説明

プロバイオティクス及びシンバイオティックとしてのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacilluskefiranofaciens)の使用

本発明に従い、適当な担体と共に、有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を含んで成る、プロバイオティクス組成物が供される。該プロバイオティクス組成物は、多くのプロバイオティクス効果、例えば、腸内付着、腸内持続、腸内ミクロフローラの陽性調節、腸内病原菌に対する保護、免疫調節、全身性炎症に対する保護、腸炎に対する保護、アレルギーに対する保護、下痢に対する保護、糖尿病に対する保護、高脂血症に対する保護及び結腸癌に対する保護を有する。本発明に従い、該組成物が有利な効果を有する、いくつかの疾患の治療及び/又は予防方法が供される。例えば、該組成物は、高血圧の治療、体重障害の治療、高脂血症の治療、又はチリグリセリド障害の治療における有用性の発見における製品を発酵するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(a)本発明の分野
本発明は、腸内健康、免疫の調節、肥満関連問題、例えば、血中脂質レベル、高血圧、及び体重の制御、並びに腫瘍に対する保護における効果を有するプロバイオティクスとしてのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(b)先行技術の説明
プロバイオティクス微生物の伝統的定義は、細菌(及びその成分)が無毒で、胃/腸内環境において生存でき、胃−腸管中で付着/持続し、正常なヒトミクロフローラとして存在し、そして健康的な利益を及ぼすことを必要とする。しかしながら、近年の証拠は、いくつかのプロバイオティクス効果が非ヒト起源の乳酸菌から得ることができ、そしてプロバイオティクス効果は加熱又は照射失活されたラクトバチルスにより、そしていくつかの場合には溶菌液から得ることができることが示された(米国特許第4,347,240号)。プロバイオティクス乳酸菌から観察される健康利益は、しばしば株特異的であり、そして極めて可変的である。プロバイオティクス乳酸菌について記載されるいくつかの効果は:腸内ミクロフローラの調節、病原性微生物との競合及び除去、免疫機能の調節、アレルギーの制御、胃腸健康の促進、血中脂質レベルの調節、糖尿病の制御(血中のグルコース及びインスリンの調節)、結腸癌に対する保護、体重の制御を含む。
【0003】
ケフィアは何世紀もの間、ミルクを発酵するために使用されてきた。ケフィア粒は、グラム陽性の異種−及び同種発酵性乳酸細菌からできている。グラム陰性乳酸菌、並びにラクトース発酵及び非発酵酵母菌は、ケフィラン、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)細菌により分泌されるエキソポリサッカライドファミリーのバイオポリマーにより一緒に保持される。L.ケフィラノファシエンス(L.kefiranofaciens)種の乳酸菌は異種発酵乳酸菌であり、そしてケフィア粒の主要な細菌集団を表す。2つの独立種として本来分類されるが、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィアグラナム(Lactobacillus kefirgranum)は、近年これらの同じ16S RNA配列に基づき、L.ケフィラノファシエンス(L.kefiranofaciens)の亜種として再分類された(Vancanneyt et al., lnt J Syst Evol Microbiol. 54(Pt 2):551-556, 2004)。該2つの亜種への分類は、寒天プレート上及び液体培地中における、異なる糖類からの酸生成、及びPAGEからのタンパク質プロファイリングにおける形態学に基づき行われた。該亜種ケフィラノファシエンス(kefiranofaciens)由来の株は、通常ケフィランの高い産生株であり、これはケフィア粒の組成及び形成に必須である。ケフィラノファシエンス(kefiranofaciens)株からのケフィラン産生は、寒天プレート上のコロニー形態(光沢又は粘液性の外観を示す)から認識されるが、亜種ケフィグラナム(kefirgranum)由来の株は、有意なレベルのケフィランを産生しない。しかしながらラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)は、継代培養に対して極めて感受性であることが示された。ケフィグラナム(kefirgranum)株はトレアロースから酸を産生することができるが、ケフィラノファシエンス(kefiranofaciens)株は産生することができない。さらに、ケフィグラナム(kefirgranum)亜種由来の株は、液体培養液中で綿状かつ堆積性である。
【0004】
無毒性が何年にもわたってケフィアに随伴するという事実は、それから分離されるラクトバチルス株の安全性及び無毒性に対する強力な論拠である。L.アシドフィルス(acidophilus)グループにおけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)種は、L.クリスパツス(crispatus)及びL.アシドフィルス(acidophilus)種に近く、これは良く記載されるプロバイオティクス株を含む。
【0005】
Santos et al. (System. Appl. Microbiol., 26:434-437, 2003)は、酸及び胆汁に対する耐性、異なる付着及び抗微生物特性を示すラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の4つの株を記載する。
【0006】
米国特許第4,347,240号は、ケフィア粒由来の未決定の株分類(ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens))のラクトバチルスKPB−176の新規株の分離を記載し、これは大量のケフィランを産生し、特定の培地について厳格な選択性を有さず、そして継代培養においてポリサッカライドの生産性における減少に関係しない。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概要
本発明に従い、適当な担体と共に、有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を含んで成る、プロバイオティクス組成物が供される。該ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)は、例えば、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択することができる。
【0008】
本発明の1つの態様において、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)は、R2C2(IDAC受入番号041202−3)、INIX(IDAC受入番号041202−4)、K2(IDAC受入番号041202−1);ES1(IDAC受入番号041202−2)及びTechnologie Biolactis inc.由来のBioSP株から成る群から選択される株である。
【0009】
プロバイオティクス効果は、例えば、腸内付着、腸内持続、腸内ミクロフローラの陽性調節、腸内病原菌に対する保護、免疫調節、全身性炎症に対する保護、腸炎に対する保護、アレルギーに対する保護、下痢に対する保護、糖尿病に対する保護、高脂血症に対する保護及び結腸癌に対する保護から成る群から選択されることができる。該組成物は、経口、直腸又は膣投与に適当に処方することができる。
【0010】
更に本発明に従い、対象中の腸内ミクロフローラの陽性調節を提供するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法もまた供される。
【0011】
また本発明に従い、腸炎に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が供される。このような腸炎は、例えば、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)により、又は過敏性腸症候群(IBS)により生じ得る。
【0012】
更に本発明に従い、アレルギー及び/又は自己免疫疾患に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が供される。
【0013】
また本発明に従い、下痢に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法もまた供される。
【0014】
本発明に従い、糖尿病に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が更に供される。
【0015】
また本発明に従い、高脂血症に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法もまた供される。
【0016】
更に本発明に従い、直腸癌に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法もまた供される。
【0017】
また本発明に従い、対象における腸炎を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が供される。このような腸炎は、例えば、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)により、又は過敏性腸症候群(IBS)により生じ得る。
【0018】
更に本発明に従い、対象におけるアレルギー及び/又は自己免疫疾患を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が供される。
【0019】
また本発明に従い、対象における下痢を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法もまた供される。
【0020】
本発明に従い、対象における糖尿病を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が更に供される。
【0021】
また本発明に従い、対象における高脂血症を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が供される。
【0022】
さらに本発明に従い、対象における直腸癌を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のこのようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法が供される。
【0023】
本発明は更に、プロバイオティクス化合物として、このようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用を供する。該プロバイオティクス化合物は、例えば、腸内付着、腸内持続、腸内ミクロフローラの陽性調節、腸内病原菌に対する保護、免疫調節、全身性炎症に対する保護、腸炎に対する保護、アレルギーに対する保護、下痢に対する保護、糖尿病に対する保護、高脂血症に対する保護及び結腸癌に対する保護から成る群から選択されるプロバイオティクス効果を有することができる。該使用は経口投与に適当である。
【0024】
ある態様において、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)は、発酵乳製品及び非生細菌試料、例えば、熱殺細菌、照射細菌、及び溶解細菌として、生細菌集団、凍結乾燥細菌集団から成る群から選択される形態において投与される。
【0025】
本発明のある態様は更に、抗炎症性効果を有するプロバイオティクス化合物として、このようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用を供する。
【0026】
ある態様は、乾癬の治療のためのプロバイオティクス化合物として、このようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用を供する。
【0027】
本発明に従い、抗炎症性化合物と併用した、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用であって、ここで炎症性化合物が5−ASA又は副腎皮質ステロイドである方法もまた供される。
【0028】
本発明は更に、乾癬の治療のための医薬の製造のためのプロバイオティクス化合物として、このようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用を供する。
【0029】
ある態様において、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)は、乳清を発酵するために使用され、ここで該乳清はチーズ乳清である。
【0030】
本発明に従い、循環器疾患の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用もまた供される。
【0031】
本発明に従い、高血圧の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用もまた供される。
【0032】
本発明はさらに、体重障害の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用を供する。
【0033】
本発明に従い、高脂血症の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用もまた供される。
【0034】
本発明は更に、トリグリセリド障害の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用を供する。
【0035】
本発明に従い、循環器疾患の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用もまた供される。
【0036】
本発明に従い、高血圧の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用もまた供される。
【0037】
本発明はさらに、体重障害の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用を供する。
【0038】
本発明はさらに、高脂血症の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用を供する。
【0039】
本発明に従い、トリグリセリド障害の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵により得られた製品の使用もまた供される。
【0040】
本発明は更に、プロバイオティクス化合物として、このようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用を供する。該プロバイオティクス化合物は、高血圧、低HDL、腹部の脂肪、インスリン耐性、及び高レベルのトリグリセリドの5つの問題に関係するメタボリックシンドロームの治療のために使用することができる。従って、本発明のプロバイオティクス化合物は、メタボリックシンドロームに関係する問題を治療及び/又は予防するために使用することができる。
【0041】
本発明は更に、体重管理を制御するために、プロバイオティクス化合物として、このようなラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用を供する。
【0042】
本発明の詳細な説明
本発明に従い、食料及び医薬中の多様な適用を伴うプロバイオティクス乳酸菌が供される。より具体的には、本発明は、以下に記載されるとおり、4株により定義される、プロバイオティクス種、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)(ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)を含む)に関係し、これは動物モデルにおける経口治療に従い有意なプロバイオティクス能を示した。これらのプロバイオティクス効果中、腸内付着、腸内ミクロフローラの陽性調節、免疫調節、アレルギー、下痢、体重管理、高血圧及び高脂血症が観察された。この種から分離された異種株は、一般的及び株特異的な有利な健康効果の両方を示した。これらは、発酵乳製品(ミルク、乳清ベース)として、生きている又は凍結乾燥させた細菌集団として、あるいは生きていない細菌試料(熱滅菌、照射又は溶解化細菌)として、経口的に投与することができる。
【0043】
本発明は、本発明の範囲を制限せずに例証するために与えられる以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるものと考える。
【実施例】
【0044】
実施例1
ケフィア粒由来のラクトバチルスのプ5つのプロバイオティクス株の同定
本願中に記載される3つの株、R2C2(IDAC受入番号041202−3)、K2(IDAC受入番号041202−1)及びES1(IDAC受入番号041202−2)は、乳清中における成長に以前に適合したケフィア粒から分離した。
【0045】
1つの株、INIX(IDAC受入番号041202−4)は、ATCCケフィラノファシエンス対照株(ATCC受入番号43761)の寒天プレート上におけるケフィラン過剰産生コロニーから分離した。
【0046】
BioSPは、Technologie Biolactis inc.由来の液体培養中で強力な綿状性であるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)株である。
【0047】
16S RBA遺伝子配列に基づき、本願中に記載した株は、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)種に指定した。液体培地及び寒天プレート上の形態、並びに糖発酵特性はまた、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種のいずれかの株のより具体的な指定を許容した。ケフィラノファシエンス(R2C2、ES1及びINIX)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(K2及びBioSP)。
【0048】
実施例2
ラクトバチルス株のインビトロ評価
R2C2:一般に短い桿菌であり、グラム陽性、単一又は2〜4の連鎖、いくらかのエキソポリサッカライドを非産生又は産生する。該桿菌の長さ及び幅は、使用される培養培地及び保存培地に従い極めて変化する。RCWプレートにおいて、これは乾燥かつ滑らかな結晶様コロニーを形成し、中央がベージュの白色であり、凸面であり、エンボス上部を伴う。該株は、欠乏培地(例えば、補助なしの乳清)中で良好に成長し、そして液体培地中で小サイズの凝集体を産生する(約10の細菌又はそれ以下)。
【0049】
INIX:伸長した、一般にR2C2よりも長い桿菌、グラム陽性、単一又は2〜4の連鎖桿菌。RCWプレートにおいて、これは粘液性又は粘性様のコロニーを形成し、これは隣接するコロニーと融合する。液体RCW培地中のケフィラン産生率は高く、そして継代培養において安定である。該株は欠乏培地中で弱い成長性を有する;典型的な、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)であり、そして液体培地中で小サイズの凝集体を産生する(約10〜50の細菌)。
【0050】
ES1:R2C2株と類似するが、欠乏培地中で悪い成長性を表す。
【0051】
K2:R2C2よりも僅かに幅広な平均的長さの桿菌、単一又は2〜4の連鎖桿菌。エキソポリサッカライドを産生しない又は殆ど産生しない。欠乏培地中で成長するが、試験した全ての培養培地について、他の株よりも低レベルにおいて安定段階に達した(RCW:R2C2及びES1について1.5〜3×109と比較して5〜7×108の細菌)。液体培養中の平均サイズの凝集体を示す(約50〜100の細菌)。
【0052】
BioSP:平均的長さの桿菌、不規則な細胞表面を伴う、他の全ての株よりも幅広であり、単一又は2〜4の連鎖桿菌。エキソポリサッカライドを産生しない又は殆ど産生しない。グラム陽性、液体培地中の乳酸菌の大きなサイズの凝集体の形成はまた沈殿したタンパク質を含む(100以上の細菌)。RCWプレートにおいて、これは白色コロニー、凸面を形成し、より均一な上層を伴うが、該表面上に明らかな白色のポイントを示す。欠乏培地中で成長するが、強カルシウム濃度(1%CaCl2p/v)の存在において極めて低下する。
【0053】
発酵プロフィール
表1は、上述の株の発酵プロフィールについてのデータを供する。
【0054】
【表1】

【0055】
代謝産物発酵プロフィール
表2〜4は、代謝産物発酵についてのデータを供する(1が弱、5が強として定義した1〜5のスケール、+=5及び−は反応しないことを示す)。
【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)種に対する株分類:
16S RNA配列の比較は、ラクトバチルス株の分類のために広く受け入れられる手段である。5つの異なるラクトバチルス株の16S遺伝子をPCRにより増幅し(フォワードプライマー配列番号1、リバースプライマー配列番号2を使用)、そして配列決定した。異種株は、NCBIにおいて入手可能な80のラクトバチルス16S配列、及び対照株ATCC43761を伴い得られた配列の得られた配列のアライメントを介して、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)種に全て系統学的に分類した。
【0060】
株R2C2(配列番号3)、INIX(配列番号4)、BioSP(配列番号5)、K2(配列番号6)及びES1(配列番号7)の16S RNA配列の対応する相補配列を配列表に挙げる。
【0061】
細菌計数手順
細菌数及び生存率を評価するためのFACS法を以下のとおり使用した。血球計算器を使用する細菌計数を行う前に、全ての凝集体を解離しなければならない。本明細書に供される乳酸菌株R2C2及びINIXは、小さくて不安定な凝集体を形成する傾向を有する。解離は、PBSピロリン酸(15mL)に該株を再懸濁することにより容易に達成することができる。株BioSP及びK2(特にBioSP)は、PBSピロリン酸のみを使用して解離することができない大きなサイズの凝集体を形成する。再懸濁後、これら2つの株を55℃で30分間加熱する必要がある。その後、該株を室温で15分間、各細菌が血球計算機により検出可能となるようにDNAに結合する臭化エチジウムに暴露させる。その後、より正確な計数とするために連続希釈(1/10、1/100、1/1000)を行った。
【0062】
また、他の方法、例えば、プレート計数法及び最確数法(計数を許容する異なる希釈での一連の接種)を使用することができる。
【0063】
MRS、RCW及び乳清中の成長特性
異種株の前培養を、RCW培地において37℃で12〜24時間行った。新鮮な指数関数的に増殖する培地由来の細胞を計測し、そして10cfu/mlの濃度において異なる培地中に接種した。培養液を37℃でインキュベートし、そしてFACS計数法を使用して、2、4、6、8、12、24、32及び48時間の間隔において、細胞を計測した。
【0064】
ダイレクトPCR検出法の開発
異なる組織中のL.ケフィラノファシエンスの検出を許容するための種特異的PCR増幅法を開発した。PCR検出試験は、16S RNA遺伝子の増幅において成る。これらのプライマーは、乳酸菌16S配列と、我々の株、及び参照株ATCC受入番号43761のアライメントの結果を介して同定した、ユニークなL.ケフィラノファシエンスDNA配列からデザインした。該プライマーの特異性は、5つの異なる乳酸菌株のDNAに対して実験的に試験した。該試験はまた、糞便、粘膜及び結腸全体から単離された実験試料中のL.ケフィラノファシエンスDNAを検出するために成功的に使用されている。これらの結果は、該プライマーが高特異性であり、腸内フローラ中の細菌DNAの重要な多様性を介してL.ケフィラノファシエンスDNAの存在を検出することを実証した。
【0065】
L.ケフィラノファシエンス特性PCRプライマー配列は、R2C2−16SF(配列番号8)及びR2C2−16SR(配列番号9)である。
【0066】
PCR増幅周期パラメーターは以下のとおりである:94℃で10分後、94℃で30秒間、69℃で30秒間、そして72℃で1分間を30回反復し、その後最後に72℃で10分間の1回の工程。2%アガロースゲルにおける電気泳動によりPCR生成物を分析する。
【0067】
胃/腸液中の生存
低pH及び胃液におけるこれらのことなるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)株の生存及び成長を調査した。該実験のために、無菌胃液に供する前に異種株をRCW培地及び乳清中において37℃で24時間前培養した。酸性条件下における異種株の生存を以下のとおり試験した。
【0068】
a)酸溶液中の乳酸菌の株の生存
新鮮な培養液由来の細胞を計測し、その後遠心分離により回収し、PBS中で2回洗浄し、そしてMRSブロス又はpH3.5、3.0、2.5及び2.0に調節した乳清中107cfu/mlの濃度に再懸濁した。細胞を37℃でインキュベートし、FACS及びプレート計数法を使用して、15、30、60及び120分の間隔において生存を測定した。
【0069】
b)ヒト胃液中の乳酸器の株の生存
RCW中の新鮮な培養液由来の細胞を計測し、その後遠心分離により回収し、PBS中で2回洗浄し、そしてヒト胃液中108cfu/mlの濃度に再懸濁した。30分、1時間又は2時間のヒト胃液中における37℃のインキュベーション後、培養液をPBS中で2回洗浄し、そしてRCWブロス中に再懸濁した。RCWにおいて37℃での24時間のインキュベーション後、分光法(640nm)により生存をモニターし、そして未処理培養液のO.D.値と比較した。胃液は以下のとおり調製した:3.2g/Lのペプシン、2.0g/LのNaClを、該実験の目的のためにpH2.0において調製した。該細菌の生存は、胃液の30分のインキュベーション後、極めて良好であった。表5に示されるとおり、全ての株が、未処理株と同じ培養液レベルに達するように見える。
【0070】
【表5】

【0071】
胆汁耐性
RCW中の新鮮な培養液由来の細胞を計測し、その後遠心分離により回収し、PBS中で2回洗浄し、そして無菌ヒト腸液中108cfu/mlの最終濃度に再懸濁した。30分、1時間又は2時間の腸液中における37℃のインキュベーション後、培養液をPBS中で2回洗浄し、そしてRCWブロス中に再懸濁した。RCWにおいて37℃での24時間のインキュベーション後、分光法(640nm)により生存をモニターし、そして未処理培養液のO.D.値と比較した。腸液は以下のとおり調製した:10g/Lのパンクレアチン、6.8g/LのKH2PO4、0.15%の胆汁塩を、該実験の目的のためにpH8.0において調製した。該細菌の生存は、腸液の30分のインキュベーション後、極めて良好であった。表6に示されるとおり、全ての株が、未処理株と同じ培養液レベルに達するように見える。
【0072】
【表6】

【0073】
CaCo−2/HT−29に対するインビトロ付着
腸上皮細胞に付着するための異種株の能力を評価した。CaCo−2及びHT−29細胞の単層は、24ウェルプレート中14日間でコンフルエンスに成長すること、そして分化することを許容した。Syto9色素(BacLightキット)で事前に標識した10cfu/mlの異なる細菌株を、DMEM(抗菌を伴わない)中の各ウェル(3通り)に添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。この後、該細胞をPBSで4回洗浄し、全ウェル内容物を10分間のトリプシン処理により回収し、そしてウェルあたりの細菌数をFACSにより評価した。洗浄後に15%の細菌がなおウェル中に存在したことから、株R2C2は、CaCo−2上で良好な付着特性を示した。更に、細胞におけるR2C2の付着は、良好な付着特性について周知のプロバイオティクスであるL.GGよりも明らかに高かった。
【0074】
【表7】

【0075】
共培養におけるインビトロ免疫調節能
ヒト腸上皮細胞(HT−29)及びヒトPBMCの共培養系は、腸内レベルにおける細菌株の免疫調節効果を評価するためのインビトロモデルとして使用される。端的には、ヒトHT−29上皮細胞は、トランスウェル系の上部チャンバー中に播種され(1mlあたり106細胞において)、そして分化が生じるまで培養される(毎日換えるRPMI1640中で4週間)。ヒト末梢血単核球(PBMC)を、新鮮なヒト血液から密度勾配遠心分離により分離し、そして106細胞を下部チャンバーに添加する。異種株の免疫調節効果は、106細菌の下部又は上部チャンバーのいずれかへの3とおりの添加、続く48時間のインキュベーションにより評価する。対照は培地のみを含んだ。この後、細胞培養液上清を除去し、そして標準ELISAキット(R&D systems, Minneapolis, MN USA)を使用して細胞外サイトカインレベルについて評価する。サイトカイン発現レベルの評価は、各グループのプールした3通りの試料から得られた全RNAのRT−PCRにより測定する。
【0076】
ヒト腸細胞におけるR2C2で発酵させた乳清のインビトロ免疫調節能
ヒト腸上皮細胞(HT−29)の培養系は、R2C2で発酵した乳清の免疫調節効果を評価するためのインビトロモデルとして使用される。ヒトHT−29上皮細胞(1mlあたり106細胞)を分化が生じるまで培養する(毎日換えるRPMI1640中で4週間)。異種株の免疫調節効果は、多様な濃度におけるMPM(順応性タンパク質マトリックス(malleable protein matrice))の添加、続く48時間のインキュベーションにより評価した。対照は培地のみを含んだ。ヒト腸細胞におけるMPMの抗炎症能の測定のために、炎症性サイトカインの産生を誘発するためのリポポリサッカライド(LPS)を該培養培地中に添加した。これらの異なるプロトコル後、細胞培養液上清を除去し、そして標準ELISAキット(R&D systems)を使用して、細胞外サイトカインレベルについて評価した。サイトカイン発現レベルの評価は、各グループのプールした3通りの試料から得られた全RNAのRT−PCRにより測定した。LPSに暴露した細胞及びMPMの多様な濃度は、TNFα発現の明らかな減少を示した。結果を表8に示す。
【0077】
【表8】

【0078】
実施例3
ラクトバチルス株のインビボ特性及びプロバイオティクス能
インビボにおけるL.ケフィラノファシエンス付着
異種株のインビボ付着及び持続を調査した。該モデルにおいて、C57BL/6マウスを、108cfu/mlの異種株を伴う7日間の経管栄養(gavage)(経口(p.o.))により処理した。その後、結腸組織中のこれらの細菌の持続を評価するために結腸試料を経管栄養の完了後1日、3日及び10日目の各処理グループの3匹のマウスから回収した。該試料を縦方向に開き、生理食塩水でリンスすることにより結腸内容物を回収し、そして粘膜層を擦って回収した。また、処理動物中の該株の存在を評価するために、経管栄養の最終日に糞便を回収した。異種細菌の存在は、糞便、結腸内容物、及び粘膜試料において、上述した開発した種特異性プライマーを使用してPCRにより評価した。
【0079】
マウス中の腸内ミクロフローラの調節
腸内ミクロフローラを調節するための異種株の能力を評価した。C57BL/6マウスを、108cfu/mlの異種株を伴う7日間の経管栄養(p.o.)により処理した。その後、大腸菌、乳酸菌(LAB)のレベルを評価するために糞便試料を各グループから回収し、そしてまた及び糞便pHを測定した。糞便は生理食塩水中で機械的に分裂させ、そして大腸菌の存在を、Perifilm Coliform Count platesTM (3M)で評価する。LABのレベルは、Petrifilm Total Aerobic Count platesを使用して評価し、MRSブロスと共に嫌気的にインキュベートした。試験した4株全てが糞便試料中において3〜4倍の大腸菌レベルの低下を示した。表9に示されるとおり、最も重要かつ一定の効果を示す株は、R2C2及びBioSPである。更に、株R2C2は、LAB計数を僅かに増加させる能力を示したが、糞便pHは低下している。これらの効果は、R2C2が、動物の腸管に付着できる可能性を示唆する。
【0080】
【表9】

【0081】
免疫調節能:白血球集団の調節
白血球集団を調節するための上記株の効果を試験した。C57BL/6マウスを、108cfu/mlの異種株を伴う7日間の経管栄養(p.o.)により処理した。処理期間の開始及び最後において、血液試料を回収し、そして白血球集団を評価するためにフローサイトメトリーにより分析した。該異種株は、白血球集団における可変の効果を示した。4種の株は、マウス免疫系を調節しているようであり、全リンパ球及び白血球数を上昇させている。しかしながら、表10に示されるとおり、R2C2のみが多形核(PMN)細胞の数を増加する能力を有し、そしてBioSPのみが単球を僅かに上昇させることができる。
【0082】
【表10】

【0083】
腸炎の予防/治療におけるL.ケフィラノファシエンス株
腸炎の症状を予防又は軽減するためのL.ケフィラノファシエンスの能力を、DSS−誘発マウスモデルにおいて評価した。
【0084】
a)腸炎の予防
DSSでの炎症の誘発前、その後該実験が完了するまで、C57BL/6マウスを108cfu/mlの異種株を伴う7日間の経管栄養(p.o.)により処理した。7日間の飲水中のDSS(2.5%)の添加により8日目に腸炎が誘発された。炎症のレベル及び進行は、体重減少、下痢、潜血、ヘマトクリット、及び結腸の長さ(死後)の測定を介して評価した。異なる処理グループは、以下の異なるパラメーターにおいて、異なる程度の効果を示した。株R2C2、BioSP及びK2は、炎症の発達に対して強い予防効果を示したが、株INIXはより優れた調節効果を有した。更に株L.GGは、潜血及び下痢及びヘマトクリットの合わせたスコアを除き、該モデルにおいて有利な効果を示さなかった。結果を表11〜14に示す。
【0085】
実験グループ:
グループ1:5匹のマウス、水+生理食塩水 p.o.
グループ2:5匹のマウス、水−DSS+生理食塩水 p.o.
グループ3:5匹のマウス、水−DSS+R2C2(1×108cfu/ml) p.o.
グループ4:5匹のマウス、水−DSS+INIX(1×108cfu/ml) p.o.
グループ5:5匹のマウス、水−DSS+BioSP(1×108cfu/ml) p.o.
グループ6:5匹のマウス、水−DSS+K2(1×108cfu/ml) p.o.
グループ7:5匹のマウス、水−DSS+L.GG(1×108cfu/ml) p.o.
【0086】
【表11】

【0087】
【表12】

【0088】
表13
DSS消費の一定の日数後の組み合わせた潜血及び下痢スコア(8スケールにおいて評価した)。(より具体的には、該スコアは以下のとおり行った):ヘモカルトII(Beckman Coulter, Mississauga, Ontario, Canada)、以下に定義されるスケール0〜4の直腸出血を評価するために糞便潜血についての慣習的スクリーニングの連続試験スライドを用いた:0−出血なし、4−糞便様出血。糞便の硬さはまた、以下に定義される0〜4のスケールにおいて評価した:0−正常な硬さ、4−液体状糞便。糞便の硬さ及び直腸出血値をあわせ、そして「臨床スコア」として定義した。スコアは盲検の評価者により与えられた。
【表13】

【0089】
【表14】

【0090】
b)腸炎の治療
C57BL/6マウスを、108cfu/mlの異種株を伴う経管栄養(p.o.)により、実験期間中1日あたり1回処理した。8日間の飲水中のDSS(2.5%)の添加により0日目に腸炎が誘発され、その後異なる処理グループの炎症からの回復を評価するために8日間新鮮な水に置き換えた。炎症のレベル及び進行は、体重減少、下痢、潜血、ヘマトクリット、及び結腸の長さ(死後)の測定を介して評価した。全てのL.ケフィラノファシエンス株は陽性の効果を示したが、炎症後の回復期間における異種株についての強度は変化した。R2C2及びBioSPは、動物のDSS誘発損傷からの回復を助けることにおいて最も優れた能力を示した。事実、株BioSPを受けたマウスは他の全グループの3日前に体重の回復が始まった。R2C2及びBioSPは、結腸の完全性(integrity)においてより優れた改善を示した。更に、株L.GGは該モデルにおいて有利な効果は示さなかった。これらの結果を表15及び16に示す。
【0091】
実験グループ:
グループ1:5匹のマウス、水+生理食塩水 p.o.
グループ2:5匹のマウス、水−DSS+生理食塩水 p.o.
グループ3:5匹のマウス、水−DSS+R2C2 p.o.
グループ4:5匹のマウス、水−DSS+INIX p.o.
グループ5:5匹のマウス、水−DSS+BioSP p.o.
グループ6:5匹のマウス、水−DSS+K2 p.o.
グループ7:5匹のマウス、水−DSS+L.GG p.o.
【0092】
【表15】

【0093】
【表16】

【0094】
腸炎における低温殺菌又は照射細菌の効果
C57BL/6マウスを、108cfu/mlの異種L.ケフィラノファシエンス株を伴う経管栄養(p.o.)により、実験期間中1日あたり1回処理した。動物は、生存、低温殺菌又は照射細菌として、株R2C2又はBioSPを受けた。DSS(2.5%)の飲水への8日間の添加により腸炎が誘発され、その後異なる処理グループの炎症からの回復過程の迅速性を評価するために8日間新鮮な水に置き換えた。炎症のレベル及び進行は、重量偏差、及び下痢と潜血の合計スコアの測定を介して評価した。また、結腸長さ及び結腸中のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性は、該実験の最後に評価した。株R2C2及びBioSPは、陽性効果を示し、DSSへの暴露中に体重減少を低下させた、下痢と潜血の合計スコアを低下させた。炎症後の回復期間において、体重増加はより早期に開始した。結腸の完全性はまた、正常な長さ及びMPO活性により近いことにより示されるとおり、これらのグループについて良好であった。生存、低温殺菌又は照射細菌で処理したグループ間において、主要な違いは観察されなかった。5−ASAは、その周知の抗炎効果のために、実験における有効性を比較するために使用した。全ての試験パラメーターについて、5−ASA、R2C2及びBioSPは比較可能な保護効果を示した。結果を表17〜20に示す。
【0095】
実験グループ:
グループ1:5匹のマウス、通常の水+生理食塩水 p.o.
グループ2:5匹のマウス、水−DSS+生理食塩水 p.o.
グループ3:5匹のマウス、水−DSS+生存R2C2 p.o.
グループ4:5匹のマウス、水−DSS+低温殺菌R2C2 p.o.
グループ5:5匹のマウス、水−DSS+照射R2C2 p.o.
グループ6:5匹のマウス、水−DSS+生存BioSP p.o.
グループ7:5匹のマウス、水−DSS+低温殺菌BioSP p.o.
グループ8:5匹のマウス、水−DSS+照射BioSP p.o.
グループ9:5匹のマウス、水−DSS+5−ASA p.o.
【0096】
【表17】

【0097】
【表18】

【0098】
【表19】

【0099】
【表20】

【0100】
アレルギーに対する保護
このアッセイの目的は、マウスモデル中のアレルギー応答を調節するための該株の能力を変更することである。0日及び14日目におけるアルミ(Al(OH)3ゲル)中のOVA(卵白アルブミン)の腹腔内注射によりBALB/cマウスを免疫化し、そして全IgG及びOVA特異抗体応答を検出するために、血清を21、35及び42日目に採取した。該免疫化スケジュールは、対照マウス中のOVAに対する強力なアレルギー反応を誘発するのに十分である。ラクトバチルス株の(L.カゼイ(L. casei)と比較した)抗アレルギー効果は、該免疫化プロトコルの期間、異種株で経口処理したマウスグループにおいて評価した。アレルギー反応の発達は、ELISAにより血清中の全IgG産生及びOVA特異抗体の検出を介して評価した。また、サイトカイン及び抗体産生を介するアレルギー反応を評価するために、異なる処理グループ由来の培養した脾臓細胞をインビトロにおいてOVAに暴露した。
【0101】
高脂血症の治療
高脂血症における該株の効果を評価するために選択した動物モデルは、共通したいくつかの表現型パラメーターを有し(例えば、高脂血症、肥満及び糖尿病)、そしてこれらにおける該株の有利な効果を独立に確認するために使用した。
【0102】
異種細菌株は、高脂血症のラットモデル中の血中脂質レベルを調節するためのこれらの能力について試験した。このプロトコルは、ラット中の人工的に誘発された高脂血症の制御において、ナイアシン(vitB3)、強力な脂質低下剤、に対する異種株の比較評価を記載する。ポロキサマー407で腹腔内注射されたウィスターラットは、急速に、重篤であるが一過性の高脂血症を発症する。グルコースの血清レベルもまた該処理により上昇する。L.ケフィラノファシエンス株の脂質低下効果は、ポロキサマーの注射前7日間、経口的に前処理したラットのグループにおいて評価する。血中脂質は、注射前、並びに高脂血症の誘発後24及び72時間目に測定した。トリグリセリド及びコレステロール(LDL)の血漿レベルを評価した。7日の前処理後、血漿トリグリセリドは、ナイアシン処理グループで減少したが、R2C2処理グループにおいては明白な減少は僅かであった。また、血漿トリグリセリドの減少は、高脂血症の誘発後72時間における全ての処理グループにおいて観察された。最も重要な減少は、ナイアシンを受けたグループ中で観察された(表21)。
【0103】
グループ1:4匹のラット、経管栄養 生理食塩水
グループ2:4匹のラット、経管栄養 ナイアシン(100mg/kg)
グループ3:4匹のラット、経管栄養 R2C2(1×108cfu/ml)
グループ4:4匹のラット、経管栄養 INIX(1×108cfu/ml)
グループ5:4匹のラット、経管栄養 BioSP(1×108cfu/ml)
グループ6:4匹のラット、経管栄養 K2(1×108cfu/ml)
【0104】
【表21】

【0105】
結腸癌に対する保護
該アッセイの目的は遺伝子モデルC57BL/6J−ApcMinにおいて腫瘍形成に対してマウスを保護するための該株の能力を検証することである。該モデルにおいて、脂肪リッチな食餌に暴露した場合、100%のApcMinヘテロ接合型マウスが少なくとも30の自然発生的な腸管腺腫を発症した。腫瘍形成期間中に異種株で1週間に3回経口的に処理したApcMinヘテロ接合型マウスにおいて該株の抗腫瘍化効果を評価した。
【0106】
実施例4
乳清中に発見されたタンパク質の消化
L.ケフィラノファシエンスR2C2を、発酵中のタンパク質基質を加水分解するためのその能力について評価した。乳清は、該細菌が乳清中に発見される通常のタンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、α−ラクトアルブミン(α−LAC)、β−ラクトグロブリン(βLG)を時間にわたって消化するための能力を有することを示すための基質として使用した。該分析は、勾配溶離によるHPLC(カラムRP C−4 300A(Phenomenex, Torrance, CA, USA)によって行った(表22)。
【0107】
【表22】

【0108】
実施例5
アトピー性接触皮膚炎におけるL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清製品の抗炎症能
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の抗炎症効果を測定するためにマウスにおけるオキサゾロンで誘発したアトピー性接触皮膚炎のマウスモデルを使用した。該炎症モデルは、例えば、皮膚障害、例えば、乾癬において使用されるいくつかの抗炎症性及び免疫抑制薬の有効性及び能力を測定するために感受性かつ有用であることが証明されている。グルココルチコイドのような薬物は、皮膚及び関節炎症を軽減するために一般的に使用される。予防的(表24)又は治療的(表23)方法のいずれかにおいて経口的に投与されたR2C2で発酵させた乳清は、両方の場合において耳の厚さの約30%の減少を伴い示されるとおり、炎症を低下した。より具体的には、アトピー性接触皮膚炎におけるマウスモデルは、Garrigue et al. (Contact Dermatitis., 30(4):231-273, 1994)による最初の記載に基づき、そして以下のとおり改変した:CD−1マウス腹部の毛を除去し、そして感作段階は、アセトン中の100μlのオキサゾロン5%の該腹部における適用により行った(Sigma-Aldrich, Oakville, On)。4日後、誘発段階(一次誘発)は、アセトン中の50μlのオキサゾロン5%の右耳における適用により行った(耳の各サイドに25μlずつ)。二次誘発は、一次誘発後7日目に同様の手順で行った。マウスの耳の厚さを毎日測定した。
【0109】
予防プロトコル(MPM)−マウスアトピー性接触皮膚炎
感作7日前に、MPMの投与により、MPM(特許PCT/CA2002/01988)の予防的抗炎症能を最初に評価した。10匹のCD−1マウスの3グループは、経管栄養により毎日100μlの再構成凍結乾燥MPM、水、及び1mgの水溶性ヒドロコルチゾン(10mg/mL)を受けた。前述のとおり皮膚炎が誘発され、そして耳の厚さを毎日測定した。MPMの治療的抗炎症能は、一次誘発後のMPMのみの投与により評価した。10匹のCD−1マウスの3グループは、経管栄養により毎日100μlの再構成凍結乾燥MPM、水、及び1mgの水溶性ヒドロコルチゾン(10mg/mL)を受けた。前述のとおりマウスアトピー性接触皮膚炎を行い、そして耳の厚さを毎日測定した。マウスの体重を週に2回測定した。
【0110】
治療プロトコル(R2C2)−アトピー性接触皮膚炎のマウスモデル
R2C2の治療的抗炎症能を、一次誘発後の細菌検索液の摂食によりアトピー性接触皮膚炎の動物モデルにおいて評価した。R2C2の保護効果を、皮膚炎におけるその周知の抗炎症性効果のためにヒドロコルチゾンと比較した。R2C2は、炎症の良好な低下を示し、減少した耳の厚さにより実証された。有効性はヒドロコルチゾンと比較可能であった。結果を表23〜25に示す。
【0111】
【表23】

【0112】
【表24】

【0113】
【表25】

【0114】
実施例6
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清製品の抗トリグリセリド血症能
該実験のために、7週齢の体重125〜150gのメスのウィスターラットをCharles River Canadaから購入した。該ラットを、それぞれ少なくとも6匹の動物からなる4つの異なるグループに無作為化した。ラットは、1mL用量のMPM、109細菌/mLのラクトバチルスR2C2(該ラクトバチルス株は乳清を発酵するために使用した)を含有する1mLの生理食塩水懸濁液、1mLのPBS(Invitrogen, Burlington, Ontario, Canada)、及び対照として100mg/kgのナイアシン(Sigma)を受けた。これらは、特定病原体未感染条件下で飼育され、そして24時間の明/暗周期に維持した。全ての動物は標準食餌を消費し、水を自由に受けた。MPMは凍結乾燥形態とし、そして80%の水を添加することにより毎日調製し、そしてヨーグルト様生成物に戻すために混ぜた。該細菌株ラクトバチルスR2C2は、MRSブロス(BD Biosciences, Mississauga, ON, Canada)中、37℃で24時間慣習的に培養した。その後細菌を4000rpmにおいて、8分間遠心分離によりペレット化し、そして無菌PBS(Invitrogen)中109細胞/mLの濃度において再懸濁した。ラットについて1kgあたり100mgの用量の処理を受けるように、ナイアシンを水に溶解した。ナイアシンは完全には溶解しなかったため、20分間ソニケーションをする必要があった。動物は、ポリキサマー407プルロニック(登録商標)F−127注射(BASF corporation, Mississauga, ON, Canada)の前に7日間の処理を受けた。腹腔内注射用のポリキサマー407溶液は、該薬剤と無菌水を混合し、そしてコールド法の取り込みによりポリマーの溶解を促進させるために一晩冷蔵することにより調製した。
【0115】
高脂血症の誘発
異なる生成物での7日の処理後、全ての動物を、300mgの用量のポリキサマー407の腹腔内注射により高脂血症とさせた。約23%w/w以上の濃度におけるポリキサマー407溶液は逆熱ゼラチン化特性を有するため、注射を促進させるためにポリマーが流動的な粘性状態を維持するようにポリキサマー407投与の前に全てのシリンジを氷上においた。
【0116】
血液の採取
約1mLの血液を3mLシリンジで頚静脈から採取し、そしてリチウム−ヘパリン処理プラスチックチューブ(Sarstedt, Montreal, QC, Canada)中に直ぐに移した。チューブを10秒間軽く振り、その後血漿の分離を許容するために遠心分離した。血漿試料を清潔な1.5mLエッペンドルフ中に採取し、そして分析時まで−80℃で直ぐに凍結させた。血液採取のために、イソフルラン(AErrane, Baxter Corporation, Deerfield, IL, USA)を使用して各動物を麻酔した。血液採取は、異なる生成物での7日の処理後、ポリキサマー407注射前(t=0、処理後脂質レベルの比較)、注射24時間後(t=24時間、誘発脂質レベル)及び注射72時間後(t=72時間、正常レベルへの回復の比較)に行った。最後の血液採取後、動物をCO2窒息法により犠牲にした。ポリキサマー407投与のための異なる処理の食餌についての全ての手順及びその後の血液採取は、実験動物の扱い及び使用のための施設ガイドに従い、そして倫理委員会により承認されている。
【0117】
脂質分析
全ての実験グループからの試料を、全コレステロール及びトリグリセリドについて分析した。全ての分析は、ISO 9002を取得し、完全性のある血漿脂質定量化サービスを提供する、独立した研究室(Laboratoire medical Biron, 4105-F Matte Blvd, Brassard, Quebec, Canada, J4Y 2P4)で行った。
【0118】
表15に示されるとおり、7日処理後のR2C2は、基礎トリグリセリドレベル(mmol/L)を制御するための僅かな能力を示した。最も優れた効果は、該細菌で発酵させた乳清で得られた。7日の処理後、細菌R2C2は、基礎トリグリセリドレベルを30%近くまで低下し、そしてR2C2で発酵させた乳清は、ナイアシンと同様に、基礎トリグリセリドレベルを40%近くまで低下した。また、R2C2処理グループにおいてトリグリセリドレベルは、高脂血症の誘発後72時間で低下したが、ナイアシン又はMPM処理グループにおいては特に調節された。
【0119】
【表26】

【0120】
【表27】

【0121】
実施例7
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清製品の抗高血圧能
R2C2で発酵させた乳清の(MPM)抗高血圧能を、SHRメスラット(6週齢)を使用して評価した。12匹のラットを各処理グループにおけるこれらの体重に従い無作為化した。これらは、特定病原体未感染条件下で飼育され、そして12時間−明/暗周期に維持した。全ての動物は標準食餌を消費し、水を自由に受けた。グループは、1mLの水(プラセボグループ)、MPM(5mL/kg)又はその周知の高血圧効果によりマレイン酸エナラプリル(10mL/kg)のいずれかを強制的に食餌させた。収縮期血圧(SBP)を、自動化RTBP2000テール血圧システム(Kent Scientific, Torrington, CT, USA)によるテール−カフ法により毎週測定した。データ収集は毎週行い、そして3通りの測定値の平均を初期平均SBPとして採用した。データを獲得し、そしてBiopac Student Lab Pro(登録商標)ソフトウェア バージョン 3.6.1 (Biopac System, Goleta, CA, USA)で解析した。処理の2週間後、エナラプリル処理グループは184mmHg〜156mmHgの正常化SBPを有した。SBPの着実な減少は、MPMで強制的に食餌した動物について、4週間目に少なくとも25%の最大変化を伴い、毎週観察された。結果を表28に示す。
【0122】
【表28】

【0123】
実施例8
高脂血症、肥満及び糖尿病の治療
高脂血症、肥満及び糖尿病における該株の効果を評価するために選択された動物モデルは、共通するいくつかの表現型パラメーターを有し(例えば、高脂血症、肥満及び糖尿病)、そしてL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の有利な効果を独立に確認するために使用された。
【0124】
a)高脂血症のモデル
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を、高脂血症のラットモデル中の血中脂質レベルを制御するためのこれらの能力を評価するために試験した。該プロトコルは、ラット中に人工的に誘発させた高脂血症の制御における、ナイアシン(vitB3)、強力な脂質低下剤、に対する比較評価を記載する。ポロキサマー407で腹腔内注射されたウィスターラットは急速に、重篤であるが一過性の高脂血症を発症する。グルコースの血清レベルもまた該処理により上昇する。L.ケフィラノファシエンス株の脂質低下効果を、ポロキサマーの注射前7日間、経口的に前処理したラットのグループにおいて評価する。血中脂質を、注射前、並びに高脂血症の誘発後24及び72時間目に測定した。トリグリセリド、コレステロール、HDL、LDL及びグルコースの血漿レベルを評価した。7日も前処理後、血漿トリグリセリドは、ナイアシン処理グループにおいて低下した。血漿トリグリセリドの減少はまた、高脂血症の誘発後72時間においてL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清中で観察された。
【0125】
グループ1:4匹のラット、経管栄養 生理食塩水
グループ2:4匹のラット、経管栄養 ナイアシン(100mg/kg)
グループ3:4匹のラット、経管栄養 L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清(経管栄養あたり1ml)
【0126】
【表29】

【0127】
b)高トリグリセリド血症及び肥満のモデル
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を、高脂血症の食餌誘発ラットモデルにおいて、体重増加及び血中脂質レベルを制御するためのその能力について試験した。このプロトコルは、ラット中の食餌誘発高脂血症の制御にいて、ナイアシン(vitB3)に対する比較を許容する。飲水中のフルクトース(10%の濃度)において暴露したウィスターラットは、漸進的な体重増加を示し、そして4週間にわたり高脂血症を発症する。フルクトース処理期間中のL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の高脂質低下効果を測定した。フルクトース処理の開始前、及び高脂血症の誘発中の4週間に1回、血液試料を採取した。トリグリセリドの血漿レベルを測定した。
【0128】
グループ1:経管栄養 生理食塩水
グループ2:経管栄養 ナイアシン(100mg/kg)
グループ3:経管栄養 L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清(1日に2回の経管栄養あたり1ml)
グループ4:1%エポキシサッカライドの経管栄養
【0129】
【表30】

【0130】
【表31】

【0131】
c)体重及び脂肪管理のモデル
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を、自然発生高血圧性ラットモデル及び卵巣摘出ラットにおいて、脂肪分布並びに体重増加を制御するためのその能力について試験した。SHRモデルは、前述のとおり使用したが、腹部に蓄積している内臓脂肪のレベルをモニターするために使用した。動物は、56日間1日に1回、L.ケフィラノファシエンスR2C2(20%固体)で発酵させた1mlの乳清を与えられた(P.O.q1×56)。
【0132】
グループ1:12匹のラット、経管栄養 生理食塩水
グループ2:12匹のラット、経管栄養 ナイアシン(100mg/kg)
グループ3:12匹のラット、経管栄養 L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清(経管栄養あたり1ml)。
【0133】
【表32】

【0134】
表33
卵巣切除ラット
45匹の12週齢のメスのウィスターラットを使用し、そして2つの偽手術グループと2つの卵巣摘出(OVX)グループ、すなわち、生理食塩水を伴うOVX(OVXグループ)、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を伴うOVX(経管栄養あたり1ml)に無作為に割り当てた。毎日の経口投与は12週間のOVX後4日目に開始した。違いは、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を与えた動物における、約8%の体重増加である。
【表33】

【0135】
実施例9
ヒト皮膚におけるL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の効果
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の局所的活性を、皮膚完全性の感受性かつ有意なバイオマーカー手段、例えば、ともに一定の上皮ホメオスタシス(8)のガーディアンである、プロスタグランジンE2(PGE2)及びシクロオキシゲナーゼ2(Cox−2)によりモニターした。L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン)、Cox−2の非選択性阻害薬、に対して、並びに一般的な商標名を伴う高価な市販製品、Regenerist Olay(登録商標)に対して比較した。該目的は、Cox発現におけるL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の効果、及びPEG2の基礎レベル及び日光及び環境紫外線(UVB)誘発侵襲後の誘発レベルの効果をモニターすることである。これらの実験において、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清を、ヒト皮膚において予防的又は治療的に使用した。試験した全ての実験条件において、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清は、両バイオマーカーの完全性における有意な阻害効果を示した。Cox−2の発現は、RT−PCRにより示されるとおり、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の暴露後に誘発された。該観察後、我々は、Cox−2の阻害を説明すべく、この活性を区別かつ説明でき、そして潜在的な悪影響を除外できる遺伝子を検索した。我々は、Cox−2の低下する発現に加え、15−ヒドロキシプロスタグランジン・デヒドロゲナーゼ(15−PGDH)、Cox−2を生理的かつ自然にアンタゴナイズするプロスタグランジン分解酵素の発現が増強されたことを発見した。この観察を更に推し進めるために、我々は、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清に暴露したヒトケラチノサイト及びヒト皮膚中のPGE2の生合成におけるCox−2減少の結果を測定した。我々は、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清が、外部侵襲なしの24時間暴露後に、PGE2の基礎レベルを約75%低下していることを発見した。UVBを環境侵襲として使用した場合、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清は、PGE2の阻害を予防し、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の保護的役割を示唆した。最後に、UVB暴露前又は後のいずれかに使用した場合のL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清は、同様の保護活性を示し、そしてさらにL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清をUVB暴露後に適用した場合に示されるとおり、治療的な効果をも示した。また、Regenerist Olay(登録商標)は希釈せずに使用したL.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清よりも低い有効性であったことに注目することが重要である。L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清は、該実験設定において非希釈条件において試験できなかったが、我々は非希釈において使用した場合には、その局所的活性は極めて増加したものと考える。まとめとして、これらのデータは、L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清がヒト皮膚における興味深い生物機能性を示すことを示唆する。
【0136】
実施例10
L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清の効果
3人のボランティアは、彼ら自身の承諾に基づき、多様な期間L.ケフィラノファシエンスR2C2で発酵させた乳清製品を摂取することを決意した。2人は高いコレステロールを有し、そして1人は腕における時々の痺れにつながる糖尿病及び高血圧を有した。高コレステロールを伴う最初の2人のボランティアは、1日あたり25グラム相当を10日間摂取し、そして妊娠糖尿病及び高血圧を伴うボランティアは3週間該製品(100ml湿性)を摂取した。結果は以下のとおりである。最初の2人については全コレステロールの12%及び15%の低下が、そして痺れの全体的な軽減及び妊娠糖尿病の予防が存在した。これらの結果は、より正確且つ厳格な臨床形式においていくつかの陽性の有利な効果を試験すべきことを示唆する。
【0137】
【表34】

【0138】
本発明のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)はまた、多様な効果を有する有用な製品に導き、ミルク製品、乳清及びチーズ乳清等の基質を発酵するために使用することができる。チーズ乳清の発酵プロセスは、ワイン醸造において、タンパク質中に豊富な反芻動物飼料サプリメントの産生のために使用される。発酵チーズ乳清はまた、抗酸化、抗高血圧、抗腫瘍、脂質低下、抗ウイルス、抗細菌及びキレート剤として作用する能力を有する。
【0139】
本発明は特定の態様との関連により記載されるが、これはさらなる改変が可能であり、そして本願は、一般に本発明の原理に従い、そして本発明の属する当業界に既知であり又は慣習的に実施されるような、そして前述の本質的特徴に適用できるような、そして付随の特許請求の範囲の範囲に従うような、このような開示からの脱却を含む、本発明のいずれかの変動、使用、又は適応を網羅することを意図することが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適当な担体と共に有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を含んで成るプロバイオティクス組成物。
【請求項2】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
腸内付着、腸内持続、腸内ミクロフローラの陽性調節、腸内病原菌に対する保護、免疫調節、全身性炎症に対する保護、腸炎に対する保護、アレルギーに対する保護、下痢に対する保護、糖尿病に対する保護、高脂血症に対する保護及び結腸癌に対する保護から成る群から選択されるプロバイオティクス効果を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、経口、直腸、又は膣投与用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
対象中の腸内ミクロフローラの陽性調節を提供するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項7】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
腸炎に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項10】
前記腸炎が、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)により、又は過敏性腸症候群(IBS)により生じる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
アレルギー及び/又は自己免疫疾患に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項14】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
下痢に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項17】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
糖尿病に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項20】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
高脂血症に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項23】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
結腸癌に対して対象を保護するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項26】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
対象における腸炎を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項29】
前記腸炎が、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)により、又は過敏性腸症候群(IBS)により生じる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
対象におけるアレルギー及び/又は自己免疫疾患を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項33】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
対象における下痢を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項36】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
対象における糖尿病を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項39】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
対象における高脂血症を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項42】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
対象における結腸癌を治療及び/又は予防するための方法であって、該対象に対して有効量のラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)を投与する工程を含んで成る方法。
【請求項45】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
プロバイオティクス化合物としてのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用。
【請求項48】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
腸内付着、腸内持続、腸内ミクロフローラの陽性調節、腸内病原菌に対する保護、免疫調節、全身性炎症に対する保護、腸炎に対する保護、アレルギーに対する保護、下痢に対する保護、糖尿病に対する保護、高脂血症に対する保護及び結腸癌に対する保護から成る群から選択されるプロバイオティクス効果を有する、請求項47に記載の使用。
【請求項51】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が経口投与用である、請求項47に記載の使用。
【請求項52】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、発酵乳製品及び非生存細菌試料として、生きている細菌集団、凍結乾燥された細菌集団から成る群から選択される形態において投与される、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記非プロバイオティクス試料が、熱殺細菌試料、照射された細菌、及び溶解された細菌から成る群から選択される、請求項51に記載の使用。
【請求項54】
前記前記プロバイオティクス化合物が、抗炎症性効果を有する、請求項47に記載の使用。
【請求項55】
乾癬の治療のための請求項54に記載の使用。
【請求項56】
抗炎症性化合物を伴う、請求項47〜55のいずれか一項に記載の使用。
【請求項57】
前記抗炎症性化合物が5−ASA又は副腎皮質ステロイドである、請求項57に記載の使用。
【請求項58】
乾癬の治療のための医薬の製造のための、請求項47に記載の使用。
【請求項59】
乳清を発酵するためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)の使用。
【請求項60】
前記乳清がチーズ乳清である、請求項60に記載の使用。
【請求項61】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項60又は61のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項60又は61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
循環器疾患の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項64】
高血圧の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項65】
体重障害の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項66】
高脂血症の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項67】
トリグリセリド障害の治療のためのラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項68】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項64〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項64〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
循環器疾患の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項71】
高血圧の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項72】
体重障害の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項73】
高脂血症の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項74】
トリグリセリド障害の治療のための医薬の製造におけるラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)による乳清の発酵から得られた製品の使用。
【請求項75】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefiranofaciens)及びラクトバチルス・ケフィラノファシエンス亜種ケフィアグラナム(Lactobacillus kefiranofaciens subsp. kefirgranum)から成る群から選択される、請求項71〜74のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス(Lactobacillus kefiranofaciens)が、R2C2、INIX、K2、BioSP及びES1から成る群から選択される株である、請求項71〜74のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2008−530034(P2008−530034A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554405(P2007−554405)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000206
【国際公開番号】WO2006/084381
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(504239331)テクノロジー バイオラクティス インコーポレイティド (2)
【Fターム(参考)】