プロセス情報管理装置および方法およびプロセス情報管理プログラムを記録した記憶媒体
【課題】 開発業務や日常業務のプロセスを定義および関連する各種情報を管理するプロセス情報管理装置において、属性を持った意味のあるまとまりであるタスクのくくりを維持しながら、様々なタスクの制御フローの記述や変更を、GUIを使用してインタラクティブに行なうことが難しい、という課題があった。
【解決手段】 属性を持ったタスク、属性を持ったタスクグループ、タスク順序、を定義する手段に加え、タスクグループを越えたタスク順序を定義する仕組み、処理を優先するタスク順序を定義する仕組み、タスクグループの展開・縮小表示を行なう仕組み、他の業務プロセスを参照する仕組み、を提供することによって、上記課題を解決する。
【解決手段】 属性を持ったタスク、属性を持ったタスクグループ、タスク順序、を定義する手段に加え、タスクグループを越えたタスク順序を定義する仕組み、処理を優先するタスク順序を定義する仕組み、タスクグループの展開・縮小表示を行なう仕組み、他の業務プロセスを参照する仕組み、を提供することによって、上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開発業務や日常業務のプロセスを定義し、定義された業務プロセスと関連する各種情報を管理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PMBOK等のプロジェクト管理の方法論においては、プロジェクトで実施すべき全ての細分化された作業(タスク)の一覧をWBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャ)と呼ばれる階層構造を持った一覧表で管理し、これに従ってプロジェクトを遂行することが推奨されている。
【0003】
また、WBSとガントチャートをベースにして、プロジェクトのタスク、スケジュール、リソースを統合的に管理するソフトウェアとしては、米国マイクロソフト社のソフトウェア「Microsoft Project(MS Project)」がよく知られている。(「マイクロソフト」「Microsoft」は登録商標)
一方、ソフトウェアの処理フローや業務フローを記述する方法としては、フローチャートやUMLのアクティビティ図などが使用可能である。ここで言う「フロー」とは、処理の順序のことである。
【0004】
MS Projectを使用すれば、あるタスクの前に行なうべきタスク(先行タスク)、あるタスクの後に行なうべきタスク(後続タスク)を定義することが可能である。さらに、先行タスクが完了する前に後続タスクに着手する設定(リードタイムの設定)や、先行タスクの完了後に一定の待ち時間を設けて後続タスクに着手する設定(ラグタイムの設定)、も可能である。
【0005】
また、アクティビティ図を使用すれば、後続処理を条件(ガード条件)によって複数の処理に分岐させる設定(分岐処理)や、いったん分岐した処理を元の1本の処理に戻す設定(合流処理)が可能である。さらに、同期バーを使用することで、並行して処理に着手できる設定(並行処理)、複数の処理が全て完了しないと後続の処理に移れない設定(待機処理)、も可能である。
【0006】
アクティビティ図では、入れ子構造の表記をすることによって、フローのある部分の処理を詳細化することができ、同様にWBSでは、ツリーの親子関係によって、処理の詳細化を表現することができる。
【0007】
特許文献1では、フロー制御の記述をグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)を利用して、インタラクティブに行ない、見やすくレイアウトする技術が開示されている。
【0008】
特許文献2では、タスクを実施する際に、タスクを実施する際に必要なドキュメント、タスクの成果物、参照すべき画像ファイルなどの関連オブジェクトを、タスクにひも付けて管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−084725号公報
【特許文献2】特開2006−107141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、実際に開発業務や日常業務のプロセスを定義する際には、開発フェーズや業務担当部門ごとに、その範囲内でタスク群を抽出し、それらをひとくくりにしてグループ化したい場合がある。さらに、タスクやタスクをひとくくりにグループ化したもの(タスクグループと呼ぶ)に対して、それぞれ一意の属性を付加することによって、ある開発フェーズで実施すべきタスクやドキュメント等のタスク関連オブジェクトを明確にする、あるいは、ある担当部門が管理すべきタスクやタスク関連オブジェクトを明確にする、ということを実現したい場合がある。しかし一方では同時に、タスクグループの例である、開発フェーズや業務担当部門を越えて、先行可能なタスク、待機すべきタスク、というものも存在する。
【0011】
しかしながら、上記従来の技術例では、複数のタスクをひとくくりにしてグループ化する場合、上位のタスクから下位のタスク群を作成しこれをグループ化するか(タスクの詳細化)、あるいは下位のタスク群をグループ化して上位のタスクを定義するか(タスクの一般化)、のどちらかの用途であった。または、タスクグループに属性が設定されていても、タスクグループ内のタスクフローの制御に関しては、上記のタスクの詳細化、あるいはタスクの一般化以外の指定はできなかった。
【0012】
すなわち、同一のタスクグループ内でのタスクフローは、開始タスクおよび終了タスクが一意に固定されており、それを変更したり、タスクグループを越えて先行処理や待機処理を記述することはできない、という課題があった。
【0013】
本発明では、属性を持った意味のあるまとまりであるタスクのくくり(タスクグループ)を維持しながらも、タスクフローの制御をGUI上でインタラクティブに変更することを可能にして、業務プロセス定義、および業務プロセスに関わる各種情報の管理を行なうユーザの利便性を向上させる装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の課題を解決するため、本発明のプロセス情報管理装置は、タスク定義手段と、タスク属性定義手段と、タスクグループ定義手段と、タスクグループ属性定義手段と、タスク順序定義手段と、業務プロセステンプレート保存手段と、タスクグループ表示切換手段と、参照業務プロセステンプレート定義手段と、を設けた。
【0015】
請求項1に記載した発明により、タスク定義手段は、特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示し、タスク属性定義手段は、タスクに関連する複数の属性情報を定義し、タスクグループ定義手段は、複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示し、タスクグループ属性定義手段は、タスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とし、タスク順序定義手段は、第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示し、業務プロセステンプレート保存手段は、作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する。
【0016】
請求項2に記載した発明により、タスク順序定義手段は、互いに異なるタスクグループに所属する、第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義する。
【0017】
請求項3に記載した発明により、タスクグループ表示切換手段は、タスクグループ内に存在するタスクおよびタスクグループを示す描画オブジェクトを画面上に表示するか(展開表示)、表示しないか(縮小表示)を切り換え、かつ、タスク順序定義手段で定義されたコネクタが該タスクグループに接続する場合に該コネクタの表示状態を切り換える。
【0018】
請求項4に記載した発明により、参照業務プロセステンプレート定義手段は、第1の業務プロセステンプレート上で、第2の業務プロセステンプレートを参照として定義し、描画オブジェクトとして表示し、タスク順序定義手段は、前記参照業務プロセステンプレートとのタスク順序を定義する。
【0019】
請求項5に記載した発明により、タスク順序定義手段は、タスク、タスクグループ、参照業務プロセステンプレート、の間に定義される複数のタスク順序のうち、特定のタスク順序の定義を優先して判断する。
【0020】
請求項6に記載した発明により、前述の課題を解決する、プロセス情報管理システムのデータ処理方法を提供する。
【0021】
請求項7に記載した発明により、前述の課題を解決する、プロセス情報管理システムのデータ処理方法をコンピュータに機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、属性を持った意味のあるまとまりであるタスクのくくり(タスクグループ)を維持しながらも、タスクフローの制御をGUI上でインタラクティブに変更することを可能にして、業務プロセス定義、および業務プロセスに関わる各種情報の管理を行なうユーザの利便性を向上させるという効果がある。
【0023】
本発明の請求項1にかかる装置では、属性を持ったタスク、属性を持ったタスクグループ、タスクを実行する順序、をGUI上でインタラクティブに定義し、業務プロセステンプレートとして保存することができる。
【0024】
本発明の請求項2にかかる装置では、入れ子構造や並列構造になったタスクグループを越えた制御フロー(特殊タスク手順)を定義することができる。
【0025】
本発明の請求項3にかかる装置では、GUI上でタスクグループを展開または縮小表示することができ、かつ、縮小表示状態でも、タスクグループ内部の制御フローを表現することができる。
【0026】
本発明の請求項4にかかる装置では、他の業務プロセステンプレートを参照して利用することができる。
【0027】
本発明の請求項5にかかる装置では、特定のタスク順序の定義を優先させる制御フロー(優先タスク手順)を定義することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるプロセス情報管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるプロセス情報管理装置で業務プロセスを作成する手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例における標準的な業務プロセステンプレートを定義した例である。
【図4】フォルダを越えるタスク順序を定義した例である。
【図5】フォルダを越えるタスクの移動を実行した例である。
【図6】フォルダを越えるタスク順序を定義した双方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【図7】フォルダを越えるタスク順序を定義した一方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【図8】ある業務プロセスから他の業務プロセスを参照した場合の例である。
【図9】複数のタスク手順が定義されている場合の優先タスク手順を定義した例である。
【図10】本実施例の図10の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図11】タスク属性入力画面の例である。
【図12】本実施例の図3の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図13】本実施例の図4の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図14】本実施例の図9における制御フローを示すアクティビティ図である。
【図15】本実施例の図10の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図16】本実施例の図17における制御フローを示すアクティビティ図である。
【図17】本実施例の図9におけるコネクタ(910)が通常のタスク手順(通常タスク手順と呼ぶ)を示すコネクタである場合の例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかる一実施形態のプロセス情報管理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
[第1実施形態]
[システム構成と動作手順]
図1は、本発明の第1実施形態にかかるプロセス情報管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
本発明の実施形態にかかるプロセス情報管理装置(以下、本装置)のサーバコンピュータ(以下、サーバ)および各クライアントコンピュータ(以下、クライアント)は、同様のハードウェア構成である。また、サーバとクライアントは物理的に1つのハードウェアであってもよい。
【0032】
図1において、11はマウスやキーボードなどの入力装置、12はROM、13はハードディスクドライブ(HDD)、FDドライブ(FDD)、CDドライブ、DVDドライブなどの記憶装置、14はRAM、15はCPU、16はLCDやCRTなどの出力装置、17はネットワークI/F、18はシステムバス、19はLANである。
【0033】
サーバと各クライアントは、ネットワークI/F17を介してLAN19に接続されており、サーバ上で動作している本装置と必要なデータのやり取りを行う。
【0034】
本装置のプログラムおよび必要なデータは、システムが動作するサーバ上の記憶装置13に格納されており、RAM14に取り込まれる。プログラムおよびデータがROM12に格納されている場合は、ROM12からRAM14に読み込まれる。CPU15は、RAM14にアクセスしてプログラムを動作させる。
【0035】
ユーザは、クライアントの出力装置16に表示された画面の指示に従い、クライアントの入力装置11を使用して、必要な情報を入力または指示する。入力データは、クライアントのCPU15に伝えられ、ネットワークI/F17とLAN19を介してサーバに送信される。サーバで処理された結果は、ネットワークI/F17とLAN19を介して、再びクライアントに送信され、クライアントの出力装置16の画面に表示される。
【0036】
[標準的な業務プロセスの作成]
図2は、本発明の実施形態にかかるプロセス情報管理装置で業務プロセスを作成する手順を示すフローチャートである。
【0037】
本実施例では、開発業務や日常業務の一連の流れを定義したもの、を「業務プロセス」または単に「プロセス」と呼ぶことにする。また、業務プロセスを雛型として保存したものを特に「業務プロセステンプレート」と呼ぶ。
【0038】
図2のフローチャートにしたがって、これより図3と図11を参照しながら、本実施例における標準的な業務プロセステンプレート作成する手順を詳細に説明する。
【0039】
まず、ユーザは業務プロセスの名称を決め、業務プロセスを作成する(S201)。マウスなどの入力装置11(以下、単にマウス)でメニューから「業務プロセス新規作成」をクリックすることなどで、業務プロセスが新規に作成されると、出力装置16には「プロセス1(301)」の編集画面が表示される。
【0040】
次に、ユーザは、その業務プロセスの中で実施しなければならないタスク(作業)を洗い出した上で、いくつでもタスクを定義する(S202)。タスクを示す描画オブジェクトの形状(例えば矩形)は、あらかじめRAM14に格納されており、出力装置16上に雛型の描画オブジェクトとして表示されている。ユーザは、マウスでタスクを示す雛型の描画オブジェクトを「プロセス1(301)」上にドラッグするなどの方法で、タスクを配置して行く。この時点では、タスクの詳細情報は、まだ完全に入力されていなくてもよい。
【0041】
例えば、タスクのタイトルを「タスク01」と、キーボードなどの入力装置11(以下、単にキーボード)で入力し、配置場所をマウスで指示することにより「タスク01(310)」が作成される。同様の操作で、「タスク02(311)」から「タスク08(312)」までのタスクを「プロセス1(301)」上に定義、配置する。なお、タスクを作成する順番は、タスクを実行する順序(タスク順序と呼ぶ)とは無関係に定義して行くことができる。
【0042】
次に、ユーザは、定義済のタスクに対してその属性を定義することができる(S203)。定義済のタスクを示す描画オブジェクトをマウスでダブルクリックするなどの方法で指定すると、図11に示すタスク属性入力画面(1101)が表示される。タスク属性入力画面(1101)には、タスクの詳細な内容を記述した文章(1103)、タスクの内容を示唆するキーワード(1104)、タスクの日程(開始予定日や終了予定日など)(1105)、その他の属性(1106)を記述することができる。
【0043】
また、それぞれのタスクに、複数のナレッジを紐付けることもできる。ここで言うナレッジとは、そのタスクに関係のある設計書やメモ書きなどのファイル、図面や画像ファイル、関連Webページへのリンク情報、関連ファイルの格納フォルダへのリンク情報などを総称したものである。このようにして、各タスクの内容を詳細化して行く。なお、タスク属性を入力する順番は、タスク順序やタスクを作成した順番とは無関係に定義して行くことができる。
【0044】
次に、タスクのグルーピング(ひとくくりにしてグループ化すること)を行う(S204)。グルーピングは「フォルダ」と呼ばれるものを用いて行う。本実施例では、プロセス内で、複数のタスクをひとくくりにしたものを「フォルダ」または「タスクグループ」と定義する。フォルダは、タスクとフォルダを内部に包含することができる。また、フォルダに所属しないタスクも存在可能である。
【0045】
「プロセス1(301)」を例に取って操作を説明する。まず「フォルダ11(304)」を作成し、その中に「タスク01(310)」と「タスク02(311)」を移動させる。移動は、マウスを使ってタスクをドラッグ・アンド・ドロップすることなどで行なえる。フォルダの作成方法は、タスクの場合と同様で、フォルダを示す描画オブジェクトの形状(例えば角丸矩形)は、あらかじめRAM14に格納されており、出力装置16上に雛型の描画オブジェクトとして表示されている。ユーザは、マウスでフォルダを示す雛型の描画オブジェクトを「プロセス1(301)」上にドラッグするなどの方法で、フォルダを配置して行く。この時点では、フォルダの詳細情報は、まだ完全に入力されていなくてもよい。
【0046】
同様に「フォルダ21(306)」を作成し、その中に「タスク03(313)」と「タスク04(314)」を移動させる。また「フォルダ12(305)」を作成し、その中に「タスク08(312)」を移動させる。また「フォルダ22(307)」を作成し、その中に「タスク05(315)」と「タスク06(316)」を移動させる。また「フォルダ1(302)」を作成し、その中に「タスク01」と「タスク02」を含んだ「フォルダ11(304)」と、「タスク08」を含んだ「フォルダ12(305)」を移動させる。また「フォルダ2(303)」を作成し、その中に「タスク03」と「タスク04」を含んだ「フォルダ21(306)」と、「タスク05」と「タスク06」を含んだ「フォルダ22(307)」を移動させる。
【0047】
なお、タスクのグルーピングを行う順番は決められているわけではなく、ユーザはプロセス全体を眺めてグルーピングした方がよいと判断した部分から、フォルダにまとめるという操作を行なうことができる。例えば、先ほどの例では「フォルダ1(302)」から作成し、タスク群を内部に入れていったが、「フォルダ12(305)」から先に、グルーピングすることも可能である。あるいは、「フォルダ1(302)」に「フォルダ11(304)」を入れる操作を先に行なうことも可能である。また、フォルダを作成する順番は、フォルダ間のタスク群を実行する順序とは無関係に定義して行くことができる。
【0048】
次に、ユーザは、定義済のフォルダに対してその属性を定義することができる(S205)。定義済のフォルダを示す描画オブジェクトをマウスでダブルクリックするなどの方法で指定すると、図11のタスク属性入力画面と同様の、フォルダ属性入力画面が表示される。フォルダ属性入力画面には、フォルダの詳細な内容を記述した文章、フォルダの内容を示唆するキーワード、フォルダの日程(開始予定日や終了予定日など)、その他の属性を記述することができる。また、タスクと同様、それぞれのフォルダに、複数のナレッジを紐付けることもできる。
【0049】
各タスクはタスク属性を複数持つことができるが、タスクは上位のフォルダが持つ複数のフォルダ属性を継承することもできる。つまり、タスクが1つのフォルダにくくられた時、それらのタスクは、自タスクが持つタスク属性群、自タスクの上位フォルダ群が持つタスクフォルダ属性群を全て参照することができる。
【0050】
次に、タスクを実行する順序を決めて行く(S206)。本実施例では、タスクとタスクだけではなく、タスクとフォルダ、フォルダとフォルダ、およびこれらと、後述する参照業務プロセステンプレート、の間に定義される実行順序の依存関係を総称して「タスク順序」と呼ぶことにする。タスク順序を定義すると、該当する2つの描画オブジェクト間に、タスク順序を示す矢印付きの線(コネクタと呼ぶ)が表示される。タスク順序の定義を行なう操作は、例えば、「タスク01(310」をシフトキーを押しながらマウスでクリックし、次に「タスク02(311)」をシフトキーを押しながらマウスでクリックすれば、コネクタ(320)が、作成される。
【0051】
「プロセス1(301)」を例に取って操作を説明する。まず「フォルダ11(304)」内の「タスク01(310)」から「タスク02(311)」へコネクタ(320)を引く。次に「フォルダ21(306)」内の「タスク03(313)」から「タスク04(314)」へコネクタ(322)を引く。また「フォルダ22(307)」内の「タスク05(315)」から「タスク06(316)」へコネクタ(323)を引く。また「フォルダ2(303)」から「プロセス1(301)」直下の「タスク07(317)」にコネクタ(325)を引く。また「フォルダ1(302)」から「フォルダ2(303)」へコネクタ(321)を引く。
【0052】
これらのコネクタは業務プロセスの順に従って、例えば業務プロセス内で最初に着手すべきタスクから順番に引いて行く必要はなく、特定のタスク間もしくはフォルダ間もしくはタスクとフォルダ間の前後関係が確定した時点でその部分からコネクタを引くことができる。もちろん、業務プロセスが変わるたびに、既存のコネクタの接続タスクを変更すること、既存のコネクタを削除することができる。
【0053】
コネクタはそれ自身が、先行タスクと後続タスクの情報を格納する領域を持っている。例えば、コネクタ(320)には先行タスクとして「タスク01(310)」の情報、後続タスクとして「タスク02(311)」の情報が、コネクタ(325)には先行タスクとして「フォルダ2(303)」の情報、後続タスクとして「タスク07(317)」の情報が、それぞれ格納されている。
【0054】
ユーザは、S202〜S206のステップを繰り返しながら、業務プロセスを作成していく。なお、S202〜S206の各ステップは順不同であり、ユーザはどのような順番で処理を行ってもよい。例えば、先にフォルダを作成してからその中にタスクを作成してもよいし、コネクタが付いた複数のタスク群をフォルダでくくる操作をしてもよい。また、同一のステップの処理を何度行っても良い。本装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)上で、ユーザがこのようにインタラクティブに、タスク、フォルダ、およびコネクタを配置して行くことにより、思考を妨げられることなく、円滑に思い通りの業務プロセスを作成することができる。
【0055】
最後にユーザは、定義した業務プロセスを記憶装置13に保存する(S106)。ユーザは、マウスでメニューから「業務プロセス保存」をクリックすることなどで、作成完了または作成途中の業務プロセスを、業務プロセスの雛型である「業務プロセステンプレート」として保存する。作成途中の業務プロセスを再編集する場合には、S201において、新規に業務プロセスを作成する代わりに、業務プロセステンプレートを記憶装置から呼び出せばよい。
【0056】
[タスク処理フローの説明]
本装置で適用可能なタスク処理フローとその表記ルールについて、以下に説明する。
【0057】
図3の例では、「タスク01(310)」から「タスク02(311)」に向けてコネクタ(320)が引かれている。これは、「タスク01(310)」が完了してから、次の「タスク02(311)」に着手できる、という意味である。(先行タスクと後続タスクの指定)
図10の例では、「タスク01(1010)」から「タスク02(1011)」と「タスク03(1012)」に向けてコネクタが引かれている。これは、「タスク01(1010)」が完了した後、次の「タスク02(1011)」と「タスク03(1012)」を同時並行で着手できる、という意味である。一般に、あるタスクの後続タスクとして複数のタスクが指定されている場合には、先行タスクが完了したら、後続タスク群は同時並行で着手できる、という意味である。(後続タスクの並行処理指定)
また図10の例では、「タスク00(1015)」が完了すると、「フォルダ1(1002)」内のタスクに着手できるが、「フォルダ1(1002)」の直下にあり、先行タスクがないタスクまたはフォルダ、すなわち、「タスク01(1010)」、「フォルダ11(1003)」内の先頭タスク、「フォルダ12(1004)」内の先頭タスク、が同時並行で着手できる。このように、後続タスクがフォルダである場合には、「タスク00(1015)」から、「タスク01(1010)」、「フォルダ11(1003)」、「フォルダ12(1004)」のそれぞれにコネクタを引くことなく、直接「フォルダ1(1002)」にコネクタを引くことによって、並行処理を表現できる。(先頭タスクの並行処理指定)
また図3の例では、「フォルダ1(302)」の内部は、サブフォルダ(入れ子になった子のフォルダ)も含め、「フォルダ11(304)」、「フォルダ12(305)」、「タスク01(310)」、「タスク02(311)」、「タスク08(312)」で構成されている。この場合、後続タスクである「フォルダ2(303)」に着手できるのは、「フォルダ1(302)」のタスクが全て完了してから、ということになる。
【0058】
また図3の例では、「タスク04(314)」の先行タスクとして「タスク03(313)」と「タスク05(315)」が指定されている。これは「タスク03(313)」と「タスク05(315)」の両方が完了しないと、「タスク04(314)」に着手することができない、という意味である。あるタスクの先行タスクとして複数のタスクが指定されている場合には、先行タスクの全てが完了するまで、後続タスクには着手できない、という意味である。(待機処理指定)
以上説明したタスク処理フロー表記ルールを適用すると、図3の例では、「フォルダ1(302)」の処理が完了したら「フォルダ2(303)」の処理に着手できることになる。「フォルダ2(303)」の先頭タスクは「フォルダ21(306)」と「フォルダ22(307)」で、この二者は同時に着手できる。また、各フォルダ内の先頭タスクは、それぞれ「タスク03(313)」と「タスク05(315)」であることから、「タスク03(313)」と「タスク05(315)」が同時並行で着手できる、ということになる。
【0059】
先ほど説明した「フォルダ1(302)」内の処理と同様に、「タスク03(313)」と「タスク04(314)」が完了することで「フォルダ21(306)」の処理が完了し、「タスク05(315)」と「タスク06(316)」が完了することで「フォルダ22(307)」の処理が完了する。そして「フォルダ21(306)」と「フォルダ22(307)」の処理が完了することで、「フォルダ2(303)」の処理が完了することになる。
【0060】
[UMLアクティビティ図の説明]
本装置の制御フローの記述は、従来技術であるUMLアクティビティ図(以下、単にアクティビティ図)の表現を用いても表現することができる。
【0061】
図12は、本実施例の図3の制御フローを示すアクティビティ図である。
【0062】
簡単にアクティビティ図の表記について説明する。1201はフローの開始、1202はフローの終了を意味する。また、1205などタスクとタスクを繋ぐ矢印はタスクの実行順序を示す。例えば、「タスク01(1210)」が「タスク02(1211)」の先行タスクであるとき、1205の矢印を引く。
【0063】
1203と1204は「同期バー」と呼ばれるものである。1203の同期バーは並行処理を意味する。この例では、同期バー(1203)に後続する「タスク01(1210)」と「タスク08(1212)」が同時に並行して着手できることを示している。また、1204の同期バーは待機処理を意味する。この例では、同期バー(1204)の後続する「タスク07(1217)」は、同期バー(1204)に先行する「タスク04(1214)」と「タスク06(1216)」の両方の完了を待って着手できることを意味している。
【0064】
図15は、本実施例の図10の制御フローを示すアクティビティ図である。
【0065】
[フォルダの適用事例]
ここで図3を用いて、フォルダを開発業務プロセスに適用した事例について説明する。
【0066】
開発業務プロセスは、多数のタスクから構成される。一般に、開発業務には、開発のマイルストーンを設定したり、開発物の完成度を高めて行く段階を定義するために「フェーズ」という概念がある。例えば、ある開発業務プロセスが、フェーズα、フェーズβ、フェーズγ、という3つのフェーズで構成されているとする。このような場合、タスク群をフェーズごとにくくって、フォルダで管理することができる。
【0067】
例えば、フェーズαで実施すべきタスクである、「タスク01(310)」、「タスク02(311)」、「タスク08(312)」には、「フェーズα」という共通の属性を持たせたい。そこで「フォルダ1(302)」を「フェーズαで実施すべきタスク群」という意味で使用し、そのフォルダ属性の1つとして「フェーズα」を付与する。同様にして、フェーズβで実施すべきタスクである、「タスク03(313)」、「タスク04(314)」、「タスク05(315)」、「タスク06(316)」を、「フォルダ2(303)」でくくり、そのフォルダ属性の1つとして「フェーズβ」を付与する。
【0068】
さらに、例えば「タスク01(310)」と「タスク08(312)」に紐付けたナレッジファイルにも、タスク属性が持つナレッジへのリンク情報から「フェーズα」という属性を付与することも可能となる。これを実現すれば、「フェーズαで実施すべきタスク」に加えて「フェーズαのタスクで作成したナレッジファイル」という情報を特定することもできるようになる。
【0069】
さて、開発業務には、フェーズとは独立して、その業務の「担当部門」という概念もある。例えば、ある開発業務プロセスが、フェーズα、フェーズβ、フェーズγ、という3つのフェーズで構成されており、さらに、A部門とB部門という2つの担当部門が開発業務に携わっているとする。このような場合、タスク群をフェーズごとにくくって、フォルダで管理し、さらに、担当部門ごとのフォルダを作成することもできる。
【0070】
例えば、フェーズαを表す「フォルダ1(302)」の内部で、A部門が担当する「タスク01(310)」および「タスク02(311)」と、B部門が担当する「タスク08(312)」があったとする。このような場合も、フォルダを適用することができる。すなわち、「フェーズαでA部門が担当するタスク群」として「フォルダ11(304)」を、「フェーズαでB部門が担当するタスク群」として「フォルダ12(305)」を作成し、フェーズを表すフォルダ属性とは別のフォルダ属性に、それぞれ「A部門」、「B部門」を付与すればよい。同様に、フェーズβを表す「フォルダ2(303)」の内部でも、A部門が担当する「タスク03(313)」および「タスク04(314)」をくくった「フォルダ21(306)」と、B部門が担当する「タスク05(315)」および「タスク06(316)」をくくった「フォルダ22(307)」を作成し、担当部門を表すフォルダ属性を付与すればよい。
【0071】
このように、フォルダをうまく適用することで、担当部門とフェーズという2つの切り口から、タスク群をくくることができ、各タスクおよびタスクに紐づくナレッジに、部門を表すフォルダ属性とフェーズを表すフォルダ属性を付与することができる。これにより、例えば、「タスク05(315)」は「フェーズβでB部門が行うタスク」であることが分かる。また、「フェーズαでA部門が担当するタスク」は「タスク01(310)」と「タスク02(311)」であることも分かる。さらに、「B部門が(フェーズαで)作成したナレッジファイル」という情報を特定することもできるようになる。
【0072】
[フォルダを越えるタスク順序の定義]
図4は、フォルダを越えるタスク順序を定義した例である。
【0073】
図3と図4はタスクとフォルダの配置は同じだが、図4では「タスク01(410)」から「タスク05(415)」へのコネクタが追加されている。本装置では、このようなフォルダ順序を越えるタスク順序の定義も可能である。
【0074】
図4はフェーズαのタスクの1つである「タスク01(410)」が完了したら、フェーズα全体の完了を待たずに、フェーズβのタスクの1つである「タスク05(415)」に先行して着手することができる、という意味になる。実際の開発業務においても、このような運用を行なって、開発期間の短縮を図ることは行なわれている。ただし、あくまでも、「タスク01(410)」はフェーズαの、「タスク05(415)」はフェーズβのタスクである、ということに変わりはない。フォルダ属性は維持されているので、本実施例では、これを実現することが可能である。
【0075】
図13は、本実施例の図4の制御フローを示すアクティビティ図である。図4は図3にコネクタ(426)が追加されただけであるが、図12と図13を比較すると、アクティビティ図の表記では大きく変化することがわかる。
【0076】
[フォルダを越えるタスクの移動]
図5は、フォルダを越えるタスクの移動を実行した例である。
【0077】
図4と図5は、タスクとフォルダの接続関係は同じだが、「タスク05(515)」の上位フォルダが異なる。これは、例えばマウスを使ってタスクをドラッグ・アンド・ドロップする方法で、図4の「タスク05(415)」を、「フォルダ22(407)」から「フォルダ12(405)」に移動することによって実現している。
【0078】
これを実際の開発業務に適用すると、これまで「タスク05(415)」はB部門がフェーズβで行っていたが、このタスクは同じB部門がフェーズαの段階から行ったほうが、開発の効率がよいと判断された場合などが考えられる。このとき、「タスク05(415)」に接続されているコネクタ(523)、コネクタ(524)、コネクタ(526)は、そのままの接続状態で維持されるため、タスク順序には変動はない。このように、コネクタが接続された状態のタスクやフォルダを、フォルダのくくりを越えて移動することにより、タスク順序を変えることなく、一部の属性を変更することが可能となる。図4と図5の例では、「タスク05」が継承するフォルダ属性のうち、フェーズを表す属性が「フェーズβ」から「フェーズα」に変化した。
【0079】
タスク順序に変動は無いため、図5の制御フローを示すアクティビティ図は図13であり、図4のアクティビティ図と同じである。
【0080】
[フォルダの展開・縮小表示1]
本装置の出力装置16に表示されるGUIは、フォルダの内部に存在するタスクおよびフォルダの表示と非表示を切り換えることができる。以降、前者をフォルダ展開表示、後者をフォルダ縮小表示と呼ぶ。
【0081】
図6は、フォルダを越えるタスク順序を定義した双方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【0082】
図4は、全てのフォルダ内のタスクおよびフォルダが表示されたフォルダ展開表示状態である。図4と同じプロセスで、「フォルダ1(402)」と「フォルダ2(403)」をフォルダ縮小表示に変更すると、図6の表示になる。フォルダ展開・縮小表示の操作は、例えば、展開・縮小表示状態を変更したいフォルダをマウスで選択してから、画面上の「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックすることなどで、実現できる。フォルダ展開表示とフォルダ縮小表示の状態は、「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックするたびに切り換わる。
【0083】
フォルダ展開表示状態(図4)で、「フォルダ2(403)」と「タスク07(417)」を繋いでいたコネクタ(425)は、フォルダ縮小表示状態(図6)になったときにも、「フォルダ2(603)」と「タスク07(617)」を繋ぐコネクタ(625)に相当し、コネクタ形状は実線の矢印のままである。同様に、フォルダ展開表示状態(図4)の「フォルダ1(402)」と「フォルダ2(403)」を繋いでいたコネクタ(421)は、フォルダ縮小表示状態(図6)においても、「フォルダ1(602)」と「フォルダ2(603)」を繋ぐコネクタ(621)に相当し、コネクタ形状は実線の矢印のままである。
【0084】
フォルダ展開表示状態(図4)で、フォルダを越えるタスク順序を定義した、「フォルダ1(402)」の中の「タスク01(410)」と「フォルダ2(403)」の中の「タスク05(415)」とを繋ぐコネクタ(426)は、フォルダ縮小表示状態(図6)になったときに、「フォルダ1(602)」と「フォルダ2(603)」を繋ぐコネクタ(626)に相当する。このようにフォルダを越えるタスク順序を定義したことを、双方のフォルダが縮小表示状態であっても識別するために、例えば、コネクタ形状を破線の矢印に変えている。フォルダ間を接続している実線のコネクタ(621)は、そのまま存在しているので、結果として、「フォルダ1(602)」と「フォルダ2(603)」を繋ぐコネクタは、コネクタ(621)とコネクタ(626)の2本になる。
【0085】
タスク順序に変動は無いため、図6の制御フローを示すアクティビティ図は図13であり、図4のアクティビティ図と同じである。
【0086】
[フォルダの展開・縮小表示2]
図7は、図4にあるフォルダを越えるタスク順序を定義した一方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【0087】
図7は、図4の「フォルダ1(402)」のみをフォルダ縮小表示状態にしたものである。フォルダ展開表示状態(図4)で、「フォルダ1(402)」と「フォルダ2(403)」を繋いでいたコネクタ(421)は、フォルダ1の縮小表示状態(図7)においても、「フォルダ1(702)」と「フォルダ2(703)」を繋ぐコネクタ(721)に相当し、コネクタ形状は実線の矢印のままである。
【0088】
フォルダ展開表示状態(図4)で、「フォルダ1(402)」の中の「タスク01(410)」と「フォルダ2(403)」の中の「タスク05(415)」とを繋ぐコネクタ(426)は、フォルダ1の縮小表示状態(図7)では、「フォルダ1(702)」と「フォルダ2(703)」の中の「タスク05(715)」を繋ぐコネクタ(726)に相当する。このようにフォルダを越えるタスク順序を定義したことを、一方のフォルダが縮小表示状態であっても識別するために、例えば、コネクタ形状を破線の矢印に変えている。
【0089】
同様に、図4の「フォルダ2(403)」のみをフォルダ縮小表示状態にした場合には、図4のコネクタ(421)に相当するコネクタ形状は実線の矢印のまま表示され、図4のコネクタ(426)に相当するコネクタ形状は、縮小表示状態にした「フォルダ2」への点線の矢印で表示されることにあなる。
【0090】
以上[フォルダの展開・縮小表示1]および[フォルダの展開・縮小表示2]の説明により、タスク順序を定義している2つのフォルダの双方または一方が縮小表示状態であっても、これらのフォルダ間でフォルダを越えるタスク順序を定義していることを、ユーザが識別することができる。
【0091】
タスク順序に変動は無いため、図7の制御フローを示すアクティビティ図は図13であり、図4のアクティビティ図と同じである。
【0092】
[他の業務プロセステンプレートの参照]
図8は、ある業務プロセスから他の業務プロセスを参照した場合の例である。
【0093】
図8では、別に作成した他の業務プロセステンプレートへの参照(参照業務プロセステンプレートと呼ぶ)を「ショートカット」という描画オブジェクトで示している。参照業務プロセステンプレートを示す描画オブジェクトの形状(例えばタスクとは枠線の色が異なる矩形)は、あらかじめRAM14に格納されており、出力装置16上に雛型の描画オブジェクトとして表示されている。ユーザは、マウスで参照業務プロセステンプレートを示す雛型の描画オブジェクトを「プロセス2(801)」上にドラッグするなどの方法で、参照業務プロセステンプレートを配置していく。
【0094】
配置したショートカットがどの業務プロセステンプレートを参照するかは、例えば、ショートカットをマウスの右ボタンでクリックして表示されるメニューで「参照業務プロセスの選択」を選択し、さらに、表示される業務プロセスの一覧から、既に作成済の業務プロセステンプレートを選択すればよい。
【0095】
図8の例では、「ショートカット01(803)」は、「ユニットAの設計手順」を定義した業務プロセステンプレートへのショートカットを、「ショートカット02(804)」は「ユニットBの設計手順」を定義した業務プロセステンプレートへのショートカットを、「ショートカット03(805)」は「ユニットCの設計手順」というプロセスへのショートカットを、それぞれ表している。
【0096】
これを実際の開発業務に適用すると、ある機器の構造が機能別に複数のユニットに分かれており、それを各ユニット担当者が別々に開発する場合などがある。それぞれのユニットの設計手順は、各ユニットの開発業務ノウハウに詳しい担当者が別々の業務プロセステンプレートとして作成する。
【0097】
例えば、業務プロセス「ユニットAの設計手順」の作成を作成者Aが、業務プロセス「ユニットBの設計手順」の作成を作成者Bが、業務プロセス「ユニットCの設計手順」の作成を作成者Cが、それぞれ担当し、全体責任者Dが、それぞれのユニットをまとめて機器全体の開発業務プロセスを作成する、という場合である。
【0098】
図8の例では、ある機器を構成するユニットが、ユニットA、ユニットB、ユニットC、の3つだった場合、別々に作成された、ユニットA、ユニットB、ユニットC、の各設計手順の業務プロセステンプレートを示すショートカットを、「プロセス2(801)」上に配置して、これらのタスク順序を定義するだけで、機器全体の開発業務プロセスが完成する。
【0099】
さらに、類似の機器を開発する際、すなわち、機器を構成するユニットの一部のみが異なる場合にも、業務プロセステンプレートの参照がうまく適用できる。例えば、類似の機器を構成するユニットが、ユニットB、ユニットC、ユニットD、の3つだった場合は、ユニットBとユニットCの設計手順を定義した業務プロセステンプレートは既に作成済であるので、これらについては、各設計手順の業務プロセステンプレートを示すショートカットを用い、ユニットDの設計手順を定義した業務プロセステンプレートだけを新規に作成すればよい。
【0100】
このように、参照業務プロセステンプレートを利用することで、同じ内容の業務プロセスを再利用することが可能となり、一部の業務プロセス(例えば、あるユニットの設計手順)を変更しても、全体の業務プロセス(例えば、ある機器全体の設計手順)に影響を与えないことも可能となる。
【0101】
参照業務プロセステンプレートも、先に説明したフォルダの展開・縮小表示と同様に、展開・縮小表示が可能である。業務プロセステンプレートを示すショートカット展開・縮小表示の操作は、例えば、展開・縮小表示状態を変更したいショートカットをマウスで選択してから、画面上の「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックすることなどで、実現すればよい。ショートカット展開表示とショートカット縮小表示の状態は、「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックするたびに切り換わる。
【0102】
[優先タスク手順の設定]
図9は、複数のタスク手順が定義されている場合の優先タスク手順を定義した例である。
【0103】
図14は、本実施例の図9における制御フローを示すアクティビティ図である。
図17は、本実施例の図9におけるコネクタ(910)が通常のタスク手順(通常タスク手順と呼ぶ)を示すコネクタだった場合の例である。
【0104】
図16は、本実施例の図17における制御フローを示すアクティビティ図である。
【0105】
図9では、「フォルダ1(903)」の中の「タスク03(906)」から「タスク04(905)」に引かれているコネクタ(910)が示すタスク手順が、他の、コネクタ(912)、コネクタ(911)が示すタスク手順より優先する場合の例を示している。コネクタ(910)が示すタスク手順を「優先タスク手順」、優先タスク手順を示す描画オブジェクトを「優先コネクタ」と呼ぶことにする。
【0106】
図17は、図9において、コネクタ(910)が優先コネクタではなく、通常のタスク手順(通常タスク手順と呼ぶ)を示すコネクタ(通常コネクタと呼ぶ)だった場合を表していて、タスクの制御フローは以下のようになる。
【0107】
「タスク01(1702)」から始まり、「フォルダ1(1703)」に制御が移り、「フォルダ1(1703)」の先頭タスクである「タスク02(1704)」と「タスク03(1706)」が同時に着手できる。「タスク05(1707)」は「タスク03(1706)」が完了すれば着手できるが、「タスク04(1705)」は「タスク02(1704)」と「タスク03(1706)」の両方が完了しないと着手できない。「タスク04(1705)」と「タスク05(1707)」が完了し、「フォルダ1(1703)」の中の全てのタスクが完了した後、「タスク06(1708)」に着手できる。
【0108】
図16は、この制御フローをアクティビティ図で表現したものである。
【0109】
一方、図9において、コネクタ(910)は優先コネクタであるため、図17と比べてタスクの制御フローは以下のように変わる。
【0110】
「タスク01(902)」から始まり、「フォルダ1(903)」に制御が移り、「フォルダ1(903)」の先頭タスクである「タスク02(904)」と「タスク03(906)が同時に着手できる。そして、「タスク03(906)」が完了すると、コネクタ(911)が繋がっている「タスク05(907)」と優先コネクタ(910)が繋がっている「タスク04(905)」が同時に着手できる。つまりこの場合、「タスク04(905)」の先行タスクには「タスク02(904)」が定義されているがこれは無視され、「タスク03(906)」が完了した時点で、「タスク02(904)」の状態に関わらず、優先コネクタ(910)が繋がっている先の、「タスク04(905)」に着手できることになる。一方、「タスク02(904)」が完了しても、「タスク03(906)」の完了を待たないと、「タスク04(905)」には着手できない。
【0111】
図14は、この制御フローをアクティビティ図で表現したものである。
【0112】
優先タスク手順は、業務プロセスを一時的に変更する場合などに使うことができる。通常タスク手順の定義も、残されているので、一時的に変更した業務プロセスを元の通常の業務プロセスに戻すことも簡単にできるという利点がある。
【0113】
なお、優先タスク手順を示すコネクタは、図9のコネクタ(910)では、単に点線で表示されているが、フォルダを越えるタスク順序を定義してあり、双方または一方のフォルダが縮小表示状態の場合のコネクタ(点線)と区別できるよう、線の色を変える、点線ではなく一点鎖線にする、などで識別しやすくする。
【符号の説明】
【0114】
11 入力装置
12 ROM
13 記憶装置
14 RAM
15 CPU
16 出力装置
17 ネットワークI/F
18 システムバス
19 LAN
S202 タスク定義手段
S203 タスク属性定義手段
S204 タスクグループ定義手段
S205 タスクグループ属性定義手段
S206 タスク順序定義手段
S207 業務プロセステンプレート保存手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、開発業務や日常業務のプロセスを定義し、定義された業務プロセスと関連する各種情報を管理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PMBOK等のプロジェクト管理の方法論においては、プロジェクトで実施すべき全ての細分化された作業(タスク)の一覧をWBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャ)と呼ばれる階層構造を持った一覧表で管理し、これに従ってプロジェクトを遂行することが推奨されている。
【0003】
また、WBSとガントチャートをベースにして、プロジェクトのタスク、スケジュール、リソースを統合的に管理するソフトウェアとしては、米国マイクロソフト社のソフトウェア「Microsoft Project(MS Project)」がよく知られている。(「マイクロソフト」「Microsoft」は登録商標)
一方、ソフトウェアの処理フローや業務フローを記述する方法としては、フローチャートやUMLのアクティビティ図などが使用可能である。ここで言う「フロー」とは、処理の順序のことである。
【0004】
MS Projectを使用すれば、あるタスクの前に行なうべきタスク(先行タスク)、あるタスクの後に行なうべきタスク(後続タスク)を定義することが可能である。さらに、先行タスクが完了する前に後続タスクに着手する設定(リードタイムの設定)や、先行タスクの完了後に一定の待ち時間を設けて後続タスクに着手する設定(ラグタイムの設定)、も可能である。
【0005】
また、アクティビティ図を使用すれば、後続処理を条件(ガード条件)によって複数の処理に分岐させる設定(分岐処理)や、いったん分岐した処理を元の1本の処理に戻す設定(合流処理)が可能である。さらに、同期バーを使用することで、並行して処理に着手できる設定(並行処理)、複数の処理が全て完了しないと後続の処理に移れない設定(待機処理)、も可能である。
【0006】
アクティビティ図では、入れ子構造の表記をすることによって、フローのある部分の処理を詳細化することができ、同様にWBSでは、ツリーの親子関係によって、処理の詳細化を表現することができる。
【0007】
特許文献1では、フロー制御の記述をグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)を利用して、インタラクティブに行ない、見やすくレイアウトする技術が開示されている。
【0008】
特許文献2では、タスクを実施する際に、タスクを実施する際に必要なドキュメント、タスクの成果物、参照すべき画像ファイルなどの関連オブジェクトを、タスクにひも付けて管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−084725号公報
【特許文献2】特開2006−107141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、実際に開発業務や日常業務のプロセスを定義する際には、開発フェーズや業務担当部門ごとに、その範囲内でタスク群を抽出し、それらをひとくくりにしてグループ化したい場合がある。さらに、タスクやタスクをひとくくりにグループ化したもの(タスクグループと呼ぶ)に対して、それぞれ一意の属性を付加することによって、ある開発フェーズで実施すべきタスクやドキュメント等のタスク関連オブジェクトを明確にする、あるいは、ある担当部門が管理すべきタスクやタスク関連オブジェクトを明確にする、ということを実現したい場合がある。しかし一方では同時に、タスクグループの例である、開発フェーズや業務担当部門を越えて、先行可能なタスク、待機すべきタスク、というものも存在する。
【0011】
しかしながら、上記従来の技術例では、複数のタスクをひとくくりにしてグループ化する場合、上位のタスクから下位のタスク群を作成しこれをグループ化するか(タスクの詳細化)、あるいは下位のタスク群をグループ化して上位のタスクを定義するか(タスクの一般化)、のどちらかの用途であった。または、タスクグループに属性が設定されていても、タスクグループ内のタスクフローの制御に関しては、上記のタスクの詳細化、あるいはタスクの一般化以外の指定はできなかった。
【0012】
すなわち、同一のタスクグループ内でのタスクフローは、開始タスクおよび終了タスクが一意に固定されており、それを変更したり、タスクグループを越えて先行処理や待機処理を記述することはできない、という課題があった。
【0013】
本発明では、属性を持った意味のあるまとまりであるタスクのくくり(タスクグループ)を維持しながらも、タスクフローの制御をGUI上でインタラクティブに変更することを可能にして、業務プロセス定義、および業務プロセスに関わる各種情報の管理を行なうユーザの利便性を向上させる装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の課題を解決するため、本発明のプロセス情報管理装置は、タスク定義手段と、タスク属性定義手段と、タスクグループ定義手段と、タスクグループ属性定義手段と、タスク順序定義手段と、業務プロセステンプレート保存手段と、タスクグループ表示切換手段と、参照業務プロセステンプレート定義手段と、を設けた。
【0015】
請求項1に記載した発明により、タスク定義手段は、特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示し、タスク属性定義手段は、タスクに関連する複数の属性情報を定義し、タスクグループ定義手段は、複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示し、タスクグループ属性定義手段は、タスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とし、タスク順序定義手段は、第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示し、業務プロセステンプレート保存手段は、作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する。
【0016】
請求項2に記載した発明により、タスク順序定義手段は、互いに異なるタスクグループに所属する、第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義する。
【0017】
請求項3に記載した発明により、タスクグループ表示切換手段は、タスクグループ内に存在するタスクおよびタスクグループを示す描画オブジェクトを画面上に表示するか(展開表示)、表示しないか(縮小表示)を切り換え、かつ、タスク順序定義手段で定義されたコネクタが該タスクグループに接続する場合に該コネクタの表示状態を切り換える。
【0018】
請求項4に記載した発明により、参照業務プロセステンプレート定義手段は、第1の業務プロセステンプレート上で、第2の業務プロセステンプレートを参照として定義し、描画オブジェクトとして表示し、タスク順序定義手段は、前記参照業務プロセステンプレートとのタスク順序を定義する。
【0019】
請求項5に記載した発明により、タスク順序定義手段は、タスク、タスクグループ、参照業務プロセステンプレート、の間に定義される複数のタスク順序のうち、特定のタスク順序の定義を優先して判断する。
【0020】
請求項6に記載した発明により、前述の課題を解決する、プロセス情報管理システムのデータ処理方法を提供する。
【0021】
請求項7に記載した発明により、前述の課題を解決する、プロセス情報管理システムのデータ処理方法をコンピュータに機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、属性を持った意味のあるまとまりであるタスクのくくり(タスクグループ)を維持しながらも、タスクフローの制御をGUI上でインタラクティブに変更することを可能にして、業務プロセス定義、および業務プロセスに関わる各種情報の管理を行なうユーザの利便性を向上させるという効果がある。
【0023】
本発明の請求項1にかかる装置では、属性を持ったタスク、属性を持ったタスクグループ、タスクを実行する順序、をGUI上でインタラクティブに定義し、業務プロセステンプレートとして保存することができる。
【0024】
本発明の請求項2にかかる装置では、入れ子構造や並列構造になったタスクグループを越えた制御フロー(特殊タスク手順)を定義することができる。
【0025】
本発明の請求項3にかかる装置では、GUI上でタスクグループを展開または縮小表示することができ、かつ、縮小表示状態でも、タスクグループ内部の制御フローを表現することができる。
【0026】
本発明の請求項4にかかる装置では、他の業務プロセステンプレートを参照して利用することができる。
【0027】
本発明の請求項5にかかる装置では、特定のタスク順序の定義を優先させる制御フロー(優先タスク手順)を定義することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるプロセス情報管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるプロセス情報管理装置で業務プロセスを作成する手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例における標準的な業務プロセステンプレートを定義した例である。
【図4】フォルダを越えるタスク順序を定義した例である。
【図5】フォルダを越えるタスクの移動を実行した例である。
【図6】フォルダを越えるタスク順序を定義した双方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【図7】フォルダを越えるタスク順序を定義した一方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【図8】ある業務プロセスから他の業務プロセスを参照した場合の例である。
【図9】複数のタスク手順が定義されている場合の優先タスク手順を定義した例である。
【図10】本実施例の図10の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図11】タスク属性入力画面の例である。
【図12】本実施例の図3の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図13】本実施例の図4の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図14】本実施例の図9における制御フローを示すアクティビティ図である。
【図15】本実施例の図10の制御フローを示すアクティビティ図である。
【図16】本実施例の図17における制御フローを示すアクティビティ図である。
【図17】本実施例の図9におけるコネクタ(910)が通常のタスク手順(通常タスク手順と呼ぶ)を示すコネクタである場合の例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかる一実施形態のプロセス情報管理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
[第1実施形態]
[システム構成と動作手順]
図1は、本発明の第1実施形態にかかるプロセス情報管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
本発明の実施形態にかかるプロセス情報管理装置(以下、本装置)のサーバコンピュータ(以下、サーバ)および各クライアントコンピュータ(以下、クライアント)は、同様のハードウェア構成である。また、サーバとクライアントは物理的に1つのハードウェアであってもよい。
【0032】
図1において、11はマウスやキーボードなどの入力装置、12はROM、13はハードディスクドライブ(HDD)、FDドライブ(FDD)、CDドライブ、DVDドライブなどの記憶装置、14はRAM、15はCPU、16はLCDやCRTなどの出力装置、17はネットワークI/F、18はシステムバス、19はLANである。
【0033】
サーバと各クライアントは、ネットワークI/F17を介してLAN19に接続されており、サーバ上で動作している本装置と必要なデータのやり取りを行う。
【0034】
本装置のプログラムおよび必要なデータは、システムが動作するサーバ上の記憶装置13に格納されており、RAM14に取り込まれる。プログラムおよびデータがROM12に格納されている場合は、ROM12からRAM14に読み込まれる。CPU15は、RAM14にアクセスしてプログラムを動作させる。
【0035】
ユーザは、クライアントの出力装置16に表示された画面の指示に従い、クライアントの入力装置11を使用して、必要な情報を入力または指示する。入力データは、クライアントのCPU15に伝えられ、ネットワークI/F17とLAN19を介してサーバに送信される。サーバで処理された結果は、ネットワークI/F17とLAN19を介して、再びクライアントに送信され、クライアントの出力装置16の画面に表示される。
【0036】
[標準的な業務プロセスの作成]
図2は、本発明の実施形態にかかるプロセス情報管理装置で業務プロセスを作成する手順を示すフローチャートである。
【0037】
本実施例では、開発業務や日常業務の一連の流れを定義したもの、を「業務プロセス」または単に「プロセス」と呼ぶことにする。また、業務プロセスを雛型として保存したものを特に「業務プロセステンプレート」と呼ぶ。
【0038】
図2のフローチャートにしたがって、これより図3と図11を参照しながら、本実施例における標準的な業務プロセステンプレート作成する手順を詳細に説明する。
【0039】
まず、ユーザは業務プロセスの名称を決め、業務プロセスを作成する(S201)。マウスなどの入力装置11(以下、単にマウス)でメニューから「業務プロセス新規作成」をクリックすることなどで、業務プロセスが新規に作成されると、出力装置16には「プロセス1(301)」の編集画面が表示される。
【0040】
次に、ユーザは、その業務プロセスの中で実施しなければならないタスク(作業)を洗い出した上で、いくつでもタスクを定義する(S202)。タスクを示す描画オブジェクトの形状(例えば矩形)は、あらかじめRAM14に格納されており、出力装置16上に雛型の描画オブジェクトとして表示されている。ユーザは、マウスでタスクを示す雛型の描画オブジェクトを「プロセス1(301)」上にドラッグするなどの方法で、タスクを配置して行く。この時点では、タスクの詳細情報は、まだ完全に入力されていなくてもよい。
【0041】
例えば、タスクのタイトルを「タスク01」と、キーボードなどの入力装置11(以下、単にキーボード)で入力し、配置場所をマウスで指示することにより「タスク01(310)」が作成される。同様の操作で、「タスク02(311)」から「タスク08(312)」までのタスクを「プロセス1(301)」上に定義、配置する。なお、タスクを作成する順番は、タスクを実行する順序(タスク順序と呼ぶ)とは無関係に定義して行くことができる。
【0042】
次に、ユーザは、定義済のタスクに対してその属性を定義することができる(S203)。定義済のタスクを示す描画オブジェクトをマウスでダブルクリックするなどの方法で指定すると、図11に示すタスク属性入力画面(1101)が表示される。タスク属性入力画面(1101)には、タスクの詳細な内容を記述した文章(1103)、タスクの内容を示唆するキーワード(1104)、タスクの日程(開始予定日や終了予定日など)(1105)、その他の属性(1106)を記述することができる。
【0043】
また、それぞれのタスクに、複数のナレッジを紐付けることもできる。ここで言うナレッジとは、そのタスクに関係のある設計書やメモ書きなどのファイル、図面や画像ファイル、関連Webページへのリンク情報、関連ファイルの格納フォルダへのリンク情報などを総称したものである。このようにして、各タスクの内容を詳細化して行く。なお、タスク属性を入力する順番は、タスク順序やタスクを作成した順番とは無関係に定義して行くことができる。
【0044】
次に、タスクのグルーピング(ひとくくりにしてグループ化すること)を行う(S204)。グルーピングは「フォルダ」と呼ばれるものを用いて行う。本実施例では、プロセス内で、複数のタスクをひとくくりにしたものを「フォルダ」または「タスクグループ」と定義する。フォルダは、タスクとフォルダを内部に包含することができる。また、フォルダに所属しないタスクも存在可能である。
【0045】
「プロセス1(301)」を例に取って操作を説明する。まず「フォルダ11(304)」を作成し、その中に「タスク01(310)」と「タスク02(311)」を移動させる。移動は、マウスを使ってタスクをドラッグ・アンド・ドロップすることなどで行なえる。フォルダの作成方法は、タスクの場合と同様で、フォルダを示す描画オブジェクトの形状(例えば角丸矩形)は、あらかじめRAM14に格納されており、出力装置16上に雛型の描画オブジェクトとして表示されている。ユーザは、マウスでフォルダを示す雛型の描画オブジェクトを「プロセス1(301)」上にドラッグするなどの方法で、フォルダを配置して行く。この時点では、フォルダの詳細情報は、まだ完全に入力されていなくてもよい。
【0046】
同様に「フォルダ21(306)」を作成し、その中に「タスク03(313)」と「タスク04(314)」を移動させる。また「フォルダ12(305)」を作成し、その中に「タスク08(312)」を移動させる。また「フォルダ22(307)」を作成し、その中に「タスク05(315)」と「タスク06(316)」を移動させる。また「フォルダ1(302)」を作成し、その中に「タスク01」と「タスク02」を含んだ「フォルダ11(304)」と、「タスク08」を含んだ「フォルダ12(305)」を移動させる。また「フォルダ2(303)」を作成し、その中に「タスク03」と「タスク04」を含んだ「フォルダ21(306)」と、「タスク05」と「タスク06」を含んだ「フォルダ22(307)」を移動させる。
【0047】
なお、タスクのグルーピングを行う順番は決められているわけではなく、ユーザはプロセス全体を眺めてグルーピングした方がよいと判断した部分から、フォルダにまとめるという操作を行なうことができる。例えば、先ほどの例では「フォルダ1(302)」から作成し、タスク群を内部に入れていったが、「フォルダ12(305)」から先に、グルーピングすることも可能である。あるいは、「フォルダ1(302)」に「フォルダ11(304)」を入れる操作を先に行なうことも可能である。また、フォルダを作成する順番は、フォルダ間のタスク群を実行する順序とは無関係に定義して行くことができる。
【0048】
次に、ユーザは、定義済のフォルダに対してその属性を定義することができる(S205)。定義済のフォルダを示す描画オブジェクトをマウスでダブルクリックするなどの方法で指定すると、図11のタスク属性入力画面と同様の、フォルダ属性入力画面が表示される。フォルダ属性入力画面には、フォルダの詳細な内容を記述した文章、フォルダの内容を示唆するキーワード、フォルダの日程(開始予定日や終了予定日など)、その他の属性を記述することができる。また、タスクと同様、それぞれのフォルダに、複数のナレッジを紐付けることもできる。
【0049】
各タスクはタスク属性を複数持つことができるが、タスクは上位のフォルダが持つ複数のフォルダ属性を継承することもできる。つまり、タスクが1つのフォルダにくくられた時、それらのタスクは、自タスクが持つタスク属性群、自タスクの上位フォルダ群が持つタスクフォルダ属性群を全て参照することができる。
【0050】
次に、タスクを実行する順序を決めて行く(S206)。本実施例では、タスクとタスクだけではなく、タスクとフォルダ、フォルダとフォルダ、およびこれらと、後述する参照業務プロセステンプレート、の間に定義される実行順序の依存関係を総称して「タスク順序」と呼ぶことにする。タスク順序を定義すると、該当する2つの描画オブジェクト間に、タスク順序を示す矢印付きの線(コネクタと呼ぶ)が表示される。タスク順序の定義を行なう操作は、例えば、「タスク01(310」をシフトキーを押しながらマウスでクリックし、次に「タスク02(311)」をシフトキーを押しながらマウスでクリックすれば、コネクタ(320)が、作成される。
【0051】
「プロセス1(301)」を例に取って操作を説明する。まず「フォルダ11(304)」内の「タスク01(310)」から「タスク02(311)」へコネクタ(320)を引く。次に「フォルダ21(306)」内の「タスク03(313)」から「タスク04(314)」へコネクタ(322)を引く。また「フォルダ22(307)」内の「タスク05(315)」から「タスク06(316)」へコネクタ(323)を引く。また「フォルダ2(303)」から「プロセス1(301)」直下の「タスク07(317)」にコネクタ(325)を引く。また「フォルダ1(302)」から「フォルダ2(303)」へコネクタ(321)を引く。
【0052】
これらのコネクタは業務プロセスの順に従って、例えば業務プロセス内で最初に着手すべきタスクから順番に引いて行く必要はなく、特定のタスク間もしくはフォルダ間もしくはタスクとフォルダ間の前後関係が確定した時点でその部分からコネクタを引くことができる。もちろん、業務プロセスが変わるたびに、既存のコネクタの接続タスクを変更すること、既存のコネクタを削除することができる。
【0053】
コネクタはそれ自身が、先行タスクと後続タスクの情報を格納する領域を持っている。例えば、コネクタ(320)には先行タスクとして「タスク01(310)」の情報、後続タスクとして「タスク02(311)」の情報が、コネクタ(325)には先行タスクとして「フォルダ2(303)」の情報、後続タスクとして「タスク07(317)」の情報が、それぞれ格納されている。
【0054】
ユーザは、S202〜S206のステップを繰り返しながら、業務プロセスを作成していく。なお、S202〜S206の各ステップは順不同であり、ユーザはどのような順番で処理を行ってもよい。例えば、先にフォルダを作成してからその中にタスクを作成してもよいし、コネクタが付いた複数のタスク群をフォルダでくくる操作をしてもよい。また、同一のステップの処理を何度行っても良い。本装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)上で、ユーザがこのようにインタラクティブに、タスク、フォルダ、およびコネクタを配置して行くことにより、思考を妨げられることなく、円滑に思い通りの業務プロセスを作成することができる。
【0055】
最後にユーザは、定義した業務プロセスを記憶装置13に保存する(S106)。ユーザは、マウスでメニューから「業務プロセス保存」をクリックすることなどで、作成完了または作成途中の業務プロセスを、業務プロセスの雛型である「業務プロセステンプレート」として保存する。作成途中の業務プロセスを再編集する場合には、S201において、新規に業務プロセスを作成する代わりに、業務プロセステンプレートを記憶装置から呼び出せばよい。
【0056】
[タスク処理フローの説明]
本装置で適用可能なタスク処理フローとその表記ルールについて、以下に説明する。
【0057】
図3の例では、「タスク01(310)」から「タスク02(311)」に向けてコネクタ(320)が引かれている。これは、「タスク01(310)」が完了してから、次の「タスク02(311)」に着手できる、という意味である。(先行タスクと後続タスクの指定)
図10の例では、「タスク01(1010)」から「タスク02(1011)」と「タスク03(1012)」に向けてコネクタが引かれている。これは、「タスク01(1010)」が完了した後、次の「タスク02(1011)」と「タスク03(1012)」を同時並行で着手できる、という意味である。一般に、あるタスクの後続タスクとして複数のタスクが指定されている場合には、先行タスクが完了したら、後続タスク群は同時並行で着手できる、という意味である。(後続タスクの並行処理指定)
また図10の例では、「タスク00(1015)」が完了すると、「フォルダ1(1002)」内のタスクに着手できるが、「フォルダ1(1002)」の直下にあり、先行タスクがないタスクまたはフォルダ、すなわち、「タスク01(1010)」、「フォルダ11(1003)」内の先頭タスク、「フォルダ12(1004)」内の先頭タスク、が同時並行で着手できる。このように、後続タスクがフォルダである場合には、「タスク00(1015)」から、「タスク01(1010)」、「フォルダ11(1003)」、「フォルダ12(1004)」のそれぞれにコネクタを引くことなく、直接「フォルダ1(1002)」にコネクタを引くことによって、並行処理を表現できる。(先頭タスクの並行処理指定)
また図3の例では、「フォルダ1(302)」の内部は、サブフォルダ(入れ子になった子のフォルダ)も含め、「フォルダ11(304)」、「フォルダ12(305)」、「タスク01(310)」、「タスク02(311)」、「タスク08(312)」で構成されている。この場合、後続タスクである「フォルダ2(303)」に着手できるのは、「フォルダ1(302)」のタスクが全て完了してから、ということになる。
【0058】
また図3の例では、「タスク04(314)」の先行タスクとして「タスク03(313)」と「タスク05(315)」が指定されている。これは「タスク03(313)」と「タスク05(315)」の両方が完了しないと、「タスク04(314)」に着手することができない、という意味である。あるタスクの先行タスクとして複数のタスクが指定されている場合には、先行タスクの全てが完了するまで、後続タスクには着手できない、という意味である。(待機処理指定)
以上説明したタスク処理フロー表記ルールを適用すると、図3の例では、「フォルダ1(302)」の処理が完了したら「フォルダ2(303)」の処理に着手できることになる。「フォルダ2(303)」の先頭タスクは「フォルダ21(306)」と「フォルダ22(307)」で、この二者は同時に着手できる。また、各フォルダ内の先頭タスクは、それぞれ「タスク03(313)」と「タスク05(315)」であることから、「タスク03(313)」と「タスク05(315)」が同時並行で着手できる、ということになる。
【0059】
先ほど説明した「フォルダ1(302)」内の処理と同様に、「タスク03(313)」と「タスク04(314)」が完了することで「フォルダ21(306)」の処理が完了し、「タスク05(315)」と「タスク06(316)」が完了することで「フォルダ22(307)」の処理が完了する。そして「フォルダ21(306)」と「フォルダ22(307)」の処理が完了することで、「フォルダ2(303)」の処理が完了することになる。
【0060】
[UMLアクティビティ図の説明]
本装置の制御フローの記述は、従来技術であるUMLアクティビティ図(以下、単にアクティビティ図)の表現を用いても表現することができる。
【0061】
図12は、本実施例の図3の制御フローを示すアクティビティ図である。
【0062】
簡単にアクティビティ図の表記について説明する。1201はフローの開始、1202はフローの終了を意味する。また、1205などタスクとタスクを繋ぐ矢印はタスクの実行順序を示す。例えば、「タスク01(1210)」が「タスク02(1211)」の先行タスクであるとき、1205の矢印を引く。
【0063】
1203と1204は「同期バー」と呼ばれるものである。1203の同期バーは並行処理を意味する。この例では、同期バー(1203)に後続する「タスク01(1210)」と「タスク08(1212)」が同時に並行して着手できることを示している。また、1204の同期バーは待機処理を意味する。この例では、同期バー(1204)の後続する「タスク07(1217)」は、同期バー(1204)に先行する「タスク04(1214)」と「タスク06(1216)」の両方の完了を待って着手できることを意味している。
【0064】
図15は、本実施例の図10の制御フローを示すアクティビティ図である。
【0065】
[フォルダの適用事例]
ここで図3を用いて、フォルダを開発業務プロセスに適用した事例について説明する。
【0066】
開発業務プロセスは、多数のタスクから構成される。一般に、開発業務には、開発のマイルストーンを設定したり、開発物の完成度を高めて行く段階を定義するために「フェーズ」という概念がある。例えば、ある開発業務プロセスが、フェーズα、フェーズβ、フェーズγ、という3つのフェーズで構成されているとする。このような場合、タスク群をフェーズごとにくくって、フォルダで管理することができる。
【0067】
例えば、フェーズαで実施すべきタスクである、「タスク01(310)」、「タスク02(311)」、「タスク08(312)」には、「フェーズα」という共通の属性を持たせたい。そこで「フォルダ1(302)」を「フェーズαで実施すべきタスク群」という意味で使用し、そのフォルダ属性の1つとして「フェーズα」を付与する。同様にして、フェーズβで実施すべきタスクである、「タスク03(313)」、「タスク04(314)」、「タスク05(315)」、「タスク06(316)」を、「フォルダ2(303)」でくくり、そのフォルダ属性の1つとして「フェーズβ」を付与する。
【0068】
さらに、例えば「タスク01(310)」と「タスク08(312)」に紐付けたナレッジファイルにも、タスク属性が持つナレッジへのリンク情報から「フェーズα」という属性を付与することも可能となる。これを実現すれば、「フェーズαで実施すべきタスク」に加えて「フェーズαのタスクで作成したナレッジファイル」という情報を特定することもできるようになる。
【0069】
さて、開発業務には、フェーズとは独立して、その業務の「担当部門」という概念もある。例えば、ある開発業務プロセスが、フェーズα、フェーズβ、フェーズγ、という3つのフェーズで構成されており、さらに、A部門とB部門という2つの担当部門が開発業務に携わっているとする。このような場合、タスク群をフェーズごとにくくって、フォルダで管理し、さらに、担当部門ごとのフォルダを作成することもできる。
【0070】
例えば、フェーズαを表す「フォルダ1(302)」の内部で、A部門が担当する「タスク01(310)」および「タスク02(311)」と、B部門が担当する「タスク08(312)」があったとする。このような場合も、フォルダを適用することができる。すなわち、「フェーズαでA部門が担当するタスク群」として「フォルダ11(304)」を、「フェーズαでB部門が担当するタスク群」として「フォルダ12(305)」を作成し、フェーズを表すフォルダ属性とは別のフォルダ属性に、それぞれ「A部門」、「B部門」を付与すればよい。同様に、フェーズβを表す「フォルダ2(303)」の内部でも、A部門が担当する「タスク03(313)」および「タスク04(314)」をくくった「フォルダ21(306)」と、B部門が担当する「タスク05(315)」および「タスク06(316)」をくくった「フォルダ22(307)」を作成し、担当部門を表すフォルダ属性を付与すればよい。
【0071】
このように、フォルダをうまく適用することで、担当部門とフェーズという2つの切り口から、タスク群をくくることができ、各タスクおよびタスクに紐づくナレッジに、部門を表すフォルダ属性とフェーズを表すフォルダ属性を付与することができる。これにより、例えば、「タスク05(315)」は「フェーズβでB部門が行うタスク」であることが分かる。また、「フェーズαでA部門が担当するタスク」は「タスク01(310)」と「タスク02(311)」であることも分かる。さらに、「B部門が(フェーズαで)作成したナレッジファイル」という情報を特定することもできるようになる。
【0072】
[フォルダを越えるタスク順序の定義]
図4は、フォルダを越えるタスク順序を定義した例である。
【0073】
図3と図4はタスクとフォルダの配置は同じだが、図4では「タスク01(410)」から「タスク05(415)」へのコネクタが追加されている。本装置では、このようなフォルダ順序を越えるタスク順序の定義も可能である。
【0074】
図4はフェーズαのタスクの1つである「タスク01(410)」が完了したら、フェーズα全体の完了を待たずに、フェーズβのタスクの1つである「タスク05(415)」に先行して着手することができる、という意味になる。実際の開発業務においても、このような運用を行なって、開発期間の短縮を図ることは行なわれている。ただし、あくまでも、「タスク01(410)」はフェーズαの、「タスク05(415)」はフェーズβのタスクである、ということに変わりはない。フォルダ属性は維持されているので、本実施例では、これを実現することが可能である。
【0075】
図13は、本実施例の図4の制御フローを示すアクティビティ図である。図4は図3にコネクタ(426)が追加されただけであるが、図12と図13を比較すると、アクティビティ図の表記では大きく変化することがわかる。
【0076】
[フォルダを越えるタスクの移動]
図5は、フォルダを越えるタスクの移動を実行した例である。
【0077】
図4と図5は、タスクとフォルダの接続関係は同じだが、「タスク05(515)」の上位フォルダが異なる。これは、例えばマウスを使ってタスクをドラッグ・アンド・ドロップする方法で、図4の「タスク05(415)」を、「フォルダ22(407)」から「フォルダ12(405)」に移動することによって実現している。
【0078】
これを実際の開発業務に適用すると、これまで「タスク05(415)」はB部門がフェーズβで行っていたが、このタスクは同じB部門がフェーズαの段階から行ったほうが、開発の効率がよいと判断された場合などが考えられる。このとき、「タスク05(415)」に接続されているコネクタ(523)、コネクタ(524)、コネクタ(526)は、そのままの接続状態で維持されるため、タスク順序には変動はない。このように、コネクタが接続された状態のタスクやフォルダを、フォルダのくくりを越えて移動することにより、タスク順序を変えることなく、一部の属性を変更することが可能となる。図4と図5の例では、「タスク05」が継承するフォルダ属性のうち、フェーズを表す属性が「フェーズβ」から「フェーズα」に変化した。
【0079】
タスク順序に変動は無いため、図5の制御フローを示すアクティビティ図は図13であり、図4のアクティビティ図と同じである。
【0080】
[フォルダの展開・縮小表示1]
本装置の出力装置16に表示されるGUIは、フォルダの内部に存在するタスクおよびフォルダの表示と非表示を切り換えることができる。以降、前者をフォルダ展開表示、後者をフォルダ縮小表示と呼ぶ。
【0081】
図6は、フォルダを越えるタスク順序を定義した双方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【0082】
図4は、全てのフォルダ内のタスクおよびフォルダが表示されたフォルダ展開表示状態である。図4と同じプロセスで、「フォルダ1(402)」と「フォルダ2(403)」をフォルダ縮小表示に変更すると、図6の表示になる。フォルダ展開・縮小表示の操作は、例えば、展開・縮小表示状態を変更したいフォルダをマウスで選択してから、画面上の「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックすることなどで、実現できる。フォルダ展開表示とフォルダ縮小表示の状態は、「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックするたびに切り換わる。
【0083】
フォルダ展開表示状態(図4)で、「フォルダ2(403)」と「タスク07(417)」を繋いでいたコネクタ(425)は、フォルダ縮小表示状態(図6)になったときにも、「フォルダ2(603)」と「タスク07(617)」を繋ぐコネクタ(625)に相当し、コネクタ形状は実線の矢印のままである。同様に、フォルダ展開表示状態(図4)の「フォルダ1(402)」と「フォルダ2(403)」を繋いでいたコネクタ(421)は、フォルダ縮小表示状態(図6)においても、「フォルダ1(602)」と「フォルダ2(603)」を繋ぐコネクタ(621)に相当し、コネクタ形状は実線の矢印のままである。
【0084】
フォルダ展開表示状態(図4)で、フォルダを越えるタスク順序を定義した、「フォルダ1(402)」の中の「タスク01(410)」と「フォルダ2(403)」の中の「タスク05(415)」とを繋ぐコネクタ(426)は、フォルダ縮小表示状態(図6)になったときに、「フォルダ1(602)」と「フォルダ2(603)」を繋ぐコネクタ(626)に相当する。このようにフォルダを越えるタスク順序を定義したことを、双方のフォルダが縮小表示状態であっても識別するために、例えば、コネクタ形状を破線の矢印に変えている。フォルダ間を接続している実線のコネクタ(621)は、そのまま存在しているので、結果として、「フォルダ1(602)」と「フォルダ2(603)」を繋ぐコネクタは、コネクタ(621)とコネクタ(626)の2本になる。
【0085】
タスク順序に変動は無いため、図6の制御フローを示すアクティビティ図は図13であり、図4のアクティビティ図と同じである。
【0086】
[フォルダの展開・縮小表示2]
図7は、図4にあるフォルダを越えるタスク順序を定義した一方のフォルダを縮小表示した場合の画面表示例である。
【0087】
図7は、図4の「フォルダ1(402)」のみをフォルダ縮小表示状態にしたものである。フォルダ展開表示状態(図4)で、「フォルダ1(402)」と「フォルダ2(403)」を繋いでいたコネクタ(421)は、フォルダ1の縮小表示状態(図7)においても、「フォルダ1(702)」と「フォルダ2(703)」を繋ぐコネクタ(721)に相当し、コネクタ形状は実線の矢印のままである。
【0088】
フォルダ展開表示状態(図4)で、「フォルダ1(402)」の中の「タスク01(410)」と「フォルダ2(403)」の中の「タスク05(415)」とを繋ぐコネクタ(426)は、フォルダ1の縮小表示状態(図7)では、「フォルダ1(702)」と「フォルダ2(703)」の中の「タスク05(715)」を繋ぐコネクタ(726)に相当する。このようにフォルダを越えるタスク順序を定義したことを、一方のフォルダが縮小表示状態であっても識別するために、例えば、コネクタ形状を破線の矢印に変えている。
【0089】
同様に、図4の「フォルダ2(403)」のみをフォルダ縮小表示状態にした場合には、図4のコネクタ(421)に相当するコネクタ形状は実線の矢印のまま表示され、図4のコネクタ(426)に相当するコネクタ形状は、縮小表示状態にした「フォルダ2」への点線の矢印で表示されることにあなる。
【0090】
以上[フォルダの展開・縮小表示1]および[フォルダの展開・縮小表示2]の説明により、タスク順序を定義している2つのフォルダの双方または一方が縮小表示状態であっても、これらのフォルダ間でフォルダを越えるタスク順序を定義していることを、ユーザが識別することができる。
【0091】
タスク順序に変動は無いため、図7の制御フローを示すアクティビティ図は図13であり、図4のアクティビティ図と同じである。
【0092】
[他の業務プロセステンプレートの参照]
図8は、ある業務プロセスから他の業務プロセスを参照した場合の例である。
【0093】
図8では、別に作成した他の業務プロセステンプレートへの参照(参照業務プロセステンプレートと呼ぶ)を「ショートカット」という描画オブジェクトで示している。参照業務プロセステンプレートを示す描画オブジェクトの形状(例えばタスクとは枠線の色が異なる矩形)は、あらかじめRAM14に格納されており、出力装置16上に雛型の描画オブジェクトとして表示されている。ユーザは、マウスで参照業務プロセステンプレートを示す雛型の描画オブジェクトを「プロセス2(801)」上にドラッグするなどの方法で、参照業務プロセステンプレートを配置していく。
【0094】
配置したショートカットがどの業務プロセステンプレートを参照するかは、例えば、ショートカットをマウスの右ボタンでクリックして表示されるメニューで「参照業務プロセスの選択」を選択し、さらに、表示される業務プロセスの一覧から、既に作成済の業務プロセステンプレートを選択すればよい。
【0095】
図8の例では、「ショートカット01(803)」は、「ユニットAの設計手順」を定義した業務プロセステンプレートへのショートカットを、「ショートカット02(804)」は「ユニットBの設計手順」を定義した業務プロセステンプレートへのショートカットを、「ショートカット03(805)」は「ユニットCの設計手順」というプロセスへのショートカットを、それぞれ表している。
【0096】
これを実際の開発業務に適用すると、ある機器の構造が機能別に複数のユニットに分かれており、それを各ユニット担当者が別々に開発する場合などがある。それぞれのユニットの設計手順は、各ユニットの開発業務ノウハウに詳しい担当者が別々の業務プロセステンプレートとして作成する。
【0097】
例えば、業務プロセス「ユニットAの設計手順」の作成を作成者Aが、業務プロセス「ユニットBの設計手順」の作成を作成者Bが、業務プロセス「ユニットCの設計手順」の作成を作成者Cが、それぞれ担当し、全体責任者Dが、それぞれのユニットをまとめて機器全体の開発業務プロセスを作成する、という場合である。
【0098】
図8の例では、ある機器を構成するユニットが、ユニットA、ユニットB、ユニットC、の3つだった場合、別々に作成された、ユニットA、ユニットB、ユニットC、の各設計手順の業務プロセステンプレートを示すショートカットを、「プロセス2(801)」上に配置して、これらのタスク順序を定義するだけで、機器全体の開発業務プロセスが完成する。
【0099】
さらに、類似の機器を開発する際、すなわち、機器を構成するユニットの一部のみが異なる場合にも、業務プロセステンプレートの参照がうまく適用できる。例えば、類似の機器を構成するユニットが、ユニットB、ユニットC、ユニットD、の3つだった場合は、ユニットBとユニットCの設計手順を定義した業務プロセステンプレートは既に作成済であるので、これらについては、各設計手順の業務プロセステンプレートを示すショートカットを用い、ユニットDの設計手順を定義した業務プロセステンプレートだけを新規に作成すればよい。
【0100】
このように、参照業務プロセステンプレートを利用することで、同じ内容の業務プロセスを再利用することが可能となり、一部の業務プロセス(例えば、あるユニットの設計手順)を変更しても、全体の業務プロセス(例えば、ある機器全体の設計手順)に影響を与えないことも可能となる。
【0101】
参照業務プロセステンプレートも、先に説明したフォルダの展開・縮小表示と同様に、展開・縮小表示が可能である。業務プロセステンプレートを示すショートカット展開・縮小表示の操作は、例えば、展開・縮小表示状態を変更したいショートカットをマウスで選択してから、画面上の「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックすることなどで、実現すればよい。ショートカット展開表示とショートカット縮小表示の状態は、「フォルダ展開・縮小」ボタンをクリックするたびに切り換わる。
【0102】
[優先タスク手順の設定]
図9は、複数のタスク手順が定義されている場合の優先タスク手順を定義した例である。
【0103】
図14は、本実施例の図9における制御フローを示すアクティビティ図である。
図17は、本実施例の図9におけるコネクタ(910)が通常のタスク手順(通常タスク手順と呼ぶ)を示すコネクタだった場合の例である。
【0104】
図16は、本実施例の図17における制御フローを示すアクティビティ図である。
【0105】
図9では、「フォルダ1(903)」の中の「タスク03(906)」から「タスク04(905)」に引かれているコネクタ(910)が示すタスク手順が、他の、コネクタ(912)、コネクタ(911)が示すタスク手順より優先する場合の例を示している。コネクタ(910)が示すタスク手順を「優先タスク手順」、優先タスク手順を示す描画オブジェクトを「優先コネクタ」と呼ぶことにする。
【0106】
図17は、図9において、コネクタ(910)が優先コネクタではなく、通常のタスク手順(通常タスク手順と呼ぶ)を示すコネクタ(通常コネクタと呼ぶ)だった場合を表していて、タスクの制御フローは以下のようになる。
【0107】
「タスク01(1702)」から始まり、「フォルダ1(1703)」に制御が移り、「フォルダ1(1703)」の先頭タスクである「タスク02(1704)」と「タスク03(1706)」が同時に着手できる。「タスク05(1707)」は「タスク03(1706)」が完了すれば着手できるが、「タスク04(1705)」は「タスク02(1704)」と「タスク03(1706)」の両方が完了しないと着手できない。「タスク04(1705)」と「タスク05(1707)」が完了し、「フォルダ1(1703)」の中の全てのタスクが完了した後、「タスク06(1708)」に着手できる。
【0108】
図16は、この制御フローをアクティビティ図で表現したものである。
【0109】
一方、図9において、コネクタ(910)は優先コネクタであるため、図17と比べてタスクの制御フローは以下のように変わる。
【0110】
「タスク01(902)」から始まり、「フォルダ1(903)」に制御が移り、「フォルダ1(903)」の先頭タスクである「タスク02(904)」と「タスク03(906)が同時に着手できる。そして、「タスク03(906)」が完了すると、コネクタ(911)が繋がっている「タスク05(907)」と優先コネクタ(910)が繋がっている「タスク04(905)」が同時に着手できる。つまりこの場合、「タスク04(905)」の先行タスクには「タスク02(904)」が定義されているがこれは無視され、「タスク03(906)」が完了した時点で、「タスク02(904)」の状態に関わらず、優先コネクタ(910)が繋がっている先の、「タスク04(905)」に着手できることになる。一方、「タスク02(904)」が完了しても、「タスク03(906)」の完了を待たないと、「タスク04(905)」には着手できない。
【0111】
図14は、この制御フローをアクティビティ図で表現したものである。
【0112】
優先タスク手順は、業務プロセスを一時的に変更する場合などに使うことができる。通常タスク手順の定義も、残されているので、一時的に変更した業務プロセスを元の通常の業務プロセスに戻すことも簡単にできるという利点がある。
【0113】
なお、優先タスク手順を示すコネクタは、図9のコネクタ(910)では、単に点線で表示されているが、フォルダを越えるタスク順序を定義してあり、双方または一方のフォルダが縮小表示状態の場合のコネクタ(点線)と区別できるよう、線の色を変える、点線ではなく一点鎖線にする、などで識別しやすくする。
【符号の説明】
【0114】
11 入力装置
12 ROM
13 記憶装置
14 RAM
15 CPU
16 出力装置
17 ネットワークI/F
18 システムバス
19 LAN
S202 タスク定義手段
S203 タスク属性定義手段
S204 タスクグループ定義手段
S205 タスクグループ属性定義手段
S206 タスク順序定義手段
S207 業務プロセステンプレート保存手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の描画オブジェクトを生成し画面上に配置する操作、描画オブジェクトの関連付けを行なう操作、描画オブジェクトの移動・複写・削除操作、が可能なグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えたプロセス情報管理装置であって、
特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示するタスク定義手段と、
前記タスク定義手段で定義されたタスクに関連する複数の属性情報を定義するタスク属性定義手段と、
複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示するタスクグループ定義手段と、
前記タスクグループ定義手段で定義されたタスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とするタスクグループ属性定義手段と、
第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示するタスク順序定義手段と、
前記タスク定義手段、前記タスク属性定義手段、前記タスクグループ定義手段、前記タスクグループ属性定義手段、前記タスク順序定義手段、を使用して作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する業務プロセステンプレート保存手段と、
を有することを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項2】
請求項1のタスク順序定義手段は、互いに異なるタスクグループに所属する、第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義する、
ことを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の構成に加え、
タスクグループ内に存在するタスクおよびタスクグループを示す描画オブジェクトを画面上に表示するか(展開表示)、表示しないか(縮小表示)を切り換え、かつ、タスク順序定義手段で定義されたコネクタが該タスクグループに接続する場合に該コネクタの表示状態を切り換えるタスクグループ表示切換手段と、
を有することを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかの構成に加え、
第1の業務プロセステンプレート上で、第2の業務プロセステンプレートを参照として定義し、描画オブジェクトとして表示する参照業務プロセステンプレート定義手段と、
を有することを特徴とし、
タスク順序定義手段は、前記参照業務プロセステンプレートとのタスク順序を定義する、
ことを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のタスク順序定義手段は、タスク、タスクグループ、参照業務プロセステンプレート、の間に定義される複数のタスク順序のうち、特定のタスク順序の定義を優先して判断する、
ことを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項6】
複数の描画オブジェクトを生成し画面上に配置する操作、描画オブジェクトの関連付けを行なう操作、描画オブジェクトの移動・複写・削除操作、が可能なグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えたプロセス情報管理システムのデータ処理方法であって、
特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示するタスク定義工程と、
前記タスク定義工程で定義されたタスクに関連する複数の属性情報を定義するタスク属性定義工程と、
複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示するタスクグループ定義工程と、
前記タスクグループ定義工程で定義されたタスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とする タスクグループ属性定義工程と、
第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示する タスク順序定義工程と、
前記タスク定義工程、前記タスク属性定義工程、前記タスクグループ定義工程、前記タスクグループ属性定義工程、前記タスク順序定義工程、を使用して作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する業務プロセステンプレート保存工程と、
を有することを特徴とするプロセス情報管理システムのデータ処理方法。
【請求項7】
複数の描画オブジェクトを生成し画面上に配置する操作、描画オブジェクトの関連付けを行なう操作、描画オブジェクトの移動・複写・削除操作、が可能なグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えたプロセス情報管理システムのデータ処理方法をコンピュータに機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示するタスク定義工程と、
前記タスク定義工程で定義されたタスクに関連する複数の属性情報を定義するタスク属性定義工程と、
複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示する タスクグループ定義工程と、
前記タスクグループ定義工程で定義されたタスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とする タスクグループ属性定義工程と、
第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示するタスク順序定義工程と、
前記タスク定義工程、前記タスク属性定義工程、前記タスクグループ定義工程、前記タスクグループ属性定義工程、前記タスク順序定義工程、を使用して作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する業務プロセステンプレート保存工程と、
を有することを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
複数の描画オブジェクトを生成し画面上に配置する操作、描画オブジェクトの関連付けを行なう操作、描画オブジェクトの移動・複写・削除操作、が可能なグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えたプロセス情報管理装置であって、
特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示するタスク定義手段と、
前記タスク定義手段で定義されたタスクに関連する複数の属性情報を定義するタスク属性定義手段と、
複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示するタスクグループ定義手段と、
前記タスクグループ定義手段で定義されたタスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とするタスクグループ属性定義手段と、
第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示するタスク順序定義手段と、
前記タスク定義手段、前記タスク属性定義手段、前記タスクグループ定義手段、前記タスクグループ属性定義手段、前記タスク順序定義手段、を使用して作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する業務プロセステンプレート保存手段と、
を有することを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項2】
請求項1のタスク順序定義手段は、互いに異なるタスクグループに所属する、第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義する、
ことを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の構成に加え、
タスクグループ内に存在するタスクおよびタスクグループを示す描画オブジェクトを画面上に表示するか(展開表示)、表示しないか(縮小表示)を切り換え、かつ、タスク順序定義手段で定義されたコネクタが該タスクグループに接続する場合に該コネクタの表示状態を切り換えるタスクグループ表示切換手段と、
を有することを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかの構成に加え、
第1の業務プロセステンプレート上で、第2の業務プロセステンプレートを参照として定義し、描画オブジェクトとして表示する参照業務プロセステンプレート定義手段と、
を有することを特徴とし、
タスク順序定義手段は、前記参照業務プロセステンプレートとのタスク順序を定義する、
ことを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のタスク順序定義手段は、タスク、タスクグループ、参照業務プロセステンプレート、の間に定義される複数のタスク順序のうち、特定のタスク順序の定義を優先して判断する、
ことを特徴とするプロセス情報管理装置。
【請求項6】
複数の描画オブジェクトを生成し画面上に配置する操作、描画オブジェクトの関連付けを行なう操作、描画オブジェクトの移動・複写・削除操作、が可能なグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えたプロセス情報管理システムのデータ処理方法であって、
特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示するタスク定義工程と、
前記タスク定義工程で定義されたタスクに関連する複数の属性情報を定義するタスク属性定義工程と、
複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示するタスクグループ定義工程と、
前記タスクグループ定義工程で定義されたタスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とする タスクグループ属性定義工程と、
第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示する タスク順序定義工程と、
前記タスク定義工程、前記タスク属性定義工程、前記タスクグループ定義工程、前記タスクグループ属性定義工程、前記タスク順序定義工程、を使用して作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する業務プロセステンプレート保存工程と、
を有することを特徴とするプロセス情報管理システムのデータ処理方法。
【請求項7】
複数の描画オブジェクトを生成し画面上に配置する操作、描画オブジェクトの関連付けを行なう操作、描画オブジェクトの移動・複写・削除操作、が可能なグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備えたプロセス情報管理システムのデータ処理方法をコンピュータに機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
特定の業務プロセスを細分化した複数のタスクを定義し、描画オブジェクトとして表示するタスク定義工程と、
前記タスク定義工程で定義されたタスクに関連する複数の属性情報を定義するタスク属性定義工程と、
複数のタスクを分類および階層化し、描画オブジェクトとして表示する タスクグループ定義工程と、
前記タスクグループ定義工程で定義されたタスクグループに関連する複数の属性情報を定義し、該属性情報は該タスクグループに含まれる全てのタスクに共通の属性とする タスクグループ属性定義工程と、
第1のタスクと第2のタスク間、第1のタスクグループと第2のタスクグループ間、タスクとタスクグループ間、のいずれかを実行する順序を定義し、接続を示すコネクタを描画オブジェクトとして表示するタスク順序定義工程と、
前記タスク定義工程、前記タスク属性定義工程、前記タスクグループ定義工程、前記タスクグループ属性定義工程、前記タスク順序定義工程、を使用して作成された一連の手順を該業務プロセスのテンプレートとして保存する業務プロセステンプレート保存工程と、
を有することを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−59770(P2011−59770A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205799(P2009−205799)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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