説明

プログラム起動システム

【課題】携帯端末に記憶されたプログラムを外部から起動させる。
【解決手段】ユーザUが、例えば、電子マネーのサービスを受けるべく、場所Aを訪れ、電極201の上に乗る。これにより携帯端末1は、型名情報を要求する要求メッセージを受信する。携帯端末1は型名情報をサーバ2Aに送信する。サーバ2Aは、型名情報に対応する起動コマンドを携帯端末1に送信する。携帯端末1は、起動コマンドに対応するプログラムを起動する。これにより、ユーザUは、場所Aを訪れれば、電子マネーのサービスを受けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に記憶されたプログラムを外部から起動させるプログラム起動システムに関し、詳しくは、携帯端末の場所および種類に応じたプログラムを起動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
旧来、携帯電話などの携帯端末は単機能であり、キー操作も簡単であったが、近年の携帯端末には、予め複数のプログラムを有し、その1つを選択して実行するものがある。
【0003】
プログラムには、起動コマンドが割り当てられており、プログラムの数が多いと、起動コマンドの長さも長くなる。したがって、プログラムの選択にも、多くの操作が必要となる。
【0004】
ところが、携帯端末のキーは小さく、また、独立したキーボードを備えず、多くの操作を行いにくい。そのため、複数のプログラムにより受けられる多様なサービスが、実際には、容易には受けられない。
【0005】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−191361号公報
【特許文献2】特開2008−090406号公報
【特許文献3】特開2008−092063号公報
【特許文献4】特開2008−082111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、携帯端末に記憶されたプログラムを外部から起動させるプログラム起動システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、携帯端末に記憶されたプログラムを起動させるプログラム起動システムであって、前記起動システムは、携帯端末を使用しうる場所に設置される通信装置とサーバを備え、前記携帯端末は、複数の場所のそれぞれに対応するプログラムと、該携帯端末の種類を示す型名情報とを有し、該携帯端末に対する操作に応じた起動コマンドに対応するプログラムを当該複数のプログラムから選択して起動し、一方、前記通信装置から前記型名情報を要求する要求メッセージが送信された場合、前記型名情報を前記通信装置に送信し、該通信装置から送信される起動コマンドに対応するプログラムを前記複数のプログラムから選択して起動するようになっており、前記サーバは、携帯端末の種類を区別するための複数の型名情報のそれぞれに対し、該型名情報に対応する携帯端末に記憶された前記場所に対応するプログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられた型名情報起動コマンドテーブルが記憶される型名情報起動コマンドテーブル記憶部と、前記通信装置から送信される型名情報に対応する起動コマンドを前記型名情報起動コマンドテーブルから検索する起動コマンド検索部と、前記要求メッセージと前記検索された起動コマンドとを前記通信装置に送信する通信部とを備え、前記通信装置は、前記携帯端末から送信される型名情報を前記サーバに転送し、前記サーバから送信される要求メッセージと起動コマンドとを前記携帯端末に転送することを特徴とする。
【0009】
第2の本発明は、第1の本発明に係るプログラム起動システムとともに用いられる携帯端末であって、複数の場所のそれぞれに対応するプログラムに該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラム記憶部と、起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドに対応するプログラムを前記プログラム記憶部から検索して起動するプログラム起動部と、起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドを前記プログラム起動部に与える起動コマンド監視部と、該携帯端末に対する操作に対応する起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与える操作部と、該携帯端末の種類を示す型名情報を記憶する型名情報記憶部と、前記要求メッセージが送信された場合、前記型名情報記憶部から型名情報を読み出す型名情報読出部と、前記通信装置から送信された起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与えるとともに、前記型名情報記憶部から読み出された型名情報を前記通信装置に送信する通信部とを備えることを特徴とする。
【0010】
第3の本発明は、携帯端末に記憶されたプログラムを起動させるプログラム起動システムであって、前記起動システムは、携帯端末を使用しうる場所に設置される通信装置とサーバを備え、前記携帯端末は、複数の場所のそれぞれに対応するプログラムと、当該各プログラムを示すプログラムIDに対し該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラムID起動コマンドテーブルとを有し、該携帯端末に対する操作に応じた起動コマンドに対応するプログラムを当該複数のプログラムから選択して起動し、一方、前記プログラムID起動コマンドテーブルを要求する要求メッセージが前記通信装置から送信された場合、前記プログラムID起動コマンドテーブルを前記通信装置に送信し、前記通信装置から送信される起動コマンドに対応するプログラムを前記複数のプログラムから選択して起動するようになっており、前記サーバは、前記通信装置から送信されるプログラムID起動コマンドテーブルに含まれるプログラムIDに基づいて前記場所に応じた起動コマンドを該プログラムID起動コマンドテーブルから検索する起動コマンド検索部と、前記要求メッセージと前記検索された起動コマンドとを前記通信装置に送信する通信部とを備え、前記通信装置は、前記携帯端末から送信されるプログラムID起動コマンドテーブルを前記サーバに転送し、前記サーバから送信される要求メッセージと起動コマンドとを前記携帯端末に転送することを特徴とする。
【0011】
第4の本発明は、第3の本発明に係るプログラム起動システムとともに用いられる携帯端末であって、複数の場所のそれぞれに対応するプログラムに該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラム記憶部と、該各プログラムを示すプログラムIDに対し該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラムID起動コマンドテーブルが記憶されるプログラムID起動コマンドテーブル記憶部と、起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドに対応するプログラムを前記プログラム記憶部から検索して起動するプログラム起動部と、起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドを前記プログラム起動部に与える起動コマンド監視部と、該携帯端末に対する操作に対応する起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与える操作部と、前記要求メッセージが送信された場合、前記プログラムID起動コマンドテーブル記憶部から前記プログラムID起動コマンドテーブルを読み出すプログラムID起動コマンドテーブル読出部と、前記通信装置から送信された起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与えるとともに、前記プログラムID起動コマンドテーブル記憶部から読み出されたプログラムID起動コマンドテーブルを前記通信装置に送信する通信部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るプログラム起動システムによれば、携帯端末に起動コマンドを送信することで、携帯端末の場所および種類に応じたプログラムを起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態に係るプログラム起動システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すプログラム起動システムにおける携帯端末1の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すプログラム起動システムにおけるサーバ2Aの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すプログラム起動システムにおいてユーザUが場所A、Bを訪れた際の動作を示すシーケンス図である。
【図5】第2の実施の形態に係るプログラム起動システムにおける携帯端末1の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態に係るプログラム起動システムにおけるサーバ2Aの構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係るプログラム起動システムにおいてユーザUが場所A、Bを訪れた際の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るプログラム起動システムの構成を示す図である。
【0016】
携帯端末1は、ユーザUに所持されるものである。
【0017】
場所Aは、ユーザUが、例えば、電子マネーのサービスを受ける場所である。場所Aの床には、電極201が設置されている。電極201は、リード線などにより通信装置202に接続されている。通信装置202は、通信回線を介して、サーバ2Aに接続されている。
【0018】
場所Bは、ユーザUが、例えば、音楽のダウンロードのサービスを受ける場所である。場所Bには、通信装置3が設置されている。通信装置3は、携帯電話網5の基地局4と、携帯電話網5と、ゲートウェイ6を介して、サーバ2Bに接続するようになっている。 図2は、携帯端末1の構成を示すブロック図である。
【0019】
携帯端末1は、複数の場所のそれぞれに対応するプログラムに該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラム記憶部101と、起動コマンドが与えられた場合、起動コマンドに対応するプログラムをプログラム記憶部101から検索して起動するプログラム起動部103と、起動コマンドが与えられた場合、起動コマンドをプログラム起動部103に与える起動コマンド監視部104と、携帯端末に対する操作に対応する起動コマンドを起動コマンド監視部104に与える操作部105と、携帯端末の種類を示す型名情報を記憶する型名情報記憶部107と、型名情報を要求する要求メッセージが送信された場合、型名情報記憶部107から型名情報を読み出す型名情報読出部108と、型名情報を通信装置202に送信し、通信装置202から起動コマンドを受信する電界通信部109と、型名情報を通信装置3に送信し、通信装置202から起動コマンドを受信する無線通信部110と、通信装置202との通信に用いられる電極111と、通信装置3との通信に用いられるアンテナ112と、文字や画像を表示するための表示部113とを備える。操作部105は、例えば、テンキーやファンクションキーなどを含む。
【0020】
図3は、サーバ2Aの構成を示すブロック図である。
【0021】
サーバ2Aは、携帯端末の種類を区別するための複数の型名情報のそれぞれに対し、該型名情報に対応する携帯端末に記憶された場所Aに対応するプログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられた型名情報起動コマンドテーブルが記憶される型名情報起動コマンドテーブル記憶部21と、通信装置202から送信される型名情報に対応する起動コマンドを型名情報起動コマンドテーブルから検索する起動コマンド検索部22と、型名情報を受信し、要求メッセージと起動コマンドとを通信装置202に送信する通信部23とを備える。通信部23は、通信装置202に接続されている。
【0022】
なお、サーバ2Bは、サーバ2Aと同様の構成を備え、その通信部23は、ゲートウェイ6に接続されている。また、その型名情報起動コマンドテーブル記憶部21は、場所Bに対応するものとなっている。
【0023】
図4(a)は、ユーザUが場所Aを訪れた際の動作を示すシーケンス図である。
【0024】
サーバ2Aの通信部23は、場所Aの通信装置202に要求メッセージを常に送信し、通信装置202は、要求メッセージに応じた信号を常に電極201に与える。ユーザUが、例えば、電子マネーのサービスを受けるべく場所Aを訪れ、電極201の上に乗ると、通信装置202からの信号に応じた電界がユーザUと大地の間に印加される。この電界により、携帯端末1の電極111と大地の間に電界が生じ、電界通信部109は、この電界により要求メッセージを受信する(S1)。
【0025】
要求メッセージが受信された場合、携帯端末1は、サーバ2Aに型名情報を送信する(S2)。ここでは、まず、電界通信部109が要求メッセージ受信の旨を型名情報読出部108に通知し、これに応じて型名情報読出部108が、型名情報記憶部107から型名情報を読み出し、電界通信部109に与える。
【0026】
電界通信部109は、型名情報に応じた信号を電極111に与える。電極111は、信号に応じた電界をユーザUと大地の間に印加する。
【0027】
この電界により、電極201と大地の間に電界が生じる。通信装置202は、この電界に応じた信号をサーバ2Aに送信する。
【0028】
サーバ2Aでは、通信部23が信号を受信し、信号から型名情報を取りだし、起動コマンド検索部22に与える。起動コマンド検索部22は、型名情報に対応する起動コマンドを型名情報起動コマンドテーブル記憶部21から検索し(S3)、通信部23に与える。通信部23は、起動コマンドを携帯端末1に送信する(S5)。
【0029】
ここでは、まず、通信部23が、起動コマンドを通信装置202に送信する。通信装置202は、起動コマンドに応じた信号を電極201に与える。電極201は、信号に応じた電界をユーザUと大地の間に印加する。
【0030】
この電界により、携帯端末1の電極111と大地の間に電界が生じる。電界通信部109は、この電界に応じた信号から起動コマンドを取りだし、起動コマンド監視部104に与える。起動コマンド監視部104は、起動コマンドをプログラム起動部103に与える。
【0031】
プログラム起動部103は、プログラム記憶部101から起動コマンドに対応するプログラム、つまり、電子マネーのサービスを受けるためのプログラムを検索し起動する(S7)。これにより、ユーザUは、場所Aを訪れれば、電子マネーのサービスを受けることができる。
【0032】
一方、ユーザUが携帯端末1のテンキーなどに操作を行った場合、操作部105は、操作に応じた起動コマンドを起動コマンド監視部104に与える。起動コマンド監視部104は、起動コマンドをプログラム起動部103に与える。
【0033】
プログラム起動部103は、プログラム記憶部101から起動コマンドに対応するプログラム、つまり、電子マネーのサービスを受けるためのプログラムを検索し起動する。これにより、ユーザUは、携帯端末1に対する操作によっても、電子マネーのサービスを受けることができる。
【0034】
図4(b)は、ユーザUが場所Bを訪れた際の動作を示すシーケンス図である。
【0035】
サーバ2Bの通信部23は、場所Bの通信装置3に要求メッセージを常に送信し、通信装置3は、要求メッセージに応じた電波を常に放射する。ユーザUが、例えば、音楽のダウンロードのサービスを受けるべく、場所Bを訪れると、アンテナ112が電波を捕捉し、無線通信部110が、電波により要求メッセージを受信する(S11)。
【0036】
要求メッセージが受信された場合、携帯端末1は、サーバ2Bに型名情報を送信する(S12)。ここでは、まず、無線通信部110が要求メッセージ受信の旨を型名情報読出部108に通知し、これに応じて型名情報読出部108が、型名情報記憶部107から型名情報を読み出し、無線通信部110に与える。
【0037】
無線通信部110は、型名情報に応じた信号をアンテナ112に与え、アンテナ112は、信号に応じた電波を放射する。
【0038】
通信装置3は、この電波を受信し、受信で得た信号から型名情報を取りだし、型名情報を基地局4、携帯電話網5、ゲートウェイ6を介して、サーバ2Bに送信する。
【0039】
サーバ2Bでは、通信部23が型名情報を含んだ信号を受信し、信号から型名情報を取りだし、起動コマンド検索部22に与える。起動コマンド検索部22は、型名情報に対応する起動コマンドを型名情報起動コマンドテーブル記憶部21から検索し(S13)、通信部23に与える。通信部23は、起動コマンドをゲートウェイ6、携帯電話網5、基地局4、通信装置3を介して、携帯端末1に送信する(S15)。
【0040】
無線通信部110は、この信号から起動コマンドを取りだし、起動コマンド監視部104に与える。起動コマンド監視部104は、起動コマンドをプログラム起動部103に与える。
【0041】
プログラム起動部103は、プログラム記憶部101から起動コマンドに対応するプログラム、つまり、音楽のダウンロードのサービスを受けるためのプログラムを検索し起動する(S17)。これにより、ユーザUは、場所Bを訪れれば、音楽のダウンロードのサービスを受けることができる。
【0042】
一方、ユーザUが携帯端末1のテンキーなどに操作を行った場合、操作部105は、操作に応じた起動コマンドを起動コマンド監視部104に与える。起動コマンド監視部104は、起動コマンドをプログラム起動部103に与える。
【0043】
プログラム起動部103は、プログラム記憶部101から起動コマンドに対応するプログラム、つまり、音楽のダウンロードのサービスを受けるためのプログラムを検索し起動する。これにより、ユーザUは、携帯端末1に対する操作によっても、音楽のダウンロードのサービスを受けることができる。
【0044】
したがって、第1の実施の形態に係るプログラム起動システムによれば、各場所に対応するサーバ2A、2Bが、携帯端末1から送信された型名情報に応じた起動コマンドを携帯端末1に送信することで、携帯端末1の場所および種類に応じたプログラムを起動させることができる。
【0045】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るプログラム起動システムについて説明する。
【0046】
通信システムは、図1のプログラム起動システムの要素と同様な構成要素を備える。プログラム起動システムの構成図は、便宜上、図1を代用する。
【0047】
図5は、携帯端末1の構成を示すブロック図である。
【0048】
携帯端末1は、図2に示す要素と同様な構成要素を備える。便宜上、同様な構成要素には同一符号を付与し、重複説明を省略する。一方、異なる要素として、携帯端末1は、プログラムID起動コマンドテーブル記憶部102とプログラムID起動コマンドテーブル読出部102Aを備える。プログラムID起動コマンドテーブル記憶部102には、プログラム記憶部101に記憶された各プログラムを示すプログラムIDに対し該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラムID起動コマンドテーブルが記憶される。プログラムID起動コマンドテーブル読出部102Aは、プログラムID起動コマンドテーブルを要求する要求メッセージを受信した場合、プログラムID起動コマンドテーブル記憶部102からプログラムID起動コマンドテーブルを読み出すものである。なお、型名情報記憶部107と型名情報読出部108とは不要であり、記載省略している。
【0049】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で使用した型名情報と同じように、携帯端末1の種類を示すものとして、プログラムID起動コマンドテーブルを使用する。つまり、プログラム記憶部101のプログラムは、携帯端末1の種類に応じたものとなっており、これにより、プログラムID起動コマンドテーブル記憶部102のプログラムID起動コマンドテーブルも携帯端末1の種類に応じたものとなっているので、このプログラムID起動コマンドテーブルを使用するのである。
【0050】
図6は、サーバ2Aの構成を示すブロック図である。
【0051】
サーバ2Aは、通信装置202から送信されるプログラムID起動コマンドテーブルに含まれるプログラムIDに基づいて場所Aに応じた起動コマンドを該プログラムID起動コマンドテーブルから検索する起動コマンド検索部22Aと、要求メッセージと起動コマンドとを通信装置202に送信する通信部23とを備える。
【0052】
なお、サーバ2Bは、サーバ2Aと同様の構成を備え、その通信部23は、ゲートウェイ6に接続されている。また、その起動コマンド検索部22Aは、場所Bに対応する起動コマンドを検索するようになっている。
【0053】
図7(a)は、ユーザUが場所Aを訪れた際の動作を示すシーケンス図である。
【0054】
サーバ2Aの通信部23は、場所Aの通信装置202に要求メッセージを常に送信し、通信装置202は、要求メッセージに応じた信号を常に電極201に与える。ユーザUが、例えば、電子マネーのサービスを受けるべく場所Aを訪れ、電極201の上に乗ると、通信装置202からの信号に応じた電界がユーザUと大地の間に印加される。この電界により、携帯端末1の電極111と大地の間に電界が生じ、電界通信部109は、この電界により要求メッセージを受信する(S21)。
【0055】
要求メッセージが受信された場合、携帯端末1は、サーバ2AにプログラムID起動コマンドテーブルを送信する(S22)。ここでは、まず、電界通信部109が要求メッセージ受信の旨をプログラムID起動コマンドテーブル読出部102Aに通知し、これに応じてプログラムID起動コマンドテーブル読出部102Aが、プログラムID起動コマンドテーブル記憶部102からプログラムID起動コマンドテーブルを読み出し、電界通信部109に与える。
【0056】
電界通信部109は、プログラムID起動コマンドテーブルに応じた信号を電極111に与える。電極111は、信号に応じた電界をユーザUと大地の間に印加する。
【0057】
この電界により、電極201と大地の間に電界が生じる。通信装置202は、この電界に応じた信号をサーバ2Aに送信する。
【0058】
サーバ2Aでは、通信部23が信号を受信し、信号からプログラムID起動コマンドテーブルを取りだし、起動コマンド検索部22Aに与える。起動コマンド検索部22Aは、プログラムID起動コマンドテーブルに含まれるプログラムIDに基づいて場所Aに応じた起動コマンドを該プログラムID起動コマンドテーブルから検索し(S23)、通信部23に与える。
【0059】
以下は、第1の実施の形態の場合と同様であるから、説明を省略する。
【0060】
図7(b)は、ユーザUが場所Bを訪れた際の動作を示すシーケンス図である。
【0061】
サーバ2Bの通信部23は、場所Bの通信装置3に要求メッセージを常に送信し、通信装置3は、要求メッセージに応じた電波を常に放射する。ユーザUが、例えば、音楽のダウンロードのサービスを受けるべく、場所Bを訪れると、アンテナ112が電波を捕捉し、無線通信部110が、電波により要求メッセージを受信する(S31)。
【0062】
要求メッセージが受信された場合、携帯端末1は、サーバ2BにプログラムID起動コマンドテーブルを送信する(S32)。ここでは、まず、無線通信部110が要求メッセージ受信の旨をプログラムID起動コマンドテーブル読出部102Aに通知し、これに応じてプログラムID起動コマンドテーブル読出部102Aが、プログラムID起動コマンドテーブル記憶部102からプログラムID起動コマンドテーブルを読み出し、無線通信部110に与える。
【0063】
無線通信部110は、プログラムID起動コマンドテーブルに応じた信号をアンテナ112に与え、アンテナ112は、信号に応じた電波を放射する。
【0064】
通信装置3は、この電波を受信し、受信で得た信号からプログラムID起動コマンドテーブルを取りだし、プログラムID起動コマンドテーブルを基地局4、携帯電話網5、ゲートウェイ6を介して、サーバ2Bに送信する。
【0065】
サーバ2Bでは、通信部23がプログラムID起動コマンドテーブルを含んだ信号を受信し、信号からプログラムID起動コマンドテーブルを取りだし、起動コマンド検索部22Aに与える。起動コマンド検索部22Aは、プログラムID起動コマンドテーブルに含まれるプログラムIDに基づいて場所Bに応じた起動コマンドを該プログラムID起動コマンドテーブルから検索し(S33)、通信部23に与える。
【0066】
以下は、第1の実施の形態の場合と同様であるから、説明を省略する。
【0067】
したがって、第2の実施の形態に係るプログラム起動システムによれば、各場所に対応するサーバ2A、2Bが、携帯端末1から送信されたプログラムID起動コマンドテーブルに含まれるプログラムIDに基づいて場所に応じた起動コマンドを検索し携帯端末1に送信することで、携帯端末1の場所および種類に応じたプログラムを起動させることができる。
【符号の説明】
【0068】
1…携帯端末
2A、2B…サーバ
3、202…通信装置
4…基地局
5…携帯電話網
6…ゲートウェイ
21…型名情報起動コマンドテーブル記憶部
22、22A…起動コマンド検索部
23…通信部
101…プログラム記憶部
102…プログラムID起動コマンドテーブル記憶部
102A…プログラムID起動コマンドテーブル読出部
103…プログラム起動部
104…起動コマンド監視部
105…操作部
107…型名情報記憶部
108…型名情報読出部
109…電界通信部
110…無線通信部
111、201…電極
112…アンテナ
113…表示部
U…ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末に記憶されたプログラムを起動させるプログラム起動システムであって、
前記起動システムは、
携帯端末を使用しうる場所に設置される通信装置とサーバを備え、
前記携帯端末は、
複数の場所のそれぞれに対応するプログラムと、該携帯端末の種類を示す型名情報とを有し、該携帯端末に対する操作に応じた起動コマンドに対応するプログラムを当該複数のプログラムから選択して起動し、一方、前記通信装置から前記型名情報を要求する要求メッセージが送信された場合、前記型名情報を前記通信装置に送信し、該通信装置から送信される起動コマンドに対応するプログラムを前記複数のプログラムから選択して起動するようになっており、
前記サーバは、
携帯端末の種類を区別するための複数の型名情報のそれぞれに対し、該型名情報に対応する携帯端末に記憶された前記場所に対応するプログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられた型名情報起動コマンドテーブルが記憶される型名情報起動コマンドテーブル記憶部と、
前記通信装置から送信される型名情報に対応する起動コマンドを前記型名情報起動コマンドテーブルから検索する起動コマンド検索部と、
前記要求メッセージと前記検索された起動コマンドとを前記通信装置に送信する通信部とを備え、
前記通信装置は、
前記携帯端末から送信される型名情報を前記サーバに転送し、前記サーバから送信される要求メッセージと起動コマンドとを前記携帯端末に転送する
ことを特徴とするプログラム起動システム。
【請求項2】
請求項1記載のプログラム起動システムとともに用いられる携帯端末であって、
複数の場所のそれぞれに対応するプログラムに該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラム記憶部と、
起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドに対応するプログラムを前記プログラム記憶部から検索して起動するプログラム起動部と、
起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドを前記プログラム起動部に与える起動コマンド監視部と、
該携帯端末に対する操作に対応する起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与える操作部と、
該携帯端末の種類を示す型名情報を記憶する型名情報記憶部と、
前記要求メッセージが送信された場合、前記型名情報記憶部から型名情報を読み出す型名情報読出部と、
前記通信装置から送信された起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与えるとともに、前記型名情報記憶部から読み出された型名情報を前記通信装置に送信する通信部と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
携帯端末に記憶されたプログラムを起動させるプログラム起動システムであって、
前記起動システムは、
携帯端末を使用しうる場所に設置される通信装置とサーバを備え、
前記携帯端末は、
複数の場所のそれぞれに対応するプログラムと、当該各プログラムを示すプログラムIDに対し該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラムID起動コマンドテーブルとを有し、該携帯端末に対する操作に応じた起動コマンドに対応するプログラムを当該複数のプログラムから選択して起動し、一方、前記プログラムID起動コマンドテーブルを要求する要求メッセージが前記通信装置から送信された場合、前記プログラムID起動コマンドテーブルを前記通信装置に送信し、前記通信装置から送信される起動コマンドに対応するプログラムを前記複数のプログラムから選択して起動するようになっており、
前記サーバは、
前記通信装置から送信されるプログラムID起動コマンドテーブルに含まれるプログラムIDに基づいて前記場所に応じた起動コマンドを該プログラムID起動コマンドテーブルから検索する起動コマンド検索部と、
前記要求メッセージと前記検索された起動コマンドとを前記通信装置に送信する通信部とを備え、
前記通信装置は、
前記携帯端末から送信されるプログラムID起動コマンドテーブルを前記サーバに転送し、前記サーバから送信される要求メッセージと起動コマンドとを前記携帯端末に転送する
ことを特徴とするプログラム起動システム。
【請求項4】
請求項3記載のプログラム起動システムとともに用いられる携帯端末であって、
複数の場所のそれぞれに対応するプログラムに該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラム記憶部と、
該各プログラムを示すプログラムIDに対し該プログラムを起動するための起動コマンドが予め対応づけられたプログラムID起動コマンドテーブルが記憶されるプログラムID起動コマンドテーブル記憶部と、
起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドに対応するプログラムを前記プログラム記憶部から検索して起動するプログラム起動部と、
起動コマンドが与えられた場合、該起動コマンドを前記プログラム起動部に与える起動コマンド監視部と、
該携帯端末に対する操作に対応する起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与える操作部と、
前記要求メッセージが送信された場合、前記プログラムID起動コマンドテーブル記憶部から前記プログラムID起動コマンドテーブルを読み出すプログラムID起動コマンドテーブル読出部と、
前記通信装置から送信された起動コマンドを前記起動コマンド監視部に与えるとともに、前記プログラムID起動コマンドテーブル記憶部から読み出されたプログラムID起動コマンドテーブルを前記通信装置に送信する通信部と
を備えることを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−161553(P2010−161553A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1622(P2009−1622)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】