説明

プロテクタ及びプロテクタの配設構造

【課題】梱包スペースを有効活用することができるプロテクタを提供する。
【解決手段】車体に設けられたワイヤーハーネス11の配索経路52形状に沿って形成されワイヤーハーネス11が収容されるワイヤーハーネス収容部24、27を有するプロテクタ本体21と、このプロテクタ本体21のワイヤーハーネス収容部24、27を閉塞するカバー本体41とを備えたプロテクタ1であって、プロテクタ本体21は、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23とで形成され、カバー本体41は、第1分割カバー本体42と、第2分割カバー本体43とで形成され、第1分割カバー本体42と第2分割カバー本体43のいずれか一方には、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間を被覆可能な分割位置カバー部44が一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に配索されるワイヤーハーネスを覆うプロテクタ及びこのプロテクタを車体パネルに配設するプロテクタの配設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体に配索されるワイヤーハーネスを覆うプロテクタとして、例えば、実開平2−74260号公報(特許文献1)及び特開2001−239899号公報(特許文献2)に記載されたプロテクタが提案されている。
【0003】
このようなプロテクタは、車体パネルに形成した溝に配索したワイヤーハーネスを覆うことにより、車体パネルの表面を平坦面に形成し、搭乗者がワイヤーハーネスを踏み付けて車両に不具合が生じることを防止している。
【0004】
図6は、従来のプロテクタを示す図である。図6(a)及び図6(b)に示すように、プロテクタ100は、ワイヤーハーネス(図示省略)が収容されるワイヤーハーネス収容部120を有するプロテクタ本体121と、ワイヤーハーネス収容部120を閉塞するカバー本体131とから略構成されている。
【0005】
プロテクタ本体121は、プロテクタ本体121の外周から突設された複数の固定脚部122と、固定脚部122にそれぞれ設けられた固定孔123とで形成されている。
【0006】
そして、ワイヤーハーネス収容部120にワイヤーハーネスを収容した状態で、車体パネル(図示省略)に形成された凹部(図示省略)にプロテクタ100を載置して、固定孔123にネジ等を挿入することによりプロテクタ100を車体パネルに固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平2−74260号公報
【特許文献2】特開2001−239899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来のプロテクタ100は、図6(a)に示すように、プロテクタ本体121及びカバー本体131がプロテクタ100の一側100aから他側100bにかけて一体に形成されているため、プロテクタ100及びワイヤーハーネスを折り曲げることができない。
【0009】
このため、プロテクタ100を輸送等する際、プロテクタ100及びワイヤーハーネスを折り曲げて梱包することができず、梱包スペースを有効活用することができないという問題が発生する。
【0010】
そこで、本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、梱包スペースを有効活用することができるプロテクタ及びこのプロテクタを車体パネルに配設するプロテクタの配設構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載した本発明のプロテクタは、車体に設けられたワイヤーハーネスの配索経路形状に沿って形成されワイヤーハーネスが収容されるワイヤーハーネス収容部を有するプロテクタ本体と、このプロテクタ本体のワイヤーハーネス収容部を閉塞するカバー本体とを備えたプロテクタであって、前記プロテクタ本体は、複数に分割されて少なくとも第1分割プロテクタ本体と第2分割プロテクタ本体とで形成され、前記カバー本体は、前記第1分割プロテクタ本体のワイヤーハーネス収容部を覆う第1分割カバー本体と、前記第2分割プロテクタ本体のワイヤーハーネス収容部を覆う第2分割カバー本体とで形成され、前記第1分割カバー本体と前記第2分割カバー本体のいずれか一方には、前記第1分割プロテクタ本体と第2分割プロテクタ本体との間を被覆可能な分割位置カバー部が一体に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した本発明のプロテクタは、請求項1に記載のプロテクタであって、前記第1分割プロテクタ本体及び第2分割プロテクタ本体には、車体パネルへプロテクタを固定する固定用孔が設けられ、前記分割位置カバー部には前記固定用孔の位置に対応して共締め孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した本発明のプロテクタは、請求項2に記載のプロテクタであって、前記固定用孔は、第1分割プロテクタ本体及び第2分割プロテクタ本体の外周から突設された複数箇所の固定脚部にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載した本発明のプロテクタの配設構造は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロテクタの配設構造であって、車体パネルにはワイヤーハーネスが収容される凹部が形成され、前記プロテクタの前記分割位置カバーは前記凹部上に面一状態で載置され、裏面側に前記凹部の形状に沿ったリブが突設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載した本発明のプロテクタによれば、プロテクタ本体が複数に分割されて少なくとも第1分割プロテクタ本体と第2分割プロテクタ本体とで形成されている。このため、プロテクタを輸送等する際、プロテクタ及びワイヤーハーネスを折り曲げることができる。従って、梱包スペースを有効活用することができるプロテクタを提供することができる。
【0016】
また、カバー本体には、第1分割プロテクタ本体と第2分割プロテクタ本体との間を被覆する分割位置カバーが形成されている。このため、プロテクタを搭乗者が踏み付ける等の外力に対して、プロテクタの強度を強くすることができる。
【0017】
請求項2に記載した本発明のプロテクタによれば、分割位置カバー部には、プロテクタ本体に設けられた固定用孔に対応して共締め孔が設けられている。このため、プロテクタ本体と分割位置カバー部とを共締めすることにより、プロテクタ本体とカバー本体とを車体パネルに固定することができる。
【0018】
請求項3に記載した本発明のプロテクタによれば、第1分割プロテクタ本体及び第2分割プロテクタ本体の外周から突設された固定脚部に固定用孔が設けられている。このため、固定用孔にネジ等を挿入して車体パネルにプロテクタを固定することができる。
【0019】
請求項4に記載した本発明のプロテクタによれば、分割位置カバー部が車体パネルの凹部上に面一状態で載置される。このため、車体パネルを平坦にすることができ、ワイヤーハーネスがプロテクタから突出して搭乗者の足元の障害となることを防ぐことができる。
【0020】
また、分割位置カバー部の裏面側には、車体パネルの凹部の形状に沿ったリブが突設されている。このため、凹部に対してリブが正規の位置(凹部の形状に沿う位置)に保持され、搭乗者がプロテクタを踏み付けることによるワイヤーハーネスの破損を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るプロテクタの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプロテクタの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプロテクタの折り曲げについて説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプロテクタを車体パネルに取り付けた場合を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロテクタを車体パネルに取り付けた場合を示す平面図及び断面図である。
【図6】従来におけるプロテクタを示す斜視図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るプロテクタについて図面を参照して説明する。はじめに、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るプロテクタの構造について説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るプロテクタの平面図である。図2(a)は、本発明の実施形態に係るプロテクタの斜視図である。図2(b)は、本発明の実施形態に係るプロテクタの分割位置カバー部を拡大した斜視図である。
【0024】
本発明の実施形態に係るプロテクタは、車体パネルに配索されるワイヤーハーネスを内部に収容してワイヤーハーネスを搭乗者の踏み付け等の外力から保護するプロテクタである。
【0025】
図1及び図2に示すように、プロテクタ1は、車体パネル51(後述する図4参照)に設けられたワイヤーハーネス11の配索経路52(後述する図4参照)形状に沿って形成されたプロテクタ本体21と、内部にワイヤーハーネス11を収容したプロテクタ本体21を閉塞するカバー本体41とから略構成されている。
【0026】
ワイヤーハーネス11は、車両に搭載される電子機器に接続される複数の電線で形成されており、例えば、結束バンド等で結束されてプロテクタ1に固定されている。
【0027】
プロテクタ本体21は、プロテクタ1の略中央で2分割されて第1分割プロテクタ本体22と、第2分割プロテクタ本体23とから形成されている。
【0028】
第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間には、所定の隙間(約100mm)が設けられている(図1の隙間A参照)。
【0029】
上記のように、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間には所定の隙間A(図1参照)が設けられているため、後述するように、ワイヤーハーネス11を折り曲げることが可能となる。
【0030】
第1分割プロテクタ本体22は、ワイヤーハーネス11が収容される第1ワイヤーハーネス収容部24と、第1分割プロテクタ本体22の外周22aから突設された複数の第1固定脚部25と、複数箇所の第1固定脚部25にそれぞれ設けられた第1固定用孔26とから形成されている。
【0031】
第2分割プロテクタ本体23は、図2(a)に示すように、第1分割プロテクタ本体22の幅Bと略同一の幅Cを有している。
【0032】
第2分割プロテクタ本体23は、第1分割プロテクタ本体22と略同様に、ワイヤーハーネス11が収容される第2ワイヤーハーネス収容部27と、第2分割プロテクタ本体23の外周23aから突設された複数の第2固定脚部28と、複数箇所の第2固定脚部28にそれぞれ設けられた第2固定用孔29とから形成されている。
【0033】
上記のように、第1分割プロテクタ本体22及び第2分割プロテクタ本体23の外周22a、23aから突設された第1固定脚部25及び第2固定脚部28に、第1固定用孔26又は第2固定用孔29が設けられている。
【0034】
このため、第1固定用孔26及び第2固定用孔29に、ネジ等を挿入して車体パネル51にプロテクタ1を固定することができる。
【0035】
カバー本体41は、第1ワイヤーハーネス収容部24を覆う第1分割カバー本体42と、第2ワイヤーハーネス収容部27を覆う第2分割カバー本体43とから形成されている。
【0036】
第1分割カバー本体42には、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間を被覆可能な分割位置カバー部44が一体に形成されている。
【0037】
分割位置カバー部44には、第2分割プロテクタ本体23の第2固定用孔29に対応して設けられた共締め孔45と、後で図5を参照して説明するリブ46(後述する図5(b)参照)とから形成されている。
【0038】
上記のように、第1分割カバー本体42には、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間を被覆可能な分割位置カバー部44が形成されているため、プロテクタ1を搭乗者が踏み付ける等の外力に対して、ワイヤーハーネス11を保護することができる。
【0039】
さらに、分割位置カバー部44は第1分割カバー本体42に一体に形成されているため、第2分割プロテクタ本体23に形成された固定用孔29と共締め孔45により、プロテクタ本体21と分割位置カバー部44とを共締めすることができる。
【0040】
また、分割位置カバー部44は、図2(a)に示すように、第1分割プロテクタ本体22の幅Bと第2分割プロテクタ本体23の幅Cより、分割位置カバー部44の幅Dの方が広くなるように形成されている。
【0041】
これにより、踏み付け等の外力に対するプロテクタ1の強度を強くすることができ、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間の隙間A(図1参照)に位置するワイヤーハーネス11を保護することができる。
【0042】
上述したように、プロテクタ本体21が2分割されて第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23とで形成されているため、プロテクタ1及びワイヤーハーネス11を折り曲げることが可能となる。
【0043】
そして、プロテクタ1及びワイヤーハーネス11を折り曲げることにより、従来よりも小さいサイズのコンテナにプロテクタ1を収納することができるため、輸送時の梱包スペースを有効に活用することができる。
【0044】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係るプロテクタを梱包等する際のワイヤーハーネスの折り曲げについて説明する。図3(a)は、本発明の実施形態に係るプロテクタの折り曲げ前を示す斜視図である。図3(b)は、本発明の実施形態に係るプロテクタの折り曲げ後を示す斜視図である。
【0045】
プロテクタ1を輸送するために梱包する前、又は、プロテクタ1を車体パネル51(後述する図4参照)に取り付ける際、図3(a)に示すように、プロテクタ1は、ワイヤーハーネス11の配索経路52(後述する図4参照)に沿った形状を保っている。
【0046】
このような形状を保っている状態では、プロテクタ1の一側1aと他側1bとが矢印E方向(図3(a)参照)に連なっているため、輸送時の梱包の際に一側1aから他側1bまで収納することができる大型のコンテナ等が必要となる。
【0047】
しかしながら、本発明の実施形態に係るプロテクタ1は、プロテクタ本体21が2分割されて形成されているため(図1参照)、図3(b)に示すように、プロテクタ1の一側1aを他側1bの下方(ワイヤーハーネス11側)に保持することにより、プロテクタ1及びワイヤーハーネス11を折り曲げることが可能となる。
【0048】
上記のように、プロテクタ1及びワイヤーハーネス11を折り曲げて保持することにより、プロテクタ1及びワイヤーハーネス11を折り曲げる前よりも小さいサイズのコンテナにプロテクタ1を収納することができるため、輸送時の梱包スペースを有効に活用することができる。
【0049】
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態に係るプロテクタを車体パネルに取り付ける場合について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るプロテクタを車体パネルに取り付けた場合を示す斜視図である。
【0050】
また、図5(a)は、本発明の実施形態に係るプロテクタを車体パネルに取り付けた場合を示す上面図である。図5(b)は、本発明の実施形態に係るプロテクタを車体パネルに取り付けた場合を示すA−A断面図である。
【0051】
図4及び図5(a)に示すように、プロテクタ1を車体パネル51に取り付ける際、プロテクタ1がワイヤーハーネス11の配索経路52に沿った形状を保った状態(プロテクタ1を折り曲げていない状態)で取り付ける。
【0052】
車体パネル51には、ワイヤーハーネス11が収容される凹部53(図5(b)参照)が形成されており、プロテクタ1を車体パネル51に取り付けると、分割位置カバー部44は、凹部53上に面一状態で載置される。
【0053】
上記のように、分割位置カバー部44が車体パネル51の凹部53上に面一状態で載置されるため、車体パネル51を平坦にすることができ、ワイヤーハーネス11がプロテクタ1から突出して搭乗者の足元の障害となることを防ぐことができる。
【0054】
また、図5(b)に示すように、分割位置カバー部44の裏面側(車体パネル51側)に凹部53の形状に沿ったリブ46が突設されている。
【0055】
リブ46には、分割位置カバー部44の裏面側に一体に形成された一対の突部46a、46bが凹部53側に突設されており、この突部46aと突部46bとの間隔Fは、凹部53の幅Gよりも小さくなるように形成されている。
【0056】
このため、車体パネル51に形成された凹部53の幅内に一対の突部46a、46bが当接することにより(図5(b)参照)、分割位置カバー部44が凹部53の形状に沿って保持される。
【0057】
上記のように、分割位置カバー部44の裏面側を車体パネル51の凹部53の形状に沿った形状にすることにより、凹部53に対してリブ46が正規の位置(凹部53の形状に沿う位置)、すなわち凹部53を平面視したときの凹部の内径形状に沿ってリブ46が連続して設けているので、凹部53に分割位置カバー部44が保持されて車体パネル51にプロテクタ1が位置決め状態で固定される。
【0058】
このため、ワイヤーハーネス11がプロテクタ1から露出することがなく、搭乗者がプロテクタ1を踏み付けることによるワイヤーハーネス11の破損を軽減することができる。
【0059】
そして、第1分割プロテクタ本体22及び第2分割プロテクタ本体23に形成された第1固定用孔26及び第2固定用孔29にネジ部材等を挿入して、車体パネル51にプロテクタ1を固定する。
【0060】
また、上述したように、分割位置カバー部44には、第2固定用孔29に対応して共締め孔45が設けられているため、第2固定用孔29にネジ部材等を挿入することにより、第2分割プロテクタ本体23と分割位置カバー部44とを共締めして車体パネル51に固定する。
【0061】
分割位置カバー部44は第1分割カバー本体42に一体に形成されているため、1本のネジ部材等で第2分割プロテクタ本体23と分割位置カバー部44とを共締めすることにより、プロテクタ本体21とカバー本体41とを車体パネル51に固定することができる。
【0062】
そして、プロテクタ本体21は2分割されているため、プロテクタ1及び車体パネル51に形成された凹部53の寸法のばらつきに対応することができ、第1固定用孔26、第2固定用孔29、共締め孔45の孔の径を大きく設定する必要がない。従って、車体パネル51に対するプロテクタ1の固定力が向上し、強度を向上することができる。
【0063】
このようにして、本発明の実施形態に係るプロテクタ1は、車体(車体パネル51)に設けられたワイヤーハーネス11の配索経路52形状に沿って形成されワイヤーハーネス11が収容されるワイヤーハーネス収容部24、27を有するプロテクタ本体21と、このプロテクタ本体21のワイヤーハーネス収容部24、27を閉塞するカバー本体41とを備えたプロテクタ1であって、プロテクタ本体21は、2分割されて第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23とで形成され、カバー本体41は、第1分割プロテクタ本体22のワイヤーハーネス収容部24を覆う第1分割カバー本体42と、第2分割プロテクタ本体23のワイヤーハーネス収容部27を覆う第2分割カバー本体43とで形成され、第1分割カバー本体42と第2分割カバー本体43のいずれか一方には、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間を被覆可能な分割位置カバー部44が一体に形成されている。
【0064】
また、本発明の実施形態に係るプロテクタ1は、第1分割プロテクタ本体22及び第2分割プロテクタ本体23には、車体パネル51へプロテクタ1を固定する固定用孔26、29が設けられ、分割位置カバー部44には固定用孔29の位置に対応して共締め孔45が形成されている。
【0065】
さらに、本発明の実施形態に係るプロテクタ1は、固定用孔26、29は、第1分割プロテクタ本体22及び第2分割プロテクタ本体23の外周から突設された複数箇所の固定脚部25、28にそれぞれ設けられている。
【0066】
また、本発明の実施形態に係るプロテクタ1は、分割位置カバー部44はワイヤーハーネス11が収容される凹部53が形成された車体パネル51の凹部53上に面一状態で載置され、裏面側に凹部53の形状に沿ったリブ46が突設されている。
【0067】
そして、本発明の実施形態に係るプロテクタ1によれば、プロテクタ本体21が2分割されて第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23とで形成されている。このため、プロテクタ1及びワイヤーハーネス11を折り曲げることができる。従って、梱包スペースを有効活用することができるプロテクタ1を提供することができる。
【0068】
また、カバー本体41には、第1分割プロテクタ本体22と第2分割プロテクタ本体23との間(図1の隙間A参照)を被覆する分割位置カバー部44が形成されている。このため、プロテクタ1を搭乗者が踏み付ける等の外力に対して、プロテクタ1の強度を強くすることができる。
【0069】
また、本発明の実施形態に係るプロテクタ1によれば、分割位置カバー部44には、第2分割プロテクタ本体23に設けられた固定用孔29に対応して共締め孔45が設けられている。このため、第2分割プロテクタ本体23と分割位置カバー部44とを共締めすることにより、プロテクタ本体21とカバー本体41とを車体パネル51に固定することができる。
【0070】
さらに、本発明の実施形態に係るプロテクタ1によれば、第1分割プロテクタ本体22及び第2分割プロテクタ本体23の外周22a、23aから突設された固定脚部25、28に固定用孔26、29が設けられている。このため、固定用孔26、29にネジ等を挿入して車体パネル51にプロテクタ1を固定することができる。
【0071】
また、本発明の実施形態に係るプロテクタ1によれば、分割位置カバー部44が車体パネル51の凹部53上に面一状態で載置される。このため、車体パネル51を平坦にすることができ、ワイヤーハーネス11がプロテクタ1から突出して搭乗者の足元の障害となることを防ぐことができる。
【0072】
また、分割位置カバー部44の裏面側には、車体パネル51の凹部53の形状に沿ったリブが突設されている。このため、凹部53に対してリブ46が正規の位置(凹部の形状に沿う位置)に保持され、搭乗者がプロテクタ1を踏み付けることによるワイヤーハーネス11の破損を軽減することができる。
【0073】
以上、本発明のプロテクタを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0074】
例えば、本発明の実施形態に係る分割位置カバー部44は、第1分割カバー本体42に一体に形成されている場合について説明したが、第2分割カバー本体43に一体に形成しても良い。
【0075】
また、分割位置カバー部44の一側を第1分割カバー本体42に一体に形成し、他側を第2分割カバー本体43側に一体に形成しても良い。
【0076】
また、本発明の実施形態に係る分割位置カバー部44には、共締め孔45は第2固定用孔29に対応して設けられている場合について説明したが、第1固定用孔26に対応して設けられても良い。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、プロテクタを輸送する際、梱包スペースを有効に活用する上で極めて有用である。
【符号の説明】
【0078】
1 プロテクタ
11 ワイヤーハーネス
21 プロテクタ本体
22 第1分割プロテクタ本体
23 第2分割プロテクタ本体
24 第1ワイヤーハーネス収容部
25 第1固定脚部
26 第1固定用孔
27 第2ワイヤーハーネス収容部
28 第2固定脚部
29 第2固定用孔
41 カバー本体
42 第1分割カバー本体
43 第2分割カバー本体
44 分割位置カバー部
45 共締め孔
46 リブ
51 車体パネル
52 配索経路
53 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に設けられたワイヤーハーネスの配索経路形状に沿って形成されワイヤーハーネスが収容されるワイヤーハーネス収容部を有するプロテクタ本体と、このプロテクタ本体のワイヤーハーネス収容部を閉塞するカバー本体とを備えたプロテクタであって、
前記プロテクタ本体は、複数に分割されて少なくとも第1分割プロテクタ本体と第2分割プロテクタ本体とで形成され、
前記カバー本体は、前記第1分割プロテクタ本体のワイヤーハーネス収容部を覆う第1分割カバー本体と、前記第2分割プロテクタ本体のワイヤーハーネス収容部を覆う第2分割カバー本体とで形成され、
前記第1分割カバー本体と前記第2分割カバー本体のいずれか一方には、前記第1分割プロテクタ本体と第2分割プロテクタ本体との間を被覆可能な分割位置カバー部が一体に形成されていることを特徴とするプロテクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロテクタであって、
前記第1分割プロテクタ本体及び第2分割プロテクタ本体には、車体パネルへプロテクタを固定する固定用孔が設けられ、前記分割位置カバー部には前記固定用孔の位置に対応して共締め孔が形成されていることを特徴とするプロテクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のプロテクタであって、
前記固定用孔は、第1分割プロテクタ本体及び第2分割プロテクタ本体の外周から突設された複数箇所の固定脚部にそれぞれ設けられていることを特徴とするプロテクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロテクタの配設構造であって、車体パネルには、ワイヤーハーネスが収容される凹部が形成され、前記プロテクタの前記分割位置カバー部は前記凹部上に面一状態載置され、裏面側に前記凹部の形状に沿ったリブが突設されていることを特徴とするプロテクタの配設構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−228055(P2012−228055A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93090(P2011−93090)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】