説明

プロゲステロン受容体構造

本発明は、プロゲステロン受容体/リガンド複合体およびその製法ならびにソフトウェアシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年8月20日出願の米国仮出願番号60/603,242の優先権を主張し、全体を出典明示により本明細書の一部とする。
【0002】
本発明は、プロゲステロン/リガンド複合体、その製法およびソフトウェアシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
プロゲステロンは、ステロイドホルモンであり、多数の生物学的工程を調節する。多数の生理学的効果は、プロゲステロン受容体(PRs)を介する。プロゲステロンとプロゲステロン受容体の相互作用は、受容体の活性化をもたらしうる。これは、細胞質から核酸中に輸送されるプロゲステロン受容体をもたらしうる。核酸において、プロゲステロン受容体は、転写活性化因子として機能することができ、特定の遺伝子標的の発現を増加させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本発明は、非ステロイド性リガンドに結合したPRポリペプチドを含む、結晶タンパク質/リガンド複合体に関する。PRポリペプチドは、PRのリガンド結合ドメインを含み、非ステロイド性リガンドは、受容体のアゴニストまたはアンタゴニストであり得る。本発明はまた、PRポリペプチド/非ステロイド性リガンド複合体の三次元モデルの使用方法に関し、PRポリペプチドと相互作用しうるアゴニストまたはアンタゴニストなどの物質を設計する。本発明はまた、関連ソフトウェア方法を特徴付ける。
【0005】
一の態様において、本発明は、プロゲステロン受容体ポリペプチドおよび非ステロイド性リガンドを含む、結晶タンパク質−リガンド複合体を特徴付ける。非ステロイド性リガンドは、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである。
【0006】
別の態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を含有するプロゲステロン受容体ポリペプチドおよび非ステロイド性リガンドを含む、結晶タンパク質−リガンド複合体を特徴付ける。結晶タンパク質−リガンド複合体は、少なくとも約3.5Åの分解能でX線を回折する。非ステロイドリガンドは、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである。
【0007】
別の態様として、本発明は、プロゲステロン受容体ポリペプチドおよび非ステロイド性リガンドを含有する結晶を含む組成物を特徴付ける。非ステロイド性リガンドは、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである。
【0008】
さらに別の態様として、本発明は、プロゲステロン受容体ポリペプチドと相互作用する物質を設計するための三次元モデルの使用を含む方法を特徴付ける。三次元モデルは、かかる受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ペプチドを含む。
【0009】
本発明の別の態様は、結晶複合体の三次元構造で理論的薬剤設計を行うことにより物質を選択することを含む方法を特徴付ける。複合体は、かかる受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドを含み、物質と受容体ペプチドを接触させ、かかるポリペプチドに結合する物質の能力を見出すことを含む。
【0010】
別の態様において、本発明は、プロゲステロン受容体ポリペプチドおよびかかるポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドを含む結晶を大きくする方法を特徴付ける。方法は、受容体ポリペプチドを非ステロイド性リガンドと接触させることを含み、得られた結晶を、少なくとも3.5Åの分解能のX線で回折することができる。
【0011】
本発明の別の態様は、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性を決定させるソフトウェアシステムを特徴付ける。ソフトウェアは、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取り、候補物質に関する情報を受け取るコンピュータシステムがもたらす命令を含む。結合特性の決定は、該受容体ポリペプチドの構造に関する情報および候補物質に関する情報に基づく。
【0012】
本発明の別の態様は、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性を決定させるコンピュータプログラムを特徴付ける。コンピュータプログラムは、複数の命令を含むコンピュータ可読媒体上に備わっている。1以上のプロセッサにより実行される場合、複数の命令をもたらし、1以上のプロセッサは、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取り、候補物質に関する情報を受け取る。結合特性の決定は、該受容体の構造に関する情報および候補物質に関する情報に基づく。
【0013】
別の態様において、本発明は、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性をモデリングするための方法を特徴付ける。方法は、ソフトウェアシステムを含み、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受容することにより結合特性をモデリングする。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性をモデリングするためのコンピュータプログラムを特徴付ける。コンピュータプログラムは、複数の命令を格納するコンピュータ可読媒体上に備わっている。命令が1以上のプロセッサにより実行される場合、プロセッサは、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取り、プロセッサは、候補物質とかかる受容体ポリペプチドの結合特性をモデリングする。
【0015】
別の態様において、本発明は、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性をモデリングするためのソフトウェアを特徴付ける。ソフトウェアシステムは、コンピュータシステムに、プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取らせ、かかる受容体ポリペプチドと候補物質の結合特性をモデリングさせる命令を含む。
【0016】
ポリペプチドの構造情報は、ポリペプチドがインビボでどのように機能するのかというより高い理解をもたらしうる。例えば、タンパク質の構造の知識は、タンパク質と他のタンパク質、エフェクター分子(例、ホルモン)、および核酸を含むそのリガンドの相互作用を促進する特性を示すことができる。プロゲステロン受容体の場合において、このような相互作用の理解は、リガンド(例、薬物)の設計または選択を促進することができ、インビボにおいてプロゲステロン受容体の活性の調節に有用であり、したがって、ヒトの治療に有用でありうる。構造に基づくモデリングは、PRポリペプチドと相互作用しうるリガンドを同定する手段となり得、したがって、多大な費用および時間がかかりうるスクリーニング試験において必要な手段を除外しうる。構造情報はまた、PRペプチドと相互作用する既知のリガンドの改変を導く手段となり得、より強力な結合またはより高い特異性などのより望ましい特性を有する代替のリガンドを創り出す。
【0017】
特に記載がない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明に関する当業者により一般に理解される意味と同様である。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および物質は、本発明の実施または試験において使用されうるけれども、有用な方法および物質を、下記する。物質、方法および実施例は単なる説明であって、限定を意図するものではない。本発明の他の特徴および利点は、添付図面および明細書、および特許請求の範囲から明らかであろう。全ての文献、係属中の特許出願および特許公報、引用出願の内容
は、出典明示により本明細書の一部とする。争いの場合において、定義を含む本明細書が対照となるであろう。
【0018】
(図面の簡単な説明)
図1Aは、ヒトPR−LBDに結合したタナプロゲトを示す電子密度図である。タナプロゲトのA、BおよびCの環は、指定される。タナプロゲトのベンゾオキサジン部分は、環BおよびCの形成である。
【0019】
図1Bは、ヒトPR−LBDに結合したタナプロゲトを示す電子密度図である。
【0020】
図2Aは、グアノシン−S−トランスフェラーゼ(GST)(下線以外の配列)と接合したヒトプロゲステロン受容体リガンド結合ドメイン(ヒトPR−LBD)(下線の配列)のアミノ酸配列を示す(配列番号1)。トロンビン開裂部位(LVPRG(配列番号3)、太字)は、GSTとPR−LBDの間の接合部で生じる。
【0021】
図2Bは、ヒトPR−LBDのアミノ酸配列を示す(配列番号2)。アミノ酸に、全長ヒトプロゲステロン受容体のアミノ酸配列にしたがって番号を付ける(図2C参照)。
【0022】
図2Cは、ヒトプロゲステロン受容体全長配列である(GenBank Accession Number NM_000926;配列番号4)。ヒトPR−LBDのアミノ酸は、下線部分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
非ステロイド性ホルモンのタナプロゲト(tanaproget)(IUPAC名:5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;タナプロゲトは米国一般名(USAN)である)に結合したヒトプロゲステロン受容体リガンド結合ドメイン(PR−LBD)の構造は、X線結晶学により決定され、本明細書に記載される。図1Aおよび1Bは、PR−LBD/タナプロゲト複合体の構造を示す電子密度図である。電子密度図は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの三次構造が、天然リガンド、プロゲステロンに結合したヒトPR−LBDの三次構造に非常に類似することを示す根拠を提供する。したがって、ヒトPR−LBD/タナプロゲト複合体の結晶構造(下記の表2参照)は、PR−LBDと相互作用しうる、例えば非ステロイド性リガンドなどの他のリガンドを設計または同定することに有用である。
【0024】
図2Aおよび2Bは、ヒトPR−LBDのアミノ酸配列に関する情報を提供し、図2Cは、PRの全長配列に関する情報を提供する。
【0025】
タナプロゲトの化学構造を、下記に示す。
【化1】

【0026】
一般に、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBD複合体を、要望どおりに調製することができる。いくつかの実施態様において、かかる複合体を、以下の通り調製することができる。ヒトPR−LBDを、DNAプラスミドから発現する。発現を、誘導プロモーターなどのプロモーターにより促進することができる。ヒトPR−LBDを、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、myc、HA、ヘキサヒスチジン、またはFLAGタグなどの適当なタグとの融合タンパク質として発現することができる。タグは、細胞からヒトPR−LBDの単離を容易にすることができる。融合タンパク質は、融合タンパク質中に設計されたプロテアーゼ部位で、例えば、ポリペプチドとタグの間の融合部位またはその近隣で開裂されうる。開裂および精製の後に、ヒトPR−LBDは、タナプロゲトと接触されうる。例えば、ヒトPR−LBDは、精製前に(例、ポリペプチドタグの開裂前に)タナプロゲトと合わせるか、またはヒトPR−LBDは、精製後にタナプロゲトと合わせることができる。いくつかの実施態様において、タナプロゲトは、精製前および精製後に再度ヒトPR−LBDと合わせることができる。
【0027】
ヒトPR−LBDおよびタナプロゲトを、ヒトPR−LBD/タナプロゲト複合体のスペクトルデータ、ヒトPR−LBD/タナプロゲト複合体のNMRデータを収集し、またはヒトPR−LBD/タナプロゲト複合体の結晶を成長させるための溶液中で合わせうる。例えば、ヒトPR−LBD/タナプロゲト複合体は、塩(例、ナトリウム塩)、ポリマー(例、ポリエチレングリコール(PEG))、および/または有機溶媒の存在下で結晶化しうる。結晶は、例えば、シッティングまたはハンギングドロップ蒸気拡散法などの様々な方法で成長しうる。一般に、結晶化は、約4℃から約60℃までの温度で(例、約4℃から約45℃まで、例えば、約4℃、約15℃、約18℃、約20℃、約25℃、約30℃、約32℃、約35℃、約37℃で)行われ得る。
【0028】
一般に、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの結晶は、約3.5Å以下の分解能(例、約3.2Å以下、約3.0Å以下、約2.5Å以下、約2.4Å以下、約2.3Å以下、約2.2Å以下、約2.1Å以下、約2.0Å以下、約1.9Å以下、約1.8Å以下、約1.7Å以下、約1.6Å以下、約1.5Å以下、約1.4Å以下)でX線を回折しうる。いくつかの実施態様において、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの結晶は、約1.6Åから約2.5Åまで(例、約1.8Åから約2.2Åまで)の分解能でX線を回折しうる。
【0029】
いくつかの実施態様において、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの結晶は、単位格子パラメーターがa=57.52Å、b=64.50Å、c=70.41Åおよびb=95.76°である、空間群P2に属する。特定の実施態様において、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの結晶はさらに、非対称単位においてヒトPR−LBDの2分子を含有しうる。結晶を記載する構造データを、例えば、X線回折により得ることができる。X線回折データを、様々な光源、X線の波長および検出器により収集することができる。いくつかの実施態様において、回転陽極およびシンクロトロン放射源(例、Advanced Light Source (ALS)、バークリー、カリフォルニア州;またはAdvanced Photon Source (APS)、アルゴンヌ、イリノイ州)を、X線の光源として使用しうる。特定の実施態様において、回折データの発生おけるX線は、約0.5Åから約1.6Åまで(例、約0.7Å、約0.9Å、約1.1Å、約1.3Å、約1.4Å、約1.5Å、または約1.6Å)の波長を有しうる。いくつかの実施態様において、面積検出器および/または電荷結合素子(CCDs)を、検出器として使用しうる。
【0030】
タナプロゲトに結合したヒトPR−LBD複合体の結晶のX線回折データは、かかる複合体の原子の構造座標を得るために使用されうる。構造座標は、デカルト座標であり、かかる複合体の他の原子に関する三次元空間における原子の位置を記載する。例えば、表2に記載の構造座標は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの結晶複合体の構造座標である。これらの構造座標は、相互に関するヒトPR−LBDの原子の位置、タナプロゲトにおける原子に関するヒトPR−LBDにおける原子の位置を記載する。複合体の構造座標は、数学的操作、例えば、反転または加法あるいは減法により調整されうる。そのようなものとして、構造座標は、相対座標である。例えば、タナプロゲトに結合したPR−LBDにおける原子の位置を記載する構造座標は、特に、表2の実際のx、yおよびz座標により制限されない。
【0031】
タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体の構造座標は、複合体の表示(例、二次元表示または三次元表示)、複合体の断片、PR−LBDまたはPR−LBDの断片を導くために用いられ得る。そのような表示は、例えば、ポリペプチドの活性部位の可視化、同定および特徴付けを含む多数の応用に有用であり得る。特定の実施態様において、三次元表示は、表2±アミノ酸のアルファ炭素原子についての根平均自乗変位の約1.5Å以下(例、約1.0Å以下、約0.5Å以下)のヒトPR−LBDの構造座標を含みうる。根平均自乗変位は、平均からの偏差の二乗の算術平均の平方根であり、構造座標からの偏差もしくは差異を表す一の方法である。アミノ酸の保存的置換(下記の記述参照)は、規定の根平均自乗変位内の構造座標を有する分子表示をもたらしうる。例えば、保存的アミノ酸置換により相互に異なるポリペプチドの二分子モデルは、約1.5Å未満(例、約1.0Å未満、約0.5Å未満)などの規定のrms偏差内の骨格原子の座標を有しうる。ポリペプチドの骨格原子は、アルファ炭素(CαまたはCA)原子、カルボニル炭素(C)原子、およびアミド窒素(N)原子を含む。
【0032】
様々なソフトウェアプログラムは、一連の構造座標のグラフィック表示を可能とし、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体またはその断片の表示を得る。一般に、そのような表示は、構造座標または特徴間の距離または角度などの構造座標に由来する情報を(相対的および/または絶対的に)正確に反映すべきである。いくつかの実施態様において、かかる表示は、立体的二次元図などの二次元図である。特定の実施態様において、かかる表示は、双方向性立体的二次元表示などの双方向性二次元表示である。双方向性二次元表示は、例えば、ポリペプチドの異なる側面を示すために回転しうるコンピュータ表示、ポリペプチドの断片、複合体および/または複合体の断片であり得る。いくつかの実施態様において、かかる表示は、三次元表示である。一例として、三次元モデルは、分子構造の物理的モデルであり得る(例、ball−and−stickモデル)。別の例として、三次元表示は、分子構造のグラフィック表示であり得る(例、コンピュータ表示上の図面または図形)。二次元表示が三次元情報を反映する場合、例えば、遠近法、陰影付けを用いて、または観察者から遠くにある特徴を観察者に近い特徴で遮ることを介する場合、二次元グラフィック表示(例、図面)は、三次元表示に対応しうる。いくつかの実施態様において、表示を、ワンランク上でモデル化しうる。一例として、三次元表示が、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体などのポリペプチドを含む場合、かかるポリペプチドを、1以上の異なるレベルの構造、例えば、一次構造(アミノ酸配列)、二次構造(例、α−へリックスおよびβ−シート)、三次構造(全体的に折り畳まれた)および四次構造(オリゴマー状態)で表示しうる。表示は、細部の異なるレベルを含みうる。例えば、表示は、原子の位置を特定することなくタンパク質の二次構造の特徴の相対的位置を含みうる。より詳細な表示は、例えば、原子の位置を含みうる。
【0033】
いくつかの実施態様において、表示は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体における原子の構造座標を加えた情報を含みうる。例えば、表示は、溶媒接触可能表面の形状、モデルの原子のファン・デル・ワールス半径および溶媒(例、水)のファン・デル・ワールス半径に関する情報を提供しうる。表示から得られることができる他の特徴は、例えば、静電電位、巨大分子構造中の空間またはポケットの位置および水素結合および塩橋の位置を含む。
【0034】
ヒトPR−LBDと相互作用する物質は、ヒトPR−LBDの表示またはその断片、あるいはタナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体またはその断片を用いることを含む方法により同定または設計されうる。典型的な表示の種類は、上記に記載の表示を含む。いくつかの実施態様において、表示は、類似ポリペプチド、ポリペプチド断片、複合体または複合体の断片でありうる。該表示と相互作用する候補物質は、該表示と候補物質のコンピュータ適合解析を実行することにより設計または同定されうる。一般に、物質は分子である。物質の例として、ポリペプチド、核酸(DNAまたはRNAを含む)、ステロイドおよび非ステロイド性有機化合物が挙げられる。物質は、リガンドであり得、アゴニストまたはアンタゴニストとして作用しうる。ポリペプチド(例、PRポリペプチド)と相互作用する物質は、一時的または安定してポリペプチドと相互作用する。相互作用は、例えば、水素結合、静電気力、疎水性相互作用、ファン・デル・ワールス相互作用を含む本明細書に記載の力により介在されうる。
【0035】
上記の記載として、X線結晶学は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体の構造座標を得るために用いられうる。しかしながら、そのような構造座標を、NMR法を含む他の技法を用いて得ることができる。さらに構造情報を、スペクトル法(例、旋光分散(ORD)、円偏光二色性(CD))、ホモロジーモデリングおよびコンピュータ方法(例、分子力学から得たデータを含みうるコンピュータ方法、力学実験から得たデータを含むコンピュータ方法)から得ることができる。
【0036】
いくつかの実施態様において、X線の回折データは、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体またはその断片の電子密度図を作成するために用いられ、電子密度図は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDまたはその断片の表示(例、二次元表示、三次元表示)を得るために用いられ得る。電子密度図の作成は、典型的には、X線散乱の位相に関する情報を用いることを含む。位相情報は、例えば、回折データまたは電子密度図の作成を完成するための補足的な回折実験のいずれかから引き出されうる。X線回折データから位相を算出するための方法は、例えば、多波長異常分散(MAD)、多重同形置換(MIR)、異常分散に用いる多重同形置換(MIRAS)、異常分散を用いる単一同形置換(SIRAS)、逆格子空間溶媒平坦化(reciprocal space solvent flattening)、分子置換またはその組み合わせを含む。これらの方法は、天然タンパク質に同形の構造的修飾を行うこと、例えば、重原子を含むか、または既存の重原子の散乱強度を変化させ、次いで、天然タンパク質および修飾した場合それぞれについて回折振幅を測定することにより、位相情報を生じる。さらなる重原子の位置またはその散乱強度における変化が知られているならば、次いで、一連の位相についての連立方程式(simultaneous phase equation)を解くことにより、回折された各X線の位相を決定し得る。重原子部位の位置は、コンピュータプログラム、例えば、SHELXS(Sheldrick,Institut Anorg.Chemie,Goettingen,Germany)を用いて同定され得、回折データを、コンピュータプログラム、例えば、MOSFLM、SCALA、SOLOMONおよびSHARPを用いて処理し得る(「The CCP4 Suite:Programs for Protein Crystallography」,Acta Crystallogr.Sect.D,54:905−921,1997;deLa Fortelle and Brigogne,Meth.Enzym.276:472−494,1997)。位相が決定されると、ポリペプチドおよび複合体の電子密度図が作成され得る。
【0037】
電子密度図は、ポリペプチドまたは複合体の表示あるいはポリペプチドまたは複合体の断片を得るために用いられ得、既知のポリペプチドまたは既知の複合体(例、リガンドに結合したポリペプチドを含む複合体)の三次元モデルを電子密度図に合わせた。この段階では、程度を示す比較モデルをもたらし、計算された電子密度図は、既知のポリペプチドまたは既知の複合体のモデルと異なる。続いて、比較モデルは、1以上のサイクル(例、2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル)にわたって絞り込み、電子密度図とより良い適合を生じるCNS(Brunger et al.,Acta Crystallogr.D54:905−921,1998)などのソフトウェアプログラムは、モデルを絞り込むために用いられうる。比較モデルにおける適合の質は、例えば、RworkまたはRfree値により測定されうる。一般に、より小さなRworkまたはRfree値は、より良い適合を示す。比較モデルにおけるミスアラインメントは、修正した比較モデルおよびより低いRworkまたはRfree値を提供するために調整されうる。調整は、ヒトPR−LBD、タナプロゲト、既知のポリペプチドおよび/または既知の複合体に関する情報(例、配列情報)に基づきうる。一例として、リガンドに結合したポリペプチドの既知の複合体のモデルを用いる実施態様において、調整は、タナプロゲトを既知の複合体におけるリガンドで置換することを含みうる。別の例として、特定の実施態様において、調整は、ヒトPR−LBDの対応する部位におけるアミノ酸で既知のポリペプチドにおけるアミノ酸を置換することを含みうる。修正した比較モデルの調整が電子密度図の最良適合を満たす場合、得られたモデルは、X線データから得たポリペプチドまたは複合体を記載するために決定される(例、PR−LBD/タナプロゲト複合体)。そのような過程の方法は、例えば、CarterおよびSweet,eds.,「Macromolecular Crystallography」in Methods in Enzymology,Vol.277,Part B,New York:Academic Press,1997、およびその引用文献、例えば、JonesおよびKjeldgaard,「Electron−Density Map Interpretation」,p.173、ならびにKleywegtおよびJones,「Model Building and Refinement Practice」,p.208において開示されている。
【0038】
いくつかの実施態様において、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの表示は、ヒトPR−LBDに結合したプロゲステロンの以前決定した構造モデル(例、Protein Databank Identification No.1a28)をX線回折データから得たタナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの電子密度図で調整することにより選択されうる。モデリング過程において用いられ得る一の調整は、プロゲステロンをタナプロゲトで置換することを含みうる。
【0039】
コンピュータなどの機械は、機械に連結されたディスプレー上に構造座標のグラフィック表示を作成しうるプログラムと共に、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体の構造座標を用いてメモリー中にプログラミングされうる。別法または追加的に、ソフトウェアシステムは、構造座標を受け取り、格納するために設計および/または利用されうる。ソフトウェアシステムは、構造座標のグラフィック表示を作成することができる。ソフトウェアシステムはまた、ヒトPR−LBDと同様の構造的特徴を有する化合物(例、ポリペプチド)を同定し、および/またはヒトPR−LBDと相互作用する可能性がある候補物質(複数でも可)をレンダリングすることができる特性を有する1以上の候補物質を同定するために、外部データベースにアクセスすることができる。
【0040】
構造データを有するメモリーを有する機械または該データを有するソフトウェアシステムは、PRアゴニストおよび/またはPRアンタゴニストの理論的設計または選択に有用であり得る。例えば、そのような機械またはソフトウェアは、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体に付随する物質の能力の評価に有用であり得、PR−LBDの構造または配列ホモロジーに関する化合物またはタンパク質のモデリングに有用であり得る。
【0041】
機械は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体またはその断片の表示(例、二次元表示、三次元表示)をもたらしうる。ソフトウェアは、例えば、かかる情報を機械に作成させることができる。機械は、機械可読データでコードされたデータ格納マテリアルを含む機械可読データ格納媒体を含みうる。機械可読データは、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体またはその断片の原子の構造座標を含みうる。機械可読格納媒体(例、データ格納マテリアル)は、例えば、慣用的なコンピュータのハードドライブ、フロッピーディスク、DATテープ、CD−ROM、DVDおよび他の磁気、光磁気、光媒体および機械(例、コンピュータ)との使用に適合させてもよい他の媒体を含む。機械はまた、機械可読データを処理するための命令の格納における作業メモリー、ならびに作業メモリーおよび好ましい三次元表示中に機械可読データ格納媒体に連結した中央演算処理装置(CPU)を有しうる。ディスプレーは、三次元表示を使用者が見ることができるようにCPUに連結しうる。したがって、データを用いるための命令がプログラミングされた機械(例、本明細書に記載した種類の1以上のプログラムを搭載したコンピュータ)を用いる場合、機械は、本明細書に記載のポリペプチド、ポリペプチド断片、複合体または複合体断片のグラフィック表示(例、二次元グラフィック表示、三次元グラフィック表示)を表示しうる。
【0042】
ディスプレー(例、コンピュータディスプレー)は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体またはその断片を表示しうる。使用者は、表示を調べ、表示から得た情報を用いて、タナプロゲト以外の物質を含む複合体またはその断片のモデルを生成することができる。かかるモデルは、例えば、ヒトPR−LBD/タナプロゲト複合体の従来の表示を変換することにより生成させることができる。所望により、使用者は、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの表示上に物質の三次元モデルを重ね合わせうる。物質は、ヒトPR−LBDのアゴニスト(例、候補アゴニスト)またはヒトPR−LBDのアンタゴニスト(例、候補アンタゴニスト)であり得る。いくつかの実施態様において、物質は、既知化合物または化合物の断片であり得る。特定の実施態様において、物質は、これまで知られていない化合物、またはこれまで知られていない化合物の断片であり得る。
【0043】
物質が、活性部位の形状を補完する形状を有することは、好ましいであろう。物質の原子とPRポリペプチドの原子間には好ましい距離、または距離の範囲があり得る。好ましい距離より長い距離は、物質と活性部位(例、ヒトPR−LBD)の間の弱い相互作用と関連しうる。好ましい距離より短い距離は、物質とポリペプチドの間の相互作用を弱めうる斥力と関連しうる。原子間距離が短すぎる場合、立体的衝突が起こり得る。2個の原子の位置が不当に相互に接近する場合、例えば、2個の原子がそれらのファン・デル・ワールス半径の合計未満の距離で離れている場合、立体的衝突が起こる。立体的衝突が存在する場合、使用者は、立体的衝突が取り除かれるまで、PRポリペプチドに関する物質の位置を調整しうる(例、物質の剛体の並進または回転)。使用者は、物質または立体的衝突を取り除くために物質の近接のPRポリペプチドの構造を調整しうる。立体的衝突はまた、物質の構造を改変すること、例えば、芳香族環などの「巨大な基」をメチルまたはヒドロキシル基などのより小さな基に変換すること、またはリジッドな基を、立体的衝突を生じない立体構造を与えうるフレキシブルな基に変換することにより取り除かれうる。静電気力はまた、物質とリガンド結合ドメインの間の相互作用に影響しうる。例えば、静電的性質は、斥力に関連し、物質とPRポリペプチドの間の相互作用を弱めうる。静電反発力は、物質の電荷を変化させることにより、例えば、正に荷電した基を中性の基に変換することにより取り除かれうる。
【0044】
タナプロゲトとヒトPR−LBDの間の結合活性に影響を与える力は、ポリペプチド/物質モデルにおいて評価されうる。これらは、例えば、水素結合、静電気力、疎水性相互作用、ファン・デル・ワールス相互作用、双極子−双極子相互作用、π−スタッキング力およびカチオン−π相互作用を包含しうる。使用者は、視覚的にこれらの力を、例えば、水素結合に適当な距離および角度で配置した水素結合供与体/受容体対に留意することにより評価しうる。該評価に基づいて、使用者は、PRポリペプチドと物質の間のより有利な相互作用を見出すためにモデルを改変しうる。該モデルを改変することは、該化学構造を改変することなく、例えば、アミノ酸の側鎖の構造または骨格のねじれ角を改変することによりポリペプチドの三次元構造を変換することを包含しうる。該モデルを改変することは、上記に記載の物質の位置または構造を改変することを包含しうる。該モデルを改変することはまた、例えば、基を置換すること、付加することまたは除去することにより物質の化学構造を改変することを包含しうる。例えば、PRポリペプチド上の水素結合供与体が、物質上の水素結合供与体近接に位置する場合、使用者は、物質上の水素結合供与体を水素結合受容体に置換しうる。
【0045】
物質とPRポリペプチドの相対的位置またはその構造は、PRポリペプチドに対する特定の物質の最適化結合構造を見出すために調整されうる。最適化結合構造は、例えば、好ましい水素結合距離および角度、最大静電気引力、最大静電反発力、水性環境からの疎水性部分の隔離および立体的衝突の非存在により特徴付けられる。最適化構造は、PRポリペプチド/物質複合体における一群の可能な構造の中で算出された最低エネルギーを有しうる。最適化された構造は、例えば、分子力学または分子動力学計算を通じて決定されうる。
【0046】
タナプロゲトが異なった物質と置換または重ね合わされる、タナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの複合体の一連の表示が、作成されうる。スコアは、各表示において算出されうる。かかるスコアは、例えば、ヒトPR−LBDと物質の間の相互作用の期待した活性を示しうる。スコアは、結合活性に影響を与える上記に記載の一つの因子を示しうる。該スコアは、一つ以上の因子を示す総スコアでありうる。異なる物質は、それらのスコアにしたがって順位を付けられうる。
【0047】
物質の設計における工程は、機械により自動化方法にて実行されうる。例えば、PR−LBDの表示は、候補物質の表示と共に、機械にプログラミングされうる。かかる機械は、活性部位に対する各候補物質の最適化結合構造を見出し、スコアを計算し、一連の物質のうち、どの物質がヒトPR−LBDと最も強力に相互作用する可能性があるかを決定しうる。
【0048】
ソフトウェアシステムは、これらの工程を促進するために設計および/または実行されうる。かかる三次元モデルを作成するか、または必要な適合解析を実行するために用いられるソフトウェアシステム(例、コンピュータプログラム)は:Accelrys,Inc.(San Diego,CA)からのMCSS、Ludi、QUANTA、Insight II、Cerius2、CHARMmおよびModeler;TRIPOS,Inc.(St.Louis,MO)からのSYBYL,Unity,FleXXおよびLEAPFROG;AUTODOCK(Scripps Research Institute,La Jolla,CA);GRID(Oxford University,Oxford,UK);DOCK(University of California,San Francisco,CA);ならびにFlo+およびFlo99(Thistlesoft,Morris Township,NJ)を含むが、これに限定されるわけではない。他の有用なプログラムは、Openeye Scientific Software(Santa Fe,NM)からのROCS,ZAP,FRED,VidaおよびSzybki;Schrodinger,LLC(Portland,OR)からのMaestro,MacromodelおよびGlide;MOE(Chemical Computing Group,Montreal,Quebec),Allegrow(Boston De Novo,Boston,MA),CNS(Brunger,et al.,Acta Crystall.Sect.D54:905−921,1997)ならびにGOLD(Jones et al.,J.Mol.Biol.245:43−53,1995)を含む。構造座標はまた、MOLSCRIPT,RASTER3DまたはPYMOL(Kraulis,J.Appl.Crystallogr.24:946−950,1991;BaconおよびAnderson,J.Mol.Graph.6:219−220,1998;DeLano,The PYMOL Molecular Graphics System(2002)DeLano Scientific,San Carlos,CA)を用いてPKCθの三次元構造を可視化するために用いられうる。
【0049】
アゴニストまたはアンタゴニストのいずれかの物質は、例えば、適当なデータベースをスクリーニングすることにより選択され、適当なソフトウェアシステムと連動して非結合ヒトPR−LBDの立体配置および電荷電位を解析することにより新たに設計され、および/またはプロゲステロン受容体または他のホルモン受容体の既知のアゴニストまたはアンタゴニストの特性を用いて設計されうる。かかる方法は、ヒトPR−LBDのアゴニストまたはアンタゴニストを設計または選択するために用いられうる。ソフトウェアシステムは、データベース検索、および/または物質の選択および設計を促進するために設計および/または実行されうる。
【0050】
物質が設計または同定された時点で、それを入手または合成してもよく、さらにヒトPR−LBD活性に対するその効果を評価してもよい。例えば、物質は、ヒトPR−LBDと物質を接触させることおよびポリペプチド活性に対する物質の効果を測定することにより評価されうる。物質を評価するための方法は、インビトロまたはインビボで行われる活性アッセイを含みうる。活性アッセイは、例えば、細胞に基づいたアッセイであり得る。ヒトPR−LBDに対する物質の活性によれば、物質は、ヒトPR−LBD活性のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用しうる。物質はまた、物質がプロゲステロンとポリペプチドの結合を阻害するかどうかを決定するためにプロゲステロン存在下にてポリペプチドと接触されうる。同定された物質に結合したヒトPR−LBDを含有する結晶は、成長し得、かかる構造はX線結晶学により決定した。第二物質は、ヒトPR−LBDと第一物質の相互作用に基づいて設計または同定されうる。
【0051】
様々な分子分析および理論的薬剤設計の技法は、例えば、米国特許第5,834,228号、第5,939,528号および第5,856,116号ならびにPCT出願番号PCT/US98/16879、公報WO99/09148においてさらに開示されている。
【0052】
特定の実施態様を記載するが、他の実施態様も考えられる。
一例として、ヒトPR−LBDおよびタナプロゲトを含む実施態様が記載されているが、本明細書の記載は、より一般に、PRポリペプチドおよび非ステロイド性リガンドを対象とする。
【0053】
PRポリペプチドは、PRポリペプチドのアイソフォームの全長アミノ酸配列を含有する、全長の成長したポリペプチドでありうる。アイソフォームは、一次構造が異なるタンパク質の様々な多型のいずれかである。例えば、ヒトプロゲステロン受容体は、少なくとも2個のアイソフォーム、Pr−B(全長PR)およびPr−A(N−末端切断PR)で存在する。2個のアイソフォームは、単一遺伝子から転写されるが、異なる転写開始部位を有する。したがって、アイソフォームは、Pr−Bがさらに164のN末端アミノ酸を含有することを除いて同一である。アイソフォームは、同一中心部のDNA結合ドメインを有し、転写活性機能−1(AF−1)ドメインのN末端、および核局在化シグナルおよびリガンド結合ドメイン(PR−LBD)を含有するヒンジ領域のC末端の側面に位置する。第二転写活性機能ドメイン(AF−2)は、PR−LBD中に位置する。
【0054】
PRポリペプチドは、リガンド結合ドメイン、DNA結合ドメイン、タンパク質相互作用ドメイン(例、活性化ドメイン)またはその組み合わせなどのPRの断片でありうる。
【0055】
PRポリペプチドは、活性部位を有しうる。一般に、活性部位は、リガンド結合部位またはリン酸化、グリコシル化、アルキル化、アシル化もしくは他の共有結合修飾の部位を含みうる。リガンド結合部位は、リガンドとの相互作用における活性に影響を及ぼしてもよい実際の結合部位と隣接または近接する付属結合部位を含みうる。PRポリペプチドの活性部位は、配列番号2のアミノ酸を含有しうる。例えば、PRポリペプチドの活性部位は、配列番号2に記載のIle699、Ala701、Leu714、Leu715、Leu718、Asn719、Leu721、Gln725、Trp755、Met756、Met759、Val760、Leu763、Arg766、Ser767、Tyr777、Phe778、Ala779、Leu782、Phe794、Leu797、Lys798、Met801、Ile804、Leu887、His888、Tyr890、Cys891、Asn893、Thr894、Phe895、Ser898、Leu901、Val903、Phe905、Met909、Ile913およびLeu917の1以上のアミノ酸を含有しうる。
【0056】
PRポリペプチドのアミノ酸の番号は、本明細書に記載のものと異なっていてもよく、PRポリペプチドの配列は、同様の三次元構造をもたらす特定の保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。例えば、PR−LBDの番号は、図2Bに記載のものと異なっていてもよく、PR−LBDの配列は、保存的アミノ酸置換を含むが、表2の座標に記載され、図1Aおよび1Bに示されるような同様の構造をもたらしてもよい。他のアイソフォームまたは類似体における類似アミノ酸および保存的置換は、関連アミノ酸配列の目視検査または商業的に入手可能なホモロジーソフトウェアプログラム(例、MODELLAR、MSI、San Diego、CA)の使用により容易に同定される。
【0057】
類似体は、保存的アミノ酸置換を有するポリペプチドである。保存的置換は、1個のアミノ酸を、同様の極性、立体配置を有するか、または同じクラス(例、疎水性、酸性または塩基性)に属する別のものに置換することを含み得、ポリペプチド(例、PR−LBD)と相互作用する物質の同定および設計ならびに分子置換分析および/またはホモロジーモデリングに関して、PRポリペプチドの三次元構造に対して重要でない効果を有する置換を含む。
【0058】
PRポリペプチドは、非哺乳類または哺乳類に由来しうる。哺乳類のPRポリペプチドは、例えば、ヒト由来でありうる。典型的なヒト以外の哺乳類は、ヒト以外の霊長類(サルまたは類人猿など)、マウス、ラット、ヤギ、雌牛、雄牛、豚、馬、羊、イノシシ、ラッコ、猫および犬を含む。典型的な非哺乳類は、ニワトリ、七面鳥、エビ、アリゲータおよび魚を含む。
【0059】
別の例として、実施態様はタナプロゲトがリガンドであると記載されているが、より一般的な他の非ステロイド性化合物もリガンドとして用いてもよい。例えば、結晶複合体の構造から得られたタナプロゲトに結合したヒトPR−LBDの表示に基づいて、学説に制約されることなく:タナプロゲトのカルボニトリロ窒素は、ヒトPR−LBDのGln725およびArg766の側鎖と水素結合を形成し;タナプロゲトのベンゾオキサジン窒素は、ヒトPR−LBDのAsn719の側鎖の酸素と水素結合を形成し;疎水性相互作用は、ヒトPR−LBDのLeu797とタナプロゲトの(4位中に対のメチル置換基を含有する)ベンゾオキサジン部の疎水性領域の間に生じ;および静電相互作用は、ヒトPR−LBDのThr894とタナプロゲトの硫黄の間に生じることが考えられる。
【0060】
この情報に基づいて、学説に制約されることなく、ヒトPR−LBDとの1以上の同様の相互作用を有しうる他の非ステロイド性化合物はまた、ヒトPR−LBDにおけるリガンド(例、アゴニスト、アンタゴニスト)として作用してもよいと考えられる。そのような非ステロイド性化合物は、構造式:
【化2】

[式中、A,BおよびCは環系を意味し、BおよびCは縮合した環であり、Lはリンカー部分である]
を有していてもよい。
【0061】
一般に、環A、BおよびCは、各々独立して、少なくとも4原子(例、5原子、6原子、7原子、8原子、9原子、10原子、11原子、12原子、13原子、14原子)にて形成される。環A、Bおよび/またはCにおける1以上の原子(例、1原子、2原子、3原子、4原子、5原子)は、独立して、ヘテロ原子(例、N、S、O)であり得る。いくつかの実施態様において、環BおよびCは、インドール、オキシインドール、チオインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサジンまたはベンズチアジン(benzthiazine)を形成する。一の実施態様において、環BおよびCは、4位に少なくとも1個の疎水性置換基を有しうるベンゾオキサジン環を形成しうる。別の実施態様において、ベンゾオキサジン環は、4位の近隣、例えば、5位に少なくとも1個の疎水性置換基を有しうる。ベンゾオキサジン誘導体は、例えば、米国特許第6,562,857号に記載されており、これを出典明示により本明細書の一部とする。環Aは、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾールまたはフェニルでありうる。いくつかの実施態様において、環A、Bおよび/またはCは、各々独立して、1以上(例、1、2、3、4)の置換基(例、例えば、水素結合、疎水性相互作用および/または静電相互作用などを介してヒトPR−LBDとの好ましい相互作用を提供する1以上の置換基)を含有しうる。置換基の例として、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、オキシム基、チオール基、アミド基、オキソ基、アルキル基例、1−6個の炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基、例、2−6個の炭素原子を有するアルケニル基、アルキニル基、例、2−6個の炭素原子を有するアルキニル基、アリール基、例、6−20個の環炭素原子を有する芳香族炭素環式単環式または多環式環系、シクリル基、例、3−14個の環原子を有する飽和されたまたは部分的に飽和された単環式または多環式炭素環式環系、ヘテロアリール基、例、5−14個の環原子を有し1、2、3または4個の環原子がN、OまたはSから選択される芳香族複素環単環式または多環式環系、ヘテロシクリル基、例、3−14個の環原子を有し1、2、3または4個の環原子がN、OまたはSから選択される飽和されたまたは部分的に飽和された単環式または多環式複素環系ならびにハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)が挙げられる。いくつかの実施態様において、置換基自体は、ヒトPR−LBDとの水素結合供与体または受容体であってもよいが、他の実施態様において、置換基は、水などの1以上の溶媒分子を介してヒトPR−LBDの一部と水素結合を形成してもよい。
【0062】
一般に、Lは直接の化学結合であり得、またはLは、例えば、アルキル部、例、1−6個の炭素原子を有するアルキル部、アルケニル部、例、2−6個の炭素原子を有するアルケニル部、アルキニル部、例、2−6個の炭素原子を有するアルキニル部、エーテル部、チオエーテル部、アミド部、カルボニル部またはスルホニル部などの化学的基の形状を成しうる。いくつかの実施態様において、Lは、複数の基(例、アルキル部と結合したスルホニル部)の形状を成しうる。
【0063】
実施態様は、非ステロイド性化合物が一緒になって縮合した環BおよびCを含有すると記載されているけれども、いくつかの実施態様において、環BおよびCは、化学的リンカーにより結合されうる。例えば、環Bは、環Aと環Cが結合するリンカー部分で置換されうる。リンカーの例は、上記に記載されている。特定の実施態様において、環Bは存在しない。例えば、環Bは、環Aと環Cが結合するリンカー部分と置換されうる。リンカー部分は、例えば、環AとヒトPR−LBDの片側または両側のGlu725またはArg766の間の好ましい相互作用を可能とする十分な長さでありうる。例えば、環Bは、分岐アルケンなどのアルケニルリンカーと置換され得、十分な長さ、構造的硬直性および好ましい体積を提供しうる(例、リンカー部分は分岐アルケニル部分を含有しうる)。
【0064】
下記の実施例は本発明を説明するものであって、限定を意図するものではない。
【実施例】
【0065】
ヒトプロゲステロンリガンド結合ドメイン(PR−LBD)を、大腸菌BL21(ストラタジーン)からアミノ末端グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質として発現した。PR−LBDドメインコード配列を、tac転写制御の下で、pGEXプラスミド(Amersham Pharmacia Biotech)中にクローニングした。トロンビン開裂部位(LVPRG、配列番号3)は、GSTとPR−LBD領域の境界に存在した(トロンビンはRとGの間で開裂する)。該融合タンパク質の配列を、図2Aに示す。トロンビン開裂後のPR−LBDポリペプチドの配列を、図2Bに示す。
【0066】
細菌増殖およびタンパク質発現を、Biostat10リットル発酵槽(B.Braun Biotech)で行った。100mlの前処理培養物を、10リットルの培地(発酵槽塩、グルコース、アンピシリン、微量金属および酵母エキス培地)に植菌するために用い、25℃で一晩膨張させた。誘導15分前に、容器温度を15℃に下げ、100%エタノール中5mlの66mMプロゲステロン(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を添加した。培養物を、イソプロピル−ベーター−D−チオガラクトピラノシド(IPTG、Fisher)を添加して5.4 OD600の吸収単位の濃度で誘発し、最終濃度を1.0mMとした。プロゲステロンを、発現中の誘導期間およびその後15分毎に66mMを5mlに小分けして再度添加した(全4時間、プロゲステロン最終濃度660μM)。誘導の4時間後、湿った細胞の重さとして158.76gの収量で培養物を集菌した。SDS−PAGEで予測した場合、関連タンパク質は、全細胞タンパクの5−7%を示した。PR−LBDの単離の成功は、発現(適当なタンパク質の折り畳みを確実にすると考えられる)および精製中のPRリガンドの介在に強く依存する。例えば、Williams and Sigler,Nature 393:392−396,1998;Tanenbaum et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:5998−6003,1998;およびMatias et al.、J.Biol.Chem.275:26164−26171,2000参照。タナプロゲトを、精製中プロゲステロンと交換した。
【0067】
20gの凍結細胞を、0.33mMのプロテアーゼ阻害剤フッ化アミノエチルベンゼンスルホニル(AEBSF、Sigma−Aldrich)、0.3mLのプロテアーゼ阻害剤カクテル(cocktail)(Sigma−Aldrich catalog number 8849)および5μMプロゲステロン(プロゲステロンを、ジメチルスルホキシド中50mMストック溶液として保存)と、300mLのpH7.3の50mM HEPES、150mM NaCl、5mM EDTA、10%グリセロール、5mMジチオスレイトール(DTT)中で懸濁した。細胞を、マイクロフルイダイザー(microfluidizer)(Midrofluidics、Newton、MA)に通して破砕した。細胞残屑および凝集GST/PR−LBDを、約40,000gで2.5時間遠心分離により除去した。CHAPS(Sigma)を1.5%に添加し、溶液を、0.45ミクロンセルロース硝酸塩フィルターに通し、一晩保存した。
【0068】
GST/PR−LBD融合タンパク質の最初の精製を、アフィニティークロマトグラフィーにより行った。濾過した溶液を、約1mL/分の流速でGSTrap FF グルタチオン−セファロースクロマトグラフィー培地(Amersham Bioscience)の2個の5mLカラムに(直列で)通した。樹脂を、50mLのpH7.3の50mM HEPES、150mM NaCl、5mM EDTA、10%グリセロールで、次いで、50μMタナプロゲトを含有する50mLの同様の溶液で洗浄した。GST/PR−LBDを、pH7.3の50mM HEPES、100mM NaCl、10%グリセロール、0.1%オクチル−β−グルコシドおよび50μMタナプロゲト中12mM還元グルタチオン(Sigma)で溶出した。5mLのフラクションを収集した。GST/PR−LBDを含有するこれらのフラクションを、SDS−PAGEにより同定し、プールした。典型的なプールしたフラクションは、全容量30−40mLを有した。トロンビンを、25,000 NIH 単位/mLに添加した。溶液を、特定のタンパク質分解のために一晩インキュベートした。
【0069】
溶液を、4容量のpH7.3の10mM HEPES、10%グリセロール、5mM DTT、0.1%オクチル−β−グルコシドおよび50μMタナプロゲトで希釈した。溶液を、1mL/分の流速でHiTrap SP FFスルホプロピル−セファロース(Amersham Bioscience)の1mLカラムに通した。カラムを、5mLのpH7.3の10mM HEPES、20mM NaCl、10%グリセロール、0.1%オクチル−β−グルコシドおよび1μMタナプロゲトで洗浄した(タナプロゲトを、ジメチルスルホキジド中50mMストック溶液として保存した)。PR−LBDを、15mLの塩化ナトリウムの20mMから220mMの勾配(他の成分は上記の通り)でカラムから溶出した。1mLのフラクションを収集し、PR−LBDをSDS−PAGEにより特定し、1ないし2mg/mLの濃度でPR/LBDを含有するこれらのフラクションを結晶化に直接用いた。
【0070】
結晶化前に、PR−LBD/タナプロゲト複合体を、SDS−PAGEにより同種であると決定した。MALDI質量分析(〜29,800Da)により決定すると、タンパク質は予測した質量を有していた。タンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィー中に、一種類として作用した。保持容積を比較タンパク質と比較すると、PR−LBD二量体と一致した。見出したプロゲステロンではなくPR−LBD/タナプロゲト複合体のこれらの調製のみを、結晶化に用いた。結合リガンドを、グアニジン−HClの存在下、タンパク質変性にしたがって逆相クロマトグラフィーにより分析した。
【0071】
結晶を、18℃でハンギングドロップ蒸気拡散法により成長させた。2.0μLのタンパク質ストック溶液(5mg/mLタンパク質、pH7.3の10mM HEPES、10%グリセロール、5mM DTT、〜100mM NaCl、0.1%オクチル−β−グルコシド、1μMタナプロゲト)を含有したドロップを、1.0μLウェル溶液(8%PEG 3350(Hampton Research)、300mM MgSO、pH6.5の50mM PIPES、10%グリセロール)および0.5μLの1,3−プロパンジオール(40%v/v、Hampton Research)と合わせ、1mLウェル溶液に対して平衡化した。ダイヤモンド型結晶は2−6週で成長し、直径〜50μmを測定した。
【0072】
多数の小結晶は、様々な硫酸塩と上記に記載の条件にて成長させた。核形成現象の数は、ドロップに1,3−プロパンジオール(40%v/v)を添加すると減少され、より少なく、より大きい単結晶に成長させることを可能にした。結晶は、単位格子パラメーターa=57.52Å、b=64.50Å、c=70.41Åおよびβ=95.76°の空間群P2に属し、ならびに44%の溶媒容量を含む非対称ユニットでPR−LBDの2分子を含有していた。結晶を、20%エチレングリコールおよび80%ウェル溶液の抗凍結剤溶液を通して取り出し、液体窒素で急速に冷却した。回折データを、R軸4検出器(R−axis 4 detector)に記録した。強度を統一し、プログラムDenzoおよびScalepack(OtwinowskiおよびMinor、Methods Enzymol.276:307−326、1997)を用いて測定した。
【0073】
構造を、探索モデルとしてPR−LBD/プロゲステロン構造のタンパク質モデル(WilliamsおよびSigler、Nature 393:392−396、1998)を用いて分子置換により解いた。CNS(Brunger et al.、Acta Crystallogr.D54:905−921、1998)および改良モデルを用いて改良の多数の反復性サイクルに付した後、タナプロゲトは置かれ、改良された。RworkおよびRfreeの最終値は、各々、19.62%および23.74%であった。表1は、データ収集パラメーターおよび結果を要約する。
【表1】

【0074】
改良モデルは、結晶の非対称ユニットにおいて2個のPR−LBD分子を含有し、各々1個のアゴニストと結合していた。タナプロゲトは、埋まった疎水性リガンド結合ポケットにフィットし、プロゲステロンとほぼ同一の領域を占有する。
【0075】
核内受容体リガンド結合ドメインの本質的特性は、PR−LBD中に保存された。10個のへリックス(標準ステロイド受容体用語にしたがって、へリックス2は欠落しており、へリックス10および11は連続している)があり、へリックス3、5、7、11および12はリガンド結合ポケットに寄与した。結晶における2個のPR−LBD分子は、一のサブユニットのへリックス11と他のへリックス12の間の相互作用を中心とした二量体を形成した。
【0076】
PR−LBD/タナプロゲトの三次構造は、PR−LBD/プロゲステロンの構造と非常に類似していた。タナプロゲトは、プロゲステロンと同様の結合ポケットを占有した。リガンド相により不偏でおよび1.2σに曲がったPR−LBDに結合したタナプロゲトの3Fobs−2Fcalc実験マップの見解を示す、図1Aおよび1B参照。PR−LBD/タナプロゲト複合体およびPR−LBD/プロゲステロン複合体の構造の重ね合わせは、1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル環は、プロゲステロンのAとBの環の間に無作為に置かれ、1,4−ジヒドロ−3,1−ベンゾオキサジン−2−チオン部分(「ベンゾオキサジン」)は、プロゲステロンのメチル基が突き出す方向のプロゲステロンのCおよびDの環の真上に置かれることを示した。
【0077】
タナプロゲトは、多くの点でPR−LBDのリガンド結合ポケットとプロゲステロンの相互作用を再現した。ニトリル基は、プロゲステロンのA環の3−ケト置換基から約0.6Åに位置し、Gln725およびArg766の側鎖と水素結合を形成した。同様に、プロゲステロンの3−ケト基は、Gln725およびArg766の側鎖と相互作用し、水素結合ネットワークを維持し、A環の3位の酸素原子とステロイドの特異性を提供する。ベンゾオキサジン部は、同様の疎水性相互作用を有するプロゲステロンの環CおよびDと略同一の空間を占有した。ベンゾオキサジンの硫黄は、プロゲステロンのC17のメチル−ケトン置換基よりも伸びているように考えられた。タナプロゲトは、ベンゾオキサジンの窒素とAsn719の側鎖の酸素の間に形成した水素結合におけるタンパク質とさらに好ましい相互作用を有していた。へリックス6とへリックス7の間のループは、アミノ酸788−794を含有し、PR−LBD/プロゲステロン構造に関して転位された。しかしながら、一のタナプロゲトのベンゾオキサジンのメチル置換基からPhe794の側鎖までの領域におけるタナプロゲトとPR−LBDの間の最も短い距離が5Åである場合、かかる転位は、直接、異なるリガンドによるものであるとは考えられなかった。タナプロゲトの硫黄原子が、PR−LBDのThr894と弱い相互作用を形成してもよく、ベンゾオキサジン分子上の疎水性領域が、受容体LBDのLeu797と好ましい疎水性相互作用を形成することをかかる構造は示した。
【0078】
多数の側鎖は他のもの(分子「B」)ではなく、非対称ユニットの1分子(分子「A」)における実験的電子密度によりはっきりと定義した。これらの側鎖は:Met908、Phe794、Trp755およびLeu714を含有する。Met908は、分子「A」において多少無秩序であり、1以上の回転異性体とともに電子密度で表された
【0079】
【表2−1】

【0080】
【表2−2】

【0081】
【表2−3】

【0082】
【表2−4】

【0083】
【表2−5】

【0084】
【表2−6】

【0085】
【表2−7】

【0086】
【表2−8】

【0087】
【表2−9】

【0088】
【表2−10】

【0089】
【表2−11】

【0090】
【表2−12】

【0091】
【表2−13】

【0092】
【表2−14】

【0093】
【表2−15】

【0094】
【表2−16】

【0095】
【表2−17】

【0096】
【表2−18】

【0097】
【表2−19】

【0098】
【表2−20】

【0099】
【表2−21】

【0100】
【表2−22】

【0101】
【表2−23】

【0102】
【表2−24】

【0103】
【表2−25】

【0104】
【表2−26】

【0105】
【表2−27】

【0106】
【表2−28】

【0107】
【表2−29】

【0108】
【表2−30】

【0109】
【表2−31】

【0110】
【表2−32】

【0111】
【表2−33】

【0112】
【表2−34】

【0113】
【表2−35】

【0114】
【表2−36】

【0115】
【表2−37】

【0116】
【表2−38】

【0117】
【表2−39】

【0118】
【表2−40】

【0119】
【表2−41】

【0120】
【表2−42】

【0121】
【表2−43】

【0122】
【表2−44】

【0123】
【表2−45】

【0124】
【表2−46】

【0125】
【表2−47】

【0126】
【表2−48】

【0127】
【表2−49】

【0128】
【表2−50】

【0129】
【表2−51】

【0130】
【表2−52】

【0131】
【表2−53】

【0132】
【表2−54】

【0133】
【表2−55】

【0134】
【表2−56】

【0135】
【表2−57】

【0136】
【表2−58】

【0137】
【表2−59】

【0138】
【表2−60】

【0139】
【表2−61】

【0140】
【表2−62】

【0141】
【表2−63】

【0142】
【表2−64】

【0143】
【表2−65】

【0144】
【表2−66】

【0145】
【表2−67】

【0146】
【表2−68】

【0147】
【表2−69】

【0148】
【表2−70】

【0149】
【表2−71】

【0150】
【表2−72】

【0151】
【表2−73】

【0152】
【表2−74】

【0153】
【表2−75】

【0154】
【表2−76】

【0155】
【表2−77】

【0156】
【表2−78】

【0157】
【表2−79】

【0158】
【表2−80】

【0159】
【表2−81】

【0160】
【表2−82】

【0161】
(他の実施態様)
多数の本発明の実施態様が記載されているが、様々な改変を行ってもよいことが理解されるであろう。例えば、プロゲステロン受容体の構造に関しては、プロゲステロン受容体がタナプロゲト以外の非ステロイド性物質に結合している部位を決定することができる。したがって、他の実施態様も特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1A】図1Aは、ヒトPR−LBDに結合したタナプロゲトを示す電子密度図である。
【図1B】図1Bは、ヒトPR−LBDに結合したタナプロゲトを示す電子密度図である。
【図2A】図2Aは、グアノシン−S−トランスフェラーゼ(GST)(下線以外の配列)と接合したヒトプロゲステロン受容体リガンド結合ドメイン(ヒトPR−LBD)(下線の配列)のアミノ酸配列を示す(配列番号1)。
【図2B】図2Bは、ヒトPR−LBDのアミノ酸配列を示す(配列番号2)。
【図2C】図2Cは、ヒトプロゲステロン受容体全長配列である(GenBank Accession Number NM_000926;配列番号4)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロゲステロン受容体ポリペプチド;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである非ステロイド性リガンドを含む、結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項2】
非ステロイド性リガンドがプロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストである、請求項1記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項3】
非ステロイド性リガンドがプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである、請求項1記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項4】
非ステロイド性リガンドが少なくとも2個の環を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項5】
少なくとも2個の環が縮合される、請求項4記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項6】
縮合した環が少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、請求項5記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項7】
少なくとも1個の環ヘテロ原子がN、OおよびSからなる群より選択される、請求項6記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項8】
非ステロイド性リガンドが、構造式:
【化1】

[式中:A、BおよびCは環系を示し、BおよびCは縮合した環であり、Lはリンカー部分である]
を有する、請求項1ないし7のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項9】
非ステロイド性リガンドがベンゾオキサジン誘導体を含む、請求項1ないし8のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項10】
ベンゾオキサジン誘導体が2位にオキソまたはチオの置換基を含む、請求項9記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項11】
ベンゾオキサジン誘導体が、ベンゾオキサジン環の4位にまたはその近接に少なくとも1個の疎水性置換基を有する、請求項9または10の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項12】
非ステロイド性リガンドがタナプロゲトである、請求項1記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項13】
結晶タンパク質−リガンド複合体が空間群P2を有する、請求項1ないし12のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項14】
結晶タンパク質−リガンド複合体が、単位格子定数a=57.5Å、b=64.5Å、c=70.4Åおよびβ=95.8°を有する、請求項1ないし13のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項15】
非ステロイド性リガンドがプロゲステロン受容体ポリペプチドに結合している、請求項1ないし14のいずれか一の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項16】
プロゲステロン受容体ポリペプチドがリガンド結合ドメインを含む、請求項1ないし15のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項17】
非ステロイド性リガンドがリガンド結合ドメインに結合している、請求項16記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項18】
プロゲステロン受容体ポリペプチドが哺乳類由来である、請求項1ないし17のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項19】
プロゲステロン受容体ポリペプチドが非哺乳類由来である、請求項1ないし17のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項20】
プロゲステロン受容体ポリペプチドがヒト由来である、請求項18記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項21】
プロゲステロンポリペプチドが配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項20記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項22】
複合体が、少なくとも約3.5Åの分解能でX線を回折することができる、請求項1ないし21のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項23】
複合体が、表2の構造座標±最大1.5Åであるアルファ炭素原子についての根平均自乗変位を含む、請求項1記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項24】
非ステロイド性リガンドが、プロゲステロン受容体ポリペプチドの1以上のGln725、Leu797、Asn719およびArg766と相互作用する、請求項1ないし22のいずれか一項記載の結晶タンパク質−リガンド複合体。
【請求項25】
請求項1ないし24のいずれか一項記載の複合体を含む、組成物。
【請求項26】
プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの三次元モデルを用いて、プロゲステロン受容体ポリペプチドと相互作用する物質を設計することを含む、方法。
【請求項27】
三次元モデルが、プロゲステロン受容体ポリペプチドのリガンド結合ドメインを含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
三次元モデルが、プロゲステロン受容体ポリペプチドの原子の構造座標を含む、請求項26または27記載の方法。
【請求項29】
構造座標が実験的に決定された座標である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
原子がプロゲステロン受容体ポリペプチドの活性部位の原子を含む、請求項28または29記載の方法。
【請求項31】
活性部位がリガンド結合ドメインである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
構造座標が、表2に記載のもの±最大1.5Åであるアルファ炭素原子についての根平均自乗変位である、請求項28記載の方法。
【請求項33】
三次元モデルが非ステロイド性リガンドの構造座標を含む、請求項28ないし32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
モデルの非ステロイド性リガンドを改変することをさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
非ステロイド性リガンドの改変が、非ステロイド性リガンドの構造座標を変化させることを含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
非ステロイド性リガンドの改変が、非ステロイド性リガンドの化学構造を変化させることを含む、請求項34記載の方法。
【請求項37】
三次元モデルが、配列番号2のアミノ酸に記載のプロゲステロン受容体ポリペプチドのアミノ酸Gln725およびArg766の原子からなる群より選択される原子の構造座標を含む、請求項28ないし36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
三次元モデルが、配列番号2のアミノ酸に記載のアミノ酸Ile699、Ala701、Leu714、Leu715、Leu718、Asn719、Leu721、Gln725、Trp755、Met756、Met759、Val760、Leu763、Arg766、Ser767、Tyr777、Phe778、Ala779、Leu782、Phe794、Leu797、Lys798、Met801、Ile804、Leu887、His888、Tyr890、Cys891、Asn893、Thr894、Phe895、Ser898、Leu901、Val903、Phe905、Met909、Ile913およびLeu917の原子からなる群より選択される原子の構造座標を含む、請求項28ないし37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
プロゲステロン受容体ポリペプチドの原子と物質の原子の間の距離を計算することをさらに含む、請求項26ないし38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの間の予測相互作用と非ステロイド性リガンドとプロゲステロン受容体ポリペプチドの間の相互作用を比較することをさらに含む、請求項26ないし39のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
プロゲステロン受容体ポリペプチドを含む組成物を提供することをさらに含む、請求項26ないし40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
プロゲステロン受容体ポリペプチドが結晶である、請求項41記載の方法。
【請求項43】
組成物が、プロゲステロン受容体ポリペプチドと相互作用する物質を含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドとの相互作用を実験的に決定することをさらに含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドとの相互作用と第二物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドとの相互作用を比較することをさらに含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
請求項1ないし24のいずれか一項に記載の複合体の三次元構造を用いて理論的薬剤設計を行うことにより物質を選択し:
物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドを接触させ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドに結合する物質の能力を検出することを含む、方法。
【請求項47】
物質がコンピュータモデリングを介して選択される、請求項46記載の方法。
【請求項48】
物質を合成することをさらに含む、請求項46または47記載の方法。
【請求項49】
プロゲステロンポリペプチド受容体および物質を含む補充結晶複合体を得;
補充結晶複合体の三次元構造を決定し;
補充結晶複合体の三次元構造を用いて理論的薬剤設計を行うことにより第二物質を選択し;
第二物質とプロゲステロンポリペプチド受容体を接触させ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドに結合する物質の能力を検出することをさらに含む、請求項46ないし48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
第二物質がコンピュータモデリングを介して選択される、請求項49記載の方法。
【請求項51】
第二物質を合成することをさらに含む、請求項49または50記載の方法。
【請求項52】
請求項1ないし24のいずれか一項に記載の複合体の結晶を成長させるために、ポリペプチドと非ステロイド性リガンドを接触させることを含む、方法。
【請求項53】
ハンギングドロップ蒸気拡散法の使用を含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
コンピュータシステムに:
プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取らせ;
候補物質に関する情報を受け取らせ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報および候補物質に関する情報に基づいて、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性を決定させる命令を含む、ソフトウェアシステム。
【請求項55】
非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造が結晶構造である、請求項54記載のソフトウェアシステム。
【請求項56】
結晶構造が、表2の構造座標±最大1.5Åであるアルファ炭素原子についての根平均自乗変位を含む、請求項55記載のソフトウェアシステム。
【請求項57】
コンピュータシステムに:
データベースから得た情報、候補物質に関する情報を適用させ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報および候補物質に関する情報に基づいて、プロゲステロン受容体ポリペプチドと結合しうるデータベースにおける候補物質を同定させる命令をさらに含む、請求項54ないし56のいずれか一項記載のソフトウェアシステム。
【請求項58】
コンピュータシステムに、
候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性をモデル化させる命令をさらに含む、請求項57記載のソフトウェアシステム。
【請求項59】
1以上のプロセッサにより実行される場合、1以上のプロセッサに:
プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取らせ;
候補物質に関する情報を受け取らせ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報および候補物質に関する情報に基づいて、候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性を決定させる、複数の命令を格納するコンピュータ可読媒体に備わるコンピュータプログラム。
【請求項60】
プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取らせ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドと候補物質の結合特性をモデリングすることを含む、ソフトウェアシステムにより実行される方法。
【請求項61】
プロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報および候補物質に関する情報に基づいて、プロゲステロン受容体ポリペプチドと結合しうる候補物質を同定するために、候補物質のデータベースから得た情報を適用することをさらに含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
1以上のプロセッサにより実行される場合、1以上のプロセッサに:
プロゲステロン受容体ポリペプチドのアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドのアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取らせ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドと候補物質の結合特性をモデル化させる、複数の命令を格納するコンピュータ可読媒体に備わるコンピュータプログラム。
【請求項63】
1以上のプロセッサに:
データベースから得た情報、候補物質に関する情報を適用させ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報に基づいて、プロゲステロン受容体ポリペプチドと結合しうるデータベースにおける候補物質を同定させる、命令をさらに含む、請求項62記載のコンピュータプログラム。
【請求項64】
1以上のプロセッサに候補物質とプロゲステロン受容体ポリペプチドの結合特性をモデル化させる命令をさらに含む、請求項63記載のコンピュータプログラム。
【請求項65】
コンピュータシステムに:
プロゲステロン受容体ポリペプチドアゴニストまたはプロゲステロン受容体ポリペプチドアンタゴニストである、非ステロイド性リガンドに結合したプロゲステロン受容体ポリペプチドの構造に関する情報を受け取らせ;および
プロゲステロン受容体ポリペプチドと候補物質の結合特性をモデル化させる命令を含む、ソフトウェアシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公表番号】特表2008−510722(P2008−510722A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528074(P2007−528074)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/029711
【国際公開番号】WO2006/031378
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】