピン用タイマ209について説明する。1ピン用タイマ209には、電流レベル1カウント周期設定レジスタ251乃至電流レベル5カウント周期設定レジスタ255までの設定値が入力され、現在の電流レベルに応じてタイマカウント値を切り替えて使用する。なお、2ピン用電流レベル生成部212乃至24ピン用電流レベル生成部234は、1ピン用電流レベル生成部211の構成及び動作と同様であるため説明を省略する。
【0038】
次に、本実施形態のプリンタに係る印刷動作について、図13及び図14を参照しながら具体的に説明する。図13及び図14にプリンタの印刷動作に係るフローチャートの一部を分割して示す。
【0039】
印刷指示に基づいてプリンタの印刷動作に係るシーケンスが開始される。なお、第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順1乃至手順7は、前述した第1の実施形態におけるプリンタに係る印刷動作に係る手順1乃至手順7と、それぞれ同様である。同様に、第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順9乃至手順20は、前述した第1の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順9乃至手順20と、それぞれ同様である。従って、第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作においては、第1の実施形態のプリンタに係る印刷動作に係る手順8に換えて、第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作に特有の手順21に特徴を有する。以下、手順21について具体的に説明する。
【0040】
手順7から手順21に進むと、タイマが起動し、現在の電流レベルの値に応じて、比較する電流レベルカウント周期設定レジスタ番号が変わる。例えば、現在の電流レベルが1の場合には手順21Aに進み、1ピン電流レベルである1と、電流レベル1カウント周期設定レジスタ251に設定された値とを比較し、同値である場合(Yes)には手順9に進み、1ピン用ドライブ電流レベル保持部110の電流レベル値がインクリメントされることにより、電流レベルが1から2に増加する。なお、同値でない場合(No)には手順7に戻る。なお、現在の電流レベルが2の場合、3の場合、4の場合、及び5の場合の動作は、それぞれ手順21B、手順21C、手順21D、手順21Eで表され、電流レベルが1の場合の手順21Aと同様の動作が実行される。また、電流レベルが6となった場合には、前述した1つの印字ヘッドピンの標準的なヘッドドライブ電流最大値を超えている場合に相当することから、電流レベル値は6のままインクリメントされずに、手順7に戻る(S21)。
【0041】
上述したプリンタの印刷動作に係る制御LSIにおける総電流値について、図15及び図16を参照しながら具体的に説明する。図15に、本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る各印字ヘッドピンの電流レベル値と総電流レベル値を示す。また、図16に、本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る閾値を電流レベル14に設定した場合の総電流量を示す。図1乃至図3を参照しながら前述した従来のプリンタの制御に係るドライブ波形は、本実施形態のプリンタにおいては、閾値を設定してドライブ駆動することにより、電流レべルで区切られ、且つ、総電流量も詳細に区切られている。また、閾値を電流レベル14と設定すると図16で表される。なお、従来のプリンタの制御に係る同時ピン本数が7本の場合と同等である。
【0042】
以上、第2の実施形態に係るプリンタによれば、印字ヘッドピンの特性に応じた時定数の計算により、実際の電流上昇カーブに近似させた上で、ドライブ開始からの時間経過に伴う電流レベルを監視し、且つ、当該電流レベルを全ピン分において計数したものと、電源部の電流出力許容量から割り出した閾値設定値との比較に基づき、許容電流量を超えたか否かを判定する。このため、第1の実施形態のプリンタに比べて、更に精度の良い電源保護が可能であることから電源が遮断されることを回避できる、さらに、電源の過剰な保護による分割印字も抑制できることから、印字速度を向上できる。
【0043】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るプリンタについて説明する。なお、第3の実施形態においては、電源の電流出力仕様に合わせた電流制御を実施することに特徴を有し、それ以外のプリンタに係る構成は、第1及び第2の実施形態で述べたプリンタの構成と同様である。このため、第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態と異なる構成を中心にして具体的に説明する。
【0044】
まず、プリンタの制御について、図17を参照しながら説明する。図17にプリンタの制御に係る制御LSI内に設けられた印字制御部301のブロック図を示す。
【0045】
印字制御部301は、第1及び第2の実施形態と同様の構成部材である印字データ転送カラムカウント部107、印字部108、総レベル算出部135、比較部136、レベル1OFF部137、次パス用印字データ格納部138、割り込み発生部139、及びカラム数カウンタ保持部140と、第2の実施形態と同様の構成部材である1ピン用電流レベル生成部211乃至24ピン用電流レベル生成部234に加えて、第3の実施形態に特有の構成部材である制御レジスタ群302、アベレージ用比較器362、アベレージ用タイマ363、及び割り込み要因レジスタ部364から構成される。以下、印字制御部301を構成する各構成部の内、第3の実施形態に特有の各構成部について、図17を参照しながら具体的に説明する。
【0046】
印字制御部301内の制御レジスタ群302は、第1及び第2の実施形態と同様の構成部材である閾値設定レジスタ104、印字DP1設定レジスタ105、及び印字データ設定レジスタ106と、第2の実施形態と同様の構成部材である電流レベル1カウント周期設定レジスタ251乃至電流レベル5カウント周期設定レジスタ255に加えて、第3の実施形態に特有の構成部材であるアベレージ用閾値設定レジスタ360、及びアベレージ用タイマ設定レジスタ361から構成される。このため、アベレージ用閾値設定レジスタ360及びアベレージ用タイマ設定レジスタ361について説明する。アベレージ用閾値設定レジスタ360は、電源のアベレージ用電流許容出力値に応じたアベレージ用の閾値を設定するレジスタである。また、アベレージ用タイマ設定レジスタ361は、電源のアベレージ用電流許容出力時間に応じたタイマ値を設定するレジスタである。
【0047】
印字制御部301内のアベレージ用比較器362は、総レベル算出部135の出力値と、アベレージ用閾値設定レジスタ360に設定したアベレージ用の閾値を、比較するブロックである。ここで、総レベル算出部135の出力値が、アベレージ用閾値設定レジスタ360に設定したアベレージ用の閾値を超えている場合は、後述するアベレージ用タイマ363に対してタイマONフラグを出力する。また、総レベル算出部135の出力値が、アベレージ用閾値設定レジスタ360に設定したアベレージ用の閾値を下回った場合には、タイマONフラグがリセットされる。また、アベレージ用タイマ363は、アベレージ用比較器362から出力されたタイマONフラグをトリガとして、タイマを起動させる。タイマがインクリメントされることにより、アベレージ用タイマ設定レジスタ361に設定された値と同値になると、当該情報をレベル1OFF部137に伝える。また、アベレージ用の閾値を下回った場合には、タイマONフラグのリセットに伴いタイマもリセットされる。
【0048】
印字制御部301内の割り込み要因レジスタ部364は、電流出力に関してどのような検出系で検出されたかを保持するレジスタである。ここで、当該レジスタについて理解を容易にするために、プリンタなどに搭載される電源部の一般的な出力仕様について説明する。電源部からの電流出力要件として主に2つの仕様がある。1つ目は、従来技術、第1の実施形態、及び第2の実施形態において前述したピーク電流値に基づく制限であり、電流の最大値が電源部が出力できる最大値を超えると電源が遮断される仕様である。2つ目は、平均電流値に基づく制限であり、電源部上で使用している素子の熱ディレーティングや安全動作領域であるASO(Area of Safe Operation)の範囲を超えると電源が遮断される仕様である。従って、ある一定の電流量が継続的に出力された場合には平均電流値に基づく制限の状態になることから、ある一定の電流量をアベレージ用閾値設定レジスタ360に設定し、その継続時間未満のタイマ設定値をアベレージ用タイマ設定レジスタ361に設定することにより、平均電流値に基づく制限に起因して電源が遮断される回避することができる。割り込み要因レジスタ部364は、上述したピーク電流値に基づく制限又は平均電流値に基づく制限において、どちらの検出系で電源が遮断が検出されたかを保持するレジスタである。
【0049】
次に、本実施形態のプリンタに係る印刷動作について、図18を参照しながら具体的に説明する。図18にプリンタの印刷動作に係るフローチャートの一部を示す。
【0050】
印刷指示に基づいてプリンタの印刷動作に係るシーケンスが開始される。なお、第3の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順1乃至手順7は、前述した第1及び第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順1乃至手順7と、それぞれ同様である。同様に、第3の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順9乃至手順20は、前述した第1及び第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順9乃至手順20と、それぞれ同様である。同様に、第3の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順21は、前述した第2の実施形態のプリンタに係る印刷動作の手順21と、それぞれ同様である。従って、第3の実施形態のプリンタに係る印刷動作においては、手順31乃至手順34が加えられていることに特徴を有する。以下、手順31乃至手順34について具体的に説明する。
【0051】
手順11から手順31に進むと、手順11において総レベル算出部135で全ピンの電流レベルの算出された総和の情報に基づいて、総レベル算出部135の算出結果とアベレージ用閾値設定レジスタ360の設定値を比較し、算出結果がアベレージ用閾値を超えていない場合(No)には手順32に進み、算出結果がアベレージ用閾値以下の場合(Yes)には手順33に進む(S31)。次に手順32に進むと、アベレージ用タイマ363のタイマをリセットし、手順31に戻る(S32)。次に手順33に進むと、アベレージ用タイマ363のタイマをインクリメントする(S33)。次に手順34に進むと、アベレージ用タイマ363のタイマ値とアベレージ用タイマ設定レジスタ361の設定値を比較し、アベレージ用タイマ363のタイマ値がアベレージ用タイマ設定レジスタ361の設定値までカウントアップしていない場合(No)には手順33に戻り、その後、アベレージ用タイマ363のタイマ値がアベレージ用閾値を超えている間インクリメントする。アベレージ用タイマ363のタイマ値がアベレージ用タイマ設定レジスタ361の設定値までカウントアップして、且つ、アベレージ用タイマ363のタイマ値がアベレージ用閾値を超えている場合(Yes)には手順13に進み、その後、現在の電流レベルが1である印字ヘッドピンのドライブをOFFするためにレベル1OFF部137に通知される(S34)。
【0052】
上述したプリンタの印刷動作に係る制御LSIにおける総電流値について、図19及び図20を参照しながら具体的に説明する。図19に、本発明の第3の実施形態のプリンタの制御に係る各印字ヘッドピンの電流レベル値と総電流レベル値を示す。また、図20に、本発明の第3の実施形態のプリンタの制御に係るアベレージ閾値を電流レベル10に設定した場合の総電流量を示す。図1乃至図3を参照しながら前述した従来のプリンタの制御に係るドライブ波形は、本実施形態のプリンタにおいては、アベレージ用閾値を設定してドライブ駆動することにより、電流レべルで区切られ、且つ、総電流量も詳細に区切られている。なお、図20は従来のプリンタで同時ピン本数が5本の電流量が電源許容限界点(継続時間)だけ継続されることにより電源が遮断される場合において、アベレージ用閾値を10と設定した場合の制御タイミングチャートである。
【0053】
以上、第3の実施形態に係るプリンタによれば、電源部の電流出力仕様に合わせた電流制御を行うことにより、第1及び第2の実施形態において保護していたピーク電流値に加えて、平均電流量の保護も可能である。このため、第1及び第2の実施形態のプリンタに比べて、更に精度の良い電源保護が可能であることから電源が遮断されることを回避できる、さらに、電源の過剰な保護による分割印字も抑制できることから、印字速度を向上できる。
【0054】
なお、上述した第2の実施形態おける時定数の演算に関しては、動作周波数が高い高スペックのCPU、及びDSP(Digital Signal Processor)など、乗算及び除算の演算に優れたCPU等を使用することにより、更に汎用的、且つ、高効率な制御を行う構成としても良い。なお、乗算及び除算の演算においてはLSI回路規模が膨大になるため、時定数を制御LSIで演算させることは好ましくない。従って、時定数の演算はプリンタ装置毎の設計値として予め計算しておき、当該設計値が制御LSI上に設定可能な構成することが好ましい。さらに、第3の実施形態に係る基本的な構成を第2の実施形態と同様の構成としたが、第3の実施形態に係る基本的な構成を第1の実施形態と同様の構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来のプリンタの制御に係る様々なタイミングで出力される印字ヘッドピンのドライブ信号を示す模式図である。
【図2】従来のプリンタの制御に係る同時印字ヘッドピン数の認識と実際の電流量を示す模式図である。
【図3】従来のプリンタの制御に係る同時印字ヘッドピン数の認識と実際の電流量を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る制御LSI内に設けられた印字制御部を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る各印字ヘッドピンの電流レベル値と総電流レベル値を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る閾値を電流レベル10に設定した場合の総電流量を示す模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る制御LSI内に設けられた印字制御部を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る時定数による電流上昇カーブを示す模式図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る各印字ヘッドピンの電流レベル値と総電流レベル値を示す模式図である。
【図16】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る閾値を電流レベル14に設定した場合の総電流量を示す模式図である。
【図17】本発明の第3の実施形態のプリンタの制御に係る制御LSI内に設けられた印字制御部を示すブロック図である。
【図18】本発明の第3の実施形態のプリンタの印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施形態のプリンタの制御に係る各印字ヘッドピンの電流レベル値と総電流レベル値を示す模式図である。
【図20】本発明の第3の実施形態のプリンタの制御に係るアベレージ用閾値を電流レベル10に設定した場合の総電流量を示す模式図である。
【符号の説明】
【0056】
101 印字制御部
102 制御レジスタ群
103 電流レベルカウント周期設定レジスタ
104 閾値設定レジスタ
105 印字DP1設定レジスタ
106 印字データ設定レジスタ
107 印字データ転送カラムカウント部
108 印字部
109 1ピン用タイマ
110 1ピン用ドライブ電流レベル保持部
111 1ピン用電流レベル生成部
112 2ピン用電流レベル生成部
134 24ピン用電流レベル生成部
135 総レベル算出部
136 比較部
137 レベル1OFF部
138 次パス用印字データ格納部
139 割り込み発生部
140 カラム数カウンタ保持部
201 印字制御部
202 制御レジスタ群
209 1ピン用タイマ
211 1ピン用電流レベル生成部
212 2ピン用電流レベル生成部
234 24ピン用電流レベル生成部
251 電流レベル1カウント周期設定レジスタ
252 電流レベル2カウント周期設定レジスタ
253 電流レベル3カウント周期設定レジスタ
254 電流レベル4カウント周期設定レジスタ
255 電流レベル5カウント周期設定レジスタ
301 印字制御部
302 制御レジスタ群
360 アベレージ用閾値設定レジスタ
361 アベレージ用タイマ設定レジスタ
362 アベレージ用比較器
363 アベレージ用タイマ
364 割り込み要因レジスタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印字素子を駆動する印字素子駆動部と、
複数の前記印字素子の駆動時間を監視する監視部と、
前記印字素子駆動部が必要とする電流量を前記監視部で監視した前記駆動時間に基づいて算出する電流量算出部と、
前記印字素子駆動部に電流を供給する電源部と、
前記電流量算出部で算出された前記電流量が前記電源部の電流上限値に達し又は超過し、且つ、駆動中の前記印字素子の電流レベルが一定値である場合に、前記印字素子駆動部の駆動を停止させる制御部とを有することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記電源部は、前記印字素子駆動部に供給する前記電流量について、上限電流量及び平均電流量に一定量の制限があることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
複数の前記印字素子の前記電流量を前記印字素子の時定数に基づいて計算する計算部を更に有し、
前記制御部は、前記計算部が計算した前記電流量が前記電源部の前記上限電流量に達した又は超過した場合に、前記印字素子駆動部の駆動を停止させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記印字素子駆動部が必要とする平均電流量を前記監視部で監視した前記駆動時間に基づいて算出する平均電流量算出部を更に有し、
前記制御部は、前記平均電流量算出部で算出された前記平均電流量が前記電源部から供給される前記電流値の閾値を超過した場合に、前記印字素子駆動部の駆動を停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプリンタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate