説明

プレス部品流入量自動測定装置及びプレス部品流入量自動測定方法

【課題】プレス成形品のワークの流入量の変化を正確及び簡単に測定できるプレス部品流入量自動測定装置及びプレス部品流入量自動測定方法を提供する。
【解決手段】プレス成形品をプレス型によりプレス加工するプレス成形手段と、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像手段と、撮像したプレス成形品の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を算出して、ワークの流入量の変化として計測する流入量変化検出手段と、計測したワーク流入量の変化に基づいて、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段と、を有することを特徴とするプレス部品流入量自動測定装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス加工時のプレス部品流入量自動測定装置及びプレス部品流入量自動測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の製造工程において、車体の各部位を成形するためにプレス加工が行われている。このプレス加工時に用いられるプレス機は、上型と下型とからなるプレス型を備えており、プレス型間に被成形板(以下「ワーク」という)をセットして、所定の押圧力でプレス型を閉型することにより、プレス型に応じたプレス成形品が得られる。
【0003】
かかるプレス加工においては、高速で安定した品質のプレス成形品が得られるという利点もあるが、プレス機のプレス型に異常が生じると欠陥品が大量に発生してしまう。このため、プレス加工直後のプレス成形品を常時監視することにより、プレス加工直後の欠陥品を速やかに検出して欠陥品の大量発生を防ぐことが行われている。
【0004】
また、プレス機のプレス型への上記ワークの流入量の変化を計測することで、プレス加工における欠陥品の発生を検出する方法も用いられている。ワークの流入量を測定する方法には、測定装置を用いて行うものがある。例えば、特許文献1には、ワークの端部に測定装置としてのリニアセンサ付きエアシリンダを設けて、エアシリンダからの電気信号に基づきワークの流入量を測定する金型絞り流入量測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−283358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記金型絞り流入量測定装置では、測定装置としてのリニアセンサ付きエアシリンダが当接しているワークの端部、すなわち、XY座標系における所定の座標点のみの流入量しか測定できなかった。また、ワークの端部の形状が湾曲しているとリニアセンサ付きエアシリンダを当接して設置できないという問題があった。
【0007】
さらに、XY座標系において複数の座標を測定するには、リニアセンサ付きのエアシリンダをワークの端部に複数個並べて設置する必要があり部品点数が多くなる。また、プレス機によるプレス加工時には、大きな衝撃が発生するため、リニアセンサ付きエアシリンダをワークの端部に当接させた場合、衝撃により測定値が安定せず正確な数値を測定するのが困難であり現実的ではなかった。
【0008】
そこで、本発明は、プレス成形品の形状や測定装置の取付位置に依存することなくワークの流入量の変化を正確及び簡単に測定できるプレス部品流入量自動測定装置及びプレス部品流入量自動測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ワークとなる被成形板をプレス型によりプレス加工するプレス成形手段と、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、前記プレス成形品と周辺の空気との境界を特定するために、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像手段と、撮像したプレス成形品の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を算出して、算出結果を前記ワークの前記プレス型への流入量の変化として検出する流入量変化検出手段と、検出したワーク流入量の変化に基づいて、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段と、を有するプレス部品流入量自動測定装置とした。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプレス部品流入量自動測定装置において、前記流入量変化検出手段は、ワークの流入量の変化を所定数の単位で前記プレス成形品毎に記憶するとともに、前記型メンテナンス判定手段は、前記所定数の単位で記憶されたワークの流入量の変化の統計処理を行うことにより、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、ワークとなる被成形板をプレス型により成形するプレス加工において、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、前記プレス成形品と周辺の空気との境界を特定するために、プレス成形された直後のプレス成形品の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像ステップと、撮像したプレス成形品の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品との表面の温度分布データの差分値を算出して、ワークの流入量の変化を検出する流入量変化検出ステップと、計測したワーク流入量の変化に基づいて、前記プレス加工に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定ステップと、を有するプレス部品流入量自動測定方法とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレス加工直後のプレス成形品の表面の温度分布と、基準成形品の表面の温度分布との差分値によりワーク流入量の変化を測定することできるので、プレス成形品の形状や測定装置の取付位置に依存することなくワークの流入量の変化を正確及び簡単に測定できる。また、ワークの流入量の変化の測定値が、所定の数値以上となったことを検出することにより、プレス型のメンテナンス時期を特定することできる。このように、プレス型のメンテナンス時期を特定することで、プレス型の変化が起因となるプレス加工における不良品の発生を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態のプレス部品流入量自動測定装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る実施形態の赤外線カメラによるプレス成形品の撮像状態を示す図である。
【図3】本発明に係る実施形態のプレス成形品と基準成形品との表面の温度分布を示す図である。
【図4】本発明に係る実施形態のプレス成形品と基準成形品との表面のピクセル単位での温度分布を示す図である。
【図5】本発明に係る実施形態の流入量変化検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】本発明に係る実施形態の型メンテナンス判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るプレス部品流入量自動測定装置は、ワークとなる被成形板をプレス型によりプレス加工するプレス成形手段と、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、前記プレス成形品と周辺の空気との境界を特定するために、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像手段と、撮像したプレス成形品の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を算出して、算出結果を前記ワークの前記プレス型への流入量の変化として検出する流入量変化検出手段と、検出したワーク流入量の変化に基づいて、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段と、を有するものである。
【0015】
プレス加工における被成形板である加工部品(以下「ワーク」という)を、プレス成形手段であるプレス機でプレス加工すると、プレス加工直後のプレス成形品自体に加工熱が発生する。つまり、プレス加工した直後のプレス成形品の表面を、熱エネルギーにより放射される赤外線を受光する表面温度撮像手段としての赤外線カメラなどで撮像すると、撮像した画像データから、成形品の表面の温度分布データを取得することができる。
【0016】
また、プレス加工直後のプレス成形品自体に加工熱を生じていても、プレス成形品の表面においてはその温度変化は微小である。しかし、プレス加工直後のプレス成形品自体の加工熱による温度とプレス成形品の周辺の空気の温度とでは明らかな温度差がある。従って、プレス成形品自体の加工熱と周辺の空気の温度差により、プレス成形品と周辺の空気との境界(以下、エッジ位置という)を特定することができる。
【0017】
そして、流入量変化検出手段により、上記エッジ位置におけるプレス成形品の表面の温度分布データと、予め計測して記憶しておいた基準成形品の表面の温度分布データとを比較して差分値を算出し、算出した差分値をワーク流入量の変化として計測する。そして、型メンテナンス判定手段により、計測したワーク流入量の変化が一定の数値を超えたことを検出すると、プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期であると判断することができる。
【0018】
一般に、プレス型を起因とした欠陥品が大量に発生し、欠陥を有するプレス成形品を後工程まで流してしまうと、とくに欠陥品が製品に組み込まれた後では、単に部品の不良では済まなくなり、これまでの全ての工程が無駄になって製造側の損害も大きくなってしまう。
【0019】
そこで、本実施形態においては、プレス成形直後のプレス成形品における熱分布を温度分布データとして解析し、基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を検出してワーク流入量の変化を監視することで、プレス機に用いられる型のメンテナンス時期を自動判定することができる。これにより、プレス機に用いられるプレス型の磨耗、変形などによって生じる欠陥品の発生を、プレス型のメンテナンスを行うことにより未然に防止することができる。
【0020】
従来では、所定数(例えば、1ロット300枚)単位のプレス成形品から、任意に所定枚数のプレス成形品を抜粋して、プレス成形品と基準成形品とのワーク流入量の変化を測定していた。そして、ワーク流入量の変化が所定値を超えた場合、プレス機に用いられるプレス型のメンテナンス時期であると判断していた。しかし、この方法では、所定数単位のプレス成形品に欠陥品が発生する可能性がある。そのため、上述したようにプレス加工直後のプレス成形品のワーク流入量の変化を常に監視することで、測定精度を著しく向上させ、プレス機のプレス型を起因とした欠陥品の大量発生を防止している。しかも、省人化が可能となるのでコスト削減も図ることができる。
【0021】
また、前記流入量変化検出手段は、ワークの流入量の変化を所定数の単位で前記プレス成形品毎に記憶するとともに、前記型メンテナンス判定手段は、前記所定数の単位で記憶されたワークの流入量の変化の統計処理を行うことにより、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定することもできる。
【0022】
つまり、流入量変化検出手段は、プレス加工直後のプレス成形品から放射される赤外線を赤外線カメラなどの赤外線撮像装置(表面温度撮像手段)で取り込み、プレス加工時の加工熱によるプレス成形品表面の温度分布データを解析し、予め設定された基準成形品の温度分布データと比較して、プレス成形品と基準成形品とのワーク流入量の変化を測定する。
【0023】
そして、型メンテナンス判定手段は、測定したワーク流入量の変化を所定数(例えば、1ロット300枚)単位で記憶しておき、所定数毎にワークの流入量の変化を、例えば、標準偏差を算出するなどの統計処理をする。そして、算出した標準偏差が一定の閾値を超えた場合に、プレス機のプレス型のメンテナンス時期であると判定する。一般に、プレス機のプレス型は、破損などは別として、変形及び磨耗などは急激には進行しない。そのため、ワークの流入量の変化を所定数単位で蓄積するとともに、蓄積した所定数単位のプレス成形品の温度分布データの統計処理を行い、この結果に基づいて型のメンテナンス時期を評価しても、プレス機のプレス型のメンテナンス時期を正確に判定することができる。
【0024】
このように、プレス加工直後の度にプレス成形品の表面の温度分布を撮像して蓄積しておき、所定数(例えば、1ロット:300枚)単位で統計処理を行って温度分布の変化傾向を分析し、プレス型の劣化などによる温度分布の変化傾向が、一定の閾値を超えた場合、プレス型のメンテナンスを実施して、プレス型に起因する成形不良など欠陥品の発生を未然に防止することが可能となる。
【0025】
上述してきたプレス部品流入量自動測定装置は、下記の装置を用いて実施することができる。
【0026】
本実施形態におけるプレス部品流入量自動測定装置は、プレス加工を行うプレス成形手段としてのプレス機と、プレス加工直後のプレス成形品の表面の熱分布を撮像する表面温度撮像手段と、撮像したプレス成形品の温度分布と予め設定された基準成形品との温度分布を比較解析してワーク流入量の変化として計測する流入量変化検出手段と、計測したワーク流入量の変化に基づいて、プレス機に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段とを備えている。このプレス部品流入量自動測定装置を、例えば、自動車等の製造ラインにおいて、プレス工程と次工程との間に設置している。
【0027】
プレス工程の直後にプレス成形品の表面の温度分布を撮像する表面温度撮像手段としては、熱エネルギーにより放射される赤外線を受光する赤外線カメラを好適に用いることができる。これによれば、温度を直接計測するのではなく、赤外線カメラで撮像した画像に基づいて、物体が放射する赤外線の光量を測定しその量を瞬時に計測し、カラーマップなどで差異を表示し観測することができる。
【0028】
また、プレス成形品自体の加工熱と周辺の空気の温度差により、プレス成形品と周辺の空気との境界(以下、エッジ位置という)を特定している。そして、流入量変化検出手段により、エッジ位置におけるプレス成形品の表面の温度分布データと、予め計測して記憶しておいた基準成形品の表面の温度分布データとを比較して差分値を算出し、算出した差分値をワーク流入量の変化として計測する。そして、型メンテナンス判定手段により、計測したワーク流入量の変化が一定の数値を超えたことを検出すると、プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期であると判断することができる。
【0029】
また、温度分布を解析する流入量変化検出手段及び型メンテナンス判定手段としては、CPUやROM、RAMなどのメモリーや画像処理回路などを備えた画像処理可能なコンピュータを用いることができる。例えば、基準成形品の温度分布がヒストグラム化された参照テーブルをメモリーに予め格納しておき、前記赤外線カメラで撮像した画像を画像処理してプレス成形品の表面の温度分布情報を例えばヒストグラム化して解析し、これを前記参照テーブルと比較してワーク流入量の変化を測定し、測定したワーク流入量の変化に基づいて、プレス機のプレス型のメンテナンス時期を判定するのである。なお、解析に際し、ヒストグラム化することなく、プレス成形品と基準成形品とが表した温度分布同士を直接比較することも可能である。また、前記熱画像を画像処理したデータを、モニタなどに出力して画像表示可能とすることもできる。
【0030】
ところで、製造ラインにおいては、本プレス部品流入量自動測定装置と、プレス型のメンテナンス時期を報知する報知ランプなどの報知装置及びラインの起動からライン速度、さらに運転停止までを制御するライン制御部とを接続しておくことが好ましい。プレス型のメンテナンス時期が検出された場合は、報知装置によりラインに従事する作業者に報知するとともに、ラインを停止して型のメンテナンスを速やかに行えるようにするためである。
【0031】
以下、本実施形態に係るプレス部品流入量自動測定装置及びプレス部品流入量自動測定方法を、図面を参照してより具体的に説明する。なお、本実施形態では、流入量を測定する対象となるプレス成形品を、自動車ボディの一部をなす絞り部分を有するパネル部材としている。
【0032】
本発明に係る実施形態のプレス部品流入量自動測定装置10は、図1に示すように、自動車製造ライン中、プレス工程から次工程へ移行する間の適宜箇所に設けられている。すなわち、プレス部品流入量自動測定装置10は、プレス成形手段であるプレス機3と、プレス機3によりプレス加工された直後のプレス成形品5の表面の温度分布を撮像する表面温度撮像手段としての赤外線カメラ1と、撮像した温度分布データと予め記憶している基準成形品の温度分布データとを比較して、その差分をワークの流入量の差として測定する流入量変化検出手段及び型メンテナンス判定手段として機能するディスプレイ70を有する統計処理装置7とを備えている。
【0033】
図1において、プレス機3は、本実施形態におけるプレス成形手段であり、上型31と下型32とからなるプレス型30を備えている。4はコンベヤ装置であり、プレス加工直後のプレス成形品5を次工程に搬送する。
【0034】
赤外線カメラ1は、プレス機3から取り出された直後のプレス成形品5の表面を所定方向から所定の角度で撮像可能な位置に固定されており、プレス機3によるプレス加工直後のプレス成形品5が所定位置に載置されたタイミングに同期するように、あるいはプレス加工直後の所定時間の経過に同期して撮像されるように制御されている。本実施形態では、この赤外線カメラ1を、プレス成形品5から所定の高さ位置で、プレス成形品5に対して直線距離で所定離隔した位置に配設し、プレス成形品5の表面を撮像可能としている。
【0035】
統計処理装置7は、CPUやROM、RAMなどのメモリーや画像処理回路、さらには処理した画像を表示するディスプレイ70などを備えた画像処理可能なコンピュータからなり、図示しないインターフェイスを介して前記赤外線カメラ1と接続されている。なお、前記画像処理回路を赤外線カメラ1に備えさせ、所定の画像処理機能をもたせておくこともできる。また、前記コンピュータとしては汎用的なパーソナルコンピュータを用いることもできる。
【0036】
前記ROMには、プレス成形時の基準となる基準成形品の温度分布を画像表示するデータや熱分布をヒストグラム化したデータを有する参照テーブルが格納されている。前記赤外線カメラ1で撮像された画像は前記RAMに格納されるとともに、前記ディスプレイ70に出力される。統計処理装置7では、前記RAMの温度分布を示す熱画像データと参照テーブルのデータとを比較して、プレス工程を終えたプレス成形品5のワークの流入量の変化を判定するのである。なお、上記参照テーブルや赤外線カメラ1で撮像した熱画像などは、コンピュータに一般に内蔵されているHDD(Hard Disk Drivee)や不揮発性のフラッシュメモリなどに記憶しておくこともできる。
【0037】
図2(a)は、プレス成形品5を赤外線カメラ1で撮像した様子を示したものである。ここで、ワークの流入量の変化は、自動車ボディの一部をなす絞り部分を有するパネル部材のプレス成形品5の、その全体ではなく、例えば、図2(b)に示すように、プレス成形品5の絞り部分である測定領域5aのワークの流入量の変化を測定する。
【0038】
図2(b)は、測定領域5aの画像を上下略180度回転して拡大した図である。つまり、図2(b)に示すように、プレス成形品5の絞り部分である測定領域5aでは、プレス加工において発熱したプレス成形品5と周囲の空気Aとの境界位置(つまり、エッジ位置)が赤外線カメラ1で撮像されていることが解る。
【0039】
そして、図3に示すように、測定領域5aを温度分布データとして解析すると、プレス成形品5と周囲の空気Aには、明らかな温度差を検出することができ、この温度差の境界位置がエッジ位置Eとして特定されることになる。以下、基準成形品の測定領域5aにおける温度分布データを図3(a)として、プレス加工直後の実際のプレス成形品5の測定領域5aにおける温度分布データを図3(b)として説明する。
【0040】
図3(a)に示す基準成形品の測定領域5aにおける温度分布データと、図3(b)に示すプレス成形品5の測定領域5aにおける温度分布データとでは、エッジ位置Eが異なっている。すなわち、プレス機3のプレス型30におけるプレス加工において、ワークの流入量に変化が生じていることになる。
【0041】
なお、図3(a)に示す基準成形品の測定領域5aと図3(b)に示すプレス成形品5の測定領域5aとの温度分布データによりエッジ位置Eを特定するためには、例えば、基準成形品とプレス成形品5との中心位置を決めて、その中心位置からのそれぞれの測定領域5aの距離が同じになるようにして測定領域5aの位置を定めとよい。これにより、基準成形品とプレス成形品5との測定領域5aにおけるエッジ位置Eの変化を、正確に測定することができる。
【0042】
そして、図3に示す測定領域5aの温度分布データをより詳細にデジタル解析すると、図4に示すように、y/x方向にピクセル単位でエッジ位置Eが変化していることを数値として測定することができる。基準成形品の測定領域5aにおける温度分布データに一部をデジタル解析したものを図4(a)に、プレス成形品5の測定領域5aにおける温度分布データをデジタル解析したものを図4(b)に示す。なお、図4中の数値は1ピクセル当たりの温度を表示している。また、図4では、便宜上y/x方向に、10×10ピクセル、つまり、100ピクセルにおけるデジタル解析した温度分布データを示している。
【0043】
図4(a)と図4(b)を比較すると、基準形成品とプレス成形品5のエッジ位置Eは、プレス成形品5の方がy方向に2ピクセル減少していることがわかる。すなわち、図4(b)に示すプレス成形品5の測定領域5aにおいては、基準成形品の温度分布データよりもy方向に2ピクセル分ワークの流入量が減少している。すなわち、図4に示すワークの流入量の変化の測定結果は「−2」となる。
【0044】
このようにして測定されたワークの流入量の変化の測定結果は、統計処理装置7の記憶領域(例えば、RAM,HDDなど)にプレス成形品5ごとに記憶される。そして、記憶された測定結果が所定数(例えば、1ロット300枚)に達すると統計処理が行われ、この統計処置の結果に応じてプレス機3のプレス型30のメンテナンス時期が判定されることになる。
【0045】
以下、図5及び図6を用いて、統計処理装置7で実行される流入量変化検出処理及び型メンテナンス判定処理を説明する。図5は流入量変化検出処理の流れを示すフローチャートである。図6は型メンテナンス判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
上述したように、統計処理装置7は、図示しないCPU、ROM、RAMなどで構成される画像処理回路としての制御部、さらには処理した画像を表示するディスプレイ70などを備えた画像処理可能なコンピュータである。本実施形態における流入量変化検出処理及び型メンテナンス判定処理は、制御部のROMに記憶されている所定のプログラムであり、統計処理装置7が、赤外線カメラ1により撮像されたプレス加工直後のプレス成形品5の画像データを受信したことを契機として実行される処理である。
【0047】
なお、流入量変化検出処理は、撮像したプレス成形品5の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を算出して、ワークの流入量の変化として計測する流入量変化検出手段として機能する。また、型メンテナンス判定処理は、流入量変化検出手段により計測したワーク流入量の変化に基づいて、プレス機3に用いられるプレス型30のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段として機能する。
【0048】
図5に示すように、画像制御回路のCPU(以下、CPUという)は、赤外線カメラ1により撮像されたプレス加工直後のプレス成形品5の画像データ(図2参照)を取得する(ステップS101)。そして、CPUは、プレス成形品5の画像データより、測定領域5a(図3参照)の温度分布データを切り出す(ステップS102)。
【0049】
そして、CPUは、プレス成形品5の測定領域5a(図3(b)参照)の温度分布データを、デジタル変換処理を行う(ステップS103)。これにより、測定領域5a(図3(b)参照)の温度分布データは、ピクセル単位で分解された温度分布データ(図4(b)参照)に変換される。さらに、CPUは、基準形成品の測定領域5a(図3参照)のピクセル単位で分解された温度分布データ(図4(a)参照)を読み出す(ステップS104)。この基準形成品の温度分布データは、予め制御部のRAMなどに参照テーブルとして記憶されているものである。
【0050】
CPUは、プレス加工直後のプレス成形品5の温度分布データ(図4(b)参照)と、予め記憶されている基準成形品の温度分布データ(図4(a)参照)とによりワーク流入量の変化を測定する(ステップS105)。例えば、プレス加工直後のプレス成形品5の温度分布データと、予め記憶されている基準成形品の温度分布データとが図4に示す温度分布データに場合は、基準成形品よりもプレス成形品5の方が、y方向に2ピクセル分ワークの流入量が減少した測定結果「−2」が得られる。
【0051】
最後にCPUは、測定したワークの流入量の変化を、プレス成形品毎にRAMの所定の記憶領域に記憶する(ステップS106)。このように、流入量変化検出処理においては、赤外線カメラ1で撮像した、プレス加工直後のプレス成形品5の画像データに基づいてプレス成形品5の測定領域5aの温度分布データを算出し、予め記憶しておいた基準成形品の温度分布データと比較することで、当該プレス成形品5のワークの流入量の変化を測定して、プレス成形品5毎にRAMの所定の記憶領域に蓄積して記憶する。この後、蓄積されたプレス成形品5毎のワークの流入量の変化を示す測定値は、型メンテナンス判定処理(図6参照)において、プレス成形品5の所定数(例えば、1ロット300枚)単位で統計処理されて、本実施形態におけるプレス機3が備えるプレス型30のメンテナンス時期が判定されることになる。
【0052】
図6に示すように、型メンテナンス判定処理において、CPUは、統計処理装置7の制御部のRAMに記憶されているプレス成形品5毎のワークの流入量の測定値が、所定数(例えば、1ロット300枚)分蓄積されたか否かを判定する(ステップS201)。
【0053】
そして、CPUは、所定数分蓄積されていない(ステップS201:No)と判定された場合は、型メンテナンス判定処理を終了する。一方、CPUは、所定数分蓄積されている(ステップS201:Yes)と判定された場合は、所定数分蓄積されているプレス成形品のワークの流入量の測定値の統計処理を行い、所定数分蓄積されているプレス成形品のワークの変化量の標準偏差を算出する(ステップS202)。このように、所定数分のプレス成形品のワークの流入量の測定値から標準偏差を算出する統計処理を行うことにより、所定数分のプレス成形品のワークの流入量の測定値の散らばりの度合いがわかる。
【0054】
CPUは、算出した標準偏差が一定の閾値(以下、規定値という)を超えているか否かを判定する(ステップS203)。つまり、上記ステップS202で算出した、所定個数分のプレス成形品のワークの流入量の測定値の標準偏差により、ワークの流入量の測定値のばらつきが、プレス型30のメンテナンスが必要なばらつきが発生してかを判断する。
【0055】
そして、CPUは、規定値を越えていない(ステップS203:No)と判定された場合は、型メンテナンス判定処理を終了する。一方、CPUは、規定値を越えた(ステップS203:Yes)と判定すると、統計処理装置7に接続されている報知ランプ6(図1参照)を作動させて、プレス機3のプレス型30のメンテナンスの時期を製造ラインの作業員に報知する(ステップS204)。そして、CPUは、統計処理装置7に接続されたライン制御部8(図1参照)を制御してラインを停止させ、プレス機3の作動を停止させる(ステップS205)。
【0056】
このように、本実施形態における型メンテナンス判定処理においては、赤外線カメラ1から統計処理装置7へ随時プレス加工直後のプレス成形品5の画像データを送信しながら、プレス機3のプレス型30のメンテナンスの時期であると判定した場合は、報知ランプ6を作動させてプレス型30のメンテナンスの時期を作業者に報知可能としている。しかも、本実施形態においては、統計処理装置7をライン制御部8に接続しており、プレス型30のメンテナンスの時期を検出した場合は製造ラインをプレス型のメンテナンスが終了するまで停止させて、プレス型を起因とした欠陥品が発生することを防止可能としている。
【0057】
なお、プレス加工直後のプレス成形品5の加工熱は、例えば1分などの所定時間経過後(通常のラインスピードで次工程に至るまでの時間)であっても、プレス成形品5の表面の温度分布における温度幅は殆ど変わらないことが実験的に確かめられているので、温度分布の解析によるワークの流入量の変化を測定するタイミングとしては、プレス加工直後から次工程までの間であれば、測定値に大きな差は生じないと考えられる。
【0058】
上述してきたように、統計処理装置7はコンピュータからなるものであり、赤外線カメラ1により撮像されたプレス加工直後のプレス成形品5の表面画像から、温度分布データを算出し、ワークの流入量の変化を測定値として逐次蓄積する。そして、蓄積した測定値を所定のタイミング(例えば、1ロット300枚)で統計処理を行い、その結果に応じてプレス型30のメンテナンスの時期を判定している。なお、この統計処理は、上述したように、統計処理装置7の画像処理回路のROMに型メンテナンス判定処理としてプログラム化して記憶されており、プレス部品流入量自動測定装置10において自動処理されるものである。
【0059】
以上説明してきたプレス部品流入量自動測定装置10により、統計処理の結果からワークの流入量の変化傾向を分析し、ワークの流入量の変化に経時的な傾向が見られた場合、これがプレス機3におけるプレス型30の劣化などに起因するか否かを判定し、プレス型30に起因すると判断される場合は、プレス型30のメンテナンス時期(型当たり調整時期や再めっき時期)を決定して最適な時期にメンテナンスを行い、プレス型30に起因する成形不良などの発生を未然に防止することが可能となる。
【0060】
また、プレス加工直後のプレス成形品5の表面を、赤外線カメラ1により撮像してプレス加工熱による温度分布データ画像を統計処理装置7に入力し、この統計処理装置7によって、プレス成形品5の表面の温度分布を解析して、基準形成品の温度分布データと比較して、ワークの流入量の差分値を測定し、ワークの流入量の変化に問題がないと判定した場合は製造ラインを通常通りに運用する一方、問題があると判定した場合は、統計処理装置7は報知ランプ6を発光させて、プレス機3のプレス型30のメンテナンス時期がきたことを報知するとともに、ライン制御部8に異常発生信号を出力し、プレス型30のメンテナンスが終えるまで製造ラインを停止させることができる。
【0061】
このようにして、本実施形態によれば、長期的に見れば、統計処理装置7に蓄積されたワークの流入量の変化の測定値を統計処理することにより、プレス型30のメンテナンス時期を決定することができるなど、プレス型30の保全周期に十分に活用することができる。また、プレス機3のプレス型30に起因するプ欠陥品が発生することを確実に防止でき、後工程に対して略100%の保障を可能とし、しかも、特別な装置は不要で安価な既存の装置を転用することも可能であり、なおかつ省人化が可能となるので製造コストの削減も図ることが可能となる。
【0062】
上述してきた実施形態により、以下のプレス部品の欠陥検出装置及び欠陥検出方法が実現できる。
【0063】
ワークとなる被成形板をプレス型30によりプレス加工するプレス成形手段(例えば、プレス機3)と、プレス加工された直後のプレス成形品5の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、プレス成形品5と周辺の空気との境界(例えば、エッジ位置E)を特定するために、プレス加工された直後のプレス成形品5の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像手段(例えば、赤外線カメラ1)と、撮像したプレス成形品5の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を算出して、算出結果をワークのプレス型30への流入量の変化として検出する流入量変化検出手段(例えば、統計処理装置7、流入量変化検出処理)と、検出したワーク流入量の変化に基づいて、プレス成形手段に用いられるプレス型30のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段(例えば、統計処理装置7、型メンテナンス判定処理)と、を有するプレス部品流入量自動測定装置10。
【0064】
また、上記プレス部品流入量自動測定装置10において、流入量変化検出手段(例えば、統計処理装置7、流入量変化検出処理)は、ワークの流入量の変化を所定数(例えば、1ロット300枚)の単位でプレス成形品5毎に記憶するとともに、型メンテナンス判定手段(例えば、統計処理装置7、型メンテナンス判定処理)は、所定数の単位で記憶されたワークの流入量の変化の統計処理(例えば、標準偏差)を行うことにより、プレス成形手段(例えば、プレス機3)に用いられるプレス型30のメンテナンス時期を判定することを特徴とするプレス部品流入量自動測定装置10。
【0065】
また、ワークとなる被成形板をプレス型30により成形するプレス加工において、プレス加工された直後のプレス成形品5の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、プレス成形品5と周辺の空気との境界(例えば、エッジ位置E)を特定するために、プレス成形された直後のプレス成形品5の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像ステップ(例えば、赤外線カメラ1の撮像処理)と、撮像したプレス成形品5の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品との表面の温度分布データの差分値を算出して、ワークの流入量の変化を検出する流入量変化検出ステップ(例えば、流入量変化検出処理)と、計測したワーク流入量の変化に基づいて、プレス加工に用いられるプレス型30のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定ステップ(例えば、型メンテナンス判定処理)と、を有することを特徴とするプレス部品流入量自動測定方法。
【0066】
なお、本発明に係るプレス部品流入量自動測定装置10及びプレス部品流入量自動測定方法は、自動車製造のみならず、プレス工程を有するものおいては、各種の工場製造品に適用することができる。
【0067】
また、上述した具体的な実施形態で説明した実施条件、例えば赤外線カメラ1の配設位置などについては、ある特定のプレス成形品5(自動車ボディの一部をなす絞り部分を有するパネル部材)における実施条件の一例であり、当然のことながら、赤外線カメラ1の配設位置としては上記位置に限るものではなく、プレス成形品5の種類などに応じて適宜最適な位置に設定されるべきものである。
【0068】
また、本実施形態においては、統計処理装置7は、所定数分(例えば、1ロット300枚)単位でプレス成形品5のワークの変化量の測定値を蓄積し、この蓄積した測定値を統計的に処理して、プレス型30のメンテナンス時期を判定しているが、本発明はこれに限らず、プレス成形品5単体のワークの変化量の測定値が規定値を大幅に超えた場合を検出した場合は、プレス型30に破損などの形状の変化が発生したと判定して、報知ランプ6を発光させて、プレス型30に異常が生じたことを報知するとともに、ライン制御部8に異常発生信号を出力し、製造ラインを停止させてもよい。
【0069】
さらに、赤外線カメラ1で撮像したプレス成形品5の表面の画像を、プレス機3のプレス型30のメンテナンス時期の判定に用いるだけではなく、例えば、プレス加工直後のプレス成形品5の表面の温度分布データからは、クラックの生じたプレス成形品5(つまり、欠陥品)とクラックの生じていない正常なプレス成形品5(つまり、良品)とが識別可能であることから、良品ワークの温度分布を示すデータと、プレス成形工程終了後に検出した被検査用ワークの温度分布を示すデータとを比較することにより、クラックの有無を瞬時に判定する処理を同時に実行させることもできる。
【0070】
つまり、統計処理装置7は、上述した流入量変化検出処理及び型メンテナンス判定処理以外に、プレス成形品5の良品と欠陥品とを識別する識別プログラムなどをさらに備え、この識別プログラムにより、赤外線カメラ1で撮像したプレス成形品5の表面の画像を解析することで、プレス成形品5の良品と欠陥品との識別を自動判定するのである。これにより、システムとしては特に新しい機器を増設することなく、プレス成形品5の種類ごとにプレス加工時に生じたクラックを含む小さなヒビ割れが発生したプレス成形品5(つまり、欠陥品)を識別することができるので、従来のように目視による判定が極めて困難な小さな欠陥についてもその検出精度を著しく向上させ、欠陥品の発生に対処することが可能となる。
【0071】
以上、本発明を、実施形態を通して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の主旨を逸脱することのない限り、各構成要素の形状のレイアウトなどは適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 赤外線カメラ
3 プレス機
4 ベルトコンベア
5 プレス成形品
5a 測定領域
6 報知ランプ
7 統計処理装置
8 ライン制御部
10 プレス部品流入量自動測定装置
30 プレス型
31 上型
32 下型
70 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークとなる被成形板をプレス型によりプレス加工するプレス成形手段と、
プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、前記プレス成形品と周辺の空気との境界を特定するために、プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像手段と、
撮像したプレス成形品の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品の表面の温度分布データとの差分値を算出して、算出結果を前記ワークの前記プレス型への流入量の変化として検出する流入量変化検出手段と、
検出したワーク流入量の変化に基づいて、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定手段と、
を有することを特徴とするプレス部品流入量自動測定装置。
【請求項2】
前記流入量変化検出手段は、前記ワークの流入量の変化を所定数の単位で前記プレス成形品毎に記憶するとともに、前記型メンテナンス判定手段は、前記所定数の単位で記憶されたワークの流入量の変化の統計処理を行うことにより、前記プレス成形手段に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定することを特徴とする請求項1に記載のプレス部品流入量自動測定装置。
【請求項3】
ワークとなる被成形板をプレス型により成形するプレス加工において、
プレス加工された直後のプレス成形品の表面の温度と、周辺の空気との温度差により、前記プレス成形品と周辺の空気との境界を特定するために、プレス成形された直後のプレス成形品の表面の温度分布データを撮像する表面温度撮像ステップと、
撮像したプレス成形品の表面の温度分布データと、予め取得しておいた基準成形品との表面の温度分布データの差分値を算出して、ワークの流入量の変化を検出する流入量変化検出ステップと、
計測したワーク流入量の変化に基づいて、前記プレス加工に用いられるプレス型のメンテナンス時期を判定する型メンテナンス判定ステップと、
を有することを特徴とするプレス部品流入量自動測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−50998(P2012−50998A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194667(P2010−194667)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(596002767)トヨタ自動車九州株式会社 (20)