説明

プリンタ

【課題】サーマルヘッドとプラテンローラとが直接接触する領域に付与される押圧力を積極的に低減した上で、幅の異なる複数のロール紙を同一の装置で取り扱うことができるプリンタを提供する。
【解決手段】多数の発熱素子を有し、ロール紙から引き出される記録紙の幅方向に沿って配置されたサーマルヘッド33と、サーマルヘッド33に対向配置され、サーマルヘッド33との間に記録紙を挟んだ状態で回転することで、記録紙を送り出すプラテンローラ34と、サーマルヘッド33に対してプラテンローラ34の反対側に設けられ、サーマルヘッド33をプラテンローラ34に向けて押圧する弾性部材45aと、弾性部材45aには、供給されるロール紙の幅に応じてサーマルヘッド33から弾性部材45aを離間させ、弾性部材45aによるサーマルヘッド33への押圧を解除する押圧力解除機構51が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙から引き出された記録紙に各種の情報を印字するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
熱を加えると発色する特殊な記録紙(感熱紙)にサーマルヘッドを押し付けることで印刷を行うサーマルプリンタは、現在様々な種類のものが数多く提供されている。特に、トナーやインク等を使用せずに、滑らかな文字の印刷や多彩なグラフィック印字ができるため、各種ラベル、レシートやチケットの印刷等に好適に使用されている。
【0003】
上述したサーマルプリンタは、プラテンローラとサーマルヘッドとで記録紙を挟持し、プラテンローラの回転により記録紙を紙送りしながら記録紙の印字面(感熱面)をサーマルヘッドの発熱素子により加熱することで、印字面を発色させて印字を行うものである。このサーマルプリンタで使用される記録紙としては、ロール状に巻回されたロール紙のタイプが多い。このロール紙は、幅の異なるもの(例えば、3インチ幅、4インチ幅等)が数種類提供されており、用途に応じて適宜選択されて使用されている。
【0004】
ところで、上述したサーマルプリンタでは、印刷目的や用途に応じて幅の異なるロール紙を、1つのサーマルプリンタで使い分けて印刷するような要請がある。
しかしながら、従来の構成では、使用可能な最大幅のロール紙(以下、第1ロール紙という)よりも幅の狭いロール紙(以下、第2ロール紙という)を使用する場合に、サーマルヘッドとプラテンローラとの間において、第2ロール紙の幅方向外側には記録紙が通過せずに、サーマルヘッドとプラテンローラとが直接接触する領域が存在する。この接触領域では、サーマルヘッドとプラテンローラとの間の磨耗に起因して、プラテンローラの表面が削れて紙送り力が低下したり、サーマルヘッドの表面における保護膜が損傷したりする等の虞がある。
これに対して、ロール紙の幅に対応したプラテンローラをそれぞれ用意し、ロール紙のサイズ交換に応じてプラテンローラのみをサイズ交換することも考えられる。しかしながら、この構成では、装置コストの増加に繋がるという問題がある。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1には、サーマルヘッドを支持するヘッドばねによって記録紙(プラテンローラ)に付与される押圧力の合力作用点が、第1ロール紙の幅方向中心である第1中心と、第2ロール紙の幅方向中心である第2中心と、の間にあるように設定する構成が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−168350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、第2ロール紙を使用する場合に、サーマルヘッドとプラテンローラとの接触領域に付与される押圧力を未だ十分に低減することができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような事情に考慮してなされたものであって、サーマルヘッドとプラテンローラとが直接接触する領域に付与される押圧力を積極的に低減した上で、幅
の異なる複数のロール紙を同一の装置で取り扱うことができるプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係るプリンタは、幅の異なる複数種類のロール紙に対して印刷を行うサーマルプリンタであって、多数の発熱素子を有し、前記ロール紙から引き出される記録紙の幅方向に沿って配置されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに対向配置され、前記サーマルヘッドとの間に前記記録紙を挟んだ状態で回転することで、前記記録紙を送り出すプラテンローラと、前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラの反対側に設けられ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに向けて押圧する弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記幅方向に沿って複数配列され、複数の前記弾性部材のうち、少なくとも一つの前記弾性部材には、供給される前記ロール紙の幅に応じて前記サーマルヘッドから前記弾性部材を離間させ、前記弾性部材による前記サーマルヘッドへの押圧を解除する押圧力解除機構が設けられていることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、最大幅のロール紙(以下、第1ロール紙という)よりも幅の狭いロール紙(以下、第2ロール紙)を使用する場合に、弾性部材からヘッド支持体に作用する押圧力を解除することができる。これにより、サーマルヘッドとプラテンローラとの間で、第2ロール紙が存在しない領域(サーマルヘッドとプラテンローラとが直接接触する接触領域)に作用する押圧力を低減できる。そのため、接触領域におけるサーマルヘッドとプラテンローラとの接触圧(プラテン圧)を積極的に低減することが可能になり、サーマルヘッドとプラテンローラとにおける摩擦負荷を低減できる。したがって、サーマルヘッドとプラテンローラとの磨耗によるダメージを低減した上で、幅の異なる複数種類のロール紙を同一の装置で取り扱うことができる。
さらに、従来のようにロール紙の幅に応じて複数種類のプラテンローラを別途用意する場合に比べて、装置コストの低下も図ることができる。
【0011】
また、本発明に係るプリンタは、前記押圧力解除機構は、前記サーマルヘッドに対して前記弾性部材を接離可能に移動させるレバー部材を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、レバー部材の操作によりサーマルヘッドに対して弾性部材を接離可能に移動させることで、ユーザー自身で簡単に押圧力の解除操作を行うことができ、操作性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係るプリンタは、前記押圧力解除機構は、前記サーマルヘッドに対して前記弾性部材を接触させる接触ポジションと、前記サーマルヘッドに対して前記弾性部材を離間させる離間ポジションと、でそれぞれ前記弾性部材を保持する位置決め部を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、接触ポジションと離間ポジションとで弾性部材を位置決めできるので、装置の信頼性を向上させることができる。
【0013】
一方で、本発明に係るプリンタは、幅の異なる複数種類のロール紙に対して印刷を行うサーマルプリンタであって、多数の発熱素子を有し、前記ロール紙から引き出される記録紙の幅方向に沿って配置されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに対向配置され、前記サーマルヘッドとの間に前記記録紙を挟んだ状態で回転することで、前記記録紙を送り出すプラテンローラと、前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラの反対側に設けられ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに向けて押圧する弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記幅方向に沿って複数配列され、複数の前記弾性部材のうち、少なくとも一つの前記弾性部材には、供給される前記ロール紙の幅に応じて前記弾性部材のストロークが伸びるように前記弾性部材を移動させ、前記弾性部材による前記サーマルヘッドへの押圧を低下する押圧力解除機構が設けられていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係るプリンタは、前記押圧力解除機構は、前記サーマルヘッドに対する押圧力が低下するように前記弾性部材を移動させるレバー部材を備えていることを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明に係るプリンタは、前記押圧力解除機構は、前記弾性部材に前記サーマルヘッドを付勢する弾性力を生じさせる押圧力付与ポジションと、前記弾性部材のストロークを伸ばすことにより前記弾性力を低下させる押圧力解除ポジションと、でそれぞれ前記弾性部材を保持する位置決め部を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るプリンタによれば、サーマルヘッドとプラテンローラとが直接接触する部分に付与される押圧力を積極的に低減して、幅の異なる複数種類のロール紙を同一の装置で取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態におけるサーマルプリンタにおけるペーパーカバーが閉位置の状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるサーマルプリンタにおけるペーパーカバーが開位置の状態を示す斜視図である。
【図3】印刷モジュールの斜視図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】第1ロール紙モードから第2ロール紙モードへの切替操作を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図である。
【図6】第1ロール紙モードから第2ロール紙モードへの切替操作を説明するための説明図であって、ケーシングの平面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るサーマルプリンタの印刷モジュールを示す斜視図である。
【図8】図7のB−B線に沿う断面図である。
【図9】第1ロール紙モードから第2ロール紙モードへの切替操作を説明するための説明図であって、図8に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(サーマルプリンタ)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1はサーマルプリンタにおけるペーパーカバーが閉位置の状態を示す斜視図であり、図2はペーパーカバーが開位置の状態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、発明を理解し易くするために、適宜構成部品の一部を省略したり、形状を単純化したり、縮尺を変更したりする等、図示を簡略化している。また、図中において、FRは前方を、LHは左方を、UPは上方をそれぞれ示す。
【0019】
図1,2に示すように、サーマルプリンタ(プリンタ)1は、幅の異なる複数種類の記録紙P1を印刷可能に構成されたものである。記録紙P1は、熱を加えると変色する感熱紙であり、各種ラベル、レシートやチケットの印刷等に好適に使用される。この記録紙P1は、中空孔5を有するように巻回されたロール紙Pの状態でサーマルプリンタ1にセットされ、ロール紙Pから引き出された部分に対して印刷が行われる。なお、以下の説明では、まずサーマルプリンタ1にセット可能な最大幅(例えば、4インチ幅)のロール紙Pがセットされている状態について説明する。
【0020】
サーマルプリンタ1は、開口部3a(図2参照)を有するケーシング3と、ケーシング3に回動可能に支持され、ケーシング3の開口部3aを開閉するペーパーカバー20と、により外観構成されている。また、サーマルプリンタ1は、ロール紙収容部21、及び印刷モジュール22が内装されている。
【0021】
ケーシング3は、ポリカーボネート等のプラスチックや金属材料からなり、その前部は上壁10を有する略直方体状に形成される一方、後部は上方に向けて開口する箱型形状に形成されている。ケーシング3の上壁10には、サーマルプリンタ1の各種操作を行う操作部14が配置されている。操作部14は、電源スイッチやFEEDスイッチ等の各種機能スイッチ15が配置されるとともに、機能スイッチ15に隣接して電源スイッチのON/OFFの情報を知らせるPOWERランプや、サーマルプリンタ1のエラー等を知らせるERRORランプ等の各種ランプ16が配置されている。また、ケーシング3の上壁10と側壁12との間には、ペーパーカバー20のオープンボタン18が設けられている。
【0022】
ペーパーカバー20は、ポリカーボネート等のプラスチックからなり、その後端で図示しないヒンジシャフトによりケーシング3に対して回動可能に支持されるとともに、前端が図示しない係止部によりケーシング3に係止可能に構成されている。そして、上述したケーシング3のオープンボタン18を押下することにより、ケーシング3とペーパーカバー20との係止が解除され、ペーパーカバー20が閉位置(図1参照)から開位置(図2参照)へ開閉可能に構成されている。また、ペーパーカバー20の閉位置において、ペーパーカバー20の前端縁とケーシング3の上壁10における後端縁との間には、記録紙P1の幅方向に沿って間隙を有しており、この間隙が印刷された記録紙P1が排出される排出口19(図1参照)を構成している。
【0023】
図2に示すように、ロール紙収容部21は、ケーシング3の後部における開口部3a内
に形成されている。具体的に、ロール紙収容部21は、ロール紙Pを保持するガイドプレート23を備え、このガイドプレート23とペーパーカバー20の内面との間でロール紙Pを覆うように保持している。ガイドプレート23は、ケーシング3の内側に設けられた断面弧状の部材であり、その一端が上述したペーパーカバー20の後端側まで延出するとともに、他端が印刷モジュール22に近接する位置まで延出している。つまり、ガイドプレート23には、その内周面にロール紙Pの外周面が接触した状態で保持されており、ロール紙Pから引き出された記録紙P1を印刷モジュール22まで案内している。
【0024】
図3は、印刷モジュールの斜視図である。
図2,3に示すように、印刷モジュール22は、ケーシング3の上壁10における後端縁に設けられた本体ユニット24と、ペーパーカバー20の前端縁に設けられ、本体ユニット24に対して着脱可能に組み合わされるプラテンユニット25と、印刷モジュール22で印刷された記録紙P1を切断する切断ユニット26と、で構成されている。
【0025】
図3に示すように、本体ユニット24は、本体フレーム31と、本体フレーム31に支持されたヘッド支持体32と、ヘッド支持体32に貼付固定されたサーマルヘッド33と、本体フレーム31に対してプラテンユニット25の後述するプラテンローラ34を回転可能に保持する一対のロックアーム35と、を備えている。
【0026】
本体フレーム31は、左右方向に延在する底壁部31aと、底壁部31aの左右方向両端部から上方に向けて立設された一対の側壁部31bと、を有する板状の部材である。底壁部31aの後端縁には、下方に向けて屈曲形成されたガイド部31cが形成されている。このガイド部31cは、上述したガイドプレート23から案内される記録紙P1を、サーマルヘッド33とプラテンローラ34との間(搬送方向の下流側)に向けて導くためのものである。
【0027】
各側壁部31bの上端縁には、下方に向けて切り込まれたスリット31dが形成されており、ここにプラテンローラ34の両端部が入り込むようになっている。
【0028】
ヘッド支持体32は、左右方向を長手方向とした平板状の部材であり、側壁部31b間に配置されているとともに、その後面にサーマルヘッド33が貼付固定されている。また、ヘッド支持体32は、下端側がシャフト38(図4参照)に回動可能に支持されている。シャフト38は、軸方向の両端部が側壁部31bにそれぞれ固定され、これによりヘッド支持体32は、前後方向に向けてシャフト38回りに回動するようになっている。また、ヘッド支持体32の上端部には、ヘッド支持体32の回動範囲を規制するためのストッパ37が形成されている。このストッパ37は、ヘッド支持体32における左右方向の外側に向けて延出するものであり、本体フレーム31の側壁部31bの上部に形成された凹部31e内を臨むように形成されている。そして、ストッパ37は、ヘッド支持体32の回動に伴って凹部31e内を移動し、凹部31eの両端面に接触可能に構成されている。そして、ストッパ37が凹部31eの端面に当接することで、ヘッド支持体32のそれ以上の回動を規制するようになっている。
【0029】
サーマルヘッド33は、印刷モジュール22内に搬送された記録紙P1に対して印刷を行うものであり、ヘッド支持体32に貼付固定された平面視(前後方向から見て)矩形状に形成されている。この場合、サーマルヘッド33は、ケーシング3の上壁10の内側であって、開口部3a内に露出するように配置されるとともに、その長手方向と記録紙P1の幅方向とが一致した状態で配置されている。また、サーマルヘッド33のヘッド面33aには左右方向に平行に且つライン状に並んだ多数の発熱素子41が配列されている。なお、ヘッド面33aとは、記録紙Pの印字面との対向面であり、このヘッド面33aと、プラテンローラ34の外周面との間で記録紙Pを挟持しうるようになっている。サーマル
ヘッド33の発熱素子41は、図示しない制御部からの信号に基づいて、それぞれ発熱するように制御されており、発熱素子41の発熱を制御することで各種の文字や図形等を記録紙P1の印字面へ印刷することが可能となっている。
【0030】
図2,3に示すように、プラテンユニット25は、ペーパーカバー20の前端縁に設けられ、ペーパーカバー20の開閉に伴って本体フレーム31に着脱可能に構成されたプラテンローラ34を備えている。プラテンローラ34は、ペーパーカバー20の閉位置において、ロール紙Pから引き出された記録紙P1を間に挟んだ状態で、サーマルヘッド33に対してその周面が接触するように設けられている。具体的に、プラテンローラ34は、ペーパーカバー20に対して回転可能に支持されるローラシャフト39(図4参照)と、このローラシャフト39に外装されたゴムからなるローラ本体34aと、を備えている。
【0031】
ローラシャフト39の両端部には、軸受け34b(図2参照)が装着されており、側壁部31bのスリット31dとロックアーム35との間で、軸受34bが保持されることによりプラテンローラ34が中心軸回りに回転可能に、且つ本体フレーム31に着脱可能に保持される。また、プラテンローラ34の軸方向一端には図示しない従動ギアが固定されており、プラテンローラ34が一対の側壁部31bに保持されたときに、本体フレーム31側に取り付けられた歯車伝達機構42に噛合するようになっている。この歯車伝達機構42は、モータ等の駆動手段43に接続されており、駆動手段43からの回転駆動力を従動ギアに伝達している。これによりプラテンローラ34は、一対の側壁部31bに支持された状態で回転し、記録紙P1を送り出すことができる。なお、プラテンローラ34は、ペーパーカバー20の開操作に伴って本体ユニット24(スリット31d及びロックアーム35)から分離することで、組み合わせが解除されるようになっている。
【0032】
上述した本体ユニット24において、ヘッド支持体32の前方には、ヘッド支持体32と略平行に延在する平板状の弾性部材支持板44が配置されている。そして、ヘッド支持体32と弾性部材支持板44との間には、左右方向に沿って複数(例えば、4つ)の弾性部材45が介装されており、弾性部材支持板44とヘッド支持体32とを互いに離間させる方向に向けて付勢している。すなわち、弾性部材45は、ヘッド支持体32をプラテンローラ34側に向けて常に押圧するように構成されている。
【0033】
上述したロックアーム35は、上述した弾性部材支持板44の左右方向における両端部から後方に向けて、一体的に延出する部材であり、基端側(前端側)に形成されたアーム部35aと、先端側(後端側)に形成されたフック部35bと、を有している。
アーム部35aは、ヘッド支持体32が間に配置されるように弾性部材支持板44の両端部から後方に向けて延在するとともに、上述したシャフト38に回動可能に支持されている。したがって、弾性部材支持板44及びロックアーム35は、前後方向に向けてシャフト38回りに回動可能に構成されている。また、上述した弾性部材支持板44及びロックアーム35は、前方(ヘッド支持体32とは反対側)への回動時に弾性部材支持板44が本体フレーム31に当接することで、弾性部材支持板44及びロックアーム35のそれ以上の回動を規制するようになっている。
【0034】
フック部35bは、アーム部35aの先端側からプラテンローラ34の軸受け34bの外周面を抱え込むように延設されている。フック部35bの内周縁には、プラテンローラ34の軸受け34bの外周面を支持する凹部35cが形成されており、この凹部35cと側壁部31bのスリット31dとの間でプラテンローラ34の軸受け34bを保持するようになっている。
【0035】
このように、一対のロックアーム35は、弾性部材支持板44に一体的に形成され、この弾性部材支持板44とヘッド支持体32とは、弾性部材45によって互いに反発する方
向に向けて付勢されているので、ロックアーム35は、フック部35bの凹部35cとスリット31dとの間にプラテンローラ34の軸受け34bを挟み込んで、プラテンローラ34を回転可能に保持できるようになっている。
【0036】
図2に示すように、切断ユニット26は、記録紙P1の搬送方向におけるプラテンローラ34よりも下流側であって、ペーパーカバー20の前端縁に一体形成された第1切断刃26aと、サーマルヘッド33よりも下流側であって、ケーシング3の上壁10における後端縁に一体形成された第2切断刃26bとで構成されている。そして、サーマルヘッド33を通過した記録紙P1、すなわち印刷された記録紙P1は、第1切断刃26aと第2切断刃26bとの間に形成された排出口19から送り出され、これら第1切断刃26aまたは第2切断刃26bに接触させた状態で引き倒すことにより切断されるようになっている。
【0037】
(押圧力解除機構)
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。
ここで、図4に示すように、上述した弾性部材45のうち、左右方向の一端側(歯車伝達機構42側)の弾性部材45aには、ヘッド支持体32に対して弾性部材45aを接離可能とする押圧力解除機構51が設けられている。
押圧力解除機構51は、弾性部材45aの伸縮方向(前後方向)におけるヘッド支持体32側(後端側)を支持する座面52と、座面52に連結されて押圧力解除機構51を操作するレバー部材53と、を備えている。
【0038】
座面52は、前方に向けて開放されたコ字状の部材であり、ヘッド支持体32、及び弾性部材45aの間に配置された底壁部55と、底壁部55の左右両側から前方に向けて立設された側壁部56と、を備えている。
底壁部55は、ヘッド支持体32の前面上に配置され、弾性部材45aの一端を支持している。なお、弾性部材45aの他端は、弾性部材支持板44に当接している。
各側壁部56は、弾性部材45aにおける左右方向の両側を取り囲むように形成され、その先端部(前端部)は弾性部材支持板44との間に隙間を有している。
【0039】
レバー部材53は、底壁部55の下端部から下方に向けて延在する延在部57と、延在部57の下端部から後方に向けて延在する操作部58と、を備えている。
延在部57は、ヘッド支持体32の前面に沿って下方に向けて延在しており、その下端部が本体フレーム31の底壁部31aまで達している。
【0040】
操作部58は、本体フレーム31の底壁部31a上を後方に向けて延在しており、その先端部(後端部)が底壁部31aよりも後方に向けて突出している。具体的に、操作部58の後端部は、上述したロール紙収容部21内を臨むように延在しており、ケーシング3の開口部3aを通して操作部58を把持することで、押圧力解除機構51を操作できるようになっている。すなわち、操作部58を前後方向に沿って操作することで、押圧力解除機構51が前後方向に沿って移動可能に構成されている。なお、図1では、図面を見易くするために、操作部58を誇張して図示しているが、操作部58はロール紙収容部21内に供給されるロール紙Pと干渉せず、かつ開口部3aを通してユーザーが把持できる位置に設けることが好ましい。
【0041】
また、操作部58の下面には、下方に向けて突出する突起部59が形成されている。この突起部59は、本体フレーム31の底壁部31aに形成された複数の位置決め孔61,62内に収容可能に構成されている。これら位置決め孔61,62は、前後方向から見て突起部59と重なる位置に、前後方向で間隔を空けた状態で並んで形成されている。そして、突起部59は、位置決め孔61,62のうち、何れかの位置決め孔内に収容されると
、突起部59の外周面と貫通孔の内周面とが当接して、押圧力解除機構51の前後方向への移動が規制される。
【0042】
この場合、押圧力解除機構51は、位置決め孔61,62のうち、後側に形成された位置決め孔61内に突起部59が収容された押圧力付与(接触)ポジション(図4参照)と、前側に形成された位置決め孔62内に突起部59が収容された押圧力解除(離間)ポジション(図5参照)と、に移動可能に構成されている。すなわち、上述した突起部59及び位置決め孔61,62は、押圧力解除機構51を、押圧力付与ポジションと押圧力解除ポジションとにそれぞれ位置決めする位置決め部として機能する。この場合、押圧力付与ポジションでは、弾性部材45aが底壁部55を介してヘッド支持体32に当接することで、ヘッド支持体32をプラテンローラ34側に向けて押圧する。一方、押圧力解除ポジションでは、弾性部材45a及び底壁部55がヘッド支持体32から離間して、弾性部材45aによるヘッド支持体32への押圧が解除される。
【0043】
(サーマルプリンタの作動方法)
次に、上述したサーマルプリンタ1の作動方法について説明する。なお、以下の説明では、主としてサーマルプリンタ1にセット可能な最大幅(例えば、4インチ幅)のロール紙P(以下、第1ロール紙Pという)を印刷する第1ロール紙モードと、第1ロール紙Pよりも幅が狭い(例えば、3インチ幅)第2ロール紙P’(図8参照)を印刷する第2ロール紙モードと、各モード間の切替操作と、について説明する。また、以下の説明では、押圧力解除機構51が押圧力付与ポジションに保持された状態から説明する。
【0044】
まず、図2に示すように、オープンボタン18を押下してペーパーカバー20を開けた後、第1ロール紙Pをセットする。具体的には、ロール紙収容部21内に向けて第1ロール紙Pを投げ込むようにセットする。これにより、第1ロール紙Pは、その外周面がロール紙収容部21のガイドプレート23の内周面に接触した状態で保持される。そして、第1ロール紙Pから記録紙P1を引き出し、引き出した記録紙P1の先端をプラテンローラ34とサーマルヘッド33との間に接触させておく。その後、ペーパーカバー20を閉じることで、第1ロール紙Pのセットが完了する。
【0045】
そして、サーマルプリンタ1を作動させ、プラテンローラ34を回転させると、第1ロール紙Pから記録紙P1が引き出され、プラテンローラ34の周面とサーマルヘッド33との間に挟まれた状態で下流側、すなわち排出口19に送り出される。これと同時に、多数の発熱素子41が適宜熱を発したサーマルヘッド33によって、送り出された記録紙P1に対して各種の文字や図形等を明瞭に印刷することができる。その後、排出口19から排出された記録紙P1を、切断ユニット26側に傾けて引張ることで、記録紙P1が切断される。その結果、第1ロール紙Pに巻回された記録紙P1を、レシート等として使用することができる。
【0046】
上述した第1ロール紙モードから第2ロール紙モードへと切り替える場合には、まずオープンボタン18を押下してペーパーカバー20を開けた後、ロール紙収容部21内からロール紙Pを取り出す。
その後、第1ロール紙Pよりも幅の狭い第2ロール紙P’(例えば、3インチ)を、上述した第1ロール紙モードと同様にロール紙収容部21内にセットする。この際、第2ロール紙P’における幅方向の一端側を、ケーシング3の一方の側壁12に合わせてセットする。
【0047】
ところで、サーマルプリンタ1で使用可能な最大幅の第1ロール紙Pよりも幅の狭い第2ロール紙P’を使用する場合に、ロール紙収容部21内における第2ロール紙P’の外側(幅方向の他端側とケーシング3の他方の側壁12との間)には、隙間が生じる。そし
て、この隙間ではサーマルヘッド33とプラテンローラ34との間に、記録紙P1’は存在せず、サーマルヘッド33とプラテンローラ34とが直接接触することとなる(図8中接触領域R)。
【0048】
図5、6は、第1ロール紙モードから第2ロール紙モードへの切替操作を説明するための説明図であって、図5は図4に相当する断面図、図6はケーシングの平面図である。
図5,6に示すように、操作部58を操作して、突起部59を位置決め孔61から外し、操作部58を前方に向けて押し込む。そして、操作部58の突起部59が、位置決め孔62に重なる位置まで操作部58を移動させる。操作部58が移動すると、押圧力解除機構51が前方に向けて移動するとともに、座面52に支持された弾性部材45aが収縮する。これにより、弾性部材45a(座面52)がヘッド支持体32から離間することになる。そして、突起部59を位置決め孔62内に収容することで、操作部58の前後方向の移動が規制され、押圧力解除機構51が押圧力解除ポジションで保持されることになる。すなわち、弾性部材45aがヘッド支持体32から離間して、弾性部材45aによるヘッド支持体32への押圧が解除される。
以上により、第2ロール紙モードへの切替操作が終了する。その後、上述した第1ロール紙モードと同様の方法により第2ロール紙P’への印刷が行われる。
【0049】
このように、押圧力解除機構51により押圧力付与ポジションから押圧力解除ポジションへと弾性部材45aを移動させることで、弾性部材45aがヘッド支持体32から離間して、弾性部材45aからヘッド支持体32に作用する押圧力を解除できる。すなわち、サーマルヘッド33とプラテンローラ34とが直接接触する部分に、押圧力が直接的に付与されるのを回避できる。
なお、押圧力解除ポジションでは、弾性部材45aにより、座面52の底壁部55と弾性部材支持板44とを離間させる方向に付勢力が付与される。しかしながら、押圧力解除機構51は突起部59が位置決め孔62内に収容されることで、前後方向への移動が規制される一方、弾性部材支持板44は本体フレーム31に当接することで回動範囲が規制されているため、底壁部55と弾性部材支持板44との距離は一定の距離に維持される。
【0050】
また、第2ロール紙モードから第1ロール紙モードへと切り替える場合には、上述した動作と逆の手順を行えばよい。すなわち、操作部58を操作して、突起部59を位置決め孔62から外し、操作部58を後方に引き込む。そして、操作部58の突起部59が、位置決め孔61に重なる位置まで操作部58を移動させる。操作部58が移動すると、押圧力解除機構51が後方に向けて移動するとともに、座面52に支持された弾性部材45aが伸長する。これにより、弾性部材45aが座面52を介してヘッド支持体32に当接することになる。そして、突起部59を位置決め孔61内に収容することで、操作部58の前後方向の移動が規制され、押圧力解除機構51が押圧力付与ポジションで保持されることになる。すなわち、弾性部材45aが座面52を介してヘッド支持体32に当接して、ヘッド支持体32をプラテンローラ34側に向けて常に押圧する。
以上により、第1ロール紙モードへの切替操作が終了する。
【0051】
このように、本実施形態では、ロール紙収容部21に供給されるロール紙Pの幅に応じてサーマルヘッド33(ヘッド支持体32)から弾性部材45aを離間させ、弾性部材45aによるヘッド支持体32への押圧を解除する押圧力解除機構51を設ける構成とした。
この構成によれば、第1ロール紙Pよりも幅の狭い第2ロール紙P’を使用する場合に、弾性部材45aからヘッド支持体32に作用する押圧力を解除することができる。これにより、サーマルヘッド33とプラテンローラ34との間で、接触領域Rにおけるサーマルヘッド33とプラテンローラ34との接触圧(プラテン圧)を積極的に低減することが可能になり、サーマルヘッド33とプラテンローラ34とにおける摩擦負荷を低減できる
。したがって、サーマルヘッド33とプラテンローラ34との磨耗によるダメージを低減した上で、幅の異なる複数種類のロール紙P、P’を同一の装置で取り扱うことができる。また、磨耗によるダメージを低減することで、装置の長寿命化を図ることができる。
さらに、従来のようにロール紙Pの幅に応じて複数種類のプラテンローラを別途用意する場合に比べて、装置コストの低下も図ることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、レバー部材53の操作により弾性部材45aとヘッド支持体32との接触及び離間を切り替えることで、ユーザー自身で間単に押圧力の解除操作を行うことができ、操作性を向上させることができる。また、例えば、弾性部材45aによる押圧力を解除するために、弾性部材45aを取り外す等の構成に比べて間単に押圧力の解除操作を行うことができる。
また、座面52により弾性部材45aにおける左右方向の両側を取り囲むことで、弾性部材45aの収縮時や移動時等において、弾性部材45aが倒れ込むのを抑制できる。
さらに、操作部58の突起部59、及び位置決め孔61,62(位置決め部)により、押圧力付与ポジションと押圧力解除ポジションとに位置決めすることができるので、装置の信頼性を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では中空孔を有するように巻回されたロール紙を用いて説明したが、芯管に記録紙が巻回されたロール紙を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、各弾性部材45のうち、最端の弾性部材45aに押圧力解除機構51を設けたが、これに限らず、任意の弾性部材45に押圧力解除機構51を設けても構わない。
さらに、上述した実施形態では、弾性部材45にコイルバネを用いる構成について説明したが、これに限らず、板バネや棒バネを用いても構わない。
【0054】
また、上述した実施形態では、レバー部材53の操作部58を後方に向けて延在させ、ロール紙収容部21内で操作可能に構成したが、ヘッド支持体32に対して弾性部材45aを接離可能とする構成であれば、レバー部材53の構成は適宜設計変更が可能である。例えば、操作部58を前方に向けて延在させても構わない。
【0055】
[他の実施形態]
図7は、本発明の他の実施形態に係るサーマルプリンタの印刷モジュールを示す斜視図である。また、図8は、図7のB−B線に沿う断面図であり、図9は、第1ロール紙モードから第2ロール紙モードへの切替操作を説明するための説明図であって、図8に相当する断面図である。なお、これらの図において、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
図7に示すように、本実施形態に係る本体ユニット24においも上述した実施形態と同様、ヘッド支持体32の前方に該ヘッド支持体32と略平行に延在する平板状の弾性部材支持板44Aが配されている。このヘッド支持体32と弾性部材支持板44Aとの間に、左右方向に沿って複数(ここでは4つ)の弾性部材45が介装されている。そして、この複数の弾性部材45のうち、左右方向の一端側(歯車伝達機構42側)に配された弾性部材45aの一端は、図8に示すように、弾性部材支持板44Aに穿設された弾性部材用窓部を通過して、弾性部材支持板44Aの前面側に設けられた押圧力解除機構51Aの底壁部55Aに支持固定されている。一方、弾性部材45aの他端は、ヘッド支持体32に当接している。
【0057】
この押圧力解除機構51Aは、押圧力の解除操作をするための操作レバー部材53Aと、該操作レバーと一体的に形成され、弾性部材支持板44Aの前面に沿って延在する平板状の底壁部55Aとを備えている。
レバー部材53Aは、底壁部55の下端部から下方に向けて延在する延在部57Aと、延在部57Aの下端部から後方に向けて延在する操作部58とを備え、該操作部58の下面には、上述した実施形態と同様、下方に向けて突出する突起部59が形成されている。この突起部59は、本体フレーム31の底壁部31aに形成された複数の位置決め孔61,62内に収容可能に構成されている
【0058】
この位置決め孔61,62のうち、後側に形成された位置決め孔61内に突起部59が収容された押圧力付与ポジション(図8参照)と、前側に形成された位置決め孔62内に突起部59が収容された押圧力解除ポジション(図9参照)と、に移動可能に構成されている。すなわち、上述した突起部59及び位置決め孔61,62は、押圧力解除機構51Aを、押圧力付与ポジションと押圧力解除ポジションとにそれぞれ位置決めする位置決め部として機能する。この場合、押圧力付与ポジションでは、突起部59および位置決め孔61を介して本体フレーム31に支持固定された圧力解除機構51Aの底壁部55Aとヘッド支持体32との間で弾性部材45aの弾性力が生じ、ヘッド支持体32をプラテンローラ34側に向けて押圧する。一方、押圧力解除ポジションでは、圧力解除機構51Aの底壁部55Aが前側(図9右側)に移動することにより、弾性部材45aのストロークが伸び、ヘッド支持体32への押圧力が低下する。
なお、第1ロール紙モードと第2ロール紙モードとの切替操作(すなわち押圧力付与ポジションと押圧力解除ポジションとの切替操作)については、上述した実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0059】
以上のように、本実施形態では、ロール紙収容部21に供給されるロール紙Pの幅に応じて、ヘッド支持体32をプラテンローラ34側に付勢している弾性部材45aのストロークを伸ばして、押圧力を低下させる構成とした。これにより、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…サーマルプリンタ 33…サーマルヘッド 34…プラテンローラ 45…弾性部材
45a…弾性部材 51,51A…押圧力解除機構 53,53A…レバー部材 59…突起部(位置決め部) 61,62…位置決め孔(位置決め部) P…第1ロール紙(ロール紙) P’…第2ロール紙(ロール紙) P1,P’…記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅の異なる複数種類のロール紙に対して印刷を行うサーマルプリンタであって、
多数の発熱素子を有し、前記ロール紙から引き出される記録紙の幅方向に沿って配置されたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドに対向配置され、前記サーマルヘッドとの間に前記記録紙を挟んだ状態で回転することで、前記記録紙を送り出すプラテンローラと、
前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラの反対側に設けられ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに向けて押圧する弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記幅方向に沿って複数配列され、
複数の前記弾性部材のうち、少なくとも一つの前記弾性部材には、供給される前記ロール紙の幅に応じて前記サーマルヘッドから前記弾性部材を離間させ、前記弾性部材による前記サーマルヘッドへの押圧を解除する押圧力解除機構が設けられていることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記押圧力解除機構は、前記サーマルヘッドに対して前記弾性部材を接離可能に移動させるレバー部材を備えていることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記押圧力解除機構は、
前記サーマルヘッドに対して前記弾性部材を接触させる接触ポジションと、
前記サーマルヘッドに対して前記弾性部材を離間させる離間ポジションと、でそれぞれ前記弾性部材を保持する位置決め部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプリンタ。
【請求項4】
幅の異なる複数種類のロール紙に対して印刷を行うサーマルプリンタであって、
多数の発熱素子を有し、前記ロール紙から引き出される記録紙の幅方向に沿って配置されたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドに対向配置され、前記サーマルヘッドとの間に前記記録紙を挟んだ状態で回転することで、前記記録紙を送り出すプラテンローラと、
前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラの反対側に設けられ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに向けて押圧する弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記幅方向に沿って複数配列され、
複数の前記弾性部材のうち、少なくとも一つの前記弾性部材には、供給される前記ロール紙の幅に応じて前記弾性部材のストロークが伸びるように前記弾性部材を移動させ、前記弾性部材による前記サーマルヘッドへの押圧を低下する押圧力解除機構が設けられていることを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
前記押圧力解除機構は、前記サーマルヘッドに対する押圧力が低下するように前記弾性部材を移動させるレバー部材を備えていることを特徴とする請求項4記載のプリンタ。
【請求項6】
前記押圧力解除機構は、
前記弾性部材に前記サーマルヘッドを付勢する弾性力を生じさせる押圧力付与ポジションと、
前記弾性部材のストロークを伸ばすことにより前記弾性力を低下させる押圧力解除ポジションと、でそれぞれ前記弾性部材を保持する位置決め部を備えていることを特徴とする請求項4または請求項5記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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