説明

プレートレット形状顔料

本発明は、(a)SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)および金属を含む層を仮焼することにより得られる層を含むプレートレット形状顔料、その製造方法、ならびにペイント、生地、インクジェット印刷、化粧品、塗装組成物、プラスチック、印刷インク、セラミックやガラスの艶出しでの、その使用に関する。前述の方法は、面平行度の度合いが高く、所定の厚さが平均厚さの±10%、好ましくは±5%の範囲にあるプレートレット形状顔料を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)および金属を含む層を仮焼することにより得られる層を含むプレートレット形状顔料、その製造方法、ならびにペイント、生地、インクジェット印刷、化粧品、塗装組成物、プラスチック、印刷インク、セラミックやガラスの艶出しでの、その使用に関する。前述の方法は、面平行度の度合いが高く、所定の厚さが平均厚さの±10%、好ましくは±5%の範囲にあるプレートレット形状顔料を可能にする。
【0002】
WO93/19131には、二酸化チタン、チタンの亜酸化物1種以上、およびチタン以外の金属または非金属の1種以上の酸化物を含有するプレートレット形状有色顔料であって、被覆層中の酸化チタンの濃度が、基材表面の近くで最大であり、顔料表面に向かって徐々に減少していく顔料が開示されている。
【0003】
WO00/34395、WO00/69975およびWO02/31058には、明るい金属フレーク、SiOy1/Al/SiOy1(式中、y1は約1〜2である)が記載されている。アルミニウム層の厚さは約40nm以上であり、SiOy1層の厚さは10nm以上である。
【0004】
WO03/68868には、SiOyフレークの製造方法が記載されている。SiOyフレークを500〜1500℃、好ましくは500〜1000℃で、好ましくは酸素を除去した、炭素含有ガスで処理することができ、この時にSiOyフレーク上にSiC層が形成する。あるいはまた、SiOyフレークを、酸素含有雰囲気中で加熱することにより、SiO2フレークに転化することができる。このSiO2フレークを干渉顔料用基材として用いることができる。
【0005】
PCT/EP03/09296には、TiO2/SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)を仮焼することにより得られる層を含むプレートレット形状顔料、ペイント、生地、インクジェット印刷、化粧品、塗装、プラスチック材料、印刷インク、セラミックおよびガラスの艶出し、ならびにセキュリティ印刷でのその使用が開示されている。
【0006】
EP-A-803549には、(a)本質的に透明なまたは金属反射材料からなるコア、および(b)本質的に、ケイ素に対する酸素のモル比が0.25〜0.95であるケイ素酸化物1種以上からなる被膜1層以上を含有する有色顔料が開示されている。
【0007】
本発明は、(a)SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)および金属を含む層を仮焼することにより得られる層を含む、粒子が通常、長さ2μm〜5mm、幅2μm〜2mm、厚さ20nm〜1.5μm、長さ対厚さの比2:1以上であるプレートレット形状顔料に関する。
【0008】
仮焼は、非酸化雰囲気中、600℃より高い温度で行うのが好ましい。
【0009】
プレートレット形状顔料の粒子は、通常、長さ2μm〜5mm、幅2μm〜2mm、厚さ20nm〜1.5μm、長さ対厚さの比2:1以上、好ましくは6.5:1以上、特に50:1〜500:1である。粒子は実質的に平行な2面を有し、この間の距離がコアの最も短い軸である。顔料(フレーク)は均一な形状ではない。それでも、簡潔に説明するために、フレークは「直径」を有するものとして参照する。フレークは面平行度が高く、所定の厚さが平均厚さの±10%、特に±5%の範囲にある。フレークは厚さ20〜2000nm、特に100〜350nmである。本発明ではフレークの直径は、好ましくは約1〜60μmの範囲、より好ましくは約5〜40μmの範囲にある。したがって、本発明のフレークのアスペクト比は、好ましくは約14〜400の範囲にある。
【0010】
プレートレット形状粒子は、
a)キャリヤ上に分離剤層を蒸着し、
b)次に、分離剤層上に金属とSiOz(式中、0.03≦z≦2.0)を同時に蒸着し、
c)溶剤中で分離剤を溶解し、
d)溶剤から生成物を分離し、次いで
e)非酸化雰囲気中で生成物を仮焼すること
を含む方法によって製造することができる。
【0011】
さらに、本発明はこの方法により得られるプレートレット形状粒子にも関する。
【0012】
この新規な顔料は、特に、自動車の仕上げ塗装、工業用塗装組成物、プラスチック、印刷インクおよび化粧品配合物に用いることができる。
【0013】
この顔料粒子は、長さおよび幅が5〜50μm、特に5〜25μm、厚さ60nm〜1.0μmであるのが好ましい。
【0014】
SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)は、ケイ素に対する酸素のモル比が、平均で0.03〜2.0であることを意味する。
【0015】
したがって、SiOy(0.70≦z≦1.80)は、ケイ素に対する酸素のモル比が、平均で0.70〜1.80であることを意味する。
【0016】
本発明によれば、用語SiOzおよび金属を含む層は、SiOzのマトリックスおよびその中に埋め込まれた金属の複合層を意味するが、SiOzおよびAlの別個の層の多層構造、たとえばSiOz/Al/SiOzを含まない。
【0017】
層(a)の金属は、主に、仮焼工程でSiOzと反応する任意の金属とすることができる。Al、Cu、Mo、V、Ag、Cr、Zr、Nb、Ni、Fe、Co、Tiまたはこれらの合金、たとえばクロム−ニッケル、鉄−ニッケル、鉄−クロムおよびニッケル−コバルトが好ましく、Alが最も好ましい。
【0018】
本発明によれば、用語「アルミニウム」は、アルミニウムおよびアルミニウム合金を含む。アルミニウム合金は、たとえば、G. Wassermann in Ullmanns Enzyklopadie der Industriellen Chemie, 4. Auflage, Verlag Chemie, Weinheim, Band 7, S. 281 to 292に記載されている。特に好適なのは、WO00/12634の10〜12頁に記載されている耐食性アルミニウム合金であり、これはアルミニウムのほかに、ケイ素、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、ニッケル、バナジウム、鉛、アンチモン、スズ、カドミウム、ビスマス、チタン、クロムおよび/または鉄を20重量%未満、好ましくは10重量%未満の量で含む。
【0019】
混合層の厚さは、使用する金属に左右される。アルミニウムとSiOz(z=0.03〜2)の共昇華の場合、アルミニウムとSiOzの混合層が干渉顔料のコアを形成し、この上に金属酸化物のさらなる層を付着する場合には、厚さは通常5〜100nm、好ましくは30〜60nmである。
【0020】
層(a)は、顔料のコアを形成するのが好ましい。さらなる層はコアの平行な1面だけの上に設けてもよい。しかし、さらなる層をコアまわりに対称に配列するのが好ましい。SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)と金属、特にアルミニウムとを含む層を仮焼することにより得られる層だけからなるプレートレット形状構造は、干渉顔料用基材として特に適切であり、本発明の好適な実施態様(A)となる。
【0021】
本発明のさらなる対象は、インクジェット印刷(PCT/EP03/11189)、生地の染色(PCT/EP03/11188)、塗装、印刷インク、プラスチック、化粧品の顔料着色(PCT/EP03/09296)、セラミックおよびガラスの艶出し、ならびにセキュリティ印刷での、顔料の使用である。
【0022】
好適な実施態様(B)では、プレートレット形状顔料は、
(b1)SiOz層、
(a)SiOzおよび金属、特にアルミニウムを含む層を仮焼することにより得られる層、および
(b2)SiOz
(式中、0.03≦z≦2.0)を含む。
【0023】
この実施態様では、層(a)は好ましくは顔料のコアを形成し、層(b1)および(b2)はコアの平行な面の上にだけ存在する。
【0024】
SiOz層の厚さは、目的の色に左右されるが、通常10〜1000nmである。厚さが500nmより厚いと艶消し色をもたらす。
【0025】
本発明の好適な一実施態様では、干渉顔料は、本明細書では約1.65より高い屈折率と定義される「高」屈折率材料と、場合により、本明細書では屈折率約1.65以下と定義される「低」屈折率材料とを含む。使用することができる種々の(絶縁)材料は、無機材料、たとえば金属酸化物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属オキシハライド、金属硫化物、金属カルコゲニド、金属窒化物、金属オキシナイトライド、金属炭化物、これらの組合せなど、ならびに有機絶縁材料を含む。これらの材料は、入手が容易で、物理蒸着法もしくは化学蒸着法により、または湿式化学被覆法により簡単に付着される。
【0026】
「高」屈折率な絶縁材料の例は、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、炭素、酸化インジウム(In23)、インジウム酸化スズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化クロム(Cr23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ユウロピウム(Eu23)、酸化鉄、たとえば酸化鉄(II)/鉄(III)(Fe34)、酸化鉄(III)(Fe23)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化スズ(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)またはこれらの組合せである。絶縁材料は、金属酸化物が好ましい。金属酸化物は単独の酸化物または酸化物の混合物とすることができ、吸収特性のあるまたはない、たとえばTiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23、チタン酸鉄、酸化鉄水和物、亜酸化チタンまたはZnOであり、TiO2が特に好ましい。
【0027】
「高」屈折率な絶縁材料の層、特にTiO2層の上に、低屈折率の金属酸化物を付着することにより、色がより濃くより透明な顔料を得ることが可能である。使用することのできる適切な低屈折率絶縁材料の例として、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)および金属フッ化物、たとえばフッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化アルミニウムナトリウム(たとえばNa3AlF6またはNa5Al314)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、これらの組合せ、または屈折率約1.65以下の他の任意の低屈折率材料が含まれるが、これらに限定されない。たとえば、ジエンまたはアルケン、たとえばアクリレート(たとえば、メタクリレート)、ペルフルオロアルケンのポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)のポリマー、パリレン、p−キシレン、これらの組合せなどを含む有機モノマーおよびポリマーを低屈折率材料として用いることができる。さらに、上述の材料は、蒸発、凝縮および架橋した透明なアクリレート層を含み、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. No. 5,877,895に記載されている方法により付着させることができる。SiO2、Al23、AlOOH、B23またはこれらの混合物が好ましい。SiO2が最も好ましい。
【0028】
実施態様(A)または(B)に基づく特に好適な干渉顔料は、さらに、好ましくは顔料の表面全体にわたって、高屈折率金属酸化物、特にTiO2またはFe23を、場合により高屈折率金属酸化物の層の上に、さらに低屈折率金属酸化物、特にSiO2を含む。
【0029】
したがって本発明は、
(c1)高屈折率金属酸化物、特にTiO2またはFe23の層、
(b1)場合により、SiOz層、
(a)SiOzおよび金属を含む層を仮焼することにより得られる層、
(b2)場合により、SiOz層(式中、0.03≦z≦2.0)、および
(c2)高屈折率金属酸化物、特にTiO2またはFe23の層
を含むプレートレット形状顔料にも関する。
【0030】
この実施態様では、層(a)は顔料のコアを形成するのが好ましく、(b1)および(b2)はコアの平行な面上にだけ存在するのが好ましい。高屈折率材料、特にTiO2の層(c1)および(c2)は、層(c1)および(c2)の上だけに存在してもよいが、顔料の表面全体の上に存在するのが好ましい。
【0031】
高屈折率金属酸化物は、TiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23、ZnO、およびこれらの酸化物の混合物、ならびにチタン酸鉄、酸化鉄水和物、亜酸化チタン、ならびにこれらの化合物の混合物または混合相から選択するのが好ましく、特にFe23およびTiO2である。低屈折率金属酸化物は、SiO2、Al23、AlOOH、B23およびこれらの混合物から選択するのが好ましく、場合により、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物がさらなる成分として存在することが可能である。
【0032】
SiOzおよび金属、特にアルミニウムを含む層を仮焼することにより得られる層を含む、新規な顔料を用いて実現できる特性は、以下に示す通りである。
−改良された基材特性
−正確に制御することができる均一な基材厚さ、
−平滑で均一な基材表面、
−固有の色のない透明な基材、
−改良された光の反射および屈折、
−改良された色の濃さおよび色純度、
−新規な色変化効果
【0033】
実施態様(A)または(B)に基づくさらなる好適な干渉顔料は、たとえばクロム、ニッケル、銀、ビスマス、銅、スズおよびハステロイ(ニッケル基合金)から選択される金属または金属合金の層1層以上で、あるいは、たとえば、タングステン、モリブデン、セリウム、ランタンまたは希土類金属の金属硫化物で被覆することができる。
【0034】
さらなる層が金属または金属合金の層である場合、コアの厚さは、使用する金属および目的の色に左右され、10〜1000nmとすることができ、好ましくは500nm未満である。さらなる層は、湿式化学手段によりまたはPVD法もしくはCVD法により付着することができる。
【0035】
実施態様(A)または(B)に基づき、場合により、湿式化学手段により、記載した順序で、TiO2(コア:SiOz/Al;層:TiO2)、(SnO2)TiO2、Fe23、Fe23・TiO2(コア:SiOz/Al;層:Fe23およびTiO2の混合層)、TiO2/Fe23(コアSiOz/Al;第一層:TiO2;第二層:Fe23)、TiO2/プルシアンブルー、TiO2/Cr23、TiO2/FeTiO3、TiO2/SiO2/TiO2、(SnO2)TiO2/SiO2/TiO2、TiO2/SiO2/TiO2/SiO2/TiO2またはTiO2/SiO2/Fe23で被覆された干渉顔料が特に好ましい。
【0036】
TiO2は場合により通常の方法:US-B-4 948 631(NH3、750〜850℃)、WO93/19131(H2、>900℃)またはDE-A-198 43 014(固体の還元剤、たとえばケイ素、>600℃)によって還元することができる。
【0037】
金属酸化物層を、CVD(化学蒸着、chemical vapour deposition)により、または湿式化学被覆により付着することができる。金属酸化物層は、水蒸気の存在下(比較的低分子量の金属酸化物、たとえば磁鉄鉱)、または酸素および適切な場合には水蒸気の存在下(たとえば、酸化ニッケルおよび酸化コバルト)、金属カルボニルを分解することにより得ることができる。金属酸化物層は、特に、金属カルボニル(たとえば、五カルボニル鉄、ヘキサカルボニルクロム;EP-A-45 851)の酸化気相分解によって、金属アルコラート(たとえば、チタンおよびジルコニウムテトラ−n−およびイソプロパノラート;DE-A-41 40 900)または金属ハロゲン化物(たとえば、四塩化チタン;EP-A-338 428)の気相加水分解によって、有機スズ化合物(特にアルキルスズ化合物、たとえばテトラブチルスズおよびテトラメチルスズ;DE-A-44 03 678)の酸化分解によって、またはEP-A-668 329に記載されている有機ケイ素化合物(特にジ−t−ブトキシアセトキシシラン)の気相加水分解によって付着し、被覆作業を流動床反応器中で行うことができる(EP-A-045 851およびEP-A-106 235)。Al23層(B)は、アルミニウムで被覆した顔料を冷却する間、制御された酸化によって、さもなければ不活性ガス下で行うことにより、有利に得ることができる(DE-A-195 16 181)。
【0038】
金属ジルコニウム、チタン、鉄および亜鉛の酸化物、これらの金属の酸化物水和物、チタン酸鉄、亜酸化チタンまたはこれらの混合物の層は、湿式化学法による沈殿により付着させるのが好ましく、適切な場合には、金属酸化物を還元することが可能である。湿式化学被覆の場合、真珠箔顔料の製造用に開発された湿式化学被覆法を使用することができる。これらは、たとえばDE-A-14 67 468、DE-A-19 59 988、DE-A-20 09 566、DE-A-22 14 545、DE-A-22 15 191、DE-A-22 44 298、DE-A-23 13 331、DE-A-25 22 572、DE-A-31 37 808、 DE-A-31 37 809、DE-A-31 51 343、DE-A-31 51 354、DE-A-31 51 355、DE-A-32 11 602およびDE-A-32 35 017、DE 195 99 88、WO 93/08237、WO 98/53001およびWO03/6558に記載されている。
【0039】
高屈折率金属酸化物はTiO2が好ましく、低屈折率金属酸化物はSiO2が好ましい。TiO2の層はルチルまたはアナターセ変性であることができるが、ルチル変性が好ましい。TiO2層は、EP-A-735,114、DE-A-3433657、DE-A-4125134、EP-A-332071、EP-A-707,050またはWO93/19131に記載されているように、公知の手段、たとえばアンモニア、水素、炭化水素蒸気またはこれらの混合物、あるいは金属粉末により還元することもできる。
【0040】
被覆するために、基材粒子を水またはHClに懸濁させ、そこに、二次的な沈殿を生ずることなく、金属酸化物または金属酸化物水和物が粒子上に直接沈殿するように選択した加水分解に適切なpH値で、加水分解性金属塩を1種以上加える。pH値は、塩基の同時に計量供給により一定に保つことができる。次いで、顔料を分離し、洗浄し、乾燥し、場合により、仮焼し、仮焼温度は存在する特定の被膜について最適化することができる。必要ならば、個々の被膜を付着した後に、さらなる層を沈殿させるために再懸濁する前に、顔料を分離し、乾燥し、場合により、仮焼することができる。さらに、被覆は、流動床反応器中で気相被覆により行うこともでき、したがってそのために、たとえば、EP-A-0 045 851およびEP-A-0 106 235で提案されている真珠箔顔料の製造の方法を用いることができる。
【0041】
多層顔料の場合、干渉色を特定の波長の増幅で測定し、多層顔料中の複数の層が同じ光学厚さを有する場合、層の数が増えただけ反射光の色はより強くより濃くなる。さらに、層厚さを適切に選択することにより、視角による色の特に大きな変化を実現することができる。本発明による顔料に望ましい明白な色フロップが形成する。したがって、個々の金属酸化物層の厚さは、その屈折率に関係なく、20〜500nm、好ましくは50〜300nmである。
【0042】
二酸化チタン層の付着には、US-B-3 553 001に記載されている方法が好ましい。
【0043】
被覆される材料の懸濁液にチタン塩水溶液をゆっくり加えるが、懸濁液を約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱し、塩基、たとえばアンモニア水溶液またはアルカリ金属水酸化物の水溶液の同時計量添加により、実質的に一定のpH値、約0.5〜5、特に約1.5〜2.5に保つ。沈殿したTiO2が望ましい層厚さに達したら、チタン塩溶液および塩基の添加を止める。滴定法とも呼ぶこの方法は、過剰のチタン塩を避ける事実により特徴づけられる。それは、単位時間当りの加水分解のための供給が、水和物TiO2で均一に被覆するために必要な量だけであり、被覆される粒子の利用できる表面によって単位時間当り吸収できることにより達成される。したがって、水和物二酸化チタン粒子は、形成されず、被覆される表面上には沈殿しない。この方法によりアナターセ型TiO2が得られる。TiO2層を付着する前にSnO2を付着し、顔料を約700〜900℃で仮焼することによりルチル型TiO2を得ることができる。粒子サイズ1〜50nmのルチルタイプのナノTiO2を、塩酸を用いて温度0〜60℃でTiCl4を加水分解することによって、沈殿させることも可能である(文献:R.J. Nussbaumer, W. Caseri, T. Tervoort and P. Smith, Joumal of Nanoparticle Research 2002, 4, 319-323; Anpo et al. J. Phys. Chem. 1987, 91, 4305)。同様に、粒子サイズ10〜40nm(微結晶サイズ:<10nm)のアナターセタイプのナノTiO2を、Ti(OiPr)4(=チタニウムテトライソプロポキシド)を、0〜50℃で水を用いて加水分解しすることにより沈殿させることが可能であり、続いて形成されたイソプロパノールを、温度50〜100℃およびやや真空(圧力約200torr)で分離する(文献:K.I. Gnanasekar et al. Journal of Materials Research 2002, 17(6), 1507-1512)。同様に、TiCl4から水酸化アンモニウムを用いて加水分解し、続いてH22を用いて酸化することにより生成したチタン酸溶液を、Al/SiOzフレークの水溶液に加えることができ、100〜250℃で加熱することにより、この溶液から粒子サイズ約10nmのアナターセタイプのナノTiO2粒子が自然に形成する(文献: H. Ichinose, M. Terasaki and H. Katsuki, Journal of the Ceramic Society of Japan, Int. Edition 1996, 104(8), 715-718)。 このような溶液および分散液は現在、市販もされている(Kon Corporation, 91-115 Miyano Yamauchi, Kishimagun Saga-prefecture, Japan 849−2305)。チタン、ジルコニウムまたは鉄で被覆されたAl/SiOzフレークは、続いて公知の方法により有機または無機化合物で被覆することができる。
【0044】
二酸化ケイ素層を付着するために、次の方法を用いることができる:約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱した被覆される材料の懸濁液に、ソーダ水ガラス溶液を計量添加する。10%塩酸の同時添加により、pH値を4〜10、好ましくは6.5〜8.5に一定に保つ。水ガラス溶液を添加した後、さらに30分攪拌を行う。
【0045】
耐候安定性および光安定性を高めるために、用途の分野に左右されるが、多層フレークに表面処理を行うことができる。有用な表面処理は、たとえばDE-C-2215191、DE-A-3151354、DE-A-3235017、DE-A-3334598、DE-A-4030727、EP-A-649886、WO97/29059、WO99/57204およびUS-A-5,759,255に記載されている。前記表面処理は、顔料の取り扱い、特にその種々の用途媒体への組み込みを容易にすることもできる。
【0046】
さらに、実施態様(A)または(B)に基づく干渉顔料は、平行な1面上に、好ましくは平行な両面上に、半透明の金属薄層を有することができる。金属層は通常、厚さ5〜25nm、特に5〜15nmであり、たとえばCr、Ti、Mo、W、Al、Cu、Ag、AuまたはNiからなる。
【0047】
半透明の金属層はPVDにより付着することができる。あるいはまた、金属層は湿式化学被覆によりまたは化学蒸着、たとえば、金属カルボニルの気相蒸着により得ることができる。金属化合物が存在する水性および/または有機溶剤含有媒体に基材を懸濁させ、還元剤を加えることにより、基材上に付着させる。金属化合物は、たとえば硝酸銀またはニッケルアセチルアセトナトである(WO03/37993)。
【0048】
US-B-3,536,520によれば、塩化ニッケルを金属化合物として用いることができ、次亜リン酸塩を還元剤として用いることができる。EP-A-353544によれば、次の化合物:アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド)、ケトン(アセトン)、カルボン酸およびこれらの塩(酒石酸、アスコルビン酸)、レダクトン(イソアスコルビン酸、トリオースレダクトン、レダクチン酸)、ならびに還元糖(グルコース)を湿式化学被覆用還元剤として用いることができる。
【0049】
顔料の仮焼は、非酸化ガス雰囲気中で、適切な場合には酸素含有雰囲気中で顔料を仮焼することを含む。非酸化ガス雰囲気、たとえばArおよび/またはHe、好ましくはAr中での顔料の仮焼は、600℃より高い、好ましくは700〜1100℃の範囲の温度で、10分より長く、好ましくは数時間、適切な場合には減圧下、好ましくは0.9333×105 N/m2(700torr)未満で行う。仮焼は、高屈折率金属酸化物で被覆した後に行うことができるが、高屈折率金属酸化物で被覆する前に行うのが好ましい。
【0050】
プレートレット形状材料は、2つだけのプロセスパラメータ:金属とSiOzの混合層の真空被覆の厚さ、および混合層に埋め込まれた金属の比率を変えることにより、多数の区別可能で再現可能な変種を製造することができる。
【0051】
混合層および分離剤層は蒸着により付着し、真空中で同時に蒸発することによって金属はSiOzと混ざる。SiOzに対する金属、特にアルミニウムの比は、通常60重量%未満、好ましくは50重量%以下である。AlおよびSiOzが同時に蒸発する場合、仮焼によってアルミニウムが全てAl3+に転化するのが好ましい。
【化1】

【0052】
非酸化雰囲気中で金属/SiOzを仮焼することにより、複合層が得られ、これにより屈折率の変化を起こすと考えられる。屈折率の変化はSiOzによる金属の酸化に基づくと考えられる。たとえば、SiOおよびアルミニウムを650℃で加熱することにより、SiおよびAl23が形成され、SiOおよびチタンを900℃で加熱することによりケイ化チタンが形成されることが公知である(New J. Chem., 2001, 25, 994-998)。
【0053】
重なり合う領域に混合層を生成するように、蒸気ジェットが重なり合う2個の蒸発器により混合層を製造する場合、製造は特に簡単である。その代わりとして、2種の成分を同時にまたは交互に気化させる1個の蒸発器によって、蒸発を行うこともできる。
【0054】
材料は、気化させる物質を真空中、1〜10-3Paの圧力範囲で加熱し、気化させることによる蒸着法によって製造する。蒸気が冷たい基材表面上に凝縮して目的の薄層を形成する。蒸発は、通電により、直接加熱される金属コンテナ(タングステン、モリブデンまたはタンタルプレートのボート)中で、または電子ビームの衝突によるいずれかで行う。
【0055】
スパッタリング法または陰極アトマイズの場合、キャリヤとプレートの形態の被覆材料(ターゲット)との間に、ガス放電(プラズマ)を点火する。被覆材料は、プラズマからの高エネルギーイオン、たとえばアルゴンイオンが衝突され、この結果、取り出され、アトマイズする。アトマイズされた被覆材料の原子または分子は、キャリヤ上に付着し、目的の薄層を形成する。
【0056】
金属または合金は、スパッタリング法に特に適切である。これらは、特にいわゆるDCマグネトロン法で、高速でアトマイズすることができる。化合物、たとえば酸化物または亜酸化物または酸化物の混合物も、高周波スパッタリングを用いることによりアトマイズすることができる。層の化学組成は、被覆材料(ターゲット)の組成により左右されるが、プラズマを形成するガスへの添加による影響を受ける可能性もある。特に、酸化物または窒化物層は、ガス空間に酸素または窒素を加えることにより生成する(たとえば、US-A-5 440 446およびEP-A-0 733 919を参照)。
【0057】
蒸発器として、抵抗加熱蒸発器、電子ビーム加熱蒸発器、誘導加熱蒸発器またはアーク作動蒸発器を使用するのが好ましい。
【0058】
分離を簡単にするために、キャリヤ材料は平滑なまたは構造化された表面を有するべきである。特に適切なキャリヤ材料は、ポリイミドフィルムまたは金属箔またはこれらの材料の組み合わせであることが見出された。US-B-6 270 840に記載されているように、循環ベルトの形態であるキャリヤ材料が好ましく、そのため材料の連続製造を可能になる。
【0059】
キャリヤ上に凝縮させる分離剤は、塗装、ポリマー、たとえばUS-B-6 398 999に記載されているような(熱可塑性)ポリマー、たとえばアクリルもしくはスチレンポリマーまたはこれらの混合物、有機溶剤または水に可溶性でかつ真空中で気化可能な有機物質、たとえばアントラセン、アントラキノン、アセトアミドフェノール、アセチルサリチル酸、ショウノウ酸無水物、ベンズイミダゾール、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ビフェニル−2,2−ジカルボン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ジヒドロキシアントラキノン、ヒダントイン、3−ヒドロキシ安息香酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸一水和物、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、イソフタル酸、4,4−メチレン−ビス−3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸無水物、フタルイミドおよびそのカリウム塩、フェノールフタレイン、フェノチアジン、サッカリンおよびその塩、テトラフェニルメタン、トリフェニレン、トリフェニルメタノール、またはこれらの物質2種以上の混合物とすることができる。分離剤は、真空中で気化可能な水溶性無機塩(たとえば、DE 198 44 357を参照)、たとえば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムナトリウムまたは四ホウ酸二ナトリウムが好ましい。
【0060】
以下、本発明の好適な実施態様を詳細に述べる。
【0061】
本発明による方法の好適な実施態様では、次の
−分離剤層、および
−分離剤の上に配置された混合層(この層は、自由に選択可能なSiOz比率とともに金属を含み、別の源からまたは同じ源から同時に蒸発させることにより導入される)
を、真空中、好ましくは1〜10-3Paの圧力範囲で、PVD法による熱蒸発により順々に付着する。
【0062】
本発明による方法では、原則的に、仮焼の間に、混合層に存在するSiOzと反応する任意の無機金属を用いることができる。ニッケル、鉄、コバルト、銀、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、バナジウム、チタンまたはこれらの合金、たとえばクロム−ニッケル、鉄−ニッケル、鉄−クロムおよびニッケル−コバルトが好ましく、アルミニウムの使用が特に好ましい。合金の蒸発は、必要なモル比を有する別個の源から行うのが有利である。
【0063】
本発明の特に好適な実施態様は、SiOy/Alフレーク(式中、0.70≦y≦1.8、特に1.0≦y≦1.8)の製造に関する。
【0064】
詳細には、0.5Pa未満の真空下、蒸発器を経由して通る連続金属ベルトとすることができるキャリヤ上に、塩、たとえばNaCl、続いて亜酸化ケイ素(SiOy)およびアルミニウムの層を蒸着する。亜酸化ケイ素(SiOy)とアルミニウムの混合層は、それぞれ2種の材料の1種を装填し、蒸気コーンが重なり合うところのある、2個の蒸発器によって得られ、金属を混合層の1〜50mol%の比率で混ぜる。分離剤(特に塩)の蒸着厚さは、約20〜100nm、好ましくは30〜60nmであり、混合層の蒸着厚さは、生成物の予定された用途によって、10〜1000nmである。その先の経路では、閉じてループを形成したベルト状キャリヤを、公知の様式の構造のダイナミック真空ロックチャンバー(US-B-6 270 840を参照)により1〜5×104Paの圧力、好ましくは600〜109Paの圧力、特に103〜5×103Paの圧力の領域に通し、溶解浴に浸漬する。その中の溶剤の温度は、その蒸気圧が示された圧力範囲にあるように選択するべきである。機械的援助を用いて、分離剤層は迅速に溶解し、生成物層はフレークに粉砕し、そして溶剤中に懸濁液の形態で存在する。好適な実施態様では、NaClを分離剤層の分離剤として使用し、NaClは水に溶解する。その後の経路では、ベルトを乾燥し、まだそれに付着するあらゆる汚染物質を除去する。それを第2グループのダイナミック真空ロックチャンバーに通して蒸発チャンバーに戻し、分離剤およびSiOy/分離剤の混合層の被覆工程を繰り返す。
【0065】
こうして存在する、生成物構造、溶剤、および溶剤に溶解した分離剤を含む懸濁液を、次に公知の技術にしたがってさらなる操作で分離する。そのために、生成物構造をまず液体で濃縮し、溶解した分離剤を洗い流すために新たな溶剤で数回すすぐ。次に、まだ湿った固体の形態の生成物を、ろ過、沈降、遠心分離、デカンテーションまたは蒸発によって分離する。
【0066】
別の好適な実施態様によれば、次の
−分離剤層、
−分離剤層上のSiOy層、
−SiOy層の上に配置された混合層(この層は、自由に選択可能なSiOz比率とともにアルミニウムを含み、別の源からまたは同じ源から同時に蒸発させることにより導入される)、および
−混合層上のSiOy
を、真空中、好ましくは1〜10-3Paの圧力範囲で、PVD法による熱蒸発により、順々に付着する。
【0067】
SiO1.00-1.8層は、蒸発器中で、1300℃より高い温度で、SiとSiO2の混合物の反応により生成する一酸化ケイ素蒸気から形成するのが好ましい。SiO0.70-0.99層は、1300℃より高い温度で、ケイ素を20重量%までの量で含有する一酸化ケイ素の蒸発により形成するのが好ましい。
【0068】
数10-2Paの工業用の真空下で、SiOの代わりにSiが蒸発したら、当モルより少ない酸素含量である酸化ケイ素、すなわちSiOx(式中、0.03≦x≦0.95、特に0.05≦x≦0.5)が得られる。
【0069】
この実施態様での各SiOy層の厚さは、10〜1000nmを変動する。好適な厚さは目的の色に左右される。SiOz層厚さが約500nmより厚いと艶消し色をもたらす。
【0070】
本発明のさらなる好適な材料は、上述した方法により得られ、次の層構造:
SiOy/(SiOyとAlの混合層=コア)/SiOyを有する粒子からなり、これを非酸化雰囲気中で仮焼することができる。このフレークの仮焼は、保護ガス雰囲気、たとえばヘリウムまたはアルゴン下、適切な場合には減圧(<0.93×105Pa)下、600℃より高い、好ましくは700〜1100℃の範囲の温度で、10分より長く、好ましくは2時間より長く行う。
【0071】
仮焼後、生成物を酸化加熱処理にかけることができる。そのために公知の方法を使用できる。空気または他の酸素含有ガスが、200℃より高い、好ましくは400℃より高い、特に500〜1000℃の温度で、ばら材料の形態のまたは流動床中の面平行構造を通過する。次に生成物を、液体媒体中での超音波または高速スターラーを用いる機械的手段によって、あるいは断片を乾燥した後、ロータリー分級機を備えたエアジェットミルで、あるいは粉砕または風篩によって目的の粒子サイズにし、さらなる使用に送ることができる。
【0072】
SiOyで被覆されたフレークのさらなる処理の異なる変法が可能である。
【0073】
変法(1)(TiO2/SiOz/コア’/SiOz/TiO2、ここでコア’はSiOyおよびAlからなる層を仮焼することにより得られる層である):
SiOyで被覆されたプレートレット(SiOy/(SiOyとAlの混合層=コア)/SiOy)を、非酸化気体雰囲気中、600℃より高い、好ましくは700〜1100℃の範囲の温度で、10分より長く、好ましくは数時間仮焼する。仮焼は、非酸化気体雰囲気、たとえばArおよび/またはHe中、好ましくはAr中、場合により減圧下、好ましくは圧力700Torr(0.9333×105N/m2)未満の圧力下で行う。
【0074】
次に、得られたプレートレットを酸化加熱処理に付すことができる。たとえば、空気または他の酸素含有ガスが、200℃より高い、好ましくは400℃より高い、特に500〜1000℃の温度で、ばら材料の形態のまたは流動床中のプレートレットを通過し、ここでSiOyはSiOzに酸化する。
【0075】
TiO2被膜は、SiOyで被覆された金属プレートレットに、物理蒸着法もしくは化学蒸着法により、または湿式化学被覆法により簡単に付着することができる。
【0076】
被覆を目的として基材粒子を水に懸濁させ、副次的な沈殿を生じずに、金属酸化物または金属酸化物水和物が粒子上に直接沈殿するように選択した加水分解に適切なpHで、加水分解性チタン塩を1種以上加える。pHを、塩基の同時計量供給により通常一定に保つ。次いで、顔料を分離し、洗浄し、乾燥し、適切な場合には仮焼し、仮焼温度は対象の被膜について最適化することができる。必要なら、さらなる層の沈殿を目的として、個々の被膜を付着した後に、顔料を分離し、乾燥し、適切な場合には仮焼し、次に再懸濁することができる。
【0077】
本発明の実施態様によれば、US-B-3 553 001に記載されている方法を、二酸化チタン層の付着に用いる。
【0078】
被覆される材料の懸濁液にチタン塩水溶液をゆっくり加えるが、懸濁液を約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱し、塩基、たとえばアンモニア水溶液またはアルカリ金属水酸化物の水溶液などの同時計量添加により、実質的に一定のpH値、約0.5〜5、特に約1.2〜2.5に保つ。沈殿したTiO2が目的の層厚さに達したら、チタン塩溶液と塩基の添加を止める。
【0079】
滴定法とも呼ぶこの方法は、過剰のチタン塩を避ける事実により特徴づけられる。それは、単位時間当りの加水分解のための供給が、水和物TiO2で均一に被覆するために必要な量だけであり、被覆される粒子の利用できる表面によって単位時間あたり吸収できることにより達成される。基本的に、アナターセ型TiO2が出発顔料の表面に生成する。しかし、少量のSnO2の添加により、ルチル構造を形成させるのが可能である。たとえばWO93/08237に記載されているように、二酸化チタンの沈殿の前に二酸化スズを付着することができ、二酸化チタンで被覆された生成物を800〜900℃で仮焼することができる。
【0080】
さらなる被膜によって、耐候性を高めることが可能であり、これは同時にバインダー系へ最適な適応をもたらす(EP-A-268918およびEP-A-632109)。
【0081】
変法(2)(TiO2/層(E)/SiOz/コア’/SiOz/層(E)/TiO2
上述したように、SiOyで被覆されたプレートレット(SiOy/(SiOyとAlの混合層=コア)/SiOy)をTiO2で被覆し、次に非酸化雰囲気中で仮焼する。このようにして、層(a)のほかに、TiO2/SiOyの仮焼により形成するさらなる層(E)が生成する。非酸化雰囲気中でTiO2/SiOyを仮焼すると、屈折率に変化を起こす中間層が生成すると考えられる。しかし、中間層が連続層ではなく、むしろ、TiO2およびSiOyの界面で個々の領域だけが、屈折率に変化を起こす転化を受けるという可能性は捨てきれない。さらに、屈折率の変化はSiOyによるTiO2の還元のせいであることが考えられる。
【0082】
したがって、本発明による原理は、SiOyでTiO2を還元することにより、屈折率に変化を起こす中間層が生成することに基づいている。
【化2】

【0083】
したがって、本発明の別の好適な実施態様は、層構造TiO2/SiOz/コア/SiOz/TiO2を有する顔料(ここで、SiOz層は面平行な面にだけ存在するが、側面には存在せず、TiO2層は表面全体に付着される)、ならびに層構造TiO2/層(E)/SiOz/コア/SiOz/層(E)/TiO2を有する顔料(ここで、SiOz層および層(E)は面平行な面にだけ存在するが、側面には存在せず、TiO2層は表面全体に付着される)に関する。
【0084】
あるいはまた、顔料は次の方法により得ることができる。
【0085】
変法(3):非酸化雰囲気中での仮焼(→層(a))、得られた顔料のTiO2での被覆(TiO2/SiOy/コア’/SiOy/TiO2)、および場合により酸素の存在下での仮焼(SiOy→SiOz)(TiO2/SiOz/コア’/SiOz/TiO2)。
【0086】
変法(4):非酸化雰囲気中での仮焼(→層(a))、得られた顔料のTiO2での被覆、非酸化雰囲気中での仮焼(→層(E))(TiO2/層(E)/SiOy/コア’/SiOy/層(E)/TiO2)および場合により酸素の存在下での仮焼(SiOy→SiOz)(TiO2/層(E)/SiOz/コア’/SiOz/層(E)/TiO2)。
【0087】
必要ならば、TiO2を、たとえばUS-A-4,948,631、JP H4-20031、DE-A-19618562およびDE-A-198 43 014に記載されているような通常の方法により、亜酸化チタンに還元することができる。
【0088】
TiO2層の上に、「低」屈折率の、すなわち屈折率が約1.65よりも低い金属酸化物、たとえばSiO2、Al23、AlOOH、B23またはこれらの混合物、好ましくはSiO2を付着し、最後の層の上にさらにFe23および/またはTiO2層を付着することにより、色がより濃くより透明な顔料を得ることが可能である。このような酸化ケイ素基材ならびに交互になった高および低屈折率の金属酸化物層を含む多層被覆された干渉顔料は、WO98/53011およびWO99/20695に記載されている方法と同様に製造することができる。
【0089】
適切な場合には、二酸化チタン層の上にSiO2(保護)層を付着することができ、そのために次の方法を用いることができる:約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱した被覆される材料の懸濁液に、ソーダ水ガラス溶液を計量添加する。10%塩酸の同時添加により、pHを4〜10、好ましくは6.5〜8.5に維持する。水ガラス溶液の添加後、30分攪拌を行う。
【0090】
さらに、さらなる層、たとえば有色金属酸化物またはベルリンブルー、遷移金属、たとえばFe、Cu、Ni、Co、Crの化合物、または有機化合物、たとえば染料または染色レーキを付着することにより、顔料の粉末色を変性することが可能である。
【0091】
さらに、仕上がった顔料を、光安定性、耐候安定性および化学安定性をさらに高める、あるいは顔料の取り扱い、特に種々の媒体へのその組み込みを容易にする、後続被覆または後続処理に付すこともできる。たとえば、DE-A-22 15 191、DE-A-31 51 354、DE-A-32 35 017、DE-A-33 34 598、DE-A-4030727、EP-A-649886、WO97/29059、WO99/57204およびUS-A-5,759,255に記載されている方法が後続処理または後続被覆として適切である。
【0092】
さらに、本発明による顔料は、可溶性が乏しく、固く固着する、無機または有機着色剤で被覆することもできる。染色レーキ、特にアルミニウム染色レーキの使用が好ましい。そのために水酸化アルミニウム層を沈殿させ、第2工程で、これを染色レーキの使用により組み合わせる(DE-A-24 29 762およびDE 29 28 287)。
【0093】
さらに、本発明による顔料は、錯体塩顔料、特にシアノ鉄酸塩錯体(EP-A-141 173およびDE-A-23 13 332)を用いてさらなる被膜を有してもよい。
【0094】
SiOyで被覆されたフレーク(SiOy/(SiOyとAlの混合層=コア)/SiOy)を、変法(1)で述べたように、非酸化気体雰囲気中、600℃より高い、好ましくは700〜1100℃の範囲の温度で、10分より長く、好ましくは数時間仮焼した後、これを、最高約1500℃に加熱できる気密な反応器中で、好ましくはばら材料の形態で、アルキン、たとえばアセチレン、アルカン、たとえばメタン、アルケン、芳香族化合物など、およびこれらの混合物から選択される炭素含有ガスと、場合により酸素含有化合物、たとえば、アルデヒド、ケトン、水、一酸化炭素、二酸化炭素など、またはこれらの混合物との混合状態で、500〜1500℃、好ましくは500〜1000℃で反応させることもでき、酸素除去を伴うのが有利である。反応を調節するために、不活性ガス、たとえばアルゴンまたはヘリウムを炭素含有ガスと混ぜてもよい(WO03/68868)。
【0095】
さらに、特に炭素含有ガスの反応性が低いかまたは不活性ガスで高度に希釈した場合、約1Pa未満の圧力で、反応は通常進行が遅すぎるが、たとえばHIP(熱間等方加圧)システム中で常に使用されるような、約4000barまでの圧力で作用することが十分に可能である。
【0096】
このような炭化では、SiOyの全てが反応してSiCを形成することが可能であり、好ましくはSiOyの5〜90重量%が反応してSiCを形成する。SiOyのSiCへの転化工程温度は、500〜1500℃、好ましくは500〜1000℃であり、工程時間約1時間〜約20時間である。反応は、面平行構造の表面から出発して起こり、したがってはっきりした転移というよりは勾配をもたらす。これは、この実施態様では、SiC含有層は(SiOyおよび(SiC)b(式中、0≦a<1および0<b≦1)からなり、顔料の表面近くでは、bが1かつaが0であり、SiOy基材との境界近くではSiCの量は0に近づくことを意味する。SiOy構造は十分に多孔質であるので、このような反応はSiOy分子の最も外側の層だけに限定されない。
【0097】
この方法によれば、次の層構造、SiC/SiOy/コア’/SiOy/SiCを有する種々の顔料を得ることができ、これを酸素の存在下で仮焼することにより、次の層構造、SiC/SiOz/コア’/SiOz/SiCを有する顔料に転化することができる。この方法により得た顔料は新規であり、本発明のさらなる対象である。
【0098】
高屈折率の金属酸化物層の代わりに、US-B-6,524,381の材料、たとえばダイヤモンド状炭素およびアモルファス炭素を、たとえばUS-B-6,524,381に記載されているように、SiOzで被覆された基材上にプラズマアシスト真空法により(振動コンベヤー、回転ドラムコータ、振動ドラムコータおよびフリーフォールチャンバを用いて)付着することができる。
【0099】
したがって、本発明は、表面上に炭素層、特に厚さが5〜150nm、特に20〜50nmであるダイヤモンド状炭素層を有する、SiOz/コア’/SiOz基材をベースとする面平行構造(顔料)にも関する。
【0100】
たとえばUS-B-6,015,597に記載されている方法では、ダイヤモンド状ネットワーク(DLN)被膜を、炭素含有ガス、たとえばアセチレン、メタン、ブタジエンおよびこれらの混合物、場合によりAr、場合により追加の成分を含有するガスからプラズマ付着法により粒子上に付着する。付着は減圧(大気圧に比べて)下、制御された環境中で行われる。炭素含有ガスに電界を印加することにより、炭素リッチなプラズマが反応チャンバ中に生成する。被覆される粒子を反応器内の容器またはコンテナに保持し、プラズマに接近させながら攪拌する。プラズマ内の種は粒子表面上で反応して共有結合を形成し、粒子の表面にDLNをもたらす。
【0101】
用語「ダイヤモンド状ネットワーク(DLN)」は、炭素および場合により水素、窒素、酸素、フッ素、ケイ素、硫黄、チタンおよび銅よりなる群から選択される1種以上のさらなる成分を含むアモルファスフィルムまたは被膜を意味する。ダイヤモンド状ネットワークは、炭素約30〜100原子%と、残部を占める任意の追加の成分とを含む。
【0102】
プレートレット形状Al/SiOz粒子は、たとえばエフェクト顔料用基材として用いることができる。干渉効果に必要なさらなる層は、マイカ、SiO2またはAl23のコアを有するエフェクト顔料について公知である、すでに前に詳述した、通常の方法にしたがって付着することができる。
【0103】
本発明による顔料は、高い光沢および極めて均一な厚さが認められ、この結果、極めて高い色純度および色の濃さが得られる。本発明による顔料は全ての通常の目的、たとえば生地、ポリマー塊の着色、塗装(自動車部門用を含むエフェクト仕上げ塗装を含む)、セラミックおよびガラスの艶出し、印刷インク(セキュリティ印刷を含む)、ならびに、たとえば化粧品およびインクジェット印刷用途に使用することができる。このような用途は、参考資料、たとえば”Industrielle Organische Pigmente” (W. Herbst and K. Hunger, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim/New York, 2nd, completely revised edition, 1995)から公知である。
【0104】
金属または非金属の無機プレートレット形状粒子または顔料は、エフェクト顔料(特に金属エフェクト顔料または干渉顔料)であり、すなわち、塗布媒体に色を付与するほかに、さらなる特性、たとえば色(フロップ)、ラスター(表面光沢ではない)またはテクスチャーの角度依存性を付与する顔料である。金属エフェクト顔料では、方向が配向した顔料粒子で実質的に配向した反射が起こる。干渉顔料の場合、色付与効果(colour-imparting effect)は、高屈折性薄層中での光の干渉現象によるものである。
【0105】
本発明による顔料が干渉顔料(エフェクト顔料)である場合、それはゴニオクロマチック(goniochromatic)であり、鮮明で、高い彩度(ラスター)の色をもたらす。したがって、それは従来の透明な顔料、たとえば有機顔料、たとえばジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、イソインドリノンなどと組合せるのに極めて適切であり、透明な顔料がエフェクト顔料と同様の色を有することが可能である。しかし、たとえばEP-A-388 932またはEP-A-402 943と同様に、透明な顔料の色とエフェクト顔料の色が相補的である場合に、特に興味深い組合せの効果が得られる。
【0106】
本発明による顔料は、高分子量有機材料の顔料着色に対して優れた結果で用いることができる。
【0107】
顔料着色に本発明による顔料または顔料組成物を使用できる高分子量有機材料は、天然由来でも合成品でもよい。高分子量有機材料は、分子量が通常約103〜108g/molまたはそれより大きい。これは、たとえば天然樹脂、乾性油、ゴムもしくはカゼインまたはこれらから誘導した天然物質、たとえば塩素化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルもしくはエステル、たとえばエチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、セルロースアセトブチレートまたはニトロセルロースとすることができるが、特に、重合、重縮合または重付加により得られるような完全合成有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチック)が挙げられる。重合樹脂のクラスから、特に、ポリオレフィン、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイソブチレン、さらに置換ポリオレフィン、たとえば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはブタジエンの重合生成物、ならびに前記モノマーの共重合物、特にABSまたはEVAを挙げることができる。
【0108】
重付加樹脂および重縮合樹脂のシリーズから、たとえばホルムアルデヒドとフェノール類の縮合物、いわゆるフェノプラスト、ホルムアルデヒドと尿素、チオウレアまたはメラミンとの縮合物、いわゆるアミノプラスト、塗装樹脂として用いるポリエステル、アルキド樹脂などの飽和樹脂またはマレエート樹脂などの不飽和樹脂、さらに直鎖状ポリエステルおよびポリアミド、ポリウレタンまたはシリコーンを挙げることができる。
【0109】
前記高分子量化合物は単独または混合物で、プラスチック塊または溶融物の形で存在することができる。これらはそのモノマーの形態でまたは重合した状態で、塗装もしくは印刷インク用の被膜形成剤またはバインダー、たとえば煮アマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂および尿素ホルムアルデヒド樹脂またはアクリル樹脂のように溶解した形態で存在してもよい。
【0110】
使用目的によって、本発明による顔料または顔料組成物をトナーとして用いるのが有利か、配合物の形態で用いるのが有利かを確かめた。高分子量有機材料、特にポリエチレンの着色用エフェクト顔料の使用に悪影響がないという条件で、コンディショニング方法または対象とする用途によって、コンディショニングプロセスの前または後に、所定量のテクスチャー改良剤を顔料に加えるのが有利である。適切な薬剤は、特に、炭素原子数18以上の脂肪酸、たとえばステアリン酸またはベヘン酸、またはアミドまたはこれらの金属塩、特にマグネシウム塩、ならびに可塑剤、ワックス、樹脂酸、たとえばアビエチン酸、ロジン石鹸、アルキルフェノールまたは脂肪族アルコール、たとえばステアリルアルコール、または炭素原子数8〜22の脂肪族1,2−ジヒドロキシ化合物、たとえば1,2−ドデカンジオール、さらに変性コロホニウムマレエート樹脂またはフマル酸コロホニウム樹脂である。テクスチャー改良剤は、最終生成物に基づいて好ましくは0.1〜30重量%、特に2〜15%重量の量で加える。
【0111】
本発明による顔料は、顔料着色する高分子量有機材料に、任意の着色有効量で加えることができる。顔料着色物質組成物は、高分子量有機材料、および高分子量有機材料に基づいて、本発明による顔料0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%を含むのが有利である。実際には濃度1〜20重量%、特に約10重量%用いることが多い。
【0112】
高濃度、たとえば30重量%より高い濃度は、通常濃縮物(マスターバッチ)の形態であり、着色剤として比較的顔料含量の低い顔料着色材料の製造に使用でき、本発明による顔料は通常の組成物中で極めて低粘度であるのでそれでも良好に加工できる。
【0113】
有機材料の顔料着色を目的として、本発明による顔料は単独で使用できる。しかし、種々の色合いまたは色効果を得るために、本発明によるエフェクト顔料に加えて、任意の望ましい量の他の色付与成分、たとえば白色、有色、黒色またはエフェクト顔料を高子量有機物質に加えることも可能である。有色顔料を本発明によるエフェクト顔料との混合状態で用いる場合、合計量は高分子量有機材料に基づいて0.1〜10重量%であるのが好ましい。特に高い目視角度依存色度(goniochromicity)は、本発明によるエフェクト顔料と、別の色、特に、エフェクト顔料を用いて作られる色合いと有色顔料を用いて作られる色合いの、測定角度10°での色相の差(△H*)が20〜340、特に150〜210である相補的な色の有色顔料との好適な組合せにより提供される。
【0114】
本発明によるエフェクト顔料は透明な有色顔料と組み合わせるのが好ましく、透明な有色顔料は本発明によるエフェクト顔料と同じ媒体中に存在しても隣接する媒体中に存在してもよい。エフェクト顔料および有色顔料が隣接する媒体中に有利に存在する配置の例が多層エフェクト被膜である。
【0115】
本発明による顔料を用いる高分子量有機物質の顔料着色は、たとえばこのような顔料(適切な場合にはマスターバッチの形態で)と基材とを、ロールミルまたは混合または粉砕装置を用いて混合することにより行う。次に、顔料着色材料を、それ自体公知の方法、たとえばカレンダリング、圧縮成形、押出、被覆、流し込みまたは射出成形を用いて望ましい最終形態に至らせる。プラスチック工業で一般的な任意の添加剤、たとえば可塑剤、充填剤または安定剤を、一般的な量で顔料の組み込み前または後にポリマーに加えることができる。特に、軟質成形品を製造するためまたはその脆性を減らすために、可塑剤、たとえばリン酸、フタル酸またはセバシン酸のエステルを、成形に先立って高分子量化合物に加えるのが望ましい。
【0116】
塗装および印刷インクの顔料着色において、高分子量有機材料および本発明による顔料を、適切な場合には通常の添加剤、たとえば充填剤、他の顔料、乾燥剤または可塑剤とともに、同じ有機溶剤または溶剤混合物に微細に分散または溶解し、個々の成分を別々に溶解または分散させるか、多数の成分を一緒に溶解または分散させ、その後初めて全成分を合わせることができる。
【0117】
顔料着色する高分子量有機材料中での本発明による顔料の分散、および本発明による顔料組成物の加工は、エフェクト顔料がより小さな部分に壊れないように、比較的弱い剪断力しか発生しない条件下で行うのが好ましい。
【0118】
たとえばプラスチック、塗装または印刷インク中、特に塗装または印刷インク中、さらに特に塗装中で得られる色合いは、優れた特性、特に極めて高い彩度、優れた堅牢性、および高い目視角度依存色度に特徴がある。
【0119】
顔料着色する高分子量材料が塗装である場合、それは特に専用の塗装、特に自動車の仕上げ塗装である。
【0120】
本発明による顔料は、唇または皮膚の化粧および髪または爪の着色にも適切である。
【0121】
したがって、本発明は、ケイ素/酸化ケイ素フレークおよび/または本発明による顔料を、化粧品配合物または組成物の合計重量に基づいて0.0001〜90重量%、化粧品用に適切なキャリヤ材料を10〜99.9999%含む化粧品配合物または組成物にも関する。
【0122】
このような化粧品配合物または組成物は、たとえば口紅、ほお紅、ファンデーション、マニキュア液およびヘアシャンプーである。
【0123】
顔料は単独または混合物の形態で用いることができる。さらに、本発明による顔料を他の顔料および/または着色剤とともに、たとえば前述したようなまたは化粧品配合物で公知の組合せで使用することが可能である。
【0124】
本発明による化粧品配合物および組成物は、本発明による顔料を配合物の合計重量に基づいて0.005〜50重量%の量で含有するのが好ましい。
【0125】
本発明による化粧品配合物および組成物に適切なキャリヤ材料は、このような組成物に用いる通常の材料を含む。
【0126】
本発明による化粧品配合物および組成物は、たとえばスティック、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、分散液、粉末または溶液の形態とすることができる。これらは、たとえば口紅、マスカラ配合物、ほお紅、アイシャドウ、ファンデーション、アイライナー、粉おしろいまたはマニキュア液である。
【0127】
配合物がスティック、たとえば口紅、アイシャドウ、ほお紅またはファンデーションの形態ならば、配合物はかなりの部分が脂肪成分からなり、脂肪成分は1種以上のワックス、たとえばオゾケライト、ラノリン、ラノリンアルコール、水素化ラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリンワックス、ミツロウ、カンデリラろう、微晶ろう、カルナウバろう、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ココア脂、ラノリン脂肪酸、ペトロラタム、石油ゼリー、モノ、ジもしくはトリグリセリドまたは25℃で固体であるこれらの脂肪酸エステル、シリコーンワックス、たとえばメチルオクタデカン−オキシポリシロキサンおよびポリ(ジメチルシロキシ)−ステアロキシシロキサン、ステアリン酸モノエタノールアミン、松脂およびこれらの誘導体、たとえばグリコールアビエテートおよびグリセロールアビエテート、25℃で固体の水素化油、糖グリセリドおよびカルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよびアルミニウムのオレエート、ミリステート、ラノレート、ステアレートおよびジヒドロキシステアレートからなることができる。
【0128】
脂肪成分は1種以上のワックスと1種以上のオイルとの混合物からなっていてもよく、その場合たとえば次のオイルが適切である:パラフィン油、パーセリンオイル(purcelline oil)、ペルヒドロスクアレン(perhydrosqualene)、スイートアーモンドオイル、アボカドオイル、カロフィラムオイル(calophyllum oil)、ヒマシ油、ゴマ油、ホホバ油、沸点約310〜410℃の鉱油、シリコーン油、たとえばジメチルポリシロキサン、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、オレイルアルコール、穀物粒オイル、たとえば小麦麦芽オイル、イソプロピルラノレート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、セチルミリステート、ヘキサデシルステアレート、ブチルステアレート、デシルオレエート、アセチルグリセリド、アルコールおよびポリアルコールのオクタノエートおよびデカノエート(たとえばグリコールおよびグリセロール)、アルコールおよびポリアルコールのリシノレエート(たとえばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルラノレート、イソプロピルアジペート、ヘキシルラウレートおよびオクチルドデカノール)。
【0129】
スティックの形態のこのような配合物中の脂肪成分は、通常、配合物合計重量の99.91重量%まで占めることができる。
【0130】
加えて、本発明による化粧品配合物および組成物は、さらなる成分、たとえばグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノアルカノールアミド、非有色ポリマー、無機または有機の充填剤、防腐剤、UVフィルターまたは他の添加物ならびに通常の化粧品中の添加剤、たとえば天然もしくは合成または部分的に合成のジまたはトリグリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、Guerbetアルコールまたはそのエステル、日光保護フィルターを含む親油性の機能化粧品有効成分、またはこのような物質の混合物を含むことができる。
【0131】
皮膚化粧品に適切な親油性の機能化粧品有効成分、有効成分組成物または有効成分抽出物は、皮膚上のまたは局所の用途に承認された成分または成分の混合物である。例として次のものが挙げられる:
−皮膚表面および髪のクレンジング作用を有する有効成分:これらは皮膚を洗浄する作用をなす全ての物質、たとえばオイル、石鹸、合成洗剤および固体の物質を含む;
−防臭および制汗作用を有する有効成分:これらはアルミニウム塩または亜鉛塩を主成分とする制汗剤、殺菌性または静菌性防臭物質、たとえばトリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコールおよびカチオン物質、たとえば第四級アンモニウム塩を含む防臭剤、およびにおい吸収剤、たとえばGrillocin(登録商標)(亜鉛リシノレエートおよび種々の添加剤)またはクエン酸トリエチル(場合により酸化防止剤、たとえばブチルヒドロキシトルエンとの組合せ)またはイオン交換樹脂を含む;
−日光に対する保護を与える有効成分(UVフィルター):適切な有効成分は、日光から紫外線を吸収し熱に変換することができるフィルター物質(日焼け止め剤)である;望ましい作用によって次の光保護剤が好ましい:日焼けの原因となる約280〜315nmの範囲の高エネルギー紫外線を選択的に吸収したとえば315〜400nm(UV−A範囲)の長波長範囲を透過する光保護剤(UV−B吸収剤)、ならびに315〜400nmのUV−A範囲の長波長放射線だけを吸収する光保護剤(UV−A吸収剤);適切な光保護剤は、たとえば、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフラン誘導体、有機ケイ素基1個以上を含むポリマーUV吸収剤、桂皮酸誘導体、カンファー誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびこれらの塩、アントラニル酸メチル、ベンゾトリアゾール誘導体のクラスの中からの有機UV吸収剤、および/または酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素で被覆されたTiO2、酸化亜鉛またはマイカから選択される無機ミクロ顔料(micropigment)である;
−虫に対する有効成分(駆除剤)は虫が皮膚に触れそこで活動するのを妨げるのを意図する薬剤である;これらは虫を追い払いゆっくり蒸発する;最も多く用いられる駆除剤はジエチルトルアミド(DEET)である;他の一般的な駆除剤はたとえば”Pflegekosmetik”(W. Raab and U. Kindl, Gustav-Fischer-Verlag Stuttgart/New York, 1991)on page 161に見られる;
−化学的および機械的影響に対する保護用の有効成分:これらは皮膚と外部の有害な物質の間にバリヤを形成する全ての物質、たとえば水溶液に対する保護用のパラフィン油、シリコーン油、植物油、PCL生成物およびラノリン、有機溶剤の影響に対する保護用のフィルム形成剤、たとえばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸トリエタノールアミン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールもしくはセルロースエーテル、または皮膚上の激しい機械的応力に対する保護用「滑剤」として鉱油、植物油またはシリコーン油を主成分とする物質を含む;
−保湿物質:たとえば次の物質が湿分制御剤(保湿剤)として用いられる:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチンおよびヒアルロン酸;
−ケラトプラスチック効果(keratoplastic effect)を有する有効成分:過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、コロイド硫黄およびレゾルシノール;
−抗微生物剤、たとえばトリクロサンまたは第四級アンモニウム化合物;
−皮膚上に塗布することのできる油性または油溶性のビタミンまたはビタミン誘導体:たとえばビタミンA(遊離酸またはその誘導体の形態のレチノール)、パンテノール、パントテン酸、葉酸、およびこれらの組合せ、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF;必須脂肪酸;またはナイアシンアミド(ニコチン酸アミド);
−ビタミンベース胎盤抽出物:特にビタミンA、C、E、B1、B2、B6、B12、葉酸およびビオチン、アミノ酸および酵素ならびに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄または銅の化合物を含む有効成分組成物;
−皮膚修復コンプレックス(skin repair complexe):ビフィズスグループのバクテリア培養物を不活性化し破壊して得られる;
−植物および植物抽出物:たとえばアルニカ、アロエ、バードライカン(beard lichen)、アイビー、ネットル、朝鮮人参、ヘンナ、カムミール、マリゴールド、ローズマリー、セージ、つくしまたはタイム;
−動物抽出物:たとえばロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質または胸腺抽出物;
−皮膚上に塗布することのできる化粧品オイル:Miglyol 812タイプの中性オイル、杏仁油、アボカドオイル、ババス油、綿実油、ルリヂサオイル、アザミオイル、ラッカセイ油、γ−オリザノール(gamma-oryzanol)、ローズヒップ種子オイル、大麻油、ヘーゼルナッツ油、クロフサスグリの種子オイル、ホホバ油、サクランボの種オイル、サーモンオイル、アマニ油、コーン種子オイル、マカダミアナッツ油、アーモンドオイル、イブニングプリムローズオイル、ミンクオイル、オリーブ油、ピーカンナッツオイル、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、稲種子オイル、ヒマシ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、ティー・ツリー油、葡萄種子オイルまたは小麦麦芽オイル。
【0132】
スティック形状の配合物は無水であるのが好ましいが、特定の場合には所定量の水を含んでもよい。ただし、一般に化粧品配合物の合計重量に基づいて40重量%を超えない。
【0133】
本発明による化粧品配合物および組成物が半固体生成物の形態、すなわち軟膏またはクリームの形態であるなら、それらは同様に無水でも水性でもよい。このような配合物および組成物は、たとえばマスカラ、アイライナー、ファンデーション、ほお紅、アイシャドウ、または目の下のくまを処理する組成物である。
【0134】
一方、このような軟膏またはクリームが水性であるなら、それらは特に、顔料のほかに、脂肪相1〜98.8重量%、水性相1〜98.8重量%および乳化剤0.2〜30重量%を含む、油中水形または水中油形のエマルションである。
【0135】
このような軟膏およびクリームは、さらに従来の添加剤、たとえば香料、酸化防止剤、防腐剤、ゲル形成剤、UVフィルター、着色剤、顔料、真珠箔剤、非有色ポリマーならびに無機または有機充填剤も含むことができる。
【0136】
配合物が粉末の形態であるなら、それらは実質的に鉱物または無機または有機充填剤、たとえばタルク、カオリン、スターチ、ポリエチレン粉末またはポリアミド粉末、ならびに添加物、たとえばバインダー、着色剤からなる。
【0137】
このような配合物は、通常化粧品に使用される種々の添加物、たとえば芳香剤、酸化防止剤、防腐剤などを同様に含んでもよい。
【0138】
本発明による化粧品配合物および組成物がマニキュア液なら、それらは本質的に、溶剤系中の溶液の形態でニトロセルロースおよび天然または合成ポリマーからなり、この溶液が他の添加物、たとえば真珠箔剤を含むことが可能である。
【0139】
その実施態様では、有色ポリマーを約0.1〜5重量%の量で含む。
【0140】
本発明による化粧品配合物および組成物は、髪の着色にも使用することができ、その場合それらは化粧品産業で慣例的に用いるベース物質および本発明による顔料で構成されるシャンプー、クリームまたはゲルの形で用いられる。
【0141】
本発明による化粧品配合物および組成物は、たとえば成分を一緒に混合または攪拌することによる、場合により混合物を溶融するように加熱を伴う、従来の方法で調製する。
【0142】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。特記しない限り、%および部はそれぞれ重量%および重量部である。
【0143】
実施例
実施例1
種々の導入された物質を、必要な時に、電子銃またはジュール加熱を用いて蒸発させることができる真空チャンバー(BAK 600、Balzers AG)中に、ターゲット材料として、寸法4×4cmの平坦なガラス板を置いた。最初に、圧力1.33 10-2Paで、金属アルミニウムとSiOの混合層を、蒸気ジェットが重なり合うところのある導入されたアルミニウム(ジュール加熱、1400〜1500℃)および酸化ケイ素(電子銃)から、蒸着速度0.2nm/秒で形成し;次にこの層の上に、導入された二酸化チタンからTiO2層を蒸着した(電子銃)。
【0144】
SiO/Al層およびTiO2層の層厚さを、マイクロスキャニングデバイス(micro-scanning device)を用いて測定し、SiO層の化学量論組成をESCAで測定した。反射色(CIE-L*C*h)を、D65標準光を用いる照明の下、視角10°および45°で測定した。実施例1にしたがって得られたサンプル1および2のSiO/Al層およびTiO2層の層厚さを表1に示す。サンプル1および2の視角10°および45°での反射色を表2に示す。
【0145】
実施例2
実施例1を繰り返したが、アルミニウムおよび酸化ケイ素の代わりに、アルミニウムおよび二酸化ケイ素を蒸発させた。実施例2にしたがって得られたサンプル3のSiO2/Al層およびTiO2層の層厚さを表1に示す。サンプル3の視角10°および45°での反射色を表2に示す。
【0146】
実施例3
実施例2を繰り返したが、二酸化チタンの代わりに、二酸化ケイ素を蒸発させ、二酸化ケイ素の後にさらに酸化ケイ素を蒸発させた。実施例3にしたがって得られたサンプル4のSiO2/Al層、SiO2層およびSiO層の層厚さを表1に示す。サンプル4の視角10°および45°での反射色を表2に示す。
【0147】
実施例1〜3で、アルミニウム対SiOおよび/またはSiO2の重量比が約50:50であるように、蒸発を制御した。
【表1】


【表2】

【0148】
実施例4
サンプル2および3を、アルゴン下、650℃で2時間加熱した。この方法で得られたサンプル2’および3’の、視角10°および45°での反射色を表3に示す。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)SiOz(式中、0.03≦z≦2.0)および金属を含む層を仮焼することにより得られる層を含む、粒子が通常、長さ2μm〜5mm、幅2μm〜2mm、厚さ20nm〜1.5μm、長さ対厚さの比2:1以上であるプレートレット形状顔料。
【請求項2】
層(a)が顔料のコアを形成する、請求項1記載のプレートレット形状顔料。
【請求項3】
(b1)SiOz層、
(a)SiOzおよび金属を含む層を仮焼することにより得られる層、および
(b2)SiOz
(式中、0.03≦z≦2.0)を含む、請求項1または請求項2記載のプレートレット形状顔料。
【請求項4】
(c1)高屈折率金属酸化物、特にTiO2の層、
(b1)場合により、SiOz層、
(a)SiOzおよび金属を含む層を仮焼することにより得られる層、
(b2)場合により、SiOz層(式中、0.03≦z≦2.0)、および
(c2)高屈折率金属酸化物、特にTiO2の層;または
(c1)炭素層、
(b1)SiOz層、
(a)SiOzおよび金属を含む層を仮焼することにより得られる層、
(b2)SiOz層、(式中、0.03≦z≦2.0)、および
(c2)炭素層;または
(c1)炭化ケイ素(SiC)を含む層、
(b1)SiOz層、
(a)SiOzおよび金属を含む層を仮焼することにより得られる層、
(b2)SiOz層、(式中、0.03≦z≦2.0)、および
(c2)炭化ケイ素(SiC)を含む層
を含む、請求項2または請求項3記載のプレートレット形状顔料。
【請求項5】
0.03≦z≦0.95である、請求項1〜4のいずれか1項記載のプレートレット形状顔料。
【請求項6】
0.95≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0、さらに特に2.0である、請求項1〜4のいずれか1項記載のプレートレット形状顔料。
【請求項7】
金属が、Al、Cu、Mo、V、Ag、Cr、Zr、Nb、Ni、Fe、Co、Tiまたはこれらの合金、たとえばクロム−ニッケル、鉄−ニッケル、鉄−クロムおよびニッケル−コバルト、特にアルミニウムである、請求項1〜6のいずれか1項記載のプレートレット形状顔料。
【請求項8】
a)キャリヤ上に分離剤を蒸着し、
b)次に、分離剤層上に金属とSiOz(式中、0.03≦z≦2.0)を同時に蒸着し、
c)溶剤中で分離剤を溶解し、
d)溶剤から生成物を分離し、次いで
e)生成物を仮焼すること
を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の顔料の製造方法。
【請求項9】
1.0≦z≦1.8である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程b)で、一方の蒸発器がSiおよびSiO2の混合物、SiOzまたはこれらの混合物(式中、1.0≦z≦1.8)を含む装填材料を有し、他方の蒸発器が金属の装填材料を有する2個の別個の蒸発器によって、SiOz/金属層を蒸着する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項記載の方法により得られる、プレートレット形状顔料。
【請求項12】
請求項1〜7および11のいずれか1項記載の顔料の、ペイント、生地、インクジェット印刷、化粧品、塗装組成物、プラスチック、印刷インクならびにセラミックおよびガラスの艶出しでの使用。

【公表番号】特表2006−517988(P2006−517988A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500574(P2006−500574)
【出願日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000249
【国際公開番号】WO2004/065492
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
TEFLON
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】