説明

プロセス制御機器のための温度反応インジケータ

プロセストランスミッタ(12)は、このプロセストランスミッタ(12)の動作状態を示すための温度反応インジケータ(26)を含む。動作状態は、検出されたプロセス変数のレベル又はプロセストランスミッタ(12)の動作温度を表すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、工業プロセス制御システムにおいて用いられるインジケータに関する。より具体的には、本発明は、温度反応インジケータを有するプロセストランスミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセストランスミッタは、遠隔的に又は局所的に、工業プロセスにおいて用いられるプロセス流体の圧力、温度、フロー及びレベルといったプロセス変数を監視するのに用いられる。プロセストランスミッタは、プロセス変数の物理的変化に応じて電気出力を生成するセンサ又は変換器を含む。例えば、容量性圧力変換器又はピエゾ抵抗圧力変換器は、プロセス流体の圧力の関数として電気信号を生成する。センサの電気信号は、プロセス流体の圧力の表示として監視できる電気出力を生成するためにトランスミッタ回路によって処理される。プロセストランスミッタはまた、遠隔的に又は局所的に、電気出力を監視するための電子機器を含む。遠隔的に監視されるトランスミッタは、制御ループ又はネットワーク上で、制御室のような中央監視位置に電気出力を伝送する電子機器を含む。局所的に監視されるトランスミッタは、可読フォーマットの形でプロセストランスミッタの場所での電気出力を示す、デジタルLCDスクリーン又はアナログダイヤルのようなディスプレイを含む。その他の実施形態において、プロセストランスミッタは、局所的及び遠隔的両方の監視をするための構成部品を含む。
【0003】
デジタル及びアナログディスプレイは、測定されたプロセス変数の非常に小さい変化も容易に検出されるように、測定プロセス変数の高度に精密な表示を提供することができる。しかしながら、このように精密な測定が常に求められているわけではない。特定の適用例に関して、デジタル及びアナログディスプレイは、不必要な正確さを提供しており、したがってこのような適用例は必要以上に高価である。時として、必要なのはプロセス変数の読み取り値のおおよその規模の迅速な視覚表示のみである。例えば、製造設備の日常的なチェックを行っている保守管理者は、プロセストランスミッタが動作しており、検出されたプロセス変数が安全なレベルにあるかどうかを知ることができさえすればよい。これは、精密なプロセス変数の読み取り値が、制御室に同時に伝送され、監視されるときには、特に当て嵌まる。したがって、プロセストランスミッタのディスプレイのための正確で低価格のインジケータが必要である。
【0004】
電力消費量は、デジタル及びアナログディスプレイに関連する別の障害である。プロセストランスミッタは、典型的に、制御ループ又はネットワークを通じて、又は典型的に工業環境において典型的に見られるワイヤシステムを通じて電力を引き出す。特定の制御ループ又はネットワークとの適合性を確実にするために、プロセストランスミッタは多くの場合、4mAより少ない電流を引き込むことが要求されている。マイクロテクノロジー及びデータ送信が進歩するに伴い、4mAより少ない電流の引き込みで動作し、進んだデータ伝送を提供することができる電子機器を設計することは依然として課題である。ディスプレイユニットに電力を供給する付加的な負担を有することは、付加的な設計の課題をもたらす。したがって、低い電力消費を有するプロセストランスミッタインジケータに対する必要性がある。
【0005】
また、プロセストランスミッタは、規定の温度範囲内で機能するように設計されている。典型的には、トランスミッタの周囲動作温度限界は、華氏−40度(摂氏−40度C)から華氏185度(摂氏85度)までであり、保存温度限界は、華氏−50度(摂氏−51度)から華氏230度(摂氏110度)までである。したがって、これらの温度が限度を超えるときに低コストの視覚表示を有するプロセストランスミッタに対する必要がある。
【発明の開示】
【0006】
プロセストランスミッタは、トランスミッタの外側から見ることができ、温度変化に視覚的に反応する温度反応インジケータを含む。
【0007】
本発明の第1の実施形態において、プロセス変数を測定するプロセストランスミッタは、検出部と、トランスミッタ回路と、温度反応インジケータとを含む。検出部は、プロセス変数に反応するセンサ出力を有する。トランスミッタ回路は、センサ信号の関数として電気出力を生成する。温度反応インジケータは、プロセス変数を表す視覚表示を生成するために電気出力の関数として生成された熱に反応する。
【0008】
本発明の第2の実施形態において、プロセス変数を測定するプロセストランスミッタは、検出部と、トランスミッタ回路と、ハウジングと、温度反応インジケータとを含む。温度反応インジケータは、ハウジングの上に位置し、プロセストランスミッタハウジングの温度に反応する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明のプロセストランスミッタ12が用いられるプロセス制御システム10を示す。プロセス制御システム10は、プロセストランスミッタ12と、制御室14と、制御ループ16とを含む。制御室14は、通信システム18と電源20とを含む。プロセストランスミッタ12は、配管22と連結しており、プロセス流体はマニホルド24を通って流れる。プロセストランスミッタ12は、プロセス流体の温度、圧力、流れ又はレベルのようなプロセス変数を監視するためのセンサ及び電子機器を含む。プロセストランスミッタ12は、検出されたプロセス変数に基づいて電気信号を発生させる。
【0010】
1つの実施形態において、プロセストランスミッタ12は、4mAから20mAループで動作する2線式トランスミッタである。このような実施形態において制御ループ16は、電源20からプロセストランスミッタ12に電力を供給するための、第1ワイヤ16A及び第2ワイヤ16Bを含む。制御ループ16はまた、プロセス送信器12が通信システム18と通信することを可能にする。典型的には、4mAのDC電流は、プロセストランスミッタ12のセンサ及びトランスミッタ回路及び検出したプロセス変数を表す出力を示すディスプレイを動作させるのに十分なエネルギーを提供する。プロセストランスミッタ12は、プロセストランスミッタ12のトランスミッタ回路によって生成された4mAから20mAまでの出力信号を使用する制御ループ16上で通信システム18に出力を伝送する。4mAから20mAまでの出力信号は、検出されたプロセス変数の規模の関数である。その他の実施形態において、プロセストランスミッタ12は、無線ネットワーク上で制御室14と通信する。
【0011】
図2Aは、局所ディスプレイとして用いられる温度反応インジケータ26を有する本発明のプロセストランスミッタ12を示す。プロセストランスミッタ12は、インジケータ26と、ハウジング28と、圧力フランジ30とを含む。ハウジング28、前面カバー32及び後面カバー34は、電子機器を守り、プロセストランスミッタ12にフィールドワイヤ端子ブロックを提供する構造体を提供する。前面カバー32は、インジケータ26を見ることを可能にするガラス窓を有する。後面カバー34は、制御ループ16のワイヤ16A及び16Bをプロセストランスミッタ12の電子機器に接続するための端子ブロックに対するアクセスを可能にするように取り外し可能である。ハウジング28はまた、ハウジング28に接続ワイヤ16A及び16Bを供給するために用いられる導管接続部36A及び36Bを含む。圧力フランジ30は、プロセストランスミッタ12をマニホルド24及び配管22と接続させるために用いられる。プロセストランスミッタ12の電子機器は、制御ループ16を横切って伝送されるプロセス変数の関数として4mAから20mAの出力信号を生成する。4mAから20mAの信号はまた、プロセス変数規模の局所的な視覚表示を提供するためにインジケータ26と併せて用いられる。インジケータ26が典型的に構成されると、第1の端部38は低圧及び低出力信号レベルを示し、第2の端部40は高圧及び高出力信号レベルを示す。
【0012】
図2Bは、温度反応インジケータ26と、センサ42と、信号処理回路46と、インターフェース48を含むトランスミッタ回路と44を含む、プロセストランスミッタ12の1つの実施形態のブロック図である。センサ42は、検出された圧力に比例したセンサ信号を生成する。信号処理回路46は、センサ信号を受け取り、センサ信号をフィルタ処理し、温度変動に対してセンサ信号を調整するといった調節機能を行う。回路46は、インターフェース48が、ループ電流ILを、検出されたプロセス変数を表す4mAと20mAとの間の数値に調整するようにさせる制御信号を生成する。ループ電流ILは制御室14からワイヤ16Aを通り、インターフェース48及びインジケータ26を通ってワイヤ16Bに流れ、制御室14に戻る。
【0013】
図2Cは、温度反応インジケータ26と、センサ42と、信号処理回路46と、インターフェース48を含むトランスミッタ回路44とを含む、プロセストランスミッタ12の別の実施形態のブロック図である。センサ42は、検出された圧力に比例したセンサ信号を生成する。信号処理回路46は、センサ信号を受け取り、センサ信号をフィルタ処理し、温度変動に対してセンサ信号を調整するといった調節機能を行う。回路46は、インターフェース48が、検出されたプロセス変数を表す4mAと20mAとの間の数値にループ電流ILを調整するようにさせる制御信号を生成する。ループ電流ILは制御室14からワイヤ16Aを通り、インターフェース48を通って流れ、制御室14に戻る。別個の電流II信号は、直接、インジケータ26に供給される。この実施形態は、インジケータが、Fieldbusのようなデジタルプロトコルデバイスと共に用いられることを可能にする。
【0014】
図2Dは、図2Aの温度反応インジケータ26の分解図を示す。インジケータ26は、4mAから20mAの出力信号、電流IL(又は場合によっては電流II)によって抵抗加熱された導電性インク層を含む。導電性インク層はそれによって、サーモクロミックインク層が導電性インク層で生成された熱量に応じて色を変えるようにさせる。このように、インジケータ26は、検出された圧力の規模の視覚表示を与える低コストの温度反応インジケータを提供する。インジケータ26は、温度反応電圧インジケータを製造する既知の原理により構築されており、その一部のものは、米国特許番号第4,006,414号、第4,702,564号、第4,723,656号、第5,188,231号、及び第5,607,790号に開示されている。
【0015】
1つの実施形態において、インジケータ26は、第1の保護層50と、導電性インク層52と、サーモクロミックインク層54と、第2の保護層56とを含む。第1の保護層50は、その上にサーモクロミックインク層52及び導電性インク層54を印刷し、さらにこれらのインク層を保護する基板を提供する。インジケータ26の第1の保護層50は、紙又はプラスチック材料のようなそこに印刷するのに適した任意の材料で作ることができる。
【0016】
導電性インク層52は、電流ILがインジケータ26を横切って通ることを可能にする。導電性インク層52は、直角三角形の形状で、第1保護層50に印刷或いは別の場合には付着されて、第1端部38の表面積が第2端部40の表面積より小さくなるようにする。導電性インク層52は、導電性インクの表面積が、一端から他端に移動するに伴い増加する任意のパターンで第1保護層50に印刷することができる。1つの実施形態において、導電性インクは、米国ミシガン州ポートヒューロン所在のAcheson Colloids Companyから入手可能なElectrodag(登録商標)725Aである。
【0017】
サーモクロミックインク層54は、導電性インク層52に印刷可能であるか或いは別の場合には隣接して位置しており、導電性インク層に合うような形状にされる。サーモクロミックインク層54は、単一のバー形状又は三角形のようなプロセス変数レベルの視覚的な区別を可能にする任意の形状を有することができる。サーモクロミックインク層54はまた、プロセス変数の特定のレベルをさらに表示するための個別のバーを含む。インジケータ26の第1端部38のバーは、低圧を示す。インジケータ26の第2端部40のバーは、高圧を示す。電流IL(又はII)がインジケータ26を横切って通るとき、導電層52の抵抗が熱を生成し、それによってサーモクロミックインク層54を加熱する。電流IL(又はII)が導電性インク層52を通って流れるとき、電流密度は第1端部38から第2端部40にかけて減少する。任意の所与の規模のIL(又はII)に関して、導電性インク層52を横切る電流密度は第2端部40に向って減少する。結果として、導電性インク層52の単位面積当たりで生成される熱量は、第1端部38から第2端部40にかけて減少する。導電性インク層52の各々の点における温度は、その点の電流密度に直接左右される。
【0018】
サーモクロミックインク層54は、閾値温度でその色を変える。閾値温度は、電流IL(又はII)による導電性インク層52の抵抗加熱によってサーモクロミックインク層54で誘起される。サーモクロミックインクは、周囲温度に影響を受けるため、インジケータは、あらゆる周囲温度状態の下で最適には機能しない。しかしながら、このインジケータの使用は、周囲温度が制御され、周囲の影響が分っている工場用途では、申し分なく適している。閾値温度は、電流の各々のレベルに関して導電性インク層52内の温度勾配に沿った何らかの点で到達され、電流の電流密度が増加するにつれて第1端部38から第2端部40まで移動する。電流の最も低いレベル(例えば4mA)では、閾値温度は、第1端部38に向かう導電性インク層52において到達される。電流が増加するにつれて、閾値温度は、第2端部40に向かうより大きい表面積を占める導電性インク層52の部分において到達される。電流の最も高いレベル(例えば20mA)は、導電性インク層52の第2の端部40において閾値温度に到達するのに十分な電流密度を生成し、したがって十分な熱を生成する。
【0019】
閾値温度は、設計のニーズによって変更することができ、導電性インク層及びサーモクロミックインク層の厚さ及びその他の要因によって決まる。低い温度において、サーモクロミックインク層54は、黒のような第1の色である。サーモクロミックインクは、閾値温度において、第1の色から緑のような第2の色に変化するように作られている。その他の実施形態において、サーモクロミックインク層54は、閾値温度において透明に変わる。サーモクロミックインクは、米国特許番号第4,717,710号において開示されている部類のインクのような任意の温度反応インク、又は米国ミシガン州ミッドランド所在のDow Corning Corporation、又は米国コロラド州コロラド・スプリングス所在のChromatic Technologies,Inc.,によって流通しているもののようなサーモクロミックインクとすることができる。
【0020】
第2の保護層56は、インク層を覆い、保護する一方でまた、サーモクロミックインク層54を見えるようにしている。1つの実施形態において、第2の保護層56は、透明なプラスチック材料である。
【0021】
プロセストランスミッタ12の別の実施形態において、インジケータ26は、サーモクロミックインクではなく液晶ベースの材料を使用する。液晶材料、特にコレステリック液晶材料は、室温においては透明で、閾値で或る色に変化する。液晶ベースの材料は、温度の非常に小さい変化にも敏感であり、緩やかな温度変化が起きる用途に適しているが、幾分高価である。したがってそれらは、幾分精度が求められ、幾分高いコストが受け入れられるインジケータの用途に特に適している。
【0022】
図3A及び図3Bは、本発明の温度対応インジケータの第2の実施形態を有する警告ラベル58を示す。図3Aは、典型的に通常の動作範囲内の温度で動作する状態を示す、不活性状態のサーモクロミック警告ラベル58を示している。図3Bは、典型的に通常の動作範囲外の温度で動作する状態を示す、活性サーモクロミック警告ラベル58’を示している。プロセストランスミッタ12は、警告ラベル58及びモジュールハウジング60を含む。ハウジング60は、プロセストランスミッタ12の電子機器及びセンサのための保護を提供する。サーモクロミック警告ラベル58は、プロセストランスミッタ12の変化した動作状態を示すメッセージを現すために温度変化に反応してその外観を変化させるサーモクロミックインク層を含む。サーモクロミック警告ラベル58は、保守管理者又はその他の人が容易に気づくような目立つ位置に、モジュールハウジング60の外側に貼られている。警告ラベル58は、サーモクロミックインク層がハウジング60内の温度変化に反応するように、モジュールハウジング60と密接に接触している。しかしながら、警告ラベル58は、周囲温度と管22(図1で示される)内のプロセス流体の温度との両方に反応する。周囲温度とプロセス温度との組み合わせは、プロセスが通常の動作範囲外で動作するとき、警告ラベル58にプロセス流体の最大規定動作値を超えさせ、したがって警告ラベル58を活性化させる。
【0023】
図3Cは、図3A及び図3Bの警告ラベルの分解図を示す。ラベル58は、サーモクロミック警告ラベルを製造する公知の原則により構築されており、その一部は米国特許番号第4,161,557号、第4,717,710号、第6,649,912号、及び第6,761,066号において開示されている。1つの実施形態において、警告ラベル58は、底部側64に接着剤と上部側68に視覚メッセージ66とを有する基板62を含む。基板62及び接着剤は、選択され、ハウジング60からのサーモクロミックインク層70の絶縁を最小限にするように塗布される。サーモクロミックインク層70は、視覚メッセージ66の上に印刷され、モジュールハウジング60の温度によって決定されたその温度が閾値レベルに達したとき、不透明な状態から透明な状態に変化する。サーモクロミックインク層70は、どのような温度反応インク又は流体であってもよい。1つの実施形態において、サーモクロミックインク層70は、米国特許番号第4,717,710号において開示される部類のインクである。その他の実施形態において、米国ミシガン州ミッドランド所在のDow Corning Corporation、又は米国コロラド州コロラド・スプリングス所在のChromatic Technologies,Inc.,によって流通しているようなサーモクロミックインクを用いてもよい。警告ラベル58の別の実施形態において、サーモクロミック流体はロイコ染料であり、典型的に青のような不透明色から透明状態に変化するように構成されている。ロイコ染料は、安価であるため、特に警告ラベル用途に適している。別の実施形態において、警告ラベル58は、サーモクロミックインク層70の代わりに、液晶温度反応層を使用する。保護層72は、印刷されたメッセージ及びインクを損傷から守るために、基板62及びサーモクロミックインク層70の上に置かれる。1つの実施形態において、保護層72は、透明プラスチックラミネートである。
【0024】
プロセストランスミッタ12は典型的に、2つの主要な温度限界を有する。第1に、プロセストランスミッタ12の電子機器は、一定の温度閾値に至るまでしか正しく動作しない。第2に、センサ及び電子機器は、それらが永久に損なわれるまでしか物理的に最大温度閾値に耐えることができない。したがって、警告ラベル58は、プロセストランスミッタ12がこれらの温度限界の一方又は両方を超えたときに、それを示すように備えることができる。各々の温度閾値の正確なレベルは、用いられるセンサ及び電子機器の種類による。その他の実施形態において、警告ラベル58は、任意の他の温度で行われるプロセスを示すのに用いることができる。警告ラベル58の閾値温度は、典型的に華氏200度(摂氏93度)から華氏300度(摂氏149度)の範囲の温度限界をもって、各々の用途に向けて特に設計することができる。
【0025】
閾値温度に到達するまで、図3Aの不活性警告ラベル58は、例えば、ラベルが温度モニタであることを知らせる常設メッセージを表示する。1つの実施形態において、警告ラベル58は、「温度モニタ」と示す。サーモクロミックインク層70は、サーモクロミックインクメッセージを隠すために不透明な状態のままである。警告ラベル58が不活性であることは、プロセストランスミッタ12が安全な温度範囲内で動作していることを示す。1つの実施形態において、警告ラベル58の不活性サーモクロミックインクは、通常の動作状態をはっきりと示すために緑である。周囲温度とモジュールハウジングの温度との組み合わせが、モジュールハウジング60において閾値温度を超える場合には、警告ラベル58のサーモクロミックインクは活性化し、隠された視覚メッセージを現すために外見上透明に変わる。図3Bの活性化警告ラベル58’は、プロセストランスミッタ12が閾値温度を超える温度で動作していることを示すメッセージを表示する。1つの実施形態において、活性化警告ラベル58’は、「警告、最大温度を超えました」と示す。1つの実施形態において、そのメッセージは、危険な動作状況をはっきりと示すために赤い背景に印刷される。したがって、保守管理者は、モジュールがその最大動作温度を超えたとき、容易に視覚表示を得ることができる。これは、プロセストランスミッタ12が局所的表示装置を含まない、又は制御ルームに接続されていないとき、特に有用である。
【0026】
その他の実施形態において、警告ラベル58は、プロセストランスミッタ12の温度が閾値温度を超えたときに知らせるための温度限界インジケータを含む。このような場合、警告ラベル58は、所望の融点を有する化学物質を含む。閾値温度に到達すると、化学物質は溶融し、プロセストランスミッタが閾値温度に曝されているという視覚表示を残す。例えば、小さな円は、プロセストランスミッタが溶融温度に曝されていないことを示すときは白とすることができる。溶融温度になると、その円は、融解化学物質によって青に変わる。1つの実施形態において、警告ラベル58は、次のようなメッセージを含む、すなわち、「警告、この円が青い場合は、この製品は最大動作温度を超えています!」。米国ミネソタ州セント・ポール所在の3M Corporation,St.Paulから入手可能なMonitorMark(登録商標)製品ライン及び米国ノースカロライナ州ベルモント所在のCox Technologies,Inc.,から入手可能なVitsab(登録商標)製品ラインのような好適なラベルは、当技術分野においては公知である。
【0027】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のプロセストランスミッタが用いられる、プロセス制御システムの例を示す。
【図2A】局所ディスプレイとして用いられる温度反応インジケータを有する、本発明のプロセストランスミッタを示す。
【図2B】図2Aのプロセストランスミッタの回路のブロック図である。
【図2C】図2Aのプロセストランスミッタの回路の別の実施形態のブロック図を示す。
【図2D】図2Aの温度反応インジケータの分解図を示す。
【図3A】本発明の温度反応インジケータの第2の実施形態を有する不活性警告ラベルを示す。
【図3B】活性状態にある図3Aの警告ラベルを示す。
【図3C】図3A及び図3Bの警告ラベルの分解図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内の、プロセス変数の関数としてセンサ信号を生成するセンサと、
前記ハウジング内の、前記センサ信号に基づいて電気出力を生成するためのトランスミッタ回路と、
前記ハウジングの外側から見える温度反応インジケータと、
を含み、前記インジケータは温度に視覚的に反応する、
ことを特徴とする、プロセストランスミッタ。
【請求項2】
前記温度は、前記プロセストランスミッタハウジングの温度であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項3】
前記温度反応インジケータは、前記ハウジングの外側に位置することを特徴とする、請求項2に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項4】
閾値温度に達したとき、印刷されたメッセージを現すために前記温度反応インジケータは不透明色から透明色に変化することを特徴とする、請求項2に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項5】
前記温度反応インジケータは、液晶材料層を含むことを特徴とする、請求項4に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項6】
前記温度反応インジケータは、サーモクロミックインク層を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項7】
前記温度反応インジケータは、温度限界インジケータを含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項8】
前記温度は、前記トランスミッタ回路の前記電気出力によって誘起された前記インジケータの温度であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項9】
前記温度反応インジケータは、前記プロセス変数の規模の視覚表示を表示することを特徴とする、請求項8に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項10】
前記温度反応インジケータは前記ハウジング内に位置し、前記ハウジングの開口部又は窓を通して見えることを特徴とする、請求項8に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項11】
プロセス変数を測定するためのプロセストランスミッタであって、
検出されたプロセス変数を表す電気出力を生成するためのトランスミッタ回路と、
前記プロセス変数を表す視覚指示を提供するために、前記電気出力の関数としてもたらされた熱に反応する温度反応インジケータと、
を含むことを特徴とする、プロセストランスミッタ。
【請求項12】
前記電気出力の前記視覚表示は、前記プロセス変数の規模を示すことを特徴とする、請求項11に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項13】
前記温度反応インジケータは、第1の端部から第2の端部にかけて表面積が増加する導電性インク層を含み、前記電気出力は前記第1の端部から前記第2の端部に送られて前記導電性インク層の抵抗加熱を引き起こすことを特徴とする、請求項11に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項14】
前記温度反応インジケータは、前記導電性インク層に隣接するサーモクロミックインク層を含み、前記導電性インク層の前記抵抗加熱は、前記サーモクロミックインク層の外観に視覚的変化を引き起こすことを特徴とする、請求項13に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項15】
前記温度反応インジケータは、前記導電性インク層に隣接する液晶材料の層を含み、前記導電性インク層の前記抵抗加熱は、前記液晶材料層の外観に視覚的変化を引き起こすことを特徴とする、請求項13に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項16】
プロセス変数を測定するためのプロセストランスミッタであって、
プロセス変数を検出するための検出部と、
前記検出されたプロセス変数に基づいて、出力を生成するためのトランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ回路及び前記検出部を含むハウジングと、
前記ハウジング上に配置され、前記プロセストランスミッタハウジングの温度に反応する温度反応インジケータと、
を含むことを特徴とする、プロセストランスミッタ。
【請求項17】
前記温度反応インジケータは、閾値温度を超えるハウジング温度に反応し、不透明色から透明色に変化して、透明色の材料層がメッセージを現すようになる材料の層を含むことを特徴とする、請求項16に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項18】
前記材料層は、サーモクロミックインク層を含むことを特徴とする、請求項17に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項19】
前記材料層は、液晶材料の層を含むことを特徴とする、請求項17に記載のプロセストランスミッタ。
【請求項20】
前記温度反応インジケータは、前記ハウジングの外側に取り付けられることを特徴とする、請求項16に記載のプロセストランスミッタ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公表番号】特表2009−533678(P2009−533678A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505360(P2009−505360)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/004407
【国際公開番号】WO2007/126489
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(597115727)ローズマウント インコーポレイテッド (240)