説明

プルハンドルの取付構造

【課題】ドアトリムにおけるアームレスト内に収容固定されるプルハンドルの取付構造であって、側突時、アームレストの撓み変形による衝撃吸収性能を高めるプルハンドルの取付構造を提供する。
【解決手段】アームレスト20の内面に取付座22をドアパネル40側に向けて延設する。この取付座22は、プルハンドル30を直接支持する着座プレート23と、アームレスト20内面と一体化する基部側プレート24と、両者間の薄肉状の段部25とから構成し、側突時、薄肉状の段部25が容易に破断して、取付座22全体の破断を促進させることで、アームレスト20が容易に撓み変形する。また、薄肉状の段部25に替えて、傾斜状プレート28を設定する。そして、傾斜状プレート28の破断によりアームレスト20の衝撃吸収性能を高めるとともに、傾斜状プレート28の弾性変形作用により、プルハンドル30を引き込んだ時の荷重を吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアトリムのアームレストに設けられるプルハンドルの取付構造に係り、特に、側突等、車両の側方から衝撃が加わった際、アームレストが容易に撓み変形することで、乗員に加わる負荷を軽減できるプルハンドルの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示すように、ドアインナーパネル(図示せず)に内装されるドアトリム1は、そのほぼ中央部が車室内側に膨出形成され、乗員の肘掛けとして機能するアームレスト2が設定されている。そして、このアームレスト2の上面開口2aには、ドア開閉の際、乗員が手を差し入れて操作可能なようにケース状に成形された合成樹脂成形体からなるプルハンドル3が収容固定されている。
【0003】
上記プルハンドル3の取付構造の従来例について図13を基に説明する。まず、プルハンドル3の周縁フランジ3aをアームレスト2の上面開口2aの周縁に沿って載置して、アームレスト2内にプルハンドル3を収容する。また、上記プルハンドル3を支持するために、アームレスト2の内面には、ドアインナーパネル6側に向けて取付座4が突設形成されている。そして、この取付座4に断面略U字状のスプリングナット5を差し込み、プルハンドル3の底部に設けられた取付孔3b内にビス3cを挿入し、上記スプリングナット5内にビス3cを締め付け固定することで、プルハンドル3をアームレスト2に取付固定しているのが実情である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−109760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来、プルハンドル3の取付構造は、アームレスト2の上面開口2a内にプルハンドル3を収容した後、アームレスト2の内面に一体成形された取付座4に対してビス止め固定されている。しかしながら、この取付構造では、例えば、側突等、車両の側方から衝撃荷重が加わった場合、乗員の身体がアームレスト2に触れ、アームレスト2にドアインナーパネル6側に向く圧縮荷重が加わった際、ドアインナーパネル6に対して取付座4が衝接し、この取付座4がストッパー作用を呈し、アームレスト2の撓み変形が妨げられ、衝撃荷重を有効に吸収できないという問題点が指摘されている。
【0006】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、アームレスト内に収容固定されるプルハンドルの取付構造において、アームレスト内面に形成され、プルハンドルを支持固定する取付座の形状に工夫を加えることで、側突等、アームレストにパネル側に向く圧縮荷重が加われば、取付座が容易に破断することにより、アームレストが有効に撓み変形し、乗員に加わる負荷を軽減できるプルハンドルの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、ドアトリムの表面略中央にアームレストを室内側に向けて膨出形成し、該アームレストの上面に開設された開口内にケース状の合成樹脂成形体からなるプルハンドルを収容し、上記アームレスト内面からドアパネル側に向けてほぼ水平状に突設した取付座にプルハンドルを固着してなるプルハンドルの取付構造において、前記取付座は、プルハンドルを取り付ける着座プレートと、アームレストの内面と一体化する基部側プレートとを備え、両プレート間に薄肉状の段部が設けられていることにより、側突等の圧縮荷重に対して上記薄肉状の段部が基点として取付座が破断することで、アームレストの撓み変形を促すようにしたことを特徴とする。
【0008】
ここで、ドアトリムは、樹脂芯材表面に表皮を被覆貼着した積層構造体、あるいは合成樹脂の射出成形体単一構成を採用しても良い。また、プルハンドルは、合成樹脂の射出成形体からなり、上面に設けた開口周縁にフランジが設定されたケース状の成形体が使用され、ドアトリムにおけるアームレスト内面に設けた取付座に対してプルハンドルの底面をビスにより締め付けて取り付けられる。通常、取付座に断面略U字状のスプリングナットを嵌め込み、このスプリングナットに対してビス等を固着する方法が用いられる。
【0009】
従って、本発明に係るプルハンドルの取付構造によれば、プルハンドルを直接支持する着座プレートと、ドアトリムのアームレスト内面と一体化している基部側プレートとの間に薄肉状の段部が設けられているため、例えば、側突等、車両の側方から衝撃が加わった際、ドアトリムのアームレストがパネル側に押圧されるが、その際、薄肉状の段部に応力が集中し、この段部が破断の基点となり、取付座全体が容易に破断することにより、取付座がストッパーとならず、アームレストが充分に撓み変形する。
【0010】
更に、本発明の好ましい実施の態様においては、前記取付座は、着座プレート、基部側プレート及び薄肉状の段部の厚みをそれぞれ調整することにより、衝撃荷重を制御できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
そして、この実施の態様によれば、着座プレート、基部側プレート及び薄肉状の段部の厚みを適宜調整することで、初期反力値を適切に制御できる等、荷重/ストローク曲線の形状を自在に選択することができる。
【0012】
更に、本発明の好ましい実施の態様においては、ドアトリムの表面略中央にアームレストを室内側に向けて膨出形成し、該アームレストの上面に開設された開口内にケース状の合成樹脂成形体からなるプルハンドルを収容し、上記アームレスト内面からドアパネル側に向けてほぼ水平状に突設した取付座にプルハンドルを固着してなるプルハンドルの取付構造において、前記取付座は、プルハンドルを取り付ける着座プレートと、アームレストの内面と一体化する基部側プレートとを備え、水平状に延在する両プレート間に傾斜状プレートが設けられていることにより、側突等の圧縮荷重に対して、傾斜状プレートが基点となり、取付座が破断することで、アームレストの撓み変形を促進させるとともに、ドア開閉時、プルハンドルに加わる引張り荷重に対して上記傾斜状プレートが変形することでこの引張り荷重を吸収できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
ここで、傾斜状プレートの傾斜角度、あるいは傾斜状プレートの厚みは、適宜調整して良い。そして、この実施の態様によれば、側突等、車両の側方から衝撃が加わった際、アームレストがパネル側に押圧されるが、取付座の先端がドアパネルにぶつかった後、傾斜状プレートの両端に力が集中して、この部位でまず破断が生じ、更に取付座全体の破断に波及していき、取付座が障害となることなく、アームレストが有効に撓み変形する。
【0014】
また、プルハンドルを直接支持する着座プレートと、アームレストと一体化する基部側プレートとは、傾斜状プレートを介して接合一体化しているため、例えば、プルハンドルを手前側に引き寄せた場合の引張り荷重に対して、傾斜状プレートが変形することで、この引張り荷重を有効に吸収することができ、取付座の基部に過度の外力が加わらないため、ドア開閉時、プルハンドルを引き寄せても、取付座が破損することがない。
【0015】
更に、本発明の好ましい実施の態様においては、前記着座プレートは、アームレストの内面から立設された支持ロッドに支持されていることにより、上記取付座への上下方向荷重に対する剛性が強化されていることを特徴とする。
【0016】
そして、この実施の態様によれば、着座プレートは、アームレストの内面から立設された支持ロッドにより支持され、プルハンドルを下方に押し付けた際に加わる下向き荷重に対して強固な剛性を取付座に付与することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した通り、本発明に係るプルハンドルの取付構造によれば、プルハンドルはドアトリムのアームレストの上面に開設された開口に収容され、アームレスト内面に設けた取付座にプルハンドルの底部が固着されるとともに、この取付座は、プルハンドルを支持する着座プレートとアームレストの内面から立ち上がる基部側プレートとを備え、両プレート間に位置する薄肉状の段部、あるいは傾斜状プレートを介してそれぞれ着座プレートと基部側プレートとが一体化しているため、側突等、外部から衝撃荷重が加わった際、アームレストがパネル側に押圧された場合、取付座の先端がパネルにぶつかった後、薄肉状の段部、あるいは傾斜状プレートに荷重が集中し、この部位がまず破断し、更なる荷重に対して取付座全体へと破断が波及する。従って、アームレストが容易に撓み変形することにより、衝撃荷重を有効に吸収することができることから、衝撃吸収性能を高めることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係るプルハンドルの取付構造の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1乃至図7は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明に係るプルハンドルの取付構造を採用してプルハンドルを取着したドアトリムを示す正面図、図2は同プルハンドルの取付構造の構成を示す断面図、図3はプルハンドルの取付構造に使用するアームレスト内面に形成された取付座を示す斜視図、図4は同プルハンドルの取付構造に使用する取付座の衝撃荷重時における破断状態を示す説明図、図5はアームレストに加わる衝撃荷重(F)とストローク(S)との相関関係を示すグラフ、図6乃至図8は本発明に係るプルハンドルの取付構造の第1実施例に使用する取付座の変形例を示す各説明図である。
【0020】
図1において、自動車用ドアトリム10は、ポリプロピレン(PP)樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等の合成樹脂の射出成形体、あるいはモールドプレス成形体から構成され、所望の曲面形状に成形されており、ドアトリム10のほぼ中央部に車室内側に膨出し、乗員が肘を掛けて休めるアームレスト20が形成されている。尚、この実施例では、PP樹脂のモールドプレス成形工法により所要形状に成形した樹脂単体品を使用しているが、所望により、表面に織布、不織布、合成樹脂シート等から適宜選択した表皮を一体貼着した積層構造体を使用しても良く、また、中接部のみ表皮を貼付する構成を採用することもできる。
【0021】
ところで、本発明は、このアームレスト20に収容固定されるプルハンドル30の取付構造に特徴があり、プルハンドル30は、ABS樹脂、PP樹脂等の合成樹脂の射出成形体からなり、上面を開口したケース状のもので、開口周縁にフランジ31が周設されているとともに、底面部32は、エンボス部が形成され、更に、取付孔33が開設されている。
【0022】
一方、このプルハンドルを取り付けるためのアームレスト20の構造としては、アームレスト20の上面に開口21が開設され、この開口21内にプルハンドル30が収容され、プルハンドル30のフランジ31がアームレスト20の開口21縁部上に載置される。
【0023】
そして、プルハンドル30の取付部位には、アームレスト20内面に取付座22がドアパネル40側に向けて突設形成されている。更に詳しくは、この取付座22は、図2,図3に示すように、プルハンドル30を支持する着座プレート23と、アームレスト20の内面と一体化している基部側プレート24とを備え、薄肉状の段部25を介して双方のプレート23,24が一体化している。
【0024】
そして、この着座プレート23の先端部分には、ビス51を通過させるための切欠き23aが形成されており、ビス51を締め付け固定するために、断面略U字状のスプリングナット50を先端側から着座プレート23に挟み込み、プルハンドル30の内面側からビス51をプルハンドル30の取付孔33を通してスプリングナット50に締め付け固定して、プルハンドル30が取り付けられる。
【0025】
このように、第1実施例においては、プルハンドル30を支持する取付座22として、着座プレート23と基部側プレート24との間に薄肉状の段部25を設けるという構成を採用しているため、例えば、側突時等、車両の側方から衝撃が加わった際、図4(a)に示すように、アームレスト20にパネル側に押圧する外力Fが作用し、まず、取付座22の先端、すなわち着座プレート23の先端がドアパネル40に当接する。そして、結果的に取付座22の両端から挟み付けるような力が作用するため、図4(b)に示すように、薄肉状の段部25に外力Fが集中し、薄肉状の段部25がまず破断する。その後、図4(c)に示すように、残る基部側プレート24に破断が波及することで、アームレスト20は、外力Fに対して容易に撓み変形することにより、乗員に加わる負荷を軽減することができる。
【0026】
この時のアームレスト20の撓み変形の態様について、衝撃荷重(外力)Fと、ストロークSとの関係を図5のグラフにて示す。グラフ中、着座プレート23の板厚をt1、基部側プレート24の板厚をt2、段部25の板厚をt3と設定すると、まず、図5のグラフ中(a)は、薄肉状の段部25の破断を示すもので、この(a)地点までの荷重f1は、薄肉状の段部25の厚みt3に左右されるものと考えられる。そして、同図のグラフ中(b)は、基部側プレート24の破断を示すもので、(b)地点までの荷重f2は、基部側プレート24の板厚t2に左右されるものと考えられる。
【0027】
従って、第1実施例におけるプルハンドルの取付構造を採用した場合のF/S曲線は、図5中実線で示す曲線を描き、点線で示す従来のF/S曲線(初期反力値が高く、かつストロークSに比して衝撃荷重Fが大きい)との相違が明らかである。
【0028】
次いで、図6,図7は、取付座22の各変形例を示すもので、図6に示すように、取付座22における着座プレート23の両側に下方に向くフランジ26を一体形成することで、着座プレート23の上下方向に沿う強度、すなわちプルハンドル30の支持強度を高めることができる。
【0029】
図7に示す取付座22は、着座プレート23と基部側プレート24との間に位置する薄肉状の段部25において、特に、薄肉状の段部25と基部側プレート24との接合側外面に湾曲部27を設定している。すなわち、側突等、外方から衝撃が加わった際、図7(a)に示す形状の取付座22を採用すれば、薄肉状の段部25が破断した後、図7(b)に示すように、ドアパネル40と基部側プレート24とが当接した際、基部側プレート24の湾曲部27がドアパネル40に接触するため、基部側プレート24が突っ張ることがなく、図7(b)中、矢印方向に力が作用することで、図7(c)に示すように、基部側プレート24が容易に破断するという利点がある。
【0030】
更に、図8に示す変形例においては、アームレスト20の内面から斜め上方に向けて一対の支持ロッド60が立設され、この支持ロッド60の先端60aは、着座プレート23の裏面両側を支持している。従って、プルハンドル30を下方向に押し下げた場合、支持ロッド60によりこの下向き荷重を受けるため、着座プレート23の上下方向の外力に対する剛性を強化できる。尚、着座プレート23を1箇所で支持する単一の支持ロッド60を採用しても良い。
【実施例2】
【0031】
図9乃至図11は本発明の第2実施例を示すもので、第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。すなわち、図9に示すように、第2実施例においては、プルハンドル30を支持固定する取付座22の構成として、第1実施例の薄肉状の段部25に替えて、傾斜状プレート28を介して着座プレート23と、基部側プレート24とが一体化されている。尚、傾斜状プレート28の傾斜角度は、図8中θで示す角度に設定されている。
【0032】
そして、第2実施例におけるプルハンドル30の取付構造によれば、例えば、ドア開閉時等、図10に示すように、プルハンドル30に手を差し入れて手前側(図中矢印方向で示す方向)に引き寄せれば、プルハンドル30と一体化している着座プレート23も同方向に移行するが、着座プレート23と基部側プレート24との間の傾斜状プレート28が変形し、図10中θ1の傾斜角度となる。すなわち、取付座22に加わる引寄せ荷重に対して傾斜状プレート28が変形することで、取付座22の基部に荷重が過度に集中することがなく、取付座22の破損を未然に防止することができる。
【0033】
このように、取付座22の構成として、プルハンドル30を支持する着座プレート23と、アームレスト20の内面と一体化している基部側プレート24との間に傾斜状プレート28を介して一体化する構成を採用しても、側突時等、アームレスト20に図11(a)中、矢印方向の外力Fが加われば、着座プレート23の先端がドアパネル40にぶつかり、傾斜状プレート28の両端28a,28bに外力Fが集中して、図11(b)に示すように、傾斜状プレート28がまず破断し、その後、図11(c)に示すように、更なる荷重に対して第1実施例同様、基部側プレート24が破断する。結果的にアームレスト20がドアパネル40側に向けて有効に撓み変形することで、衝撃荷重を効率良く吸収することができる。
【0034】
尚、第2実施例においても、取付座22における着座プレート23の板厚、基部側プレート24の板厚、傾斜状プレート28の板厚を適宜調整することで、衝撃荷重を自在に制御でき、この場合、傾斜状プレート28の傾斜角度θについても、衝撃荷重を制御する際の一つのファクターとすることができる。また、着座プレート23に下向き荷重を有効に支持できる支持ロッド60を付設しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明した実施例1、実施例2では、着座プレート23と基部側プレート24との間に薄肉状の段部25、あるいは傾斜状プレート28を設定し、かつ薄肉状の段部25や、傾斜状プレート28の板厚を調整して、適宜衝撃荷重の制御を行なうというものであるが、薄肉状の段部25や傾斜状プレート28の破断をより迅速に行なわせるために、肉抜き、スリット、あるいは開口等の剛性を低下させる構成を付加することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るプルハンドルの取付構造を適用したドアトリムを示す正面図である。
【図2】本発明に係るプルハンドルの取付構造における第1実施例の構成を示す断面図である。
【図3】図2に示すプルハンドルの取付構造に使用する取付座の形状を示す斜視図である。
【図4】図2に示すプルハンドルの取付構造による衝撃吸収状態を時系列で示す説明図である。
【図5】図2に示すプルハンドルの取付構造における衝撃吸収性能を示すグラフである。
【図6】本発明に係るプルハンドルの取付構造の第1実施例における取付座の変形例を示す(a)斜視図、(b)断面図である。
【図7】本発明に係るプルハンドルの取付構造の第1実施例における取付座の変形例を示す(a)斜視図、(b),(c)衝撃吸収時の作用を示す説明図である。
【図8】本発明に係るプルハンドルの取付構造の第1実施例における取付座の変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るプルハンドルの取付構造における第2実施例の構成を示す断面図である。
【図10】図9に示すプルハンドルの取付構造における引寄せ荷重印加時の状態を示す説明図である。
【図11】図9に示すプルハンドルの取付構造の第2実施例における衝撃吸収時の状態を時系列で示す説明図である。
【図12】プルハンドルを装備した従来のドアトリムを示す正面図である。
【図13】図12中XIII−XIII線断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 自動車用ドアトリム
20 アームレスト
21 開口
22 取付座
23 着座プレート
24 基部側プレート
25 薄肉状の段部
26 フランジ
27 湾曲部
28 傾斜状プレート
30 プルハンドル
31 フランジ
32 底面部
33 取付孔
40 ドアパネル
50 スプリングナット
51 ビス
60 支持ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアトリム(10)の表面略中央にアームレスト(20)を室内側に向けて膨出形成し、該アームレスト(20)の上面に開設された開口(21)内にケース状の合成樹脂成形体からなるプルハンドル(30)を収容し、上記アームレスト(20)内面からドアパネル側に向けてほぼ水平状に突設した取付座(22)にプルハンドル(30)を固着してなるプルハンドルの取付構造において、
前記取付座(22)は、プルハンドル(30)を取り付ける着座プレート(23)と、アームレスト(20)の内面と一体化する基部側プレート(24)とを備え、両プレート(23,24)間に薄肉状の段部(25)が設けられていることにより、側突等の圧縮荷重に対して上記薄肉状の段部(25)が基点として取付座(22)が破断することで、アームレスト(20)の撓み変形を促すようにしたことを特徴とするプルハンドルの取付構造。
【請求項2】
前記取付座(22)は、着座プレート(23)、基部側プレート(24)及び薄肉状の段部(25)の厚みをそれぞれ調整することにより、衝撃荷重を制御できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプルハンドルの取付構造。
【請求項3】
ドアトリム(10)の表面略中央にアームレスト(20)を室内側に向けて膨出形成し、該アームレスト(20)の上面に開設された開口(21)内にケース状の合成樹脂成形体からなるプルハンドル(30)を収容し、上記アームレスト(20)内面からドアパネル側に向けてほぼ水平状に突設した取付座(22)にプルハンドル(30)を固着してなるプルハンドルの取付構造において、
前記取付座(22)は、プルハンドル(30)を取り付ける着座プレート(23)と、アームレスト(20)の内面と一体化する基部側プレート(24)とを備え、水平状に延在する両プレート(23,24)間に傾斜状プレート(28)が設けられていることにより、側突等の圧縮荷重に対して、傾斜状プレート(28)が基点となり、取付座(22)が破断することで、アームレスト(20)の撓み変形を促進させるとともに、ドア開閉時、プルハンドル(30)に加わる引張り荷重に対して上記傾斜状プレート(28)が変形することでこの引張り荷重を吸収できるようにしたことを特徴とするプルハンドルの取付構造。
【請求項4】
前記着座プレート(23)は、アームレスト(20)の内面から立設された支持ロッド(60)に支持されていることにより、上記取付座(22)への上下方向荷重に対する剛性が強化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプルハンドルの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−1409(P2006−1409A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179820(P2004−179820)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】