説明

プリンタ

【課題】連続紙をバックフィードすることによって不都合が生じるのを抑制することが可能なプリンタを得る。
【解決手段】プリンタ1は、連続紙のロール13とロール13の下流側に配置された搬送ローラ5(搬送機構)との間で連続紙2を付勢する付勢ローラ12を有した弛緩抑制機構19を備える。よって、搬送機構が連続紙2をバックフィードした場合にあっても、連続紙2を押圧部としての付勢ローラ12によって付勢することで、連続紙2の撓みを抑制し、ひいてはジャム(紙詰まり)や連続紙2の皺等の不都合が生じるのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状の連続紙に印字等の処理を行う際に、連続紙を戻す工程(バックフィード)を有するプリンタが知られている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このようなプリンタでは、バックフィードによって、ロール保持部に保持された連続紙のロールと当該ロールの下流側に配置された搬送ローラ(搬送機構)との間で連続紙が撓み、ジャム(紙詰まり)や連続紙に皺が生じる等の不都合が生じる場合があった。
【0004】
そこで、本発明は、連続紙をバックフィードすることによって不都合が生じるのを抑制することが可能なプリンタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかるプリンタにあっては、連続紙のロールを回動可能に保持するロール保持部と、前記ロール保持部の下流側に配置され、前記連続紙を進退可能に搬送する搬送機構と、前記連続紙に印字する印字部と、前記ロール保持部に保持された前記ロールと前記搬送機構との間で前記連続紙を付勢する弛緩抑制機構と、を備えたことを特徴の一つとする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、連続紙をバックフィードすることによって不都合が生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるプリンタの内部の概略構成を示す側面図であって、連続紙を順方向に搬送している状態を示す図である。
【図2】図2は、プリンタの内部の概略構成を示す側面図であって、連続紙を逆方向に所定量戻した状態を示す図である。
【図3】図3は、連続紙のロールの一例を示す斜視図である。
【図4】図4は、プリンタに含まれる弛緩抑制機構の一例の概略構成を示す側面図である。
【図5】図5は、プリンタの制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、プリンタの印字処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、プリンタに含まれる弛緩抑制機構の別の一例の概略構成を示す正面図である。
【図8】図8は、プリンタに含まれる弛緩抑制機構のさらに別の一例の概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明にかかるプリンタの一実施形態について詳細に説明する。
【0009】
本実施形態にかかるプリンタ1は、帯状の連続紙2(図3参照)に印字する印字機能と、連続紙2に添付されたRFIDチップ3(図3参照)のデータのリードライト機能とを備えている。
【0010】
まずは、プリンタ1の印字機能に関わる部分について説明する。プリンタ1は、筐体1a内に、筐体1aの底壁1bと垂直でありかつ筐体1aの側壁(図示せず)と平行な縦壁1cを有している。そして、この縦壁1cに、ロール保持軸4や、搬送ローラ5、プラテンローラ6、インクリボン7の供給軸8、インクリボン7の巻取軸9、印字ヘッドブロック10、ピンチローラブロック11、付勢ローラ12等が、当該縦壁1cとほぼ垂直な姿勢で取り付けられる。なお、筐体1a内の、図1の視線で縦壁1cの背面側には、図5に示す制御回路20等が収容されている。
【0011】
ロール保持軸4は、図3に示す連続紙2のロール13を、図1の紙面に垂直な軸回りに回動可能に保持する。すなわち、本実施形態では、ロール保持軸4が、ロール保持部に相当する。ここでは、ロール保持軸4を縦壁1cに回転可能に保持してもよいし、ロール保持軸4を縦壁1cに固定して連続紙2のロール13をロール保持軸4の回りに回転可能に保持してもよい。いずれにせよ、本実施形態では、ロール保持軸4やロール13は、モータ等によっては駆動されず、連続紙2は、搬送方向下流側(図1の左方向)の搬送ローラ5やプラテンローラ6等の回転によって連続紙2のロール13が回転(従動)し、ロール13から連続紙2が引き出される。
【0012】
搬送ローラ5およびプラテンローラ6は、モータ14等(図5参照)によって回転駆動される。本実施形態では、プラテンローラ6も搬送ローラに相当する。本実施形態では、搬送ローラ5は、印字部17やプラテンローラ6の上流側に配置され、搬送機構の中では、最もロール13に近く、最上流側に配置されている。ピンチローラブロック11は、搬送ローラ5と平行に近接して対向するピンチローラ(図示せず)を有している。そして、搬送ローラ5とピンチローラとで連続紙2を挟持して、搬送ローラ5の回転によって、連続紙2を搬送する。本実施形態では、これら、搬送ローラ5や、プラテンローラ6、モータ14、モータコントローラ20f、ピンチローラブロック11等が、搬送機構を構成している。また、本実施形態では、搬送機構の有する搬送ローラ5およびプラテンローラ6のうち、少なくとも、搬送方向上流側(図1の右側)の最も上流側に位置する搬送ローラ5は、連続紙2を搬送方向下流側へ順送する順方向(図1では反時計回り方向)に加えて、連続紙2を搬送方向上流側へ逆送する逆方向(図1では時計回り方向)にも回転可能に構成される。すなわち、搬送機構は、連続紙2を進退可能に搬送する。本実施形態にかかるプリンタ1では、連続紙2は、印字等で所定の処理が施された後、搬送機構によって搬送方向下流側へ搬送され、筐体1aの前壁1dに形成された排紙口1eから排出される。
【0013】
インクリボン7の供給軸8にはインクリボン7のロール16がセットされ、モータ14等によって駆動される巻取軸9の回転によって、インクリボン7が巻取軸9に巻き取られてロール16から引き出される。インクリボン7は、連続紙2とともに、印字ヘッドブロック10に含まれるサーマルヘッド10aとプラテンローラ6との間に挟持され、サーマルヘッド10aの加熱によってインクリボン7のインクを溶融あるいは昇華させることにより、連続紙2の表面(図1の上方の面)に、所定のパターン(文字、数字、バーコード、図形等)を転写する。すなわち、本実施形態では、インクリボン7や、供給軸8、巻取軸9、印字ヘッドブロック10、サーマルヘッド10a、モータ14、モータコントローラ20f等によって、印字機構が構成され、サーマルヘッド10aとプラテンローラ6とによって印字部17が構成されている。
【0014】
次に、プリンタ1のRFIDチップ3に対するデータのリードライト機能に関わる部分について、説明する。図3に示すように、連続紙2は、台紙2aと、台紙2a上に貼付されたRFIDチップ3を有するラベル2bと、を有している。ラベル2bは、矩形状に形成され、台紙2a上に一定のピッチで連続的に配置されている。なお、RFIDチップ3も、台紙2a上に一定のピッチで連続的に配置されている。本実施形態では、RFIDチップ3を有するラベル2bが、RFIDタグに相当する。
【0015】
そして、図1,2に示すように、プリンタ1は、搬送機構によって搬送する連続紙2に含まれるRFIDチップ3のデータに対してリードライト処理を実行するRFIDリーダライタ(RFID RW)18を備える。RFIDリーダライタ18は、本実施形態では、連続紙2を介してサーマルヘッド10aおよび印字ヘッドブロック10の反対側で、搬送ローラ5とプラテンローラ6との間となる位置に配置されている。すなわち、RFIDリーダライタ18は、連続紙2の搬送ローラ5よりも搬送方向下流側(図1,2の左側)であり、かつプラテンローラ6よりも搬送方向上流側(図1,2の右側)となる部分に対向して配置されている。ここで、連続紙2には、図3に示すように、複数のRFIDチップ3が、一定の間隔で配置されている。よって、RFIDリーダライタ18が対象外のRFIDチップ3との通信するのを避けるため、本実施形態では、RFIDリーダライタ18の通信範囲は比較的狭く設定され、RFIDリーダライタ18は、当該RFIDリーダライタ18に近接して対向したRFIDチップ3と通信する。
【0016】
プリンタ1の印字部17は、RFIDリーダライタ18でRFIDチップ3から読み取ったデータに対応する印字データ(例えばバーコード等)を、ラベル2bの表面2c上に印字する。したがって、一つのラベル2bについては、まず、RFIDリーダライタ18によるデータの読み取りが実行され、その後、印字部17による印字が実行される。よって、一つのラベル2bに対する印字部17による印字処理の後、次のラベル2bに対するRFIDリーダライタ18によるデータの読み取り処理が実行される。このような構成では、一つのラベル2bに対する印字処理が終了した後、次のラベル2bに対するデータの読み取り処理が実行される際に、次のラベル2bのRFIDチップ3が、RFIDリーダライタ18に対向する位置よりも搬送方向下流側に配置されている場合がある。このような場合、搬送機構は、搬送ローラ5を逆転させ、RFIDチップ3をRFIDリーダライタ18に近づける。なお、この際、搬送機構によってRFIDチップ3をRFIDリーダライタ18に正対させることは必須ではなく、RFIDリーダライタ18がRFIDチップ3と通信できる状態が得られればよい。また、RFIDリーダライタ18がRFIDチップ3と通信する際には、連続紙2は静止しているのが望ましいが、移動していても構わない。
【0017】
このように、搬送機構が連続紙2を逆方向に搬送(すなわちバックフィード)した場合、ロール13は逆転しないため、連続紙2の搬送方向の最も上流側(図1,2の最も右側)にある搬送ローラ5よりも搬送方向上流側(図1,2の右側)の部分、すなわち、搬送ローラ5と連続紙2のロール13との間の部分では、張力が低下して撓み、ジャム(紙詰まり)や皺等の不都合が生じる虞がある。そこで、本実施形態にかかるプリンタ1は、連続紙2の、搬送ローラ5より搬送方向上流側(図1,2の右側)の部分、すなわち、搬送ローラ5と連続紙2のロール13との間の部分を、付勢(押圧)して、連続紙2のこの部分における弛緩を抑制する付勢ローラ12を備えている。本実施形態では、図2に示すように、付勢ローラ12は、連続紙2を、搬送方向と交叉する方向の一方側(図1,2の例では、下方側)へ向けて付勢(押圧)することで、連続紙2に張力を与えている。すなわち、本実施形態では、付勢ローラ12が押圧部に相当する。なお、図1,2とは逆向き(すなわち上方側)に付勢(押圧)したり、搬送方向に対して斜め方向に付勢(押圧)したりしても、同様の効果を得ることができる。
【0018】
この付勢ローラ12を含む本実施形態にかかる弛緩抑制機構19では、例えば、図4に示すように、縦壁1cに一定幅で上下方向に沿って伸びるスリット状(長穴状)の貫通孔として、レール19aが形成される。また、レール19aの長手方向(すなわち上下方向)に沿ってスライドするスライダ19bが設けられ、このスライダ19bに付勢ローラ12が固定される。そして、縦壁1cに対して、付勢ローラ12を押圧方向(本実施形態では下方)へ向けて付勢する付勢部材としてのコイルスプリング19cが設けられる。すなわち、本実施形態では、弛緩抑制機構19は、レール19aや、スライダ19b、コイルスプリング19c、付勢ローラ12等を含んで構成されている。そして、本実施形態では、このように縦壁1cを利用することで、弛緩抑制機構19を比較的簡素な構成として得ることができる。なお、付勢部材としてのコイルスプリング19cの付勢力は比較的弱く設定されており、ロール13と搬送ローラ5との間に張力が印加されている状態では、図1に示すように、付勢ローラ12は上方に位置している。また、レール19aは、貫通孔としてではなく、スライダ19bを移動可能に保持する長尺状の構造体として構成してもよい。
【0019】
また、本実施形態にかかるプリンタ1では、図5に示すように、制御回路20は、CPU(Central Processing Unit)20aや、ROM(Read Only Memory)20b、RAM(Random Access Memory)20c、NVRAM(Non-Volatile Memory)20d、通信インタフェース(I/F)20e、モータコントローラ20f、印字部コントローラ20g、RFIDリーダライタ(R/W)コントローラ20h、センサコントローラ20i等を有し、これらが、アドレスバスやデータバス等のバス20jを介して接続されている。
【0020】
CPU20aは、ROM20b等に記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、プリンタ1の各部を制御する。ROM20bは、例えば、CPU20aが実行する各種データや各種プログラム(BIOS(Basic Input Output System)や、アプリケーションプログラム、デバイスドライバプログラム等)等を記憶する。RAM20cは、CPU20aが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。また、NVRAM20dは、例えば、OS(Operating System)や、アプリケーションプログラム、デバイスドライバプログラム等の他、電源がOFFされても保持しておきたい各種のデータ(例えば、バックフィード量(モータ14のステップ数)等)を記憶する。
【0021】
また、通信インタフェース(I/F)20eは、電気通信回線等を通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。モータコントローラ20fは、CPU20aからの指示に基づいて例えばステップモータ等として構成されるモータ14を制御して回転させる。なお、図5では、モータ14は一つだけであるが、プリンタ1は複数のモータ14を備えることができる。また、モータコントローラ20fは、モータ14から受け取った動作状態を示すデータをCPU20aに送ることもできる。また、印字部コントローラ20gは、CPU20aからの指示に基づいて印字部17のサーマルヘッド10a等を制御する。また、RFIDリーダライタコントローラ20hは、CPU20aからの指示に基づいてRFIDリーダライタ18を制御するとともに、CPU20aから受け取ったデータをRFIDリーダライタ18に送り、かつRFIDリーダライタ18から受け取ったデータをCPU20aに送る。なお、本実施形態では、RFIDリーダライタ18は、RFIDリーダとしての機能と、RFIDライタとしての機能とを有している。また、センサコントローラ20iは、連続紙2の位置(搬送量)を検出するフィードセンサ21を制御し、フィードセンサ21による検出結果をCPU20aに送る。
【0022】
そして、本実施形態にかかるプリンタ1では、図6に示すように、CPU20aは、RFIDリーダライタ18がRFIDチップ3と通信するのに先だって、モータ14を含む搬送機構を制御して連続紙2を搬送する(ステップS1)。このステップS1では、上述したように、処理対象としてのラベル2bを含む連続紙2をバックフィードする場合がある。
【0023】
次に、CPU20aは、RFIDリーダライタ18を制御して、処理対象としてのラベル2bのRFIDチップ3からデータを読み出す(ステップS2)。次いで、CPU20aは、RFIDチップ3から読み出したデータ(例えば、ラベル2bが商品に貼付されるRFIDタグである場合には、当該商品コード、商品名、製造者コード等)に基づいて、予め規定されたフォーマットで、印字データを生成する(ステップS3)。
【0024】
また、CPU20aは、モータ14を含む搬送機構を制御して連続紙2を搬送し、処理対象(印字対象)としてのラベル2bを、印字部17に位置決めする(ステップS4)。そして、処理対象(印字対象)としてのラベル2bに、ステップS3で生成した印字データを印字する。このとき、印字部17は、ラベル2bに、バーコードや、文字、数字、図形その他の情報を印字することができる(ステップS5)。そして、次に処理するラベル2bがある場合には(ステップS6でYes)、当該ラベル2bについてステップS1〜S5を実行し、次に処理するラベル2bが無い場合には(ステップS6でNo)、処理を終了する。
【0025】
以上、説明したように、本実施形態にかかるプリンタ1は、ロール保持軸4に保持された連続紙2のロール13と搬送ローラ5(搬送機構)との間で連続紙2を付勢(押圧)する付勢ローラ12を有した弛緩抑制機構19を備える。よって、搬送機構が連続紙2をバックフィードした場合にあっても、連続紙2を押圧部としての付勢ローラ12によって付勢(押圧)することで、連続紙2の撓みを抑制し、ひいてはジャム(紙詰まり)や連続紙2の皺等の不都合が生じるのを抑制することができる。
【0026】
また、本実施形態では、弛緩抑制機構19は、連続紙2を押圧する押圧部として、付勢ローラ(ローラ)12を有する。よって、連続紙2の搬送抵抗をより小さくすることができるとともに、押圧部によって連続紙2に傷等が生じるのを抑制することができる。
【0027】
また、本実施形態では、押圧部としての付勢ローラ12を、搬送機構等の各構成要素を支持するとともに制御回路20と紙搬送部(印字部等)とを区分けする縦壁1cに設けることで、弛緩抑制機構19をより簡素な構成として得ることができる。
【0028】
また、本実施形態では、弛緩抑制機構19が、押圧部としての付勢ローラ12およびスライダ19bを往復スライド可能に支持するレール19aを有する。このため、付勢ローラ12がプリンタ1に移動可能に支持される構成を、比較的簡素な構成として得ることができる。
【0029】
また、本実施形態では、プリンタ1は、連続紙2に形成された複数のラベル2bにそれぞれ含まれるRFIDチップ3からデータを読み取り可能なRFIDリーダライタ18を備え、搬送機構は、RFIDリーダライタ18がRFIDチップ3から情報を読み取るにあたって連続紙2を搬送方向上流側に後退、すなわちバックフィードさせ、印字部17は、RFIDリーダライタ18がRFIDチップ3から読み取ったデータに基づくバーコード等の情報を、RFIDチップ3を含むラベル2bに印字する。したがって、RFIDリーダライタ18がRFIDチップ3と通信を行うにあたって連続紙2をバックフィードするプリンタ1において、当該バックフィードによって、搬送ローラ5の搬送方向上流側に連続紙2の弛み(撓み)が生じるのを抑制し、この弛みによって、連続紙2のジャムや皺等が生じたり、連続紙2がプリンタ1の筐体1a内の他の部品や部位に干渉したりといった不都合が生じるのを抑制することができる。
【0030】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、付勢ローラ12は、縦壁1cと平行な別の縦壁(図示せず)との間に両端支持するのが好適である。また、例えば、図7に示すように、弛緩抑制機構19Aが、レール19aとしての支柱に両端支持されて連続紙2が挿通されるスリット19dが形成されたスライダ19bとしての押圧部19eを有してもよい。この押圧部19eも、付勢部材としてのコイルスプリング19fによって、下方に付勢される。また、例えば、図8に示すように、弛緩抑制機構19Bが、プリンタ1の縦壁1c等に回動軸Ax回りに回動可能に支持されるアーム19gと、アーム19gを回動方向一方側(図7では時計回り方向)に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング19hと、を有し、アーム19gに押圧部としての付勢ローラ12が取り付けられてもよい。このような構成により、弛緩抑制機構19Bを比較的簡素な構成として得ることができる。
【0031】
また、本発明は、搬送機構、印字部、筐体、縦壁、RFIDリーダライタ、各ローラのスペック(配置、数、形状等)は、適宜に変更して実施することが可能であるし、より大きなラベルや、小さなラベル、サイズの異なるラベル等を有する連続紙や、RFIDリーダライタを有しないプリンタにも適用することが可能である。また、連続紙の搬送方式や、搬送方向、印字方式、インクリボンの配置等も、上記実施形態には限定されない。また、縦壁として筐体の側壁を用いてもよい。また、付勢部材として、板バネや、他の弾性部材等を利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本発明は、連続紙をバックフィードするプリンタに適し、特に、RFIDリーダを備えたプリンタに適している。
【符号の説明】
【0033】
1 プリンタ
1c 縦壁
2 連続紙
3 RFIDチップ
5 搬送ローラ
12 付勢ローラ(押圧部)
17 印字部
18 RFIDリーダライタ(RFIDリーダ)
19 弛緩抑制機構
19a レール
19e 押圧部
19g アーム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2006−272844

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙のロールを回動可能に保持するロール保持部と、
前記ロール保持部の下流側に配置され、前記連続紙を進退可能に搬送する搬送機構と、
前記連続紙に印字する印字部と、
前記ロール保持部に保持された前記ロールと前記搬送機構との間で前記連続紙を付勢する弛緩抑制機構と、
を備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記弛緩抑制機構が、前記連続紙を押圧する押圧部として、前記連続紙に当接して転動するローラを有したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記弛緩抑制機構の前記連続紙を押圧する押圧部が、前記搬送機構を支持する縦壁に移動可能に支持されたことを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記弛緩抑制機構が、前記押圧部を往復スライド可能に支持するレールを有したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のプリンタ。
【請求項5】
前記弛緩抑制機構が、前記押圧部を往復回動可能に支持するアームを有したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のプリンタ。
【請求項6】
前記連続紙に形成された複数のラベルにそれぞれ含まれるRFIDチップからデータを読み取り可能なRFIDリーダを備え、
前記搬送機構は、前記RFIDリーダが前記RFIDチップから情報を読み取るにあたって前記連続紙を前記搬送方向上流側に後退させ、
前記印字部は、前記RFIDリーダが前記RFIDチップから読み取ったデータに基づく情報を、当該RFIDチップを含む前記ラベルに印字することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−183608(P2011−183608A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49382(P2010−49382)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】