説明

プレキャストコンクリート部材の建て込み方法及びプレキャストコンクリート柱梁架構

【課題】 プレキャストコンクリート部材の建て込みに要する手間を削減する。
【解決手段】 プレキャストコンクリート梁2−3、2−4及びプレキャストコンクリート柱1−4の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態で、プレキャストコンクリート梁2−3、2−4又はプレキャストコンクリート柱1−4の一方に設けられた鉄筋7の先端を、プレキャストコンクリート梁2−3、2−4又はプレキャストコンクリート柱1−4の他方に設けられた継手部材8に挿入し、プレキャストコンクリート梁2−3、2−4及びプレキャストコンクリート柱1−4を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら、鉄筋7を継手部材8に挿入していくことにより、プレキャストコンクリート梁2−3、2−4及び前記プレキャストコンクリート柱1−4を本来の建て込み位置に建て込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート部材の建て込み方法及びプレキャストコンクリート柱梁架構に関する。
【背景技術】
【0002】
プレキャストコンクリート部材の建て込み方法の一例として、図12(h)に示すように、複数本のプレキャストコンクリート柱(PC柱1−1〜1−6)を複数箇所(6箇所)に建て込み、これらPC柱1−1〜1−6間、にそれぞれプレキャストコンクリート梁(PC梁2−1〜2−7)を建て込んだプレキャストコンクリート柱梁架構(PC柱梁架構)がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような構成のPC柱梁架構は、例えば、図12(a)に示すように、図中左上のPC柱1−1の上部に仕口部3−1を配置し、この仕口部3−1の図中右方に、PC梁2−1、仕口部3−2、PC梁2−2、及び仕口部3−3をそれらの順に配置し、それらの部材を図中左方に水平移動させて、各仕口部3−1〜3−3の梁主筋継手(図示せず)内に各PC梁2−1〜2−2の梁主筋を挿入することにより、各仕口部3−1〜3−3と各PC梁2−1〜2−2とを接続する。
【0004】
また、この際に、各仕口部3−1〜3−3の貫通孔(図示せず)内に上方から中継筋(図示せず)を挿入し、この中継筋を各PC柱1−1〜1−3の柱主筋継手(図示せず)内に挿入することにより、各仕口部3−1〜3−3を各PC柱1−1〜1−3に接続する。
【0005】
次に、図12(b)に示すように、各PC柱1−1〜1−3上に設けられた3つの仕口部3−1〜3−3の図中下方にそれぞれPC梁2−3〜2−5を配置し、これらのPC梁2−3〜2−5を図中上方に水平移動させ、各PC梁2−3〜2−5の梁主筋を各仕口部3−1〜3−3の梁主筋継手内に挿入することにより、各仕口部3−1〜3−3に各PC梁2−3〜2−5を接続する。
【0006】
次に、図12(b)に示すように、PC梁2−3及びPC梁2−4の図中下方にそれぞれ仕口部3−4、3−5を配置し、各仕口部3−4、3−5を図中上方に水平移動させ、各仕口部3−4、3−5の梁主筋継手内に各PC梁2−3、2−4の梁主筋を挿入することにより、各PC梁2−3、2−4に各仕口部3−4、3−5を接続する。
【0007】
次に、図12(c)及び図12(d)に示すように、仕口部3−4と仕口部3−5との間に、両端部に梁主筋継手が埋設されたPC梁2−6を上方から落とし込み、図中左側の仕口部3−4の貫通孔内に左方から定着具を備えた中継筋(図示せず)を挿入し、この中継筋をPC梁2−6の梁主筋継手内に挿入することにより、PC梁2−6を仕口部3−4に接続する。
【0008】
次に、図12(e)に示すように、仕口部3−5の図中右方にPC梁2−7を配置し、このPC梁2−7を図中左方へ水平移動させ、このPC梁2−7の梁主筋を仕口部3−5の梁主筋継手内に挿入することにより、仕口部3−5にPC梁2−7を接続する。
【0009】
そして、最後に、図12(f)〜図12(h)に示すように、PC梁2−5とPC梁2−7との間に仕口部3−6を配置し、図中右方から仕口部3−6の貫通孔内に定着具を備えた中継筋(図示せず)を挿入し、この中継筋をPC梁2−7の梁主筋継手内に挿入し、図中下方から仕口部3−6の貫通孔内に定着具を備えた中継筋(図示せず)を挿入し、この中継筋をPC梁2−5の梁主筋継手内に挿入することにより、仕口部3−6とPC梁2−7及びPC梁2−5とを接続する。
【0010】
このようにして、既に建て込んである複数本のPC柱1−1〜1−6の隣接するPC柱間1−1〜1−2、……、1−5〜1−6にそれぞれPC梁2−1〜2−7を建て込むことができ、格子状のPC柱梁架構1を構築することができる。
【0011】
ところで、上記のような構成のPC柱梁架構1にあっては、最後のコーナー部において、PC梁2−5及びPC梁2−7と仕口部3−6とを相互に接続する際に、仕口部3−6の貫通孔内に定着具を備えた中継筋を二方向(図中左右、上下方向)から挿入し、その中継筋をPC梁2−5及びPC梁2−7の梁主筋継手内に挿入する作業が必要になる。
【0012】
このため、重量物である仕口部3−6を、中継筋のPC梁2−5及びPC梁2−7の梁主筋継手内への挿入が完了するまで、仕口部3−6の貫通孔とPC梁2−5及びPC梁2−7の梁主筋継手とを合わせた状態に支持し続けなければならず、非常に手間のかかる作業となる。
【0013】
また、仕口部3−6の貫通孔内に定着具を備えた中継筋を二方向(図中左右、上下方向)から挿入した後に、その外側にコンクリートを打設して仕口部3−6と一体化しなければならず、その作業に非常に手間がかかる。
【0014】
さらに、仕口部3−6、PC梁2−5、又はPC梁2−7梁の何れかを、施工上の問題から現場打ち工法によって製作することもあり、そのような場合には、型枠の設置、配筋、コンクリートの打設、型枠の撤去等の作業が必要になり、その作業に非常に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−22494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、建て込みに要する手間を大幅に削減することができるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法及びプレキャストコンクリート柱梁架構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、プレキャストコンクリート梁とプレキャストコンクリート柱とを、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入するプレキャストコンクリート部材の建て込み方法であって、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態で、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の一方に設けられた前記鉄筋の先端を、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の他方に設けられた前記継手部材に挿入し、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら、前記鉄筋を前記継手部材に挿入していくことにより、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込み、さらに、前記プレキャストコンクリート柱を貫通させた鉄筋を、前記プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材に挿入し、又は、前記プレキャストコンクリート柱を貫通させたねじ鉄筋を、前記プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材にねじ込むことを特徴とする。
【0018】
本発明のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法によれば、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態で、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋の先端を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入する。
そして、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら鉄筋を継手部材に挿入していき、鉄筋を継手部材に完全に挿入することにより、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込むことができる。
さらに、プレキャストコンクリート柱を貫通させた鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材に挿入することにより、又は、プレキャストコンクリート柱を貫通させたねじ鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材にねじ込むことにより、プレキャストコンクリート柱をその下方のコンクリート部材に接続できる。
【0019】
また、本発明において、1本の前記プレキャストコンクリート柱と、該1本のプレキャストコンクリート柱に対して、異なる2方向から接合される2本の前記プレキャストコンクリート梁とを有し、前記1本のプレキャストコンクリート柱、及び前記2本のプレキャストコンクリート梁を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態で、それらを同時に本来の建て込み位置に向けて移動させることにより前記鉄筋を前記継手部材に挿入し、前記1本のプレキャストコンクリート柱及び前記2本のプレキャストコンクリート梁を本来の建て込み位置に建て込むこととしてもよい。
【0020】
さらに、本発明は、プレキャストコンクリート梁とプレキャストコンクリート柱とを、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入するプレキャストコンクリート部材の建て込み方法であって、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向及び上下方向にずらした状態で、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の一方に設けられた前記鉄筋の先端を、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の他方に設けられた前記継手部材に挿入し、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら、前記鉄筋を前記継手部材に挿入していくことにより、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込み、この際に、前記プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた鉄筋を、前記プレキャストコンクリート柱の下端に設けられた継手部材に挿入することを特徴とする。
【0021】
本発明のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法によれば、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向及び上下方向にずらした状態で、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋の先端を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入する。
そして、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら鉄筋を継手部材に挿入していき、鉄筋を継手部材に完全に挿入することにより、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込むことができ、この際に、プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の下端に設けられた継手部材に挿入することにより、プレキャストコンクリート柱をその下方のコンクリート部材に接続することができる。
【0022】
さらに、本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法により構築されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法及びプレキャストコンクリート柱梁架構によれば、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本体の建て込み位置から水平方向、又は水平方向及び上下方向にずらした状態とし、この状態で、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋の先端を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入する。
そして、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら鉄筋を継手部材に挿入していき、鉄筋を継手部材に完全に挿入することにより、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込むことができる。
さらに、プレキャストコンクリート柱を貫通させた鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材に挿入することにより、又は、プレキャストコンクリート柱を貫通させたねじ鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材にねじ込むことにより、又は、プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の下端に設けられた継手部材に挿入することにより、プレキャストコンクリート柱をその下方のコンクリート部材に接続できる。
従って、現場打ち工法によって建て込む必要がないので、型枠の設置、コンクリートの打設、型枠の撤去等の工事が不要となり、プレキャストコンクリート梁及びプレキャストコンクリート柱の建て込みに要する手間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の第1の実施の形態の、最後に建て込まれる一つ手前のプレキャストコンクリート部材を水平方向にずらした状態に配置した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図2】第1の実施の形態において、最後に建て込まれるプレキャストコンクリート部材を水平方向にずらした状態に配置した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図3】第1の実施の形態において、最後に建て込まれる一つ手前のプレキャストコンクリート部材及び最後に建て込まれるプレキャストコンクリート部材を、本来の建て込み位置に向けて水平方向にずらした状態を示した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図4】本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の第2の実施の形態の、最後に建て込まれる一つ手前のプレキャストコンクリート部材を本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態に配置した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図5】第2の実施の形態において、最後に建て込まれる一つ手前のプレキャストコンクリート部材及び最後に建て込まれるプレキャストコンクリート部材を本来の建て込み位置に向けて水平方向にずらした状態を示した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図6】本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の第3の実施の、最後に建て込まれる一つ手前のプレキャストコンクリート部材を水平方向及び上下方向にずらした状態に配置した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図7】第3の実施の形態において、最後に建て込まれるプレキャストコンクリート部材を水平方向及び上下方向にずらした状態に配置した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図8】第3の実施の形態において、最後に建て込まれる一つ手前のプレキャストコンクリート部材及び最後に建て込まれるプレキャストコンクリート部材を、本来の建て込み位置に向けて水平方向及び上下方向にずらした状態を示した説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図9】機械式継手の断面図である。
【図10】本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の適用箇所の変形例を示した説明図である。
【図11】本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の適用箇所の変形例を示した説明図である。
【図12】従来のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1〜図3には、本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の第1の実施の形態が示されている。本実施の形態のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法は、プレキャスト柱梁架構1の最後に建て込むコーナー部において、最後に建て込む一つ手前のプレキャストコンクリート部材に対して、最後に建て込むプレキャストコンクリート部材を建て込むのに有効なものである。
【0026】
本実施の形態では、最後に建て込む一つ手前のプレキャストコンクリート部材をプレキャストコンクリート梁(PC梁2−3、PC梁2−4)とし、最後に建て込むプレキャストコンクリート部材をプレキャストコンクリート柱(PC柱1−4)としている。
【0027】
また、PC柱1−4として、柱本体1aの上端部に仕口部1bが設けられ、仕口部1bの隣接する2つの側面から梁主筋部材7が突出するタイプのものを用い、PC梁2−3、2−4として、両端に梁主筋継手部材8が埋設されたタイプのものを用いている。
【0028】
そして、図1に示すように、最後に建て込むコーナー部において、既に建て込まれているプレキャストコンクリート柱(PC柱1−1〜1−3)、及びプレキャストコンクリート梁(PC梁2−1、2−2)のうち、PC柱1−2及びPC柱1−3の側方に、最後に建て込む一つ手前のプレキャストコンクリート部材としてのPC梁2−3及びPC梁2−4を水平方向にずらした状態に配置する。
【0029】
具体的には、PC梁2−3及びPC梁2−4を、本来の建て込み位置から水平方向の外方(図中矢印方向)に所定の角度回転させた状態に配置し、PC柱1−2及びPC柱1−3の仕口部1aの側面から突出している梁主筋部材7を、PC梁2−3及びPC梁2−4の一端の梁主筋継手部材8内に、梁主筋7と梁主筋継手8とのクリアランスを利用して僅かに挿入する。
【0030】
そして、図2に示すように、PC梁2−3及びPC梁2−4の側方に、最後に建て込むプレキャストコンクリート部材としてのPC柱1−4を水平方向にずらした状態に配置する。具体的には、PC柱1−4を、本来の建て込み位置から水平方向の外方にずらし、かつ、本体の建て込み位置に対して所定の角度回転させた状態に配置し、PC柱1−4の仕口部1aの2つの側面から突出している梁主筋部材7のうち、図中上方の側面から突出している梁主筋部材7の軸線がPC梁2−3の他端の梁主筋継手部材8の軸線の方向を向くように、PC梁2−3及びPC柱1−4の角度を調整する。
【0031】
そして、PC柱1−4をPC梁2−3の方向に水平方向からスライドさせ、PC柱1−4の仕口部1aの図中上方の側面から突出している梁主筋部材7の先端をPC梁2−3の他端の梁主筋継手部材8内に僅かに挿入するとともに、PC柱1−4の図中左方の側面から突出している梁主筋部材7の先端を、PC梁2−4の他端の梁主筋継手部材8内に、それらのクリアランスを利用して僅かに挿入する。
【0032】
そして、図3に示すように、PC梁2−3及びPC梁2−4を本来の建て込み位置の方向(図中矢印方向)に回転させながら、PC柱1−4を本体の建て込み位置の方向に回転、かつスライドさせることにより、PC梁2−3及びPC梁2−4の一端の梁主筋継手部材8内にPC柱1−2及びPC柱1−3の仕口部1aの梁主筋部材7を完全に挿入し、PC梁2−3及びPC梁2−4の他端の梁主筋継手部材8内にPC柱1−4の仕口部1aの梁主筋部材7を完全に挿入し、PC梁2−3、PC梁2−4、及びPC柱1−4を本来に建て込み位置に建て込む。さらに、PC柱1−4の下端を、その下方のコンクリート部材(柱、仕口部、又は床)に、柱主筋部材と柱主筋継手部材との組み合わせを用いて接続する。なお、本実施の形態では、PC柱1−4の下端をPC柱1−01に接続している。
【0033】
そして、PC梁2−3、及びPC梁2−4、及びPC柱1−4を本来の建て込み位置に建て込んだ後に、PC柱1−2とPC梁2−3との接続部、PC柱1−3とPC梁2−4との接続部、PC梁2−3とPC柱1−4との接続部、及びPC梁2−4とPC柱1−4との接続部、PC柱1−4とPC柱1−01との接続部にそれぞれグラウトを注入することにより、それらを一体化することができる。
【0034】
上記のように構成した本実施の形態のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法にあっては、PC柱梁架構1の最後のコーナー部を建て込む場合に、最後に建て込む一つ手前のプレキャストコンクリート部材としてのPC梁2−3及びPC梁2−4、及び最後に建て込むプレキャストコンクリート部材としてのPC柱1−4を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態に位置し、この状態からPC梁2−3、PC梁2−4、及びPC柱1−4を本来の建て込み位置の方向に回転、かつスライドさせすることにより、PC梁2−3及びPC梁2−4の梁主筋継手部材8にPC柱1−4の梁主筋部材7を完全に挿入することができ、PC梁2−3、PC梁2−4、及びPC柱1−4を本来の建て込み位置に建て込むことができる。
【0035】
従って、従来のように、重量物である仕口部を、中継筋の2つのPC梁の梁主筋継手内への挿入が完了するまで、仕口部の貫通孔と2つのPC梁の梁主筋継手とを合わせた状態に支持し続けるような煩雑な作業が不要となり、仕口部の接合に要する手間を大幅に削減することができる。
【0036】
また、現場打ち工法により、PC梁2−3及びPC梁2−4とPC柱1−4の仕口部1bとの間を接合する必要がないので、型枠工事、コンクリート打設工事等が不要となり、仕口部の接合に要する手間を大幅に削減することができる。
【0037】
なお、前記の説明においては、PC柱1−2〜1−4の仕口部1bの側面から梁主筋部材7を突出させ、PC梁2−3〜2−4の両端に梁主筋継手部材8を設けたが、PC柱1−2〜1−4の仕口部1bに梁主筋継手部材を設け、PC梁2−3〜2−4の両端から梁主筋部材を突出させてもよい。
また、PC柱1−2〜1−4の仕口部1bに梁主筋継手部材を設け、PC梁2−3〜2−4の両端に梁主筋継手部材を設け、それらの梁主筋継手部材間に梁主筋部材を挿入することにより、PC柱1−2〜1−4の仕口部1bにPC梁2−3〜2−4を接続してもよい。
さらに、前記の説明における梁主筋部材7と梁主筋継手部材8との接続には、鉄筋とスリーブとの組み合わせの他、図9に示すような機械式継手10を用いることもできる。この機械式継手10は、ねじ付きの鉄筋11、13とナット15とを備えたものであって、互いに接続する一方のコンクリート部材に設けたねじ付きの鉄筋11と、他方のコンクリート部材に設けたねじ付きの鉄筋13とをナット15によって連結し、ロックナット16、17によって連結した状態に固定することにより、一方のコンクリート部材と他方のコンクリート部材とを接続することができる。なお、機械式継手10を用いた場合には、ねじ付きの鉄筋11、13とナット15との接続部にグラウトを注入する必要がなくなる。
【0038】
図4及び図5には、本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の第2の実施の形態が示されている。本実施の形態のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法は、PC柱梁架構1の最後に建て込むコーナー部を構成するPC柱1−2、PC柱1−3、及びPC柱1−4として、仕口部1bにスリーブ9が埋設されたタイプのものを用い、PC梁2−3、PC梁2−4として、一端から梁主筋部材7が突出し、他端に梁主筋継手部材8が埋設されたタイプのものを用いている。
【0039】
そして、図4に示すように、最後に建て込むコーナー部において、既に建て込まれているプレキャストコンクリート柱(PC柱1−1〜1−3)、及びプレキャストコンクリート梁(PC梁2−1、PC梁2−2)のうち、PC柱1−2及びPC柱1−3の側方に、最後に建て込む一つ手前のプレキャストコンクリート部材としてのPC梁2−3及びPC梁2−4を、水平方向にずらし、かつスリーブ9と梁主筋部材7との軸線を一致させた状態で配置する。
【0040】
そして、PC梁2−3を図中矢印方向(PC柱1−2の方向)にスライドさせて、PC梁2−3の一端の梁主筋部材7をPC柱1−2の仕口部1bのスリーブ9を挿通させて、PC柱1−2の図中上方のPC梁2−01の梁主筋継手部材8内に挿入し、PC梁2−4を図中矢印方向(PC柱1−3の方向)にスライドさせて、PC梁2−4の一端の梁主筋部材7をPC柱1−3の仕口部1bのスリーブ9を挿通させて、PC柱1−3の図中左方のPC梁2−02の梁主筋継手部材8内に挿入し、PC梁2−3及びPC梁2−4を本来の建て込み位置に建て込む。
【0041】
そして、図5に示すように、PC梁2−3、PC梁2−4の他端にPC柱1−4を上方から落とし込み、PC柱1−4の仕口部1bのスリーブ9−1とPC梁2−3及びPC梁2−4の梁主筋継手部材8との間に梁主筋部材(図示せず)を挿入し、PC柱1−4のスリーブ9−2内に上方から柱主筋部材5を挿入し、下方のコンクリート部材(柱、仕口部、又は床)の柱主筋継手部材6−1内に挿入する。なお、本実施の形態においては、下方のコンクリート部材をPC柱1−01とし、PC柱1−01の仕口部の柱主筋継手部材6−1内に柱主筋継手部材6−1を挿入している。
【0042】
そして、PC柱1−2とPC梁2−3との接続部、PC柱1−3とPC梁2−4との接続部、PC梁2−3及びPC梁2−4とPC柱1−4との接続部、及びPC柱1−4とPC柱1−01との接続部にグラウトを注入することにより、PC柱1−2とPC梁2−3、PC柱−13とPC梁2−4、PC梁2−3及びPC梁2−4とPC柱1−4、PC柱1−4とPC柱1−01とを一体化することができる。
【0043】
そして、本実施の形態に示すものにあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態においても、梁主筋部材7と梁主筋継手部材8との接続には、鉄筋とスリーブとの組み合わせの他、図9に示すような機械式継手10を用いることもでき、機械式継手10を用いた場合には、ねじつきの鉄筋11、13とナット15との接続部にグラウトを注入する必要がなくなる。
【0044】
図6〜図8には、本発明によるプレキャストコンクリート部材の建て込み方法の第3の実施の形態が示されている。本実施の形態のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法は、PC柱1−4として、柱本体1aの上端部に仕口部1bが設けられ、仕口部1bの隣接する2つの側面から梁主筋部材7が突出し、上面から柱主筋部材5が突出し、柱本体1aの下端部に柱主筋継手部材6が埋設されたタイプのものを用い、PC梁2−3、及びPC梁2−4として、両端に梁主筋継手部材8が埋設されたタイプのものを用いている。
【0045】
そして、図6に示すように、最後に建て込むコーナー部において、既に建て込まれているプレキャストコンクリート柱(PC柱1−1〜1−3)、及びプレキャストコンクリート梁(PC梁2−1、2−2)のうち、PC柱1−2及びPC柱1−3の側方に、最後に建て込む一つ手前のプレキャストコンクリート部材としてのPC梁2−3及びPC梁2−4を、水平方向及び上方にずらした状態に配置する。
【0046】
具体的には、PC梁2−3及びPC梁2−4を、本来の建て込み位置から水平方向の外方、及び上方(図中矢印方向)に所定の角度回転させた状態に配置し、PC柱1−2及びPC柱1−3の仕口部1bの側面から突出している梁主筋部材7を、PC梁2−3及びPC梁2−4の一端の梁主筋継手部材8内に、梁主筋部材7と梁主筋継手部材8とのクリアランスを利用して僅かに挿入させる。
【0047】
そして、図7に示すように、PC梁2−3及びPC梁2−4の側方に、最後に建て込むプレキャストコンクリート部材としてのPC柱1−4を水平方向及び上方にずらした状態に配置する。具体的には、PC柱1−4を、本来の建て込み位置から上方に所定の距離ずらし、かつ、本体の建て込み位置に対して所定の角度回転させた状態に配置し、PC柱1−4の2つの側面から突出している梁主筋部材7のうち、図中上方の側面から突出している梁主筋部材7の軸線がPC梁2−3の他端の梁主筋継手部材8の軸線方向を向くように、PC梁2−3及びPC柱1−4の角度を調整する。
【0048】
そして、PC柱1−4をPC梁2−3の方向に水平方向からスライドさせて、PC柱1−4の図中上方の側面から突出している梁主筋部材7の先端をPC梁2−3の他端の梁主筋継手部材8内に僅かに挿入するとともに、PC柱1−4の図中左方の側面から突出している梁主筋部材7の先端を、PC梁2−4の他端の梁主筋継手部材8内に、それらのクリアランスを利用して僅かに挿入する。
【0049】
そして、図8に示すように、PC梁2−3及びPC梁2−4を本来の建て込み位置の方向に回転させながら、PC柱1−4を本体の建て込み位置の方向に回転、かつスライドさせるとともに、PC梁2−3、PC梁2−4、及びPC柱1−4を本来の建て込み位置に落とし込むことにより、PC梁2−3及びPC梁2−4の一端の梁主筋継手部材8内にPC柱1−2及びPC柱1−3の梁主筋部材7を完全に挿入し、PC梁2−3及びPC梁2−4の他端の梁主筋継手部材8内にPC柱1−4の側面の梁主筋部材7を完全に挿入し、PC柱1−4の下端の柱主筋継手部材6内に、その下方のコンクリート部材(柱、仕口部、又は床)の柱主筋部材5を挿入し、PC梁2−3、PC梁2−4、及びPC柱1−4を本来の建て込み位置に建て込む。なお、本実施の形態においては、PC柱1−4の下方の部材をPC柱1−01とし、その上端の柱主筋部材5をPC柱1−4の下端の柱主筋継手部材6内に挿入している。
【0050】
そして、PC梁2−3、及びPC梁2−4、及びPC柱1−4を本来の建て込み位置に建て込んだ後に、PC柱1−2とPC梁2−3との接続部、PC柱1−3とPC梁2−4との接続部、PC梁2−3とPC柱1−4との接続部、PC梁2−4とPC柱1−4との接続部、PC柱1−4とPC柱1−01との接続部にそれぞれグラウトを注入することにより、それらを一体化することができる。
【0051】
そして、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
【0052】
なお、前記の説明においては、PC柱1−2〜1−4の仕口部1bの側面から梁主筋部材7を突出させ、PC梁2−3〜2−4の両端に梁主筋継手部材8を設けたが、PC柱1−2〜1−4の仕口部1bに梁主筋継手部材を設け、PC梁2−3〜2−4の両端から梁主筋部材を突出させてもよい。
また、本実施の形態においても、梁主筋部材7と梁主筋継手部材8との接続、及び柱主筋部材5と柱主筋継手部材6との接続には、鉄筋とスリーブとの組み合わせの他、図9に示すような機械式継手10を用いることもでき、機械式継手10を用いた場合には、ねじつきの鉄筋11、13とナット15との接続部にグラウトを注入する必要がなくなる。
【0053】
なお、前記各実施の形態においては、PC柱梁架構1の最後に建て込むコーナー部に本発明を適用したが、PC柱梁架構1の他のコーナー部の建て込みに本発明を適用してもよい。また、PC柱梁架構1のコーナー部に限らず、図10に示すように、PC柱1−5に対してPC梁2−5、2−6、2−7を三方向から接続するT形状の部分に本発明を適用することもできる。さらに、コーナー部及びT形状の部分は、図11に示すように、PC梁2−8、2−9とPC柱1−6とのなす角度が直角以外の角度の箇所にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 PC柱梁架構
1−01、1−1〜1−5 PC柱
1a 柱本体
1b 仕口部
2−01〜2−02、2−1〜2−7 PC梁
5 柱主筋部材
6、6−1 柱主筋継手部材
7 梁主筋部材
8 梁主筋継手部材
9−1、9−2 スリーブ
10 機械式継手
11、13 鉄筋
12、14 ねじ
15 ナット
16、17 ロックナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャストコンクリート梁とプレキャストコンクリート柱とを、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入するプレキャストコンクリート部材の建て込み方法であって、
前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態で、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の一方に設けられた前記鉄筋の先端を、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の他方に設けられた前記継手部材に挿入し、
前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら、前記鉄筋を前記継手部材に挿入していくことにより、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込み、
さらに、前記プレキャストコンクリート柱を貫通させた鉄筋を、前記プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材に挿入し、又は、前記プレキャストコンクリート柱を貫通させたねじ鉄筋を、前記プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた継手部材にねじ込むことを特徴とするプレキャストコンクリート部材の建て込み方法。
【請求項2】
1本の前記プレキャストコンクリート柱と、該1本のプレキャストコンクリート柱に対して、異なる2方向から接合される2本の前記プレキャストコンクリート梁とを有し、
前記1本のプレキャストコンクリート柱、及び前記2本のプレキャストコンクリート梁を、本来の建て込み位置から水平方向にずらした状態で、それらを同時に本来の建て込み位置に向けて移動させることにより前記鉄筋を前記継手部材に挿入し、前記1本のプレキャストコンクリート柱及び前記2本のプレキャストコンクリート梁を本来の建て込み位置に建て込むことを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法。
【請求項3】
プレキャストコンクリート梁とプレキャストコンクリート柱とを、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の一方に設けられた鉄筋を、プレキャストコンクリート梁又はプレキャストコンクリート柱の他方に設けられた継手部材に挿入するプレキャストコンクリート部材の建て込み方法であって、
前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱の少なくとも何れか一方を、本来の建て込み位置から水平方向及び上下方向にずらした状態で、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の一方に設けられた前記鉄筋の先端を、前記プレキャストコンクリート梁又は前記プレキャストコンクリート柱の他方に設けられた前記継手部材に挿入し、
前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を、本体の建て込み位置に向けて移動させながら、前記鉄筋を前記継手部材に挿入していくことにより、前記プレキャストコンクリート梁及び前記プレキャストコンクリート柱を本来の建て込み位置に建て込み、
この際に、前記プレキャストコンクリート柱の下方のコンクリート部材に設けられた鉄筋を、前記プレキャストコンクリート柱の下端に設けられた継手部材に挿入することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の建て込み方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の建て込み方法により構築されることを特徴とするプレキャストコンクリート柱梁架構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−2017(P2012−2017A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139699(P2010−139699)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)