説明

プロジェクター、プロジェクターシステム、およびプロジェクターの制御方法

【課題】設置状態が変わっても、動作状態が使用者にわかりやすく報知できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクター1の筐体に2備えられた本体報知部26を、報知状態の異なる第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定する報知モード設定手段201を備え、制御手段20は、報知モード設定手段201に設定された第1報知モード、または第2報知モードに基づき、プロジェクター1の動作状態を本体報知部26により報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、プロジェクターと天吊り装置とを含むプロジェクターシステム、およびプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターには、動作状態、エラー状態を使用者に報知するために、プロジェクターの筐体にLED(Light Emitting Diode)などを用いた報知部(以下、LEDと称す)が備えられている。プロジェクターを机上で使い、使用者がそばにいる場合は、LEDによってプロジェクターの動作状態を視認できるが、プロジェクターを天吊設置するような場合は、使用者との距離が離れるため、LEDが小さく、暗い場合などは動作状態が視認しにくかった。しかし、LED表示を大きく、明るくした場合、比較的暗い部屋の机上で、使用者がプロジェクターのそばで操作するような場合、LED表示が投写の際に目障りになってしまうという問題があった。
【0003】
特許文献1には双方向通信を行うリモートコントローラー(リモコン)で、音声や振動などにより使用者に報知するリモコンシステムが開示されている。このようなリモコンシステムによれば、動作状態の確認を行うことが可能なプロジェクターが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−262073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、双方向通信を行うリモコンシステムを使う場合、コストアップになってしまうという問題があった。また、報知内容を確認するために都度リモコンが必要であり、本体キーのみで操作するなどリモコンを使わない場合、報知内容を容易には確認できなかった。さらに机上で使う場合と天吊で使う場合など設置状態の違いにより、報知状態を変えたい場合にリモコン側に設置状態を登録するなど操作が煩雑になってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、当該プロジェクターの画像を投写して表示するプロジェクターであって、当該プロジェクターの筐体に備えられ、動作状態を報知するための本体報知部と、前記報知部を、報知状態の異なる第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定する報知モード設定手段と、当該プロジェクターの動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記報知モード設定手段に設定された前記第1報知モード、または前記第2報知モードのいずれかに基づき、当該プロジェクターの動作状態を前記本体報知部により報知する、ことを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、本体報知部を報知状態の異なる第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定することができるので、例えば、天吊設置や明るい部屋等に設置する場合は使用者の視認性が高い報知モード、プロジェクターを机上に設置する正置設置や暗い部屋に設置する場合は画像投写時に目障りにならないような報知モード、など設置環境に応じて報知モードを使用者が選択することが可能となる。このように、リモコンなどを用いることなく簡便な方法で報知内容を確認することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、当該プロジェクターの設置状態を天吊設置モード、または正置設置モードのいずれかに設定する設置モード設定手段をさらに備え、前記報知モード設定手段は、前記設置モード設定手段による設定状態に基づき、前記報知部を前記第1報知モードまたは前記第2報知モードのいずれかに設定することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、設置モード設定手段による設定状態が、高い場所から吊下げて使う天吊設置モード、または、机上などに設置して使う正置設置モードに基づき、本体報知部が第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定されるので、使用者が設置モードを設定するだけで報知モードを設定することが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、当該プロジェクターの周囲の明るさを検出する照度検出手段をさらに備え、前記報知モード設定手段は、前記照度検出手段の検出結果に基づき、前記報知部を前記第1報知モードまたは前記第2報知モードのいずれかに設定することを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、照度検出手段による周囲の検出照度に基づき、本体報知部が、第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定されるので、プロジェクターの周囲の明るさが変わった場合でも、使用者が特別な操作を行うことなく、簡易に報知モードを設定することが可能となる。
【0013】
[適用例4]本適用例に係るプロジェクターシステムは、画像を投写するプロジェクターと、当該プロジェクターを吊り下げ、支持する天吊装置と、を備えたプロジェクターシステムであって、前記プロジェクターは、当該プロジェクターの動作を制御する制御手段を備え、前記天吊装置は、当該プロジェクターの動作状態を報知するための天吊装置報知部を備え、前記制御手段は、当該プロジェクターの動作状態を前記天吊装置報知部により報知する、ことを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、プロジェクターを天吊設置する場合に、天吊装置に備えられた天吊装置報知部により、プロジェクターの動作状態が報知されるので、プロジェクター本体の報知部では視認しにくい環境でも、天吊装置報知部により、プロジェクターの動作状態を簡易に把握することが可能となる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、画像を投写するプロジェクター筐体に備えられ、動作状態を報知するための本体報知部を有するプロジェクターの制御方法であって、前記本体報知部を、報知状態の異なる第1報知モードと、第2報知モードのいずれかに設定する報知モード設定ステップと、当該プロジェクターの動作状態を前記本体報知部により、前記第1報知モードまたは前記第2報知モードのいずれかの報知モードで報知する報知ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、本体報知部の報知状態を報知状態の異なる第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定することができるので、天吊状態や、正置設置で明るい部屋で使用する場合は使用者の視認性が高い報知モード、正置設置で暗い部屋で使用する場合は画像投写時に目障りにならないような報知モードなど設置環境に応じて報知モードを使用者が選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1のプロジェクター1の斜視図。
【図2】プロジェクターと天吊装置報知部の設置状態を示す図。(a)は天吊り装置および天吊装置報知部とプロジェクターとの設置状態の斜視図、(b)は天吊装置報知部40を下方から見た斜視図。
【図3】プロジェクター1の概略構成を示すブロック図。
【図4】設置モード、および照度検出部24の検出照度に対応する報知モード設定を示す図。
【図5】プロジェクター1の動作を示すフローチャート。
【図6】報知モードに対応する本体報知部26の報知状態を示す図。
【図7】変形例1のプロジェクター1の本体報知部26の報知状態を示す部分拡大図であり、(a)は第1報知モード、(b)は第2報知モードでの本体報知部26の報知状態を示す。
【図8】変形例2のプロジェクター1の本体報知部26の報知状態を示す部分拡大図であり、(a)は報知部カバー3が位置P1にあるとき、(b)は報知部カバー3が位置P2にあるときの本体報知部26の報知状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のプロジェクター1の斜視図である。
図1に示すように、プロジェクター1の筐体2の前面2fに形成される開口部からは、投写レンズ13が露出している。筐体2の上面2tにはプロジェクター1を操作するための入力操作手段23、プロジェクター1の周囲の照度を検出する照度検出手段24、LEDやブザー等で構成される本体報知部26が備えられている。本実施形態では本体報知部26は、3つの報知LED261、262、263で構成される。
【0020】
図2(a)、(b)は本実施形態のプロジェクター1と天吊装置40の設置状態を示す図である。
図2(a)に示すように、プロジェクター1は、筐体2が天吊装置40で支持され、天吊装置40には天吊装置報知部41が備えられている。
図2(b)は天吊装置報知部41を示す図である。図2(b)に示すように、天吊装置報知部41は3つの天吊報知LED411,412,413、およびスピーカー410が備えられている。天吊装置報知部41は、プロジェクター1を天吊装置40により天吊設置した場合、下方から視認しやすいように天吊報知LED411,412,413などが配置されている。
【0021】
図3は本実施形態のプロジェクター1の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクター1は、画像投写手段10、OSD処理手段15、画像信号処理手段16、画像信号入力手段18、制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23、照度検出手段24、光源制御手段25、本体報知部26、異常検出手段27等で構成されており、これらはプロジェクター1の筐体2の内部に収容されている。
天吊装置40は、天吊装置報知部41等を備えており、天吊装置報知部41は、コネクター30を介してプロジェクター1の制御手段20と接続されている。
【0022】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0023】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0024】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0025】
上記実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0026】
制御手段20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。
また、制御手段20は、報知モード設定手段201と、設置モード設定手段202とを備えている。
報知モード設定手段201は、本体報知部26を、報知状態の異なる、第1報知モード或いは第2報知モードのいずれかに設定する。
設置モード設定手段202は、プロジェクター1の設置状態を高い場所から吊下げて使う天吊設置モード、または机上などに設置して使う正置設置モードのいずれかに設定する。
【0027】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
【0028】
入力操作手段23は、プロジェクター1が、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えており、プロジェクター1本体の筐体2外面に備えられる本体キーで構成されている。
入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、複数の画像信号入力手段18に入力される画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、また、投写を中断する画面ミュートキー等がある。
【0029】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。
なお、入力操作手段23は、リモートコントローラー(リモコン)信号受信手段(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
【0030】
画像信号入力手段18は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0031】
画像信号処理手段16は、画像信号入力手段18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0032】
OSD処理手段15は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段15は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段15は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段16から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段15は、画像信号処理手段16から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0033】
液晶駆動手段14はOSD処理手段15から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0034】
照度検出手段24は、照度センサーなどで構成され、プロジェクター1の周囲の照度を検出し、制御手段20に通知する。
【0035】
光源制御手段25は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0036】
本体報知部26はLED、ブザーなどで構成され、制御手段20からの指示により、プロジェクター1の動作状態、異常発生状態をユーザーに報知する。本体報知部26のLEDの点灯輝度、およびブザー音量は制御手段20の指示により変更できるように構成されている。
【0037】
異常検出手段27は、プロジェクター1の異常発生を検出し、制御手段20に通知する。
【0038】
天吊装置報知部41はLED、ブザーまたはスピーカーなどで構成され、制御手段20からの指示により、プロジェクター1の動作状態、および異常発生状態をユーザーに報知する。
【0039】
次に、本実施形態のプロジェクター1の、設置モード設定手段202による設置状態、および照度検出手段24による周囲の検出照度、に対応する報知モード設定手段201への設定内容を、図4を用いて説明する。
図4に示すように、設置モード設定手段202が正置設置モードに設定されている場合、照度検出手段24の検出照度が、所定の照度L1以上ならば報知モード設定手段201は第2報知モードに、検出照度がL1未満ならば、報知モード設定手段201は第1報知モードに設定される。
また、設置モード設定手段202が天吊設置モードに設定されている場合、照度検出手段24の検出結果にかかわらず、報知モード設定手段201は第1報知モードに設定される。
なお、第1報知モード、および第2報知モードについては、後段で説明する。
【0040】
次に、本実施形態のプロジェクターの動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
先ず、プロジェクター1の制御手段20が、入力操作手段23への入力操作や、異常検出手段27の検出結果などにより、動作状態の変化を検出する(ステップS101)。動作状態の変化を検出した制御手段20は、設置モード設定手段202の設定状態(プロジェクター1の設置状態)、および照度検出手段24により周囲の明るさを取得し(ステップS102)、ステップS103に遷移する。
【0041】
ステップS103において制御手段20は、ステップS102において取得した、設置モード設定手段202の設定状態(プロジェクター1の設置状態)、および照度検出手段24による周囲の明るさの検出結果に基づき、報知モード設定手段201に第1報知モードまたは第2報知モードのいずれかを設定し、報知ステップとしてのステップS104に遷移する。このときの報知モード設定手段201の設定内容を図6に示す。なお、このステップS103が、報知モード設定ステップに相当する。
【0042】
ステップS104において制御手段20は、報知モード設定手段201に設定された第1報知モードまたは第2報知モードのいずれかに基づき、本体報知部26によってプロジェクター1の動作状態を報知し、ステップS105に遷移する。このとき、報知モード設定手段201の設定内容(図6参照)により、本体報知部26のLEDの点灯輝度、およびブザー音量などを変更する。
【0043】
ステップS105において制御手段20は、設置モード設定手段202が天吊設置モードに設定されており、かつ天吊装置40が接続されているか否かを調べる。設置モード設定手段202が天吊設置モードに設定されており、かつ天吊装置40が接続されている場合(ステップS105:Y)、ステップS106に遷移する。設置モード設定手段202が正置設置モードに設定されているか、天吊装置40が接続されていない場合(ステップS105:N)、ステップS107に遷移する。
【0044】
ステップS107において、本動作フローを終了する。
【0045】
次に本体報知部26の各報知モードでの報知状態について図6を参照して説明する。
本体報知部26は、第1報知モード、または第2報知モードの2つのモードを持ち、図6に示す報知モード設定手段201の設定内容に基づき報知する。第1報知モードでは、本体報知部26のLED点灯輝度が明るく、ブザー音量が大きくなる。第2報知モードでは本体報知部26のLED点灯輝度が暗く、ブザー音量が小さくなる。
【0046】
以上、説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、本体報知部26を報知状態の異なる第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定することができるので、天吊設置、または明るい部屋での正置設置により使用する場合は使用者の視認性が高い第1報知モード、暗い部屋での正置設置により使用する場合は画像投写時に目障りにならないような第2報知モードなど設置環境に応じて報知モードを使用者が選択することが可能となる。
また、設置モード設定手段202による設定状態に基づき、本体報知部26が第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定されるので、使用者が設置モードを設定するだけで本体報知部26の報知モードも同時に設定することが可能となる。
また、照度検出手段24による周囲の検出照度に基づき、本体報知部26が、第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定されるので、プロジェクター1の周囲の明るさが変わった場合でも、使用者が特別な操作を行うことなく、報知モードを設定することが可能となる。
また、プロジェクター1を天吊設置する場合に、天吊装置40に備えられた天吊装置報知部41により、プロジェクター1の動作状態が報知されるので、プロジェクター1の本体報知部26では視認しにくい環境でも、天吊装置報知部41により、プロジェクター1の動作状態を簡易に把握することが可能となる。
【0047】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、本体報知部26は、3つの報知LED261,262,263の点灯輝度を報知モード設定手段201の設定に応じて変更しているが、本変形例1の本体報知部26の構成のように、3つの報知LED261,262,263をそれぞれ複数の小LED群が集まった構成とし、点灯個数による点灯面積の違いにより、本体報知部26のLEDの明るさを変更するようにしてもよい。
【0048】
図7(a)、(b)は本変形例の本体報知部26の報知状態を示す部分拡大図であり、図7(a)は第1報知モード、図7(b)は第2報知モードでの本体報知部26の報知状態を示す。
図7(a)、(b)に示すように、本体報知部26のそれぞれの報知LED261,262,263はそれぞれ4つのLED群で構成される。
図7(a)に示すように、第1報知モードでは、報知LED261,262,263はそれぞれの4つのLEDの全てが点灯する。
図7(b)に示すように、第2報知モードでは、報知LED261,262,263はそれぞれの4つのLEDのうちの1つ、261a,262a,263aのみが点灯する。
つまり、第2報知モードでは第1報知モードに比べ、報知LED261,262,263の点灯面積が小さくなり、明るさが暗くなる。
【0049】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、本体報知部26のそれぞれのLEDを構成するLED群の点灯個数により、LEDの輝度を変更できるので、LEDの輝度を個別に変えるための駆動電流変更回路などが不要になる。
【0050】
(変形例2)
上述した実施形態では、本体報知部26が、3つの報知LED261,262,263の点灯輝度を報知モード設定手段201の設定に応じて変更しているが、本変形例2の本体報知部26のように、3つの報知LED261,262,263の点灯光を透過させるための開口部を持った報知部カバー3を備え、この報知部カバー3をスライドさせることにより開口部の大きさを変えるようにしてもよい。そして、この開口部の大きさが変わることにり、点灯光の透過面積が変わり、この透過面積の違いにより、本体報知部26のLEDの明るさを変更する。
図8(a)、(b)は本変形例のプロジェクター1の報知状態を示す部分拡大図である。図8(a)、(b)に示すように、報知部カバー3は本体報知部26の上を位置P1と位置P2の間でスライド移動可能に設置されている。報知部カバー3には本体報知部26の3つの報知LED261,262,263の点灯光を透過させるための報知部カバー開口部3a,3b,3cが形成されており、各開口部は大小2つの矩形を結合させた形状になっている。
図8(a)は報知部カバー3が位置P1にあるときの報知状態を示す部分拡大図である。図8(a)に示すように、報知部カバー3が位置P1にあるときは、報知部カバー開口部3a,3b,3cの大きな矩形側の開口部が本体報知部26の3つの報知LED261,262,263の点灯領域を全て露出させ、それぞれの点灯光を全て透過させる。報知部カバー3が位置P1にある状態が第1報知モードに相当する。
図8(b)は報知部カバー3が位置P2にあるときの報知状態を示す部分拡大図である。図8(b)に示すように、報知部カバー3が位置P2にあるときは報知部カバー開口部3a,3b,3cは小さな矩形側の開口部が本体報知部26の3つの報知LED261,262,263のそれぞれ一部の表示領域を露出させ、それぞれの点灯光の一部を透過させる。従って報知部カバー3を位置P2に移動した状態では本体報知部26の3つのLEDの点灯光は透過面積が小さくなり、明るさが暗くなる。報知部カバー3が位置P2にある状態が第2報知モードに相当する。
【0051】
以上、説明したように、報知部カバー3を位置P1または位置P2のいずれかに移動することにより、本体報知部26のそれぞれのLEDの点灯光を透過する面積を変え、LEDの明るさを変更できるので、LEDの輝度を個別に変えるための駆動電流変更回路などが不要になる。また、プロジェクター1の設置状態や周囲の明るさにかかわらず、使用者の所望の報知モードに変更することが可能になる。
【符号の説明】
【0052】
1…プロジェクター、2…筐体、3…報知部カバー、3a,3b,3c…報知部カバー開口部、10…画像投写手段、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、15…OSD処理手段、16…画像信号処理手段、18…画像信号入力手段、15…シャッター位置検出部、20…制御手段、21…記憶手段、23…入力操作手段、24…照度検出手段、25…光源制御手段、26…本体報知部、261,262,263…報知LED、27…異常検出手段、30…コネクター、40…天吊装置、41…天吊装置報知部、410…スピーカー、411,412,413…天吊報知LED。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投写して表示するプロジェクターであって、
当該プロジェクターの筐体に備えられ、当該プロジェクターの動作状態を報知する本体報知部と、
前記報知部を、報知状態の異なる第1報知モード、または第2報知モードのいずれかに設定する報知モード設定手段と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記報知モード設定手段に設定された前記第1報知モード、または前記第2報知モードのいずれかに基づき、当該プロジェクターの動作状態を前記本体報知部により報知することを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
当該プロジェクターの設置状態を天吊設置モード、または正置設置モードのいずれかに設定する設置モード設定手段をさらに備え、
前記報知モード設定手段は、前記設置モード設定手段による設定状態に基づき、前記報知部を前記第1報知モードまたは前記第2報知モードのいずれかに設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
当該プロジェクターの周囲の明るさを検出する照度検出手段をさらに備え、
前記報知モード設定手段は、前記照度検出手段の検出結果に基づき、前記報知部を前記第1報知モードまたは前記第2報知モードのいずれかに設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
当該プロジェクターを天吊設置するための天吊装置と、
当該天吊装置上に備えられる天吊装置報知部と、
をさらに備え、
前記制御手段は、当該プロジェクターの動作状態を前記天吊装置報知部により報知することを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
画像を投写するプロジェクターの筐体に備えられ、動作状態を報知するための本体報知部を有するプロジェクターの制御方法であって、
前記本体報知部を、報知状態の異なる第1報知モードと、第2報知モードのいずれかに設定する報知モード設定ステップと、
当該プロジェクターの動作状態を前記本体報知部により、前記第1報知モードまたは前記第2報知モードのいずれかの報知モードで報知する報知ステップと、
を有することを特徴とするプロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61515(P2013−61515A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200264(P2011−200264)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】